JP4039869B2 - 水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中に含まれる懸濁物を除去したり、あるいは水を滅菌したりするための水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
例えば屋内外に設置された水泳プールや公衆浴場の浴槽などの水槽においては、その透明度と水質を維持するために定期的に、ポリ塩化アルミニウムや硫酸バンドなどの凝集剤を注入して、有機物などの懸濁物を凝集させたのち、ろ過器でろ過して除去する必要がある。
しかしこの方法では、凝集剤を定期的に補充しなければならず、手間がかかる上、ランニングコストが高くつくという問題があった。
【0003】
また、例えば農業用排水やクリーニング工場、コインランドリーの排水、ガソリンスタンドの洗車装置の排水などは、そのまま下水に流すと、水中に含まれる有機物などの懸濁物が、河川や湖沼、海洋などの水質を悪化させて、いわゆるBOD(生化学的酸素要求量)を高めたり、あるいは下水処理場の処理能力に多大な負担をかけたりするおそれがある。
したがってこれらの排水についても、懸濁物を除去したのちに排水することが求められる。排水中の懸濁物を除去する方法としては、微生物の生分解作用を利用した方法が一般的である。
【0004】
しかしこの方法を実施するには広い敷地が必要である上、微生物の機能は、特に気温によって左右され、季節ごとに一定しないため、処理の効率が安定しないという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、水に含まれる懸濁物を、凝集剤や微生物などを使用せずに効率よく除去するための水処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、水を流通させるための水路と、
この水路の途中に配設した、
・電極対を有し、水路を流れる水を、当該電極対に直流電圧を印加することで電解処理して、水中に含まれる懸濁物を凝集させるための電解処理手段、および
・凝集した懸濁物を捕集して水から除去するためのろ過器と、
上記電極対に直流電圧を印加するための制御手段と、
を備え、
更に、水路の途中に、電解処理手段とろ過器とを通過させて懸濁物を除去した水に対して、電気化学反応によって酸化態窒素を還元することで脱窒素処理を行う脱窒素処理手段を配設したことを特徴とする水処理装置である。
【0008】
請求項1の構成では、制御手段から電解処理手段の電極対に直流電荷を印加して、水路を流れる水を電気分解すると、電極対のうちアノード側の電極の表面ならびにその近傍で活性酸素(O2 -)やオゾン(O3)を発生させることができる。そしてこの活性酸素やオゾンの働きによって水中の微細な懸濁物を凝集させて、当該電解処理手段の下流側に配設したろ過器によって捕集させることで、水から除去することができる。
【0009】
したがって請求項1の構成によれば、水に含まれる懸濁物を、凝集剤や微生物などを使用せずに、電極対に直流電圧を印加するだけで、効率よく除去することが可能となる。
【0015】
また、亜硝酸イオン、硝酸イオンなどの酸化態窒素は従来、脱窒素菌等の生体触媒を用いた生化学反応によって除去していたが、やはり生化学反応ゆえに、その機能が、特に気温によって左右され、季節ごとに一定しないという問題があった。
【0016】
これに対し請求項1の構成では、かかる酸化態窒素を、生体触媒を用いずに、電気化学反応によって、効率よく除去することが可能となる。
すなわち電極対のうちカソード側の電極として、真鍮などの、電気化学反応によって酸化態窒素を還元する機能を有する材料からなる電極を、またアノード側の電極として白金−イリジウム電極などを、それぞれ用いて、例えば水道水などの塩素を含む水を電解処理すると、下記の電気化学反応を生じて、酸化態窒素を窒素ガスに変換して除去することができる。
【0017】
(カソード側)
NO3 -+6H2O+8e-→NH3+9OH-
(アノード側)
2Cl-→Cl2+2e-
H2O+Cl2⇔HClO+H++Cl-
(アノード側+カソード側)
2NH3+3HClO→N2↑+3HCl+3H2O
水処理装置は、前述したように水泳プールや公衆浴場の浴槽などの水槽において、その透明度と水質を維持するために用いることができる。具体的な構成としては、水路を、プール等の水槽から水を取り込んで、電解処理手段とろ過器とを通過させて懸濁物を除去したのち、上記水槽に還流させるように、水槽に接続すればよい。これにより、例えばプール等の営業時間中に、水槽の水を継続的に、あるいは断続的に処理して、その透明度と水質を維持することなどが可能となる。
【0018】
