JP2001172002A - 燃料電池用燃料油及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用燃料油及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素を効率よく製造することができ、改
質触媒、部分酸化触媒、燃料電池電極に対して悪影響を
及ぼすことなく改質触媒等の劣化が少ない、自動車等輸
送用に適した燃料電池用燃料油を提供すること。 【解決手段】 改質ガソリンを低沸点留分、ベンゼンを
含む中沸点留分及び高沸点留分に分留した後、該中沸点
留分からベンゼンを除去して得られた残留分からなる輸
送用の燃料電池用燃料油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に使用す
る水素を製造するための燃料油に関し、詳しくは、ガソ
リン留分等の炭化水素からなる輸送用の燃料電池用燃料
油及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料電池の燃料として水素が用
いられるが、このような水素としては、水素ガスをその
まま用いるもの、メタノールなどを改質あるいは分解し
て得られる水素を用いるもの、あるいは常温、常圧下で
ガス状であるメタンを主成分とする都市ガスやプロパン
を主成分とするLPGなどから得られる水素を用いるも
の等が提案されている。しかしながら、水素ガスをその
まま使用する場合はそれ自体気体であることからその取
り扱いが困難となり、また、メタノールの場合はエネル
ギー密度が低いこと、高価であること、インフラが整備
されていないなどの問題があり、更に都市ガスやLPG
はその利用が地域的に限定される点、また取り扱いが困
難であるなどの問題があり、特に、自動車用等輸送用の
燃料電池に用いる場合は実用上大きな課題がある。すな
わち、近年、エネルギー効率が高く、環境負荷の小さい
燃料電池を動力源とした燃料電池車が注目されてきてお
り、これに使用する燃料電池の開発が求められている。
一方で、自動車等の内燃機関用の燃料として従来使用さ
れてきたガソリンあるいはこれを構成する炭化水素留分
は、通常液体でありかつエネルギー密度が高い等の利点
を有しており、燃料電池に有効に利用しうると考えられ
ている。また、このようなガソリン留分に関してはイン
フラも十分に整備されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ガ
ソリン留分はメタノール等に比較して、触媒のコーク劣
化あるいは触媒被毒などによりその改質が容易でなく、
また改質触媒の寿命も比較的短いという問題がある。本
発明は上記課題を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明は、水素を効率よく製造することがで
き、改質触媒、燃料電池電極に対して悪影響を及ぼすこ
となく改質触媒等の劣化が少ない、自動車等輸送用に適
した燃料電池用燃料油を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑みて鋭意研究の結果、特定の方法により得られたガソ
リン留分を上記燃料電池用燃料油として用いることによ
り本発明の上記目的を達成することができることを見出
した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたもので
ある。すなわち、本発明は、改質ガソリンを低沸点留
分、ベンゼンを含む中沸点留分及び高沸点留分に分留し
た後、該中沸点留分からベンゼンを除去して得られた残
留分からなる輸送用の燃料電池用燃料油、及び改質ガソ
リンを低沸点留分、ベンゼンを含む中沸点留分及び高沸
点留分に分留した後、該中沸点留分中のベンゼンを水素
化処理及び/又は異性化処理して得られる輸送用の燃料
電池用燃料油に係るものであり、特に、(1)中沸点留
分からのベンゼンの除去を溶剤抽出法により行う上記燃
料電池用燃料油、(2)ベンゼンを含む中沸点留分に含
まれるメチルペンタン量が、原料改質ガソリン中に含ま
れるメチルペンタン量の0.5倍以上である上記燃料電
池用燃料油、及び(3)ベンゼンを含む中沸点留分に含
まれるノルマルヘプタン量が、原料改質ガソリン中に含
まれるノルマルヘプタン量の0.5倍以下である上記燃
料電池用燃料油、に関するものである。
【0005】また、本発明は、改質ガソリンを蒸留し
て、低沸点留分、ベンゼンを含む中沸点留分及び高沸点
留分に分留した後、該中沸点留分のベンゼンを除去ある
いは水素化処理等して、メチルペンタン量が原料改質ガ
ソリン中に含まれるメチルペンタン量の0.5倍以上で
あり、かつノルマルヘプタン量が原料改質ガソリン中に
含まれるノルマルヘプタン量の0.5倍以下である残留
分を得る輸送用の燃料電池用燃料油の製造方法、に係る
