JP2001167800A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部短絡や外部短絡等による電池エネルギー
の急激な開放に伴って電池温度が上昇した場合であって
も、爆発や火事等の災害につながらないように、電池の
最高上昇温度が制限された安全性に優れるリチウム二次
電池を提供する。 【解決手段】 正負各電極板2・3をセパレータ4を介
して捲回若しくは積層してなる電極体1を備え、非水電
解液を用いたリチウム二次電池であり、電池は、E0
Cp+T1=T2<t、の関係を満足する。但し、E
0(J/g)は電池の満充電時における単位重量当たり
のエネルギー量、Cp(J/℃・g)は電池の比熱、T
1(℃)は電池の通常使用温度、T2(℃)は電池の最高
上昇温度、t(℃)は電池が熱により不安全な状態とな
る最低温度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、内部短絡や外部
短絡等による電池エネルギーの急激な開放に伴って電池
温度が上昇した場合であっても、爆発や火事等の災害に
つながらないように、電池の最高上昇温度が制限された
安全性に優れるリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、リチウム二次電池は、携帯電
話、VTR、ノート型コンピュータ等の携帯型電子機器
の電源用電池として、広く用いられるようになってきて
いる。また、リチウム二次電池は、単電池電圧が4V程
度と、従来の鉛蓄電池等の二次電池よりも高く、しかも
エネルギー密度が大きいことから、前記携帯型電子機器
のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として
積極的に一般への普及が図られている電気自動車(E
V)或いはハイブリッド電気自動車(HEV)のモータ
駆動電源としても注目を集めている。また、自動車のヘ
ッドライトやパワーウインドウ等の電装品用電源として
も、適用が検討されている。
【0003】 リチウム二次電池には、一般的に、正極
活物質にリチウム遷移金属複合酸化物が、負極活物質に
炭素質材料が、電解液にLiイオン電解質を有機溶媒に
溶解した非水電解液が用いられる。電池反応を行う部分
である電極体としては、サンドイッチ型、捲回型、積層
型といった種々の形態のものがあるが、いずれの構造も
セパレータで正極板と負極板を隔てた構造を有してい
る。
【0004】 ここで、EV・HEV用の電池について
は、モータ駆動等に大きなパワーを必要とすることか
ら、1本当たりに、ある程度大きな容量が必要とされ
る。そこで、このような用途には捲回型若しくは積層型
の電極体を用いることが好ましく、これらの電極体の形
成には、一般的に金属からなる集電基板の表面に電極活
物質層を形成してなる電極板(正極板及び負極板を指
す。)が用いられる。
【0005】 ここで、捲回型や積層型の電極体を用い
たリチウム二次電池に、内部短絡や外部短絡、過充電等
が起きた場合には、電極体の有する内部抵抗に起因して
生ずるジュール熱によって電池温度が上昇する。このと
き、電極体に大電流が急激に流れた場合には当然に温度
上昇が著しいものとなり、電池の爆発事故、更には災害
へと発展する危険性がある。
【0006】 電池の温度上昇には、内的原因と外的原
因とが考えられる。例えば、内的原因としてはセパレー
タに破れ等の損傷箇所があった場合、電気良導体である
金属ゴミが捲回体等の製造中に混入してセパレータを貫
通した場合等が考えられ、いずれの場合でも電池内で電
極板間が短絡することとなるために大電流が流れること
となる。このときの発生したジュール熱は非水電解液を
加熱、蒸発させるために電池内圧が上昇し、電池の発
火、爆発が起こる危険性がある。
【0007】 一方、外的原因としては、電池内部を釘
等の電気良導体が貫通した場合が考えられるが、この場
合は内部短絡と同様の現象が起こる。また、電池の正負
極端子間が短絡した場合が想定されるが、この場合には
外部短絡時の負荷(抵抗)の大きさによって発熱の程度
が異なることとなる。その他にも、充電装置の故障によ
って過充電が生じた場合、エンジン等の発熱装置の近く
に載置されて加熱された場合等が考えられる。
【0008】 発明者らは、このような種々の電池の温
度上昇原因について検討し、Journal of Power Sources
81−82(1999)887−890において、2
5Ahの容量を有するリチウム二次電池について、釘刺
し試験、外部短絡試験、過充電試験、外部加熱試験を行
ったときの電池の温度変化を調べた結果を公表してい
る。この中で、最も温度上昇の大きいものは釘刺し試
験、即ち内部短絡が生じた場合であり、約400℃に至
る温度上昇を確認している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 さて、このような容
量の大きいリチウム二次電池には、電池内圧が上昇した
ときに所定の圧力で電池内圧を外気圧に開放する放圧弁
が設けられており、電池の温度上昇に基づく爆発を防止
している。しかしながら、電池の内圧上昇が急速で放圧
が追いつかない場合、放圧弁の作動不良が生じた場合等
には、電池の爆発は避けられない。また、電池が満充電
