JP5027971B2 - 燃料油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に使用する水素を製造するための燃料油組成物に関し、詳しくは、ガソリン留分等の石油系炭化水素からなり、内燃機関用と兼用可能な燃料電池用燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃料電池用の燃料として水素が用いられるが、このような水素としては、水素ガスをそのまま用いるもの、メタノールなどを改質あるいは分解して得られる水素を用いるもの、あるいは常温、常圧下でガス状であるメタンを主成分とする都市ガスやプロパンを主成分とするLPGなどから得られる水素を用いるもの等が提案されている。
しかしながら、水素ガスをそのまま使用する場合はそれ自体気体であることからその取り扱いが困難となり、また、メタノールの場合はエネルギー密度が低いこと、高価であること、インフラが整備されていないなどの問題があり、更に都市ガスやLPGはその利用が地域的に限定される点、また取り扱いが困難であるなどの問題があり、特に、自動車用等輸送用の燃料電池の燃料として用いる場合は実用上大きな課題がある。
近年、エネルギー効率が高く、環境負荷の小さい燃料電池を動力源とした燃料電池車が注目されてきており、これに使用する燃料電池の開発が求められている。一方で、自動車等の内燃機関用の燃料として従来使用されてきたガソリンあるいはこれを構成する石油系炭化水素留分は、通常液体でありかつエネルギー密度が高い等の利点を有しており、燃料電池に有効に利用しうると考えられている。また、このようなガソリン留分に関しては現状においてインフラも十分に整備されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ガソリン留分はメタノール等に比較して、触媒のコーク劣化あるいは触媒被毒などによりその改質が容易でなく、また改質触媒の寿命も比較的短いという問題がある。
また、上記知見にも関わらず、従来自動車等に用いられている内燃機関エンジンの全てを一度に燃料電池エンジンに切り換えるのは現実的に困難であり、その過渡期においては内燃機関、燃料電池の両者に共用しうる燃料油の使用が望まれる。一般に内燃機関に用いられる燃料油を燃料電池に用いても上記のような問題が生じ、一方で燃料電池用に開発された燃料油を内燃機関に用いた場合、ノッキング等の実用上好ましくない問題が生じるなど、いずれの場合もこれらの単純な転用は困難であった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、水素を効率よく製造することができ、改質触媒、燃料電池電極に対して悪影響を及ぼすことなく改質触媒等の劣化が少ない燃料電池用燃料油組成物を提供することにある。
また本発明の目的は、自動車の内燃機関エンジン用燃料油として使用した場合もオクタン価が高く、ノッキング等を起こすことなく有効に使用可能である内燃機関用及び燃料電池用兼用燃料油組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意研究の結果、特定の組成・性状のガソリン留分を燃料油として用いることにより本発明の上記目的を達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、
(1)炭素数4の炭化水素分を5容量%以下、炭素数5のパラフィン分を10〜40容量%、炭素数5のオレフィン分を15容量%以下、炭素数5のナフテン分を5容量%以下、芳香族分を10容量%以下、硫黄分を5重量ppm以下含み、かつリード蒸気圧が60kPa以下である燃料油組成物、及び
(2)炭素数4の炭化水素分を5容量%以下、炭素数5のパラフィン分を10〜30容量%、炭素数5のオレフィン分を10容量%以下、炭素数5のナフテン分を5容量%以下、芳香族分を10容量%以下、硫黄分を5重量ppm以下含み、かつリード蒸気圧が60kPa以下で、リサーチ法オクタン価が66以上である燃料油組成物、
