JP3639074B2 - コンテナ荷役設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンテナ荷役設備に関する。さらに詳しくは、陸上輸送と海上輸送の接点に位置するコンテナターミナルにおいて、船とトラック(または鉄道)など異種輸送手段間のコンテナの積替えやコンテナの保管を行うコンテナ荷役設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンテナ荷役設備は、コンテナを高密度で大量に保管し、かつ高能率で搬送することを要求される設備であるが、従来のコンテナ荷役設備としては、実公平6−20760号公報に示された設備(従来例I)がある。
この従来例Iは、図10に示すように、岸壁102 上を走行するコンテナクレーン101 と岸壁102 の後方のコンテナヤード106 を走行するヤードクレーン108 との間に、エアー搬送路115 を設けている。そして、このエアー搬送路115 を走行するエアカー114 によって、コンテナクレーン101 とヤードクレーン108 との間のコンテナ113 の受け渡しを行うようにしている。
【0003】
しかるに、この従来例Iではつぎの問題がある。
第1に、コンテナヤード106 にコンテナ113 を全て段積みしているので、小口のコンテナや単品扱いのコンテナについては、取り出しに時間がかかり、搬送効率が劣る。とくに8段積みで一番下に置いているコンテナについては、とりわけ問題が大きい。また、小口のコンテナや単品扱いのコンテナを一段積みにすることも考えられるが、保管効率が劣る。しかも、エアー搬送路115 のエリアは、エアカー114 のみが使用することになり、空間を有効に利用できなかった。
【0004】
第2に、コンテナクレーン101 のトロリ104 とエアーカー114 の間、およびヤードクレーン108 のトロリ107 とエアカー114 との間の高低差がいずれも大であり、それぞれの荷役機械との間のコンテナーの受け渡しに時間がかかり、搬送効率が劣る。
【0005】
一方、特開平5−97251号公報に記載されたコンテナ荷役設備(従来例II)があり、この従来例IIでは、コンテナクレーンとヤードクレーンとの間に高架軌道を設け、この高架軌道上に台車を走行させるようにしている。したがって、台車と、コンテナクレーンおよびヤードクレーンとの間の高さは低くなり、前記第2の問題点は解消されたが、コンテナは全てコンテナヤードに段積みされているので第1の問題点は未解決のままであり、いぜんとしてコンテナの取り出しの自由度は低いものでしかない。しかも、高架軌道のエリアは、台車のみが使用しておりコンテナの保管には何ら役目を果していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑み、コンテナを高密度で大量に保管でき、コンパクトなコンテナターミナルを実現し、かつコンテナの取出しの自由度が高く高能率で搬送可能であり、さらに自動化による24時間運行が可能なコンテナ荷役設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1のコンテナ荷役設備は、岸壁に沿って設けられた走行路を走行するコンテナクレーンと、岸壁の後方のコンテナヤードに設けられ、ヤードクレーンを備えた段積み方式自動倉庫と、前記コンテナクレーンの走行路と前記段積み方式自動倉庫との間に設けられ、前記コンテナクレーンとの間でコンテナを受け渡し、かつ所定の棚へコンテナを出し入れする荷役機を備えた棚方式自動倉庫と、該棚方式自動倉庫の天井上面に設けた搬送路を走行し、前記コンテナクレーンとヤードクレーンとの間でコンテナを受け渡しする搬送台車とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項2のコンテナ荷役設備は、請求項1の構成に加え、前記段積み方式自動倉庫の陸側において、前記棚方式自動倉庫および搬送台車と同様の設備を設け、該設備とトラックとの間でコンテナを受け渡しするコンテナ移載機を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3のコンテナ荷役設備は、前記コンテナクレーンが、主トロリーが走行する主ガーダと、該主ガーダの下方に設けたコンテナ置台と、該コンテナ置台から前記棚方式自動倉庫の上方まで延びた副ガーダと、該副ガーダ上を走行する副トロリーとを有するデュアルホイスト式コンテナクレーンであることを特徴とし、請求項1または2の発明に適用される。
