JP2005174686A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電池特性を損なうことなく、破壊や内部ショートなどによっても自己発熱に至らない安全性に優れたリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】 電池の発電要素として集電体上に形成された正極及び負極活物質層と、電解質層とを具備するリチウムイオン電池において、前記発電要素が関係式;{発電要素の単位面積当りの蓄エネルギー量×(正極+負極活物質層の塗膜厚さ)}/{発電要素の単位面積当りの吸熱量×(正極+負極集電体厚さ)}≦28を満足することを特徴とするリチウムイオン電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、異常時であっても高い安全性が求められる各種用途に好適に利用されるリチウムイオン電池、該電池を複数接続した組電池及びこれらを搭載した車両に関するものである。
近年、環境保護運動の高まりを背景として電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)の導入を促進すべく、これらのモータ駆動用電源やハイブリッド用補助用電源等の開発が行われている。こうした用途では、繰り返し充放電可能なリチウムイオン二次電池が使用されている。EV、HEV、FCVのモータ駆動等のような高出力及び高エネルギー密度が要求される用途では、単一の大型電池は事実上作れず、複数個の電池を直列に接続して構成した組電池を使用することが一般的である。このような組電池を構成する一個のリチウムイオン電池では、異常時(例えば、交通事故など)に外力による破壊や内部ショートなどによって、電池内部で短絡した箇所に一気に電流が流れて発熱して、ある臨界点(温度)を超えると連鎖反応的に反応が進んでしまう正極活物質の自己発熱が起こる可能性があった。この自己発熱自体は制御しにくいという問題があった。特に、車両搭載用の高出力、高容量電源など高い安全性が求められる用途では、破壊や内部ショートなどによっても自己発熱に至らないようなリチウムイオン電池の開発が望まれていた。
かかる課題を解決する手段として、電解液中に、ある温度(自己発熱を生じる臨界温度より低い温度)で電解液と反応して固まるような添加剤を入れることにより、破壊や内部ショートなどによって電池温度が上昇した際に電解液と該添加剤とが反応して固化し、それ以上のイオンの動きを抑えることで電池反応が進まないようにすることで、電池の自己発熱を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開平9−171840号公報 特開平11−162512号公報 特許第03061759号公報(段落0029)
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されている方法では、電解液に添加剤を入れることで安全性を上げることはできるものの、添加剤を入れることで、電池特性が悪くなるという問題があった。即ち、該添加剤は反応しやすいものであるため、通常の充放電のたびに電池温度が上昇することで電解液が少しずつ固化していく問題があった。また、電池内には酸化側、還元側で±4V以上の電位がかかるので、それだけ電位層が広い材料はなく、長期的に見ると結局正常時でも反応してしまって電解液が固化してしまうなど、電池特性が低下していく問題があった。このように電解液に添加剤を入れる方法では、電池としての品質管理に問題もあってうまく対応できるものではなかった。即ち、電池特性を犠牲にして安全性を確保するというものであり、電池特性と安全性の双方に優れる電池が望まれていた。
そこで、本発明は、上記の従来技術の課題に着目されたものであり、電池特性を損なうことなく、破壊や内部ショートなどによっても自己発熱に至らない安全性に優れたリチウムイオン電池、該電池を複数接続した組電池並びにこれらを搭載した車両を提供することを目的とする。
本発明は、電池の発電要素として集電体上に形成された正極及び負極活物質層と、電解質層とを具備するリチウムイオン電池において、
前記発電要素が下記関係式
Figure 2005174686
を満足することを特徴とするリチウムイオン電池により達成される。
本発明のリチウムイオン電池によれば、発熱する発電要素である電極活物質層が持つ単位面積当たりの蓄エネルギー量(単に、発熱量ともいう。単位[Wh/cm])、発熱しない(吸熱する)発電要素である電極集電体等が持つ単位面積あたりの熱容量(単に吸熱量ともいう。単位[J/(cm・K])、更に電極集電体及び電極活物質層の塗膜厚さ(単位[μm])などより求められる値が所定の範囲内、具体的には28以下の範囲内になるように電池を作成する事で、異常時でも問題ない挙動を示す電池、即ち自己発熱に至ることなく放電されてしまう(電池放電容量がゼロになる)電池を得る事が出来る。さらに、本発明では、上記関係式で求められる電池の発電要素(電極構成)とする事で、電池特性を悪化させるような添加剤を加えなくともよいため電池特性を損なうことなく、高出力で高信頼性の電池を得る事が出来る。その結果、EV、HEV、FCVのモータ駆動電源や補助電源等のような高出力及び高エネルギー密度でかつ高い信頼性(特に異常時安全性)が要求される用途に好適に利用することができる。
本発明は、電池の発電要素として集電体上に形成された正極及び負極活物質層と、電解質層とを具備するリチウムイオン電池において、
前記発電要素が下記関係式(第1の関係式ともいう)
Figure 2005174686
を満足することを特徴とするものであり、好ましくは発電要素が下記関係式(第2の関係式ともいう)
Figure 2005174686
(ここで、上記式中の符号は下記表1
Figure 2005174686
で定義されるものである。)を満足することを特徴とするものである。これにより、電池特性を損なうことなく高出力且つ高容量であり、更に異常時の外力による破壊や内部短絡などによっても自己発熱に至らない安全性に優れた電池を提供することができる。また、従来は、異常時の安全性を確認するのには、破壊試験として、作製した電池製品ロットの中から抜き取った電池サンプル(5個程度)を用いて釘刺しなどにより、電池製品ロット全体の安全性を推認するに止まっており、5個のサンプル内でも釘刺し試験結果がバラツクこともある(電池発電要素への接触のしかたの違いなど)ため、電池製品ロット全体の安全性を評価しにくい問題があった。例えば、5個のうち1個でも自己発熱に至ったものがあれば、残る電池を個別に評価するすべもなく、これをもって電池製品ロット全体を不良ロットと認定せざるを得ず、製品歩留まりが大きく低下することになっていた。特に電池にした後に行う試験のため、経済的損失も大きくなる。そのため全数かつ非破壊により電池の安全性を評価判定(確認)することのできる画期的な手法の確立が強く求められていた。本発明は、かかる全数かつ非破壊により電池の安全性を確認することのできる画期的な手法を見出したものであり、上記関係式を満足することで、異常時の外力による破壊や内部ショートなどによっても自己発熱に至らない安全性に優れた電池にできる。そのため、従来のように全ての電池の信頼性(安全性)を僅かなサンプル数による破壊試験結果に基づき保証しなければならないという問題もなく、全ての電池に対してその安全性を十分に保証することができる画期的な電池設計による高信頼性電池を提供することができるものである。
すなわち、本発明は、上記第1ないし第2の関係式を用いてリチウムイオン電池の異常時でも自己発熱しない安全性な電池か否かを判定する手法(評価基準)ともいえる。既存の製造条件下で作成した場合には、使用目的にあった電極活物質や集電体の熱容量や厚さを適宜選択することはできても、異常時の危険性の有無は破壊試験によらなければならず全数検査できず、またサンプル間でバラツク可能性もあるため信頼性向上が難しいが、本発明では、電池特性の向上を図りつつ、上記第1ないし第2の関係式に基づき、電池設計段階で異常時でも自己発熱に至らない安全性能を備えているか否かを判定できるという格別の利点を有する。
以下、本発明の実施の形態につき説明する。
本発明で規定する上記第1及び第2の関係式は、以下の考えに基づき知得されたものである。
従来の電池はその構成上危険な場合がある。特に高出力、高容量化が求められる昨今では、小さい容積の中に大きなエネルギーを貯め込むため、何かの拍子に(大抵は異常時の外力による破壊や内部短絡により)一気にそのエネルギーが開放され、自己発熱に至る。そのエネルギーを貯め込むもとは、電極活物質である。電解質層(セパレータや電解液等)、電極集電体はエネルギー貯蔵できない。内部短絡等した場合には、短絡箇所に一気に電流が流れて発熱して、ある臨界温度(臨界点)を超えると自己発熱をはじめ連鎖反応的に反応が進んで、ガスが噴出するなどの問題が生じる。実際の臨界点は正極活物質に依存するため、正極活物質のDSC(示差走査熱量測定)による熱分析の結果、例えば、ニッケル系の正極活物質では200℃近辺に、マンガン系の正極活物質では300℃近辺に臨界点が存在し、該臨界点を超えると自分から発熱を始めて反応を進めてしまう。ここの臨界点に達しなければ、何かあった場合(内部短絡等)でも連鎖反応のモードには至らずに放電が終了して安全な状態になる(電池容量がゼロになる)。本発明では、従来のごとく、短絡時の発熱を抑えれば、自己発熱までには至らないとの発想から、電解液に添加剤を用いて電解液を固化させて、電池内部のLiイオンが電解液内を伝導できないようにすることで反応を強制的に停止させ、短絡時の発熱を抑えるのではなく、短絡時の発熱は起こるが、同時に、その熱を如何に逃がすかが重要である点に着目したものである。即ち、臨界点を超えることなく熱を逃がしさえすれば、自己発熱による連鎖反応を引き起こすことなく安全に放電を完了させることができることを見出したものである。そのため、従来のように電池特性を損なうこともない。
本発明では、電池の発電要素のうち、発熱する電極活物質層(特に正極活物質層)と、それ以外のもの(特に吸熱効果のある集電体)との蓄エネルギー量(発熱量)ないし熱容量(吸熱量)及び厚さの比を変えていくことで、あるところに安全な領域(熱を効果的に逃がすことのできる領域)が出現することを見出しなされたものである。なお、本発明では、後述する実施例に示すように、主に正極側のパラメータを変えながら実験している(詳しくは、正極側の正極活物質層の厚さ(正極活物質層の厚さが決まると負極活物質層の厚さが決まる。)と集電体の厚さを変えて実験している)。主に正極側のパラメータを変えながら実験しているのは、自己発熱反応を始めるのは、正極活物質自体の構造が変化しながら、例えば、リチウム−マンガン複合酸化物(LiMnO)では、その酸素が外れながら安定な構造に落ちていく際にエネルギーを発生(放出)していくのであり、主に発熱するのは正極活物質(=着火剤)であるためである。ただし、本発明では、上記関係式を満足する範囲で、任意のパラメータを自由に変化させることができるものであり、実施例に何ら制限されるものではない。