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明は、改質ガソリンを低沸点留分、ベンゼン
を含む中沸点留分及び高沸点留分に分留した後、該中沸
点留分からベンゼンを除去して得られた残留分からなる
輸送用の燃料電池用燃料油に係るものであるが、ここで
原料油として用いられる改質ガソリンとは、脱硫重質ナ
フサ(以下、DHNという)をプラットフォーマー等で
改質して得られたものをいう。DHNは、C6 〜C10
ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン、芳香
族等から構成されるものであり、これより得られる改質
ガソリンはn−C6 ,i−C6 ,ベンゼン、i−C7
n−C7等の成分に加え、更に高沸点の成分及び更に低
沸点の成分を含有するものである。改質ガソリンの性状
としては、オクタン価(RON)が91〜105、蒸気
圧が0.10〜0.95kg/cm2 のものが用いられる。
【0007】また、本発明において改質ガソリンを蒸留
して得られる「ベンゼンを含む中沸点留分」とは、n−
6 ,i−C6 、メチルシクロペンタン、ベンゼン、シ
クロヘキサン、i−C7 、n−C7 等の成分から構成さ
れるものであり、特にベンゼンを1〜10重量%含むも
のである。該中沸点留分は原料改質ガソリン中に含まれ
るメチルペンタン量の0.5倍以上のメチルペンタンを
含有することが好ましく、また、原料改質ガソリン中に
含まれるノルマルヘプタン量の0.5倍以下のノルマル
ヘプタン量を含有することが好ましい。中沸点留分に含
まれるメチルペンタン量が上記の値より少ない場合、ノ
ルマルヘプタン量が上記の値より多い場合は水素の製造
効率が十分でなく、また、改質触媒、燃料電池電極に対
して悪影響を及ぼす場合がある。このような観点から、
ベンゼンを含む中沸点留分に含まれる上記メチルペンタ
ン量及びノルマルヘプタン量はそれぞれ原料改質ガソリ
ン中に含まれるメチルペンタン量及びノルマルヘプタン
量の0.7倍以上0.3倍以下であることが更に好ましい。
【0008】本発明において、改質ガソリンの蒸留方法
としては、改質ガソリンを低沸点留分、ベンゼンを含む
中沸点留分及び高沸点留分に分留しうるものであればい
かなる方法も用いることができるが、例えば、原料改質
ガソリンを第1蒸留塔、第2蒸留塔からなる2塔式の連
続蒸留塔を用いて分留する方法が用いられる。本発明に
おいては、改質ガソリンを上記ベンゼンを含む中沸点留
分とさらにC 5 留分等からなる低沸点留分、C7 以上の
留分等からなる高沸点留分に分留することができる。
【0009】本発明においては、上記得られたベンゼン
を含む中沸点留分からベンゼンを除去した後の残留分
(ラフィネート)を燃料電池用燃料油として利用する。
このような中沸点留分からベンゼンを除去する方法とし
ては精密蒸留、共沸蒸留、抽出蒸留、吸着、溶剤抽出な
どいかなる方法も使用可能であるが、好ましくは溶剤抽
出による方法を用いることができる。このような溶剤抽
出に用いる溶剤としては、スルフォラン、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、N−メチル−2−
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N−ホルミルモル
ホリン、ジグリコールアミンなどが挙げられるが、スル
フォランが好ましい。この結果、上記中沸点留分に含有
されるベンゼンをほとんど除去することが可能となる。
【0010】本発明においては、別に前記ベンゼンを含
む中沸点留分を水素化処理し、含まれるベンゼンを水素
化することによりベンゼンを除くこともできる。このよ
うな処理により、上記中沸点留分に含有されるベンゼン
量はほとんど除去することが可能となる。
【0011】上記のような方法によりベンゼンを除くこ
とにより得られた残留分、すなわちラフィネートは、こ
れにより製造される水素の純度が高く、水素分圧の低下
が小さいなどの特徴を有するため、特に燃料電池用の水
素製造用燃料として好適である。このラフィネートは上
述のようにベンゼンをほとんど含有しないものであり、
また、その硫黄含量が好ましくは1ppm以下、更に好
ましくは0.1ppm以下のものである。ベンゼンを含有
するものは水蒸気改質触媒あるいは部分酸化触媒上で炭
素分(コーク)を析出させ易くなり、また硫黄含量が上
記値より多い場合は水蒸気改質触媒あるいは部分酸化触
媒の硫黄被毒が起こり、短時間に触媒が劣化するという
問題が生じることがある。
【0012】本発明において用いられるラフィネート
は、その炭素原子/水素原子比が0.5より小さいことが
好ましい。この値が小さい程水素生成効率に優れ、ま
た、改質触媒、燃料電池電極に対して悪影響を及ぼす程
度が少なくなる。また、ラフィネート中の芳香族分は0.
