JP2001170642A - 水処理装置 - Google Patents

水処理装置

Info

Publication number
JP2001170642A
JP2001170642A JP35935699A JP35935699A JP2001170642A JP 2001170642 A JP2001170642 A JP 2001170642A JP 35935699 A JP35935699 A JP 35935699A JP 35935699 A JP35935699 A JP 35935699A JP 2001170642 A JP2001170642 A JP 2001170642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water treatment
path
treated
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35935699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3398104B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Inamoto
吉宏 稲本
Tatsuya Hirota
達哉 廣田
Kiyokazu Fujikawa
清和 藤川
Yozo Kawamura
要藏 河村
Minoru Nakanishi
稔 中西
Minoru Kishi
稔 岸
Takaaki Yonezawa
孝昭 米澤
Yasuhiko Shimizu
康彦 志水
Yasuto Kondo
康人 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP35935699A priority Critical patent/JP3398104B2/ja
Priority to US09/734,001 priority patent/US6627053B2/en
Priority to KR10-2000-0075734A priority patent/KR100404948B1/ko
Priority to EP00311087A priority patent/EP1108683B1/en
Priority to DE60020327T priority patent/DE60020327D1/de
Priority to CNB001282646A priority patent/CN1151980C/zh
Publication of JP2001170642A publication Critical patent/JP2001170642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3398104B2 publication Critical patent/JP3398104B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水槽に貯留された被処理水を簡単かつ効率的
に滅菌処理しうる、新規な水処理装置を提供する。 【解決手段】 水槽2に接続された、被処理水を流通さ
せる水処理経路10上に、個別に通電可能な状態の、少
なくとも2枚の電極板110からなる電極組11を2組
以上、配置し、残留塩素センサーS2による、被処理水
W中の残留塩素濃度の測定結果に基づいて、通電する電
極組11の数を切り換える。 【効果】 たとえば水槽2がプールなどである場合に
は、その入場者数などに応じて変化する、被処理水W中
の残留塩素濃度に応じて、通電する電極組11の数を切
り換えつつ、被処理水Wを、電気化学反応によって効率
的に滅菌処理できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プール、浴場の
浴槽といった大型の水槽から、ビルの屋上などに配置さ
れる給水槽、一般家庭用の浴槽といった小型の水槽ま
で、種々の水槽に貯留された被処理水を滅菌処理するこ
とができる、新規な水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】たとえば
屋内外に設置されたプール、あるいは旅館の浴場や公衆
浴場における浴槽などは、その水質を維持するために定
期的に、いわゆるカルキ(サラシ粉、高度サラシ粉)や
次亜塩素酸ソーダ(NaClO)の水溶液を投入して滅
菌処理をする必要がある。しかし従来は、この作業を、
プールや浴場の従業者などが手作業で行っており、しか
もカルキや次亜塩素酸ソーダの水溶液は刺激性を有する
ため、とくに営業時間内に投入する際には十分に注意し
ながら作業を行わねばならないなど、処理をするのに大
変な労力を要するという問題があった。
【0003】またとくにカルキは固形粉末であるため、
投入後、溶解して濃度が均一になるまでに長時間を要
し、その間、プールや浴槽を使用できないという問題も
あった。また、ビルの屋上などに配置される給水槽や、
あるいは一般家庭用の浴槽の場合は、水道水中に含まれ
る塩素イオンの滅菌力のみに頼っているのが現状であ
り、とくに給水槽の場合には、内部に藻が繁殖するなど
して水質が悪化することが1つの社会問題ともなってい
る。
【0004】また、一般家庭用の浴槽の場合は通常、ほ
ぼ1〜2日ごとに水を入れ替えるため水質の点で問題は
ないように思われがちであるが、浴槽に接続されたボイ
ラー内は頻繁に清掃できないために雑菌やかびなどが繁
殖しやすく、やはり水質の悪化が懸念される。この発明
の目的は、上記のような種々の水槽に貯留された被処理
水を、簡単かつ効率的に滅菌処理することができる、新
規な水処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、被処理水を貯留する水槽に接続され、
当該水槽から被処理水を導入し、電気化学反応によって
滅菌したのち、水槽に還流させる水処理経路を備えると
ともに、上記電気化学反応に使用する、少なくとも2枚
の電極板からなる電極組を2組以上、それぞれ個別に通
電可能な状態で水処理経路上に配置し、残留塩素センサ
ーによる、被処理水中の残留塩素濃度の測定結果に基づ
いて、通電する電極組の数を切り換えることを特徴とす
る水処理装置である。
【0006】請求項2記載の発明は、各電極組の通電回
数を記憶して、駆動回数の少ないものから優先的に通電
することを特徴とする請求項1記載の水処理装置であ
る。請求項3記載の発明は、一定時間ごとに、通電する
電極組の優先順位を切り換えることを特徴とする請求項
1記載の水処理装置である。請求項4記載の発明は、各
電極組をいずれも、水処理経路上に設けられた電解槽中
の、被処理水の流れが滞留しない主流路上に配置したこ
とを特徴とする請求項1記載の水処理装置である。
【0007】請求項5記載の発明は、被処理水を貯留す
る水槽に接続され、当該水槽から被処理水を導入し、電
気化学反応によって滅菌したのち、水槽に還流させる水
処理経路を備えるとともに、上記電気化学反応に、少な
くとも3枚の電極板を互いに平行に配置した電極組を使
用し、かつ上記電極組の、両端の2枚の電極板のみに通