に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、炭素数4の炭化水素分を5容量%以下、炭素数5のパラフィン分を10〜40容量%、炭素数5のオレフィン分を15容量%以下、炭素数5のナフテン分を5容量%以下、芳香族分を10容量%以下、硫黄分を5重量ppm以下含み、かつリード蒸気圧が60kPa以下である燃料油組成物(燃料油1)に係るものである。
【0006】
本発明の燃料油1において、炭素数4の炭化水素分としては、例えば、ブタン、n−ブテン、iso−ブテン等が挙げられ、これらは当該分野において通常の方法により得られるものを適宜使用することが出来る。また、炭素数5のパラフィン分としては、例えば、n−ペンタン、iso−ペンタン等が挙げられ、炭素数5のオレフィン分としては、例えば、2−メチルー2−ブテン、t−2−ペンテン等が挙げられ、炭素数5のナフテン分としては、例えば、シクロペンタン等が挙げられる。更に、芳香族分としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
【0007】
本発明においては、各成分の含有量が前記範囲内であれば、本発明の上記効果を有効に奏することができる。特に、炭素数4の炭化水素化合物が3容量%以下、炭素数5のパラフィン分が10〜35容量%、炭素数5のオレフィン分が15容量%以下、炭素数5のナフテン分が5容量%以下であることが好ましい。特に、炭素数5のオレフィン分が上記範囲内にあることが、触媒の硫黄被毒による改質触媒、部分酸化触媒の劣化などを改善しうる点で好ましい。また、芳香族分が10容量%以下であることが改質反応に有利などの点で好ましい。更に、硫黄分が5重量ppm以下、更に1重量ppm以下であることが、触媒の硫黄被毒による改質触媒、部分酸化触媒の劣化などを改善しうる点で好ましい。
本発明の燃料油1は、そのリード蒸気圧が60kPa以下、更に、44〜60kPaであることが、蒸発ガスを低減せしめ、タンクの耐久性、炭化水素の大気への放出の抑制の点で好ましい。
【0008】
また、本発明は、炭素数4の炭化水素分を5容量%以下、炭素数5のパラフィン分を10〜30容量%、炭素数5のオレフィン分を10容量%以下、炭素数5のナフテン分を5容量%以下、芳香族分を10容量%以下、硫黄分を5重量ppm以下含み、かつリード蒸気圧が60kPa以下で、リサーチ法オクタン価が66以上である燃料油組成物(燃料油2)に係るものである。該燃料油2は、そのオクタン価が高いなどの点から、燃料電池用燃料油として用いられる外、内燃機関用燃料油としても有利に使用することができる。
上記燃料油2において、炭素数4の炭化水素分、炭素数5のパラフィン分、炭素数5のオレフィン分、炭素数5のナフテン分、芳香族分については、上記燃料油1と同様のものを挙げることが出来る。
【0009】
本発明においては、各成分の含有量が上記範囲内であれば、本発明の効果を有効に奏することができる。特に、炭素数4の炭化水素分が5容量%以下、炭素数5のパラフィン分が15〜25容量%、炭素数5のオレフィン分が6容量%以下、炭素数5のナフテン分が2容量%以下、芳香族分が10容量%以下であることが好ましい。また、硫黄分は5重量ppm以下、更に1重量ppm以下であることが好ましい。
特に、炭素数4の炭化水素が上記範囲内にあれば、内燃機関用燃料として使用する際に蒸気圧が増し、エンジンの始動性が向上するという効果を得ることができ、一方で、蒸気圧が高過ぎてベーパーロック現象を引き起こすこともない。また、炭素数5のパラフィン分、オレフィン分及びナフテン分がいずれも上記範囲内にあることで内燃機関用燃料として必要なオクタン価を維持できることとなり好ましい。特に、炭素数5のパラフィン分が上記範囲内にあることが内燃機関用燃料として使用する際にノッキング等を抑制することができ好ましい。更に、芳香族分含有量が上記範囲内にあれば改質反応に有利であり、硫黄含有量が上記範囲内であれば、触媒の硫黄被毒による改質触媒、部分酸化触媒の劣化などを改善することができる点で好ましい。
【0010】
更に本発明の燃料油2は、リード蒸気圧が60kPa以下、好ましくは、44〜60kPaであることが、蒸発ガス量を低減でき、この結果、内燃機関用燃料として使用する際にエンジンの始動性に優れ、またタンクの耐久性、炭化水素の大気への放出の抑制などの点で好ましい。