また、水処理装置は、やはり前述したように農業用排水やクリーニング工場、コインランドリーの排水、ガソリンスタンドの洗車装置の排水などを処理するために用いることもできる。これにより、河川や湖沼、海洋などの水質を悪化させたり、あるいは下水処理場の処理能力に負担をかけたりすることなしに、上記設備からの排水を行うことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1(a)は、この発明の一実施形態にかかる水処理装置1を、例えば水泳プールや浴場の浴槽などの水槽20に設置した構造を簡略化して示す図である。
この例の水処理装置1は、図中に一点鎖線の矢印で示すように、水槽20から水Wを取り込んで処理したのち、水槽20に還流させるための水路10aを有するとともに、この水路10a上に順に、循環ポンプP1、電解処理手段11、ろ過器12、および熱交換器13を配設したものである。
【0027】
また水路10aの、熱交換器13の下流側の位置には、水を滅菌する作用を有する滅菌液を、滅菌液供給部14から、定量ポンプP2の働きによって、図中に実線の矢印で示すように、合流点J1を通して水路10aに供給するための供給水路10bを接続している。
上記のうち電解処理手段11は、図1(b)に示すように、水路10aを構成する配管の一部となる管路部材(フランジ付きパイプ)11aの管路11b中に、電極対を構成する2枚の平板状の電極11c、11dを互いに平行に、しかも管路11bの内壁面と接触しないように組み込むことで構成している。この理由は前記のとおりである。
【0028】
また、図中に一点鎖線で示すように電極11c、11dには、それぞれ管路11bの内外を繋ぐ配線11e、11fを接続する。
そして図示しない制御手段から、この配線11e、11fを通して、両電極11c、11d間に直流電圧を印加すると、管路11b内を通る水の電解処理によって発生したオゾンによって、水に含まれる懸濁物を凝集させることができる。電極11c、11dとしては、直流電圧を印加した際に、アノード側でオゾンを発生させることのできる種々の電極を用いることができる。特に前記のように極性を逆転させながら懸濁物の凝集を行う場合は、電極11c、11dをともに、アノード側とされた際にオゾンを発生させる機能を有する電極にて形成するのが好ましい。かかる電極としては、例えばチタニウム(Ti)製の基板の表面全面に金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、白金−イリジウム(Pt−Ir)などの貴金属の薄膜を、めっき法や焼成処理によってコーティングしたものなどをあげることができる。
【0029】
フィルター12としては、例えば砂ろ過用フィルター、膜式フィルター、天然あるいは化学繊維製の不織布などが使用できる。
熱交換器13は、水槽20が、例えば温水プールや浴場の浴槽などである場合に、水路10aを流れる水を温めて、水槽20内の水温を一定に保つために用いる。したがって水槽20が屋外の水泳プールや、あるいは浴場の冷水浴用の浴槽などである場合は、熱交換器13を省略してもよい。
【0030】
滅菌液供給部14としては、例えば滅菌液として次亜塩素酸塩の水溶液を貯留しておくタンクがあげられる他、食塩水などの水溶液を、先に述べた反応機構によって電解処理して、次亜塩素酸などの、滅菌作用を有する成分を含む水溶液を生成させる電解槽を採用することもできる。
図2(a)は、図1(a)の水処理装置1の、電気的な構成を示すブロック図である。
【0031】
図に見るように水処理装置1は、電極11c、11dに通電制御しつつ、装置を構成する各部を作動させる制御手段としての制御部30を備えている。
制御部30内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ31と、各種動作の基準となる初期値などを登録したメモリ32とを設けている。
制御部30は、タイマ31によって規定したタイミング、並びにメモリ32に記録した初期値などに基づいて種々の演算を行い、それに基づいて制御信号をドライバ33へ与える。そしてドライバ33は、与えられる信号に基づいて電極11c、11dへの通電制御を行い、かつポンプP1、P2の駆動制御を行う。
【0032】
このうち、電極11c、11dに印加する直流電圧の逆転制御の流れを図2(b)に示す。
図2(b)に示すようにステップSP1で水処理装置1の運転を開始すると、制御部30は、まず図示していないが循環ポンプP1の運転を開始して、水路10a内に水を循環させ、かつステップSP2でタイマ31をリセット(T=0)して計時を開始するとともに、ステップSP3で電極11c、11d間に直流電圧を印加して電解を開始する。
【0033】
