JP3843365B2 - 水質浄化方法及びその機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プールや温泉、公衆浴場や二四時間風呂その他の水質を浄化する方法及びその機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プールや温泉、公衆浴場や二四時間風呂、クーリング・タワーや養魚水槽など(適宜、処理対象槽という)は長時間乃至長期間にわたって使用される。
【0003】
したがって、人体その他から溶出した汚れの増加や藻類の繁殖などにより水質が経時的に悪化してくるので、処理対象槽の水質をできるだけ清浄に制御する必要がある。このためこれらの中で二四時間風呂を連続運転するために、次のようにしてその水質を浄化した。
【0004】
二四時間風呂の風呂水の一部を風呂の外に形成した循環路(風呂水の加熱領域を有する)に導き、電気分解して汚れ成分を分解・浄化すると共に次亜ハロゲン酸(浄化殺菌作用がある)を生成せしめ、風呂との間を循環させるようにした。また電気分解が円滑に行えるように、定時的に例えば一日に一度風呂水の電気伝導度を測定し食塩水を滴下して調整した。
【0005】
しかし、風呂水の残留ハロゲン濃度には、経時的なバラツキがかなり生じているという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、従来よりも残留ハロゲン濃度に経時的なバラツキが生じにくい水質浄化方法及びその機構を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
【0008】
この発明の水質浄化方法は、処理対象液の残留ハロゲン濃度を一定範囲に維持すべく、残留ハロゲン濃度が設定値より低下すると電気分解が開始し、設定値に達すると電気分解が停止すると共に、処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給して、処理対象液を電気分解するようにし、処理対象槽との間で処理対象液の循環流路を形成して電気分解を行うようにすると共に、前記循環流路は処理対象槽から循環ポンプにより処理対象液を引き出して電気分解する電解用流路と前記循環ポンプから処理対象槽自体に戻す還流用流路とから形成し、前記循環流路全体の処理対象液の一部を電解用流路で電気分解し電解用流路が分岐される前の循環流路における循環水と合流して混合するようにしたことを特徴とする。
【0009】
この発明の水質浄化機構は、処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給する電解質供給機構と、処理対象液を電気分解する電気分解機構と、残留ハロゲン濃度を評価するセンサーとを具備すると共に、残留ハロゲン濃度が設定値より低下すると電気分解が開始し、設定値に達すると電気分解が停止するように制御することにより、処理対象液の残留ハロゲン濃度を一定範囲に維持するようにし、処理対象槽との間で処理対象液の循環流路を形成し循環流路に電気分解機構を設けると共に、前記循環流路は処理対象槽から循環ポンプにより処理対象液を引き出して電気分解する電解用流路と前記循環ポンプから処理対象槽自体に戻す還流用流路とから形成し、前記循環流路全体の処理対象液の一部を電解用流路で電気分解し電解用流路が分岐される前の循環流路における循環水と合流して混同するようにしたことを特徴とする。
【0010】
この発明では前記のように構成し、処理対象液を電気分解するに際し、処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給しているので、残留ハロゲン濃度が安定し易いと共に、残留ハロゲン濃度を一定範囲内に維持するようにしており状況に応じた水質の制御をすることができる。
【0011】
また、処理対象液の電気伝導度が低くなって電気分解時の定電流付与のための負荷電圧が設定値を越えると、電解質供給機構から、処理対象液に電解質を注入することにより、処理対象液の電気伝導度を所定の範囲に維持するようにしてもよい。
【0012】
