JP2001172390A - 変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法

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JP2001172390A
JP2001172390A JP35726299A JP35726299A JP2001172390A JP 2001172390 A JP2001172390 A JP 2001172390A JP 35726299 A JP35726299 A JP 35726299A JP 35726299 A JP35726299 A JP 35726299A JP 2001172390 A JP2001172390 A JP 2001172390A
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Takashi Matsuo
孝志 松尾
Youichi Kimae
洋一 木前
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 片末端にカルボキシル基を有するオルガノポ
リシロキサンおよびそれを1段階の反応工程で製造でき
る方法を提供する。 【解決手段】 一般式(2)の片末端水酸基シリコ−ン
と一般式(3)の酸無水物とを反応させ一般式(1)の
片末端カルボキシル基変性オルガノポリシロキサンを製
造する 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアル
キル基または炭素数6〜10のアリール基であり;R6
は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルケ
ニレン基または炭素数6〜10のアリーレン基であり;
nは1以上、mは0または1以上の整数であり、n+m
=4〜1100(ポリシロキサンセグメントの平均重合
度)であり;Xは炭素数が2〜20のアルキレン基であ
り;Yは−OCH2CH2−、−OCH(CH3)CH2
または−OCH2CH(CH3)−で示されるオキシアル
キレン基である]。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変性オルガノポリ
シロキサンおよびその製造方法に関するものである。さ
らに詳しくは、片末端にカルボキシル基を有するオルガ
ノポリシロキサンおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】官能基を有するオルガノポリシロキサン
は、ポリマーの改質剤として有効である。たとえば、ポ
リマーの共重合成分として用いることにより、ポリマー
にオルガノポリシロキサンの特性である耐候性、表面撥
水性、潤滑性、生体適合性、ガス透過性などを付与でき
る。ポリマーの改質のために、種々の有機官能基を有す
るオルガノポリシロキサンが知られている。たとえば、
カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン、すな
わち片末端カルボキシル基変性オルガノポリシロキサン
は、繊維処理剤、乳化剤、無機材料の表面改質剤や、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル、アルキド樹脂、ウレタン樹
脂などの各種樹脂の改質剤として有用である。また、こ
のカルボキシル基の反応性を利用して種々の新たな官能
基を導入することにより、種々の官能基を有するオルガ
ノポリシロキサンを合成することができる。たとえば、
このカルボキシル基を、アミドあるいはエステルなどの
基に変換するとができる。このように片末端カルボキシ
ル基変性オルガノポリシロキサンは各種の変性シリコー
ンの調製に利用される。特公平07−068424で
は、アクリルゴムにカルボキシル基をもつオルガノポリ
シロキサンの添加による離型性、ロール加工性をの改善
が示されている。また、特開平09−059125にお
いては、カルボキシル基変性オルガノポリシロキサンで
粉体を処理して得られる撥水性化粧用料用粉体が開示さ
れている。さらに、特開平05−139997では、片
末端カルボキシル基変性シリコーンを用いた経皮吸収促
進剤が開示されている。このように有用性のある片末端
カルボキシル基変性オルガノポリシロキサンはつぎのよ
うな方法で製造される。たとえば、片末端にSi―H基
を有するジメチルポリシロキサンと不飽和カルボン酸エ
ステル化合物を白金触媒下でヒドロシリル化反応により
付加し、その後エステルを加水分解してカルボン酸にす
る方法、片末端にSi―H基を有するジメチルポリシロ
キサンと不飽和カルボン酸シリルエステルを白金触媒下
でヒドロシリル化反応により付加し、反応後シリル基を
水やアルコールにより脱離させカルボン酸にする方法な
どがあげられる。しかしながら、これらの方法ではカル
ボキシル基がヒドロシリル化反応を妨害するために反応
前に一度カルボキシル基をシリル基などで保護するため
に3段階の反応工程が必要である。このような状況にお