【0010】
請求項1〜3の発明において、前記搬送台車は無人タイプでも有人タイプでもよいが、請求項4のコンテナ荷役設備は、前記搬送台車が無人搬送台車であることを特徴とする。
【0011】
請求項1〜4の発明において、前記庫内荷役機は種々のタイプを用いることができるが、請求項5のコンテナ荷役設備は、前記荷役機が、昇降自在な昇降台にコンテナを側方に移動させるフォークを備えた棚台車であり、棚方式自動倉庫の天井の適所には、前記棚台車とコンテナクレーン、ヤードクレーンとの間でコンテナを受け渡すための開口部が形成されていることを特徴とする。また、請求項6のコンテナ荷役設備は、前記荷役機がスタッカクレーンであって、前記棚方式自動倉庫の天井端部には、前記スタッカクレーンと前記コンテナクレーン、ヤードクレーンとの間でコンテナを受け渡すための移載機を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
まず、図1〜2に基づき本実施形態のコンテナ荷役設備の基本構成を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコンテナ荷役設備の側面図、図2は同コンテナ荷役設備の平面図である。
【0013】
Wは岸壁、Yは岸壁Wの後方のコンテナヤード、Sはコンテナ船である。
岸壁W上には走行レール12が敷設され、コンテナクレーン1が走行するようになっている。コンテナクレーン1は1基でも2基以上であってもよい。コンテナヤードYには、段積み方式自動倉庫40と、棚方式自動倉庫20、60が設けられている。
【0014】
段積み方式自動倉庫40は、ロット管理可能なコンテナcを大量に段積みして保管する立体自動倉庫であり、輸出用コンテナ保管庫47、輸入用コンテナ保管庫48、リーファコンテナ用コンテナ保管庫49などから構成されている。棚方式自動倉庫20、60はピース管理の必要なコンテナcを出し入れ自在に保管する立体自動倉庫である。棚方式自動倉庫20はコンテナクレーン1の走行路と段積み方式自動倉庫40の間に設けられているのが特徴であり、棚方式自動倉庫60は段積み方式自動倉庫40の陸側(すなわち反海側)に沿って設けられ、この棚方式自動倉庫60に沿って数基のコンテナ移載機80が設けられている。コンテナ移載機80はロードシャーシとの間でコンテナcを受け渡す荷役機械である。
【0015】
前記コンテナクレーン1は、海脚2と陸脚3にガーダ5を組付け、そのガーダ5の一端にブーム4を起伏可能に枢支している。そして、ブーム4および主ガーダ5上を主トロリ6が走行するようになっている。また、主トロリ6からは吊具7が吊り下げられコンテナcを荷役できるようになっている。前記海脚2と陸脚3の略中間高さ、すなわち主ガーダ5の下方には副ガーダ8が取付けられ、海側端部にコンテナ置台11が設けられ、陸側は前記棚方式自動倉庫20の上方まで延びている。そして、副ガーダ8を吊具10を備えた副トロリ9が走行するようになっている。
【0016】
したがって、このコンテナクレーン1によると、船上のコンテナcを主トロリ6でコンテナ置台11まで搬送すると、副トロリ9がコンテナ置台11から棚方式自動倉庫20へ搬送している間に、前記主トロリ6が船Sへコンテナcを取りに行けるので、荷役ピッチが早くなり能率的に荷役できるという利点がある。ただし、主トロリ6のみ装備したシングルタイプであっても使用することは可能である。
【0017】