に近い状態にあるほど、より放出されるエネルギーも大
きくなることから、短絡等による電池の温度上昇は大き
なものとなる。
【0010】 そこで発明者らは、上述のように電池の
温度が上昇する原因は数多くあるが、詰まるところ、電
池に蓄積されているエネルギーによって電池自体が加熱
されることとなっている場合が殆どであり、また、内部
短絡時に最も電池温度が上昇することに着目した。即
ち、電池に蓄積可能なエネルギー量と電池自体の比熱
(若しくは熱容量)との間に所定の条件を満足させるこ
とにより、電池温度の上昇を一定温度以下に抑制するこ
とができると考え、本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、正負各電極板をセパレータを介して捲回若しくは積
層してなる電極体を備え、非水電解液を用いたリチウム
二次電池であって、当該電池の満充電時における単位重
量当たりのエネルギー量をE0(J/g)、当該電池の
比熱をCp(J/℃・g)、当該電池の通常使用温度を
1(℃)、当該電池の最高上昇温度をT2(℃)とし、
また、当該電池が熱により不安全な状態となる最低温度
をt(℃)としたときに、当該電池が、下記式、E0
/Cp+T1=T2<t ・・・式、の関係を満足する
ことを特徴とするリチウム二次電池、が提供される。
【0012】 ここで、最高上昇温度T2は、非水電解
液の沸点以下とすることが好ましい。また、最高上昇温
度T2は、非水電解液の主要成分の各沸点中の最も低い
温度以下としてもよい。更に、最高上昇温度T2を、セ
パレータの主要構成材料の融点中で最も高い温度以下と
することも好ましい。
【0013】 本発明のリチウム二次電池は、満充電時
の電池容量が2Ah以上の電池に好適に用いられる。ま
た、本発明のリチウム二次電池は、電気自動車若しくは
ハイブリッド電気自動車用の電源として、好適に用いら
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】 本発明のリチウム二次電池(電
池)は、正負各電極板をセパレータを介して捲回若しく
は積層してなる電極体を備え、非水電解液を用いたもの
である。但し、各1枚の正極板と負極板でセパレータを
挟み込んだ電極体を備えたコイン型電池ではあるが、そ
の電池容量が大きなものに適用することを妨げるもので
はない。
【0015】 図1は捲回型電極体(以下「捲回体」と
いう。)1の概略構造を示した斜視図である。捲回体1
は、集電用タブ(タブ)5・6が複数取り付けられた電
極板2・3(正極板2、負極板3)をセパレータ4を介
して巻芯13の外周に捲回した構造を有している。
【0016】 ここで、正極板2は集電基板の両面に正
極活物質を塗工して、正極活物質層を形成することによ
って作製される。集電基板としては、アルミニウム箔や
チタン箔等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好で
ある金属箔が好適に用いられる。なお、箔の代わりにパ
ンチングメタル或いはメッシュ(網)を用いることもで
きる。また、正極活物質としては、コバルト酸リチウム
(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNi
2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)等のリチ
ウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。
【0017】 これら各種の正極活物質の集電基板(金
属箔)への塗工は、正極活物質粉末に溶剤やバインダ等
を添加して作製したスラリー或いはペーストを、ドクタ
ーブレード法、ロールコータ法等を用いて、集電基板に
塗布・乾燥することで行われる。なお、正極活物質層の
形成に当たっては、通常、これら正極活物質粉末にアセ
チレンブラック或いはカーボンブラック等の炭素微粉末
が導電助材として加えられる。
【0018】 負極板3は、正極板2と同様にして作製
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。勿論、パンチン
グメタルやメッシュを用いてもよい。負極活物質として
は、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルフ
ァス系炭素質材料や、人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化
炭素質粉末が用いられる。
【0019】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するLiイオン透過性のポリエチレンフィルム(PE
フィルム)を、多孔性のLiイオン透過性のポリプロピ
レンフィルム(PPフィルム)で挟んだ3層構造とした
ものが好適に用いられる。これは、捲回体1の温度が上
昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマ
イクロポアが潰れ、Liイオンの移動即ち電池反応を抑
制する安全機構を兼ねたものである。そして、このPE
フィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持する
