JP2001171822A - 振動パーツフィーダのボウルの製造方法 - Google Patents

振動パーツフィーダのボウルの製造方法

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JP2001171822A
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track
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Tomozo Inui
智三 犬井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全体が一体成形されていて、成形に際して、金
属板材のわん曲成形加工、製缶加工等を一切不要とした
振動パーツフィーダのボウルの製造方法の提供である。 【解決手段】周壁部2の内側にトラック部3が、所定の
上り勾配αを有する渦巻螺旋状となって設けられた振動
パーツフィーダのボウルBを製作するに際して、前記上
り勾配αが一定となるように、金属の鋳造によって、そ
の全体を一体成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周壁部の内側にト
ラック部が、所定の上り勾配を有する渦巻螺旋状となっ
て設けられて、捩り振動力により部品を搬送するための
振動パーツフィーダのボウルの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】振動パーツフィーダを構成するボウル
は、搬送部品を収容するための部品収容器としての機能
を果たし、その全体形状が有底円筒状或いは逆円錐台状
(椀状)をしていて、底壁部と、該底壁部の外周部に設
けられた周壁部と、該周壁部の内側に所定の上り勾配を
有して螺旋状、或いは渦巻螺旋状となって設けられたト
ラック部とで構成される。この振動パーツフィーダは、
ボウルに捩り振動力を与えることにより、その内部に収
容された部品を、前記トラック部に沿って搬送し、その
途中において、該部品の姿勢を揃える等して一個ずつ供
給するのに使用されており、前記トラック部の全長に亘
って、その上り勾配を一定にすることが、安定搬送のた
めの重要な条件となる。
【0003】そして、ボウルが有底円筒状をしている場
合には、円筒状をした周壁部の内側にトラック部を一定
ピッチの螺旋状にして設ければよく、このようなボウル
の成形方法は、特公昭59−21246号公報、特公平
8−11612号公報等に開示されている。このような
有底円筒状のボウルは、部品の収容量が少ないという不
具合があり、これを解消するものとして、逆円錐台状
(椀状)をしたボウルが使用される。
【0004】逆円錐台状(椀状)をしたボウルは、その
周壁部の内側にトラック部が渦巻螺旋状となって設けら
れる。そして、渦巻螺旋状をしたトラック部のピッチを
一定にした場合には、トラック部の外周側(高い位置に
設けられた部分)は、その内周側(低い位置に設けられ
た部分)よりも半径が大きいために、上り勾配が小さく
なる。この場合には、トラック部の外周側は、その内周
側に比較して部品の搬送速度が速くなってしまい、安定
した搬送を行えない。これを防止するには、渦巻螺旋状
をしたトラック部のピッチを、外周側にゆくに従って徐
々に大きくする必要がある。
【0005】しかし、従来のボウルの製作は、上記各公
報に開示のように、金属板材のわん曲成形加工、製缶加
工等を主体にして行っていたので、逆円錐台状(椀状)
をしたボウルの製作において、渦巻螺旋状をしたトラッ
ク部のピッチを、外周側にゆくに従って徐々に大きくす
ることは、加工誤差等の関係で、極めて難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、全体が一体
成形されていて、成形に際して、金属板材のわん曲成形
加工、製缶加工等を一切不要とした振動パーツフィーダ
のボウルの製造方法の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の採用した手段は、周壁部の内側にトラック部
が、所定の上り勾配を有する渦巻螺旋状となって設けら
れた振動パーツフィーダのボウルを製作するに際して、
前記上り勾配が一定となるように、金属の鋳造によっ
