JP2001163448A - コンテナターミナルおよび門型コンテナクレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンテナ船へのコンテナ積み卸しの効率化と
コンテナターミナルの省スペース化を図る。 【解決手段】 岸壁１２に対して直角方向に掘削され、
コンテナ船７が進入可能なドック１６と、該ドック１６
を跨いで走行可能に架設され、トロリ８ａとトラバーサ
８ｄとを有してコンテナ船７へのコンテナ１３の積み卸
しを行う門型コンテナクレーン８Ａと、上記ドック１６
の両側にドック１６に沿って立設され、コンテナ１３を
段積みする複数列のコンテナ貯蔵用スペース２上に設け
た架構１Ａを有するコンテナ貯蔵装置１と、該コンテナ
貯蔵装置１の幅方向に設けたトレーラ移動通路兼コンテ
ナ積替所１ａと、トロリ３ａを有してコンテナ貯蔵装置
１の架構１Ａ上を走行し、トレーラ移動通路兼コンテナ
積替所１ａ上でトレーラ１４とコンテナ貯蔵用スペース
２との間でコンテナ１３の受け渡しを行う複数の天井ク
レーン３とを有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は港湾に設置されるコ
ンテナターミナルおよび門型コンテナクレーンに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来のコンテナターミナルの荷役
設備の側面図である。コンテナ船７に積み込まれたコン
テナ１３は、コンテナクレーン８により積み卸しされ、
コンテナコンベア１１に載せられ、陸側に送られる。陸
側の端部でコンテナ１３はヤード用橋形クレーン９によ
り吊り上げられ、トレーラ（シャーシ）１４に積み込ま
れるか、コンテナヤード１０に積み上げられる。ヤード
用橋形クレーン９により積み上げられたコンテナ１３
は、順次コンテナターミナルから外部に輸送される。こ
のコンテナターミナルの荷役設備においては、通常、コ
ンテナ船７は右舷または左舷のいずれかを接岸してコン
テナ１３の積み卸しをする。なお、１２は岸壁である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかるコンテナターミ
ナルは、コンテナ船の右舷または左舷の一方の側のコン
テナターミナルからのみコンテナの積み卸し作業を行う
ので、荷役効率が悪く、かつ、広大なスペースを必要と
する。

【０００４】本発明は、従来技術のかかる問題点に鑑み
案出されたもので、コンテナ船をドックに入れ、コンテ
ナ船の右舷側または左舷側のいずれか一方から順次コン
テナの積み卸しを行い、かつ、コンテナクレーンにトロ
リとトラバーサを設けてトロリとトラバーサの共同作業
により荷役作業を行うので、荷役効率の向上とコンテナ
ターミナルの省スペース化を図ることができるコンテナ
ターミナルおよび門型コンテナクレーンを提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願請求項１の発明は、岸壁に対して直角方向に掘削さ
れ、コンテナ船が進入可能なドックと、該ドックを跨い
で走行可能に架設され、トロリとトラバーサとを有して
コンテナ船へのコンテナの積み卸しを行う門型コンテナ
クレーンと、上記ドックの両側にドックに沿って立設さ
れ、コンテナを段積みする複数列のコンテナ貯蔵用スペ
ース上に設けた架構を有するコンテナ貯蔵装置と、該コ
ンテナ貯蔵装置の幅方向に設けたトレーラ移動通路兼コ
ンテナ積替所と、トロリを有してコンテナ貯蔵装置の架
構上を走行し、トレーラ移動通路兼コンテナ積替所上で
トレーラとコンテナ貯蔵用スペースとの間でコンテナの
受け渡しを行う複数の天井クレーンとを有してなるコン
テナターミナルが提供される。

【０００６】本願請求項２の発明は、コンテナ船が進入
可能に設けられたドックを跨いでドックに沿って敷設さ
れた走行レール上を走行可能に架設され、コンテナ船の
右舷と左舷の両側からコンテナ船へのコンテナの積み卸
しを行う２個のトロリと、一方のトロリが吊り上げてき
たコンテナを他方のトロリに移載するコンテナ中継台を
有する１個のトラバーサとを有してなる門型コンテナク
レーンが提供される。