ことによって、PEフィルムが軟化した場合において
も、PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3
の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性
の確保が可能となる。
【0020】 電極板2・3とセパレータ4を巻芯13
周りに捲回する作業の際に、電極板2・3において電極
活物質が塗工されていない集電基板の露出した部分にタ
ブ5・6がそれぞれ取り付けられる。このため、電極板
2・3は、集電基材の幅方向の少なくとも一端に活物質
層が形成されていないストライプ構造とすることが好ま
しい。なお、巻芯13は、金属、樹脂、セラミック等種
々の材質のものを用いることができ、導電性材料を用い
る場合には、電極板2・3との絶縁を確保しなければな
らない。
【0021】 タブ5・6としては、それぞれの電極板
2・3の集電基板と同じ材質からなる箔状のものが好適
に用いられる。タブ5・6の電極板2・3への取り付け
は、超音波溶接やスポット溶接等を用いて行うことがで
きる。このとき、図1に示されるように、捲回体1の一
端面に一方の電極のタブが配置されるようにタブ5・6
をそれぞれ取り付けると、タブ5・6間の接触を防止す
ることができ、好ましい。
【0022】 上述の通りにして作製された捲回体1を
用いて、電池を組み立てるに当たっては、先ず、電流を
外部に取り出すための正負極端子とタブ5・6との導通
をそれぞれ確保しつつ、作製された捲回体1を電池ケー
スに挿入して安定な位置にホールドする。その後、捲回
体1に非水電解液を含浸させた後に、電池ケースを封止
することで電池を作製することができる。本発明におい
て、電池ケースの形状や構造、或いは捲回体1における
タブ5・6と正負極端子との接続の形態には何ら制限が
ないことはいうまでもない。
【0023】 なお、非水電解液としては、六フッ化リ
ン酸リチウム(LiPF 6)やホウフッ化リチウム(L
iBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩
素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲ
ン化物等から選ばれた1種類若しくは2種類以上の電解
質を、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボ
ネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、
プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル
系溶媒やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒に溶解して
なるものが好適に用いられる。
【0024】 次に、図2に積層型電極体(以下「積層
体」という。)7の斜視図を示す。積層体7は、正極板
8と負極板9とを、セパレータ10を介しながら交互に
積層した構造を有しており、電極板8・9の1枚1枚に
タブ11・12が取り付けられている。図2では電極板
8・9等の面形状は四角形であるが、円形、楕円形等種
々の形状とすることができる。
【0025】 なお、電極板8・9の作製には、前述し
た捲回体1に用いられる電極板2・3と同様の方法を用
いることが可能である。また、積層体7を収容する電池
ケースの形状や電池の端子位置、電池の外形について制
限がないことはいうまでもなく、セパレータや非水電解
液についても、捲回体1を用いた場合と同様のものを用
いることができる。
【0026】 さて、本発明においては、上述した捲回
体1又は積層体7を用いて、下記式、 E0/Cp+T1=T2<t ・・・式 但し、E0(J/g):電池の満充電時における単位重
量当たりのエネルギー量、 Cp(J/℃・g):電池の比熱、 T1(℃):電池の通常使用温度、 T2(℃):電池の最高上昇温度、 t(℃):電池が熱により不安全な状態となる最低温
度、 の関係が満足されるように、電池を構成する。
【0027】 ここで、実際に電池に充填された単位重
量当たりのエネルギー量をE(J/g)とすると、E≦
0の関係が成り立つから、式は充電状態には依存せ
ずに成立することとなる。電池の比熱Cp(J/℃・
g)は、電池全体の比熱を指し、電極体のみの比熱を指
すものではない。なお、E0の代わりに電池全体のエネ
ルギー量E0’(J)を、Cpの代わりに電池全体の熱
容量C(J/℃)を用いても、式は同様に成立するこ
とは明らかである。電池に蓄えられるエネルギー量は、
電池の充電容量(放電可能容量)から求めることができ
る。
【0028】 電池の比熱Cpは、恒温乾燥器等の中に
載置することにより電池内部まで一定の所定温度保持さ
れた電池を、デュワー瓶中に蓄えられた水の中へ投下し
て、その上昇水温を測定する方法等により求めることが
できる。なお、比熱公知の材料塊を用いて、デュワー瓶
からの放熱による熱損失を予め求めておけば、より正確
な電池の比熱を測定することができる。
【0029】 通常使用温度T1(℃)は、多くの場合
は室温であるが、例えば、自動車等のヘッドライト、パ
ワーウインドウ等の電装品用電源として用いられる場合
には、エンジンが載置されているボンネット内に置かれ