て、その全体を一体成形することである。
【0008】ボウルを成形する金属としては、ボウル自
体を軽量化させるために、アルミニウム合金等を用いる
ことが好ましい。アルミニウム合金等によってボウルを
鋳造成形する場合には、ダイカストが好適である。この
場合において、周壁部の内側に周方向に沿って設けられ
たトラック部は、渦巻螺旋状に配置されて、平面視にお
いて、干渉部(互いに重なり合う部分)が全くないの
で、一対のダイス(鋳造成形型)の分割面を、ボウルの
底壁部と略平行な面にして、該一対のダイスを、ボウル
の底壁部に対して略垂直な方向に開閉させれば、アンダ
ーカット成形部がなくなって、型鋳造成形が可能とな
る。
【0009】本発明方法により製造されたボウルは、そ
のトラック部の上り勾配が全長に亘って一定しているの
で、振動搬送される部品の搬送速度は、トラック部の全
ての部分で一定となって、部品を安定して搬送できる。
また、本発明のボウルの製造方法は、金属の鋳造によ
り、その全体が一体成形されているので、従来のボウル
の成形方法のように、金属板材のわん曲成形加工、製缶
加工等が一切不要となって、鋳造型の製作精度と同一の
高精度のボウルの成形が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。図1は、本発明により製造された
ボウルBの斜視図であり、図2は、同じく平面図であ
り、図3は、図2のZ1 −Z1 線断面図であり、図4
は、図2のZ2 −Z2 線の部分の半断面図であり、図5
は、図2のZ3 −Z3 線の部分の半断面図である。本実
施例のボウルBは、後述するように、アルミニウム合金
の鋳造(ダイカスト)によって、その全体が一体成形さ
れている。このボウルBは、略円形の底壁部1と、該底
壁部1の外周縁に渦巻螺旋状となって一体成形された周
壁部2と、該周壁部2の内側に同じく渦巻螺旋状となっ
て一体成形されたトラック部3とを備えている。
【0011】また、底壁部1は、その中心部が最も高く
なるように成形されている。トラック部3は、高さ方向
に沿って相上下し、しかも半径方向に沿って内外に位置
している2つの周壁部2の間に、上り勾配が一定の渦巻
螺旋状となって設けられている。図2において、A
1 は、トラック部3の起点部であって、角度(θ)で示
される部分においては、トラック部3が斜方向に沿って
二重となって設けられて、当該部分には、後述の部品搬
送路7の周壁部2’を含めて、その半径方向に沿って3
つの周壁部2,2’が斜外方に向けて段差状となって設
けられている(図4参照)。更に、図2において、A3
は、トラック部3の経路変更部であって、該経路変更部
3 よりも下流側(高さを基準にすると、高い側)のト
ラック部3は、これよりも上流側(低い側)のトラック
部3の渦巻螺旋の延長線よりも外方に位置している。斜
方向に沿ってトラック部3が二重に設けられている部分
においては、各トラック部3の間に、該トラック部3の
横断方向(部品搬送方向Qと直交する方向)の傾斜と逆
方向に傾斜した傾斜面4が形成されている。
【0012】また、渦巻螺旋状となって設けられた周壁
部2のうち、最も外側に配置されている部分の上端2a
(図1及び図3参照)は、全て同一高さとなっていると
共に、底壁部1の底面1aと平行になっていて、使用状
態において、水平となる。また、図1ないし図4に示さ
れるように、最も外側の周壁部2が欠落されている部分
には、最も外側の周壁部2の上端2aよりも低い位置
に、略円弧状をしたアタッチメント取付板部5が水平に
設けられていて、該取付板部5と、トラック部3の終端
部(最も高い部分)A4 との間には、所定の段差が設け
られている。なお、底壁部1の中心部〔その中心位置が
(C)で示されている〕には、ボウルBを後述のボウル
取付ブロック31に取付けるための取付孔6が上下に貫
通して設けられている。
【0013】また、図2において、A2 は、渦巻螺旋状
のトラック部3において、その終端部A4 の内側であっ
て、しかも周方向に沿って該終端部A4 と略同一位置で
ある中間部を示し、該中間部A2 と終端部A4 との間の
高さの差(ピッチ)及び部品搬送方向Qに沿った距離
を、それぞれ(P),(L)とすると、トラック部3の
上り勾配(α)は、(P/L)で表わされる。また、図
6において、横軸(X)は、トラック部3の起点部A1