前記段積み方式自動倉庫40には、海陸方向に設けたガーダ42上を走行するトロリ44からなるヤードクレーン46が設けられている。このガーダ42は、前記コンテナクレーン1と同方向に走行するものであってもよいが、コンテナcの各保管列に対応させて設けた定置式のものであってもよい。
【0018】
また、輸出用コンテナ保管庫47、輸入用コンテナ保管庫48、リーファコンテナ用自動倉庫49は、コンテナクレーン1の走行方向にグループ化して設けられているが、それぞれの自動倉庫が単列に混在していてもよいし、それぞれの自動倉庫が図2の例に対し直交方向に配列されていてもよい。
【0019】
さらに、段積み方式自動倉庫40の幅方向(コンテナクレーン1の走行方向と直交する方向)の中間部に、搬送台車が走行する高架軌道を設けて、コンテナcをトロリ44から搬送台車に受け渡しできるようにし、コンテナcの列替えを行えるようにしてもよい。
【0020】
前記棚方式自動倉庫20の天井24上面には、搬送台車27の走行軌道または路面からなる搬送路28、29、30、31が長手方向に並行に設けられ、かつ長手方向の数カ所で直交路32により連結されている。搬送路29、30は循環走行用の走路であり、搬送路28はコンテナクレーン1との受け渡し用の走路、搬送路31は段積み方式自動倉庫40のヤードクレーン46との受け渡し用の走路である。また、開口34、35が設けられている。
【0021】
前記棚方式自動倉庫60は、実質的に前記棚方式自動倉庫20と同一構成であり、その天井64上面にも前記搬送路28〜32と同様の搬送路68〜72が設けられ、搬送台車67が走行するようになっている。また、開口74、75が設けられている。
【0022】
つぎに、上記コンテナ荷役設備の各部の構成と作用を詳細に説明する。
図3は棚方式自動倉庫20まわりの拡大側面図、図4は図3のIV線矢視の棚方式自動倉庫の拡大正面図、図5は図3におけるV線矢視の棚方式自動倉庫における端部の拡大平面図である。
【0023】
図3〜4に示すように、棚方式自動倉庫20は、支柱21と梁22と天井(屋根)24で組立てられ、コンテナcを載置するコンテナ受23を多段に備えた自動倉庫であり、ピース管理を要する各コンテナcを各棚に出し入れ自在に保管するようになっている。また各棚列の間には、特許請求の範囲にいう荷役機である棚台車25の走行路が設けられている。棚台車25は、上下に昇降自在な昇降台26を有し、この昇降台26にはコンテナcを側方に移動させるフォークが設けられている。
【0024】
図示の実施形態では、棚台車25の走行路は2レーンあり、海側走行路の上方の天井24に開口34を形成し(図5を併せ参照)、そこをコンテナクレーン1とのコンテナcの受け渡し位置32としている。また、陸側走行路の上方の天井24に開口35を形成し(図5を併せ参照)、段積み方式自動倉庫40のトロリ44とのコンテナcの受け渡し位置33としている。なお、開口34および受け渡し位置32、また開口35と受け渡し位置33は、棚方式自動倉庫20の長手方向において、任意の個所に数カ所設けておくと、荷役効率が高くなる。
【0025】
前記棚台車25は棚方式自動倉庫20の長手方向にも走行できるが、長手方向と直交する方向にも走行可能であり、図4に示す通路36を通って、受け渡し位置32側の走行路と陸側の走行路33を行き来することができる。
【0026】
前記段積み方式自動倉庫40は、支柱41と屋根43で組立てられ、ロット管理可能なコンテナcを高密度大量に段積み保管できるようになってる。またそのコンテナcの出し入れはガーダ42上を走行するトロリ44とトロリ44から吊り下げられた吊具45で行うようになっている。なお、屋根43はなくてもよい。
【0027】
図3に基づき、コンテナcの受け渡し手順を説明する。コンテナクレーン1と段積み方式自動倉庫40との間では、コンテナクレーン1の主トロリ6によって船Sからコンテナ置台11まで搬送されたコンテナcを副トロリ9で搬送して搬送台車27にコンテナcを積み替え、搬送台車27が搬送路28〜32を自在に走行して段積み方式自動倉庫40のトロリ44の下へ来て停車し、ヤードクレーン46の吊具45でコンテナcを吊り上げ、段積み方式自動倉庫40内の所定の保管場所に段積み保管する。段積み方式自動倉庫40からコンテナクレーン1側へは上記の逆の手順を踏めばよい。