1重量%以下であることが好ましい。芳香族分が上記量
を越える場合はやはり水素生成効率に劣る。更に、本発
明の燃料電池用燃料油は、蒸気圧が1kg/cm2 以下
であることが好ましい。蒸気圧が上記範囲を逸脱する場
合は貯蔵タンクの耐圧性を増す必要があったり、炭化水
素の大気への放出が多くなり好ましくない場合がある。
従って、本発明においては、該蒸気圧は0.95kg/c
2 以下の範囲内にあることが好ましい。
【0013】上記ラフィネートは、上述のように燃料電
池用の水素製造用として好適である。特に、液体である
点、ベンゼン、硫黄分をほとんど含有していない点、炭
素原子/水素原子比が低い点から自動車等輸送用の燃料
電池に適している。ラフィネートから水素を生成するに
は、先ずラフィネートを必要に応じて脱硫する。脱硫法
としては、通常、水素化脱硫法が用いられ、その方法は
Co−Mo/アルミナあるいはNi−Mo/アルミナな
どの水素化脱硫触媒とZnOなどの硫化水素吸着剤を用
い、常圧〜5MPaの圧力下,温度200〜400℃の
条件で行う。次いで、前記必要に応じて脱硫したラフィ
ネートに水蒸気改質及び/又は部分酸化を行う。本発明
によれば、水蒸気改質触媒あるいは部分酸化触媒への炭
素析出がなく効率的に水素を製造できる燃料油を得るこ
とができる。
【0014】水蒸気改質の方法には特に制限はないが、
通常以下のような方法で行われる。まず、この水素製造
方法に用いる水蒸気改質触媒としては、特に制限はない
が、次のものが好適に用いられる。まず、担持金属とし
ては、Ni、ジルコニウムあるいはルテニウム(R
u),ロジウム(Rh),白金(Pt)などの貴金属が
挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を組合
わせて用いてもよい。これらの中でも、Ruを担持する
触媒が特に望ましく、水蒸気改質反応中の炭素析出を抑
制する効果が大きい。このRuの担持量については、担
体基準で0.05〜20重量%、さらには、0.05〜
15重量%が好ましい。担持量が0.05重量%未満で
は、水蒸気改質反応の活性が極度に低下する場合があり
好ましくなく、20重量%を越えても活性の顕著な増加
は得られ難い。
【0015】また、担持金属の組合わせの具体例として
は、Ruとジルコニウムとを担持したものが挙げられ
る。Ruとジルコニウムは同時に担持してもよく、別々
に担持してもよい。ジルコニウムの含量は、ZrO2
換算して、担体基準で0.5〜20重量%,さらには、
0.5〜15重量%が好ましい。この種の担持金属の場
合、さらにコバルトおよび/またはマグネシウムを添加
したものが好適なものとして挙げられる。ここでコバル
トの含有量は、コバルト/ルテニウムの原子比で、0.
01〜30,さらには、0.1〜30が好ましく、マグ
ネシウムの含有量は、マグネシア(MgO)換算で0.