電のための配線を接続したことを特徴とする水処理装置
である。請求項6記載の発明は、電極組を構成する各電
極板を、水処理経路上に設けられた電解槽中に互いに平
行に配置するとともに、各電極板のうち両端の2枚の電
極板を、電解槽の内壁面に密着させたことを特徴とする
請求項5記載の水処理装置である。
【0008】請求項7記載の発明は、隣り合う電極板の
間隔を1mm以上、5mm以下としたことを特徴とする
請求項1ないし6のいずれかに記載の水処理装置であ
る。請求項8記載の発明は、電極組を構成する各電極板
間に印加する電圧の極性を一定時間ごとに逆転させると
ともに、被処理水の硬度に応じて上記逆転までの時間を
変化させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
かに記載の水処理装置である。
【0009】請求項9記載の発明は、電極組を構成する
各電極板間に印加する電圧の最大値が45V以下である
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の
水処理装置である。請求項10記載の発明は、電極組を
構成する各電極板をいずれも、水処理経路上に設けられ
た電解槽中に、ほぼ鉛直方向に向けて互いに平行に配置
するとともに、被処理水の流入口を電解槽の下方、流出
口を上方に、それぞれ配置したことを特徴とする請求項
1ないし9のいずれかに記載の水処理装置である。
【0010】請求項11記載の発明は、水処理経路の、
電極組より上流側に減圧弁を配置したことを特徴とする
請求項1ないし10のいずれかに記載の水処理装置であ
る。請求項12記載の発明は、水処理経路の、電極組よ
り上流側に、被処理水をろ過するフィルターを配置した
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載
の水処理装置である。請求項13記載の発明は、水処理
経路の、電極組より上流側にイオン交換樹脂を配置した
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載
の水処理装置である。
【0011】請求項14記載の発明は、水処理経路上
に、当該水処理経路中に洗浄液としての無機酸および有
機酸のうちの少なくとも一方を注入する注入口と、洗浄
液を排出するドレン口とを設けたことを特徴とする請求
項1ないし13のいずれかに記載の水処理装置である。
請求項15記載の発明は、注入口とドレン口とを、電極
組を挟んで配置したことを特徴とする請求項14記載の
水処理装置である。
【0012】請求項16記載の発明は、水処理系路上
の、電極組の前後の位置にそれぞれ止弁を設け、水処理
経路の、2つの止弁で仕切られた区間内に、注入口とド
レン口とを配置したことを特徴とする請求項14記載の
水処理装置である。請求項17記載の発明は、洗浄液
の、注入口からの注入とドレン口からの排出とによる洗
浄を定期的に、もしくは必要に応じて自動的に行うこと
を特徴とする請求項14記載の水処理装置である。
【0013】請求項18記載の発明は、被処理水を貯留
した水槽に接続され、当該水槽から被処理水を導入して
砂ろ過などの処理を行ったのち、水槽に還流させる主循
環経路の途中から分岐して、当該分岐点より下流側で再
び主循環経路に合流するように、水処理経路を、主循環
経路に接続したことを特徴とする請求項1ないし17の
いずれかに記載の水処理装置である。請求項19記載の
発明は、水処理経路の、電極組より下流側で、かつ主循
環経路との合流点より手前の位置に逆止弁を配置したこ
とを特徴とする請求項18記載の水処理装置である。
【0014】請求項20記載の発明は、主循環系路上に
熱交換器が配置されているとともに、水処理経路の、主
循環経路との合流点を、上記熱交換器より下流側に設け
たことを特徴とする請求項18記載の水処理装置であ
る。請求項21記載の発明は、水処理経路の、主循環経
路との合流点を、上記主循環経路の終端部にできるだけ
近い位置に設けたことを特徴とする請求項18記載の水
処理装置である。
【0015】請求項22記載の発明は、水処理経路を、
被処理水を貯留する水槽に直接に接続したことを特徴と
する請求項1ないし17のいずれかに記載の水処理装置
である。請求項1の構成によれば、まず水槽から、水処
理経路を通して導入した被処理水に、必要に応じて塩化
ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaC
2)、塩酸(HCl)などを加えた状態で、少なくと
も2枚の電極板からなる電極組に通電する。
【0016】そうすると下記の電気化学反応によって発
生した次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(C
lO-)、塩素ガス(Cl2)などの含塩素化合物や、あ
るいは反応過程でごく短時間、発生する活性酸素
(O2 -)などによって被処理水が滅菌処理されたのち、
再び水処理経路を通して水槽に還流される。 (陽極側) 4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2O 2Cl-→Cl2+2e-2O+Cl2⇔HClO+H++Cl- (陰極側) 4H2O+4e-→2H2↑+4OH- (陽極側+陰極側) H++OH-→H2O 上記一連の作業は、たとえば作業者が手動で、水処理経
路に水を流通させるポンプを作動し、かつ電極組に通電
するだけで、あとはほとんど人手を介さずに、また作業
者が直接、被処理水に手を触れることなしに行われる。
またタイマーや、あるいは後述する残留塩素センサーな
どを利用して、上記ポンプの作動、電極組への通電など
を自動化してやれば、水処理を完全に自動化することも
できる。
【0017】このため請求項1の構成によれば、水槽に
貯留された被処理水を、簡単かつ効率的に滅菌処理する
ことが可能となる。しかも滅菌処理後の、水槽に還流さ
れる被処理水は、固体粉末であるカルキや、あるいは次
亜塩素酸ソーダの水溶液などの従来の処理剤に比べて著
しく低濃度のイオンしか含んでいないため、上記の処理
は、プールや浴場などの営業時間中であっても定期的
に、あるいは入場者数や天候や気温などによって変化す
る被処理水の水質に応じて任意に行うことができる。
【0018】したがってプールや浴場の浴槽などにおい
ては、カルキなどを投入して滅菌処理を行う作業を全く
省略したり、あるいはその回数を著しく減少させたりす
ることができ、作業者の負担を著しく軽減しつつ、良好
な水質を維持することができる。またビルの屋上などに
配置される給水槽などにおいては、たとえば一定の使用
水量ごとに、あるいは使用水量にかかわらず一定期間ご
とに、上記一連の作業を手動で、あるいは自動的に行う
ようにすると、問題となっている藻の繁殖などを抑制し
て、水質の悪化を防止することができる。
【0019】さらに一般家庭用の浴槽などにおいては、
たとえば1日の入浴が終了した時点で、あるいは風呂水
を排水するに先だって、上記一連の作業を手動で、ある
いは自動的に行うようにすると、浴槽に接続されたボイ
ラー内での雑菌やかびなどの繁殖を抑制して、水質の悪
化を防止することができる。しかも請求項1の構成にお
いては、上記電気化学反応に使用する、少なくとも2枚