から各部分までの直線展開長を示し、縦軸(Y)は、ト
ラック部3の起点部A1 からの高さを示す。そして、図
6で実線で示されるように、本発明により製作されたボ
ウルBの上り勾配(α)は、トラック部3の全長に亘っ
て一定していて、(Y=αX)の関係が成立するが、
「従来の技術」の項目で説明したように、渦巻螺旋状を
したトラック部のピッチを一定にしてボウルを製作した
場合には、図6で2点鎖線で示されるように、トラック
部の上り勾配は、徐々に小さくなるのである。
【0014】そして、ボウルBは、そのトラック部3の
部品搬送方向Qに沿った上り勾配(α)が、その起点部
1 から終端部A4 に至るまで一定となるように鋳造さ
れる。また、トラック部3は、搬送中の部品を周壁部2
の側に寄らせるために、垂直に設けられた周壁部2に対
する角度(β)〔図3参照〕が僅かに鋭角となるよう
に、その横断方向(部品搬送方向Qと直交する方向)に
沿って傾斜しており、前記角度(β)も、トラック部3
の全長に亘って一定している。また、底壁部1の外周部
には、その上面の傾斜面1bと、当該部分に設けられた
周壁部2’とによって、ほぼ360°の範囲において環
状の部品搬送路7が形成されている。この環状の部品搬
送路7において、底壁部1の上面の傾斜面1bと周壁部
2’とのなす角度は、前記トラック部3と周壁部2との
なす角度(β)と同一である。また、部品搬送路7の高
さは、全長に亘って同一であって、勾配を有していな
い。
【0015】上記ボウルBは、金属溶湯を高圧力で金型
に圧入する鋳造法であるダイカストにより成形される。
図7及び図8において、一対のダイス(鋳造成形型)1
1,12は、その一方のダイス11が固定型であって、
その他方のダイス12が可動型である。ダイス11は、
ボウルBの外周面形状を成形し、ダイス12は、ボウル
Bの内周面及び端面を成形する。一対のダイス11,1
2は、その分離面11a,12aがボウルBの底壁部1
の底面1aと平行になっていて、該底面1aに対して垂
直な方向に開閉する。成形するボウルBのトラック部3
は、渦巻螺旋状をしていて、その平面視において、干渉
部(互いに重なり合う部分)は全くないので、アンダー
カット成形部がなくなって、一対のダイス11,12の
みによって、ボウルBの鋳造が可能となる。
【0016】一対のダイス11,12を閉じておいて、
両者によって形成される成形空間(キャビティ)13に
湯道(スプルー)14から、アルミニウム合金の溶湯を
高圧力で圧入すると、該溶湯は、前記成形空間13の全
てに充填される。溶湯の冷却後において、可動型である
ダイス12を固定型であるダイス11に対して移動させ
て、両者を離間させると、鋳造品であるボウルBは、固
定型であるダイス11にそのまま残る。そして、固定型
であるダイス11に貫通して設けられた押出ピン(図示
せず)によって、ダイス11に残っている鋳造品である
ボウルBを押し出すと、底壁部1、周壁部2及びトラッ
ク部3等の各部分が全て一体となったボウルBが取り出
される。
【0017】このように、ダイカストによれば、鋳造品
であるボウルBのトラック部3の上り勾配(α)は、一
対のダイス11,12のトラック部成形面11b,12
bの勾配により定められるために、該トラック部成形面
11b,12bの勾配が一定となるように、一対のダイ
ス11,12を製作すれば、成形されるボウルBのトラ
ック部3の上り勾配は、一定となる。
【0018】また、図9及び図10において、ボウルB
のアタッチメント取付板部5には、搬送される部品Wの
姿勢を整列させるための部品姿勢整列装置21、及び整
列された部品Wを、そのままの姿勢で搬送させるための
整列部品搬送装置22が装着される。そして、該ボウル
Bは、その底壁部1がボウル取付ブロック31に、前記
取付孔6に挿通されるボルト(図示せず)を介して固定
され、該ブロック31には、可動コア32がボルト(図
示せず)により固定される。更に、可動コア32とベー
スブロック33とは、複数本の傾斜板バネ34により結
合され、前記ベースブロック33には、前記可動コア3
2と所定間隙を有して電磁石35が対向して固定され、
これらの駆動部Dの全体が筒状をしたカバー36で被覆
されて、前記駆動部Dの上にボウルBが固定されたパー
ツフィーダの全体は、防振ゴム37を介して床上に設置
される。