【０００７】次に本発明の作用を説明する。岸壁に対し
て直角方向に掘削したドックを跨いで走行するトロリと
トラバーサを有する門型コンテナクレーンを設け、か
つ、ドックの両側にドックに沿って立設され、コンテナ
を段積みする複数列のコンテナ貯蔵用スペース上に設け
た架構を有するコンテナ貯蔵装置を設け、門型コンテナ
クレーンに設けたトロリとトラバーサの共同作業により
コンテナ船の右舷側または左舷側のいずれか一方からコ
ンテナの積み卸しを行い、一方の積み卸しが終わると引
き続いて他方での積み卸しを行い、また、コンテナ貯蔵
装置の上方に天井クレーンを走行させ、天井クレーンに
よりコンテナを吊持してコンテナの積み卸しを行うの
で、荷役効率の向上とコンテナターミナルとして省スペ
ース化が図れる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。図１は本発明のコンテナ
ターミナルの平面図である。図２（Ａ）は図１のＡ−Ａ
矢視図であり、図２（Ｂ）は図１のＢ−Ｂ矢視図であ
る。図３は図１のＣ−Ｃ矢視図である。これらの図にお
いて、図４を用いて説明したものと共通の部分について
は同一の符号を付しており、重複した説明は省略する。

【０００９】図１ないし図３において、１はコンテナ貯
蔵装置である。コンテナ貯蔵装置１は、ドック１６の両
側にドック１６に沿って立設され、コンテナ１３を段積
みする複数列のコンテナ貯蔵用スペース２を設けた架構
１Ａを有している。ドック１６は岸壁１２に対して直角
方向に掘削され、コンテナ船７が進入可能に設けられて
いる。１ａはコンテナ貯蔵装置１内の長手方向の両端と
中間にコンテナ貯蔵装置１を横断するように設けたコン
テナ移動通路兼コンテナ積替所である。各コンテナ貯蔵
スペース２は、４０ｆｔのコンテナ１３を各６列ずつ段
積み可能に設けられている（図１、図２）。なお、各コ
ンテナ貯蔵スペース２には、４０ｆｔのコンテナ１３に
替えて、図示しない２０ｆｔのコンテナを４列並べて段
積みすることができる。コンテナ貯蔵スペース２は、中
間のコンテナ移動通路兼コンテナ積替所１ａを境界にし
て、図１に示すように輸出用領域Ｙ、輸入用領域Ｘに区
分されていて、コンテナ１３はこの輸出用領域Ｙと輸入
用領域Ｘに、輸出用コンテナと輸入用コンテナとに区分
されて段積みにして貯蔵される。

【００１０】３は複数の天井クレーンで、各コンテナ貯
蔵スペース２の上方と各コンテナ移動通路兼コンテナ積
替所１ａの架構１Ａ上方に敷設された走行レール１ｂ上
をコンテナ貯蔵装置１の長手方向に走行可能に架設され
ている。３ａは各天井クレーン３に横行可能に設けられ
たトロリで、４０ｆｔ、２０ｆｔのコンテナ１３を把持
し、吊り上げてコンテナ貯蔵スペース２内を移動可能で
ある（図２）。なお、トロリ３ａには、ワイヤーロープ
３ｂを介して、図示しない吊りビームが懸吊されてお
り、また、吊りビームにはコンテナ１３を把持するスプ
レッダ３ｃが設けられている。

【００１１】５，５ａはコンテナ貯蔵装置１の外側に設
けたトレーラ移動通路で、５は輸入用領域Ｘ内のトレー
ラ移動通路、５ａは輸出用領域Ｙ内のトレーラ移動通路
である。トレーラ１４は、このトレーラ移動通路５，５
ａおよびコンテナ移動通路兼コンテナ積替所１ａを通り
矢印方向に移動して、各コンテナ移動通路兼コンテナ積
替所１ａにおいて各天井クレーン３との間でコンテナ１
３の受け渡しを行い、また、ドック１６側のトレーラ移
動通路５，５ａにおいて門型コンテナクレーン８Ａとの
間でコンテナ１３の受け渡しを行う。

【００１２】門型コンテナクレーン８Ａは、ドック１６
を跨いでドック１６に沿って敷設された走行レール６上
に走行可能に架設され、２個のトロリ８ａと１個のトラ
バーサ８ｄを有し、これら２個のトロリ８ａと１個のト
ラバーサ８ｄの共同作業によりコンテナ船７へのコンテ
ナ１３の積み卸しを行う。２個のトロリ８ａは、門型コ
ンテナクレーン８Ａ上に敷設したレール８ｆ上を、コン
テナ船７の右舷側または左舷側へ各別に横行可能であ
る。２個のトロリ８ａがコンテナ船７からコンテナ１３
を積み卸しすときは、一方のトロリ８ａはコンテナ船７
上の所望の位置に停止してコンテナ船７とトラバーサ８
ｄとの間でコンテナ１３の受け渡しを行い、他方のトロ
リ８ａはコンテナ船７の右舷側または左舷側のトレーラ
移動通路５，５ａ上に停止してトラバーサ８ｄとトレー
ラ移動通路５，５ａ上のトレーラ１４との間でコンテナ
１３の受け渡しを行う。トラバーサ８ｄは、コンテナク
レーン８Ａ上のレール８ｆの外側に敷設した、図示しな
いレール上を横行可能で、トロリ８ａとは互いに干渉す
ることなく２個のトロリ８ａ間を移動して一方のトロリ
８ａから他方のトロリ８ａへコンテナ１３の中継ぎをし
て受け渡しを行う。なお、スプレッダ８ｂはトロリ８ａ
からワイヤーロープ８ｂにより懸吊された、図示しない
吊りビームに設けられている。

