JPH10279279A - コンテナターミナルの天井クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸入コンテナ用段積み貯蔵エリアでのコンテ
ナ貯蔵数を増やす。 【解決手段】 コンテナヤード８の上方部に、コンテナ
２の２列分の間隔に合わせて走行レール６を設置する。
走行レール６上に、ガーダ１３を走行可能に設け、ガー
ダ１３上に、トロリ１２を横行可能に設ける。ガーダ１
３に、コンテナ２を３つ仮り置きできるコンテナ仮り置
き台１８を吊り下げ、コンテナ長手方向へ移動できるよ
うにする。４段積み上げたコンテナ２のうち、最下段の
コンテナ２を出荷させる場合に、上の３段をコンテナ仮
り置き台１８にトロリ１２を用いて仮り置きさせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は港湾に設置されるコ
ンテナターミナルでコンテナの荷役を行う天井クレーン
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンテナターミナルは、図２及び
図３（イ）（ロ）にその一例の概略を示す如く、輸入コ
ンテナ用段積み貯蔵エリアでは、コンテナ船１に積まれ
て輸送されてきたコンテナ２を、岸壁クレーン３によ
り、岸壁４と平行に移動できるように配置されたコンテ
ナ搬送台車５上に一旦積み卸した後、岸壁４と直角方向
に延びる走行レール６上の海側の移載用天井クレーン７
Ａにより吊り上げ、次に、走行レール６の下方に位置す
る搬送レール１０上の搬送台車１１上に移載し、搬送台
車１１を積上位置付近まで移動させた後、コンテナ２を
海側と陸側の中間部の移載積付用天井クレーン７Ｂに受
け渡すことによりコンテナヤード８上の目的の場所に積
み上げるようにしてあり、又、コンテナ２を直接搬出す
る場合には、海側端部でコンテナ２を受けた搬送台車１
１を、そのまま陸側端部まで移動させ、陸側の移載用天
井クレーン７Ａにより吊り上げて、シャーシ（トレー
ラ）９上に積み込むようにしてある。

【０００３】上記天井クレーン７Ａ，７Ｂは、図３
（ロ）に示す如く２列の段積みコンテナ２をハンドリン
グできるように、長手方向に並べたコンテナ２の２列分
の間隔に対応させて走行レール６を平行に設置し、且つ
該走行レール６に沿ってコンテナ幅方向に走行できるよ
うにしたガーダ１３上に、コンテナ吊り具としてのスプ
レッダー１４を巻き上下可能に装備させたトロリ１２
を、ガーダ１３に沿ってコンテナ長手方向へ横行可能に
載置した構成としてある。

【０００４】上記コンテナヤード８上に積み上げられた
コンテナ２は搬出要求がきた順にコンテナターミナルか
ら外部に輸送されるが、この際、最下段のコンテナ２を
先に出荷（荷ぐり）したい場合には、図３（イ）におい
て二点鎖線で示すように、先ず、上段のコンテナ２を天
井クレーン７Ｂで吊り上げて、コンテナ幅方向で隣りに
位置する段積みコンテナ２上に一旦吊り下して仮り置き
した後、最下段のコンテナ２を出荷させるようにしてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した輸
入コンテナ用段積みエリアでは、最下段のコンテナ２を
先出しする場合に、その上段のコンテナ２を仮り置きす
るにしても、隣りの段積みコンテナ２上に１段分だけ仮
り置きするしかなく、したがって、従来では、コンテナ
２の段積み数は３段程度に抑えられており、全体の貯蔵
数が段積み数によって制限されているのが実状である。

【０００６】因に、輸出コンテナ用段積み貯蔵エリアで
は、コンテナサイズ別、荷物の種類別（一般荷物か冷凍
荷物かなど）、積み込むコンテナ船別、仕向港別、重量
別等に仕分けしてロット管理し、段積みの山をロット別
に積み上げておけば、コンテナ船１に積み込むときに、
下に積まれたコンテナ２を先に出荷しなければならない
ような状況は起らない。

【０００７】そこで、本発明は、コンテナの段積み数を
増やしても支障なくハンドリングを行うことができて、
同じスペースにより多くコンテナを貯蔵させることがで
きるようなコンテナターミナルの天井クレーンを提供し
ようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、コンテナヤードの上方位置に、長手方向
に並べたコンテナの２列分の間隔で走行レールを設置
し、該走行レール上に走行可能に載架したガーダ上に、
コンテナ吊り具を備えたトロリを、コンテナ長手方向へ
横行可能に搭載すると共に、該ガーダに、３つのコンテ
ナを幅方向に並べて載置できる大きさを有し且つ上記ト
ロリに備えたコンテナ吊り具がトロリの横行により中央
部に出入できるようにしたコンテナ仮り置き台を、横行
可能に吊り下げ支持させ、更に、該コンテナ仮り置き台
上に、コンテナを幅方向にシフトさせるためのシフト装
置を装備させた構成とする。

