JP2001171313A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2001171313A
JP2001171313A JP35647199A JP35647199A JP2001171313A JP 2001171313 A JP2001171313 A JP 2001171313A JP 35647199 A JP35647199 A JP 35647199A JP 35647199 A JP35647199 A JP 35647199A JP 2001171313 A JP2001171313 A JP 2001171313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転がり抵抗やユニフォミティーの悪化を最低
限にとどめながらロードノイズ性能を向上する。 【解決手段】 バンド層9は、第1のバンドプライ9A
と第2のバンドプライ9Bとの重なり域Kにおいて、バ
ンドプライ9A、9Bのバンドコード10A、10Bを
挟む半径方向の重なり高さDを、タイヤ軸方向に変化さ
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり抵抗やユニ
フォミティーの悪化を最低限にとどめながらノイズ性能
を向上した空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】空気
入りラジアルタイヤでは、図6(A)、(B)に略示す
る如く、ベルト層aの外側に、バンドコードをタイヤ周
方向に配列したバンド層bを設けたものが広く知られて
いる。
【0003】このバンド層bとしては、トレッド縁間で
延在するフルバンドプライb1の2枚を重複させた構造
(F+F構造という場合がある)、或いはトレッド縁側
を小幅で覆うエッジバンドプライb2と前記フルバンド
プライb1とを重複させた構造(E+F構造という場合
がある)が一般的であり、何れの構造においても、図6
(C)に示すように、半径方向で重複するバンドプライ
のバンドコードcを挟む半径方向の長さである重なり高
さDは、タイヤ軸方向に略一定に形成されている。
【0004】このようなバンド層bは、ベルト層aに対
する拘束力を高めて高速耐久性能を向上させる一方、ト
レッド剛性の増加によって振動伝達特性が変化し、振動
伝達率のピークをより高周波数側に移行させるなど車両
の振動伝達率のピークとの間にズレを生じせしめロード
ノイズを低減させる等の利点を具えている。
【0005】そして、前記バンド層の拘束力を増加させ
ることによって、前記ロードノイズのいっそうの改善が
図られることも知られている。
【0006】しかしながら、トレッド部が接地する際、
踏面部は円弧状から平坦状に変形する必要があり、従っ
て、バンド層bの拘束力を高めていくと、その変形時の
エネルギーロスが大きくなって転がり抵抗が増大する結
果を招く。特に、加硫時のベルト層のストレッチを大き
く設定し、バンドコード張力の増大によって拘束力を高
める場合には、加硫時のベルト層の変形量自体も大きく
なりユニフォミティーの悪化も併発してしまう。
【0007】そこで本発明は、バンド層において、半径
方向で重複するバンドプライのバンドコードを挟む半径
方向の長さである重なり高さDを、タイヤ軸方向に変化
させることを基本として、転がり抵抗やユニフォミティ
ーの悪化を最低限にとどめながらロードノイズ性能を向
上しうる空気入りラジアルタイヤの提供を目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォ
ール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、
トレッド部の内方かつカーカスの外側に配されるベルト
層と、このベルト層の外側に配されるバンド層とを具え
た空気入りラジアルタイヤであって、前記バンド層は、
タイヤ周方向に対して5度以下の角度で傾きかつ有機繊
維コードからなるバンドコードが引き揃えられる第1の
バンドプライ、及びこの第1のバンドプライと半径方向
に重複する重なり域を形成する第2のバンドプライから
なり、かつ第1のバンドプライは、トレッド縁間で延在
する全幅のフルバンドプライにより形成し、かつ第2の
バンドプライは、トレッド縁側を小幅で覆うエッジバン
ドプライ、又はトレッド縁間で延在する全幅のフルバン
ドプライにより形成するとともに、前記重なり域におい
て、半径方向で重複するバンドプライのバンドコードを