なおプールや温泉、公衆浴場や二四時間風呂、養魚水槽の処理対象液の電気伝導度は、200〜1,200μs/cm(望ましくは300〜800μs/cm)に維持されるように電解質を供給することが好ましい。クーリング・タワーの処理対象液の電気伝導度は、200〜1,200μs/cm(望ましくは300〜500μs/cm)に維持されるように電解質を供給することが好ましい。
【0013】
また、処理対象槽との間で処理対象液の循環流路を形成し、循環流路に電気分解機構を設け、循環流路で電気分解を行うようにすることもできる。このように構成すると、処理対象槽との間に形成した処理対象液の循環流路において電気分解を行うので、処理対象槽自体で電気分解を行うよりも安全性が高い。
【0014】
さらに、電気分解機構の陽極電極として、フェライト電極を有することとしてもよい。このように構成すると、陽極電極として白金電極などを用いた場合と比較して、低い電気伝導度でも長期間安定して電気分解を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(1)図1乃至図5に示すように、この水質浄化機構は、風呂湯やプール水等の処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給する電解質供給機構1と、処理対象液を電気分解する電気分解機構2とを有し、処理対象槽の水質を浄化する。
【0016】
電気分解機構2は、陽極電極板3と陰極電極板4とを有する電解槽5と、この電解槽5での電気分解を制御する制御部とを具備する。電解質供給機構1は、電解質水溶液を供給する電解質水溶液タンク6を具備する。Tは電極端子、図5に示すように7は電解槽5の入口、8は電解槽5の出口である。
【0017】
そして、浴槽やプール等の処理対象槽との間で風呂湯やプール水等の処理対象液の循環流路を形成し、循環流路に電気分解機構2を設けて電気分解を行うようにしている。
【0018】
前記循環流路は、浴槽やプール等の処理対象槽からフィルターFを介して循環ポンプPにより処理対象液を引き出して電解槽5へ送って電気分解し前記フィルターFの前に戻す電解用流路と、循環ポンプPから加熱可能なヒーターHを介して処理対象槽自体に戻す還流用流路とから形成している。
【0019】
次に、この実施形態の水質浄化機構の使用状態を説明する。
浴槽やプール等の外部に設けた循環流路全体の処理対象液の一部(例えば1〜2割)を、電解用流路を通じて電気分解機構2に供給する。そして風呂湯やプール水等の処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように、電解質水溶液タンク6から電解質(臭化ナトリウムや臭化カリウム等)を定量ポンプPにより供給し、無隔膜の電解槽5で電気分解する。
【0020】
電解槽5では陽極電極板3から直接酸化を受け、その強い酸化殺菌作用を受ける。また、電解槽5で生成する次亜ハロゲン酸の高濃度下での強い酸化・殺菌作用を受ける。この次亜ハロゲン酸は還流用流路の循環水と合流して混合され、その酸化・殺菌作用が循環水全体から処理対象槽へも及ぼされる。すなわち、還流用流路の循環水中の汚れ成分や細菌類も酸化分解または殺菌されると共に、電解処理水の高い次亜ハロゲン酸濃度は適当な濃度にまで低減されて、処理対象槽との間で循環する。
【0021】
この水質浄化機構によると、処理対象液を電気分解するに際し処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給しているので、残留ハロゲン濃度が安定し易い。
【0022】
また、浴槽やプール等の処理対象槽との間に形成した風呂湯やプール水等の処理対象液の循環流路において電気分解を行うので、浴槽やプール等の処理対象槽自体で電気分解を行うよりも安全性が高い。
(2)ところで、処理対象槽からのオーバーフローや汲み出しに伴って水位(水量)を一定に保つために水を補給すると電気伝導度が低下する。そこで、電気分解機構2の電源部には、検出回路と自動制御回路とを設けている。
【0023】