5〜20重量%,さらには0.5〜15重量%が好適で
ある。一方、水蒸気改質に使用する触媒の担体として
は、無機酸化物が用いれ、具体的には、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア、マグネシア及びそれらの混合物が挙げ
られる。これらの中でもアルミナとジルコニアが特に好
ましい。
【0016】水蒸気改質用触媒の好ましい態様の一つと
して、Ruをジルコニアに担持した触媒がある。このジ
ルコニアは、単体のジルコニア(ZrO2 )でも良い
し、マグネシアのような安定化成分を含む安定化ジルコ
ニアでも良い。安定化ジルコニアとしては、マグネシ
ア、イットリア、セリア等を含むものが好適である。水
蒸気改質用触媒の好ましい態様の一つとしては、Ruと
ジルコニウム、又はRuとジルコニウムの他にさらにコ
バルトおよび/またはマグネシウムとをアルミナ担体に
担持した触媒を挙げることができる。アルミナとしては
特に耐熱性と機械的強度に優れるα−アルミナが好まし
い。次に、水素の製造においては、水蒸気(S)とラフ
ィネートに由来する炭素(C)との比S/C(モル比)
が2〜5、さらには2〜4の状態で水蒸気改質を行う方
法が好ましい。S/C(モル比)が5以上の高い状態で
水蒸気改質を行うと過剰の水蒸気を作る必要があり、熱
ロスが大きく、水素製造の効率が低下する。また、S/
Cが2を下回ると水素の発生量が低下してしまうため、
本発明の水素製造法では好ましくはない。
【0017】さらに水素の製造においては、水蒸気改質
触媒層の入口温度を630℃以下に保って水蒸気改質を
行う方法が好ましい。水蒸気改質触媒層入口温度は、酸
素添加により上昇する傾向にあるので、これをコントロ
ールする必要がある。入口温度が630℃を超えると、
原料炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカル経
由で触媒あるいは反応管壁に炭素が析出し運転が困難に
なる場合があるためである。なお、触媒層出口温度は、
特に制限はないが、好ましくは650〜800℃で行
う。触媒層出口温度が650℃未満では水素の生成量が
充分でなく、800℃を越える温度で反応するにはリア
クターを特に耐熱性材料にする必要がある場合があり、
経済性の点で好ましくないからである。
【0018】水素の製造においては、反応圧力は常圧〜
3MPa,さらには常圧〜1MPaであることが好まし
い。また、ラフィネートの流量については、LHSVで
0.1〜100h-1である。なお、水素の製造において
は、上記ラフィネートは上記水蒸気改質と部分酸化を組
み合わせて水素を製造する場合に使用しても効率的に水
素を製造できる。部分酸化反応は、好ましくはルテニウ
ムなどの貴金属やニッケルなどを耐熱性酸化物に担持し
た触媒下、反応圧力が常圧〜5MPa,反応温度400
〜1,100℃、酸素/炭素比0.2〜0.8,LHS
V0.1〜100h-1で行われる。また、水蒸気添加す
る場合は、S/C比0.4〜4で行う。上記水素の製造
方法においては、上記水蒸気改質により得られるCOが
水素生成に悪影響を及ぼすため、これを反応によりCO
2 としてCOを除くことが好ましい。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 DHNの改質により得られた第1表に示される組成及び
性状を有する原料改質ガソリンを、いずれも棚段数60
段の第1蒸留塔及び第2蒸留塔からなる2塔式の連続式
蒸留塔で下記条件にて蒸留し、低沸点留分、ベンゼンを
含む中沸点留分及び高沸点留分に分留した。得られた中
沸点留分の組成・性状を第1表に示す。 蒸留条件 第1蒸留塔: 塔頂温度;76℃、塔底温度;153
℃、塔頂還流比;3.3 第2蒸留塔: 塔頂温度;91℃、塔底温度;148
℃、塔頂還流比;3.4 次いで、上記中沸点留分から圧力0.25MPa、塔頂温
度98℃、塔底温度74℃の条件でスルフォランを溶剤
として用いた溶剤抽出を行いラフィネートを得た。得ら
れたラフィネートの組成・性状を第1表に示す。改質ガ
ソリン中のi−C6 +i−C7 回収率は52%であっ
た。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】得られたラフィネートについて以下に示す
ように水素製造実験を行い、コーキング試験を行った。水素製造実験 2基の固定床流通式反応器を連結し、下記条件にて1段
目で脱硫を行い、2段目で水蒸気改質を行った。 (1段目) 脱硫 触媒:Co−Mo(前段)/ZnO(後段) 条件:常圧、温度330℃、LHSV=1.3h-1 (2段目) 改質 触媒:α−アルミナ粉末に水20重量%を加え、
ニーダーで混合・圧縮成形し直径5mm、長さ5mmの
円柱状成形体とした。200℃で3時間乾燥後、128
0℃で26時間焼成しアルミナ担体を得た。一方、ジル
コニウムオキシ塩化物(ZrO(OH)Cl)の水溶液
(ZrO2 換算で2.5g)に、3塩化ルテニウム(R
uCl3 /nH2 O)(Ru38%含有)0.66g、
硝酸コバルト(Co(NO3 )・36H2 O)2.47
g及び硝酸マグネシウム(Mg(NO3 )・26H
2 O)6.36gを加え、溶解するまで攪拌した。溶液
の総量は10ccであった。この溶液を上記アルミナ担
体50gに含浸(ポアフィリング法)した後、120℃
で5時間乾燥し、500℃で2時間焼成し、更に16〜
32メッシュに粒径調整した。この触媒は、担体基準で
Ruを0.5重量%,Zrをジルコニア換算で5重量
%,Coを1.0重量%,Mgをマグネシア換算で2重
量%有する。 条件:水蒸気/炭素比1.5、原料油のLHSV=2.
