JP2001163256A - 自動車のフロントピラー - Google Patents

自動車のフロントピラー

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JP2001163256A
JP2001163256A JP34552899A JP34552899A JP2001163256A JP 2001163256 A JP2001163256 A JP 2001163256A JP 34552899 A JP34552899 A JP 34552899A JP 34552899 A JP34552899 A JP 34552899A JP 2001163256 A JP2001163256 A JP 2001163256A
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front pillar
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obstacle
impact
fragile
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JP34552899A
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Koji Enomoto
光司 榎本
Takashi Yoshida
傑 吉田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のフロントピラーに当った障害物への
衝撃を、十分に緩和すること。 【解決手段】 筒型断面のフロントピラー本体21の前
面に、衝撃を吸収する保護部材60を取付けた自動車の
フロントピラー20である。フロントピラー本体21の
前面に、長手方向に配列した複数のスリット48を形成
することで、フロントピラー本体21の前面の破断を促
す脆弱部を設け、この脆弱部を押すことのできる押圧部
62を、保護部材60の後部に形成した。保護部材60
に障害物が当ったときの衝撃力で、フロントピラー本体
21の前面の脆弱部が破断する。フロントピラー本体2
1の前面が破断した分、保護部材60が後方へ移動する
ことにより、衝撃を一層吸収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のフロントピ
ラーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントピラーは、車体の一部
であるから剛性が大きい部材である。例えば、フロント
ピラーの前部に障害物が当った場合には、障害物への衝
撃が大きい。一方、障害物の保護を優先するあまりフロ
ントピラーの剛性を小さくしたのでは、車体全体の耐久
強度を確保することができない。そこで、フロントピラ
ー本来の剛性を維持しつつ、障害物への衝撃を十分に緩
和することのできる自動車のフロントピラーが望まれ
る。障害物への衝撃の緩和を配慮した自動車のフロント
ピラーとしては、例えば特開平9−39833号公報
「自動車のフロントピラー」(以下、「従来の技術」と
言う。)が知られている。
【0003】上記従来の技術は、同公報の図1及び図2
に示される通り、ピラーインナ6(番号は公報に記載さ
れたものを引用した。以下同じ。)にピラーアウタ7を
合せて筒型断面のピラー本体5を形成し、ピラーアウタ
7の前面部分7aに低剛性の緩衝パネル8を取付け、こ
の緩衝パネル8の前面に樹脂ガーニッシュ9を取付けた
自動車のフロントピラー1である。フロントピラー1の
前部に障害物が当った場合には、樹脂ガーニッシュ9並
びに緩衝パネル8が塑性変形することにより、障害物へ
の衝撃を緩和することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、フ
ロントピラー1の前部に障害物が当った場合に、緩衝パ
ネル8でそれの変形量に応じた衝撃力を吸収するもので
ある。緩衝パネル8(保護部材に相当。)の最大変形量
は、緩衝パネル8が同公報の図2に示す状態から潰れ
て、ピラーアウタ7の前面部分7aに当るまでの距離で
ある。ところで、障害物への衝撃を十分に緩和するため
には、緩衝パネル8の最大変形量をできるだけ大きくし
たい。緩衝パネル8の最大変形量を大きくするには、緩
衝パネル8をピラー本体5の前方へ延すことになる。し
かし、自動車のデザイン上の制約を受けるので、最大変