【0028】
コンテナクレーン1と棚方式自動倉庫20との間では、コンテナクレーン1の副トロリ9が受け渡し位置32上まで進み、開口34の所までコンテナクレーン1を走行させ、開口34を通じて、吊具10で吊下げたコンテナcを棚台車25の昇降台26に積み替える。この場合、昇降台26は上昇させておいても下降させておいてもよい。コンテナcを受け取ると棚台車25は目的の棚まで走行し、昇降台26を昇降させて、備え付けのフォークで、コンテナcを所望の棚へ挿入する。棚方式自動倉庫20からコンテナクレーン1へは上記の逆の手順を踏めばよい。
【0029】
なお、段積み方式自動倉庫40と棚方式自動倉庫20との間でのコンテナcの移動も可能であり、この場合は、棚台車25の昇降台26上に載せたコンテナcをトロリ44の吊具45で吊り上げてトロリ44を走行させるか、その逆の動作をさせればよい。
【0030】
本実施形態では、このようにピース管理が可能な棚方式自動倉庫20を有しているため、コンテナcの出し入れの自由度が高いという利点がある。また搬送台車27の軌道下方をコンテナcの保管倉庫として利用しているためコンテナcの保管効率が高くなるという利点がある。しかも、段積み方式自動倉庫40へコンテナcを保管する場合に利用する搬送台車27は地上から高い位置にある棚方式自動倉庫20の天井上面を走行するので、コンテナクレーン1のトロリ9やヤードクレーンのトロリ44からの距離(高低差)が短くなり、荷役時間を短くすることができるという利点がある。
【0031】
段積み方式自動倉庫40内での荷役、また段積み方式自動倉庫40外への荷役はヤードクレーン46で行う。段積み方式自動倉庫40は全て段積みで保管するので、ロット管理可能なコンテナcについては高密度で大量に保管することができる。
【0032】
棚方式自動倉庫60内での荷役、また棚方式自動倉庫60外への荷役は、前記棚方式自動倉庫20と同様に棚台車65を用いて、ピース管理の必要なコンテナcを自由に出し入れすることができる。
【0033】
図6は棚方式自動倉庫60まわりの拡大側面図である。同図に示すように、コンテナ移載機80は、支柱81と梁82で組立てられ、梁82上のガーダ86上をトロリ83が走行し、トロリ83から吊り下げられた吊具84でコンテナcを吊り上げ搬送するようになっている。85はロードシャーシTとの間でコンテナcを受け渡すときに使用するコンテナガイドである。
【0034】
ロードシャーシTから棚方式自動倉庫60への荷役は、コンテナ移載機80のトロリ83と棚台車65を用い開口74を通じて行い、ロードシャーシTから棚方式自動倉庫60への搬入と搬出を行う。また、棚方式自動倉庫60とコンテナクレーン1との間の荷役は、棚台車65とヤードクレーン46のトロリ44を用い、開口75を通じて行い、ヤードクレーン46によって海側へ搬送し、海側の棚方式自動倉庫20上の搬送台車27によってコンテナクレーン1の副トロリ9へ受け継がせる。さらに、ロードシャーシTと段積み方式自動倉庫40との間の荷役は、コンテナ移載機80のトロリ83と搬送台車67を用い、コンテナcをヤードクレーン46のトロリ44に受け継がせて行う。
【0035】
本実施形態のように段積み方式自動倉庫40とコンテナ移載機80との間にも棚方式自動倉庫60を設けておくと、ピース管理の必要なコンテナcの保管容量が増え、しかも陸上輸送手段であるロードシャーシTが発着するコンテナ移載機80と接近した位置にあるので、荷役に要する時間が短縮できるという利点がある。
【0036】
つぎに、上記実施形態のコンテナ荷役設備におけるコンテナcの搬入搬出手順をまとめて説明する。
I 船から倉庫へ搬入する場合
(1)ピース管理のコンテナc
船S → コンテナクレーン1の主トロリ6で搬送 → コンテナ置台11 → 副トロリ9で搬送 → 棚台車25へ受け継ぎ → 棚方式自動倉庫20内へ保管
(2)ロット管理のコンテナc