る場合が多いことから、ボンネット内での載置される部
分における温度と定めることができる。
【0030】 最高上昇温度T2(℃)は、式から明
らかなように、電池に蓄積されたエネルギーによって、
電池自体が温められて到達する電池温度を指している。
また、電池が熱により不安全な状態となる最低温度t
(℃)とは、例えば、非水電解液が蒸発する温度、セパ
レータが溶融することによって正極板と負極板が短絡す
る温度、電池構成成分の発熱反応により反応が急激に開
始する温度等をいう。ここで、非水電解液の沸点は、非
水電解液を形成する溶媒の種類や混合比率等によって異
なり、また、使用するセパレータも材質が異なれば溶融
する温度も異なることから、tは電池の設計(構造や使
用材料等)によって異なるものとなる。
【0031】 次に、式を満足するように電池を設計
する方法について、以下に説明する。先ず、使用される
非水電解液等の電池の不安全性に関与する材料の熱的特
性を考慮してtを定める。次に、T2を安全係数等を考
慮して任意に定める。T1は使用方法や配設位置により
決定される。
【0032】 Cpを決定するに当たっては、先ず、電
池ケースや電池端子等の電極体を除いた他の部分のみの
比熱を、先に述べたデュワー瓶を用いた方法等によって
求め、次に、電極体のみの比熱を同様の方法により求め
る。更に、電極体が捲回体の場合には、巻芯の比熱も単
独で求めておくと好ましく、これにより、正極板と負極
板並びにセパレータからなる部分の比熱を求めることが
できる。
【0033】 次に、試験的に、上述したように比熱が
公知である材料を用い、また、各部材の重量を記録して
電池を作製し、実際にできあがった電池(第1試験品)
のCp及びE0を求める。求められた各値からE0/Cp
を算出し、更にT 1を考慮すると、第1試験品の理論的
な電池の最高上昇温度(以下、「T2’」と表す。)が
求められる。このT2’が先に定めたT2よりも高くなる
場合には、大きくは次の2通りの少なくともいずれかの
方法を用いることにより、T2’をT2との差を許容範囲
内に納めることができる。
【0034】 このときの1つの方法は、E0は電極体
における正極板の面積に比例すると考えることができる
から、E0が小さくなるように、使用する電極板の面積
を小さくする、つまり電極体を小型化する方法である。
例えば、電池ケース等の電極体以外の部品について第1
試験品と同じものを用いるならば、電極体の重量が減少
すること、電極体の重量の減少に伴って充填される非水
電解液の量が減少すること、電極体を電池ケース内で安
定に保持するために巻芯の径を大きくする場合には巻芯
の重量増に伴って熱容量が変化すること等を考慮して、
予め計算により好適な正極板の面積を算出し、再び電池
(第2試験品)を作製する。
【0035】 なお、第1試験品を作製するに当たって
使用した部材から求められる平均的なCpと作製された
第1試験品から求められた実際の電池のCpとを比較し
て、前述した第2試験品を作製するに当たって行う計算
の補正をすることも好ましい。
【0036】 別の方法は、電池の温度上昇が起こり難
くなるように電池の熱容量を大きくする方法であり、具
体的には、電池ケースを大型化する、使用部材(材質)
を変更する、電池内空間或いは電池外周に適度な熱伝導
性を有する材料を付加する等の方法である。しかしなが
ら、このような方法は、電池自体の重量増、即ち重量エ
ネルギー密度の低下につながることも多く、従って、試
験品のT2’とT2の差が小さい場合にのみ用いることが
好ましい。なお、上述した2つの方法を併用すること
も、当然に可能である。
【0037】 このような方法により再び作製した電池
(第2試験品)のCp、E0を測定してT2’を求め、予
め定められたT2と比較し、条件に適合しているか否か
を判断する。このような作業は、先の正極板の面積見直
しの際の計算等の精度によっても異なるが、少なくとも
数回行えば、電池の正確な設計条件を得ることができ
る。なお、電池ケース等のサイズを変更する場合には、
サイズ変更に伴う熱容量の変化をも考慮することが好ま
しい。
【0038】 ところで、第1試験品におけるT2’が
定めたT2よりも低い場合には、電極体を大型化するこ
とも可能であり、このときに、電池ケース等を大型化す
る必要がある場合には、電池ケース等の大型化に伴う熱
容量の変化を考慮すればよい。
【0039】 次に、最高上昇温度T2の決定の形態に
ついて説明する。1つの方法は、最高上昇温度T2を非
水電解液の沸点以下に設定することである。例えば、非
水電解液に用いられる溶媒の沸点は、前述したPCで2
41℃、ECで248℃、DECで127℃、DMCで
90℃である。このような溶媒を混合した場合には、分
子間相互作用によって沸点が上昇する場合があるが、そ
れぞれの成分が沸点で蒸発を始める場合も起こり得る。
【0040】 従って、本発明で定義する非水電解液の
沸点とは、非水電解液から、少なくとも非水電解液を構
成する一成分が蒸発を始める温度を指すものとする。沸
点は外圧によって変化するが、電池内の非水電解液にか
かる外圧とはいうまでもなく電池内圧であり、通常は1
気圧である。但し、電池外温度、電池封止時の不活性ガ
ス圧力等により変化し得る。
【0041】 別の形態は、最高上昇温度T2を、非水
