JP2001172188A - 免疫寛容誘導剤 - Google Patents

免疫寛容誘導剤

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JP2001172188A
JP2001172188A JP35557399A JP35557399A JP2001172188A JP 2001172188 A JP2001172188 A JP 2001172188A JP 35557399 A JP35557399 A JP 35557399A JP 35557399 A JP35557399 A JP 35557399A JP 2001172188 A JP2001172188 A JP 2001172188A
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cells
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marrow cells
transplantation
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Susumu Ikehara
進 池原
Tsuyotoshi Kushida
剛俊 串田
Muneo Inaba
宗夫 稲葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】骨髄細胞移植及び臓器移植の際に発生する拒絶
反応を抑制する免疫寛容を容易に誘導でき、移植細胞及
び臓器を長期間維持できる新しい免疫寛容誘導剤を提
供。 【解決手段】放射線照射と共に免疫寛容の誘導に用いら
れる医薬であって、骨髄細胞を含む寛容原を有効成分と
し放射線照射後に骨髄内投与される骨髄内投与形態を有
する免疫寛容誘導剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨髄移植及び臓器
移植に際して発生する移植骨髄及び移植臓器に対する拒
絶反応を効率的に抑制して、それら骨髄及び臓器の長期
に亘る維持、生着を可能とする、免疫寛容誘導剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】免疫寛容の人為的な誘導(免疫寛容の成
立)は、臓器移植における最終目標として注目され、種
々の研究がなされ、研究成果が報告されている。かかる
人為的な免疫寛容の誘導方法としては、例えば以下の報
告が参照される。
【0003】脾臓細胞や骨髄細胞の寛容原(toleroge
n)移入と抗有糸分裂剤(antimitoticdrug)との併用に
よる寛容誘導〔Fukuoka Acta Med., 81(1), 20-40 (199
0); Microbiol. Immunol., 32(3), 283-292 (1988)
等〕。ここで、抗有糸分裂剤としては、6−メルカプト
プリン(6-mercaptopurine)、メソトレキセート(meth
otrexate)、サイクロホスファマイド(cyclophosphami
de, CP)、5−フルオロウラシル(5-fluorouracil)、
アザチオプリン(azathioprine, AZP)、プロカルバジ
ン(procarbazine)等が挙げられ、シクロスポリンA
(ciclosporin A, CsA)やFK506のような免疫抑制
剤やステロイド類は、之等抗有糸分裂剤とは作用機構が
顕著に相違する。
【0004】早川らは、FK506を用いてドナー特異
的な免疫抑制状態を誘導する試みを報告している〔慶応
医学、72(3),163-176 (1995)〕。同様に、村松らは、1
5−DSGによる免疫寛容導入の可能性について報告し
ている〔第20回日本マイクロサージャリー学会抄録、89
-90頁 (1994)〕。
【0005】本発明者らも先に、マウスに骨髄細胞(特
に造血幹細胞)を門脈内又は静脈内投与すると、該細胞
が肝臓に捕捉されてキメリズムが成立し、かくして免疫
学的寛容が誘導されることを報告している〔Eur. J. Im
munol., 24: 1558 (1994)〕。
【0006】更に本発明者らは、骨髄細胞等の寛容原
(tolerogen)を有効成分とする薬剤を門脈内投与し次
いで静脈内投与することによって免疫寛容を達成でき、