挟む半径方向の長さである重なり高さDを、タイヤ軸方
向に変化させたことを特徴としている。
【0009】また請求項2の発明では、前記各バンドプ
ライは同径のバンドコードからなるとともに、前記重な
り高さDのバンドコードの直径Sに対する比D/Sは、
第2のベルトプライがエッジバンドプライであるときに
はそのタイヤ軸方向内端において、フルバンドプライで
あるときにはタイヤ赤道において1.0以上かつ3.0
以下であることを特徴としている。
【0010】また請求項3の発明では、前記重なり域
は、該重なり域における重なり高さDの最大値DMと最
小値Dmとの比DM/Dmが1.2以上かつ2.5以下
であることを特徴としている。
【0011】また請求項4の発明では、前記重なり域
は、タイヤ軸方向内側から重なり域の外端に向かって前
記重なり高さDが増大する外向き増加部を有することを
特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、本発明の空気入りラジ
アルタイヤ1(以下タイヤ1という)が乗用車用タイヤ
として形成され、かつ正規リムにリム組みしかつ正規内
圧を充填した標準状態での子午断面を示している。
【0013】なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づ
いている規格を含む規格体系において、当該規格がタイ
ヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標
準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETR
TOであれば "Measuring Rim"を意味する。また、前記
「正規内圧」とは、前記規格体系における各規格がタイ
ヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最
高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VA
RIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、E
TRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タ
イヤが乗用車用である場合には一律に180(kPa)
とする。
【0014】図においてタイヤ1は、トレッド部2と、
その両側からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイド
ウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置
するビード部4とを具える。又タイヤ1には、前記ビー
ド部4、4間を跨るトロイド状のカーカス6と、トレッ
ド部2の内方かつ前記カーカス6の外側に配されるベル
ト層7と、このベルト層7のさらに外側に配されるバン
ド層9とを設けている。
【0015】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ周方向に対して75゜〜90゜の角度で配列した1枚
以上、本例では、1枚のカーカスプライ6Aから形成さ
れる。カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードが
好適に採用されるが、タイヤのサイズやカテゴリー、或
いは要求性等に応じてスチールコードも採用しうる。
【0016】また前記カーカス6は、トレッド部2から
サイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に
至る本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りで内
側から外側に折り返されて係止される折返し部6bを有
する。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビー
ドコア5からタイヤ半径方向外方に先細状にのびるビー
ドエーペックスゴム8が配される。本例では、前記折返
し部6bは、その半径方向外端のビードベースラインB
Lからの高さをビードエーペックスゴム8の半径方向外
端の高さよりも大とした所謂ハイターンアップ構造をな
し、前記ビードエーペックスゴム8と協同してビード部
4を補強しかつタイヤ横剛性を高めている。なおカーカ
ス6が複数枚のプライで形成される場合には、少なくと