【0019】上記のようにして、ダイカストにより成形
されたアルミニウム合金製のボウルBは、軽量であっ
て、しかもそのトラック部3の上り勾配(α)が全長に
亘って一定しているので、駆動部Dの捩り振動がボウル
Bに作用して、該ボウルBの底部に収容されている部品
Wは、底壁部1の外周部に形成された部品搬送路7の全
部又は一部を通った後に、起点部A1 においてトラック
部3に入り込んで、そのまま該トラック部3において周
壁部2の側に寄せられながら、トラック部3の全ての部
分において、一定速度で上昇搬送される。このため、部
品Wは、安定して上昇搬送される。
【0020】また、上記実施例のボウルBは、そのトラ
ック部3の終端部A4 の僅かに手前側の部分に経路変更
部A3 が設けられているために、当該部分を搬送される
部品Wのうち、その搬送姿勢が極めて不安定なものは、
搬送経路の変化に追随できないために転倒して、ボウル
Bの底部に落下されて、部品姿勢整列装置21によって
整列可能な姿勢を有する部品のみを通過させられる利点
がある。このように、本発明に係るボウルは、鋳造品で
あるために、上記した経路変更部A3 を容易に成形でき
るが、本発明に係るボウルにおいては、そのトラック部
3は、全長に亘って規則的な渦巻螺旋状に配置されてい
るものでもよい。
【0021】また、トラック部3の横断方向に沿った傾
斜角度(90°−β)に関しても、一対のダイス11,
12の各トラック部成形面11b,12bによって定め
られるので、トラック部3の全長に亘って一定にでき
る。
【0022】
【発明の効果】本発明は、周壁部の内側にトラック部
が、所定の上り勾配を有する渦巻螺旋状となって設けら
れた振動パーツフィーダのボウルを製作するに際して、
前記上り勾配が一定となるように、金属の鋳造によっ
て、その全体が一体成形されているので、トラック部の
上り勾配を全長に亘って一定にすることが容易となると
共に、このようなボウルを使用すれば、トラック部の全
長に亘って、部品の搬送速度が一定となって、部品を安
定して搬送させられる。更に、ボウルの全体が一体成形
されているために、金属板材のわん曲成形加工、製缶加
工等が一切不要になると共に、組付誤差等も一切なくな
って、高精度のボウルの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されたボウルBの斜視図であ
る。
【図2】同じく平面図である。
【図3】図2のZ1 −Z1 線断面図である。
【図4】図2のZ2 −Z2 線の部分の半断面図である。
【図5】図2のZ3 −Z3 線の部分の半断面図である。
【図6】トラック部3の起点部A1 から各部分までの距
離の直線展開長と、各部分の高さとの関係を示すグラフ
である。
【図7】一対のダイス11,12を閉じた状態の断面図
である。
【図8】一対のダイス11,12を開いた状態の断面図
である。
【図9】本発明により製造されたボウルBを使用したパ
ーツフィーダの平面図である。
【図10】図9のE矢視図である。
【符号の説明】
α:トラック部の上り勾配 A1 :トラック部の起点部 A2 :トラック部の中間部 A3 :トラック部の経路変更部 A4 :トラック部の終端部 B:ボウル W:部品 2:周壁部 3:トラック部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁部の内側にトラック部が、所定の上
    り勾配を有する渦巻螺旋状となって設けられた振動パー
    ツフィーダのボウルの製造方法であって、 前記上り勾配が一定となるように、金属の鋳造によっ
    て、その全体を一体成形することを特徴とする振動パー
    ツフィーダのボウルの製造方法。
  2. 【請求項2】 トラック部の終端部の手前側の部分に、
    経路変更部を設けることを特徴とする請求項1に記載の
    振動パーツフィーダのボウルの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属は、アルミニウム合金であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の振動パーツフィーダ
    のボウルの製造方法。
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