いて1段階の反応工程で製造できる片末端カルボキシル
基変性オルガノポリシロキサンが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することであり、片末端にカル
ボキシル基を有するオルガノポリシロキサンおよびそれ
を1段階の反応工程で製造できる方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の課
題を解決するために鋭意検討した結果、新規な片末端カ
ルボキシル基変性オルガノポリシロキサンとその製造方
法を完成するに至った。
【0005】本発明の変性オルガノポリシロキサンは、
一般式(1)
【化4】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアル
キル基または炭素数6〜10のアリール基であり;R6
はR6は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5の
アルケニレン基または炭素数6〜10のアリーレン基で
あり;nは1以上、mは0または1以上の整数で、n+
mはポリシロキサンセグメントの平均重合度4〜110
0を示し;Xは炭素数が2〜20のアルキレン基であ
り;Yは−OCH2CH2−、−OCH(CH3)CH2
または−OCH2CH(CH3)−で示されるオキシアル
キレン基である]で表わされる片末端にカルボキシル基
を有することを特徴とする。
【0006】本発明の変性オルガノポリシロキサンの製
造方法は、一般式(2)
【化5】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアル
キル基または炭素数6〜10のアリール基であり;nは
1以上、mは0または1以上の整数で、n+mはポリシ
ロキサンセグメントの平均重合度4〜1100であり;
Xは炭素数が2〜20のアルキレン基であり;Yは−O
CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−または−OC
2CH(CH3)−で示されるオキシアルキレン基であ
る]で表わされる片末端水酸基シリコーンと一般式
(3)
【化6】 [式中R6は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜
5のアルケニレン基または炭素数6〜10のアリーレン
基である]で表わされる酸無水物とを反応させることを
特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の変性オルガノポリシロキ
サンは、前記一般式(1)で示されるが、さらに具体的
に説明する。R1、R2、R3、R4およびR5を具体的に
示す。炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i
−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシルなどの直鎖状もしくは分岐状
アルキル基があげられる。また炭素数1〜10のシクロ
アルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル
などがあげられる。炭素数6〜10のアリール基として
は、フェニル、トルイル、キシリル、エチルフェニル、
ベンジル、フェネチルなどを挙げることができる。前述
の基のうちR1、R3、R4およびR5はメチル、R2はメ
チルもしくはブチルが好ましい。
【0008】R6で示される炭素数1〜5のアルキレン
基としては、−CH2CH2−、−CH2−CH(CH3
−、−CH2−CH(C25)−、−CH(CH3)−C
H(CH3)−など直鎖状もしくは分岐状のアルキレン
基が挙げられる。炭素数2〜5のアルケニレン基として
は、−CH=CH−、−CH2−C(=CH2)−、−C
H=C(CH3)−、−C(CH3)=C(CH3)−な
ど直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基が挙げられ
る。また炭素数6〜10のアリーレン基としては1,2
−フェニレン、4メチル−1,2−フェニレン、ジメチ
ルフェニレン、4エチル−1,2−フェニレン−などが
挙げられる。好ましいR6は、−CH2CH2−、−CH
=CH−、1,2−フェニレンである。
【0009】Xで示される炭素数が2〜20のアルキレ
ン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレ
ン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウ
ンデカメチレン、ドデカメチレン、テトラデカメチレ
ン、2−メチルエチレン、2−メチルトリメチレン、2
−メチルテトラメチレン、2−メチルペンタメチレン、
2−メチルヘキサメチレン、2−メチルヘプタメチレ
ン、2−メチルオクタメチレン、2−メチルノナメチレ
ン、2−メチルデカメチレン、2−メチルウンデカメチ
レンなど直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を挙げる