本発明の燃料油2は、そのリサーチ法オクタン価が66以上である。リサーチ法オクタン価が66以上であれば、内燃機関用燃料として使用する際にノッキングを起こすことなく実用上有利である。この点から、上記リサーチ法オクタン価は、80以上、更に89以上であることが好ましい。
本発明の燃料油2は、上記の点から、内燃機関用と燃料電池用のいずれにも用いることができる。すなわち、内燃機関用に用いた場合は、オクタン価が高く、ノッキング等を起こすことなく有利に使用可能であり、燃料電池用に用いた場合も、水素を効率よく製造することができ、改質触媒、燃料電池電極に対して悪影響を及ぼすことなく改質触媒等の劣化を低減することができる。
【0011】
本発明の燃料油を調製するために用いられる基材としては、例えば、脱硫軽質ナフサ(DLN),低蒸気圧DLN、異性化DLN、低蒸気圧・異性化DLN、軽質分解ガソリン(LFG)、脱硫LFG、脱硫・低蒸気圧LFG、脱硫・水添LFG、アルキレートガソリン(ALG)、脱硫重質ナフサ(DHN)等を使用することができる。ここで、脱硫軽質ナフサ(DLN)とは、C4 〜C7 のノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン等から構成され、通常、原油を常圧蒸留装置でライトナフサとして分留し、ナフサ脱硫装置で脱硫するか、あるいは原油を常圧蒸留装置でフルレンジナフサとして分留し、ナフサ脱硫装置で脱硫した後、ライトナフサを分留することにより得られるものである。低蒸気圧DLNとは、DLNの軽質留分をスプリッター等で除去して得られたものであり、異性化DLNとは、例えば、白金担持アルミナ系触媒、白金担持ゼオライト触媒、白金担持強酸性担体触媒等の白金系触媒に脱硫軽質ナフサを通油するなどの方法により異性化処理して得られたものをいう。また、低蒸気圧・異性化DLNとは、上記低蒸気圧処理及び異性化処理の双方を行なって得られたものをいう。
【0012】
アルキレートガソリン(ALG)とは、一般に、アルキル化反応により得られるアルキル化ガソリンをいい、高オクタン価のイソパラフィンに富み、芳香族分やオレフィン留分を含まないものをいう。更に、脱硫重質ナフサ(DHN)とは、C6 〜C10のノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン等から構成される石油炭化水素留分をいい、通常、原油を常圧蒸留装置で重質ナフサとして分留し、ナフサ脱硫装置で脱硫するか、あるいは原油を常圧蒸留装置でフルレンジナフサとして分留し、ナフサ脱硫装置で脱硫した後、重質ナフサを分留することにより得られるものをいう。
また、軽質分解ガソリン(LFG)とは、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法により、固体酸触媒で分解して得られる接触分解ガソリンのうちの軽質分である。このLFGは必要に応じて脱硫処理を行なったもの(脱硫LFG)を使用することができる。脱硫LFGは、Ni系等の吸着脱硫剤にLFGを通油することにより得られる。なお、脱硫・低蒸気圧LFGとは、脱硫LFGの軽質部分をスプリッター等で除去して得られるものをいい、脱硫・水添LFGとは、Co−Mo/アルミナ、Ni−Mo/アルミナ系触媒等にLFGを通油することにより得られたものをいう。
【0013】
本発明の燃料油組成物は、上記基材を適宜組合せ調製することができるが、燃料油1は、例えば、異性化DLNを30〜60容量%、DHNを30〜60容量%及びALGを混合するなどの方法により得ることができる。また、燃料油2は、例えば、低蒸気圧・異性化DLNを30〜70容量%、DHNを30〜40容量%及びALGを混合するなどの方法により得ることができる。
本発明の燃料油は、これにより製造される水素の純度が高く、水素分圧の低下が小さいなどの特徴を有するため、燃料電池用の水素の製造に好適である。
上記燃料油から水素を生成するには、先ず燃料油を必要に応じて脱硫する。脱硫法としては、通常、吸着脱硫法あるいは水素化脱硫法が用いられる。吸着脱硫法は、Niを主成分とする吸着材を用い、室温〜200℃、常圧〜5MPaの条件で実施する。水素化脱硫法は、Co−Mo/アルミナあるいはNi−Mo/アルミナなどの水素化脱硫触媒とZnOなどの硫化水素吸着剤を用い、常圧〜5MPaの圧力下,温度200〜400℃の条件で行う。