このように、電池の発電要素には、発熱するものと、吸熱するものとがある。その蓄エネルギー量(発熱量)ないし熱容量(吸熱量)や厚さの比率を変えることで、自己発熱に至らないような安全な領域が存在することが見出せたものである。
上記第1及び第2の関係式において、蓄エネルギー量および熱容量は、発電要素の材質によっても変わってくるため、上記表1に示すように、電極(正極及び負極)活物質及び電極集電体の比熱や密度を入れているほか、これらの厚さも考慮している。更に、上記したように電池発電要素の持っている単位面積あたりの蓄エネルギー量(=充電時の最大充電(満充電)したときに蓄えられる発電要素の単位面積あたりのエネルギー量をいう。明細書中、単に発熱量ともいう。)というのは、正極活物質の容量に依存するので、上記第2の関係式の発電要素が持つ単位面積当りの蓄エネルギー量を規定するパラメータには正極放電容量Capを入れている。
即ち、第1の関係式中の発電要素が持つ単位面積当りの蓄エネルギー量は、発熱する発電要素である電極活物質が持っている単位面積当りの蓄エネルギー量(最大値で計算)として求まるものであり、具体的には、第2の関係式のCapapとして求まる。即ち、このCapapの単位は、Wh/cmで、発電要素が持つ単位面積あたりの蓄エネルギー量に相当する。
ここで、Capは正極放電容量[mAh/g]をいい、正極単独で測ったときの初期放電容量の実測値であり、詳しくは、定電流−定電圧方式で、Mn系では4.2[v]1[C]3[h]、Ni系では4.1[v]1[C]3[h]の条件で最大充電(満充電)した後に定電流でMn系、Ni系ともに3.0[V]の条件で放電した際の1グラム当たりの正極初期放電容量(実測値)をいうものとする。したがって、負極と組み合わせた実際の電池の放電容量(実際値)とは異なる。この正極放電容量Cap[mAh/g]については、上記条件により実験を行って求めてもよいが、正極活物質材料ごとに1グラム当たりの定格(公称)放電容量として、各種学術書や専門書、あるいは学会等の論文等に掲載されている値を用いてもよいし、更に市販されているものであれば、製造元(メーカー)ないし販売先がカタログなどに正極(活物質)の放電容量として掲載している値を用いてもよい。後述する実施例での正極放電容量Cap[mAh/g]は、LiMnでは100[mAh/g]、LiNiOでは160[mAh/g]の値を用いた。
apはセル平均放電電圧[V]をいい、0.2Cで4.2Vまで満充電した後に0.2Cで3Vまで放電した際の放電のプロファイルから1セル当たりの放電電圧を平均した値をいうものとする。このセル平均放電電圧[V]については、上記条件により実験を行って求めてもよいが、正極及び負極活物質材料の組合せで決まるため、定格電圧ないし公称電圧として各種学術書や専門書、あるいは学会等の論文等に掲載されている値を用いてもよいし、既に市販されている正極及び負極活物質材料の組合せであれば、製造元(メーカー)ないし販売先がカタログなどに掲載しているセルの定格電圧を用いてもよい。後述する実施例でのセル平均放電電圧Vap[V]は、LiMn、LiNiOともに3.7[V]の値を用いた。また、ここでいうセル(単電池)とは、一対の正極と負極と電解質層とで構成されるリチウムイオン電池の最小構成単位をいう(図2参照のこと)。
は正極面積密度[mg/cm]をいい、単位面積あたりの正極活物質層の質量(グラム量)をいう。ここでいう、正極活物質層の質量は、1セル当たりの正極活物質層の量が基準となる。よって、図2に示す、正極と負極を電解質層を介して対峙するように積層した発電要素(1層)11のように、正極として正極集電体(アルミ箔等)12の両面に正極活物質層(の塗膜)13が形成される場合であっても、対象とするのは、電解質層(電解液含浸セパレータ等)14を挟んで負極(負極集電体(銅箔等)15の両面に負極活物質層(の塗膜)16が形成されたもの)と対峙する正極集電体12の片面に形成された正極活物質層13である。後述する実施例1を例にとれば、正極集電体のアルミ箔の片面に、正極スラリーの塗布により形成された正極活物質層の目付け量5mg/cmが正極面積密度Dとなる。また、正極活物質層の質量は、正極活物質材料だけでなく、正極活物質層を構成する正極材料(正極活物質のほか導電材やバインダ等を含む)全体の質量をいうものとする(実施例参照のこと)。なお、正極面積密度D[mg/cm]は、単位面積あたりの正極活物質層の厚さが変われば重さが変わるので、単位面積あたりの正極活物質層の厚さに置き換えてもよい。
同様に、第1の関係式中の、発電要素が持つ単位面積当りの熱容量(=吸熱量)は、主にエネルギーを蓄えることができず発熱しないもの(吸熱するものを含む)である正極及び負極集電体の厚さと比熱と密度のほか、更に集電体以外の発電要素(発熱する発電要素も考慮し、他の発電要素である正極及び負極活物質層及電解質層)の方の比熱についても、電極活物質で発熱して全部が集電体に移るわけではないので、これら集電体以外の材料自体が吸熱する場合もあるので、それも考慮に入れて(吸熱量に加えて)単位面積あたりの吸熱量を求める必要がある。これらを考慮に入れることで電池の異常時安全性の判断基準がより正確に求まり、電池の信頼性の向上につながる。具体的には、第2の関係式の(Dcecece+Daeaeae+18.3D)として求まる。
このうち、Dcececeは正極集電体の吸熱量であり、単位はJ/cm・Kで、単位面積あたりの吸熱量になる。
ここで、Dceは、正極集電体密度[g/cc(=g/cm)]をいい、単位体積である1cc(cm)当たりの正極集電体の質量をいう。Hceは、正極集電体厚さ[μm]をいう。Cceは、正極集電体比熱[J/gK]をいう。なお、正極集電体が、2種以上の金属の合金あるいは貼合せ材料などの場合でも、上記Dce、Hce及びCceは簡単に求まることから、何ら制限されることなく使用可能である。
また、Daeaeaeは負極集電体の吸熱量であり、単位はJ/cm・Kで、単位面積あたりの吸熱量になる。
ここで、Daeは、負極集電体密度[g/cc(=g/cm)]をいい、単位体積である1cc(cm)当たりの負極集電体の質量をいう。Haeは、負極集電体厚さ[μm]をいう。Caeは、負極集電体比熱[J/gK]をいう。負極集電体が、2種以上の金属の合金あるいは貼合せ材料などの場合でも、上記Dae、Hae及びCaeは簡単に求まることから、何ら制限されることなく使用可能である。
また、18.3Dは、係数の18.3に正極活物質層の面積密度と正極活物質層の比熱を掛けたものであり、単位はJ/cm・Kで、単位面積あたりの吸熱量になる。
この18.3Dは、いわば正極活物質層の単位面積あたりの吸熱量と負極活物質層の単位面積あたりの吸熱量と電解質層(セパレータと電解液など)の単位面積あたりの吸熱量の総量を表すものである。正極活物質層の比熱と負極活物質層の比熱と電解質層(セパレータと電解液など)の比熱はあまり変わらないので、係数の18.3は、これらを正極活物質層の比熱D・面積密度Cにまとめた際に算出された係数といえる。この際、これらの面積密度も、主に正極基準となるので、正極面積密度をパラメータとして掛けあわせれば足りるのであり、この点を考慮して、負極および電解質層の面積密度は、係数18.3に反映されるようにしているもいえる。ただし、本発明では、これらの値は係数の18.3を用いずにそれぞれの比熱・面積密度の総量を求めてもよく、その際には上記第1の関係式が適用できる。即ち、この点を除けば、第1の関係式=第2の関係式が成立する。
ここで、Cは正極比熱[J/gK]をいい、上記正極面積密度で説明したと同様に、1セル当たりの正極活物質層の比熱を言うものである。よって、正極集電体の両面に正極活物質層が形成される場合であっても、対象とするのは、電解質層を挟んで負極と対峙する正極集電体の片面に形成された正極活物質層の比熱である。また、この正極活物質層の比熱は、正極活物質材料だけでなく、正極活物質層を構成する正極材料(正極活物質のほか導電材やバインダ等を含む)全体の比熱をいうものとする。
また、Dに関しては、上記した通りである。
また、リチウムイオン電池は、巻いたり重ねたりいろいろな形態があるが、結局、単位面積部分だけ考えれば、あとは全部一緒なので(即ち、発電要素の構成によらず、上記関係式に当てはめることができるので)、単位面積あたりの蓄エネルギー量(発熱量)と吸熱量にしている。上記関係式中の単位面積あたりのエネルギー量(発熱量)÷吸熱量(全体合計)=温度上昇(反応が一瞬に行った場合で均一化された場合にどの程度の温度上昇があるかをみているともいえる。時間のファクターは考慮せず)を見ている。本発明では、さらに関係式の分子側に正極と負極の活物質層の塗膜厚さを、関係式の分母側に、正極と負極の集電体の厚さを掛けている。これは、熱移動は厚いと移動が遅く、薄いほど速くなることから、活物質層からは速く熱が逃げることが望ましく、集電体には速く熱が入るのが望ましいことから、関係式では上記温度上昇に関するエネルギー量(発熱量)と吸熱量が重要なファクターとなっていることに加えて、熱移動(熱流速)に関与する活物質層の塗膜と集電体の厚さも重要なファクターになっている。集電体は厚い方が比熱が大きくなり、活物質層との温度差が大きく取れるので、熱移動が速くなる。活物質層は、熱をなるべく速く外に逃がしたいので、集電体とは逆で薄い方が、熱移動が速くなる。そのため、本発明の関係式では、厚みによる熱移動効果を盛り込むべく、第1の関係式では正極+負極の活物質層の塗膜厚さ(具体的には、第2の関係式のH+Hとして求まる)を掛け、正極+負極の集電体の厚さ(具体的には、第2の関係式のHce+Haeとして求まる)で割っている。
ここで、Hは、正極活物質層の塗膜厚さ[μm]をいい、1セル当たりの正極活物質層の厚さを言うものである。よって、正極集電体の両面に正極活物質層の塗膜が形成される場合であっても、対象とするのは、電解質層を挟んで負極と対峙する正極集電体の片面に形成された正極活物質層の塗膜厚さである(実施例1参照のこと)。
は、負極活物質層の塗膜厚さ[μm]をいい、1セル当たりの負極活物質層の厚さを言うものである。よって、負極集電体の両面に負極活物質層の塗膜が形成される場合であっても、対象とするのは、電解質層を挟んで正極と対峙する負極集電体の片面に形成された負極活物質層の塗膜厚さである(実施例1参照のこと)。
また、Hce及びHaeに関しては、上記した通りである。
なお、本発明では、後述するように、通常のバイポーラ型でないリチウムイオン電池のほか、バイポーラ型のリチウムイオン電池にも適用可能である。この場合、1つの集電体の片面に正極活物質層が、もう一方の面に負極活物質層がそれぞれ形成されてなるバイポーラ電極構造となっているため、この場合には、正極集電体と負極集電体は一体化されている。したがって、上記第2の関係式のうち、正極集電体厚さHce及び負極集電体厚さHaeは、共にバイポーラ電極に用いられる集電体厚さを用いればよい。同様に、正極集電体比熱Cce及び負極集電体比熱Caeは、共にバイポーラ電極に用いられる集電体比熱を用いればよく、正極集電体密度Dce及び負極集電体密度Daeは、共にバイポーラ電極に用いられる集電体比熱を用いればよい。