形量を大きくするには限界がある。
【0005】そこで本発明の目的は、障害物への衝撃を
十分に緩和することのできる、自動車のフロントピラー
の技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、筒型断面のフロントピラー本体の前面
に、衝撃を吸収する保護部材を取付けた自動車のフロン
トピラーにおいて、フロントピラー本体の前面にこの前
面の破断を促す脆弱部を設け、この脆弱部を押すことの
できる押圧部を保護部材の後部に形成したことを特徴と
する。
【0007】フロントピラーの前部に障害物が当ったと
き、保護部材が変形して衝撃を吸収する。保護部材が所
定量だけ変形したときの衝撃力で、保護部材の押圧部が
フロントピラー本体の脆弱部を押すことによって、フロ
ントピラー本体の前面を破断させる。フロントピラー本
体の前面が破断した分、保護部材が後方へ移動すること
により、衝撃力を一層吸収することができる。この結
果、障害物への衝撃を十分に緩和することができる。
【0008】請求項2は、フロントピラー本体に、フロ
ントピラー本体の変形を促す脆弱部を設けたことを特徴
とする。フロントピラーに障害物が当ったときに、脆弱
部が変形するとともに、脆弱部を起点としてフロントピ
ラー本体も変形し、障害物からの衝撃力を吸収する。こ
の結果、障害物への衝撃をより十分に緩和する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向
に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右
側、CLは車幅中心(車体中心)を示す。また、図面は
符号の向きに見るものとする。
【0010】先ず、第1の実施の形態の自動車のフロン
トピラーについて、図1〜図7に基づき説明する。図1
は本発明に係る自動車(第1の実施の形態)の前半部の
斜視図であり、自動車10の車体の一部をなす左右のフ
ロントピラー20,20を示す。以下、左のフロントピ
ラー20の構成を詳細に説明する。なお、右のフロント
ピラー20も左のフロントピラー20と同一構成であ
り、その説明を省略する。図中、11,11はフロント
フェンダ、12はルーフ、13はフロントバンパ、14
はボンネット、15はフロントガラス、16はドア、1
7はドアガラス、18は前輪、19,19はヘッドライ
トである。
【0011】図2は図1の2−2線断面図であり、左の
フロントピラー20周りの平面断面構造を示す。フロン
トピラー20は、フロントピラー本体21の前部に保護
部材60を取付けた車体構成部品である。フロントピラ
ー本体21は、車室25内側(車内側)のインナフレー
ム30に車外側のアウタフレーム40を被せることで、
筒型断面体に形成したピラー部材である。
【0012】インナフレーム30は、インナ本体31と
前部フランジ32と後部フランジ33とからなる一体成
形品である。詳しくは、インナ本体31は、開放側を車
幅方向外方(車体中心CLと反対側)に向けた平面断面
視略U字状の部材であり、前縁に前部フランジ32を一
体に形成し、後縁に後部フランジ33を一体に形成した
ものである。
【0013】インナフレーム30の断面形状を更に詳し
く説明すると、前部フランジ32のフランジ面を車体前
方へ向け、前部フランジ32の基端から後方へストレー
ト部34を延ばし、ストレート部34の後端を車室25
内へ曲げて屈曲部35とし、さらに、屈曲部35に車幅
方向外方へ開放したU字状部36を連ね、U字状部36
の後端に後部フランジ33を設けた形状である。屈曲部
35は、車体前方からの力に対して座屈し易い脆弱部で
あり、フロントピラー本体21の変形を促す役割を果た
す。
【0014】アウタフレーム40は、アウタ本体41と
前部フランジ44と後部フランジ46とからなる一体成
形品である。詳しくは、アウタ本体41は、開放側を車
幅方向内方(車体中心CL側)に向けた平面断面視略U
字状の部材であって、底42が比較的深い。このような
アウタフレーム40は、底42の前端から車体中心CL
側へ前板43を延し、この前板43の先端を前部フラン
ジ44とし、一方、底42の後端から車体中心CL側へ
段差部45を延し、この段差部45の先端に後部フラン
ジ46を一体に形成したものである。前板43は、途中
に車両後方へ窪ませた略V字状の凹部47を一体に形成
したものである。
【0015】互いの前部フランジ32,44同士並びに
後部フランジ33,46同士をスポット溶接等にて接合