検出回路では、電気分解時に電解槽5の陽極電極板3と陰極電極板4との間に流れる電流の電圧値を測定するようにしている。自動制御回路では、前記電圧値に対応する電気伝導度と、予め設定しておいた所定の電気伝導度との差に基づいて臭化ナトリウムや臭化カリウムなどの電解質水溶液を定量ポンプPの駆動により添加するようにしている。
【0024】
そして、電気伝導度が低くなって電気分解時の定電流付与のための負荷電圧が設定値を越えると、電源部の検出回路により検出され、自動制御回路の働きにより電解質供給機構1から臭化ナトリウム水等を自動添加することにより、処理対象液の電気伝導度を所定の範囲に維持するようにしている。
(3)残留ハロゲン濃度センサー9により液中の残留ハロゲン濃度を評価して電気分解を自動制御し、処理対象液の残留ハロゲン濃度を所定のレベルに維持するようにしている。
【0025】
図1に示すように、循環用流路において循環ポンプPとヒーターHとの間から枝管を出し、その末端に一方側のセンサー電極10(図6参照)を設けた。
【0026】
図6に示すように、前記一方側のセンサー電極10のセル内には電極と共に触媒11を収納し、触媒内で発生した気体を排出できる自動弁12をセルの上部に取り付けた。この一方側のセンサー電極10は、処理対象液に対する触媒作用により残留ハロゲン濃度を0とした基準電極とする。セルに収納する触媒11として例えば活性炭、ニッケル、鉄、コバルト、チタン、マンガン等の酸化物を用いることができる。
【0027】
残留ハロゲン濃度センサー9では、前記一方側のセンサー電極10と、処理対象液が通過するようにした他方側のセンサー電極13(図7参照)との間に生じる電位差を検出し、この電位差を対応する次亜ハロゲン酸濃度として評価する。
【0028】
そして評価した残留ハロゲン濃度が予め定めていた設定値より低下すると電気分解が開始し、予め定めていた設定値に達すると電気分解が停止するように通電のオン/オフを行って制御し、処理対象液の残留ハロゲン濃度を一定範囲に維持するようにしている。
【0029】
また、汚れの負荷が大きくなった場合には、残留ハロゲン濃度が設定値に達するまで電気分解が行われ、汚れや細菌数の増加等の水質の負荷の変動に対応することができる。
【0030】
このように処理対象液の電気伝導度を所定の範囲に維持すると共に残留ハロゲン濃度センサー9を用いて電気分解することにより、水道水に近い低電気伝導度でも比較的低い残留ハロゲン濃度の精密な濃度制御を行うことができる。
【0031】
また、電気伝導度が高い場合、例えば処理対象槽の処理対象液に海水や半海水の井戸水などを用いた場合や高濃度の電解質水溶液を添加した場合も、長時間水質浄化を安定して行うことができる。
【0032】
【実施例】
次に、この発明の構成をより具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示すように、この実施例では二四時間風呂(処理対象槽)のお湯を浄化している。この二四時間風呂は、使用人員が10人、浴槽の水量が1,500リットル、全容量が2,000リットルの大型のものである。
【0033】
湯面からのオーバー・フローや風呂等からの湯の汲み出し、更に人体その他から溶出した汚れの増加などにより水質が悪化してくるが、その水質をできるだけ適正(衛生的)に維持する必要がある。一日の平均使用人員は10人、上がり湯はカランとシャワーにより温水を出す。浴槽への補給水は、平均約5%程度であった。
【0034】
図3乃至図5に示すように、浴槽から循環させたお湯を電気分解するための電解槽5は、陽極電極板3として3dm2 の白金メッキチタン電極板の両面を使い、2枚のチタン陰極電極板4でこれを挟むようにして構成した。
【0035】
また、循環用流路において循環ポンプPとヒーターHとの間にセンサー電極10、13 を有する残留ハロゲン濃度センサー9を設け、相互間の電位差を測定して残留ハロゲン濃度を評価するようにしている。
【0036】
浴槽から循環流路へと循環させたお湯の一部を、電解槽5に導いて電気分解する。次亜臭素酸は次亜塩素酸より高いpH領域でも強い酸化殺菌力があり、pH7.0〜8.0という中性若しくは極く弱いアルカリ側の領域でも効果を発揮する。これは人の皮膚に対して適当なpH領域であり、また配管、水槽の金属製品の腐食防止にも効果がある。