本発明では、上記第1の関係式全体ないし第2の関係式のXが28以下(X≦28)であればよい(実施例及び図1参照のこと)。かかる要件を満足することで、電池特性を損なうことなく、破壊や内部ショートなどによっても自己発熱に至らない安全性に優れたリチウムイオン電池を作成することができるものである。Xの単位は[K]である。尚、Xの下限値に関しては、電池の使用目的(特に電池容量等)などにより異なるため、特に制限されるものではない。例えば、実施例ではMn系の活物質を用いた電池容量900mAhのもので、X=9.8となっているが、更に携帯電子機器用の小型で薄型のリチウムイオン電池の場合などでは、よりXが小さくできるためといえる。
以上が本発明の主要な構成要件である、第1乃至第2の関係式についての説明である。
本発明の上記構成要件を適用し得る電池としては、リチウムイオン電池である。かかるリチウムイオン電池は、高エネルギー密度、高出力密度が達成でき、車両の駆動電源用等として好適に利用できるほか、携帯電話などの携帯機器向けのリチウムイオン電池にも十分に適用可能である。
すなわち、本発明の対象となるリチウムイオン電池は、上述した本発明の上記構成要件を満足するリチウムイオン電池であればよく、他の構成要件に関しては、何ら制限されるべきものではない。例えば、上記リチウムイオン電池を使用形態で区別する場合には、1次電池および2次電池のいずれの使用形態にも適用し得るものである。上記リチウムイオン電池を形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。また、リチウムイオン電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、上述したバイポーラ型ではない(内部並列接続タイプ)電池およびバイポーラ型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。バイポーラ型電池では、通常の電池に比べて単電池の電圧が高く、容量、出力特性に優れた電池を構成できる。また、電解質に電解液含浸セパレータ(液型電解質ともいう)ではなく、ゲル電解質を用いるゲル電解質型のリチウムイオン電池は液漏れが生じにくいので、信頼性が高く、かつ簡易な構成で出力特性に優れた非水電池を形成することができる点では有利である。また、積層型(扁平型)電池構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点では有利である。
したがって、以下の説明では、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池及びバイポーラ型のリチウムイオン二次電池につき図面を用いてごく簡単に説明するが、決してこれらに制限されるべきものではない。
図4に、バイポーラ型でない扁平型(積層型)の非水電解質リチウムイオン二次電池の断面概略図を示す。図4に示すリチウムイオン二次電池31では、電池外装材32に高分子−金属を複合したラミネートフィルムを用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、正極集電体33の両面に正極活物質層34が形成された正極板、電解質層35、および負極集電体36の両面(発電要素の最下層および最上層用は片面)に負極活物質層37が形成された負極板を積層した発電要素38を収納し密封した構成を有している。また、上記の各正極板及び負極板と導通される正極(端子)リード39および負極(端子)リード40が、各電極板の正極集電体33及び負極集電体36に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられ、上記熱融着部に挟まれて上記の電池外装材32の外部に露出される構造を有している。
図5に、バイポーラ型の非水電解質リチウムイオン二次電池(以下、単にバイポーラ電池とも称する)の全体構造を模式的に表わした概略断面図を示す。図5に示したように、バイポーラ電池41では、1枚または2枚以上で構成される集電体42の片面に正極活物質層43を設け、もう一方の面に本発明の負極活物質層44を設けたバイポーラ電極45を、電解質層46を挟み隣合うバイポーラ電極45の正極活物質43と負極活物質層44とが対向するようになっている。すなわち、バイポーラ電池41では、集電体42の片方の面上に正極活物質層43を有し、他方の面上に負極活物質層44を有するバイポーラ電極45を、電解質層46を介して複数枚積層した構造の電極積層体(バイポーラ電池本体)47からなるものである。また、こうしたバイポーラ電極45等を複数枚積層した電極積層体47の最上層と最下層の電極45a、45bは、バイポーラ電極構造でなくてもよく、集電体42(または端子板)に必要な片面のみの正極活物質層43または負極活物質層44を配置した構造としてもよい。また、バイポーラ電池41では、上下両端の集電体42にそれぞれ正極および負極リード48、49が接合されている。
なお、バイポーラ電極45(電極45a、45bを含む)の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、バイポーラ電池41では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、バイポーラ電極45の積層回数を少なくしてもよい。また、本発明のバイポーラ電池41では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電極積層体47部分を電池外装材(外装パッケージ)50に減圧封入し、電極リード48、49を電池外装材50の外部に取り出した構造とするのがよい。このバイポーラ電池41の基本構成は、複数積層した単電池層(単セル)が直列に接続された構成ともいえるものである。このバイポーラ型の非水電解質リチウムイオン二次電池は、その電極構造が異なることを除いては、基本的には上述したバイポーラ型でない非水電解質リチウムイオン二次電池と同様であるため、各構成要素につき以下にまとめて説明する。
[電極集電体]
本発明で用いることのできる電極集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、SUS及びニッケル等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。また、正極集電体及び負極集電体には、平板(箔)のほか、ラスプレート、すなわちプレートに切目を入れたものをエキスパンドすることにより網目空間が形成されるプレートにより構成されているものを用いることもできる。
集電体の比熱(Cce、Cae)及び密度(Dce、Dae)は、上記集電体の材料を選択することで、決定されるものである。
集電体の厚さ(Hce、Hae)は共に、上記第1乃至第2の関係式を満足するのであれば特に限定されないが、通常は5〜50μm程度である。集電体を薄くすると、同じ体積内にたくさんのセルを詰め込むことができるため、電池体積当たりの容量及び出力を高めることができる。一方、本発明の上記第1乃至第2の関係式の要件を満足するには、むしろ吸熱効果のある集電体の厚さを大きくする方が有利となる。このことから上記第1乃至第2の関係式を満足する範囲内で、集電体厚さを薄くするのが、安全性と電池性能の双方に優れた電池を提供することができる。
[正極活物質層]
正極活物質層の構成材料(正極材料ともいう)としては、正極活物質のほか、電子伝導性を有する導電材、バインダ等を含有するものであってもよい。通常、正極活物質として好適に使用される遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)自体は電子伝導性を有するものでないことから、電子伝導性を有する導電材およびバインダが用いられる。
上記正極活物質としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のリチウムイオン電池で使用される正極活物質を用いることができる。具体的には、リチウム−遷移金属複合酸化物を好適に使用できる。例えば、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、LiCr、LiCrOなどのLi・Cr系複合酸化物など、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものなどが併用できるなど、Li金属酸化物から選択し使用できるが、これらの材料に限定されるものではない。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる。この他にも、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが併用できる。
上記正極活物質の平均粒径としては、その製造方法にもよるが、正極活物質の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、0.1〜20μmの範囲であるのが望ましいといえるが、必ずしもこれらの範囲に制限されるものではない。なお、該正極活物質が2次粒子である場合には該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒径は、特に制限されるものではないが、通常0.1〜5μmの範囲であるのが望ましい。ただし、製造方法にもよるが、正極活物質が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくても良いことはいうまでもない。かかる正極活物質の平均粒径および1次粒子の粒径は、例えば、(走査電子顕微鏡)観察、TEM(透過電子顕微鏡)により測定することができる。
また、正極活物質の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。なお、上記でいう正極活物質の平均粒径を測定する際には、粒子の形状が一様でないこともあることから、絶対最大長で表すものとし、篩い分けする場合には篩い目(メッシュスルーサイズまたはメッシュパスサイズ)を用いてもよい。ここで、絶対最大長とは、図9に示すように、粒子91の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の長さLをとるものをいう。
また、上記正極活物質の密度は、正極活物質の種類(組成)や形状(構造)等によって決定されるものであり、例えば、ピクノメータにより測定することができる。
上記正極活物質の正極材料全量に対する配合量としては、特に制限されるべきものではなく、使用用途(出力重視、エネルギー重視など)やイオン伝導性を考慮して適宜決定されるものである。