船S → コンテナクレーン1の主トロリ6で搬送 → コンテナ置台11 → 副トロリ9で搬送 → 搬送台車27で搬送 → ヤードクレーン46のトロリ44 → 段積み方式自動倉庫40内へ保管
【0037】
II 倉庫から船Cへ搬出する場合
(1)段積み方式自動倉庫40より
ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車27 → コンテナクレーン1の副トロリ9 → コンテナ置台11 → 主トロリ6 → 船Sへ積み込み
(2)棚方式自動倉庫20より(この場合、下記の三つのルート▲1▼、▲2▼、▲3▼がある)
▲1▼棚台車25(海側) → コンテナクレーン1の副トロリ9 → コンテナ置台11 → 主トロリ6 → 船Sへ積み込み
▲2▼陸側の棚台車25が海側へ通路36を通り移動 → 上記▲1▼の通り
▲3▼棚台車25(陸側) → ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車27 → コンテナクレーン1の副トロリ9 → コンテナ置台11 → 主トロリ6 → 船Sへ積み込み
(3)棚方式自動倉庫60より(この場合、下記の三つのルート▲1▼、▲2▼、▲3▼がある)
▲1▼棚台車65(海側) → ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車27 → コンテナクレーン1の副トロリ9 → コンテナ置台11 → 主トロリ6 → 船Sへ積み込み
▲2▼陸側の棚台車65が海側へ通路を通り移動 → 上記▲1▼の通り
▲3▼棚台車25(陸側) → コンテナ移載機80のトロリ83 → 搬送台車67 → ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車27 → コンテナクレーン1の副トロリ9 → コンテナ置台11 → 主トロリ6 → 船Sへ積み込み
【0038】
III 陸上輸送手段から倉庫に搬入する場合
(1)ロット管理のコンテナc
ロードシャーシT → コンテナ移載機80のトロリ83 → 搬送台車67 → ヤードクレーン46のトロリ44 → 段積み方式自動倉庫40へ保管
(2)ピース管理のコンテナcを棚方式自動倉庫60へ
ロードシャーシT → コンテナ移載機80のトロリ83 → 棚台車65 → 棚方式自動倉庫60へ保管
(3)ピース管理のコンテナcを棚方式自動倉庫20へ
ロードシャーシT → コンテナ移載機80のトロリ83 → 搬送台車67 → ヤードクレーン46のトロリ44 → 棚台車25(開口部35を利用する) → 棚方式自動倉庫20へ保管
【0039】
IV 倉庫から陸上輸送手段へ搬出する場合
(1)ピース管理のコンテナcを棚方式自動倉庫20から(この場合、下記の三つのルート▲1▼、▲2▼、▲3▼がある)
▲1▼棚台車25(陸側) → ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車67 → コンテナ移載機80のトロリ83 → ロードシャーシT
▲2▼海側の棚台車25が陸側へ通路36を通り移動 → 上記▲1▼の通り
▲3▼棚台車25(海側) → コンテナクレーン1の副トロリ9 → 搬送台車27 → ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車67 → コンテナ移載機80のトロリ83 → ロードシャーシT
(2)ピース管理のコンテナcを棚方式自動倉庫60から(この場合、下記の三つのルート▲1▼、▲2▼、▲3▼がある)
▲1▼棚台車65(陸側) → コンテナ移載機80のトロリ83 → ロードシャーシT
▲2▼海側の棚台車65が陸側へ通路を通り移動 → 上記▲1▼の通り
▲3▼棚台車65(海側) → ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車67 → コンテナ移載機80のトロリ83 → ロードシャーシT
(3)ロッド管理のコンテナc