【００１３】１５はトレーラ１４が通過してコンテナ１
３の入出庫管理を行うゲートである。１７はドック１６
と門型コンテナクレーン８Ａの走行レール６との間に仮
置きした例外貨物・船用車両である。１８はトレーラ１
４の出入口である。

【００１４】次に本実施形態の作用を説明する。コンテ
ナ船７から右舷側のコンテナ貯蔵装置１へコンテナ１３
を卸するときは、一方（紙面上左側）のトロリ８ａはコ
ンテナ船７上方の所望の位置に停止し、スプレッダ８ｃ
を下ろしてコンテナ船７からコンテナ１３を吊り上げ
る。コンテナ１３が吊り上がると、吊り上げられたコン
テナ１３の下方までトラバーサ８ｄが移動してきて停止
する。その位置でトロリ８ａはコンテナ１３をトラバー
サ８ｄのコンテナ中継台８ｅ上に下ろして移載する。ト
ラバーサ８ｄがコンテナ１３を受け取ると、右舷側へ移
動し、右舷側のトレーラ移動通路５，５ａ上方で待機し
ている他方（紙面上右側）のトロリ８ａの下方に停止す
る（図２ではコンテナ船７上方に停止している状態を示
している）。その位置で待機していたトロリ８ａはスプ
レッダ８ｃを下ろしてトラバーサ８ｄのコンテナ中継台
８ｅからコンテナ１３を吊り上げる。トロリ８ａがコン
テナ１３を吊り上げると、トラバーサ８ｄは再びコンテ
ナ船７上方でコンテナ船７からコンテナ１３の吊り上げ
作業を行っているトロリ８ａ側に移動して次のコンテナ
１３の受け取り作業を行う。右舷側のトレーラ移動通路
５，５ａ上方のトロリ８ａは、トラバーサ８ｄからコン
テナ１３を受け取るとトレーラ移動通路５，５ａ上で待
機しているトレーラ１４上にコンテナ１３を吊り下ろし
てコンテナ１３を移載する。

【００１５】一方、トレーラ１４がコンテナ１３を受け
取ると、トレーラ移動通路５，５ａを通り輸入用領域Ｘ
内の所望のコンテナ通路兼コンテナ積替所１ａまで移動
して停止する。トレーラ１４が停止するとトレーラ１４
の上方に天井クレーン３が移動してトロリ３ａからスプ
レッダ３ｃを下ろし、コンテナ１３を吊り上げ、所望の
コンテナ貯蔵用スペース２まで移動して停止する。停止
するとコンテナ貯蔵用スペース２にコンテナ１３を下ろ
して段積みする。

【００１６】右舷側のコンテナ貯蔵装置１への荷役作業
が終わると、コンテナ船７上方に停止していたトロリ８
ａは左舷側のトレーラ移動通路５，５ａ上方へ移動し、
右舷側のコンテナ貯蔵装置１上方に停止していたトロリ
８ａはコンテナ船７上方の所望の位置に移動して停止す
る。そして、引き続き右舷側での荷役作業と同様にして
左舷側のコンテナ貯蔵装置１への荷役作業を行う。ま
た、コンテナ貯蔵装置１からコンテナ船７にコンテナ１
３を積み込むときは、上記コンテナ船７からコンテナ貯
蔵装置１へコンテナ１３を卸す作業とは反対の操作によ
り荷役作業が行われる。