正極材料に用いることのできる導電材としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のリチウムイオン電池で使用される導電材を用いることができる。具体的には、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボンファイバー(VGCF)、金属粉末材料等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
導電材の平均粒径は、特に制限されるべきものではない。高出力化、高容量化を達成するには、0.1μm以下とするのが望ましい。なお下限値に関しては特に規定されないが、製造容易性などの点から、1nm以上とするのがよい。取り扱い容易性の観点からは25〜50nm程度の範囲である。かかる導電材の平均粒径は、例えば、SEM観察、TEM観察により測定することができる。なお、上記でいう導電材の平均粒径を測定する際には、粒子の形状が一様でないこともあることから、絶対最大長で表すものとし、篩い分けする場合には篩い目(メッシュスルーサイズまたはメッシュパスサイズ)を用いてもよい。
また、導電材の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。
また、上記導電材の密度は、導電材の種類(組成)や形状(構造)等によって決定されるものであり、例えば、ピクノメータにより測定することができる。
上記導電材の正極材料全量に対する配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して、最適比の活物質と導電材量となるように決定すべきである。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記バインダの正極材料全量に対する配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。
本発明のリチウムイオン電池に用いることのできる他の正極材料としては、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子ゲル電解質(ホストポリマー、電解液など)などが含まれ得る。

上記高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、従来公知の非水電解質リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質支持塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来既知の各種電解液を適宜使用することができるものである。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質支持塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
イオン導伝性を有する固体高分子電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
上記イオン伝導性を高めるための電解質支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。
本発明の正極材料における高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、リチウム塩等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。
正極活物質層の塗膜厚さ(H)は、特に限定するものではなく、本発明の上記第1乃至第2の関係式を満足した上で、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極活物質層の塗膜厚さは20〜200μm程度であり、この範囲であれば本発明でも十分に利用可能であるが、本発明の正極材料の持つ機能を有効に発現するには、好ましくは30μm以下である。これは、一般的な民生用のリチウムイオン電池は、単位体積当たりのエネルギー量の向上を競っており、電極活物質層の塗膜厚さは厚くなる傾向にある一方、電極集電体や電解質層はどんどん薄くする方向に進んでいる(いかに活物質を多く入れ、他の要素は取り除くかという方向に進んでいる)が、本発明では、これらを踏まえたうえで、更に異常時安全性を備えてなる電池を提供する観点から、上記第1乃至第2の関係式を満足するように、発熱する電極活物質層の厚さを決定すればよい。
また、正極面積密度(D)は上記した通りである。電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきであり、正極活物質層の目付け量(重さ)ないし厚さが決まれば求まる値である。
正極放電容量(Cap)も上記した通りである。電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきであり、正極活物質の材料が決まれば求まる値である。
正極比熱(C)も上記した通りである。電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきであり、正極活物質層の構成材料が決まれば求まる値である。
[負極活物質層]
負極活物質層に関しては、負極材料活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電材、バインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子ゲルないし固体電解質(ホストポリマー、電解液など)などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に上記「正極活物質層の構成材料」として既に説明した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、従来公知の溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、アモルファスカーボン、コークスおよびメソフェーズピッチ系炭素繊維、グラファイト、非晶質炭素であるハードカーボンなどの炭素材料から選ばれてなる少なくとも1種を主材料とする負極活物質を用いることが望ましいが、特に限定されない。この他にも金属酸化物(特に遷移金属酸化物、具体的にはチタン酸化物)、金属(特に遷移金属、具体的にはチタン)とリチウムとの複合酸化物などを用いることもできる。
さらに、負極活物質層に含まれる電解質には、被膜形成材が含まれていてもよい。これにより、電池の充放電サイクルに伴う容量低下を抑制することができる。被膜形成材としては、特に限定されず、例えば、特開2000−123880号公報に記載されているような被膜形成材など従来公知のものを用いることができる。
負極活物質層の塗膜厚さ(H)は、特に限定するものではなく、本発明の上記第1乃至第2の関係式を満足した上で、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な負極活物質層の塗膜厚さは20〜200μm程度であり、この範囲であれば本発明でも十分に利用可能であるが、好ましくは30μm以下である。これは、一般的な民生用のリチウムイオン電池は、単位体積当たりのエネルギー量の向上を競っており、活物質層の塗膜厚さは厚くなる傾向にある一方、集電体や電解質層はどんどん薄くする方向に進んでいる(いかに活物質を多く入れ、他の要素は取り除くかという方向に進んでいる)が、本発明では、これらを踏まえたうえで、更に異常時安全性を備えてなる電池を提供する観点から、上記第1乃至第2の関係式を満足するように、発熱する電極活物質層の厚さを決定すればよい。


[電解質層]
電解質層に関しては、特に制限されるものではなく、その使用目的に応じて、イオン伝導性に優れる電解液含有セパレータを電解質層として用いることができるほか、ポリマー電解質と称される高分子ゲル電解質等も好適に利用することができる。
(a)電解液含有セパレータ
セパレータに染み込ませることのできる電解液としては、既に説明した本発明の「正極活物質層の構成材料」の項の高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略するが、電解液の好適な1例を示せば、電解質として、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBOB、LiCFSOおよびLi(CFSOの少なくとも1種類を用い、溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランおよびγ−ブチルラクトンよりなるエーテル類から少なくとも1種類を用い、前記電解質を前記溶媒に溶解させることにより、電解質の濃度が0.5〜2モル/リットルに調整されているものであるが、本発明はこれらに何ら制限されるべきものではない。
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができるものであり、例えば、上記電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)、不織布セパレータなどを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータなどの多孔性シートの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
不織布セパレータの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができ、使用目的(電解質層に要求される機械強度など)に応じて、単独または混合して用いる。
また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性を得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。すなわち、あまり不織布のかさ密度が大きすぎると、電解質層中の非電解質材料が占める割合が大きくなりすぎ、電解質層におけるイオン伝導度などを損なうおそれがあるためである。
上記セパレータ(不織布セパレータを含む)の厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、5〜200μmであることが望ましい。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることで、保持性、抵抗が増大するのを抑制することができる。また、セパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが望ましい。