ヤードクレーン46のトロリ44 → 搬送台車67 → コンテナ移載機80のトロリ83 → ロードシャーシT
【0040】
つぎに、本発明の他の実施形態のコンテナ荷役設備を説明する。
図7は本発明の他の実施形態のコンテナ荷役設備における棚方式自動倉庫20の側面図、図8は同棚方式自動倉庫20の端部の平面図、図9は同棚方式自動倉庫20の端部の正面図である。
【0041】
この実施形態では、棚方式自動倉庫20内に、特許請求の範囲にいう荷役機として棚台車25を用いず、スタッカクレーン28を用いたことを特徴とする。スタッカクレーン28は、昇降台29を備え、昇降台29には棚側に向け伸縮するフォークが取付けられている。
【0042】
また、スタッカクレーン28とコンテナcの受け渡しをするため、棚方式自動倉庫20の天井24の端部に移載機90が設けられている。この移載機90は、走行架台91、クレーン(ガーダ)92、トロリ93および吊具94から構成されている。搬送台車27上のコンテナcを吊具94で吊上げ、クレーン92が端部方向へ走行すると、スタッカクレーン28との間でコンテナcの受け渡しが行える。
【0043】
この実施形態では、移載機90とスタッカクレーン28が棚方式自動倉庫20の外へ出てコンテナcの受け渡しを行うので、天井24に開口を設ける必要がない。また、棚方式自動倉庫20内でのコンテナcの出し入れはスタッカクレーン28で自由に行え、またコンテナクレーン1と間の受け渡しやヤードクレーン46との間の受け渡しも前記実施形態と同様に行える。さらにヤードクレーン46とコンテナクレーン1との間の受け渡しも搬送台車27を介して自由に行うことができる。
【0044】
したがって、本実施形態においても、前記実施形態と同様に、ピース管理の必要なコンテナcを出し入れ自由に保管でき、段積み方式自動倉庫40によってロット管理可能なコンテナcを高密度で大量に保管することができる。
【0045】
なお、図7において、コンテナクレーン1は副トロリを有しないシングルタイプであるが、このようなクレーンの使用も可能であり、図1に示すデュアルタイプのクレーンを用いてもよい。
【0046】
また、スタッカクレーン28を用いる構成は、陸側の棚方式自動倉庫60においても採用することができる。
【0047】
さらに、前記各実施形態において、棚方式自動倉庫20、60の天井上面を走行する搬送台車27、67は遠隔操作タイプでもよいが、コンピュータによって走行管理する無人タイプであってもよい。この場合は、コンテナ荷役設備を24時間運行することが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ピース管理が可能な棚方式自動倉庫を搬送台車の軌道下方に有しているため、従来、遊んでいた空間をコンテナの保管倉庫として有効に利用して、コンテナの収納効率を向上させることができ、しかも、コンテナの出し入れの自由度が高いという利点があり、また段積み方式自動倉庫へコンテナを保管する場合に利用する搬送台車は地上から高い位置にある棚方式自動倉庫の天井上面を走行するので、コンテナクレーンのトロリやヤードクレーンのトロリからの距離が短くなり、荷役効率が良くなるという利点がある。
【0049】
請求項2の発明によれば、段積み方式自動倉庫の両サイドに棚方式自動倉庫を設けたので、ピース管理の必要なコンテナの保管容量が増え、しかも陸上輸送手段であるロードシャーシが発着するコンテナ移載機と接近した位置にあるので、荷役に要する時間が短縮できるという利点がある。
【0050】
請求項3の発明によれば、船上のコンテナを主トロリでコンテナ置台まで搬送すると、副トロリがコンテナ置台から棚方式自動倉庫へ搬送している間に、前記主トロリが船へコンテナを取りに行けるので、荷役ピッチが早くなり能率的に荷役できるという利点がある。
【0051】
請求項4の発明によれば、搬送台車をコンピュータによって走行管理するので、コンテナ荷役設備を24時間運行することが可能となる。
【0052】
