JP3774095B2 - リチウム二次電池の輸送方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸送中に不慮の事故等により電池温度が上昇した場合であっても、災害につながらないように、電池の最高上昇温度を制限する安全なリチウム二次電池の輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池は、携帯電話、VTR、ノート型コンピュータ等の携帯型電子機器の電源用電池として、広く用いられるようになってきている。また、リチウム二次電池は、単電池電圧が4V程度と、従来の鉛蓄電池等の二次電池よりも高く、しかもエネルギー密度が大きいことから、前記携帯型電子機器のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として積極的に一般への普及が図られている電気自動車(EV)或いはハイブリッド電気自動車(HEV)のモータ駆動電源としても注目を集めている。
【0003】
リチウム二次電池には、一般的に、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物が、負極活物質に炭素質材料が、電解液にLiイオン電解質を有機溶媒に溶解した非水電解液が用いられる。電池反応を行う部分である電極体としては、サンドイッチ型、捲回型、積層型といった種々の形態のものがあるが、いずれの構造もセパレータで正極板と負極板を隔てた構造を有している。
【0004】
ここで、EV・HEV用の電池については、モータ駆動等に大きなパワーを必要とすることから、1本当たりに、ある程度大きな容量が必要とされる。そこで、このような用途には捲回型若しくは積層型を用いることが好ましく、これらの電極体の形成には、一般的に金属からなる集電基板の表面に電極活物質層を形成してなる電極板(正極板及び負極板を指す。)が用いられる。
【0005】
このような捲回型や積層型の電極体を用いたリチウム二次電池に、内部短絡や外部短絡、過充電等が起きた場合には、電極体の有する内部抵抗に起因して生ずるジュール熱によって電池温度が上昇する。このとき、電極体に大電流が急激に流れた場合には当然に温度上昇が著しいものとなり、電池の爆発事故、更には災害へと発展する危険性がある。
【0006】
ここで、電池の温度上昇には、内的原因と外的原因とが考えられる。例えば、内的原因としてはセパレータに破れ等の損傷箇所があった場合、電気良導体である金属ゴミが捲回体等の製造中に混入してセパレータを貫通した場合等が考えられ、いずれの場合でも電池内で電極板間が短絡することとなるために大電流が流れることとなる。このときの発生したジュール熱は非水電解液を加熱、蒸発させるために電池内圧が上昇し、電池の破裂、爆発が起こる危険性がある。
【0007】
一方、外的原因としては、電池内部を釘等の電気良導体が貫通した場合が考えられるが、この場合は内部短絡と同様の現象が起こる。また、電池の正負極端子間が短絡した場合が想定されるが、この場合には外部短絡時の負荷(抵抗)の大きさによって発熱の程度が異なることとなる。その他にも、充電装置の故障によって過充電が生じた場合、エンジン等の発熱装置の近くに載置されて加熱された場合等が考えられる。
【0008】
発明者らは、このような種々の電池の温度上昇原因について検討し、Journal of Power Sources 81−82(1999)887−890において、25Ahの容量を有するリチウム二次電池について、釘刺し試験、外部短絡試験、過充電試験、外部加熱試験を行ったときの電池の温度変化を調べた結果を公表している。この中で、最も温度上昇の大きいものは釘刺し試験、即ち内部短絡が生じた場合であり、約400℃に至る温度上昇を確認している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このような容量の大きいリチウム二次電池には、電池内圧が上昇したときに所定の圧力で電池内圧を外気圧に開放する放圧弁が設けられており、電池の温度上昇に基づく爆発を防止している。しかしながら、電池の内圧上昇が急速で放圧が追いつかない場合、放圧弁の作動不良が生じた場合等には、電池の爆発は避けられない。また、一度放圧弁が作動してしまった電池は、基本的には以後の使用が不可能となる。
【0010】
また、電池が満充電に近い状態にあるほど、放出されるエネルギーも大きくなることから、短絡等による電池の温度上昇は大きなものとなる。従って、例えば、製造された電池が満充電等の充電容量の多い状態で、一国の製造工場からその国の別の場所或いは他国へ輸送されている間に、何らかの原因で温度上昇を起こした場合には、事故や災害に至る可能性が大きくなる。
【0011】
そこで発明者らは、上述のように電池の温度が上昇する原因は数多くあるが、詰まるところ、電池に蓄積されているエネルギーによって電池自体が加熱されることとなっている場合が殆どであり、また、内部短絡時に最も電池温度が上昇することに着目し、電池に蓄積されたエネルギー量を所定の条件を満足する量に制限すれば、電池温度の上昇を一定温度以下に抑制することができると考え、本発明に到達した。
【0012】