上記セパレータ(ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)の微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がり、その結果として耐熱性が向上するという効果がある。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスがでて電池外装材の熱融着部(シール部)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。ただし、本発明では、上記「シャットダウン現象」によらなくとも自己発熱に至らない電池設計が可能であるため、上記範囲に制限されることなく、より自由度の高い設計が可能となる。
上記セパレータ(ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)の空孔率は20〜50%であることが望ましい。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
また不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。空孔率が50%未満では、電解質の保持性が悪化し、90%超では強度が不足する。
上記セパレータへの電解液の含浸量は、セパレータの保液能力範囲まで含浸させればよいが、当該保液能力範囲を超えて含浸させてもよい。これは、電解質シール部に樹脂を注入して電解質層からの電解液の染み出しを防止できるため、該電解質層に保液できる範囲であれば含浸可能である。該電解液は、真空注液法などにより注液した後、完全にシールすることができるなど、従来公知の方法でセパレータに電解液を含浸させることができる。
(b)高分子ゲル電解質
高分子ゲル電解質としては、既に説明した本発明の「正極活物質層の構成材料」の項の高分子ゲル電解質と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
また、高分子ゲル電解質は、電解質層のほか、正極活物質層、負極活物質層にも含まれ得るが、その際には、同一の高分子ゲル電解質を使用してもよく、層によって異なる高分子ゲル電解質を用いてもよい。
ところで、現在好ましく使用される高分子ゲル電解質用のホストポリマーは、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、酸化還元電位の高い正極材料を使用する場合には、負極活物質層の容量が、高分子ゲル電解質層を介して対向する正極活物質層の容量より少ないことが好ましい。負極活物質層の容量が対向する正極活物質層の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。ここでいう正極活物質層および負極活物質層の容量は、正極活物質層および負極活物質層を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。ただし、負極活物質層の容量を対向する正極活物質層の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一のセル(単電池層)の平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトな電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好まく、電解質層の厚さは5〜200μmであることが望ましい。
尚、本発明では、上記電解質層の電解液中に、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、上記特許文献1〜3に記載の添加剤を含有していてもよい。これは、あくまで本発明の要件である上記第1乃至第2の関係式を満足させた上で、当該添加剤を加えることで本発明の技術範囲を逃れることがないように規定したものであり、特に添加剤は用いなくてもよい。
[絶縁層]
絶縁層は、主にバイポーラ型電池の場合に用いられる。この絶縁層は、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲に形成されてなるものである。本発明では、必要に応じて、電極の周囲に絶縁層を設けてもよい。これは、車両駆動用ないし補助用電源として利用するような場合には、電解液による短絡(液落)を完全に防止する必要がある。さらに、電池への振動や衝撃が長期にわたり負荷される。そのため、電池寿命の長期化の観点からは、絶縁層を設置することがより長期間の信頼性、安全性を確保する上で望ましく、高品質の大容量電源を提供できる点で望ましいためである。
該絶縁層としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどが使用できるが、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板は、必要に応じて使用すればよい。例えば、バイポーラ型のリチウムイオン電池の場合では、積層(ないし巻回)構造によっては、最外部の集電体から電極端子を直接取り出しても良く、この場合には正極および負極端子板は用いなくとも良い。
正極および負極端子板を用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、端子部での内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
正極および負極端子板の材質は、従来公知のリチウムイオン電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを用いることが好ましい。
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
[正極および負極リード]
正極および負極リードに関しては、従来公知のリチウムイオン電池で用いられるリードと同様のものを用いることができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
[電池外装材(電池ケース)]
リチウムイオン電池では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池の発電要素である電池積層体ないし電池巻回体全体(図4、5参照のこと)を電池外装材ないし電池ケースに収容するのが望ましい。軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)の両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムなど、従来公知の電池外装材を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、電池積層体を収納し密封した構成とするのが好ましい。この場合、上記正極および負極リードは、上記熱融着部に挟まれて上記電池外装材の外部に露出される構造とすればよい。また熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートフィルムなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。高分子−金属複合ラミネートフィルムとしては、特に制限されるべきものではなく、高分子フィルム間に金属フィルムを配置し全体を積層一体化してなる従来公知のものを使用することができる。具体例としては、例えば、高分子フィルムからなる外装保護層(ラミネート最外層)、金属フィルム層、高分子フィルムからなる熱融着層(ラミネート最内層)のように配置し全体を積層一体化してなるものが挙げられる。詳しくは、外装材に用いられる高分子−金属複合ラミネートフィルムは、上記金属フィルムの両面に、高分子フィルムとして、まず耐熱絶縁樹脂フィルムを形成し、少なくとも片面側の耐熱絶縁樹脂フィルム上に熱融着絶縁性フィルムが積層されたものである。かかるラミネートフィルムは、適当な方法にて熱融着させることにより、熱融着絶縁性フィルム部分が融着して接合し熱融着部が形成される。上記金属フィルムとしては、アルミニウムフィルム等が例示できる。また、上記絶縁性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が例示できる。ただし、本発明の外装材は、これらに制限されるべきものではない。こうしたラミネートフィルムでは、超音波溶着等により熱融着絶縁性フィルムを利用して1対ないし1枚(袋状)のラミネートフィルムの熱融着による接合を、容易かつ確実に行うことができる。なお、電池の長期信頼性を最大限高めるためには、ラミネートシートの構成要素である金属フィルム同士を直接接合してもよい。金属フィルム間にある熱融着性樹脂を除去もしくは破壊して金属フィルム同士を接合するには超音波溶着を用いることができる。
次に、本発明のリチウムイオン電池の用途としては、異常時であってもその安全性が求められる用途に幅広く利用可能である。例えば、服ポケットや鞄等に入れて持ち歩くなど、比較的身近に所持することが多いことからその安全性が求められる携帯電話や携帯パソコンなどの携帯電子機器用電源として好適に利用することができる。更に、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)や燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。この場合には、本発明のリチウムイオン電池を複数個接続して構成した組電池とすることが望ましい。すなわち、本発明では、上記リチウムイオン電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いて組電池(車両用サブモジュール)とすることができる。これにより、種々の車両用ごとの容量・電圧の要望を基本の電池の組み合わせで対応が可能になる。その結果、必要エネルギー、出力の設計選択性を容易にすることが可能になる。そのため種々の車両用ごとに異なる電池を設計、生産する必要がなく、基本となる電池の大量生産が可能となり、量産化によるコスト削減が可能となる。以下に、当該組電池(車両用サブモジュール)の代表的な実施形態につき、図面を用いて簡単に説明する。