することで、筒型断面のフロントピラー本体21を形成
することができる。インナフレーム30及びアウタフレ
ーム40は、板材を折曲げ形成した部材や所定厚みの押
出し材であり、鋼材やアルミニウム合金からなる。
【0016】この図は、フロントピラー本体21の前
部、すなわち、アウタフレーム40に車体前方からの衝
撃を吸収する保護部材60を取付けるとともに、保護部
材60の周囲をガーニッシュ(化粧カバー)71で覆っ
たことを示す。保護部材60は、塩化ビニール樹脂等の
樹脂製押出し材からなる略矩形状の筒型断面部材であっ
て、少なくとも左右の側部に屈曲部61,61を形成
し、後部に押圧部62を形成したものである。屈曲部6
1,61は、車体前方からの力に対して座屈し易い脆弱
部である。このような保護部材60は、その後端の角部
63,63を凹部47に当てた状態で、後半部を前板4
3の凹部47に収納したものである。
【0017】ガーニッシュ71は、車体前方からの衝撃
で変形が容易な材料からなるカバー部材であり、フロン
トピラー20周りの外観を高める役割を果たすべく、保
護部材60の前面に取付けたものである。
【0018】ところで、インナフレーム30はU字状部
36のうち後部内面に、補強板75を介して補強パイプ
76を重ねて溶接等にて取付けたものである。補強板7
5は厚板であるから剛性が比較的大きい。補強パイプ7
6も筒型断面部材であるから剛性が大きい。インナフレ
ーム30は、前半部に脆弱な屈曲部35を形成したの
で、後半部を補強板75及び補強パイプ76にて補強す
ることにより、インナフレーム30本来の剛性を維持す
るようにしたものである。
【0019】筒型断面のフロントピラー本体21の内部
を通る補強板75及び補強パイプ76は芯材としての役
割をも果たす。補強板75及び補強パイプ76にてフロ
ントピラー本体21の後半部分の剛性を高めることによ
り、車体の一部としてのフロントピラー本体21本来の
剛性を維持することができる。しかも、フロントピラー
本体21の前半部分には補強部材がないので、屈曲部3
5の変形作用を妨げることはない。このようにして、フ
ロントピラー本体21のうち、車体前方からの衝撃を吸
収する前半の衝撃吸収部分21Fと、フロントピラー本
体21本来の剛性を維持する後半の高剛性部分21Rと
に分けたものである。
【0020】またこの図は、車室25においてインナフ
レーム30の周囲を室内側カバー78にて覆ったことを
示す。室内側カバー78は、車室25の外観性を高める
とともに、フロントピラー本体21に対するプロテクタ
としての機能を有するカバー部材である。特に、屈曲部
35を車室25内側に設けて、室内側カバー78で覆っ
て目隠ししたので、外観が高まる。図中、81は接着モ
ール、82はウェザストリップ、83はシーラント、8
4はドアサッシ、85はドア外側ウェザストリップ、8
6はドア内側ウェザストリップ、87はドア窓用ウェザ
ストリップである。
【0021】図3は本発明に係る自動車のフロントピラ
ー(第1の実施の形態)の分解斜視図であり、インナフ
レーム30及びアウタフレーム40が概ねU字状断面の
細長い部材であり、保護部材60、補強板75及び補強
パイプ76が、フロントピラー本体21に沿った細長い
部材であることを示す。
【0022】さらにこの図は、フロントピラー本体21
の前面に、長手方向に配列した複数のスリット48・・・
(・・・は複数個を示す。以下同じ。)を形成すること
で、フロントピラー本体21の前面の破断を促す脆弱部
49・・・を設けたことを示す。具体的には、前板43に
おける凹部47の底に、その長手方向に複数のスリット
48・・・を開けることで、互いに隣接し合うスリット4
8とスリット48との間の連結部分が形成されることに
なる。これらの連結部分が脆弱部49・・・である。前板
43のうち、長手方向に多数のスリット(孔を含む)4
8・・・を開けた部分Pは、脆弱部49・・・だけが残るの
で、他の部分よりも強度が小さい。
【0023】一方、押圧部62・・・も複数個あり、保護
部材60に沿って長手方向に配列したものである。これ
らの押圧部62・・・はスリット48・・・を開けた部分Pに
おいて、脆弱部49・・・を押すことのできる部材であ
る。ここで、保護部材60の屈曲部61,61の強度よ
りも前板43の脆弱部49の強度を大きく設定し、この
前板43の脆弱部49・・・の強度よりもインナフレーム
30の屈曲部35の強度を大きく設定してある。