なお、製造した電池は一度充放電を行って特性を確認した後に出荷、輸送することが好ましいことはいうまでもない。その場合に、完全に放電しきった状態で出荷すれば、外部加熱以外の要因では電池温度の上昇は起こり得ないことから、輸送安全性の点からは好ましいと考えられる。ところが、リチウム二次電池の充放電特性や自己放電特性等を考慮すると、このように完全放電させた場合には、以後の実使用時に使用不可能となることが容易に想定される。従って、このような方法を採用することはできない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、正負各電極板をセパレータを介して捲回若しくは積層してなる電極体を備え、非水電解液を用いたリチウム二次電池の輸送方法であって、当該電池に蓄積された単位重量当たりのエネルギー量をE(J/g)、当該電池の比熱をCp(J/℃・g)、当該電池の通常輸送温度をT1(℃)、当該電池の最高上昇温度をT2(℃)とし、また、当該電池が熱により不安全な状態となる最低温度をt(℃)としたときに、当該電池を、下記(1)式、E/Cp+T1=T2<t ・・・(1)(但し、E>0)の関係が満足された状態として輸送することを特徴とするリチウム二次電池の輸送方法、が提供される。
【0014】
本発明のリチウム二次電池の輸送方法においては、最高上昇温度T2は、非水電解液の沸点以下とすることが好ましい。一方、最高上昇温度T2は、非水電解液の主要成分の各沸点中で最も低い温度以下としてもよい。また、最高上昇温度T2を、セパレータの主要構成材料の融点中で最も高い温度以下とすることも好ましい。
【0015】
本発明のリチウム二次電池の輸送方法は、満充電時の電池容量が2Ah以上の電池の輸送に好適に適用される。また、本発明は、電気自動車若しくはハイブリッド電気自動車用の電源として用いられる電池の輸送に適用される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の輸送方法が適用されるリチウム二次電池(電池)は、正負各電極板をセパレータを介して捲回若しくは積層してなる電極体を備え、非水電解液を用いたものである。但し、各1枚の正極板と負極板でセパレータを挟み込んだ電極体を備えたコイン型電池に適用することを妨げるものではない。
【0017】
図1は捲回型電極体(以下「捲回体」という。)1の概略構造を示した斜視図である。捲回体1は、集電用タブ(タブ)5・6が複数取り付けられた電極板2・3(正極板2、負極板3)をセパレータ4を介して巻芯13の外周に捲回した構造を有している。
【0018】
ここで、正極板2は集電基板の両面に正極活物質を塗工して、正極活物質層を形成することによって作製される。集電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が好適に用いられる。なお、箔の代わりにパンチングメタル或いはメッシュ(網)を用いることもできる。また、正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。
【0019】
これら各種の正極活物質の集電基板(金属箔)への塗工は、正極活物質粉末に溶剤やバインダ等を添加して作製したスラリー或いはペーストを、ドクターブレード法、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・乾燥することで行われる。なお、正極活物質層の形成に当たっては、これら正極活物質粉末にアセチレンブラック或いはカーボンブラック等の炭素微粉末が導電助材として加えられる。
【0020】
負極板3は、正極板2と同様にして作製することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕性が良好な金属箔が好適に用いられる。勿論、パンチングメタルやメッシュを用いてもよい。負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や、人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化炭素質粉末が用いられる。
【0021】
セパレータ4としては、マイクロポアを有するLiイオン透過性のポリエチレンフィルム(PEフィルム)を、多孔性のLiイオン透過性のポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ3層構造としたものが好適に用いられる。これは、捲回体1の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポアが潰れ、Liイオンの移動即ち電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能となる。
【0022】
電極板2・3とセパレータ4を巻芯13周りに捲回する作業の際に、電極板2・3において電極活物質の塗工されていない集電基板が露出した部分にタブ5・6がそれぞれ取り付けられる。このため、電極板2・3は、集電基材の幅方向の少なくとも一端に活物質層が形成されていないストライプ構造とすることが好ましい。なお、巻芯13は、金属、樹脂、セラミック等種々の材質のものを用いることができ、導電性材料を用いる場合には、電極板2・3との絶縁を確保しなければならない。
【0023】
タブ5・6としては、それぞれの電極板2・3の集電基板と同じ材質からなる箔状のものが好適に用いられる。タブ5・6の電極板2・3への取り付けは、超音波溶接やスポット溶接等を用いて行うことができる。このとき、図1に示されるように、捲回体1の一端面に一方の電極のタブが配置されるようにタブ5・6をそれぞれ取り付けると、タブ5・6間の接触を防止することができ、好ましい。