ことができる。好ましくはトリメチレンもしくは2―メ
チルエチレン(炭素数が3)である。Yとしては、前述の
オキシアルキレン基が示されるが、好ましくは−OCH
2CH2−(炭素数2)である。
【0010】nおよびmは、それぞれジ置換ポリシロキ
サンセグメントおよびジメチルポリシロキサンセグメン
トの平均重合度を示し、nは1以上、mは0もしくは1
以上であれば特に限定されるものではない。ポロシロキ
サン結合の平均重合度(n+m)が4〜1100であ
る。本発明の変性オルガノポリシロキサンの重量平均分
子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは5
00〜100000である。
【0011】本発明の変性オルガノポリシロキサンの製
造方法について詳述する。つぎの反応式で示すように、
式(2)で表わされる片末端水酸基シリコーンと式
(3)で表わされる酸無水物とのモノエステル化反応に
より式(1)で示される本発明の変性オルガノポリシロ
キサンを製造することができる。
【化7】 (ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、Y、n
およびmの定義は前記と同じである。)なお、R1
2、R3、R4、R5、R6、XおよびYの具体例、nお
よびmの具体的な説明も本発明の変性オルガノポリシロ
キサンにおける先の詳述と同様である。
【0012】本発明の変性オルガノポリシロキサンの製
造方法に用いる式(2)で表わされる片末端水酸基シリ
コーンは市販品として入手できる。例えばチッソ(株)
製の”FM−0411”、”FM−0421”、”FM
−0425”{R1、R3、R 4およびR5はそれぞれ−C
3、R2=n−C49、Xは−CH2CH2CH2−また
は−CH(CH3)CH2−、Y=−−OCH2CH2−で
あり、ポリシロキサンセグメントの平均重合度(n+
m)はそれぞれ11、65、132である。}が示され
る。また、一般式(3)で示される酸無水物も市販品を
使用することができる。例えば、無水こはく酸(R6
−CH2CH2−)、無水マレイン酸(R6=−CH=C
H−)、無水イタコン酸(R6=−CH2−C(=C
2)−)、無水シトラコン酸(R6=−CH=C(−C
3)−)、無水フタル酸(R6=1,2−フェニレン)
などをあげることができる。
【0013】本発明の変性オルガノポリシロキサンの製
造方法におけるモノエステル化反応として二通りの方法
を挙げることができる。その第一の方法は、溶媒を用い
て均一系にて反応を行う方法である。すなわち、式
(2)で表わされる片末端水酸基シリコーンおよび式
(3)で示される酸無水物を溶媒に溶解させ反応させ
る。反応温度は特に限定されないが、該溶媒の沸点以下
であることが好ましい。副生成物の生成を抑え、生成物
の変性オルガノポリシロキサンの収率を上げるために
は、反応系中に三級アミンを存在させることが好まし
い。また片末端水酸基シリコーンをすべて消費させるた
めに過剰の酸無水物を用いることが好ましい。溶媒の使
用量は特定されるものではないが、片末端水酸基シリコ
ーンは一般に粘度が高いので、溶媒の反応系への添加
は、反応液の粘度を下げる効果がある。
【0014】このような溶媒としては、へキサンやヘプ
タンなどの炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケ
トン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの
ケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど
の極性有機溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素溶媒、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クメンなどの芳香族系炭化水素溶媒、
その他ピリジンなどを挙げることができる。これらの溶
媒は単独で使用しても、その複数を組み合わせて使用し
てもよい。これらの溶媒は片末端水酸基シリコーンまた
は酸無水物と反応するような不純物、すなわち、水、ア
ルコール類、一級・二級アミン類、カルボン酸類を含ま
ないことが望ましい。
【0015】反応系中にを存在させる三級アミンとして
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブ
チルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミ
ン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8
−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン(DBU)
などを挙げることができるが、このうちトリメチルアミ
ンあるいはトリエチルアミンが特に好ましい。また、反
応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドやピリジン
など三級アミン構造を持つ溶媒を使用した場合は三級ア
ミンを新たに追加する必要はない。該三級アミンの使用
量は、実施者が任意に決定するべきものであり特に限定
されるものではないが、反応性、経済性などを考慮した
場合、式(2)の片末端水酸基シリコーンに対し0.0
1〜2倍モル量の範囲であることが好ましい。さらには
0.1〜1倍モル量の範囲であることが好ましい。三級
アミンを用いた場合には、反応後、生成物の変性オルガ
ノポリシロキサンンと一部塩を生成するが、これには酢
酸などの有機酸、塩酸などの鉱酸を用いることによりカ
ルボキシル基変性オルガノシロキサンを遊離させればよ
い。しかし、鉱酸を用いた場合には、シロキサン結合が
切れる恐れがあるので、該酸を十分に希釈して用いるの
が好ましい。式(3)の酸無水物を過剰の用いた反応の
場合、反応後に未反応の酸無水物が残るが、水を加えて
加水分解しジカルボン酸に変換させた後、水、メタノー
ルなどで洗浄することにより除くことができる
【0016】本発明の製造方法におけるモノエステル化
反応の第二の方法は、三級アミンを用いず無溶媒系にて
行なう方法である。この反応においては高い温度が必要
となるが、三級アミンを必要としない。そのために酢酸
などの有機酸または塩酸などの鉱酸も必要でない。ま
た、高温においては式(3)の酸無水物は一般に液体と
なり、式(2)の片末端水酸基シリコーンとの2層系の
反応となるが、加熱攪拌を十分に行なうことにより反応
を進行させることができる。反応温度は、特に限定され
ないが、好ましくは50〜300℃、反応性、経済性な
どを考慮すると150〜250℃である。また、式
(2)の片末端水酸基シリコーンをすべて消費させるた
めに過剰の酸無水物を用いることが好ましい。この場
合、反応後に未反応の酸無水物が残るが、水を加えて加
水分解しジカルボン酸に変換させた後、水、メタノール
などで洗浄することにより除くことができる。未反応の
酸無水物を除く他の方法としては、得られる変性オルガ
ノポリシロキサンの粘度が低い場合は濾過により除き、
粘度が高い場合はトルエン、ヘキサンなどにより粘度を
下げた後に濾過により除けばよい。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施
例で得られた化合物の各物性は下記の方法で測定した。 粘度:キャノンフェンスケ粘度計を用い、JIS Z 8
803(粘度測定方法)の規定にしたがって測定した。 水分:JIS K 0068(化学製品の水分測定方法)
にしたがって測定した。 酸価:JIS K 0070(化学製品の酸価、けん化
価、エステル価、よう素価、水酸基価およびけん化物の
試験方法)中の酸価にしたがって測定した。更に、本実
施例において、無水こはく酸、トルエン、メタノールは
キシダ化学(株)製の試薬を用いた。
【0018】実施例1 変性オルガノポリシロキサンの製造{水酸基末端シリコ
ーン(分子量1000)の片末端カルボキシル基変性} 磁気攪拌子、温度計を取り付けた100ミリリットルの
三つ口フラスコに、水酸基末端シリコーン{チッソ
(株)製”FM−0411”[平均分子量1000,官
能基当量1108)}の50g、無水こはく酸の9.0
gを入れた。この反応系内の温度を200℃とし、その
まま8時間攪拌した。その後室温まで冷却後、メタノー
ル50gをフラスコ中に加えて反応液を溶解させ、減圧
濾過にて固形分を除き、黄色透明の溶液を得た。この溶
液に、トルエン50g、水100gを加えて振り、過剰
の無水こはく酸をこはく酸に加水分解させ、さらに水層
に抽出させた。この操作を3回繰り返した。次いで、抽
出残さからエバポレーターを用いて溶媒と揮発分を減圧
溜去して濾過することにより、49gの微黄色透明液体
を得た。この微黄色透明液体の粘度は42mm2/s
(25℃)、水分は480ppm、酸価は36.3(K
OHmg/g)、屈折率は1.4150(25℃)であ
った。また、該液体のIRチャート(Neat)を図1
に示す。また、該液体の1H−NMRチャート(90M
Hz、CDCl3、積算400)を図2に示す。これら
のチャートから、得られた微黄色透明の液体は、分子量
1000のポリジメチルシロキサンの片末端がカルボキ
シル基で変性されたものであることが確認された。
【0019】実施例2 変性オルガノポリシロキサンの製造{水酸基末端シリコ
ーン(分子量5000)の片末端カルボキシル基変性}
磁気攪拌子、温度計を取り付けた100ミリリットルの
三つ口フラスコに、水酸基末端シリコーン{チッソ
(株)製”FM−0421”[(分子量5000、官能
基当量4861)}の50g、無水こはく酸の2.1g
を入れた。この反応系内の温度を200℃とし、そのま
ま8時間攪拌した。その後室温まで冷却後、反応液に、
トルエン100g、水150gを加えて振り、過剰の無
水こはく酸をこはく酸に加水分解させ、さらに水層に抽
出させた。この操作を3回繰り返した。次いで、抽出残
さからエバポレーターを用いて溶媒と揮発分を減圧溜去
して濾過することにより、48gの黄色透明液体を得
た。この微黄色透明液体の粘度は120mm2/s(2