【0024】さらにこの図は、保護部材60の後部に、
車体後方へ延びるクリップ64を一体に形成し、フロン
トピラー本体21の前面、すなわち凹部47の底に、ク
リップ64を差込むことのできる嵌合孔51を開けたこ
とを示す。フロントピラー本体21の嵌合孔51に保護
部材60のクリップ64を嵌合するだけの取付け作業
で、フロントピラー本体21の前面に保護部材60をス
ナップフィットにて簡単に取付けることができる。フロ
ントピラー本体21に保護部材60を取付けるための、
ビス等の別部品は必要ない。
【0025】次に、上記構成の第1の実施の形態におけ
るフロントピラー20の作用を、図4〜図7にて図の順
に説明する。図4は本発明に係るフロントピラー(第1
の実施の形態)の第1作用図であり、矢印のように障
害物Sが車体前方からフロントピラー20に当ったこと
を示す。障害物Sからの衝撃力はガーニッシュ71並び
に保護部材60を介してフロントピラー本体21に伝わ
る。次に図5の作用に進む。
【0026】図5は本発明に係るフロントピラー(第1
の実施の形態)の第2作用図であり、障害物Sからの衝
撃力によって、保護部材60並びにガーニッシュ71が
矢印方向に変形したことを示す。この段階は、保護部
材60やガーニッシュ71が座屈することにより衝撃力
を吸収する、第1段階である。保護部材60は変形し
て、障害物Sからの衝撃力を効果的に吸収する。この結
果、障害物Sへの衝撃を緩和することができる。
【0027】障害物Sからの衝撃力が更に大きい場合、
その衝撃力によって保護部材60の押圧部62が脆弱部
49を押して破断させる。この結果、前板43が破断す
る。フロントピラー本体21は保護部材60やガーニッ
シュ71よりも剛性が大きいので、この段階では座屈変
形しない。次に図6の作用に進む。
【0028】図6は本発明に係るフロントピラー(第1
の実施の形態)の第3作用図であり、障害物Sからの衝
撃力が更に大きい場合に、その衝撃力により保護部材6
0が後方(矢印方向)へ移動し、その後端で、前板4
3の破断した部分を押し開いて、フロントピラー本体2
1内に入り込んだ第2段階を示す。保護部材60は後方
へ移動して、障害物Sからの衝撃力を更に吸収する。こ
の結果、障害物Sへの衝撃を十分に緩和することができ
る。
【0029】このように保護部材60は、想像線にて示
す変形前の位置から変形するだけではなく、更にフロン
トピラー本体21内に入り込むことができる。このとき
の保護部材60の変形・移動量は、想像線にて示す変形
前の位置から実線にて示す位置までの距離Xである。こ
の距離Xは、保護部材60が変形するだけの場合に比べ
て、極めて大きい。保護部材60は距離X分だけ変形且
つ後方移動することによって、この距離Xに応じた大き
い衝撃力を吸収することができる。
【0030】従って、フロントピラー20に障害物Sが
当ったときに、保護部材60で衝撃力をより一層吸収す
ることができる。この結果、障害物Sへの衝撃を十分に
緩和することができる。上記第2段階を経過した後、フ
ロントピラー本体21が矢印方向に塑性変形を開始す
る。すなわち、大きな衝撃力によって脆弱な屈曲部35
が塑性変形を開始する。次に図7の作用に進む。
【0031】図7は本発明に係るフロントピラー(第1
の実施の形態)の第4作用図であり、障害物Sからのよ
り大きい衝撃力によって、フロントピラー本体21が矢
印方向に塑性変形した第3段階を示す。この第3段階
では、フロントピラー20に障害物Sが当ったときの衝
撃力によって、脆弱な屈曲部35が塑性変形する。同時
に、屈曲部35を起点として、インナフレーム30のう
ち前半部分が塑性変形するとともに、これに伴ってアウ
タフレーム40の前半部分も塑性変形する。このように
して、フロントピラー本体21のうち、前半の衝撃吸収
部分21Fの全体が座屈変形して、障害物Sからの衝撃
力を吸収する。この結果、障害物Sへの衝撃をより十分
に緩和することができる。
【0032】一方、フロントピラー本体21のうち、屈
曲部35から離れた後半の高剛性部分21Rはそれほど
変形しない。従って、車体の一部としてのフロントピラ
ー本体21本来の剛性を維持することができる。
【0033】次に、第2の実施の形態の自動車のフロン
トピラーについて、図8〜図14に基づき説明する。な
お、上記図1〜図7に示す第1の実施の形態と同様の構
成については同一符号を付し、その説明を省略する。図
8は本発明に係る自動車のフロントピラー(第2の実施
の形態)の平面断面図であり、上記図2に示す構成に相