図6に本発明のバイポーラ電池(24V、50mAh)を2直20並に接続した組電池(42V1Ah)の模式図を示す。並列部分のタブは銅のバスバー56、58で接続し、直列部分はタブ48、49同士を振動溶着して接続した。直列部分の端部を端子62、64に接続して、正負の端子を構成している。電池の両側には、バイポーラ電池41の各層の電圧を検知する検知タブ60を取り出し、それらの検知線53を組電池51の前部に取り出している。詳しくは、図6に示す組電池51を形成するには、バイポーラ電池41を5枚並列にバスバー56で接続し、5枚並列にしたバイポーラ電池41をさらに電極タブ同士を接続して2枚直列にし、これらを4層積層して並列にバスバー58で接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池41を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池51を提供することができる。該組電池51には、正極端子62、負極端子64が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池を直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子62、負極端子64とが端子リード59で接続されている。また、該組電池51には、電池電圧(各単電池層、更にはバイポーラ電池の端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子62及び負極端子64が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池41の電圧検知タブ60が全て検知線53を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の底部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池51を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池51間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また、この組電池51には、使用用途に応じて、上記検知タブ端子54以外にも各種計測機器や制御機器類を設けてもよい。さらにバイポーラ電池1の電極タブ(48、49)同士や検知タブ60と検知線53とを連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットのようなバスバー56、58を用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。さらにバスバー56、58と端子リード59等とを連結するためにも、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
上記外部弾性体52にも、本発明の電池で用いた樹脂群と同様の材料を用いることができるが、これらに制限されるものではない。
また、本発明の組電池では、本発明のバイポーラ型のリチウムイオン電池(以下、単にバイポーラ電池ともいう)と、該バイポーラ電池と正負極電極材料を同一とし該バイポーラ電池の構成単位数を直列することにより電圧を同一にした本発明のリチウムイオン電池(以下、単にバイポーラ型でない電池ともいう)と、を並列に接続したものであってもよい。すなわち、組電池を形成する電池は、本発明のバイポーラ電池とバイポーラ型ではない電池(但し、全ての電池が必ずしも本発明の電池でなくともよい)とを混在させても良い。これにより、出力重視のバイポーラ電池と、エネルギー重視のバイポーラ型でない電池の組み合わせでお互いの弱点を補う組電池ができ、組電池の重量・サイズを小さくすることができる。それぞれのバイポーラ電池とバイポーラ型でない電池をどの程度の割合で混在させるかは、組電池として要求される安全性能、出力性能に応じて決める。
また、図7にバイポーラ電池A(42V、50mAh)とバイポーラ型でない電池B(4.2V、1Ah)10直(42V)を並列に連結した組電池を示す。バイポーラ型でない電池Bとバイポーラ電池Aは電圧が等しくなり、その部分で並列接続を形成している。この組電池51’は、出力の分担をバイポーラ電池Aが有し、エネルギーの分担をバイポーラ型でない電池Bが有する構造である。これは、出力とエネルギーを両立することが困難な組電池において、非常に有効な手段である。この組電池51’でも、並列部分及び図の横方向に隣り合うバイポーラ型でない電池B間を直列接続する部分のタブは銅のバスバー56で接続し、図の縦方向に隣り合う一般電池B間を直列接続する部分はタブ39、40同士を振動溶着して接続した。バイポーラ型でない電池Bとバイポーラ電池Aを並列接続している部分の端部を端子62、64に接続して、正負の端子を構成している。バイポーラ電池Aの両側には、バイポーラ電池Aの各層の電圧を検知する検知タブ60を取り出し、それらの検知線(図示せず)を組電池51’の前部に取り出している以外は、図6の組電池51と同様であるので、同じ部材には同じ符号を付した。詳しくは、図7に示す組電池51’を形成するには、バイポーラ型でない電池B10枚を端から順番にバスバー56および振動溶着して直列に接続した。さらに、バイポーラ電池Aと直列接続された両端のバイポーラ型でない電池Bとをそれぞれバスバー56で並列に接続して金属製の組電池ケース55に収納する。このように、バイポーラ電池Aを任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池51’を提供することができる。該組電池50’にも、正極端子62、負極端子64が金属製の組電池ケース55の側面前部に形成されており、電池A、Bを直並列に接続後、例えば、各バスバー56と各正極端子62、負極端子64とが端子リード59で接続されている。また、該組電池51’には、電池電圧(バイポーラ電池Aの各単電池層、更にはバイポーラ電池A及びバイポーラ型でない電池Bの端子間電圧)を監視するために検知タブ端子54が金属製の組電池ケース55の正極端子62及び負極端子64が設けられている側面前部に設置されている。そして、各バイポーラ電池A(更にはバイポーラ型でない電池B)の検知タブ60が全て検知線(図示せず)を介して検知タブ端子54に接続されている。また、組電池ケース55の低部には、外部弾性体52が取り付けられており、組電池51’を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池51’間距離を保ち、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性などを向上することができる。
また本発明の組電池では、更に上記のバイポーラ電池を直並列接続して第1組電池ユニットを形成するとともに、この第1組電池ユニットの端子間電圧と電圧を同一にするバイポーラ電池以外の二次電池が直並列接続されてなる第2組電池ユニットを形成し、この第1組電池ユニットと第2組電池ユニットを並列接続することによって組電池としても良いなど、特に制限されるものではない。
なお、組電池の他の構成要件に関しては、何ら制限されるべきものではなく、既存のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池を用いた組電池の構成要件と同様のものが適宜適用することができるものであり、従来公知の組電池用の構成部材および製造技術が利用できるため、ここでの説明は省略する。
次に、上記の組電池(車両用サブモジュール)を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続した複合組電池(車両用組電池)とすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。すなわち、本発明の複合組電池は、組電池(本発明のバイポーラ電池ないしバイポーラ型でない電池だけで構成したもの、本発明のバイポーラ電池とバイポーラ型でない電池とで構成したものなど)を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とするものであり、基準の組電池を製造し、それを組み合わせて複合組電池とすることで、組電池の仕様をチューニングできる。これにより、仕様の異なる沢山の組電池種を製造しなくてよいため、複合組電池コストを減少することができる。
複合組電池としては、例えば、図6に記載のバイポーラ電池を用いた組電池(42V、1Ah)6並に接続した複合組電池(42V、6Ah)の模式図が図8である。複合組電池を構成する各組電池は連結版と固定ねじにより一体化し、組電池の間に弾性体を設置して防振構造を形成している。また、組電池のタブは板状のバスバーで連結している。すなわち、図8に示したように、上記の組電池51を6組並列に接続して複合組電池70とするには、各組電池ケース55の蓋体に設けられた組電池51のタブ(正極端子62および負極端子64)を、板状のバスバーである外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板72、組電池負極端子連結板74を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース55の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板76を固定ネジ77で固定し、各組電池51同士を連結する。また、各組電池51の正極端子62および負極端子64は、それぞれ正極および負極絶縁カバーにより保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。また、組電池51の間、詳しくは組電池ケース55の底部に外部弾性体52を設置して防振構造を形成している。
また、上記複合組電池では、これを構成する複数の組電池をそれぞれ脱着可能に接続しておくのが望ましい。このように、組電池を複数直並列接続されてなる複合組電池では、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能となるためである。
また、本発明の車両は、上記組電池および/または上記複合組電池を搭載することを特徴とするものである。これにより、軽く小さい電池にすることでスペース要望の大きな車両要望に合致できる。電池のスペースを小さくすることで、車両の軽量化も達成できる。
図9に示したように、複合組電池70を、車両(例えば、電気自動車等)に搭載するには、電気自動車80の車体中央部の座席(シート)下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部でも良いし、車両前方のエンジンルームでも良い。
なお、本発明では、複合組電池だけではなく、使用用途によっては、組電池を車両に搭載するようにしてもよいし、これら複合組電池と組電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の複合組電池または組電池を駆動用電源や補助電源として搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。また、本発明の組電池および/または複合組電池を、例えば、駆動用電源や補助電源等として搭載することのできる車両としては、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車等が好ましいが、これらに制限されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の内容を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