の電極板からなる電極組を2組以上、それぞれ個別に通
電可能な状態で水処理経路上に配置し、残留塩素センサ
ーによる、被処理水中の残留塩素濃度の測定結果に基づ
いて、通電する電極組の数を切り換えている。
【0020】このため、前記のように入場者数や天候や
気温などによって変化する被処理水の水質に応じて、装
置の処理能力を任意に調整することができ、たとえばプ
ールなどの営業時間中に入場者数が急増するなどして
も、その水質をほぼ一定に保つことができる上、入場者
数が少ないときに消費する電力を抑制したり、電極板の
消耗を抑制したりすることができる。また請求項2、3
の構成によれば、複数の電極組への通電の優先順位を順
次、変更することによって、陰極表面へのスケール(主
にカルシウム、マグネシウムおよびこれらの酸化物、水
酸化物など)の堆積と、陽極表面の、次亜塩素酸や活性
酸素による侵食とによる電極板の消耗を、複数の電極組
間で均一化できるため、特定の電極組の電極板が特異的
に消耗して使用できなくなることを防止して、システム
全体としての寿命を延ばすことが可能となる。
【0021】請求項4の構成によれば、上記複数組の電
極組による電気化学反応を、一定量の被処理水を貯留し
うる電解槽中で行うため滅菌処理の効率を向上できる
上、各電極組をいずれも、上記電解槽中の、被処理水の
流れが滞留しない主流路上に配置しているため、どの電
極組が選択されても常に一定で、かつ最大限の処理効果
を得ることが可能となる。したがって、たとえば請求項
2または3のように複数の電極組への通電の優先順位を
順次、変更するなどしても、滅菌処理の効率やその強弱
の度合いにばらつきが生じるのを防止することができ
る。
【0022】請求項5の構成によれば、少なくとも3枚
の電極板を互いに平行に配置した電極組の、両端の2枚
の電極板のみに通電のための配線を接続しているため配
線構造を簡略化できる上、配線の、水処理経路外への引
き出し部分の数を減少できるため、その水密性を向上し
て、水漏れしにくい水処理装置を得ることができる。な
おこの際、両端以外の電極板はその表裏両面が分極され
て、隣り合う電極板との間で、両端の2枚の電極板間に
印加された電圧を各電極板間の隙間の数で割った値に相
当する電位差を生じるため、いわゆるバイポーラ式の電
極板として、前述した電気化学反応によって被処理水を
滅菌するための陽極、陰極として十分に機能することが
できる。
【0023】請求項6の構成によれば、前述したスケー
ルが最も堆積しやすい、両端の電極板の、それぞれ外側
の面を、被処理水と接触しないように、電解槽の内壁面
に密着させて隠しているため、電極組の、ひいてはシス
テム全体としての寿命を延ばすことができる。すなわち
両端の電極板の、それぞれ内側の面や、あるいは両端以
外の電極板の両面はいずれも、電極組に印加する電圧の
極性を逆転させることで、ある程度は、その表面に堆積
したスケールを再びイオン化して溶解、除去することが
可能であるが、両端の2枚の電極板の、それぞれ外側の
面は電気化学反応にほとんど関与しない上、極性を逆転
させてもスケールを効果的に除去することができないの
で、スケールの堆積を防止する観点からすると、上記の
ように、被処理水と接触しないように電解槽の内壁面に
密着させて隠してしまうのが最も効果的である。
【0024】請求項7の構成によれば、隣り合う電極板
の間隔を1mm以上としているため、各隙間が堆積した
スケールによって詰まってしまって、短時間で滅菌処理
の効率が落ちるのを防止することができる。また、電気
化学反応によって発生した酸素ガス、水素ガスの気泡を
電極板間に滞留させずに速やかに逃がすこともできる。
また上記間隔を5mm以下として、電極板間に流れる電
流量の低下を抑制しているため、電気化学反応による滅
菌処理の効率を高レベルに維持することもできる。
【0025】請求項8の構成によれば、電極組に印加す
る電圧の極性を一定時間ごとに逆転させることで、その
表面に堆積したスケールを再びイオン化して溶解、除去
しているため、各電極板の能力を最大限に活かして、滅
菌処理の効率を常時、ほぼ一定に保つことができる。し
かも請求項8の構成では、スケールの原因であるカルシ
ウムイオン、マグネシウムイオンの濃度を規定する被処
理水の硬度に応じて、上記逆転までの時間を変化させて
おり、被処理水の硬度の地域差などに関係なく常に安定
した滅菌処理を行うことができる。
【0026】請求項9の構成によれば、電極組を構成す
る各電極板間に印加する電圧の最大値を、電気用品取締
法で定められた、充電部を露出して使用する器具の規格
値である45V以下に規定しているため、システムの全
体を、汎用の電気部品を用いて構成することができ、コ
ストダウンを図ることができる。請求項10の構成によ
れば、電極組を構成する電極板を、電解槽内でほぼ鉛直
方向に向けて互いに平行に配置して、電気化学反応によ
って発生した酸素ガス、水素ガスの気泡が電極板の付近
に滞留するのを抑制するとともに、被処理水の流入口を
電解槽の下方、流出口を上方にそれぞれ配置して、電極
板間の隙間を流れる被処理水の水流を下から上へ向ける
ことによって、上記気泡を、電解槽内から積極的に除去
している。このため、酸素ガスや水素ガスが電解槽内に
滞留するのを確実に防止することができる。
【0027】請求項11の構成によれば、水処理経路
の、電極組より上流側に配置した減圧弁の働きによっ
て、それ以降の水処理経路内の水圧を低下させることが
できる。このため電極板への配線の、水処理経路外への
引き出し部分での水漏れをより確実に防止できるととも
に、たとえば電極組を収容する電解槽の構造を簡略化す
ることができる。請求項12の構成によれば、水処理経
路の、電極組より上流側にフィルターを配置して、そこ
から先へ有機物が入り込んで電極板の表面に付着するの
を防止しているため、各電極板の能力を最大限に活かし
て、滅菌処理の効率を常時、ほぼ一定に保つことができ
る。
【0028】また請求項13の構成によれば、水処理経
路の、電極組より上流側にイオン交換樹脂を配置して、
スケールの原因となるカルシウムイオン、マグネシウム
イオンを除去して、電極板の表面にスケールが堆積する
のを抑制しているため、やはり各電極板の能力を最大限
に活かして、滅菌処理の効率を常時、ほぼ一定に保つこ
とができる。請求項14の構成によれば、たとえばプー
ルなどの営業時間外や休業日などに、メンテナンスとし
て、水処理経路上に設けた注入口から、当該水処理経路
中に、洗浄液としての無機酸および/または有機酸を注
入して、水処理経路内に堆積したスケールを溶解、ある
いははく離させたのち、ドレン口から、洗浄液とともに
排出、除去できるため、システム全体としての寿命を延
ばすことができる。
【0029】すなわち前述したように、電極板の表面に
堆積したスケールは、電極組に印加する電圧の極性を逆
転させることである程度除去できるが、極性逆転の回数
が多くなるほど電極板の寿命が短くなる傾向を示す。こ
れに対し、上記のように極性の逆転によらずに、洗浄液
によってスケールを除去するメンテナンスの工程を間に
挟むようにすれば、極性逆転の回数を減らして、電極板
の寿命を延ばすことが可能となる。
【0030】またとくにカルシウムやマグネシウムの水