請求項5の発明によれば、棚方式自動倉庫の天井に形成した開口を通じてコンテナクレーンと庫内の棚台車との間でコンテナを受け渡しでき、短時間で庫内とコンテナクレーン間の搬送が行える。
【0053】
請求項6の発明によれば、移載機とスタッカクレーンが棚方式自動倉庫の外へ出てコンテナの受け渡しを行うので、天井に開口を設ける必要がなく、また棚方式自動倉庫内でのコンテナの出し入れはスタッカクレーンで自由に行え、さらにコンテナクレーンと間の受け渡しやヤードクレーンとの間の受け渡しも自由に行え、短時間でコンテナの荷役を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテナ荷役設備の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るコンテナ荷役設備の平面図である。
【図3】図1における棚方式自動倉庫20まわりの拡大側面図である。
【図4】図3のIV線矢視の棚方式自動倉庫20まわりの拡大正面図である。
【図5】図3におけるV線矢視の棚方式自動倉庫における端部の拡大平面図である。
【図6】図1における棚方式自動倉庫60まわりの拡大側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態のコンテナ荷役設備における棚方式自動倉庫20まわりの拡大側面図である。
【図8】同棚方式自動倉庫20の端部の平面図である。
【図9】同棚方式自動倉庫20の端部の正面図である。
【図10】従来のコンテナ荷役設備の側面図である。
【符号の説明】
1 コンテナクレーン
6 主トロリ
9 副トロリ
20 棚方式自動倉庫
25 棚台車
27 搬送台車
40 段積み方式自動倉庫
46 ヤードクレーン
60 棚方式自動倉庫
65 棚台車
67 搬送台車
80 コンテナ移載機
83 トロリ
90 移載機
Claims (6)
- 岸壁に沿って設けられた走行路を走行するコンテナクレーンと、
岸壁の後方のコンテナヤードに設けられ、ヤードクレーンを備えた段積み方式自動倉庫と、
前記コンテナクレーンの走行路と前記段積み方式自動倉庫との間に設けられ、前記コンテナクレーンとの間でコンテナを受け渡し、かつ所定の棚へコンテナを出し入れする荷役機を備えた棚方式自動倉庫と、
該棚方式自動倉庫の天井上面に設けた搬送路を走行し、前記コンテナクレーンとヤードクレーンとの間でコンテナを受け渡しする搬送台車と
からなることを特徴とするコンテナ荷役設備。 - 前記段積み方式自動倉庫の陸側において、前記棚方式自動倉庫および搬送台車と同様の設備を設け、該設備とトラックとの間でコンテナを受け渡しするコンテナ移載機を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のコンテナ荷役設備。 - 前記コンテナクレーンが、主トロリーが走行する主ガーダと、該主ガーダの下方に設けたコンテナ置台と、該コンテナ置台から前記棚方式自動倉庫の上方まで延びた副ガーダと、該副ガーダ上を走行する副トロリーとを有するデュアルホイスト式コンテナクレーンであることを特徴とする請求項1または2記載のコンテナ荷役設備。
- 前記搬送台車が無人搬送台車であることを特徴とする請求項1または2記載のコンテナ荷役設備。
- 前記荷役機が、昇降自在な昇降台にコンテナを側方に移動させるフォークを備えた棚台車であり、棚方式自動倉庫の天井の適所には、前記棚台車と前記コンテナクレーン、ヤードクレーンとの間でコンテナを受け渡すための開口部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のコンテナ荷役設備。
- 前記荷役機がスタッカクレーンであって、前記棚方式自動倉庫の天井端部には、前記スタッカクレーンと前記コンテナクレーン、ヤードクレーンとの間でコンテナを受け渡すための移載機を設けたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のコンテナ荷役設備。
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