も1枚のプライをハイターンアップ構造とするのが好ま
しい。
【0017】また前記ベルト層7は、高弾性のベルトコ
ードをタイヤ周方向に対して10゜〜35゜の角度で傾
斜配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7
A、7Bから形成される。各ベルトプライ7A、7B
は、ベルトコードがプライ間相互で交差するように向き
を違えて配され、これによるコードのトライアングル構
造によってベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾を
タガ効果を有して補強する。ベルトコードとしては、ス
チールコード或いは、スチールに近い強度を有する例え
ば芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維等の
高弾性繊維コードが好適に使用される。
【0018】又本例では、内のベルトプライ7Aを外の
ベルトプライ7Bに比べてやや巾広に形成し、ベルト外
端に作用する応力集中を緩和している。
【0019】次に、前記バンド層9は、タイヤ周方向に
対して5度以下の角度で傾きかつ有機繊維コードからな
るバンドコード10が引き揃えられる第1のバンドプラ
イ9A、及びこの第1のバンドプライ9Aと半径方向に
重複する重なり域Kを形成する第2のバンドプライ9B
から構成される。この第1、第2のバンドプライ9A、
9Bは、本例では、夫々1本以上のバンドコード10を
引き揃えた小巾の帯状プライ11(図2に示す)をタイ
ヤ周方向に螺旋状に巻回することにより形成される場合
を例示している。
【0020】又第1のバンドプライ9Aは、トレッド縁
TE、TE間に延在する全幅のフルバンドプライ12と
して形成され、第2のバンドプライ9Bは、トレッド縁
TE側を小幅で覆うエッジバンドプライ13或いはフル
バンドプライ12として形成される。
【0021】なお本願においては、第1、第2のバンド
プライ9A、9Bの何れが半径方向内方に配されるかは
規制しておらず、従って図1、3には、第2のバンドプ
ライ9Bがエッジバンドプライ13からなり、かつ第1
のバンドプライ9Aの半径方向内側に配される場合を例
示している。
【0022】前記帯状プライ11は、図2に示す如く、
1本以上、本例では、複数本のバンドコード10を引き
揃えたコード並列体をトッピングゴムで被覆した小巾の
リボン状をなす。このとき、帯状プライ11内のバンド
コード10の本数は5〜15本程度が好ましく、少なす
ぎるとプライ形成効率が低下し、逆に多すぎると、バン
ドコードのコード角度が過大となって拘束力が減じバン
ド層9としての機能を充分発揮できなくなる。
【0023】また帯状プライ11は、その側縁11eを
互いに突き合わせて螺旋状に巻回することによって、バ
ンドコード10が実質的に一定のピッチPで配列する第
1、第2のバンドプライ9A、9Bを形成する。なおバ
ンドコード10としては、ナイロン、ポリエステル、レ
ーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードが使用で
きる。本例では、第1、第2のバンドプライ9A、9B
は、互いに同一のバンドコード10を用いた場合を例示
しているが、便宜上、第1のバンドプライ9Aのバンド
コードを10A、第2のバンドプライ9Bのバンドコー
ドを10Bとして区別する場合がある。
【0024】そして本願では、前記バンド層9は、図3
に示すように、前記重なり域Kにおいて半径方向内外で
重複するバンドプライ9A、9Bのバンドコード10
A、10Bを挟む半径方向の長さである重なり高さD
を、タイヤ軸方向に変化させたことに、大きな特徴を有
している。
【0025】この「重なり高さD」は、言い換えると、
半径方向内側に配されるバンドプライ(本例では第2の
バンドプライ9B)のバンドコード10Bの下縁を滑ら
かに継ぐ下縁線LLと、半径方向外側に配されるバンド
プライ(本例では第1のバンドプライ9A)のバンドコ
ード10Aの上縁を滑らかに継ぐ上縁線LUとの間の半
径方向の距離と実質的に一致している。そして、従来タ
イヤにおいては、この重なり高さDが実質的に一定であ
ったのに対して、本願では、重なり高さDをタイヤ軸方
向に変化させている。
【0026】これによって、転がり抵抗の悪化を最低限
に抑えながらロードノイズ性能の向上効果を発揮しうる
のである。
【0027】その理由は、特に明白ではないが、前記重