5h-1、常圧、触媒層入口温度500℃、触媒層出口温
度700℃ 上記反応を100時間連続して行った後に二段目の触媒
を抜き出し、触媒上の炭素析出率を下記のようにして測
定・算出した結果、その値は1%であった。 炭素析出率(%)=炭素析出した部分の長さ/全触媒の
長さ
【0023】実施例2 実施例1で用いたと同様の改質ガソリンを原料油とし
て、蒸留条件を下記に示すものに変えた以外は実施例1
と同様にして蒸留を行い低沸点留分、ベンゼンを含む中
沸点留分及び高沸点留分に分留した。得られた中沸点留
分の組成・性状を第1表に示す。蒸留条件 第1蒸留塔: 塔頂温度;72℃、塔底温度;154
℃、塔頂還流比;3.3 第2蒸留塔: 塔頂温度;94℃、塔底温度;152
℃、塔頂還流比;3.3 更に、上記得られた中沸点留分に対し、実施例1と同様
にして溶剤抽出を行い、第1表に示す組成・性状のラフ
ィネートを得た。改質ガソリン中のi−C6 +i−C7
回収率は83%であった。得られたラフィネートについ
て実施例1と同様にして水素製造実験を行い、コーキン
グ試験を行った結果、その炭素析出率は3%であった。
【0024】比較例1 実施例1と同様にして改質ガソリンを蒸留して得られた
ベンゼンを含む中沸点留分について、これを溶剤抽出す
ることなく、実施例1と同様の方法で水素製造実験を行
い、更にコーキング試験を行った結果、その炭素析出率
は10%であった。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
改質ガソリンを低沸点留分、ベンゼンを含む中沸点留分
及び高沸点留分に分留した後、該中沸点留分からベンゼ
ンを除去して得られた残留分からなる燃料油を用いるこ
とにより、水素を効率よく製造することができ、改質触
媒、燃料電池電極に対して悪影響を及ぼすことなく改質
触媒等の劣化が少ない、自動車等の輸送用に適した燃料
電池用燃料油を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改質ガソリンを低沸点留分、ベンゼンを
    含む中沸点留分及び高沸点留分に分留した後、該中沸点
    留分からベンゼンを除去して得られた残留分からなる燃
    料電池用燃料油。
  2. 【請求項2】 中沸点留分からのベンゼンの除去を溶剤
    抽出法により行う請求項1記載の燃料電池用燃料油。
  3. 【請求項3】 改質ガソリンを低沸点留分、ベンゼンを
    含む中沸点留分及び高沸点留分に分留した後、該中沸点
    留分中のベンゼンを水素化処理及び/又は異性化処理し
    て得られる燃料電池用燃料油。
  4. 【請求項4】 ベンゼンを含む中沸点留分に含まれるメ
    チルペンタン量が、原料改質ガソリン中に含まれるメチ
    ルペンタン量の0.5倍以上である請求項1〜3のいず
    れかに記載の燃料電池用燃料油。
  5. 【請求項5】 ベンゼンを含む中沸点留分に含まれるノ
    ルマルヘプタン量が、原料改質ガソリン中に含まれるノ
    ルマルヘプタン量の0.5倍以下である請求項1〜4の
    いずれかに記載の燃料電池用燃料油。
  6. 【請求項6】 改質ガソリンを蒸留して、低沸点留分、
    ベンゼンを含む中沸点留分及び高沸点留分に分留した
    後、該中沸点留分のベンゼンを除去あるいは水素化処理
    及び/又は異性化処理して、メチルペンタン量が原料改
    質ガソリン中に含まれるメチルペンタン量の0.5倍以
    上であり、かつノルマルヘプタン量が原料改質ガソリン
    中に含まれるノルマルヘプタン量の0.5倍以下である
    残留分を得る燃料電池用燃料油の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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