正極集電体には厚さ20μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ23μmに調整して電池容量900mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=9.8となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、以下に示すように電池を作成した。
(1)正極作成方法
平均粒径10μmの正極活物質(Mn系のLiMn)85質量%と平均粒径0.1μmの導電材(カーボンブラック)10質量%、バインダ(PVdF)5質量%を量りとり、溶剤のNMPを加えミキサーで混合した。均一に混合された正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に片面の目付け(正極面積密度)が5mg/cmとなるように両面塗布した。塗布した電極をロールプレス機で片面の塗膜厚さが23μmになるまでプレスした。
(2)負極作成方法
平均粒径約10μmの負極活物質(ハードカーボン)90質量%とバインダ(PVdF)10質量%を量りとり、溶剤のNMPを加えてミキサーで混合した。均一に混合された負極スラリーを厚さ15μmの銅箔上に片面の目付け(負極面積密度)が1.5mg/cmとなるように両面塗布した。塗布した電極をロールプレス機で片面の塗膜厚さが11μmになるまでプレスした。
(3)組み立て(図2、3参照のこと)
図2に示すように、上記作成した正極電極(正極集電体アルミ箔12+正極活物質層の塗膜13)を10cm角、負極電極(負極集電体銅箔15+負極活物質層の塗膜16)を10.2cm角にカットする。カットした電極と厚さ25μmのポリエチレン微多孔膜セパレータ14を交互に重ね、総厚が2mmになるように電池素子(図2の発電要素(1層)11が複数積層されたもの)を作成した。正極集電体アルミ箔12及び負極集電体銅箔15には、図2、3に示すように、電池外装材のアルミラミネートフィルムパック17の外部に取り出すことのできる端子部をそれぞれ設けた。図3に示すように、該電池素子をアルミラミネートフィルムパック17に挿入し、電解液を約8g入れ、封止することによって電池18を作成した。
この電池における各パレメータの値は以下の通りである。
正極放電容量Cap : 100[mAh/g]
セル平均放電電圧Vav : 3.7[V]
正極面積密度D : 5[mg/cm
正極活物質層の塗膜厚さH : 23[μm]
負極活物質層の塗膜厚さH : 11[μm]
正極集電体厚さHce : 20[μm]
負極集電体厚さHae : 15[μm]
正極集電体比熱Cce : 0.902[J/gK]
負極集電体比熱Cae : 0.385[J/gK]
正極集電体密度Dce : 2.70[g/cc]
負極集電体密度Dae : 8.96[g/cc]
正極比熱C : 0.9[J/gK]
上記パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=9.8となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×5)×(23+11)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×5×0.9)×(20+15)}=9.8(≦28)
実施例2
正極集電体には厚さ20μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ45μmに調整して電池容量1300mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=27.1となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=27.1となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×10.0)×(45+23)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×10.0×0.9)×(20+15)}=27.1(≦28)
実施例3
正極集電体には厚さ20μmアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはNi系のLiNiOを用い、正極活物質層の塗膜厚さ23μmに調整して電池容量1640mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=24.4となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、以下に示すように電池を作成した。
(1)正極作成方法
平均粒径10μmの正極活物質(Ni系のLiNiO)85質量%と平均粒径0.1μmの導電材(カーボンブラック)10質量%、バインダ(PVdF)5質量%を量りとり、溶剤のNMPを加えミキサーで混合した。均一に混合された正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に片面の目付け(正極面積密度)が6.5mg/cmとなるように両面塗布した。塗布した電極をロールプレス機で片面の塗膜厚さが23μmになるまでプレスした。
(2)負極作成方法
平均粒径約10μmの負極活物質(ハードカーボン)90質量%とバインダ(PVdF)10質量%を量りとり、溶剤のNMPを加えてミキサーで混合した。均一に混合された負極スラリーを厚さ15μmの銅箔上に片面の目付け(負極面積密度)が3.2mg/cmとなるように両面塗布した。塗布した電極をロールプレス機で片面の塗膜厚さが23μmになるまでプレスした。
(3)組み立て(図2、3参照のこと)
図2に示すように、上記作成した正極電極(正極集電体アルミ箔12+正極活物質層の塗膜13)を10cm角、負極電極(負極集電体銅箔15+負極活物質層の塗膜16)を10.2cm角にカットする。カットした電極と厚さ25μmのポリエチレン微多孔膜セパレータ14を交互に重ね、総厚が2mmになるように電池素子(図2の発電要素(1層)11が複数積層されたもの)を作成した。正極集電体アルミ箔12及び負極集電体銅箔15には、図2、3に示すように、電池外装材のアルミラミネートフィルムパック17の外部に取り出すことのできる端子部をそれぞれ設けた。図3に示すように、該電池素子をアルミラミネートフィルムパック17に挿入し、電解液を約8g入れ、封止することによって電池18を作成した。
この電池における各パレメータの値は以下の通りである。
正極放電容量Cap : 160[mAh/g]
セル平均放電電圧Vav : 3.7[V]
正極面積密度D : 6.5[mg/cm
正極活物質層の塗膜厚さH : 23[μm]
負極活物質層の塗膜厚さH : 23[μm]
正極集電体厚さHce : 20[μm]
負極集電体厚さHae : 15[μm]
正極集電体比熱Cce : 0.902[J/gK]
負極集電体比熱Cae : 0.385[J/gK]
正極集電体密度Dce : 2.70[g/cc]
負極集電体密度Dae : 8.96[g/cc]
正極比熱C : 0.9[J/gK]
上記パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=24.4となった。計算結果を以下に示す。
X=(160×3.7×6.5)×(23+23)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×6.5×0.9)×(20+15)}=24.4(≦28)
実施例4
正極集電体には厚さ15μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ10μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ23μmに調整して電池容量980mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=16.4となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=16.4となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×5)×(23+11)/{(2.70×15×0.902+8.96×10×0.385+18.3×5×0.9)×(15+10)}=16.4(≦28)
比較例1
正極集電体には厚さ20μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ68μmに調整して電池容量1470mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=46.5となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=46.5となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×15.0)×(68+34)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×15.0×0.9)×(20+15)}=46.5(>28)
比較例2
正極集電体には厚さ20μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ90μmに調整して電池容量1520mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=66.9となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=66.9となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×20.0)×(90+46)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×20.0×0.9)×(20+15)}=66.9(>28)
比較例3
正極集電体には厚さ20μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはNi系のLiNiOを用い、正極活物質層の塗膜厚さ45μmに調整して電池容量1890mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=62.9となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例3と同様にして電池を作成した。
実施例3に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=62.9となった。計算結果を以下に示す。
X=(160×3.7×13.0)×(45+45)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×13.0×0.9)×(20+15)}=62.9(>28)
比較例4