これによれば移植臓器の長期に亘る生着、維持が行ない
得ることを見出し、この知見に基づく免疫寛容誘導剤に
係わる発明を先に完成した〔WO98/39016
号〕。
【0007】一方、近年、自己免疫疾患が血液幹細胞疾
患(stem cell disorder)として認識されるに至り〔In
ternational Journal of Molecular Medicine, 1: 5-1
6, 1998〕、骨髄移植(BMT)、殊に同種骨髄移植
(アロBMT)による各種自己免疫疾患の治療が注目を
あびてきている。このように近年のBMTにあって中心
的役割を果たしているアロBMTにおいて、殊に、骨髄
バンクの整備により非血縁者間BMTが増加してきてい
る現状において、その効果と共に、移植細胞の生着不全
/拒絶や移植片対宿主病(GVHD)への対応が、問題
点あるいは課題として指摘されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
侵襲の少ない処置で確実にキメリズムを導入し、免疫寛
容状態を長期間維持でき、もって拒絶反応の抑制を効率
的に行ない、移植臓器(骨髄細胞を含む)の長期に亘る
生着、維持を図り得る画期的な技術を提供することにあ
る。
【0009】本発明の他の目的は、現在のBMTに見ら
れる問題、殊に生着不全/拒絶の問題を解消する新しい
BMTの方法及びこれに利用できる免疫寛容誘導技術乃
至骨髄細胞移植技術を提供することにある。
【0010】本発明者らは鋭意研究の結果、従来試みら
れた例のない骨髄細胞の骨髄内投与という新しい手法を
採用し、しかもこれを免疫寛容のための前処置としての
放射線照射と組合せて実施するときには、上記目的とす
る所望の免疫寛容誘導が行ない得るという新規事実を発
見し、ここに本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、免疫寛
容の誘導に放射線照射と共に用いられる医薬であって、
骨髄細胞を含む寛容原を有効成分とし、放射線照射後に
骨髄内投与される骨髄内投与形態を有することを特徴と
する免疫寛容誘導剤が提供される。
【0012】特に、本発明によれば、以下の免疫寛容誘
導剤が提供される。 (1) 寛容原が、移植片対宿主病(GVHD)を防止す
るためのものであり且つT細胞の混入の少ない骨髄細胞
(例えばマウスを用いた試験において得られる如き採取
した骨髄細胞に、抗T細胞抗体処理を行なった後の細胞
や、カニクイザルを用いた試験において得られる如き灌
流法により得られる骨髄細胞に、抗T細胞抗体処理を行
なった後の細胞)である上記免疫寛容誘導剤。 (2) 骨髄内投与が大腿骨内投与によりなされる上記免
疫寛容誘導剤。 (3) 放射線照射が1日2回の分割による全身照射によ
り行なわれる上記免疫寛容誘導剤。 (4) 骨髄移植に用いられる上記免疫寛容誘導剤。 (5) 自己免疫疾患の治療に用いられる上記免疫寛容誘
導剤。 (6) 臓器移植の前処置に用いられる上記免疫寛容誘導
剤。
【0013】また、本発明によれば、上記免疫寛容誘導
剤を利用した免疫寛容誘導方法乃至骨髄移植方法が提供
される。該方法は、より詳しくは、免疫寛容の誘導を所
望される患者に、放射線照射を行ない、次いで骨髄細胞
を含む寛容原の有効量を製剤担体と共に含む医薬組成物
を骨髄内投与することを特徴としている。
【0014】本発明免疫寛容誘導剤は、上記のように骨
髄移植用剤として、従来の骨髄移植対象疾患は勿論のこ
と、他に代表的には自己免疫疾患の治療に用いることが
できる。特に、本発明免疫寛容誘導剤は、これを骨髄移
植に利用することによって、生着不全あるいは拒絶の発
生頻度を非常に低減させて、移植された骨髄細胞を良好
に維持でき、かくして、移植された骨髄細胞による本来
の効果、即ち、造血機能、免疫機能の正常化により、白
血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、重症再生不良性貧
血、骨髄異形成症候群(MDS)及びその他の遺伝性疾
患等の治療効果を始めとして、自己免疫疾患の治療や遺
伝子導入による遺伝子治療への利用等の効果を十分に発
揮し得る。
【0015】また、本発明免疫寛容誘導剤は、臓器移植
の前処置に用いることができ、その利用によって、所望
の免疫寛容を誘導して、移植臓器の長期に亘る良好な生