【００１７】トロリ８ａは、コンテナ１３を吊持した状
態では揺れのため急加減速ができないが、トラバーサ８
ｄはコンテナ１３を吊持するのではなく、トラバーサ８
ｄのコンテナ中継台８ｅに載置されるので、コンテナ１
３は全く揺れず、急加減速が可能で荷役効率が向上す
る。また、コンテナ貯蔵装置１をドック１６の両側に設
け、かつ、コンテナ１３を段積みするように設けたの
で、コンテナターミナルとして省スペース化が図れる。
トレーラ１４は、コンテナターミナルにコンテナ１３を
輸送するだけでなく、コンテナ貯蔵装置１の周りを移動
してコンテナ貯蔵装置１のトレーラ移動通路兼コンテナ
積替所１ａにおいてコンテナ貯蔵装置１との間でコンテ
ナ１３の積み卸しを行い、かつ、トレーラ移動通路５，
５ａにおいて門型コンテナクレーン１Ａとの間でコンテ
ナ１３の積み卸しを行うようにしたので、荷役効率の向
上とコンテナターミナルとして省スペース化が図れる。
さらに、門型コンテナクレーン１Ａに２個のトロリ８ａ
と１個のトラバーサ８ｄを増設すれば、コンテナ船７の
両側から同時に荷役作業を行うことができるので、荷役
効率が倍増する。

【００１８】このように、岸壁１２に対して直角方向に
掘削したドック１６を跨いで走行する２個のトロリ８ａ
と１個のトラバーサ８ｄを有する門型コンテナクレーン
８Ａを設け、かつ、ドック１６の両側にドック１６に沿
って立設され、コンテナ１３を段積みする複数列のコン
テナ貯蔵用スペース２上に設けた架構１Ａを有するコン
テナ貯蔵装置１を設け、門型コンテナクレーン８Ａに設
けた２個のトロリ８ａと１個のトラバーサ８ｄの共同作
業によりコンテナ船７の右舷側または左舷側のいずれか
一方からコンテナ１３の積み卸しを行い、一方が終わる
と引き続いて他方を行う。

【００１９】本発明は以上述べた実施形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
更が可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように本発明のコンテナター
ミナルおよび門型コンテナクレーンは、岸壁に対して直
角方向に掘削したドックにコンテナ船を入れ、トロリと
トラバーサを有する門型コンテナクレーンにより、コン
テナ船の右舷または左舷のいずれか一方側から２個トロ
リと１個のトラバーサの共同作業によって順次荷役を行
うようにし、コンテナ貯蔵装置の架構上にトロリを有す
る天井クレーンを走行可能に設けてコンテナの積み卸し
を行うようにしたので、コンテナターミナルの荷役効率
の向上と省スペース化を図ることができるなどの優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコンテナターミナルおよび門型コンテ
ナクレーンの平面図である。

【図２】（Ａ）は図１のＡ−Ａ矢視図であり、（Ｂ）は
図１のＢ−Ｂ矢視図である。

【図３】図１のＣ−Ｃ矢視図である。

【図４】従来のコンテナターミナルの側面図である。

【符号の説明】

１ コンテナ貯蔵装置 １Ａ 架構 １ａ コンテナ移動用通路兼コンテナ積替所 １ｂ 走行レール ２ コンテナ貯蔵スペース ３ 天井クレーン ３ａ トロリ ７ コンテナ船 ８ コンテナクレーン ８Ａ 門型コンテナクレーン ８ａ トロリ ８ｃ スプレッダ ８ｄ トラバーサ ８ｅ コンテナ中継台 １３ コンテナ １４ トレーラ（シャーシ） １６ ドッグ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 岸壁に対して直角方向に掘削され、コン
   テナ船が進入可能なドックと、該ドックを跨いで走行可
   能に架設され、トロリとトラバーサとを有してコンテナ
   船へのコンテナの積み卸しを行う門型コンテナクレーン
   と、上記ドックの両側にドックに沿って立設され、コン
   テナを段積みする複数列のコンテナ貯蔵用スペース上に
   設けた架構を有するコンテナ貯蔵装置と、該コンテナ貯
   蔵装置の幅方向に設けたトレーラ移動通路兼コンテナ積
   替所と、トロリを有してコンテナ貯蔵装置の架構上を走
   行し、トレーラ移動通路兼コンテナ積替所上でトレーラ
   とコンテナ貯蔵用スペースとの間でコンテナの受け渡し
   を行う複数の天井クレーンとを有してなることを特徴と
   するコンテナターミナル。
2. 【請求項２】 コンテナ船が進入可能に設けられたドッ
   クを跨いでドックに沿って敷設された走行レール上を走
   行可能に架設され、コンテナ船の右舷と左舷の両側から
   コンテナ船へのコンテナの積み卸しを行う２個のトロリ
   と、一方のトロリが吊り上げてきたコンテナを他方のト
   ロリに移載するコンテナ中継台を有する１個のトラバー
   サとを有してなることを特徴とする門型コンテナクレー
   ン。