5℃)、水分は310ppm、酸価は7.7(KOHm
g/g)、屈折率は1.4065(25℃)であった。
また、該液体のIRチャート(Neat)を図3に示
す。また、該液体の1H−NMRチャート(90MH
z、CDCl3、積算400)を図4に示す。これらの
チャートから、得られた微黄色透明の液体は、分子量5
000のポリジメチルシロキサンの片末端がカルボキシ
ル基で変性されたものであることが確認された。
【0020】実施例3 変性オルガノポリシロキサンの製造{水酸基末端シリコ
ーン(分子量10000)の片末端カルボキシル基変
性}磁気攪拌子、温度計を取り付けた100ミリリット
ルの三つ口フラスコに、水酸基末端シリコーン{チッソ
(株)製”FM−0425”[(分子量10000、官
能基当量8912)}の50g、無水こはく酸の1.1
gを入れた。この反応系内の温度を200℃とし、その
まま8時間攪拌した。その後室温まで冷却後、反応液
に、メタノール70gを加えて振り、過剰の無水こはく
酸をこはく酸モノメチルに加溶媒解させ、さらにメタノ
ール層に抽出させた。この操作を3回繰り返した。次い
で、抽出残さからエバポレーターを用いて溶媒と揮発分
を減圧溜去して濾過することにより、48gの微黄色透
明液体を得た。この微黄色透明液体の粘度は380mm
2/s(25℃)、水分は100ppm、酸価は2.6
(KOHmg/g)、屈折率は1.4052(25℃)
であった。また、該液体のIRチャート(Neat)を
図5に示す。また、該液体の1H−NMRチャート(9
0MHz、CDCl3、積算400)を図6に示す。こ
れらのチャートから、得られた微黄色透明の液体は、分
子量10000のポリジメチルシロキサンの片末端がカ
ルボキシル基で変性されたものであることが確認され
た。
【0021】
【発明の効果】本発明で新規な片末端カルボキシル基変
性オルガノポリシロキサンが提供される。また、本発明
の変性オルガノポリシロキサンの製造方法は、複数の反
応工程を必要としないという特徴を持つとともに、用い
るジカルボン酸無水物により種々の変性オルガノポリシ
ロキサンを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた変性オルガノポリシロキサ
ンのIRチャートである。
【図2】実施例1で得られた変性オルガノポリシロキサ
ンの1H−NMRチャートである。
【図3】実施例2で得られた変性オルガノポリシロキサ
ンのIRチャートである。
【図4】実施例2で得られた変性オルガノポリシロキサ
ンの1H−NMRチャートである。
【図5】実施例3で得られた変性オルガノポリシロキサ
ンのIRチャートである。
【図6】実施例3で得られた変性オルガノポリシロキサ
ンの1H−NMRチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ炭素
    数1〜20のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアル
    キル基または炭素数6〜10のアリール基であり;R6
    は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルケ
    ニレン基または炭素数6〜10のアリーレン基であり;
    nは1以上、mは0または1以上の整数で、n+mはポ
    リシロキサンセグメントの平均重合度4〜1100を示
    し;Xは炭素数が2〜20のアルキレン基であり;Yは
    −OCH2CH2−、−OCH(CH 3)CH2−または−
    OCH2CH(CH3)−で示されるオキシアルキレン基
    である。]で表わされる片末端カルボキシル基変性オル
    ガノポリシロキサン。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ炭素
    数1〜20のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアル
    キル基または炭素数6〜10のアリール基であり;nは
    1以上、mは0または1以上の整数で、n+mはポリシ
    ロキサンセグメントの平均重合度4〜1100を示し;
    Xは炭素数が2〜20のアルキレン基であり;Yは−O
    CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−または−O
    CH2CH(CH3)−で示されるオキシアルキレン基で
    ある]で表わされる片末端水酸基シリコ−ンと一般式
    (3) 【化3】 [式中R6は炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜
    5のアルケニレン基または炭素数6〜10のアリーレン
    基である]で表わされる酸無水物とを反応させることを
    特徴とする片末端カルボキシル基変性オルガノポリシロ
    キサンの製造方法。
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