【０００９】コンテナヤードに段積みされているコンテ
ナのうち、最下段のものを先に出荷させる場合は、仮り
置き台を隣りの列の上方に待機させ、最下段のコンテナ
の上にあるコンテナを吊り上げてコンテナ仮り置き台上
に仮り置きさせた後、最下段のコンテナを吊り上げて出
荷させるようにする。上記仮り置き台にはコンテナを３
つ仮り置きさせることができるため、コンテナヤードに
は少なくともコンテナを４段積み上げることができる。

【００１０】又、コンテナ仮り置き台の吊り下げレベル
を、段積みコンテナの上方部を通過する搬送台車上のコ
ンテナと干渉しない高さレベルに設定した構成とするこ
とにより、隣りのコンテナ列の作業に支障を来すことが
ない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【００１２】図１（イ）（ロ）は本発明の実施の一形態
を示すもので、図２及び図３（イ）（ロ）に示したと同
様な構成としてある移載積付用天井クレーン７Ｂにおい
て、天井クレーン７Ｂ自体にコンテナ仮り置きスペース
を設けて、コンテナヤード８に少なくとも４段のコンテ
ナ２を積み上げて貯蔵できるようにする。

【００１３】詳述すると、ガーダ１３に、コンテナ２を
コンテナ幅方向に３つ並べて載置できる大きさとしたコ
ンテナ仮り置き台１８を、前後左右４本の吊り材１９を
介して吊り下げ支持させると共に、該コンテナ仮り置き
台１８に、トロリ１２とは干渉することなくガーダ１３
上をコンテナ長手方向へ自走式にて横行できる機能を具
備させて、コンテナ２が長手方向に隣り合う２つの段積
み列に対応させられるようにし、且つ上記コンテナ仮り
置き台１８のコンテナ幅方向の中央部に、トロリ１２が
ガーダ１３に沿いコンテナ長手方向に移動するときにス
プレッダー１４で吊ったコンテナ２が入り込めるように
し、更に、上記コンテナ仮り置き台１８の上面に、コン
テナ幅方向の中央部に搬入されて載置されたコンテナ２
をコンテナ幅方向へ位置替えするために、例えばコンベ
ヤの如きシフト装置１５を設けた構成とする。

【００１４】上記コンテナ仮り置き台１８の吊り材１９
による吊り下げレベルは、段積みコンテナの上方部を通
過する搬送台車１１上のコンテナ２と干渉しない高さレ
ベルに設定してある。

【００１５】なお、１６はトロリ１２に設置したスプレ
ッダー巻上装置、１７はコンテナ仮り置き台１８を自走
させるための駆動装置を示す。

【００１６】コンテナヤード８上に４段積みされたコン
テナ２を、上方のものから順に出荷させる場合は、天井
クレーン７Ｂのコンテナ仮り置き台１８を、出荷させる
コンテナ２の列の隣の列に位置させておいて、トロリ１
２を、天井クレーン７Ｂのガーダ１３により目標位置ま
で移動させた後、出荷させるコンテナ２をスプレッダー
１４により吊り上げて搬送台車１１上に移載し、搬送台
車１１を陸側端部まで移動させ、海側の天井クレーン７
Ａにより吊り上げてシャーシ９にコンテナ２を受け渡す
ようにさせる。

【００１７】一方、たとえば、最下段のコンテナ２を先
に出荷したい場合は、上記と同様に、コンテナ仮り置き
台１８をコンテナ２が長手方向で隣接する隣の列側に位
置させた状態で、天井クレーン７Ｂを目標位置まで移動
させて停止させた後、トロリ１２及びスプレッダー１４
により、出荷させたいコンテナ２の上に段積みされてい
るコンテナ２を順次仮り置き台１８上に仮り置きさせる
ようにする。この場合、先ず、最上段のコンテナ２をス
プレッダー１４で吊り上げ、続いて、トロリ１２を隣り
の列に待機している仮り置き台１８の上方へ移動させ
て、吊り上げておいた最上段のコンテナ２を仮り置き台
１８の中央部に吊り下ろす。しかる後、トロリ１２は元
の列側に戻り、２段目のコンテナ２をスプレッダー１４
で吊り上げるようにさせるが、この間に、上記仮り置き
台１８の中央部に載置された最上段のコンテナ２を、シ
フト装置１５の駆動により、コンテナ幅方向となる横方
向へシフトさせるようにしておく。次に、上記トロリ１
２で吊り上げた２段目のコンベヤ２を、同様に仮り置き
台１８の中央部に載置させた後、上記最上段のコンテナ
２とは反対の方向へシフトさせ、更に、３段目のコンテ
ナ２をコンテナ仮り置き台１８の中央部に載置させるよ
うにする。