当する。フロントピラー20は、フロントピラー本体2
1の前部に、保護部材100を取付けた車体構成部品で
ある。フロントピラー本体21は、車室25内側のイン
ナフレーム30に車外側のアウタフレーム90を被せる
ことで、筒型断面体に形成したピラー部材である。
【0034】アウタフレーム90は、アウタ本体91と
前部フランジ94と後部フランジ96とからなる一体成
形品である。詳しくは、アウタ本体91は、開放側を車
幅方向内方に向けた平面断面視略U字状の部材であっ
て、底92が比較的深い。このようなアウタフレーム9
0は、底92の前端から車体中心CL側へほぼ平坦な前
板93を延し、この前板93の先端から更に車体中心C
L側へ前部フランジ94を延し、一方、底92の後端か
ら車体中心CL側へ段差部95を延し、この段差部95
の先端に後部フランジ96を一体に形成したものであ
る。互いの前部フランジ32,94同士並びに後部フラ
ンジ33,96同士をスポット溶接等にて接合すること
で、筒型断面のフロントピラー本体21を形成すること
ができる。アウタフレーム90は、板材を折曲げ形成し
た部材や所定厚みの押出し材であり、鋼材やアルミニウ
ム合金からなる。
【0035】この図は、フロントピラー本体21の前
部、すなわち、前板93に車体前方からの衝撃を吸収す
る保護部材100を取付けたことを示す。保護部材10
0は、塩化ビニール樹脂等の樹脂製円弧型断面部材であ
る。第2の実施の形態におけるガーニッシュ71は、保
護部材100の前面を覆うようにしたものであり、例え
ば、保護部材100と共に成形する、射出成形による二
重成形品(二色成形品とも言う。)である。
【0036】図9は本発明に係る保護部材(第2の実施
の形態)の斜視図であり、保護部材100を裏側から見
た構成を示す。この図は、保護部材100の裏面に、保
護部材100の長手方向に延びる複数の縦リブ101・・
・とこれらの縦リブ101・・・間に渡した複数の横リブ1
02・・・とを、略格子状に配列して一体に形成したこと
を示す。複数の縦リブ101・・・の1つを他の縦リブよ
り長く延し、その先端を押圧部103とした。このよう
にして、保護部材100の後部に押圧部103を形成し
た。押圧部103を設けた縦リブ101は、他の縦リブ
101・・・や横リブ102・・・よりも厚肉にすること等に
よって、座屈強度を大きく設定したものである。さら
に、複数の縦リブ101・・・の他の1つの先端に、車体
後方へ延びる複数個のクリップ104・・・を一体に形成
した。
【0037】図10は本発明に係る自動車のフロントピ
ラー(第2の実施の形態)の分解斜視図であり、アウタ
フレーム90が概ねU字状断面の細長い部材であること
を示す。さらにこの図は、フロントピラー本体21の前
面に、長手方向に配列した複数のスリット97・・・を形
成することで、フロントピラー本体21の前面の破断を
促す脆弱部98・・・を設けたことを示す。具体的には、
前板93にその長手方向に複数のスリット97・・・を開
けることで、互いに隣接し合うスリット97とスリット
97との間の連結部分が形成されることになる。これら
の連結部分が脆弱部98・・・である。前板93のうち、
長手方向に多数のスリット(孔を含む)97・・・を開け
た部分Pは、脆弱部98・・・だけが残るので、他の部分
よりも強度が小さい。
【0038】押圧部103はスリット97・・・を開けた
部分Pにおいて、脆弱部98・・・を押すことのできる部
材である。ここで、保護部材100のうち、押圧部10
3を設けた縦リブ101を除いて、縦リブ101・・・や
横リブ102・・・(図9参照)の強度よりも前板93の
脆弱部98の強度を大きく設定し、この前板93の脆弱
部98・・・の強度よりもインナフレーム30の屈曲部3
5の強度を大きく設定してある。
【0039】さらにこの図は、フロントピラー本体21
の前面、すなわち前板93に、クリップ104・・・を差
込むことのできる嵌合孔99・・・を開けたことを示す。
フロントピラー本体21の嵌合孔99・・・に保護部材1
00のクリップ104・・・を嵌合するだけの取付け作業
で、フロントピラー本体21の前面に保護部材100を
スナップフィットにて簡単に取付けることができる。フ
ロントピラー本体21に保護部材100を取付けるため
の、ビス等の別部品は必要ない。
【0040】次に、上記構成の第2の実施の形態におけ
るフロントピラー20の作用を、図11〜図14にて図
の順に説明する。図11は本発明に係るフロントピラー