酸化物は、温度の上昇やpHの上昇などによって水への
溶解度が低下して、電極以外の部分にもスケールとして
析出、堆積しやすくなり、かかるスケールは極性の逆転
では除去できない上、配管などを詰まらせる原因となる
が、洗浄液を使用すれば、これらのスケールも簡単に除
去することができる。スケールは、やはり電極組の周辺
に最も堆積しやすいため、請求項15に記載したように
注入口とドレン口とを、電極組を挟んで配置するのが効
果的である。
【0031】また洗浄液が、電極組の周辺から外へ流れ
出すのを防止して、より確実な洗浄と、洗浄液による、
金属部品などへの影響の低減とを図るために、請求項1
6に記載したように、水処理系路上の、電極組の前後の
位置にそれぞれ止弁を設け、水処理経路の、2つの止弁
で仕切られた区間内に、注入口とドレン口とを配置する
のが好ましい。さらに請求項17に記載したように、洗
浄液の、注入口からの注入とドレン口からの排出とによ
る洗浄を定期的に、もしくは必要に応じて自動的に行う
のが好ましい。
【0032】洗浄を自動化するには注入口、ドレン口に
それぞれ電磁弁などを接続するとともに、注入口には、
上記電磁弁などを介して、洗浄液の供給装置(ホッパー
など)を接続して、上記の各部を、タイマーなどの制御
で作動させればよい。請求項18の構成は、主としてプ
ールや浴場の浴槽などの大型の水槽に適用されるもので
ある。すなわち上記大型の水槽では常時、多量の被処理
水を砂ろ過しつづける必要があり、また温水プールや浴
槽は一定の水温に保つために、多量の被処理水を常時、
熱交換器などを使用して加熱しつづける必要があって、
そのための主循環経路が設置されており、この発明の水
処理装置を、上記の主循環経路に組みこんだ場合には、
多量の被処理水を一度に処理するために、電極組などの
設備を、それに見合うように大型化する必要が生じる。
【0033】しかしこの発明の水処理装置による被処理
水の滅菌処理は、上記砂ろ過や加熱などのように常時、
多量の被処理水に対して行う必要がないため、請求項1
8のように水処理経路を主循環経路から分岐させて配置
すれば、水処理装置を大型化することなく、しかも効率
的に、被処理水の滅菌処理を行うことが可能となる。な
お上記の構成においては、主循環経路を流れる被処理水
の、水処理経路への逆流を防止するため、請求項19に
記載したように水処理経路の、電極組より下流側で、か
つ主循環経路との合流点より手前の位置に逆止弁を配置
するのが好ましい。
【0034】また請求項20に記載したように水処理経
路の、主循環経路との合流点を、主循環系路上に配置さ
れた熱交換器より下流側の、水圧が低下した位置に設け
てやると、上記水処理経路が多少複雑で圧力損失が大き
くても、水処理経路を経由した被処理水を、比較的容易
に、主循環経路に戻すことができる。それゆえ水処理経
路の循環ポンプの容量を小型化できるという利点があ
る。また上記とほぼ同じ理由で、請求項21に記載した
ように水処理経路の、主循環経路との合流点を、上記主
循環経路の終端部にできるだけ近い位置に設けるのが好
ましい。
【0035】一方、ビルの屋上などに配置される給水槽
や、あるいは一般家庭用の浴槽といった小型の水槽の場
合は、全体の構成を簡略化するため、請求項22に記載
したように水処理経路を、被処理水を貯留する水槽に直
接に接続するのが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、こ
の発明の一実施形態にかかる水処理装置1を、プールや
浴場の浴槽などの大型の水槽2に組みこんだ構造を簡略
化して示す図である。図に見るように水槽2には、砂ろ
過のためのフィルター21、および被処理水加熱のため
の熱交換器22を組みこんだ、循環ポンプ23によって
多量の被処理水Wを常時、図中に一点鎖線の矢印で示す
方向に循環させるための主循環経路20が設置されてお
り、水処理装置1の水処理経路10は、上記主循環経路
20の、フィルター21より下流側の分岐点J1から分
岐して、複数枚の電極板110…からなる電極組11を
内蔵した電解槽12を経たのち、熱交換器22の下流側
の合流点J2で、再び上記主循環経路20に合流するよ
うに接続されている。
【0037】上記水処理経路10の、分岐点J1から電
解槽12に至る途上には順に、止弁B1、減圧のための
減圧弁B2、被処理水循環のための循環ポンプP1、流
量調整のための調整弁B7、被処理水中のイオンの総濃
度を測定するための導電率センサーS1、被処理水ろ過
のためのフィルター13、イオン交換樹脂14、および
止弁B3が配置されている。また、上記のうち調整弁B
7と導電率センサーS1との間の位置には、流量調整の
ための調整弁B4と、残留塩素濃度を測定するための残
留塩素センサーS2とを介してドレン口10aに至る分
岐経路10bが接続されている。
【0038】残留塩素センサーS2は、その構造上、水
処理経路10を流れる水量よりも少ない、ごく少量の被
処理水を常時、流しつづける必要があるため、上記のよ
うな配置とされる。水処理経路10の、電解槽12から
合流点J2に至る途上には順に、止弁B5、被処理水循
環のための循環ポンプP2、および逆流防止のための逆
止弁B6が配置されており、また電解槽12と止弁B5
との間には被処理水の水圧を測定するための圧力計S3
が接続されている。
【0039】上記水処理装置1が、請求項1に記載した
ように複数組の電極組11…を備えたものである場合、
各電極組11はいずれも、たとえば図2に示すように電
解槽12中の、被処理水の流れが滞留しない主流路上、
つまり図では電解槽12の、被処理水の流入口12aか
ら流出口12bに至る流路(一点鎖線の矢印で示す)上
に、それぞれ配置するのが好ましい。各電極組11…
は、残留塩素センサーS2による被処理水中の残留塩素
濃度の測定結果に基づいて、その通電する数を切り換え
て駆動される。
【0040】たとえばプールを例にとると、入場者数が
多い場合や急増した場合、天候が晴れや、逆に雨である
場合、あるいは気温が高い場合には、被処理水中の残留
塩素濃度が急速に低下する傾向を示すため、その濃度値
に応じて、各電極組11…のうち2組以上の、より多数
の組に通電して、残留塩素濃度を、あらかじめ定められ
た閾値まで、急速に回復させるようにする。またこの
際、通電の間隔を短くしたり、1回の通電時間を長くし
たりしてもよい。
【0041】一方、入場者数が少ない場合、天候が曇り
である場合、あるいは気温が低い場合には残留塩素濃度
の低下の度合いが緩やかであるため、通電する電極組1
1…の数を極力少なくし、また通電の間隔を長く、1回
の通電時間を短くすればよい。また請求項2に記載した
ように各電極組11の通電回数を記憶して、駆動回数の
少ないものから優先的に通電するようにすると、電極板
110の消耗を、複数の電極組11…間で均一化するこ
とができる。この際、水処理装置1の運転開始時からの
通電回数を、装置の運転、休止にかかわらず継続的に記
憶させるのが、消耗の正確な把握を行う上で好ましい。
【0042】また請求項3に記載したように一定時間ご
とに、通電する電極組11の優先順位を切り換えるよう
にしてもよい。たとえば図2の4組の電極組11…を左