なり高さDの変化によってバンド層9の拘束力に強い箇
所と弱い箇所とが形成され、例えば転がり抵抗に対して
は、接地の際にこの弱い箇所の踏面部が相対的に大きく
変形し、変形時のエネルギーロスが低く抑えられるため
と推測される。又ロードノイズに対しては、拘束力の強
い箇所によってトレッド部における振動伝達特性が変化
し、その振動伝達率のピークを、車両の振動伝達率のピ
ークから離れる高周波数側に移行させるためと推測され
る。
【0028】即ち、転がり抵抗およびロードノイズ性能
に対し、拘束力の強い箇所と弱い箇所との寄与率が相違
し、各箇所の夫々の利点が互いに有効に機能する結果、
前記転がり抵抗の悪化を最低限に抑えながらロードノイ
ズ性能が向上されるものと推察される。
【0029】そのために、前記重なり域Kにおいて、前
記重なり高さDの最大値DMと最小値Dmとの比DM/
Dmを、1.2以上かつ2.5以下とすることが好まし
い。この比DM/Dmが1.2未満では、重なり高さD
の変化、即ち拘束力の変化が過小となって転がり抵抗の
低減効果、或いはロードノイズ性能の向上効果が充分に
達成されなくなる。又2.5を越えると、転がり抵抗が
増加傾向となる他、特にユニフォミティーの悪化を急激
に招くこととなる。
【0030】又前記重なり域Kとしては、タイヤ軸方向
内側からこの重なり域Kの外端に向かって前記重なり高
さDが増大する外向き増加部KAを有することが好まし
く、特に重なり域Kを外向き増加部KAのみで形成する
のがよい。即ち本例の如く、第2のバンドプライ9Bが
エッジバンドプライ13の場合には、重なり域Kの内端
から外端に向かって前記重なり高さDを増大させ、又図
4に示す如く、第2のバンドプライ9Bがフルバンドプ
ライ12の場合には、重なり域Kの中央であるタイヤ赤
道Cから外端に向かって前記重なり高さDを増大させる
のが良い。
【0031】これにより、接地/非接地での変形量が最
も大となる外端側で拘束力が弱まり、しかも拘束力の分
布勾配がなだらかとなるため、転がり抵抗の低減効果が
より有効に発揮されるとともに、ユニフォミティーにも
効果的である。
【0032】その際、ロードノイズの低減効果を確保す
るために、前記重なり高さDのバンドコードの直径Sに
対する比D/Sを、第2のバンドプライ9Bがエッジバ
ンドプライ13であるとき(図3の場合)にはその内端
において、フルバンドプライ12であるとき(図4の場
合)にはタイヤ赤道において、夫々1.0以上かつ3.
0以下に規制することが好ましい。この比D/Sが3.
0以下であるならば、バンド層9の拘束力が十分に得ら
れロードノイズの低減効果を保持できる。なお前記比D
/Sが3.0から小さくなるにつれ、転がり抵抗やユニ
フォミティーの悪化を最小限にとどめながら、D/Sの
理論上の最小値となる1.0までの範囲でロードノイズ
性能を向上できる。
【0033】なおこの比D/Sを2.0以下に設定する
ためには、上のバンドコード10Aの半径方向内縁点
が、下のバンドコード10Bの外縁点を越えて半径方向
内方に落ち込ますことが必要であり、そのためには、前
記バンドコード10Aのタイヤ周方向に対する向き及び
傾斜角度を、バンドコード10Bのタイヤ周方向に対す
る向き及び傾斜角度と整一させることが必要である。さ
らに、バンドコード10A、10A間のピッチPAと、
バンドコード10B、10B間のピッチPBとは、本例
の如く互いに等しいか、或いは一方が他方の整数(N)
倍であること、すなわち、PA=PB、又はPA=N×
PB、又はPB=N×PAであることが必要である。
【0034】次に、前記重なり高さDがタイヤ軸方向で
変化するバンド層9を得る手段として、加硫成型する際
の加硫金型内でのタイヤのストレッチの利用がある。
【0035】具体的には、通常3%程度であった加硫成
型時のストレッチを、例えば5%以上と従来よりも大き
く設定するか、或いはバンドコードとして従来よりも低
伸度のコード材料を使用する。
【0036】ここで一般に、タイヤプロファイルは凸円
弧状をなし、かつベルト層7及びバンド層9を含むトレ
ッドリングは成形ドラム上で円筒状に形成されるため、
加硫成型時における膨張量は、トレッド縁側に比べタイ
ヤ赤道側が相対的に大となっている。従って、前述の如
くストレッチを大きく設定するか、或いは低伸度のバン
ドコードを使用することによって、バンドコード10に
おけるトレッド縁側の張力とタイヤ赤道側の張力との差
を大きく確保できる。そして、この張力の差を利用し、
下のバンドコード10Bに対する上のバンドコード10
