JP2001164608A - ヘッダー式給湯配管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水廻り設備の湯待ち時間が全体的に短く、ま
た各水廻り設備における湯待ち時間を調節した使用性の
高いヘッダー式給湯配管を提供する。 【解決手段】 主給湯管(20)を、基礎(５)に形成した配
管専用のスリーブ孔(40)に挿通させることによって、給
湯器(10)から床下に設置したヘッダー(21)までほぼ最短
経路で引き回すとともに、湯待ち時間を短くしたい水廻
り設備に対応した枝管(22)(22)…から順に、その配管長
が短くなる位置にヘッダー(21)を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ヘッダー工法を
採用した住宅の給湯配管に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、主にマンション等の集合住宅を対
象として、給湯器からの主給湯管をヘッダーを介してた
こ足状に分岐させ、これら複数の枝管を各水廻り設備の
水栓へ１対１でつなげるヘッダー工法を採用した給湯配
管が普及してきている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のヘッダー工法に
おいては、玄関横のパイプシャフト内や壁体内部に形成
した配管スペース内にヘッダーを設置していたので、ヘ
ッダーの設置位置が限定され、給湯器からヘッダーまで
の距離すなわち主給湯管の配管長や、ヘッダーから各水
廻り設備までの距離すなわち各枝管の配管長もおのずと
限定されていた。

【０００４】主管の配管長は、全ての水廻り設備におけ
る湯待ち時間に影響を与え、各枝管の配管長は、夫々対
応する水廻り設備の湯待ち時間に影響を与えるが、この
ように主管や各枝管の配管長が限定されてしまうと、各
水廻り設備における湯待ち時間を自由に設定することが
できず、全ての水廻り設備の湯待ち時間が長くなった
り、また湯待ち時間を短くしたい水廻り設備において、
逆に湯待ち時間が長くなってしまうといった不具合が生
じることがあった。

【０００５】そこで、本発明は、上記の不具合を解消し
て、水廻り設備の湯待ち時間を全体的に短くすることが
でき、また各水廻り設備における湯待ち時間を簡単に調
節して、使用性の高い実用的な給湯を実現することがで
きるヘッダー式給湯配管の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、給湯器からの主給湯管を、床下に設置
したヘッダーに接続して、そのヘッダーから分岐した複
数の枝管を、床下にて引き回して夫々対応する水廻り設
備へ接続するようにしたヘッダー式給湯配管であって、
主給湯管を、基礎に形成した配管専用のスリーブ孔に挿
通させることによって、給湯器からヘッダーまでほぼ最
短経路で引き回すとともに、湯待ち時間を短くしたい水
廻り設備に対応した枝管から順に、その配管長が短くな
る位置にヘッダーを設置するようにしたことを特徴とす
る。

【０００７】また、各枝管を、基礎に形成した配管専用
のスリーブ孔に挿通させながら引き回すようにしてい
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図１は、本発明の一実施形
態に係るヘッダー式給水・給湯配管を示す斜視図、図２
は、主管及び枝管の縦断面図、図３は、主給湯管及び間
仕切り基礎挿通部分を示す斜視図、図４は、給湯用ヘッ
ダーからの各枝給湯管の配管長を比較するための図、図
５は、給水用ヘッダーの設置状態を示す斜視図である。

【０００９】(１)は、戸建住宅における１階の床下空間
(２)に導かれた主給水管であって、この主給水管(１)
は、床下空間(２)に設置した給水用ヘッダー(３)に接続
されている。また、給水用ヘッダー(３)からは、複数の
枝給水管(４)(４)…がたこ足状に分岐しており、これら
枝給水管(４)(４)…は、床下空間(２)にて間仕切り基礎
(５)を横切りながら引き回しされて、建物外壁(９)の外
面に取り付けられた給湯器(10)、キッチンの流し台(1
1)、便器(12)、洗濯機(13)、ユニットバス(14)、洗面(1
5)といった夫々対応する１階の水廻り設備の水栓へ接続
されている。

【００１０】(20)は、給湯器(10)から床下空間(２)に導
かれた主給湯管であって、この主給湯管(20)は、床下空
間(２)にて間仕切り基礎(５)を横切りながら引き回しさ
れて、床下空間(２)に設置した給湯用ヘッダー(21)に接
続されている。また、給湯用ヘッダー(21)からは、複数
の枝給湯管(22)(22)…がたこ足状に分岐しており、これ
ら枝給湯管(22)(22)…も、床下空間(２)にて間仕切り基
礎(５)を横切りながら引き回しされて、キッチンの流し
台(11)、ユニットバス(14)、洗面(15)といった夫々対応
する水廻り設備の水栓へ接続されている。

【００１１】各給水・給湯用の管(１)(４)(20)(22)は、
図２に示すように、架橋ポリエチレン製やポリブテン製
の内管(30)に、保温機能を有する発泡ポリエチレン製の
外管(31)を被覆してなる可撓性を有する樹脂管とされて
おり、管(１)(４)(20)(22)を湾曲させながら配管するこ
とができるといったように融通の効く配管が可能となっ
ている。