から順にA、B、C、Dとし、切り換えの基準を1営業
日とすると、1日目の優先順位はA−B−C−D、2日
目はB−C−D−A、3日目はC−D−A−B・・・と
いうように切り換えることで、電極板110の消耗を、
複数の電極組11…間で均一化することができる。
【0043】各電極組11は、図2にも示したように3
枚以上の複数枚の、板状の電極板110…を互いに平行
に配置することで構成される。そしてその際、請求項5
に記載したように、また図3(a)に示すように電極組1
1の、両端の2枚の電極板110aのみに通電のための
配線を接続した構成としてやると配線構造を簡略化でき
る上、配線のために電解槽12から外へ引き出す部分の
数を減少できるため、電解槽12の水密性を向上して、
水漏れしにくい水処理装置1を得ることができる。
【0044】なお図では、両端の2枚の電極板110
a、110a間に、2枚のバイポーラ式の、つまり配線
しない電極板110b、110bを等間隔に配置してお
り、両端の2枚の電極板110a、110a間に36V
の直流電圧を印加すると、間の2枚の電極板110b、
110bが表裏両面で分極して、隣り合う各電極板間で
それぞれ12Vの電位差を生じ、それによって前述した
電気化学反応による被処理水の滅菌処理が行われる。
【0045】ただし実際の電極組11は、滅菌処理の効
率を高めるために、もっと多数の電極板110にて構成
される。その場合、一番両端の2枚の電極板にのみ配線
したのでは、隣り合う各電極板間で、電気化学反応によ
る被処理水の滅菌処理を行うに足る十分な電位差を生じ
るために、両端間の印加電圧をかなり高めに設定するす
る必要が生じる。しかし、電極組を構成する各電極板間
に印加する電圧の最大値は、請求項9に記載したように
45V以下であるのが好ましいので、この電圧範囲を維
持しつつ、なおかつ隣り合う各電極板間で十分な電位差
を生じさせるためには、たとえば図3(b)に示すように
両端だけでなくその途中にも、配線する電極板110a
を規則的(図では3枚おき)に配置して、最も近い電極
板110a間に、45V以下の所定の電圧を印加するよ
うにするのが好ましい。この配列は、図(a)の配列を一
単位として、極性を逆転させながら複数単位、組み合わ
せたものに相当する。
【0046】また請求項6に記載し、図4(a)(b)に示し
たように、複数枚の電極板110のうち両端の2枚の電
極板110a、110aを、電解槽12の内壁面に密着
させて配置してやると、スケールの堆積をよりかつ実に
防止して、システムの寿命を延ばすことが可能となる。
また図3(a)(b)、および図4(a)(b)に示すように各電極
板110…をいずれも、電解槽12中に、ほぼ鉛直方向
に向けて互いに平行に配置するとともに、被処理水の流
入口12aを電解槽12の下方、流出口12bを上方
に、それぞれ配置してやると、請求項10に記載したよ
うに、電気化学反応によって電極板110…の表面で発
生した酸素ガス、水素ガスの気泡を、電解槽12内に滞
留させることなく、水処理経路10の下流側へ流し去る
ことができるため、安全性が向上する。
【0047】上記図3や図4の構成は、それぞれの図に
見るように電極組11を1組のみ、電解槽12内に配置
した場合に適用される他、先に述べた、複数の電極組1
1…を備えたものにも適用可能であり、その際には各電
極組11をいずれも、上記の構成とすればよい。電極板
110としては、たとえばチタニウム(Ti)製の基板
の表面全面に金(Au)、白金(Pt)、パラジウム
(Pd)、白金−イリジウム(Pt−Ir)などの貴金
属の薄膜を、めっき法や焼成処理によってコーティング
したものなどが使用される。
【0048】隣り合う電極板110間の間隔は、請求項
7に記載したように1mm以上、5mm以下の範囲に設
定される。各電極板110に印加する電圧は、請求項8
に記載したように一定時間ごとにその極性を逆転させる
とともに、被処理水の硬度に応じて上記逆転までの時間
を変化させるのが好ましい。すなわち被処理水の硬度が
高い場合には、スケールの付着速度が速いので、逆転ま
での時間を短く設定し、硬度が低い場合には長くすれば
よい。
【0049】電解槽12には、図1に示すようにその上
面に、洗浄液を注入するための注入口12cが、またそ
の下面には、洗浄液を排出するためのドレン口12d
が、それぞれ電極組11を挟むように配置されている。
そしてメンテナンスの際には、電解槽12の前後に配置
された止弁B3、B5を閉じて、電解槽12を水処理経
路10から遮断した状態で、注入口12cから洗浄液を
注入して、電解槽12内や電極板110の表面などに付
着したスケールが除去される。
【0050】かかる作業は、請求項17に記載したよう
に定期的に、あるいはスケールの付着状況を観察しなが
ら必要に応じて、自動的に行うようにするのが好まし
い。そのためには、図示していないが、先に述べたよう
に注入口12c、ドレン口12dにそれぞれ電磁弁など
を接続するとともに、注入口12cには、上記電磁弁な
どを介して、洗浄液の供給装置(ホッパーなど)を接続
して、上記の各部を、タイマーなどの制御で作動させれ
ばよい。
【0051】洗浄液としては、たとえば塩酸、硫酸など
の無機酸や、あるいは酢酸などの有機酸が好適に使用さ
れる。上記各部を備えた水処理装置1を用いて、水槽2
内の被処理水Wを滅菌処理するには、まず通常どおり循
環ポンプ23を作動させて、主循環経路20内を、図1
に一点鎖線の矢印で示すように多量の被処理水Wを常
時、循環させながら、循環ポンプP1、P2を作動させ
て、一部の被処理水Wを、水処理経路10内に導入す
る。
【0052】そうすると水処理経路10内に導入された
被処理水は、まず減圧弁B2と調整弁B7とを通って水
圧と流量とが調整され、ついで導電率センサーS1でイ
オンの総濃度が、また残留塩素センサーS2で残留塩素
濃度が、それぞれ測定されたのち、フィルター13に送
られて有機物などが除去される。上記減圧弁B2による
減圧量は、圧力計S3の測定水圧に応じて調整される。
フィルター13としては、たとえばポリプロピレン繊維
の不織布などが使用される。
【0053】つぎに被処理水はイオン交換樹脂14に送
られて、カルシウム、マグネシウムなどのイオンが除去
されたのち電解槽12に送られ、当該電解槽12内で、
残留塩素センサーS2によって測定された残留塩素濃度
の測定結果に基づいて電極組11に通電することで、電
気化学反応によって滅菌処理されたのち、逆流防止のた
めの逆止弁B6を通して、熱交換器22の下流側に設け
られた合流点J2で主循環経路20に戻され、水槽2に
還流される。
【0054】なお、導電率センサーS1で測定したイオ
ンの総濃度が低い場合には、効率的な電気分解反応を行
うことができないおそれがある。そこでその場合には、
前述したように塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カル
シウム(CaCl2)、塩酸(HCl)などを、必要に
応じて水溶液の状態で、水処理経路10内に補給してや
るのが好ましい。また図中2点鎖線で示すように、水処
理経路10の、主循環経路20との合流点J2を、上記
主循環経路20の終端部20aにできるだけ近い位置に