(第2の実施の形態)の第1作用図であり、矢印のよ
うに障害物Sが車体前方からフロントピラー20に当っ
たことを示す。障害物Sからの衝撃力はガーニッシュ7
1並びに保護部材100を介してフロントピラー本体2
1に伝わる。次に図12の作用に進む。
【0041】図12は本発明に係るフロントピラー(第
2の実施の形態)の第2作用図であり、障害物Sからの
衝撃力によって、ガーニッシュ71並びに保護部材10
0が矢印方向に変形したことを示す。この段階は、ガ
ーニッシュ71や保護部材100が座屈することにより
衝撃力を吸収する第1段階である。保護部材100は変
形して、障害物Sからの衝撃力を効果的に吸収する。こ
の結果、障害物Sへの衝撃を緩和することができる。
【0042】障害物Sからの衝撃力が更に大きい場合、
その衝撃力によって保護部材100の押圧部103が脆
弱部98を押して破断させる。この結果、前板93が破
断する。フロントピラー本体21はガーニッシュ71や
保護部材100よりも剛性が大きいので、この段階では
変形しない。次に図13の作用に進む。
【0043】図13は本発明に係るフロントピラー(第
2の実施の形態)の第3作用図であり、障害物Sからの
衝撃力が大きい場合に、その衝撃力により保護部材10
0が後方(矢印方向)へ移動し、その後端で、前板9
3の破断した部分を押し開いて、フロントピラー本体2
1内に入り込んだ第2段階を示す。保護部材100は後
方へ移動して、障害物Sからの衝撃力を更に吸収する。
この結果、障害物Sへの衝撃を十分に緩和することがで
きる。
【0044】このように保護部材100は、想像線にて
示す変形前の位置から変形するだけではなく、更にフロ
ントピラー本体21内に入り込むことができる。このと
きの保護部材100の変形・移動量は、想像線にて示す
変形前の位置から実線にて示す位置までの距離Yであ
る。この距離Yは、保護部材100が変形するだけの場
合に比べて、極めて大きい。保護部材100は距離Y分
だけ変形且つ後方移動することによって、この距離Yに
応じた大きい衝撃力を吸収することができる。
【0045】従って、フロントピラー20に障害物Sが
当ったときに、保護部材100で衝撃力をより一層吸収
することができる。この結果、障害物Sへの衝撃を十分
に緩和することができる。上記第2段階を経過した後、
フロントピラー本体21が矢印方向に塑性変形を開始
する。すなわち、大きな衝撃力によって脆弱な屈曲部3
5が塑性変形を開始する。次に図14の作用に進む。
【0046】図14は本発明に係るフロントピラー(第
2の実施の形態)の第4作用図であり、障害物Sからの
より大きい衝撃力によって、フロントピラー本体21が
矢印方向に塑性変形した第3段階を示す。この第3段
階では、フロントピラー20に障害物Sが当ったときの
衝撃力によって、脆弱な屈曲部35が塑性変形する。同
時に、屈曲部35を起点として、インナフレーム30の
うち前半部分が塑性変形するとともに、これに伴ってア
ウタフレーム40の前半部分も塑性変形する。このよう
にして、フロントピラー本体21のうち、前半の衝撃吸
収部分21Fの全体が座屈変形して、障害物Sからの衝
撃力を吸収する。この結果、障害物Sへの衝撃をより十
分に緩和することができる。
【0047】一方、フロントピラー本体21のうち、屈
曲部35から離れた後半の高剛性部分21Rはそれほど
変形しない。従って、車体の一部としてのフロントピラ
ー本体21本来の剛性を維持することができる。
【0048】なお、上記第1・第2の実施の形態におい
て、フロントピラー本体21の前面に設けた脆弱部は、
フロントピラー本体21の前面の破断を促す構成であれ
ばよく、フロントピラー本体21の前面のうち他の部分
よりも強度を下げることにより、脆弱部の役割を果たす
ことができる。例えば、上記図3や上記図10において
前板43,93のうち、一点鎖線にて示す部分Pに開け
る多数のスリット48・・・,97・・・を多数の丸孔に代え
ることで、フロントピラー本体21の前面の破断を促す
脆弱部49・・・,98・・・を設けるようにしてもよい。ま
た、前板43,93のうち、一点鎖線にて示す部分Pの
み他の部分よりも薄肉にすることで、強度を下げて脆弱
部としてもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、フロントピラー本体の前面にこの前
面の破断を促す脆弱部を設け、この脆弱部を押すことの
できる押圧部を保護部材の後部に形成したものである。