着、維持効果を奏し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明免疫寛容誘導剤(以下、単
に「本発明医薬」ということがある)における有効成分
である、寛容原としての骨髄細胞としては、例えばドナ
ー由来のものを例示できる。かかる寛容原の分離及び単
離は、公知の方法に従うことができ、例えば山本等の文
献〔Blood, Vol 88, pp 445-454 (1996)〕や「細胞免疫
実験操作法」〔Mishell B. B., Shgi S. M. 編、今井勝
行、川口進、原田孝之供訳、理工学社、3-12頁、1982
年〕等に記述されている方法等が参照される。
【0017】本発明における特に好ましい上記骨髄細胞
は、GVHDが発症せずに生着率を高め得る点より、T
細胞の混入をできるだけ抑えたものであるのがよい。か
かるT細胞の混入の少ない(例えば1%程度)骨髄細胞
は、より詳しくは、後述する灌流法により入手される骨
髄細胞(通常5%程度以下のT細胞が混入する)から、
例えば以下の如くしてT細胞を処理して調製することが
できる。このT細胞除去は、例えば、通常の抗T細胞抗
体(例えば、抗CD3抗体や抗CD4抗体と抗CD8抗
体とを混合したもの等)を細胞集団に添加後、補体を加
えずに、抗T細胞抗体が結合した細胞(T細胞)をin v
ivoで殺すことにより実施できる。この方法によれば、
従来の抗体と補体を用いた処理方法とは異なって、T細
胞以外の細胞、特にストローマ細胞は除去されず、生着
率を向上させることができる。
【0018】上記灌流法は、本発明者らが独自に確立し
た、免疫原としての骨髄細胞の採取法であり、T細胞の
混入を低減させたドナー(哺乳動物)由来の骨髄細胞の
採取に特に適している。該灌流法は、例えば、大腿骨の
一端に骨髄穿孔針を挿入し、該針を通して適当な灌流
液、例えばリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)を骨髄腔
内に流し、これを大腿骨の他端に設けた穿孔より回収す
る方法である。
【0019】上記灌流法につき、例えばヒトへの応用を
考慮してサルを供試動物として更に詳述すれば、該方法
は以下の如くして実施できる。即ち、麻酔下に、骨髄穿
孔針を大腿骨外顆近位部(上腕骨の場合は上腕骨大結節
遠位部)に軸に対して直角に挿入し、進展チューブの一
端を該針につなぎ、他端を培養フラスコ中に入れる。該
フラスコ内にはヘパリンを含むPBSを入れておく。も
う一つの骨髄穿孔針を同大腿骨大転子遠位部(上腕骨の
場合は上腕骨外顆近位部)に軸に対して直角に挿入し、
PBSを入れたシリンジに繋ぐ。該シリンジよりPBS
をゆっくりと骨髄腔に押し出して骨髄を洗出し、骨髄液
を含む媒体を上記フラスコ中に回収する。かくして、T
細胞の混入を低減された所望の骨髄細胞を得ることがで
きる。
【0020】上記灌流方法によれば、通常の骨髄細胞の
採取方法であるアスピレーション法に比して、得られる
骨髄細胞上の表面抗原CD4及びCD8量が約1/5以
下に減少しており、このことからT細胞の混入が非常に
少ないことが明らかである。
【0021】本発明医薬は、その有効成分が骨髄内投与
されるものであるため、骨髄内投与に適した形態に調製
されることが重要である。かかる骨髄内投与形態の代表
的なものとしては、例えば注射剤、輸液剤等の液剤形態
を例示できる。この注射剤を含む所望形態の調製は、通
常のこの種の細胞成分からなる各種医薬製剤におけるそ
れらと同様のものとすることができる。その際用いられ
る担体も、この分野で従来よりよく知られている、薬学
的に許容される各種の担体(希釈剤等)でよく、その例
としては、代表的にはPBSやRPMI1640等を例
示することができる。また、上記骨髄内投与形態の調製
に際しては、現在汎用されている各種の輸液用製剤に利
用されている各種の技術も利用可能である。尚、本発明
医薬は、移植に際して移植臓器ドナーより用時調製する
こともできる。
【0022】本発明医薬の投与量は、骨髄移植乃至臓器
移植に有効な量、即ち移植細胞乃至移植臓器の生着不全
や拒絶及び移植片対宿主病(GVHD)が惹起されない
量であるかぎり特に制限はない。好ましい上記投与量と
しては、例えばマウスの場合骨髄細胞として少なくとも
1×107個程度、好ましくは3×107個程度を目安と
して、適宜増減することができる。ヒトにおける投与量
は上記マウスのそれを参考にして、通常の骨髄移植にお
ける投与量を参考にして適宜決定できる。例えば1×1
8個/kg程度もしくはそれ以上とするのがよい。
尚、造血機能の回復が遅延する場合は、随時、凍結保存
しておいたドナー骨髄細胞の追加静脈内投与を行なうの
が好ましい。
【0023】本発明医薬は、骨髄内経路により投与さ
れ、これにより、所望の免疫寛容の誘導による移植細胞
乃至臓器の長期に亘る生着、維持をはかり得る。かかる
骨髄内投与は、例えば脛骨(又は大腿骨)骨髄内に刺入
した針を利用して注射により実施することができる。そ
の詳細は、後記実施例に示すとおりである。特にこの方
法はレシピエントへの侵襲の少ないものとして特徴付け
られる。
【0024】本発明医薬を利用して免疫寛容を誘導する
方法、即ち、本発明医薬の骨髄内投与による骨髄細胞移
植方法及び各種臓器移植に先立つ移植臓器の拒絶反応抑
制のための免疫寛容誘導方法は、骨髄細胞乃至臓器の移
植に有効な放射線照射(移植前処置)と、上述した骨髄
内経路による本発明医薬の投与との両要件を必須として
包含することを最大の特徴とする。之等の要件以外は、
いずれも通常の骨髄細胞移植における場合のそれらに準
ずることができる。
【0025】本発明医薬の投与に先立つ放射線照射は、
レシピエントに所定量の放射線を照射することにより行
なわれ、これは常法に従うことができる。より具体的に
は、全身照射(TBI)により行なうことができる。
【0026】放射線照射量は、骨髄移植の場合は、レシ
ピエントの骨髄細胞が回復してこない放射線量(letha
l)としてとらえられ、これは常法に従う医学的許容量
範囲とされる。一般には約5〜6Gy、好ましくは約
5.5Gyの2回照射が適当なものとして例示できる。
臓器移植の場合の放射線照射量は、例えば全身照射(T
BI)による1回照射で6.5Gy以上で且つ致死量に
満たない量(sublethal)、好ましくは約7Gy前後の
放射線照射量とすることができる。
【0027】かかる放射線照射量(sublethal dose)
は、レシピエントの骨髄細胞が回復する放射線量として
も特徴付けられる。特に灌流法を利用して得られる本発
明医薬(ドナー由来骨髄細胞)の骨髄内投与によれば、
上記sublethalの放射線照射によっても生着不全を生じ
ない特徴が認められる。これはドナーの造血幹細胞がド
ナーのストローマ細胞と一緒に骨髄内に投与されるた
め、ドナーのストローマ細胞がドナーの造血幹細胞の増
殖を助長することによると考えられる。このことは、本
発明者らが先に報告した造血幹細胞の増殖には主要組織
適合抗原複合体(MHC)(ヒトではHLA)の一致し
たストローマ細胞のサポートが必要である旨の知見(Bl
ood, 89: 49-54, 1997)からも支持される。
【0028】上記放射線照射は、本発明免疫寛容誘導剤
の投与に先だって行なわれ、その後、通常約24時間以
内に本発明薬剤の骨髄内投与を実施するのが好ましい。
かくして、レシピエントへの侵襲の少ない処置によって
本発明所望の免疫寛容誘導効果が奏され、移植骨髄又は
移植臓器の良好な維持が可能となる。
【0029】尚、本発明にかかる処置によって、所望の
免疫寛容が誘導され、移植臓器の良好な維持が可能とな
る現象は、移植術施行の時期とは関係しない。従って、
当該臓器移植術は、本発明処置と平行して或いは本発明
処置による免疫寛容が達成された後のいずれにも良好に
行なうことができる。
【0030】また、本発明にかかる免疫寛容の誘導に際
しては、本発明の効果が害されない限りにおいて、通常
この種の処置に際して利用される各種の医療処置や他の
医薬製剤の併用をすることができる。その例としては、
例えばシクロスポリンA、FK506等の各種の免疫抑
制剤等を例示できる。それらの用量、用法等は既知(市
販品)のそれらに従うことができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、本
発明医薬を用いた試験例を挙げると共に、参考例として
本発明医薬(骨髄内投与用)の調製例及び該医薬の調製
のための骨髄細胞の採取例を挙げる。
【0032】
【試験例1】骨髄移植 (1)マウス骨髄細胞浮遊液の調製 ドナーマウスより大腿骨及び脛骨を取り外し、それぞ
れ、膝関節側よりシリンジ(2.5ml, Code No. SS-02S,