設けるのが、循環ポンプP1、P2の小型化を図る上で
好ましい。
【0055】上記各部を備えた水処理装置1は、実際に
は、たとえば図5(a)(b)に示すようにユニット化した状
態で、プールなどの設備内に設置される。すなわちキャ
ビネット1a内に、フィルター13とイオン交換樹脂1
4とを内蔵したろ過器1b、電解槽12、および循環ポ
ンプP2などの各部材と、電解槽12内の電極組11
(図示せず)に通電するとともに、循環ポンプP2や、
後述する定流量ポンプP3を駆動するための電源装置1
cと、これらの部材を所定の手順にしたがって動作させ
るための制御装置(シーケンサー)1dとを配置すると
ともに、キャビネット1aに隣接してその外側に、前述
した塩化ナトリウムなどの水溶液を貯留する槽1eと、
当該槽1eから、水溶液を水処理経路10内に供給する
ための定流量ポンプP3とを配置し、かつこれらの部材
を、水処理経路10の一部を構成する配管10cでつな
ぐことで、水処理装置1が構成される。
【0056】なお図において符号1fは、前記水処理経
路10のドレン口10aや、電解槽12のドレン口12
dなどからの排水を受けるパンであり、このパン1fで
受けた排水は、総排出口1gから装置外に排出される。
つぎに図6は、この発明の一実施形態にかかる水処理装
置1を、ビルの屋上などに配置される給水槽、一般家庭
用の浴槽といった小型の水槽3に組み込んだ構造を簡略
化して示す図である。
【0057】図に見るようにこの例では、先に述べた主
循環経路20が本来的に設けられていないので、水処理
装置1の水処理経路10を、上記水槽3に直接に接続し
て、全体の構成を簡略化している。水処理経路10の、
水槽3から電解槽12に至る途上には順に、止弁B1、
被処理水循環のための循環ポンプP1、流量調整のため
の調整弁B7、被処理水中のイオンの総濃度を測定する
ための導電率センサーS1、被処理水ろ過のためのフィ
ルター13、イオン交換樹脂14、および止弁B3が配
置されている。減圧のための減圧弁B2は、必要ないの
で省略されている。
【0058】また、上記のうち調整弁B7と導電率セン
サーS1との間の位置には、流量調整のための調整弁B
4と、残留塩素濃度を測定するための残留塩素センサー
S2とを介してドレン口10aに至る分岐経路10bが
接続されている。電解槽12内における、電極組11の
構成や配置は、先に示した各例と同様にすることができ
る。すなわち図の例では2組の電極組11を記載してい
るが、電極組11は1組であってもよく、3組以上であ
ってもよい。また各電極組11を構成する各電極板11
0はバイポーラ型の配列になっているのが好ましく、そ
の際に配線する両端の2枚の電極板110a、110a
は、電解槽12の内壁面に密着させるのが好ましい。
【0059】水処理経路10の、電解槽12から水槽3
に至る途上には順に、被処理水循環のための循環ポンプ
P2と、逆流防止のための逆止弁B6とが配置されてお
り、また電解槽12と循環ポンプP2との間には被処理
水の水圧を測定するための圧力計S3が接続されてい
る。このうち逆止弁B6は、図の例において、水処理経
路10の終端を、水槽3の、被処理水Wの通常の水面よ
り下に接続しており、当該水処理経路10内への、被処
理水Wの逆流を防止する必要があることから、この位置
に設けられている。
【0060】たとえば水処理経路10の終端を、水槽3
の、被処理水Wの通常の水面より上に接続して大気に開
放する場合は、逆止弁B6を省略することができる。上
記各部を備えた水処理装置1を用いて、水槽3内の被処
理水Wを滅菌処理する手順は、先の例と同様である。す
なわちまず、循環ポンプP1、P2を作動させて、水槽
3内の被処理水Wを、水処理経路10内に導入すると、
導入された被処理水は、まず調整弁B7を通って流量が
調整され、ついで導電率センサーS1でイオンの総濃度
が、また残留塩素センサーS2で残留塩素濃度が、それ
ぞれ測定されたのち、フィルター13に送られて、有機
物などが除去される。
【0061】つぎに被処理水はイオン交換樹脂14に送
られて、カルシウム、マグネシウムなどのイオンが除去
されたのち電解槽12に送られ、当該電解槽12内で、
残留塩素センサーS2によって測定された残留塩素濃度
の測定結果に基づいて、電極組11に通電することで、
電気化学反応によって滅菌処理されたのち、逆流防止の
ための逆止弁B6を通して、水槽3に還流される。この
発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものでは
なく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる水処理装置を、
プールや浴場の浴槽などの大型の水槽に組み込んだ構造
を簡略化して示す図である。
【図2】上記水処理装置の要部である、電解槽内におけ
る電極板の配置の一例を示す横方向断面図である。
【図3】図(a)は、電解槽内における電極板の配置の、
他の例を示す縦方向断面図、図(b)は、上記電極板の配
置の、さらに他の例を示す正面図である。
【図4】図(a)は、電解槽内における電極板の配置の、
さらに他の例を示す、図(b)のIV−IV線断面図、図(b)
は、上記電極板を内蔵した電解槽の正面図である。
【図5】図(a)(b)はそれぞれ、この発明の水処理装置を
キャビネット内に配置したユニットの正面図および側面
図であり、いずれも内部構造がわかるように、キャビネ
ットの前面および側面のパネルを取り除いた状態の図で
ある。
【図6】この発明の一実施形態にかかる水処理装置を、
ビルの屋上などに配置される給水槽、一般家庭用の浴槽
といった小型の水槽に組み込んだ構造を簡略化して示す
図である。
【符号の説明】
1 水処理装置 10 水処理経路 11 電極組 110 電極板 2、3 水槽 S2 残留塩素センサー W 被処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 清和 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 河村 要藏 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 中西 稔 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 岸 稔 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 米澤 孝昭 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 志水 康彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 近藤 康人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA01 AA10 AB06 BB05 BB06 BD02 BD04 BD06 BD08 CA01 CA08 CA10 CA15 CA20 4D061 DA01 DA07 DB01 DB10 EA03 EB05 EB17 EB20 EB21 EB30 EB37 EB39 EB40 ED12 FA01 FA08 FA13 FA20 GA05 GA06 GC01 GC11 GC14 GC15 GC16 4K021 AB07 BA03 BB03 BB05 BC03 BC06 CA06 CA09 CA10 CA13 DA09 DC07