Aの半径方向内方への相対移動距離を変化せしめ、前記
重なり高さDをタイヤ軸方向に変化させうるのである。
【0037】この時、重なり域Kの内端側では張力が高
くなるなど拘束力がさらに強くなり、逆に外端側では張
力が弱いため拘束力がさらに弱くなるため、本願の構造
とマッチングし、転がり抵抗やノイズ性能により好まし
い。
【0038】なお前記したストレッチを大きく設定する
手段では、加硫成型時にベルト層7等の変形が大きくな
り、かつ部分的なゴム流れも大きくなることから、タイ
ヤのユニフォミティー(均一性)の低下を招きやすく、
例えば振動特性に不利となる。従って、低伸度のバンド
コード10を使用する手段が好ましく採用できる。すな
わち、バンドコード10として、0.0236g/dt
exの荷重を負荷したときの伸び率が10%以下のもの
を用いる。これにより、外向き増加部KAの形成を可能
としながら、3%程度のストレッチにおいても、バンド
層9による必要な拘束力を確保できる。
【0039】なお従来のナイロン製バンドコードの伸び
率は14%程度である。又前記伸び率は、JISL10
17に準拠して測定した値である。
【0040】又前記ベルト層7のベルトキャンバー量B
Cとタイヤ断面高さHとの比BC/Hが過大なタイヤ、
すなわち曲率半径が小さなタイヤでは、タイヤ赤道側と
トレッド縁側とでストレッチの差が大きくなりすぎ、製
造を難しくするとともに、ユニフォミティーを著しく損
ねるという問題がある。
【0041】そのために、前記比BC/Hを、次式
(1)の範囲に規制することが必要である。 BC/H ≦ 0.24−A×0.23 −−−(1) 式中、Aはタイヤの偏平率であり偏平率60%の時、A
=0.60となる。又前記ベルトキャンバー量BCは、
図1の如く、ベルト層7の内面におけるタイヤ赤道点と
ベルト外端点との間の半径方向の距離を意味する。
【0042】次に、図5(A)、(B)に、バンド層9
の他の実施例を示す。図5(A)では、フルバンドプラ
イ12である第1のバンドプライ9Aが半径方向内側
に、エッジバンドプライ13である第2のバンドプライ
9Bがその外側に配されるものを例示する。又本例で
は、その重なり域Kの内端及び外端に重なり高さDの最
大値DMが、又中央に最小値Dmが夫々形成されてい
る。
【0043】図5(B)では、第1、第2のバンドプラ
イ9A、9Bが夫々フルバンドプライ12であるものを
例示しており、本例では、その重なり域Kのタイヤ赤道
C上及び外端に重なり高さDの最大値DMが、その中央
に最小値Dmが夫々形成されている。
【0044】
【実施例】タイヤサイズが195/60R15でありか
つ図1に示す構造のタイヤを、表1〜3の仕様に基づき
試作するとともに、各試供タイヤの転がり性能、ロード
ノイズ性能、及びユニフォミティーをテストし比較し
た。
【0045】テスト方法は次の通り。 (1) 転がり性能:転がり抵抗試験機を用い、試供タ
イヤを、リム(15×6.5JJ)、内圧(230kP
a)、荷重(4.0kN)、速度(80km/h)で走
行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1(従来タ
イヤ1)を100とした時の指数で表示した。指数は大
きい方が良好である。
【0046】(2)ロードノイズ性能:前記試供タイヤ
を、リム(15×6.5JJ)、内圧(210kPa)
にて乗用車用(1600cc、FF車)の全輪に装着
し、スムース路面を速度50km/hにて走行させ、ド
ライバーの官能評価により5点法で評価した。数値が大
きいほど騒音レベルが小さく良好である。
【0047】(3) ユニフォミティー:JASO C
607「自動車用タイヤのユニフオミテイ試験方法」に
準拠し、リム(15×6.5JJ)、内圧(200kP
a)、荷重(4.0kN)、回転数(60rpm)の条
件にてRFVを測定し、そのときのRFV一次の値を、
比較例1(従来タイヤ1)を100とした時の指数で表
示した。指数は大きい方が良好である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】比DM/Dmが1.2を越えると実施例
1、2にあるようにロードノイズ性能が向上し始め、
2.5までは実施例3〜6にあるように、転がり性能お
よびユニフォミティーを緩やかに悪化させながらもさら
にロードノイズ性能が向上するが、2.5を越えると、
実施例7、8にあるように、特にユニフォミティーの悪
化が急激に目立ち始める。