Terumo Co., Ltd.)につけた22ゲージ針(CodeNo. NN
-2225RSS-02S, Terumo Co., Ltd.)を刺入し、シリンジ
中のRPMI1640溶液にて骨髄細胞を滅菌シャーレ
(90×15mm, Iwaki Clinical Test Wares)へ押し流し
た後、RPMI1640溶液中に懸濁させ、得られる骨
髄細胞をRPMI1640溶液にて1回洗浄後、同溶液
中に浮遊させて所望の骨髄細胞浮遊液(1×108/ml濃
度)を調製した。
【0033】上記で得たRPMI1640溶液中に浮遊
させたマウス骨髄細胞(2×107/ml濃度)に、モノクロ
ーナル抗Thy-1.2抗体(American Type Culture Collect
ion,Rockville, MD)を細胞浮遊液量の1/10倍量加
え、4℃、30分間静置した後、抗体を洗浄することな
く、そのまま引き続く免疫寛容誘導実験に供した。この
抗体を含んだ液の投与は、レシピエントの残存したT細
胞の除去にも役立つ。 (2)放射線照射 レシピエントマウスの放射線照射は、137Csを線源と
したガンマセル40エグザクター(Nordion Internatio
nal Inc.社製)を用いた1回の全身照射もしくは2回に
分割した全身照射により行った。尚、分割照射の場合、
1回目と2回目の照射間隔は4時間とした。これらの放
射線照射は、骨髄の注射投与の前日に実施した。 (3)骨髄内注射 ペントバルビタール麻酔後、レシピエントマウスを仰臥
位にし、鼠径部から膝関節まで剃毛し消毒した。膝蓋部
の上縁より5 mm上方の大腿部前面に5 mmの横切開を加
え、膝関節を90-120度屈曲し、脛骨近位を前方に引き出
し、26ゲージ針(Terumo Co., Ltd.)を膝蓋腱のやや
内側から挿入し、脛骨関節面に骨孔を作成した。更に脛
骨骨髄内へと5 mm程度針を進め、前記(1)で調製した
ドナーマウスの骨髄細胞(3×107個、浮遊液0.3 ml)を
入れた1mmシリンジ(Terumo Co., Ltd.)を上記26
ゲージ針に装着し、上記骨孔から骨髄内に骨髄細胞を注
入した。尚、皮膚は5−0ナイロン(Johnson and John
son Company)で縫合し、創部を消毒した。 (4)門脈内注射 レシピエントマウスをペントバルビタール(Pitman-Moo
r Inc.; 37.5mg/kg体重i.p.)麻酔下にて剃毛、消毒
し、腹部正中切開を行った後、腸間膜を露出させ、1m
l−ツベルクリン用シリンジにつけた27ゲージ針(Te
rumo Co., Ltd.)を腸間膜脂肪組織を経て刺入し、前記
(1)で調製したドナーマウスの骨髄細胞の3×107
(浮遊液 0.3 ml)を門脈内に注射投与した。 (5)静脈内注射 前記で得たドナーマウスの骨髄細胞を、1×108/ml濃
度に調整し、その3×10 7個(0.3 ml)をレシピエントマ
ウスの尾静脈より注射投与した。 (6)骨髄移植及び結果 MRL/MP−lpr/lpr(MRL/lpr)マウ
スは、異常T細胞の集積とともにリンパ節腫脹を自然発
症し、全身性エリテマトーデス(SLE)や慢性関節リ
ューマチ(RA)等、自己免疫疾患の動物モデルとして
知られている。このMRL/lprマウス(Japan SLC
Inc.)をレシピエントとし、C57BL/6マウス(B
6、Japan SLC Inc.)をドナーとして、上記(2)及び
(3)に従って、骨髄移植を実施し、レシピエントマウ
スの生存とドナー由来細胞の生着につき確認した。また
自己免疫疾患の治療効果を併せて確認した。
【0034】比較のため、上記(3)に従う骨髄内注入
に代えて、上記(4)及び/又は(5)に従う門脈内投
与及び/又は静脈内注射を行なう以外は同様とする比較
試験を実施した。
【0035】尚、試験群は次のとおりである。 グループI(本発明群):放射線の2回分割照射(5.
5Gy×2)の1日後に、骨髄細胞の骨髄内投与を行な
った群(n=10)。 グループII(比較群1):放射線の2回分割照射(5.
5Gy×2)の1日後に骨髄細胞を門脈内投与し、更に
その5日後に同骨髄細胞を静脈内注射した群(n=1
3)。 グループIII(比較群2):放射線の2回分割照射
(5.5Gy×2)の1日後に骨髄細胞を門脈内投与し
た群(n=10)。 グループIV(比較群3):放射線の2回分割照射(5.