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水を貯留する水槽に接続され、当該
    水槽から被処理水を導入し、電気化学反応によって滅菌
    したのち、水槽に還流させる水処理経路を備えるととも
    に、上記電気化学反応に使用する、少なくとも2枚の電
    極板からなる電極組を2組以上、それぞれ個別に通電可
    能な状態で水処理経路上に配置し、残留塩素センサーに
    よる、被処理水中の残留塩素濃度の測定結果に基づい
    て、通電する電極組の数を切り換えることを特徴とする
    水処理装置。
  2. 【請求項2】各電極組の通電回数を記憶して、駆動回数
    の少ないものから優先的に通電することを特徴とする請
    求項1記載の水処理装置。
  3. 【請求項3】一定時間ごとに、通電する電極組の優先順
    位を切り換えることを特徴とする請求項1記載の水処理
    装置。
  4. 【請求項4】各電極組をいずれも、水処理経路上に設け
    られた電解槽中の、被処理水の流れが滞留しない主流路
    上に配置したことを特徴とする請求項1記載の水処理装
    置。
  5. 【請求項5】被処理水を貯留する水槽に接続され、当該
    水槽から被処理水を導入し、電気化学反応によって滅菌
    したのち、水槽に還流させる水処理経路を備えるととも
    に、上記電気化学反応に、少なくとも3枚の電極板を互
    いに平行に配置した電極組を使用し、かつ上記電極組
    の、両端の2枚の電極板のみに通電のための配線を接続
    したことを特徴とする水処理装置。
  6. 【請求項6】電極組を構成する各電極板を、水処理経路
    上に設けられた電解槽中に互いに平行に配置するととも
    に、各電極板のうち両端の2枚の電極板を、電解槽の内
    壁面に密着させたことを特徴とする請求項5記載の水処
    理装置。
  7. 【請求項7】隣り合う電極板の間隔を1mm以上、5m
    m以下としたことを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れかに記載の水処理装置。
  8. 【請求項8】電極組を構成する各電極板間に印加する電
    圧の極性を一定時間ごとに逆転させるとともに、被処理
    水の硬度に応じて上記逆転までの時間を変化させること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の水処
    理装置。
  9. 【請求項9】電極組を構成する各電極板間に印加する電
    圧の最大値が45V以下であることを特徴とする請求項
    1ないし8のいずれかに記載の水処理装置。
  10. 【請求項10】電極組を構成する各電極板をいずれも、
    水処理経路上に設けられた電解槽中に、ほぼ鉛直方向に
    向けて互いに平行に配置するとともに、被処理水の流入
    口を電解槽の下方、流出口を上方に、それぞれ配置した
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の
    水処理装置。
  11. 【請求項11】水処理経路の、電極組より上流側に減圧
    弁を配置したことを特徴とする請求項1ないし10のい
    ずれかに記載の水処理装置。
  12. 【請求項12】水処理経路の、電極組より上流側に、被
    処理水をろ過するフィルターを配置したことを特徴とす
    る請求項1ないし11のいずれかに記載の水処理装置。
  13. 【請求項13】水処理経路の、電極組より上流側にイオ
    ン交換樹脂を配置したことを特徴とする請求項1ないし
    12のいずれかに記載の水処理装置。
  14. 【請求項14】水処理経路上に、当該水処理経路中に洗
    浄液としての無機酸および有機酸のうちの少なくとも一
    方を注入する注入口と、洗浄液を排出するドレン口とを
    設けたことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか
    に記載の水処理装置。
  15. 【請求項15】注入口とドレン口とを、電極組を挟んで
    配置したことを特徴とする請求項14記載の水処理装
    置。
  16. 【請求項16】水処理系路上の、電極組の前後の位置に
    それぞれ止弁を設け、水処理経路の、2つの止弁で仕切
    られた区間内に、注入口とドレン口とを配置したことを
    特徴とする請求項14記載の水処理装置。
  17. 【請求項17】洗浄液の、注入口からの注入とドレン口
    からの排出とによる洗浄を定期的に、もしくは必要に応
    じて自動的に行うことを特徴とする請求項14記載の水
    処理装置。
  18. 【請求項18】被処理水を貯留した水槽に接続され、当
    該水槽から被処理水を導入して砂ろ過などの処理を行っ
    たのち、水槽に還流させる主循環経路の途中から分岐し
    て、当該分岐点より下流側で再び主循環経路に合流する
    ように、水処理経路を、主循環経路に接続したことを特
    徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の水処理
    装置。
  19. 【請求項19】水処理経路の、電極組より下流側で、か
    つ主循環経路との合流点より手前の位置に逆止弁を配置
    したことを特徴とする請求項18記載の水処理装置。
  20. 【請求項20】主循環系路上に熱交換器が配置されてい
    るとともに、水処理経路の、主循環経路との合流点を、
    上記熱交換器より下流側に設けたことを特徴とする請求
    項18記載の水処理装置。
  21. 【請求項21】水処理経路の、主循環経路との合流点
    を、上記主循環経路の終端部にできるだけ近い位置に設
    けたことを特徴とする請求項18記載の水処理装置。
  22. 【請求項22】水処理経路を、被処理水を貯留する水槽
    に直接に接続したことを特徴とする請求項1ないし17
    のいずれかに記載の水処理装置。
JP35935699A 1999-12-14 1999-12-17 水処理装置 Expired - Fee Related JP3398104B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35935699A JP3398104B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 水処理装置
US09/734,001 US6627053B2 (en) 1999-12-14 2000-12-12 Water treatment device
KR10-2000-0075734A KR100404948B1 (ko) 1999-12-14 2000-12-13 용수처리장치