【0037】
そして、前記残留ハロゲン濃度センサー9により評価した残留ハロゲン濃度が設定値3ppmを下回ると電気分解が開始し、設定値3ppmを上回ると電気分解が停止するようにした。
【0038】
電解槽5の制御部は定格12Aで12Vであり、定電流12Aを流すように電圧等を制御した。定電流12Aを流すための実際の電圧は10〜11V(120〜132W)程度であった。
【0039】
定電流12Aを流すための電圧値が設定値11Vを越えると電解質水溶液タンク6からNaBr水溶液(その他KBr水溶液などでもよい)が自動添加され、同電圧値が設定値10Vを下回ると電解質の添加を停止することにより、電気伝導度が800〜900μs/cmに維持されるように制御した。
【0040】
その結果、二四時間風呂の浴槽内のお湯の残留ハロゲン濃度は0.4ppm前後で安定し、濁度、CODも低い値のレベルで安定し、一般細菌も非常に少ないレベルに維持した。すなわち、残留ハロゲン濃度に経時的なバラツキはほとんど発生せず安定していた。
【0041】
この実施例によると、処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給するようにしており、精密な残留ハロゲン濃度の濃度制御を行うことができる。また、処理対象液の残留ハロゲン濃度が設定値よりも低下すると、残留ハロゲン濃度センサー9により評価し、循環流路で処理対象液を電気分解するようにしており、水質の変化に適合し得る残留ハロゲン濃度の濃度制御をすることができる。
(実施例2)
次に、実施例2を実施例1との相違点を中心に説明する。
【0042】
図1、図3及び図4に示すように、この実施例では実施例1の大型の二四時間風呂に対し、水質浄化機構の電解槽5の陽極電極板3として白金電極板のかわりに面積1dm2 のフェライト電極板の両面を使い、2枚のチタン陰極電極板4でこれを挟むようにして構成し、面積2dm2 (定格6A、30V)で6A、5.5〜6.0V(33〜36W)の電力で電解を行った。
【0043】
残留ハロゲン濃度センサー9により評価した残留ハロゲン濃度が設定値3ppmを下回ると電気分解が開始し、設定値3ppmを上回ると電気分解が停止するように制御した。
【0044】
また電気分解時に定電流6Aを流すための電圧値が設定値6.0Vを越えると電解質水溶液タンク6からNaBr水溶液が自動添加され、同電圧値が設定値5.5Vを下回ると電解質の添加を停止することにより、電解槽5での電気伝導度を500〜600μs/cmのレベルに維持するようにした。
【0045】
その結果、二四時間風呂の浴槽内のお湯の残留ハロゲン濃度は0.4〜0.5ppmの安定した値を保持し、二四時間風呂としての水質目標の濁度1以下、COD3ppm以下、大腸菌はマイナス、一般細菌103 cfu/ml以下を十分に達成できた。
【0046】
この実施例では陽極電極板3としてフェライト電極を用いており、仮に瞬間的に20〜30Vのような過電圧が印加されても、白金メッキ電極の場合のようにメッキが剥離して損傷したりすることがなかった。また、電気伝導度が500〜600μs/cm程度と低くても浄化処理を円滑に行うことができた。
【0047】
このように、陽極電極板3としてフェライト電極を用いると実施例1よりも低い電気伝導度でも安定して電気分解を行うことができ、比較的低い残留ハロゲン濃度での濃度制御を行うことができた。
(実施例3)
この実施例では、浴槽容量が200リットルで全水量が230リットルの家庭用の二四時間風呂(処理対象槽)のお湯を浄化した。
【0048】
図1、図3及び図4に示すように、電解槽5では面積が1.0dm2 のフェライト電極を陽極電極板3とし、これを挟むようにして両側にチタン電極を並設し陰極電極板4とした。この電解槽5(定格3A、20V)を2個使用し、6A、18〜20V(108〜120W)の電力で電解を行った。
【0049】
循環流路の循環水の全流量は20リットル/分、電解槽5への循環水の流量は100ミリリットル/分とした。
【0050】