次にステップSP4で、装置の運転終了が選択されたか否かを確認し、運転続行であれば、ステップSP5に進んでタイマ31の計時Tがメモリ32に記録された設定時間T1に達したか否かを判定する。
そしてT=T1になるまでこの状態を維持しつつ運転を続け、T=T1に達した時点でステップSP6に進んで、電極11c、11dへの直流電圧の印加を停止したのち、逆転器を作動させるなどして、当該電極11c、11dに印加する直流電圧の極性を逆転させる。
【0034】
このあと、ステップSP2に戻って、ステップSP4で、装置の運転終了が選択されたことを確認するまで、ステップSP2〜SP6を繰り返す。
これにより、メモリ32に記録された設定時間T1ごとに定期的に、電極11c、11d間に印加する直流電圧の極性を逆転させて、一方の電極の極端な消耗を防止しながら、水路10aを通る水を電解処理して、水中に含まれる懸濁物を凝集させ、かつ凝集させた懸濁物をろ過器で捕集して水から除去する操作を継続的に行って、水槽20の水が濁ったり、水質が低下したりするのを防止することが可能となる。
【0035】
そしてステップSP4で、装置の運転終了が選択されたことを確認すると、制御部30は、ステップSP7に進んで電極11c、11dへの直流電圧の印加を停止し、また図示していないが循環ポンプP1を停止して装置の運転を終了する(ステップSP8)。
なお上記例において、電極11c、11d間に印加する直流電圧の極性を逆転させる設定時間T1の具体的な数値は特に限定されない。ただし設定時間T1があまりに短すぎると、電極11c、11dのうちアノード側の電極の表面に、懸濁物を十分に凝集できない間に極性が逆転することになるため、懸濁物を、水中から十分に除去できないおそれがある。よって設定時間T1は、およそ1分間以上であるのが好ましい。
【0036】
なお電解処理手段11としては、例えば図4(b)に示すように、管路部材(フランジ付きパイプ)11aの管路11b中に、平板状の電極11gを1枚だけ、管路11bの内壁面と接触しないように組み込み、管路部材11aそれ自体をもう一方の電極として、この両者で電極対を構成したものを用いることもできる。この場合、図中に一点鎖線で示すように電極11gには、管路11bの内外を繋ぐ配線11hを接続し、管路部材11aには配線11iを接続する。
【0037】
そして図示しない制御手段から、この配線11h、11iを通して、電極11gと管路部材11aとの間に直流電圧を印加すると、管路11b内を通る水の電解処理によって発生したオゾンによって、水に含まれる懸濁物を凝集させることができる。
なお電極11gとしては、前記と同様のものを用いることができる。また管路部材11aの、管路11bの内壁面を、電極11gと同様の、チタニウム基板上に貴金属のコート層を形成した構造物で被覆すると、前述した極性を逆転させながらの電解処理を行うことができる。
【0038】
図3は、この発明の他の実施形態にかかる水処理装置1を、例えば農業用排水やクリーニング工場、コインランドリーの排水、ガソリンスタンドの洗車装置の排水などの排水処理用として用いる構造を簡略化して示す図である。
この例の水処理装置1は、図中に実線の矢印で示すように、上記各施設などからの排水を一時的に蓄えておくための水槽21から水Wを取り込んで処理したのち、下水Dに排水するための水路10cを有するとともに、この水路10c上に順に、排水ポンプP3、電解処理手段11、ろ過器12、および脱窒素処理手段15を配設したものである。
【0039】
上記のうち電解処理手段11、およびろ過器12としては、先の図1(a)の例で説明したのと同様のものを使用することができる。すなわち電解処理手段11としては、図1(b)や図4(b)のものなどを好適に使用することができる。電解処理手段11の電極対に印加する直流電圧の極性を一定時間ごとに逆転させながら電解処理を行うのが好ましいことも同様である。
脱窒素処理手段15としては、前述したように電気化学反応によって酸化態窒素を還元する機能を有するカソード側の電極と、白金−イリジウム電極などのアノード側の電極とを用いて水を電解処理することによって、前述した電気化学反応により、酸化態窒素を窒素ガスに変換して除去できる、種々の構成の装置を用いることができる。
【0040】
このうちカソード側の電極を形成する材料としては、前記真鍮の他、銅、亜鉛などの11族もしくは12族の元素を含む導電体や、11族もしくは12族の元素を導電体に被覆した複合体などを用いることもできる。
一方、アノード側の電極としては、白金−イリジウム電極の他、前述した電解処理手段11の説明で例示した各種の電極を用いることができる。