【0024】
上述の通りにして作製された捲回体1を用いて、電池を組み立てるに当たっては、先ず、電流を外部に取り出すための正負極端子とタブ5・6との導通をそれぞれ確保しつつ、作製された捲回体1を電池ケースに挿入して安定な位置にホールドする。その後、非水電解液を含浸させた後に、電池ケースを封止することで電池を作製することができる。本発明において、電池ケースの形状や構造、或いは捲回体1におけるタブ5・6と正負極端子との接続の形態には何ら制限がないことはいうまでもない。
【0025】
なお、非水電解液としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物等から選ばれた1種類若しくは2種類以上の電解質を、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系溶媒やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒に溶解してなるものが好適に用いられる。
【0026】
次に、図2に積層型電極体(以下「積層体」という。)7の斜視図を示す。積層体7は、正極板8と負極板9とを、セパレータ10を介しながら交互に積層した構造を有しており、電極板8・9の1枚1枚にタブ11・12が取り付けられている。図2では電極板8・9等の面形状は四角形であるが、円形、楕円形等種々の形状とすることができる。
【0027】
なお、電極板8・9の作製には、前述した捲回体1に用いられる電極板2・3と同様の方法を用いることが可能である。また、積層体7を収容する電池ケースの形状や電池の端子位置、電池の外形について制限がないことはいうまでもなく、セパレータや非水電解液についても、捲回体1を用いた場合と同様のものを用いることができる。
【0028】
さて、上述した捲回体1又は積層体7を用いて作製された電池を製造所から出荷し、所定の場所へ輸送するに際して、本発明では、電池が下記(1)式、
E/Cp+T1=T2<t ・・・(1)
但し、E(J/g):蓄積された単位重量当たりのエネルギー量で、E>0、
Cp(J/℃・g):電池の比熱、
1(℃):通常輸送温度、
2(℃):最高上昇温度
t(℃):電池が熱により不安全な状態となる最低温度、
の関係が満足された状態として輸送する。
【0029】
ここで、蓄積された単位重量当たりのエネルギー量E(J/g)とは、輸送に際して実際に電池に充填されるエネルギー量を指し、電池の満充電時の単位重量当たりのエネルギー量をE0(J/g)とすると、E≦E0の関係が成り立つ。電池の比熱Cp(J/℃・g)は、電池全体の比熱を指し、電極体のみの比熱を指すものではない。なお、Eの代わりに電池全体のエネルギー量E’(J)を、Cpの代わりに電池全体の熱容量C(J/℃)を用いても、▲1▼式は同様に成立することは明らかである。電池に蓄えられるエネルギー量は、電池の充電容量(放電可能容量)でもある。
【0030】
電池の比熱Cpは、乾燥器等の中に載置することにより電池内部まで一定の所定温度保持された電池を、デュワー瓶中に蓄えられた水の中へ投下して、その上昇水温を測定することにより求めることができる。なお、比熱公知の材料塊を用いて、デュワー瓶からの放熱による熱損失を予め求めておけば、より正確な電池の比熱を測定することができる。
【0031】
通常輸送温度T1(℃)は、多くの場合は室温であるが、航空機を利用する場合や船舶を利用する場合等の輸送手段の違いを考慮し、また、輸送経路(航路)の気候域、例えば、熱帯であるとか寒帯であるとかを考慮して、適宜好適な値に定めることも可能である。
【0032】
最高上昇温度T2(℃)は、(1)式から明らかなように、電池に蓄積されたエネルギーによって、電池自体が温められて到達する電池温度を指している。また、電池が熱により不安全な状態となる最低温度t(℃)とは、例えば、非水電解液が蒸発し、電池内圧が上昇して放圧弁が作動することとなる温度や、電池構成成分の発熱反応により反応が急激に開始する温度等をいう。非水電解液の沸点は、非水電解液を形成する溶媒の種類や混合比率等によって異なり、また、放圧弁の設定開放圧力や容器(電池ケース)耐圧は任意に設定することができることから、tは電池の設計(構造や使用材料等)によって異なるものとなる。
【0033】
従って、(1)式の用い方としては、先ず電池の設計に応じてtを定め、次にT2を定める。T1は輸送方法等により決定することができ、また、Cpは別途測定により予め求めることができることから、こうして定められたT2に対して一義的にEを決定することができる。
【0034】
次に、上述した(1)式の具体的な使用態様について例を挙げて説明することとする。(1)式の第1の使用態様は、最高上昇温度T2を、非水電解液の沸点以下に設定することである。例えば、非水電解液に用いられる溶媒の沸点は、前述したPCで241℃、ECで248℃、DECで127℃、DMCで90℃である。このような溶媒を混合した場合には、分子間相互作用によって沸点が上昇する場合があるが、それぞれの成分が沸点で蒸発を始める場合も起こり得る。
【0035】
つまり、本発明で定義する非水電解液の沸点とは、非水電解液から、少なくとも非水電解液を構成する一成分が蒸発を始める温度を指す。沸点は外圧によって変化するが、この場合の外圧は電池内圧であり、通常は1気圧である。但し、電池外温度、電池封止時の不活性ガス圧力等により変化し得る。