従って、保護部材が所定量だけ変形したときの衝撃力
で、保護部材の押圧部がフロントピラー本体の脆弱部を
押すことにより、フロントピラー本体の前面を破断させ
ることができる。このようにして、保護部材を変形させ
るだけではなく、更に、前面が破断したフロントピラー
本体内に保護部材を入り込ませることができる。保護部
材が後方へ移動することにより、衝撃力をより一層吸収
することができる。この結果、障害物への衝撃を十分に
緩和することができる。しかも衝撃力によって、保護部
材を変形させるだけではなく、前面が破断したフロント
ピラー本体内に保護部材を入り込ませるようにしたの
で、保護部材をフロントピラー本体の前方へ大きく延す
必要がない。従って、自動車のデザイン上の制約を受け
ることがなく、設計の自由度が高まる。
【0050】請求項2は、フロントピラー本体に、フロ
ントピラー本体の変形を促す脆弱部を設けたので、フロ
ントピラーに障害物が当ったときに、脆弱部が変形する
とともに、脆弱部を起点としてフロントピラー本体も変
形し、障害物からの衝撃力を吸収することができる。こ
の結果、障害物への衝撃をより十分に緩和することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車(第1の実施の形態)の前
半部の斜視図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係る自動車のフロントピラー(第1の
実施の形態)の分解斜視図
【図4】本発明に係るフロントピラー(第1の実施の形
態)の第1作用図
【図5】本発明に係るフロントピラー(第1の実施の形
態)の第2作用図
【図6】本発明に係るフロントピラー(第1の実施の形
態)の第3作用図
【図7】本発明に係るフロントピラー(第1の実施の形
態)の第4作用図
【図8】本発明に係る自動車のフロントピラー(第2の
実施の形態)の平面断面図
【図9】本発明に係る保護部材(第2の実施の形態)の
斜視図
【図10】本発明に係る自動車のフロントピラー(第2
の実施の形態)の分解斜視図
【図11】本発明に係るフロントピラー(第2の実施の
形態)の第1作用図
【図12】本発明に係るフロントピラー(第2の実施の
形態)の第2作用図
【図13】本発明に係るフロントピラー(第2の実施の
形態)の第3作用図
【図14】本発明に係るフロントピラー(第2の実施の
形態)の第4作用図
【符号の説明】
10…自動車、20…フロントピラー、21…フロント
ピラー本体、35…脆弱部(屈曲部)、43…前板、4
8…スリット、49…脆弱部、60…保護部材、62…
押圧部、93…前板、97…スリット、98…脆弱部、
100…保護部材、103…押圧部、S…障害物。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒型断面のフロントピラー本体の前面
    に、衝撃を吸収する保護部材を取付けた自動車のフロン
    トピラーにおいて、前記フロントピラー本体の前面にこ
    の前面の破断を促す脆弱部を設け、この脆弱部を押すこ
    とのできる押圧部を前記保護部材の後部に形成したこと
    を特徴とする自動車のフロントピラー。
  2. 【請求項2】 前記フロントピラー本体に、フロントピ
    ラー本体の変形を促す脆弱部を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の自動車のフロントピラー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1806270A1 (en) * 2006-01-05 2007-07-11 Ford Global Technologies, LLC Impact force coupling assembly
JP2018016231A (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 本田技研工業株式会社 自動車の車体構造

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JP2018016231A (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 本田技研工業株式会社 自動車の車体構造

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