図の例の水処理装置1の、電気的な構成は、先の図2(a)とほぼ同様である。図中の循環ポンプP1を排水ポンプP3に置き換え、また定量ポンプP2を省略するとともに、脱窒素処理手段15を追加すればよい。
【0041】
また図の例の水処理装置1のうち、制御部30による、電極11c、11dに印加する直流電圧の逆転制御の流れも、図2(b)に示したとおりである。
水処理装置1の運転を開始すると、制御部30は、まず排水ポンプP3を駆動して、水槽21中の水を、水路10cを通して下水Dに連続的に排水しながら、また図2(b)に示した流れに沿って設定時間T1ごとに電極11c、11dに印加する直流電圧の極性を逆転させながら、電解処理手段11において電解処理を行って、水中に含まれる懸濁物を凝集させる。
【0042】
そして凝集した懸濁物をろ過器12で捕集して水から除去したのち、脱窒素処理手段15において、電気化学反応によって酸化態窒素を還元することで脱窒素処理をする。
これにより、懸濁物や酸化態窒素が除去されたきれいな水を、下水Dに排水することができる。
また、例えば水槽21に、水位の上限と下限とを検知するセンサなどを設けておき、設備からの排水が水槽21に蓄えられて、その水位が上限に達したことを一方のセンサで検知した際に水処理装置1を駆動させて、上記の行程で水を処理しながら下水Dに排水し、それによって水槽21の水位が低下して下限に達したことをもう一方のセンサで検知した際に水処理装置1を停止させるようにすると、排水の自動的な処理が可能となる。
【0043】
図4(a)は、この発明のさらに他の実施形態にかかる水処理装置1を、ビルやマンションなどの屋上に設置した飲料水用の給水タンク22に接続して、水の滅菌に使用する構造を簡略化して示す図である。
この例の水処理装置1は、図中に一点鎖線の矢印で示すように、給水タンク22から水Wを取り込んで処理したのち、給水タンク22に還流させるための水路10dを有するとともに、この水路10a上に順に、弁V1、循環ポンプP4、電解処理手段11、ガス抜き弁V2、および弁V3を配設したものである。
【0044】
また水路10dの、循環ポンプP4と電解処理手段11との間の位置には、分岐点J2で水路10dから分岐し、水中の残留塩素濃度を測定するための残留塩素センサS1を経て、電解処理手段11とガス抜き弁V2との間の合流点J3で再び水路10dと合流する分岐水路10eを接続している。
なお図において符号22aは、給水源から給水タンク22への配管、22bは給水タンク22からビルやマンション内の各室などへの配管、22cは弁である。
【0045】
上記のうち弁V1、V3は、例えば水処理装置1の設置時やメンテナンス時などに両弁V1、V3をともに閉じておくことで、給水タンク2の運転を続けながら、これらの作業をするために用いる。作業終了後は、両弁V1、V3をともに開いておく。
また、ガス抜き弁V2は平常時には閉じておき、定期的に開いて、水路10d内に溜まったガスを抜くために用いる。それゆえガス抜き弁V2は、水路10d中の最高位置に配置するのが好ましい。
【0046】
電解処理手段11としては、図4(b)や図1(b)のものなどを好適に使用することができる。かかる電解処理手段11は、水が鉛直方向下方から流入して鉛直方向上方に流出するようにすべく、図4(a)(b)に示すように、管路部材11a内の管路11bを鉛直方向に向けて配設する。この理由は先に述べたとおりである。
図5(b)のうち実線の部分は、図4(a)の水処理装置1の、電気的な構成を示すブロック図である。
【0047】
図に見るように水処理装置1は、電極11gと、もう一方の電極としての管路部材11aに通電制御しつつ、装置を構成する各部を作動させる制御手段としての制御部30を備えている。
残留塩素センサS1の出力は、制御部30へ与えられる。制御部30内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ31と、各種動作の基準となる初期値などを登録したメモリ32とを設けている。
【0048】
制御部30は、残留塩素センサS1の出力、タイマ31によって規定したタイミング、並びにメモリ32に記録した初期値などに基づいて種々の演算を行い、それに基づいて制御信号をドライバ33へ与える。そしてドライバ33は、与えられる信号に基づいて電極11g、11aへの通電制御を行い、かつ循環ポンプP4の駆動制御を行う。
水処理装置1の運転を開始すると、制御部30は、まず循環ポンプP4を駆動して、給水タンク22内の水Wを、図4(a)中に一点鎖線の矢印で示すように水路10dを通して、また同図中に二点鎖線の矢印で示すように分岐水路10eを通して、それぞれ循環させながら、残留塩素センサS1によって、当該水の残留塩素濃度を継続的に、あるいは定期的に計測する。
【0049】