EP00311087A EP1108683B1 (en) 1999-12-14 2000-12-13 Water treatment device
DE60020327T DE60020327D1 (de) 1999-12-14 2000-12-13 Wasserbehandlungsvorrichtung
CNB001282646A CN1151980C (zh) 1999-12-14 2000-12-14 水处理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35935699A JP3398104B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 水処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001170642A true JP2001170642A (ja) 2001-06-26
JP3398104B2 JP3398104B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=18464096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35935699A Expired - Fee Related JP3398104B2 (ja) 1999-12-14 1999-12-17 水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3398104B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003136078A (ja) * 2001-10-31 2003-05-13 Tsuneyoshi Sengoku 汚染水の浄化方法及び汚染水浄化装置
JP2005256155A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Uerushii:Kk 高効率電極配列よりなる電解水素供給装置とそれを用いた水処理方法
JP2010069366A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Innovative Design & Technology Inc 冷却水のスケール除去装置及びそのスケール除去装置を用いたスケール除去方法
JP2011101833A (ja) * 2009-11-10 2011-05-26 Sanpo System Kaihatsu:Kk プール水、温泉水、または風呂水の循環装置における電解殺菌装置
JP2011115752A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Takeshi Nitami 温水槽システム
JP2012017509A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Hirotsugu Tsuji 燃焼ガス発生装置
JP2014029034A (ja) * 2013-11-11 2014-02-13 Hirotsugu Tsuji 燃焼ガス発生装置
WO2024005096A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 旭化成株式会社 装置及び方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003136078A (ja) * 2001-10-31 2003-05-13 Tsuneyoshi Sengoku 汚染水の浄化方法及び汚染水浄化装置
JP2005256155A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Uerushii:Kk 高効率電極配列よりなる電解水素供給装置とそれを用いた水処理方法
JP2010069366A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Innovative Design & Technology Inc 冷却水のスケール除去装置及びそのスケール除去装置を用いたスケール除去方法
JP2011101833A (ja) * 2009-11-10 2011-05-26 Sanpo System Kaihatsu:Kk プール水、温泉水、または風呂水の循環装置における電解殺菌装置
JP2011115752A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Takeshi Nitami 温水槽システム
JP2012017509A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Hirotsugu Tsuji 燃焼ガス発生装置
JP2014029034A (ja) * 2013-11-11 2014-02-13 Hirotsugu Tsuji 燃焼ガス発生装置
WO2024005096A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 旭化成株式会社 装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3398104B2 (ja) 2003-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100404949B1 (ko) 용수처리장치
KR100404948B1 (ko) 용수처리장치
JP3957476B2 (ja) 水処理装置
JPWO2002090266A1 (ja) 水処理装置
JP2003024943A (ja) 水処理装置
US6699381B2 (en) Water purification/sterilization method and device therefor
JP2001170642A (ja) 水処理装置
JP3408218B2 (ja) 水処理装置
JP2002018442A (ja) 水処理装置
JP3398103B2 (ja) 水処理装置
JP3843365B2 (ja) 水質浄化方法及びその機構
JP3505457B2 (ja) 水処理装置
JP3999967B2 (ja) 水処理装置
JP3902386B2 (ja) 水処理装置
JP2001293476A (ja) 水処理装置
JP3403133B2 (ja) 水処理装置
JP4039869B2 (ja) 水処理装置
JP2002153879A (ja) 水処理装置
JP2001276832A (ja) 水処理装置
JP2005350716A (ja) 水槽の電解殺菌装置
JP2003024940A (ja) 水処理装置
JP3530446B2 (ja) 水処理装置
JP4693881B2 (ja) 水処理装置
JP2003071465A (ja) 浴湯の殺菌浄化方法および殺菌浄化装置
JP4771396B2 (ja) 浴湯の殺菌浄化方法および殺菌浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees