JP2001164069A - ビニルアルコール系重合体組成物および成形品 - Google Patents
ビニルアルコール系重合体組成物および成形品Info
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Abstract
成物、並びに該PVA系重合体組成物からなる成形品を
提供すること。 【解決手段】 ビニルアルコール系重合体(A)および
水酸基の少なくとも1個がエーテル化された糖類(B)
からなり、成分(A)100重量部に対する成分(B)
の配合割合が0.01〜50重量部であるビニルアルコ
ール系重合体組成物;並びに該ビニルアルコール系重合
体組成物からなる成形品。
Description
系重合体(以下、PVA系重合体と略記する)および水
酸基の少なくとも1個がエーテル化された糖類からな
り、熱安定性、着色性に優れたPVA系重合体組成物、
並びに該PVA系重合体組成物からなる成形品に関す
る。
あり、けん化度によって溶解速度は異なるが、通常、水
に溶解してその形状をなくす性質を有している。また、
PVA系重合体は造膜性、透明性および機械的強度に優
れ、他の樹脂と比較してもより優れた素材であることが
知られており、紙用コーティング剤および紙用内添剤な
どの紙用改質剤;紙、木材および無機物等の接着剤;経
糸糊剤、フィルムおよびシート等に幅広く使用されてい
る。さらにPVA系重合体は生分解性を有する樹脂であ
り、水に溶解したPVA系重合体が環境を汚染するよう
なことはない。
熱成形する際には、熱安定性(着色、臭気、粘度等)が
極めて重要となる。特に溶融成形に関しては、PVA系
重合体は結晶融点と分解開始温度が近いため、ポリエチ
レンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂に比
べると劣化が激しく、熱安定性が極めて低い。従って、
PVA系重合体を容易に溶融成形するためには、けん化
度を下げる、コモノマーを共重合させる、あるいは可塑
剤や水を添加する等の方法によって、融点を低くする工
夫が必要である。しかし、それでも決して十分なレベル
とはいえず、またそのような方法では、用いることがで
きるPVA系重合体のけん化度、変性度等の適用範囲が
狭くなる。また、溶融成形性を向上させるためにエチレ
ンを25〜50モル%共重合したエチレン−ビニルアル
コール共重合体は代表的なガスバリアー材として良く知
られており、熱安定性の改良に関しては種々の工夫がな
されているが、更なる改良が望まれている。
としては、重合度、けん化度、アルカリ金属塩の含有量
等が考えられるが、実際には、どのような機構で熱劣化
が進行しているのか明確にはなっていない。そのため、
その改善策についても効果的な方法が見出されていなか
った。
A系重合体に特定の糖類を配合することによりPVA系
重合体の熱劣化を抑制し、熱安定性および着色性に優れ
たPVA系重合体組成物、並びに該PVA系重合体組成
物からなる成形品を提供することにある。
解決するために鋭意検討した結果、水酸基の少なくとも
1個がエーテル化された糖類をPVA系重合体に特定量
配合することにより、熱安定性および着色性に優れたP
VA系重合体組成物が得られることを見出し、本発明を
完成させるにいたった。
合体(A)および水酸基の少なくとも1個がエーテル化
された糖類(B)からなり、成分(A)100重量部に
対する成分(B)の配合割合が0.01〜50重量部で
あるPVA系重合体組成物、並びに該PVA系重合体組
成物からなる成形品に関する。
する。本発明で用いられるPVA系重合体(A)として
は、熱溶融可能なPVA系重合体を用いることができ、
例えば、ビニルエステルの重合体をけん化することによ
り得られたものを用いることができる。前記ビニルエス
テルとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられる
が、工業的には酢酸ビニルを用いるのが好ましい。
は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法
などの公知の方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あ
るいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や
溶液重合法が通常採用される。溶液重合時に溶媒として
使用されるアルコールとしては、メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコ
ールが挙げられる。重合に使用される開始剤としては、
例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネー
トなどのアゾ系開始剤または過酸化物系開始剤などの公
知の開始剤が挙げられる。重合温度については特に制限
はないが、−30〜200℃の範囲が適当である。
てけん化される。例えば、アルコールに溶解した状態で
けん化される。けん化反応に使用されるアルコールとし
ては、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級
アルコールが挙げられ、メチルアルコールが特に好適に
使用される。けん化反応に使用されるアルコールには、
40重量%以下であれば、アセトン、酢酸メチル、酢酸
エチル、ベンゼン等の溶剤を含有していてもよい。けん
化反応に用いられる触媒としては、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ナトリ
ウムメチラートなどのアルカリ触媒、あるいは鉱酸など
の酸触媒が用いられる。けん化反応の温度については特
に制限はないが、20〜60℃の範囲が適当である。け
ん化反応の進行に伴って、ゲル状生成物が析出してくる
場合には、その時点で生成物を粉砕し、洗浄後、乾燥す
ることにより、本発明に用いることができるPVA系重
合体が得られる。
位を含有していてもよい。α−オレフィン単位として
は、炭素数4以下のものが好ましく、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等から誘導さ
れる単位が挙げられるが、耐水性、吸湿性を考慮する
と、エチレン単位がより好ましい。α−オレフィン単位
の含有量は、1〜60モル%が好ましく、含有量が60
モル%を越える場合には、変性PVAとしての特徴が損
なわれる傾向がある。
ニルエーテル単位またはヒドロキシアルキルビニルエー
テル単位を含有していてもよい。これらの単位が有する
アルキル基は炭素数が4以下のものが好ましく、例え
ば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等から誘
導される単位が挙げられる。これらビニルエーテル単位
の含有量は0.1〜20モル%が好ましく、含有量が2
0モル%を越える場合には、PVA系重合体の重合度が
低下して変性PVAとしての特徴が損なわれる傾向があ
る。
の効果を損なわない範囲であれば、上記した単位以外の
単量体単位を含有していてもよい。このような単位とし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸などの不飽和酸類、あるいはその塩または炭
素数1〜18のアルキルエステル類;アクリルアミド、
炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパ
ンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピル
ジメチルアミンあるいはその塩などのアクリルアミド
類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキル
メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいは
その塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;アリルアセ
テート、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテ
ル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類;ポ
リオキシアルキレン基を含有するアリルエーテル類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、ふっ化ビニ
リデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメ
トキシビニルシランなどのビニルシラン類;ポリオキシ
プロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロ
ピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン
(メタ)ビニルエーテルなどのオキシアルキレン基を有
する単量体;酢酸イソプロペニル;3−ブテン−1−オ
ール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−
オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−
オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒド
ロキシ基含有のα−オレフィン類;エチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等に由来
するスルホン酸基を有する単量体;ビニロキシエチルト
リメチルアンモニウムクロリド、ビニロキシブチルトリ
メチルアンモニウムクロリド、ビニロキシエチルジメチ
ルアミン、ビニロキシメチルジエチルアミン、N−アク
リルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロリド、N
−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、N−アクリルアミドジメチルアミン、アリルトリメ
チルアンモニウムクロリド、メタアリルトリメチルアン
モニウムクロリド、ジメチルアリルアミン、アリルエチ
ルアミン等に由来するカチオン基を有する単量体等から
誘導される単位が挙げられる。これらの単量体単位の中
でも、入手のしやすさ、共重合性および溶融成形性の観
点から、アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、
ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のア
リルエーテル類;ポリオキシプロピレン(メタ)アクリ
ル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエー
テル、ポリオキシプロピレン(メタ)ビニルエーテルな
どのオキシアルキレン基を有する単量体;3−ブテン−
1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン
−1−オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン
−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等
のヒドロキシ基含有のα−オレフィン類;N−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニル
アミド類から誘導される単位が好ましい。これらの単量
体単位の含有量は通常20モル%以下が好ましく、10
モル%以下がより好ましい。
化度は特に制限はないが、得られる成形物の機械的強度
や形態安定性、さらには溶融成形時の粘度安定性等を考
えると、重合度は100〜2500が好ましく、200
〜2000がより好ましい。けん化度については、40
モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好まし
く、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上
が特に好ましい。
個がエーテル化された糖類(B)とは、単糖類またはオ
リゴ糖類が有する水酸基の少なくとも1個がエーテル化
されたものを意味する。これらの糖類には、糖アルコー
ルも包含される。単糖類とは、糖類のうちで加水分解に
よってそれ以上簡単な化合物にならない基本構造単位で
あり、通常、一般式CnH2nOnで表され、nが5以上の
ものが好ましい。具体的には、グルコース、フルクトー
ス、マンノース、ガラクトース、キシロースなどが挙げ
られ、その中でもグルコースが好ましい。オリゴ糖類と
は、単糖が2個以上10個程度までグリコシド結合によ
って結ばれた構造を有すものであり、具体的には、ラク
トース、トレハロース、スクロース、マルトースなどが
挙げられる。これらの糖類としては、末端をアルコール
化した糖アルコールも使用できる。これらの糖類の中で
も、単糖類を用いるのが好ましく、その中でもグルコー
スを用いるのが特に好ましい。
のうちどこでもよく、特に制限はないが、ヘミアセター
ル水酸基を他の化合物と反応させてエーテル化したもの
が好ましく、グルコシドがさらに好ましい。ここでグル
コシドとは、糖以外の物質(非糖成分)とグルコースが
含有する水酸基とが結合したグルコース配糖体を意味す
る。非糖成分としては一般式ROHで表されるアルコー
ルが好ましく、Rは炭素数4以下のアルキル基、炭素数
4以下のヒドロキシアルキル基、炭素数4以下のカルボ
キシアルキル基もしくは下記の一般式(1)で示される
基であることが水溶性の点から好ましい。
ルキル基、CH2=CHCO−基またはCH3CH=CH
CO−基;R1は水素原子またはメチル基;nは1〜2
0の整数を表す〕
α−メチル−D−グルコシド、β−メチル−D−グルコ
シド、α−エチル−D−グルコシド、α−ヒドロキシエ
チル−D−グルコシド、α−メトキシエチル−D−グル
コシド、α−カルボキシメチル−D−グルコシドなどの
ヘミアセタール水酸基がエーテル化されたグルコシド、
3−O−メチルグルコースなどのエーテル化された単糖
類;2,5−O−メチレン―D―マンニトール等のエー
テル化された糖アルコール;アクリル酸グルコシルオキ
シエチル、メタクリル酸グルコシルオキシエチルなどの
重合性基を有するエーテル化された単糖類;1(β)−
メチル−1(β)−D−グルコシド<1,5>−6−D
−グルコシド<1,5>などのエーテル化されたオリゴ
糖類を挙げることができる。これらのなかでも、ヘミア
セタール水酸基がエーテル化されたグルコシドが好まし
い。
系重合体(A)および水酸基の少なくとも1個がエーテ
ル化された糖類(B)からなり、その配合割合は、成分
(A)100重量部に対して成分(B)が0.01〜5
0重量部であり、0.02〜40重量部が好ましく、
0.03〜30重量部がより好ましく、0.04〜25
重量部が特に好ましい。成分(A)100重量部に対し
て成分(B)の配合割合が0.01重量部未満の場合に
は、得られるPVA系重合体組成物の熱安定性および着
色性が十分に改善されず、また成分(B)の配合割合が
50重量部を越える場合には、得られるPVA系重合体
組成物の機械的強度が低下するなどPVA系重合体が有
している独自の特徴が失われる。
明の目的が損なわれない範囲で、所望により、充填材、
可塑剤、他の可塑性樹脂、さらには香料、着色剤、発泡
剤、消臭剤、増量剤、滑剤、剥離剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、加工安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、離型剤、補強材、防かび剤、防腐剤などの通常用い
られる添加剤を適宜配合することができる。
れるPVA系重合体組成物の硬度や剛度を高め、重量感
を与えるとともに、水崩壊性や生分解性の速度を調整し
たり、ブロッキング防止性を発現させたり、印刷性を具
備させることを目的に使用することができる。この充填
材としては、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウ
ム、シリカ、マイカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジル
コニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの無機充
填材;尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホルマリン
系樹脂等の有機充填材が挙げられる。充填材の配合量は
特に制限はないが、PVA系重合体(A)100重量部
に対して0.1〜300重量部が好ましく、0.5〜1
00重量部がさらに好ましい。
は、融点を低下させて、成形性を向上させるとともに、
得られる成形物に柔軟性と靭性を付与することを目的に
使用することができる。この可塑剤としては特に制限は
なく、PVAの可塑剤として一般に用いられているもの
を使用することができる。例えば、グリセリン、ジグリ
セリン、ジエチレングリコールなどの多価アルコール
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリエーテル類;ソルビトールや、グリセリン
等の多価アルコールへエチレンオキサイドを付加した化
合物;糖類;ポリエーテル類;ビスフェノールA、ビス
フェノールSなどのフェノール誘導体;その他N−メチ
ルピロリドンなどのアミド化合物;3価以上の多価アル
コール1モルに対し、アルキレンオキシド2〜4モル程
度を付加した化合物;トリメチロールプロパン、さらに
は水などが挙げられる。可塑剤の配合量は、特に制限は
ないが、PVA系重合体(A)100重量部に対し、
0.1〜100重量部が好ましく、1〜20重量部がよ
り好ましい。
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹
脂、ポリスチレンなどの汎用樹脂が挙げられる。
には特に制限はなく、PVA系重合体(A)に、水酸基
の少なくとも1個がエーテル化された糖類(B)および
必要に応じて充填材、可塑剤、添加剤等を配合し、混合
するだけでもよく、さらにこの組成物を溶融混錬してペ
レット化してもよい。また溶融混錬機にPVA系重合体
(A)と水酸基の少なくとも1個がエーテル化された糖
類(B)および必要に応じて充填材、可塑剤、添加剤等
を、別々に一定割合で仕込みながら溶融混錬してペレッ
ト化してもよい。
ば、圧縮成形法、トランスファー成形法、強化プラスチ
ック成形法、射出成形法、押出成形法、Tダイからの押
出製膜法、インフレーション製膜法、中空成形法、ブロ
ー成形法、カレンダー成形法、発泡成形法、真空成形
法、圧空成形法などの各種成形法により、フィルム、シ
ート、その他各種形状の成形品を製造することができ
る。また、所望により、これらの成形品に他の熱可塑性
樹脂を積層し、積層体を製造してもよい。この他の熱可
塑性樹脂としては、本発明のPVA系重合体組成物の所
望成分として、先に例示したものと同じものを挙げるこ
とができる。
さらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例にお
いて「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基
準を意味する。
化度はJIS K6726により測定した。PVA系重
合体中のコモノマー単位の含有量は、500MHz 1
H−NMRにより定量した。1H−NMR測定時のPV
A系重合体の溶媒は重水素化DMSOを用いた。
びに該試料の熱安定性および着色性の評価は以下の方法
で行った。
割合で混合した後、105℃で5時間以上、減圧乾燥さ
せた。該組成物を下記の条件で溶融押出することにより
ペレットを作成した。 (ペレット化条件) 押出機:東洋精機(株)製ラボプラストミル スクリュー:2軸同方向、25mmφ、L/D=26 スクリュー回転数:60rpm 設定温度:220℃ 吐出量:2.2kg/h
分の昇温速度で、700℃まで昇温する条件で示差熱・
熱重量測定装置(セイコー電子(株)製、TG/DTA
220U)を用いて測定し、5%重量減少温度を求め
た。
に、厚さ25μmのフィルムを作成した。該フィルムを
200℃で熱風乾燥機内で10分間または60分間熱処
理を施し、その時のフィルムの着色度合いを目視で観察
し、下記の評価基準で判定した。 (フィルム化条件) 押出機:東洋精機(株)製ラボプラストミル スクリュー:深溝タイプ、25mmφ、L/D=26 スクリュー回転数:40rpm 設定温度:220℃ ダイ温度:220℃ 引き取り速度:3m/分 冷却ロール温度:40℃ (着色性の評価基準) ◎:無色透明 ○:薄黄色で透明性有り △:黄色で透明性有り ×:褐色から焦げ茶色で透明性なし
系重合体の重合度、けん化度、コモノマーの含有量を下
記の表1に示す。
粉末(PVA−1)100重量部を、メタノール100
0重量部でソックスレー洗浄を3日間行った後に、60
℃熱風乾燥機で1日間乾燥させた。該精製PVA重合体
粉末100重量部に、α−メチル−D−グルコシド(和
光純薬工業(株)製)を5重量部添加、混合し、105℃
で12時間の減圧乾燥を行った。次いで前記の方法によ
り試料を作成し、熱安定性および着色性を前記の方法に
より評価した。評価結果を下記の表3に示す。
実施例1と同様にして試料を作成し、熱安定性および着
色性の評価を行った。評価結果を下記の表3に示す。
VA重合体組成物は、無添加の単独PVA重合体と比較
して、熱安定性を表す指標である5%重量減少温度が7
0℃高い。また溶融フィルムの熱処理後の着色性も良好
であり、本発明のPVA重合体組成物は熱安定性に優れ
ることがわかった。
に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試料を作
成し、熱安定性および着色性の評価を行った。評価結果
を下記の表3に示す。
施例2〜4のものは熱安定性および着色性に優れるが、
比較例2に示す0.005重量部では本発明の効果が見
られなかった。また60重量部のα−メチル−D−グル
コシドを添加した比較例3は熱安定性を改善する効果は
認められたが、溶融成形性が悪く、溶融フィルムが得ら
れなかった。
た糖を下記の表2に示すものに変更したこと以外は、実
施例1と同様にして試料を作成し、熱安定性および着色
性の評価を行った。評価結果を下記の表3に示す。
いないD−グルコースを用いた以外は、実施例1と全く
同様にして試料を作成し、熱安定性および着色性の評価
を行った。評価結果を下記の表3に示す。熱安定性はP
VA重合体単独よりも向上したが、得られたフィルムお
よび熱処理後のフィルムは褐色であり、着色性がPVA
重合体単独のものより悪かった。
実施例1と同様にして試料を作成し、熱安定性および着
色性の評価を行った。評価結果を下記の表3に示す。
較例1と同様にして試料を作成し、熱安定性および着色
性の評価を行った。評価結果を下記の表3に示す。
A重合体も、エーテル化された糖類を添加することによ
り熱安定性および着色性が向上していることがわかる。
定性および着色性に優れており、熱処理や熱成形時のP
VA系重合体の劣化が抑制されているため、該PVA系
重合体組成物を用いることで、品質の良い成形品を安定
に製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ビニルアルコール系重合体(A)および
水酸基の少なくとも1個がエーテル化された糖類(B)
からなり、成分(A)100重量部に対する成分(B)
の配合割合が0.01〜50重量部であるビニルアルコ
ール系重合体組成物。 - 【請求項2】 水酸基の少なくとも1個がエーテル化さ
れた糖類(B)が、ヘミアセタール水酸基がエーテル化
された糖類である請求項1記載のビニルアルコール系重
合体組成物。 - 【請求項3】 ビニルアルコール系重合体(A)が、α
−オレフィン単位を1〜60モル%含有するビニルアル
コール系重合体、アルキルビニルエーテル単位を1〜2
0モル%含有するビニルアルコール系重合体またはヒド
ロキシアルキルビニルエーテル単位を0.1〜20モル
%含有するビニルアルコール系重合体である請求項1ま
たは2記載のビニルアルコール系重合体組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項記載のビニ
ルアルコール系重合体組成物からなる成形品。
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---|---|---|---|
JP34995999A JP4476402B2 (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | ビニルアルコール系重合体組成物および成形品 |
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JP34995999A JP4476402B2 (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | ビニルアルコール系重合体組成物および成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4476402B2 JP4476402B2 (ja) | 2010-06-09 |
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JP34995999A Expired - Lifetime JP4476402B2 (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | ビニルアルコール系重合体組成物および成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4476402B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2206740A3 (en) * | 2009-01-09 | 2011-11-30 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polymer stabilizer |
WO2018221743A1 (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-06 | 日本合成化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール系樹脂組成物ペレット及び該ポリビニルアルコール系樹脂組成物ペレットの製造方法 |
-
1999
- 1999-12-09 JP JP34995999A patent/JP4476402B2/ja not_active Expired - Lifetime
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