その結果、残留塩素濃度がメモリ32に記録した規定値以上である場合はこの状態を維持するが、規定値未満になると、電解処理手段11において電解処理を行って、次亜塩素酸などの成分を発生させ、それによって水を滅菌する。
そして残留塩素センサS1で測定した残留塩素濃度が規定値未満である間は電解処理による水の滅菌を続け、規定値以上になると電解処理を停止して、残留塩素センサS1によって水の残留塩素濃度を継続的、または定期的に計測する初期状態に戻る。
【0050】
これにより、菌類や藻類などの繁殖を防止して、給水タンク22内の水を常時、きれいな状態に維持することができる。
図5(a)は、ガス抜き弁V2を省略したこと意外は上記と同様の構成の水処理装置1を給水タンク22に組み込んだ、飲料水用の給水装置WSの構造を簡略化して示す図である。
先の、図4(a)の例との相違点は、給水タンク22の、水面の上限位置より上方である天板に、排気手段として、排気口22dとファンFとを配設した点にある。
【0051】
その電気的な構成も、図5(b)に二点鎖線で示したようにファンFを追加したこと以外は同様である。
水処理装置1の運転を開始すると、制御部30は、前記と同じ手順により、残留塩素センサS1による残留塩素濃度の測定結果に基づいて、電解処理手段11による水の電解処理を断続させて、水を滅菌する。
また制御部30は、電解処理手段11による水の電解処理を開始すると、それと同時に、あるいは前後してファンFの運転を開始する。そして、電解処理によって発生し、気泡となって、水路10dを通して給水タンク22内に到達したのち、水面へ浮上したガスを、排気口22dを通して、当該給水タンク22の外へ排気させる。
【0052】
そして制御部30は、電解処理手段11による水の電解処理を停止すると、その後、一定時間が経過するまでファンFの運転を続けたのち、その運転を停止して、残留塩素センサS1によって水の残留塩素濃度を継続的、または定期的に計測する初期状態に戻る。
電解処理を停止した後もしばらくの間、ファンFの運転を続けるのは、ガスが、気泡として電解処理手段11から給水タンク22内に到達したのち、水面へ浮上するまでに時間がかかるためである。
【0053】
この発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものでなく、各請求項記載の範囲内において、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、この発明の一実施形態にかかる水処理装置を、例えば水泳プールや浴場の浴槽などの水槽に設置した構造を簡略化して示す図、同図(b)は、上記水処理装置に用いる電解処理手段の一例を示す斜視図である。
【図2】同図(a)は、図1(a)の例の水処理装置の、電気的な構成を示すブロック図、同図(b)は、制御部により行われる制御のうち、電解処理時の、直流電圧の逆転制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】この発明の他の実施形態にかかる水処理装置を、例えば農業用排水やクリーニング工場、コインランドリーの排水、ガソリンスタンドの洗車装置の排水などの排水処理用として用いる構造を簡略化して示す図である。
【図4】同図(a)は、この発明のさらに他の実施形態にかかる水処理装置を、ビルやマンションなどの屋上に設置した飲料水用の給水タンクに接続して、水の滅菌に使用する構造を簡略化して示す図、同図(b)は、上記水処理装置に用いる電解処理手段の一例を示す斜視図である。
【図5】同図(a)は、水処理装置を組み込んだ、この発明の飲料水用の給水装置の構造を簡略化して示す図、同図(b)は、図4(a)、図5(a)の例の水処理装置の、電気的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 水処理装置
10a、10c、10d 水路
11 電解処理手段
12 ろ過器
22 給水タンク
P1、P4 循環ポンプ
P3 排水ポンプ
WS 給水装置
Claims (1)
- 水を流通させるための水路と、
この水路の途中に配設した、
・電極対を有し、水路を流れる水を、当該電極対に直流電圧を印加することで電解処理して、水中に含まれる懸濁物を凝集させるための電解処理手段、および
・凝集した懸濁物を捕集して水から除去するためのろ過器と、
上記電極対に直流電圧を印加するための制御手段と、
を備え、
更に・水路の途中に、電解処理手段とろ過器とを通過させて懸濁物を除去した水に対して、電気化学反応によって酸化態窒素を還元することで脱窒素処理を行う脱窒素処理手段を配設したことを特徴とする水処理装置。
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