【0052】実施例9、10と実施例1、2とを比較す
るように、実施例9、10は、重なり域Kが外向き増加
部KAのみで形成されているため、ロードノイズ性能及
び転がり性能をさらに向上できる。
【0053】その際、実施例9〜12にあるように、重
なり域Kの内端或いはタイヤ赤道における比D/Sが
3.0以下であれば、ロードノイズ性能を向上でき、さ
らに比D/Sが小さくなるにつれて転がり性能およびユ
ニフォミティーの悪化を最小限にとどめながら1.0ま
での範囲で実施例13、14にあるように、ロードノイ
ズ性能が向上する。
【0054】特に、低伸度のバンドコードを用いる場合
には、実施例15、16のように、他性能を犠牲にする
ことなく、ロードノイズ性能を向上できる。又実施例
9、10、17、18の如く、バンドコードの伸びは1
0%以下が好ましい。又ユニフォミティーの観点から、
実施例9、10、19〜22の如くベルトキャンバー量
比BC/Hは、前記式(1)以下が好ましいのがわか
る。
【0055】
【発明の効果】本発明の空気入りラジアルタイヤは叙上
の如く構成しているため、転がり抵抗やユニフォミティ
ーの悪化を最低限にとどめながらロードノイズ性能を向
上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】バンド層に用いる帯状プライを例示する斜視図
である。
【図3】バンド層の構造の一実施例を誇張してを示す断
面図である。
【図4】バンド層の構造の他の実施例を誇張してを示す
断面図である。
【図5】(A)、(B)はバンド層の構造のさらに他の
実施例を誇張してを示す断面図である。
【図6】(A)、(B)は従来のバンド層の構造を説明
する略断面図、(C)はそのときのコード配列を略示す
る断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ベルト層 9 バンド層 9A 第1のバンドプライ 9B 第2のバンドプライ 10、10A、10B バンドコード 12 フルバンドプライ 13 エッジバンドプライ K 重なり域 KA 外向き増加部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内
    方かつカーカスの外側に配されるベルト層と、このベル
    ト層の外側に配されるバンド層とを具えた空気入りラジ
    アルタイヤであって、 前記バンド層は、タイヤ周方向に対して5度以下の角度
    で傾きかつ有機繊維コードからなるバンドコードが引き
    揃えられる第1のバンドプライ、及びこの第1のバンド
    プライと半径方向に重複する重なり域を形成する第2の
    バンドプライからなり、 かつ第1のバンドプライは、トレッド縁間で延在する全
    幅のフルバンドプライにより形成し、かつ第2のバンド
    プライは、トレッド縁側を小幅で覆うエッジバンドプラ
    イ、又はトレッド縁間で延在する全幅のフルバンドプラ
    イにより形成するとともに、 前記重なり域において、半径方向で重複するバンドプラ
    イのバンドコードを挟む半径方向の長さである重なり高
    さDを、タイヤ軸方向に変化させたことを特徴とする空
    気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記各バンドプライは同径のバンドコード
    からなるとともに、前記重なり高さDのバンドコードの
    直径Sに対する比D/Sは、第2のベルトプライがエッ
    ジバンドプライであるときにはそのタイヤ軸方向内端に
    おいて、フルバンドプライであるときにはタイヤ赤道に
    おいて1.0以上かつ3.0以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記重なり域は、該重なり域における重な
    り高さDの最大値DMと最小値Dmとの比DM/Dmが
    1.2以上かつ2.5以下であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】前記重なり域は、タイヤ軸方向内側から重
    なり域の外端に向かって前記重なり高さDが増大する外
    向き増加部を有することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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