正極集電体には厚さ20μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ15μmの銅箔を用い、正極活物質にはNi系のLiNiOを用い、正極活物質層の塗膜厚さ56μmに調整して電池容量1980mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=83.3となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例3と同様にして電池を作成した。
実施例3に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=83.3となった。計算結果を以下に示す。
X=(160×3.7×16.0)×(56+56)/{(2.70×20×0.902+8.96×15×0.385+18.3×16.0×0.9)×(20+15)}=83.3(>28)
比較例5
正極集電体には厚さ15μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ10μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ45μmに調整して電池容量1140mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=42.7となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=42.7となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×10.0)×(45+23)/{(2.70×15×0.902+8.96×10×0.385+18.3×10.0×0.9)×(15+10)}=42.7(>28)
比較例6
正極集電体には厚さ15μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ10μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ68μmに調整して電池容量1470mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=71.2となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=71.2となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×15.0)×(68+34)/{(2.70×15×0.902+8.96×10×0.385+18.3×15.0×0.9)×(15+10)}=71.2(>28)
比較例7
正極集電体には厚さ8μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ8μmの銅箔を用い、正極活物質にはMn系のLiMnを用い、正極活物質層の塗膜厚さ23μmに調整して電池容量1080mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=30.4となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例1と同様にして電池を作成した。
実施例1に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=30.4となった。計算結果を以下に示す。
X=(100×3.7×5.0)×(23+11)/{(2.70×8×0.902+8.96×8×0.385+18.3×5.0×0.9)×(8+8)}=30.4(>28)
比較例8
正極集電体には厚さ13μmのアルミ箔を用い、負極集電体には厚さ13μmの銅箔を用い、正極活物質にはNi系のLiNiOを用い、正極活物質層の塗膜厚さ23μmに調整して電池容量1640mAhになるように電池設計することで、上記第2の関係式のX=37.1となることを計算により求めた上で、当該電池設計に則して、実施例3と同様にして電池を作成した。
実施例3に基づき各パラメータを上記第2の関係式に代入したところX=37.1となった。計算結果を以下に示す。
X=(160×3.7×6.5)×(23+23)/{(2.70×13×0.902+8.96×13×0.385+18.3×6.5×0.9)×(13+13)}=37.1(>28)
上記のスペックで作成した実施例1〜4及び比較例1〜8の各電池を、4.4V充電(満充電)状態で釘刺し試験を行った(各実施例及び比較例とも電池サンプル数は5個とした)。電池のアルミラミネートフィルムパック表面の釘を刺した部分の近傍に温度センサを貼り付けて釘周辺部の温度も測定した。
その結果、実施例1〜4においては、釘周辺部の温度が若干上昇しただけで、その他の現象は起こらなかった。
比較例1、3、5、7、8では釘周辺部の温度が上昇し、釘周辺部から少量のガス噴出が見られた。
比較例2、4、6では激しい温度上昇とともに、激しいガス噴出が見られた。
以上の結果から、X≦28を満たす条件で電池設計する事で、異常時に何も問題が起きない電池が得られる事が分かる。一方の比較例では、程度の差はあるがいずれも自己発熱に至り、その結果、電池内の温度が上昇し、電解液の蒸発や活物質の分解によるガス発生などによりガス噴出が生じた。
また、図1に、上記のスペックで作成した実施例1〜4及び比較例1〜8の各電池の上記第2の関係式Xをプロットした図を示す。図1の横軸には特に意味はなく、活物質材料および集電体厚さごとにグループ分けしてXの分布が見やすいように、横に広げたものである。
上記のスペックで作成した実施例1〜4及び比較例1〜8の各電池の上記第2の関係式Xをプロットした図である。 本発明の正極と負極を電解質層を介して対峙するように積層した発電要素(1層)を模式的に表した概略斜視図である。 実施例及び比較例で作成した電池素子をアルミラミネートフィルムパックに収納し封止した様子を模式的に表した概略斜視図である。 バイポーラ型でない扁平型(積層型)の非水電解質リチウムイオン二次電池の断面概略図を示す。 バイポーラ型の非水電解質リチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表わした概略断面図を示す。 本発明のバイポーラ電池を2直20並に接続した組電池の一例を示す模式図である。図6(a)は組電池の平面図であり、図6(b)は組電池の正面図であり、図4(c)は組電池の右側面図であって、これら図6(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池を直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明のバイポーラ電池Aと本発明のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池B10直を並列に連結した組電池の一例を示す図である。図7(a)は組電池の平面図であり、図7(b)は組電池の正面図であり、図7(c)は組電池の右側面図であって、これら図7(a)〜(c)では、いずれもバイポーラ電池Aおよびバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池Bを直列と並列の混合に接続した様子がわかるように外部ケースを透過して組電池内部を表わしたものである。 本発明の複合組電池の一例を示す図である。図8(a)は複合組電池の平面図であり、図8(b)は複合組電池の正面図であり、図8(c)は複合組電池の右側面図である。 複合組電池を搭載した状態の電気自動車を示す模式図である。 粒子の粒径を測定する際に用いる絶対最大長を説明した解説図である。
符号の説明
11 正極と負極を電解質層を介して積層した発電要素(1層)、
12 正極集電体(アルミ箔等)、
13 正極活物質層(の塗膜)、
14 電解質層(電解液含浸セパレータ等)、
15 負極集電体(銅箔等)、
16 負極活物質層(の塗膜)、
17 アルミラミネートフィルムパック、
18 電池、
31 バイポーラ型でない非水電解質リチウムイオン二次電池、
32 電池外装材、
33 正極集電体、
34 正極活物質層、
35 電解質層、
36 負極集電体、
37 負極活物質層、
38 発電要素、
39 正極(端子)リード、
40 負極(端子)リード、
41 バイポーラ型の非水電解質リチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)、
42 集電体、
43 正極活物質層、
44 負極活物質層、
45 バイポーラ電極、
45a 電極積層体の最上層の電極、
45b 電極積層体の最下層の電極、
46 電解質層、
47 電極積層体(バイポーラ電池本体、発電要素)、
48 正極リード、
49 負極リード、
50 電池外装材(外装パッケージ)、
51、51’ 組電池、
52 外部弾性体、
53 検知線、
54 検知タブ端子、
55 組電池ケース、
56、58 バスバー、
59 端子リード、
62 正極端子、
64 負極端子、
70 複合組電池、
72 複合組電池正極端子連結板、
74 複合組電池負極端子連結板、
76 連結板、
77 固定ネジ、
80 電気自動車、
91 粒子(不定形粒子を含む)
L 最大の長さ。

Claims (7)

  1. 電池の発電要素として集電体上に形成された正極及び負極活物質層と、電解質層とを具備するリチウムイオン電池において、
    前記発電要素が下記関係式
    Figure 2005174686
    を満足することを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 電池の発電要素として集電体上に形成された正極及び負極活物質層と、電解質層とを具備するリチウムイオン電池において、
    前記発電要素が下記関係式
    Figure 2005174686
    (ここで、上記式中の符号は下記表1
    Figure 2005174686
    で定義されるものである。)を満足することを特徴とするリチウムイオン電池。
  3. 集電体の片面に形成されてなる電極活物質層の塗膜厚さが、30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池。
  4. 請求項1または2または3に記載のリチウムイオン電池が、並列−直列、直列−並列、直列または並列に接続されて設置されていることを特徴とした組電池。
  5. 請求項4の組電池が、直列および/または並列に接続されて設置されていることを特徴とした複合組電池。
  6. 組電池を各々脱着可能としたことを特徴とする請求項5に記載の複合組電池。
  7. 請求項4の組電池、請求項5および/または6の複合組電池を用いたことを特徴とする車両。
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