電解液の主要成分の各沸点中で最も低い温度以下に設定
する方法である。これは、微量成分の蒸発が、直ちに電
池の破裂等に至るような内圧上昇を引き起こすとは考え
難いことよる。なお、非水電解液の主要成分とは、具体
的に何%以上含まれる成分のことを指すものではない。
例えば、溶媒Aと溶媒Bの等量混合物では両溶媒A・B
が主要成分であることはいうまでもなく、溶媒Aが20
%、溶媒Bが80%の場合にも溶媒Aは主要成分と考え
ることができる。これに対して、溶媒Aが98%であ
り、溶媒Bが2%といった混合溶媒では、主要成分は溶
媒Aのみと考えることができる。主要成分であるか否か
については、他のどの成分に対しても相対的に1/20
以下の含有量しか含まれていな成分は主要成分でないと
し、この条件を判断基準とすることができる。
【0042】 さて、更に別の形態は、最高上昇温度T
2の基準を、セパレータの主要構成材料の融点中で最も
高い温度以下とする方法である。例えば、前述した3層
構造を有するPP/PE/PPフィルムからなるセパレ
ータでは、融点が高く、セパレータの骨格をなすPPフ
ィルムが溶融すると、正極板と負極板の直接接触の危険
性が高くなることから、T2をPPフィルムの溶融温度
以下とすれば、電池の安全性が確保され、好ましい。
【0043】 ところで、上述した式は、電池が外部
環境に対して断熱状態にあることを前提としているが、
実際には電池温度が上昇したときには電池表面から外部
へ熱が放出されることとなるから、もし、電池に蓄積さ
れたエネルギーによって電池自体が加熱されても、電池
の温度が設定されたT2に達することは現実には起こり
得ないと言ってもよい。このことは、逆に言えば、電池
の上昇温度がT2よりも低い温度に抑えられるというこ
とを示していることから、式の条件を満たす電池は、
より安全性が高められた状態となっていることを示して
いる。
【0044】 上記式を満足する本発明のリチウム二
次電池の構成は、満充電時の電池容量が2Ah以上、特
には5Ah以上の大容量電池に好適に用いられるが、2
Ah以下の容量の電池に用いることも、勿論可能であ
る。そして、電池の用途に制限はないことはいうまでも
ないが、安全性の確保が要求される電気自動車若しくは
ハイブリッド電気自動車用のモータ駆動用電源或いは電
装品用電源として、特に好適に用いられる。
【0045】
【発明の効果】 以上、本発明のリチウム二次電池によ
れば、短絡事故等により電池が自己発熱した場合であっ
ても、蓄積エネルギーが電池の比熱との関係で制限され
ているために、電池温度が所定温度以上に上昇すること
がない。従って、電池の爆発、発火等が回避されて安全
性が確保されるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 捲回型電極体の概略構造を示す斜視図であ
る。
【図2】 積層型電極体の概略構造を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5・6…タブ、7…積層型電極体、8…正極
板、9…負極板、10…セパレータ、11・12…タ
ブ、13…巻芯。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正負各電極板をセパレータを介して捲回
    若しくは積層してなる電極体を備え、非水電解液を用い
    たリチウム二次電池であって、 当該電池の満充電時における単位重量当たりのエネルギ
    ー量をE0(J/g)、当該電池の比熱をCp(J/℃
    ・g)、当該電池の通常使用温度をT1(℃)、当該電
    池の最高上昇温度をT2(℃)とし、また、当該電池が
    熱により不安全な状態となる最低温度をt(℃)とした
    ときに、当該電池が、下記式、 E0/Cp+T1=T2<t ・・・式 の関係を満足することを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記最高上昇温度T2が、前記非水電解
    液の沸点以下であることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記最高上昇温度T2が、前記非水電解
    液の主要成分の各沸点中の最も低い温度以下であること
    を特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記最高上昇温度T2が、前記セパレー
    タの主要構成材料の融点中で最も高い温度以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリ
    チウム二次電池。
  5. 【請求項5】 満充電時の電池容量が2Ah以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    リチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 電気自動車若しくはハイブリッド電気自
    動車用の電源として用いられることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
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