電気分解時に定電流3Aを流すための電圧値が設定値20Vを越えると電解質水溶液タンク6からNaBr水溶液が自動添加され、同電圧値が設定値18Vを下回ると電解質の添加を停止することにより、電解槽5での電気伝導度が400〜450μs/cmに維持されるようにした。
【0051】
汗をかく作業をした5人が1人づつ順に入浴した時の水質の変化を調べた。入浴時間は1人10分程度とし、タオルをもって入り体を浴槽内で十分に擦る。入浴開始10分後、浴槽水は濁り不透明となった。入浴を中断して2時間後には、少し不透明な程度に浄化されていた。入浴を中断して6時間後には、透明となっていた。翌日には入浴前と同じくらいにきれいになっており、風呂湯は十分に浄化されていた。またアンモニア性窒素の低減効果や、大腸菌の殺菌効果も高かった。
【0052】
なお、工場の浴場など交代時に集中的に汚れ風呂湯の負荷が高くなる場合には、電気伝導度の設定値を上げると共に、残留ハロゲン濃度の値も高めに設定して水質浄化をより効率的にすることもできる。
(実施例4)
図1に示すように、この実施例では養魚水槽(処理対象槽)の水を浄化した。この養魚水槽の容量は150リットルであり、エンゼルフィッシュ10尾とグラミー10尾を飼育した。給餌した餌の残りや魚の排泄物により水槽水は汚れ濁ってきて、経時的に悪臭を発するようになった。
【0053】
そこで実施例3と同じ電解装置を用い、循環水から一部を電気分解して水中の汚れを浄化し、藻類等、微生物、またその胞子等を殺菌することにより水槽の水を綺麗に維持し、水槽のガラス、砂、小石、飾り石は水草に付着して汚すことになる藻類を殺減した。
【0054】
養魚水槽から冷却及び加熱が可能な温調装置Hへの循環水量は22リットル/分とし、この一部の100ミリリットル/分を電解槽5へと送り、浄水殺菌処理を行った。定格は3A、20Vで使用電力は3A、18〜20V(54〜60W)であった。
【0055】
残留ハロゲン濃度センサー9を用いて、残留ハロゲン濃度が設定値0.5ppmを下回ると電気分解が開始し、設定値0.5ppmを上回ると電気分解が停止するようにした。
【0056】
電気分解の際に定電流3Aを流すための電圧値が設定値20Vを越えると電解質水溶液タンク6からNaBr水溶液が自動添加され、同電圧値が設定値18Vを下回ると電解質の添加を停止することにより、電解槽5での電気伝導度が300〜400μs/cmのレベルに維持されるようにした。
【0057】
その結果、養魚水槽内の残留ハロゲン濃度は、0.05ppm程度に維持することができた。濁度は4以下、アンモニア性窒素は0.4ppm以下、CODも5以下に安定して維持することができた。水槽のアクリルガラス、飾り石、小石、白砂は藻類の付着もなくきれいであり、特別に掃除する必要もなかった。
(実施例5)
図2に示すように、この実施例ではクーリングタワーの冷却水を浄化した。クーリングタワーの冷却水槽(処理対象槽)は容量が130リットルであり、緑褐藻類の繁殖で緑色に濁っていた。
【0058】
図3及び図4に示すように、陽極電極板3としての面積0.5dm2 フェライト電極の両側に、チタン電極を陰極電極板4として配置した。この電解槽5(定格2A、30V)を、二個並列(図示せず)として使用した。
【0059】
水質浄化機構の循環流路への全循環水量は2リットル/分、電解槽2への流量を100ミリリットル/分に設定した。使用電力は、4A、26〜28V(104〜112W)であった。
【0060】
残留ハロゲン濃度センサー9を用いて、残留ハロゲン濃度が設定値3ppmを下回ると電気分解が開始し、設定値3ppmを上回ると電気分解が停止するようにした。
【0061】
また電気分解の際の定電流4Aを流すための電圧値が設定値28Vを越えると電解質水溶液タンク6からNaBr水溶液が自動添加され、同電圧値が設定値26Vを下回ると電解質の添加を停止することにより、電解槽5での電気伝導度が300〜350μs/cmのレベルに維持されるようにした。その結果、クーリングタワーの冷却水の残留臭素濃度を約0.8ppm程度に維持することができた。
【0062】