次いで、脱硫した燃料油に水蒸気改質、部分酸化及び/又はオートサーマルリフォーミング(ATR)を行う。本発明によれば、水蒸気改質触媒等への炭素析出がなく効率的に水素を製造できる燃料油を得ることができる。
【0014】
水蒸気改質の方法には特に制限はないが、通常以下のような方法で行われる。
まず、この水素製造方法に用いる水蒸気改質触媒としては、特に制限はないが、その担持金属として、Ni、ジルコニウムあるいはルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),白金(Pt)などの貴金属を用いたものが挙げられる。これらの担持金属は単独でもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。
上記担持金属の中でも、Ruが特に望ましく、水蒸気改質反応中の炭素析出を抑制する効果が大きい。このRuの担持量については、担体基準で0.05〜20重量%、さらには、0.05〜15重量%が好ましい。担持量が0.05重量%未満では、水蒸気改質反応の活性が極度に低下する場合があり、20重量%を越えても活性の顕著な増加は得られ難い。
【0015】
また、担持金属の組合わせの具体例としては、Ruとジルコニウムとを担持したものが挙げられる。Ruとジルコニウムは同時に担持してもよく、別々に担持してもよい。ジルコニウムの含量は、ZrO2 に換算して、担体基準で0.5〜20重量%,さらには、0.5〜15重量%が好ましい。この種の担持金属の場合、さらにコバルトおよび/またはマグネシウムを添加したものが好適なものとして挙げられる。ここでコバルトの含有量は、コバルト/ルテニウムの原子比で、0.01〜30,さらには、0.1〜30が好ましく、マグネシウムの含有量は、マグネシア(MgO)換算で0.5〜20重量%,さらには0.5〜15重量%が好適である。
一方、水蒸気改質に使用する触媒の担体としては、無機酸化物が用いれ、具体的には、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア及びそれらの混合物が挙げられる。これらの中でもアルミナとジルコニアが特に好ましい。
【0016】
水蒸気改質用触媒の好ましい態様の一つとして、Ruをジルコニアに担持した触媒がある。このジルコニアは、単体のジルコニア(ZrO2 )でも良いし、マグネシアのような安定化成分を含む安定化ジルコニアでも良い。安定化ジルコニアとしては、マグネシア、イットリア、セリア等を含むものが好適である。
水蒸気改質用触媒の別の好ましい態様の一つとしては、Ruとジルコニウム、又はRuとジルコニウムの他にさらにコバルトおよび/またはマグネシウムとをアルミナ担体に担持した触媒を挙げることができる。アルミナとしては特に耐熱性と機械的強度に優れるα−アルミナが好ましい。
次に、水素の製造においては、水蒸気(S)と燃料油に由来する炭素(C)との比S/C(モル比)が2〜5、さらには2〜4の状態で水蒸気改質を行う方法が好ましい。S/C(モル比)が5以上の高い状態で水蒸気改質を行うと過剰の水蒸気を作る必要があり、熱ロスが大きく、水素製造の効率が低下する場合がある。また、S/Cが2を下回ると水素の発生量が低下してしまうことがある。
【0017】
さらに水素の製造においては、水蒸気改質触媒層の入口温度を630℃以下に保って水蒸気改質を行う方法が好ましい。
水蒸気改質触媒層入口温度は、酸素添加により上昇する傾向にあるので、これをコントロールする必要がある。入口温度が630℃を超えると、原料炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカル経由で触媒あるいは反応管壁に炭素が析出し運転が困難になる場合があるためである。
なお、触媒層出口温度は、特に制限はないが、好ましくは650〜800℃で行う。触媒層出口温度が650℃未満では水素の生成量が充分でなく、800℃を越える温度で反応するにはリアクターを特に耐熱性材料にする必要がある場合があり、経済性の点で好ましくないからである。
水素の製造においては、反応圧力は常圧〜3MPa,さらには常圧〜1MPaであることが好ましい。また、燃料油の流量については、LHSVで0.1〜100h-1である。
【0018】