【００１８】このようにして、上から３段目までのコン
テナ２を天井クレーン７Ｂのコンテナ仮り置き台１８上
に仮り置きさせた後、最下段のコンテナ２を吊り上げて
搬送台車１１上に移載し、搬送台車１１を陸側端部まで
移動させて、陸側の天井クレーン７Ａにより吊り上げて
シャーシ９に最下段のコンテナ２を受け渡すようにす
る。

【００１９】上記において、天井クレーン７Ｂのコンテ
ナ仮り置き台１８には、３つのコンテナ２を仮り置きす
ることができるので、コンテナヤード８にはコンテナ２
を４段積み上げて貯蔵することができ、従来よりもコン
テナ２の貯蔵数を増やすことができ、能率よく出荷作業
を行うことができる。又、上記コンテナ仮り置き台１８
の吊り下げレベルは、搬送台車１１上のコンテナ２と干
渉しない高さレベルに設定してあるため、隣りのコンテ
ナ２列の作業に支障を来すことはなく、したがって、い
ずれの列においても使用することができる。

【００２０】なお、上記実施の形態では、コンテナヤー
ド８にコンテナ２を４段積み重ねるようにした場合を示
したが、出荷方向と反対側の隣りの段積みコンテナ上に
コンテナ２を更に１段だけ仮り置きする方式を採用すれ
ば、コンテナ２を５段積み上げることができること、
又、実施の形態では、海側と陸側の中間部に位置する移
載積付用天井クレーン７Ｂについて実施した場合を示し
たが、海側と陸側の移載用天井クレーン７Ａについても
同様に実施でき、この場合、３段目までのコンテナ２を
コンテナ仮り置き台１８上に仮り置きさせた後、最下段
のコンテナ２を吊り上げた状態として、トロリ１２をガ
ーダ１３と共に移動させてシャーシ９にコンテナ２を受
け渡すような運転を行うことができること、その他本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。

【００２１】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明のコンテナター
ミナルの天井クレーンによれば、次の如き優れた効果を
発揮する。 (1) コンテナヤードの上方位置に、長手方向に並べたコ
ンテナの２列分の間隔で走行レールを設置し、該走行レ
ール上に走行可能に載架したガーダ上に、コンテナ吊り
具を備えたトロリを、コンテナ長手方向へ横行可能に搭
載すると共に、該ガーダに、３つのコンテナを幅方向に
並べて載置できる大きさを有し且つ上記トロリに備えた
コンテナ吊り具がトロリの横行により中央部に出入でき
るようにしたコンテナ仮り置き台を、横行可能に吊り下
げ支持させ、更に、該コンテナ仮り置き台上に、コンテ
ナを幅方向にシフトさせるためのシフト装置を装備させ
た構成としてあるので、コンテナ仮り置き台に３つのコ
ンテナを仮り置きすることができることにより、コンテ
ナを４段積み上げても最下段のものを容易に出荷させる
ことができて荷役効率を向上させることができ、又、コ
ンテナの４段積みが可能となることから、輸入コンテナ
用段積み貯蔵エリアでのコンテナの貯蔵数を増やすこと
ができる。 (2) コンテナ仮り置き台の吊り下げレベルを、段積みコ
ンテナの上方部を通過する搬送台車上のコンテナと干渉
しない高さレベルに設定した構成とすることにより、隣
りのコンテナ列の作業に支障を来すことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態を示すもので、（イ）は
側面図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ方向矢視図である。

【図２】コンテナターミナルの一例を示す概略図であ
る。

【図３】コンテナヤードの陸側端部を拡大して示すもの
で、（イ）は出荷状況の一例を示す側面図、（ロ）は
（イ）のＢ−Ｂ方向矢視図である。

【符号の説明】

２ コンテナ ６ 走行レール ７Ａ，７Ｂ 天井クレーン ８ コンテナヤード １１ 搬送台車 １２ トロリ １３ ガーダ １４ スプレッダー（コンテナ吊り具） １８ コンテナ仮り置き台

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンテナヤードの上方位置に、長手方向
   に並べたコンテナの２列分の間隔で走行レールを設置
   し、該走行レール上に走行可能に載架したガーダ上に、
   コンテナ吊り具を備えたトロリを、コンテナ長手方向へ
   横行可能に搭載すると共に、該ガーダに、３つのコンテ
   ナを幅方向に並べて載置できる大きさを有し且つ上記ト
   ロリに備えたコンテナ吊り具がトロリの横行により中央
   部に出入できるようにしたコンテナ仮り置き台を、横行
   可能に吊り下げ支持させ、更に、該コンテナ仮り置き台
   上に、コンテナを幅方向にシフトさせるためのシフト装
   置を装備させた構成を有することを特徴とするコンテナ
   ターミナルの天井クレーン。
2. 【請求項２】 コンテナ仮り置き台の吊り下げレベル
   を、段積みコンテナ列の上方部を通過する搬送台車上の
   コンテナと干渉しない高さレベルに設定した請求項１記
   載のコンテナターミナルの天井クレーン。