【0036】
従って、最高上昇温度T2を、非水電解液の主要成分の各沸点中で最も低い温度以下とすることも好ましい。非水電解液の主要成分とは、具体的に何%以上含まれる成分のことを指すものではない。例えば、溶媒Aと溶媒Bの等量混合物では両溶媒A・Bが主要成分であることはいうまでもなく、溶媒Aが20%であっても、やはり溶媒Aは主要成分と考えることができる。これに対して、溶媒Aが98%であり、溶媒Bが2%といった混合溶媒では、主要成分は溶媒Aのみと考えることができる。主要成分であるか否かについては、他のどの成分に対しても相対的に1/20以下の含有量しか含まれていな成分は主要成分でないとし、この条件を判断基準とすることができる。
【0037】
さて、最高上昇温度T2の基準を、セパレータの主要構成材料の融点中で最も高い温度以下とすることも好ましい。例えば、前述した3層構造を有するPP/PE/PPフィルムからなるセパレータでは、融点が高く、セパレータの骨格をなすPPフィルムが溶融すると、正極板と負極板の直接接触の危険性が高くなることから、T2をPPフィルムの溶融温度以下とすれば、電池の安全性が確保され、好ましい。
【0038】
ところで、(1)式は、電池が断熱状態にあることを前提としているが、実際には電池温度が上昇したときには電池表面から外部へ熱が放出されることとなるから、もし、電池に蓄積されたエネルギーによって電池自体が加熱されても、電池の温度が設定された最高上昇温度T2に達することは現実には起こり得ないと言ってもよい。このことは、逆に言えば、電池の上昇温度がT2よりも低い温度に抑えられるということを示していることから、(1)式の条件を満たす状態とすることは、電池の安全性をより高めた状態とすることを意味している。
【0039】
上述した本発明の輸送方法は、満充電時の電池容量が2Ah以上、特に5Ah以上の大容量電池に好適に用いられるが、電池を安全に輸送するという本発明の目的に鑑みれば、2Ah以下の容量の電池に用いることも勿論可能である。輸送される電池の用途に制限はないことはいうまでもないが、電気自動車若しくはハイブリッド電気自動車用の電源として用いられる大容量電池の輸送に本発明は好適に用いることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明のリチウム二次電池の輸送方法によれば、短絡事故等により自己発熱した場合であっても、蓄積エネルギー、即ち充電量が制限されているために、電池温度が所定温度以上に上昇することがなく、また、電池の爆発等が回避されることから、電池輸送時の安全性が確保されるという優れた効果が得られる。一方で、一定容量の充電はされていることから、経時的な自己放電によっても、実使用に際して支障をきたしたり、電池特性が低下することがない。なお、リチウム二次電池そのものの安全性が確保されれば、輸送に際して使用する容器等については簡素化や軽量化を図ることが可能となることから、本発明は輸送効率の向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 捲回型電極体の概略構造を示す斜視図である。
【図2】 積層型電極体の概略構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパレータ、5・6…タブ、7…積層型電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、11・12…タブ、13…巻芯。

Claims (6)

  1. 正負各電極板をセパレータを介して捲回若しくは積層してなる電極体を備え、非水電解液を用いたリチウム二次電池の輸送方法であって、
    当該電池に蓄積された単位重量当たりのエネルギー量をE(J/g)、当該電池の比熱をCp(J/℃・g)、当該電池の通常輸送温度をT1(℃)、当該電池の最高上昇温度をT2(℃)とし、また、当該電池が熱により不安全な状態となる最低温度をt(℃)としたときに、
    当該電池を、下記(1)式、
    E/Cp+T1=T2<t ・・・(1)
    (但し、E>0)の関係が満足された状態として輸送することを特徴とするリチウム二次電池の輸送方法。
  2. 前記最高上昇温度T2を、前記非水電解液の沸点以下としたことを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池の輸送方法。
  3. 前記最高上昇温度T2を、前記非水電解液の主要成分の各沸点中で最も低い温度以下としたことを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池の輸送方法。
  4. 前記最高上昇温度T2を、前記セパレータの主要構成材料の融点中で最も高い温度以下としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の輸送方法。
  5. 満充電時の電池容量が2Ah以上の電池に適用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の輸送方法。
  6. 電気自動車若しくはハイブリッド電気自動車用の電源として用いられる電池に適用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の輸送方法。
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