【００１２】また、間仕切り基礎(５)には、換気口等の
孔とは別に、図３に示すように、床下空間(２)にて引き
回しされる主給湯管(20)及び各枝管(４)(22)…の最短経
路上において、複数の配管専用のスリーブ孔(40)(40)…
が形成されている。従って、主給湯管(20)及び各枝管
(４)(22)…をスリーブ孔(40)(40)…に挿通させながら引
き回すことで、これら主給湯管(20)及び各枝管(４)(22)
…をほぼ最短経路で導いている。主給湯管(20)及び各枝
管(４)(22)…のスリーブ孔(40)(40)…の挿通に際して
は、その挿通部分に可撓性を有する蛇腹状樹脂管である
保護管(50)を外嵌して、スリーブ孔(40)(40)…の孔壁に
よる各枝管(４)(22)…の破損を防止している。

【００１３】各ヘッダー(３)(21)は、床下空間(２)の中
でも特に水廻り設備の集中するユーティリティの床下に
設置されている。このように、各ヘッダー(３)(21)を床
下空間(２)に設置することによって、各ヘッダー(３)(2
1)の設置位置を広範囲な床下空間(２)内において自由に
決めることができる。このことから、特に給湯用ヘッダ
ー(21)の設置位置を適宜設定することによって、主給湯
管(20)や各水廻り設備への枝給湯管(22)(22)…の配管長
を調節することができる。

【００１４】従って、主給湯用ヘッダー(21)を、湯待ち
時間を短くしたい水廻り設備に対応した枝給湯管(22)(2
2)から順に、その配管長が短くなる位置に設置するよう
にしている。すなわち、図４に示すように、最も湯待ち
時間を短くしたい洗面(15)に接続される枝給湯管(22)の
配管長が最も短く、続いてキッチンの流し台(11)に接続
される枝給湯管(22)、ユニットバス(14)に接続される枝
給水管(４)の順に配管長が短くなるようにしている。

【００１５】各主ヘッダー(３)(21)の設置に際しては、
図５に示すように、脚部材(26)及び保持部材(27)からな
る固定金具(28)(28)を介して土間コンクリート(29)に固
定している。なお、図５においては、給水用ヘッダー
(３)の設置のみを示しているが、給湯用ヘッダー(21)
も、これと同様にして固定されている。

【００１６】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲内で、上記実施形態に多くの修
正及び変更を加え得ることは勿論である。

【００１７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のヘッダー式給湯配管においては、給湯器からの主給湯
管を、基礎に形成した配管専用のスリーブ孔に挿通させ
ることによって、給湯器から床下に設置したヘッダーま
でほぼ最短経路で引き回しているので、主給湯管の配管
長を短くして、水廻り設備の湯待ち時間を全体的に短く
することができる。

【００１８】しかも、ヘッダーを床下に設置することに
よって、ヘッダーの設置位置を広範囲な床下空間内にお
いて自由に決めることができ、これによって主給湯管や
各水廻り設備への枝給湯管の配管長を調節して、各水廻
り設備の湯待ち時間を自由に設定することができる。特
に、本発明においては、湯待ち時間を短くしたい水廻り
設備に対応した枝管から順に、その配管長が短くなる位
置にヘッダーを設置しているので、各水廻り設備の湯待
ち時間を効果的に設定して、使用性の高い実用的な給湯
を実現することができる。

【００１９】また、各枝管を、基礎に形成した配管専用
のスリーブ孔に挿通させながら引き回すようにしている
ので、各枝管を水廻り設備までほぼ最短経路で引き回す
ことができ、各水廻り設備における湯待ち時間を短くす
ることができる。しかも、配管総延長を短く抑えること
ができるので、経済性及び施工性の向上を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るヘッダー式給水・給
湯配管を示す斜視図である。

【図２】主管及び枝管の縦断面図である。

【図３】主給湯管及び枝管の間仕切り基礎挿通部分を示
す斜視図である。

【図４】給湯用ヘッダーからの各枝給湯管の配管長を比
較するための図である。

【図５】給水用ヘッダーの設置状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

(２) 床下空間 (５) 基礎 (10) 給湯器 (20) 主給湯管 (21) 給湯用ヘッダー (22) 枝給湯管 (40) スリーブ孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給湯器からの主給湯管を、床下に設置し
   たヘッダーに接続して、そのヘッダーから分岐した複数
   の枝管を、床下にて引き回して夫々対応する水廻り設備
   へ接続するようにしたヘッダー式給湯配管であって、主
   給湯管を、基礎に形成した配管専用のスリーブ孔に挿通
   させることによって、給湯器からヘッダーまでほぼ最短
   経路で引き回すとともに、湯待ち時間を短くしたい水廻
   り設備に対応した枝管から順に、その配管長が短くなる
   位置にヘッダーを設置するようにしたことを特徴とする
   ヘッダー式給湯配管。
2. 【請求項２】 各枝管を、基礎に形成した配管専用のス
   リーブ孔に挿通させながら引き回すようにした請求項１
   記載のヘッダー式給湯配管。