部分酸化反応は、好ましくはルテニウムなどの貴金属やニッケルなどを耐熱性酸化物に担持した触媒下、反応圧力が常圧〜5MPa,反応温度400〜1100℃、酸素/炭素比0.2〜0.8,LHSV0.1〜100h-1で行われる。上記水素の製造方法においては、上記水蒸気改質により得られるCOが水素生成に悪影響を及ぼすため、これを反応によりCO2 としてCOを除くことが好ましい。
オートサーマル反応は、部分酸化と水蒸気改質を組み合わせた方法である。触媒は、ルテニウムなどの貴金属やニッケルなどを耐熱性酸化物に担持した触媒を用いる。一種の触媒で行なうこともあるが、部分酸化と水蒸気改質それぞれ別の触媒を組み合わせてもよい。反応圧力は常圧〜5MPa,反応温度は400〜1100℃、酸素/炭素比0.4〜0.6、硫黄/炭素比0.5〜2.0,LHSV 0.1〜100h-1で行われる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜18及び比較例1〜3
第1表に示す組成及び性状を有する基材を第2表に示す配合割合で用い、第3表に示す組成及び性状を有する燃料油を調製し、その各々のリサーチオクタン価及びリード蒸気圧等をそれぞれJIS K2280、JIS K2258などに準じて測定した。
【0020】
水素製造実験
2基の固定床流通式反応器を連結し、下記条件にて1段目で脱硫を行い、2段目で水蒸気改質を行った。
(1段目)
脱硫 脱硫剤:Ni系吸着剤(Ni:60wt%含有)
条件:常圧、温度90℃、LHSV=0.1h-1
(2段目)
改質 触媒:α−アルミナ粉末に水20重量%を加え、ニーダーで混合・圧縮成形し直径5mm、長さ5mmの円柱状成形体とした。200℃で3時間乾燥後、1280℃で26時間焼成しアルミナ担体を得た。一方、ジルコニウムオキシ塩化物(ZrO(OH)Cl)の水溶液(ZrO2 換算で2.5g)に、3塩化ルテニウム(RuCl3 /nH2 O)(Ru38%含有)0.66g、硝酸コバルト(Co(NO3 )2 ・36H2 O)2.47g及び硝酸マグネシウム(Mg(NO3 )2 ・26H2 O)6.36gを加え、溶解するまで攪拌した。溶液の総量は10ccであった。この溶液を上記アルミナ担体50gに含浸(ポアフィリング法)した後、120℃で5時間乾燥し、500℃で2時間焼成し、更に16〜32メッシュに粒径調整した。この触媒は、担体基準でRuを0.5重量%,Zrをジルコニア換算で5重量%,Coを1.0重量%,Mgをマグネシア換算で2重量%含有する。
ATR条件:水蒸気/炭素比1.2、酸素/炭素比0.5,LHSV=2.5h-1、常圧、反応温度750℃
上記反応を100時間連続して行った後に二段目の触媒を抜き出し、触媒上の炭素析出率を下記のようにして測定し評価した。
炭素析出率(%)=炭素析出した部分の長さ/全触媒の長さ
○: 5%以下
×: 20%以上
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
*RON:リサーチ法オクタン価
*MON:モーター法オクタン価
【0027】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、水素を効率よく製造することができ、改質触媒、燃料電池電極に対して悪影響を及ぼすことなく改質触媒等の劣化が少ない燃料電池用燃料油組成物を提供するとともに、これを自動車の内燃機関エンジン用燃料油として使用した場合もオクタン価が高く、ノッキング等を起こすことなく使用可能である内燃機関用及び燃料電池用兼用燃料油組成物を提供することができる。
Claims (3)
- 炭素数4の炭化水素分を5容量%以下、炭素数5のパラフィン分を10〜30容量%、炭素数5のオレフィン分を10容量%以下、炭素数5のナフテン分を5容量%以下、芳香族分を10容量%以下、硫黄分を5重量ppm以下含み、かつリード蒸気圧が60kPa以下で、リサーチ法オクタン価が66以上である内燃機関用及び燃料電池用兼用の燃料油組成物。
- リサーチ法オクタン価が80以上である請求項1記載の燃料油組成物。
- リサーチ法オクタン価が89以上である請求項2記載の燃料油組成物。
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