5Gy×2)の1日後に骨髄細胞を静脈内注射した群
(n=4)。 (7)結果 結果を図1に示す。図1において、縦軸はレシピエント
マウスの生存率(%)を、横軸は移植術終了後の経過日
数を示す。
【0036】発症した自己免疫疾患の治療を目的とし
て、蛋白尿2.5以上でリンパ節腫脹の認められるMR
L/lprマウスに骨髄移植療法を行なった結果、図1
に示すとおり、放射線の5.5Gy×2回分割照射及び
全骨髄細胞の経静脈投与(グループIV:比較群3)の場
合は、全てのレシピエントMRL/lprマウスが18
0日以内に死亡し、また、放射線の5.5Gy×2回分
割照射及び全骨髄細胞の門脈内投与(グループIII:比
較群2)の場合も、移植術後350日での生存率は70
%であった。
【0037】これに対して、本発明方法に従う、放射線
の5.5Gy×2回分割照射及び全骨髄細胞の骨髄内投
与(グループI:本発明群)の場合は、放射線の5.5
Gy×2回分割照射並びに骨髄細胞の門脈内投与+静脈
注射(グループII:比較群1)の場合と同様に、ドナー
由来細胞の生着及び長期間の生存が確認され、また、自
己免疫疾患の治癒も確認された。
【0038】以上のことから次の通り考察される。即
ち、MRL/lprマウスは個体レベルで放射線感受性
が高く、更に自己免疫疾患発症後は腎機能低下に伴う尿
毒症性腸炎が発症するため、放射線感受性が更に強くな
るが、細胞レベルにおいては、放射線抵抗性の異常な造
血幹細胞を有しており、このため従来の骨髄移植方法を
用いてはMRL/lprマウスの自己免疫疾患の治療は
極めて困難であった。本発明によれば、低線量の放射線
照射とその後の骨髄内単一回骨髄細胞投与(付加的静脈
内投与が不要である)により、ドナー骨髄細胞の生着が
促進され、かくしてMRL/lprマウスにおいてもそ
の自己免疫疾患の満足できる治療法が確立できた。
【0039】また、本発明群(グループI)における結
果を、比較群1(グループII)におけるそれと対比すれ
ば、以下の通り結論付けられる。 (1)門脈内投与は開腹を必要とするか又は腹腔鏡下もし
くは超音波診断装置下に骨髄細胞を注入する操作を必要
とする。上記開腹は必然的に侵襲を伴う。後者の2つの
方法は開腹は必要としないが、前者も含めて、門脈内注
入の際、出血等の危険があることを考慮すると、いずれ
も侵襲を伴うものである。これに対して、骨髄内投与は
直視下に行なわれるものであり、上記門脈内投与に比し
て、より簡便且つ安全な方法といえる。また、門脈内投
与は上記いずれの場合にも全身麻酔が必要となるのに対
して、骨髄内投与は、例えば大腿骨内に投与する場合、
腰椎麻酔もしくは局所麻酔のみで充分であり、麻酔によ
る負担を顕著に軽減できる。 (2)門脈内投与+静脈内投与の場合は、同一のドナーの
骨髄細胞を、例えば5日間の間隔をあけて、2回投与す
るものであり、そのために、同一ドナーから2回骨髄細
胞を採取するか、もしくは1回目の骨髄細胞採取の際、
一部を確立された既存の方法により凍結保存し、2回目
の静脈内投与に際して解凍して使用する必要がある。か
かる同一ドナーより2回の骨髄採取はドナーに対する侵
襲を考慮すると適当ではなく、また骨髄細胞の凍結−解
凍操作によれば、細胞の生存率の減少や造血能力の低下
は避けられない。骨髄内投与は、上記の如き欠点のない
点からも優位である。
【0040】
【試験例2】皮膚移植本例では、免疫寛容の誘導を、前
記試験例1の(3)と同様にして、異系ドナーの骨髄細
胞の骨髄内投与により行い、免疫寛容の成立を、拒絶反
応を最も受けやすい皮膚(ドナーと同系)の移植による
生着の程度を観察し、その指標として評価した。 (1)骨髄細胞浮遊液の調製 試験例1の(1)と同様にして、RPMI1640溶液
に骨髄細胞を浮遊させた骨髄細胞浮遊液(1×108/ml濃
度)を調製した。 (2)放射線照射 レシピエントマウスの放射線照射は、137Csを線源と
したガンマセル40エグザクター(Nordion Internatio
nal Inc.)を用いた1回の全身照射により行った。 (3)骨髄細胞の投与経路 骨髄内投与、門脈内投与及び静脈内投与は、それぞれ試
験例1の(3)、(4)及び(5)と同様にして実施し
た。 (4)皮膚移植 皮膚移植片の調製及び移植方法は、文献記載の方法〔Ma
yumi et al., Jpn. J.Surg., 18, 548-557 (1988)〕を
参照して、以下の通り行った。
【0041】即ち、8週齢BALB/cマウス(19−
20g、日本SLC)をドナーとして、エチルエーテル
(Nacalai Tesque Inc.)麻酔下で屠殺し、除毛剤(Fea
therHair Remover, Feather Safty Razor Co., Ltd.)