ところでクーリングタワーの冷却水は、配管やバルブ等を腐食しないことが重要である。このため食塩などの電解質はできるだけ少ないことが望ましい。水道水でも若干塩類を含むため、電気伝導度は150〜250μs/cmである。クーリングタワーの冷却水は腐食防止の観点から400μs/cm以下ぐらいが望ましいが、この実施例のものはこの数値を満足している。
【0063】
またクーリングタワーの冷却水のpHが酸性側に傾くと、腐食が進行し易くなる。ハロゲンとして臭化物を用いることによりHBrOはpH7.5〜8.0でも83〜94%の存在比であり、HClOよりも殺菌浄化に有効であった。
【0064】
【発明の効果】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0065】
処理対象液を電気分解するに際し、処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給していると共に、残留ハロゲン濃度を一定範囲内に維持するようにしており状況に応じた水質の制御をするようにしているので、従来よりも長時間にわたって残留ハロゲン濃度にバラツキが生じにくい水質浄化方法及びその機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を説明するシステム・フロー図。
【図2】この発明の他の実施形態を説明するシステム・フロー図。
【図3】図1及び図2の電気分解機構を側面視した中央断面の構造の説明図。
【図4】図3の電気分解機構を平面視した中央断面の構造の説明図。
【図5】図3の電気分解機構を正面視した中央断面の構造の説明図。
【図6】図1の一方側のセンサー電極回りのセル構造の説明図。
【図7】図1の他方側のセンサー電極回りのセル構造の説明図。
【符号の説明】
1 電解質供給機構
2 電気分解機構
3 陽極電極
9 センサー
Claims (4)
- 処理対象液の残留ハロゲン濃度を一定範囲に維持すべく、残留ハロゲン濃度が設定値より低下すると電気分解が開始し、設定値に達すると電気分解が停止すると共に、処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給して、処理対象液を電気分解するようにし、処理対象槽との間で処理対象液の循環流路を形成して電気分解を行うようにすると共に、前記循環流路は処理対象槽から循環ポンプにより処理対象液を引き出して電気分解する電解用流路と前記循環ポンプから処理対象槽自体に戻す還流用流路とから形成し、前記循環流路全体の処理対象液の一部を電解用流路で電気分解し電解用流路が分岐される前の循環流路における循環水と合流して混合するようにしたことを特徴とする水質浄化方法。
- 処理対象液の電気伝導度を所定の範囲に維持すべく、処理対象液の電気伝導度が低くなって電気分解時の定電流付与のための負荷電圧が設定値を越えると処理対象液に電解質を注入するようにした請求項1記載の水質浄化方法。
- 処理対象液の電気伝導度が所定の範囲に維持されるように電解質を供給する電解質供給機構と、処理対象液を電気分解する電気分解機構と、残留ハロゲン濃度を評価するセンサーとを具備すると共に、残留ハロゲン濃度が設定値より低下すると電気分解が開始し、設定値に達すると電気分解が停止するように制御することにより、処理対象液の残留ハロゲン濃度を一定範囲に維持するようにし、処理対象槽との間で処理対象液の循環流路を形成し循環流路に電気分解機構を設けると共に、前記循環流路は処理対象槽から循環ポンプにより処理対象液を引き出して電気分解する電解用流路と前記循環ポンプから処理対象槽自体に戻す還流用流路とから形成し、前記循環流路全体の処理対象液の一部を電解用流路で電気分解し電解用流路が分岐される前の循環流路における循環水と合流して混同するようにしたことを特徴とする水質浄化機構。
- 処理対象液の電気伝導度が低くなって電気分解時の定電流付与のための負荷電圧が設定値を越えると、前記電解質供給機構から、処理対象液に電解質を注入することにより、処理対象液の電気伝導度を所定の範囲に維持するようにした請求項3記載の水質浄化機構。
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