にて全身の体毛を除去し、70%アルコール溶液にて除
菌した後、皮膚全層を剥離採取した。ピンセット(先曲
がり先細無鈎)及び滅菌綿棒を用いて可及的に皮下脂肪
組織を剥離した後、皮膚片(1.2×1.5cm四方)に細切
し、頭側の一辺にマーカーとして1mmの切開を加え、
冷却した無菌のリン酸緩衝食塩水(Dulbecco's PBS(-),
Nissui Pharmaceutical Co., Ltd.)中に浮遊させた。
【0042】B6マウス(10−13週齢、20−23
g、日本SLC)をレシピエントとして、ペントバルビ
タール(37.5mg/kg体重i.p.)で麻酔した後、右背側部
を手指による抜毛及び前記除毛剤により除毛(3.0×3.5
cm四方)し、70%アルコール溶液にて除菌して移植の
ための術野を作製した。
【0043】剥離面に上記調製したドナーの皮膚片をマ
ーカーを尾部に向けて設置し、6-0針付きナイロン縫
合糸(Ethilon; Ethicon Inc.)にて8針(4辺の中央
と4角)を縫合した。皮膚移植面を硫酸フラジオマイシ
ン軟膏付きガーゼ(2.0×2.5cm四方, Sofratulle; Japa
n Roussel Co., Ltd.)で覆い、更に粘着性伸縮包帯(E
latex; Alcare Co., Lrd.)で巻いた。 (5)免疫寛容誘導 レシピエントへの放射線照射1日後に、ドナー骨髄細胞
を各投与経路によりそれぞれ投与し、之等骨髄細胞の投
与と同日に皮膚移植を行ない、移植皮膚の生着の有無
を、移植術後観察した。
【0044】上記投与経路の相違により、以下の各試験
群に分けた。 本発明群:放射線6.5Gy照射1日後に骨髄細胞を骨
髄内投与した群(n=5) 比較群1:放射線7.0Gy照射1日後に骨髄細胞を門
脈内投与した群(n=16) 比較群2:放射線7.0Gy照射1日後に骨髄細胞を静
脈内投与した群(n=18) 比較群3:放射線6.5Gy照射1日後に骨髄細胞を門
脈内投与した群(n=19) 比較群4:放射線6.5Gy照射1日後に骨髄細胞を静
脈内投与した群(n=22) 比較群5:放射線6.0Gy照射1日後に骨髄細胞を門
脈内投与した群(n=10) 比較群6:放射線6.0Gy照射1日後に骨髄細胞を静
脈内投与した群(n=10) (6)結果 結果を図2に示す。図2において、縦軸は、皮膚生着率
(%)を、横軸は、移植術後の経過週数を示す。
【0045】図2より、次のことが判る。即ち、6.0
Gyの放射線照射後に骨髄細胞を門脈内又は静脈内投与
した群(比較群5及び6)では、ともに皮膚移植片は移
植後3週以内に全てのレシピエントマウスで拒絶され
た。6.5Gyの放射線照射後に同骨髄細胞の門脈内又
は静脈内投与を行なったレシピエントマウスでも、移植
後50週の時点で、静脈内投与群(比較群4)で22匹
中11匹で皮膚移植片が拒絶され、門脈内投与群(比較
群3)で19匹中4匹のレシピエントマウスで皮膚移植
片が拒絶された。之等の各投与経路での骨髄細胞の単一
回投与と放射線照射との併用では、臓器移植における免
疫寛容誘導は尚不十分であり、充分な免疫寛容の誘導の
ためには、少なくとも7.0Gyの放射線照射の併用が
必要である(比較群:1及び2参照)ことが判った。
【0046】これに対して、本発明群では、6.5Gy
放射線照射後に骨髄細胞を骨髄内に単一回投与すること
によって、上記7.0Gy放射線照射後に骨髄細胞を門
脈内又は静脈内投与した群(比較群1及び2)と同様に
充分な免疫寛容を誘導して、ドナーの皮膚移植片の生着
率を100%とすることができることが明らかである。 (7)考察 本発明によって、臓器移植のモデルケースである皮膚移
植において、放射線照射量を低減させて、レシピエント
に対する放射線の侵襲を軽減して、充分な免疫寛容を達
成できることが可能となった。消化管、皮膚、生殖器官
等に対する放射線による悪影響を考慮すると、上記放射
線照射量の低減は、レシピエントにとって非常に有利で
あり、このことは本発明の優れた利点の一つである。
【0047】
【参考例1】骨髄内投与剤の調製 骨髄細胞を生理食塩水に懸濁して、1×108細胞/m
lの細胞浮遊液を調製する。骨髄投与用として、ヒトの
場合、通常3×108細胞/kg以上の骨髄細胞(少量
のT細胞が混入していても可)投与量で投与されるのが
好ましく、少なくとも当該投与量を含有する単回投与用
形態である注射剤を調製する。
【0048】
【参考例2】灌流法による骨髄細胞浮遊液の調製 正常カニクイザル(cynomolgus monkey,体重:2.5〜
3.5kg、腸内寄生虫なし、細菌性赤痢、結核、Bウ
イルス、A型肝炎及びB型肝炎ウイルス陰性)を供試動
物として用いた。全ての外科的手術及び術後処置はガイ
ドライン(guidlines of the National Institutes of
Health for care and use of primates)に従った。
【0049】「ケタラール」(Sankyo Co., Ltd.)5m
g筋注麻酔下に、上記供試動物の大腿骨外顆近位部(上
腕骨の場合は上腕骨大結節遠位部)に、骨髄穿孔針(Ka
tsunuma's bone marrow puncture needle (φ1.8mm) Ky
oto, Japan)を、軸に対して直角に挿入し、進展チュー
ブ(extention tube, 50cm, 3.8ml, Code No. SF-ET382
5, Terumo Co., Ltd.)の一端を該針につなぎ、他端を
培養フラスコ(250ml,Becton Dickinson)中に入れた。
該フラスコ内にはヘパリン(10U/ml, Novo Heparin 100
0, Hoechst Marion Roussel Co., Ltd.)を含むリン酸
塩緩衝生理食塩水(PBS)20mlを入れておいた。
【0050】もう一つの骨髄穿孔針を、同供試動物の大
腿骨大転子遠位部(上腕骨の場合は上腕骨外顆近位部)
に軸に対して直角に挿入し、PBS30mlを入れたシ
リンジ(30ml, Code No. SS-30ES, Terumo Co., Ltd.)
に繋いだ。該シリンジよりPBSをゆっくりと骨髄腔に
押し出して骨髄細胞を洗出し、骨髄液を含む媒体を上記
培養フラスコ中に回収した。上記操作を2度繰り返し
た。当該方法により得られた骨髄細胞浮遊液をMono-Pol
y Resolving Medium (Dainippon PharmaceuticalCo., L
td.)の上に重層し、15℃、30分間、2000回転に
て遠心操作を行ない、沈殿した赤血球を除去した。かく
して、T細胞の混入を低減された所望の骨髄細胞液
(2.3±1.5×108細胞/ml、2.6±1.6
×108細胞/大腿骨)を得た。
【0051】即ち、得られた骨髄細胞の細胞表面抗原
を、ヒトCD4,CD8,CD20,CD11b又はC
D56(Exalpha)及びIgM(Biosouce)に対する抗
体(mAbs、予めカニクイザル細胞上に発現される分子と
の交差反応性の程度を調べたもの)を結合させたFIT
C又はPEを用いて、フローサイトメトリー分析(EPIC
S-XL, Coulter Co.)により測定した。
【0052】その結果、従来行なわれているアスピレー
ション法により得られる骨髄細胞では、20%以上のT
細胞(CD4+及びCD8+)の混入が見られるのが普通
であるのに対して、上記方法(灌流法)により得られた
骨髄細胞では、T細胞の混入は5%を下回るものであっ
た(CD4;2.0±2.2%,CD8;3.9±3.
3%)。尚、他の表面マーカー(骨髄細胞に通常発現さ
れるもの)をもつ細胞の頻度は、本灌流法も従来のアス
ピレーション法もほぼ同様であった。
【0053】このことから、本灌流法によれば、CD4
+及びCD8+T細胞の頻度で表わされる末梢血の混入が
顕著に低いことが明らかである。
【0054】上記と同様にして、ヒト大腿骨より所望の
骨髄細胞浮遊液を調製することができる。このものは、
通常1×108細胞/kg程度もしくはそれ以上の投与
量で骨髄内投与されるのが好ましく、少なくとも当該投
与量を含有する骨髄内投与用形態としての注射剤形態に
調製される。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1におけるレシピエントの生存率の結果
を示す図面である。
【図2】試験例2における皮膚移植生着率の結果を示す
図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/06 A61P 37/06 Fターム(参考) 4C087 AA01 AA02 BB44 CA03 MA66 NA14 ZA51 ZA55 ZB08 ZB26 ZB27

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫寛容の誘導に放射線照射と共に用い
    られる医薬であって、骨髄細胞を含む寛容原を有効成分
    とし、放射線照射後に骨髄内投与される骨髄内投与形態
    を有することを特徴とする免疫寛容誘導剤。
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