JP2018016231A - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントピラーロアおよびフロントピラーアッパーの結合部近傍の軽量化、強度・剛性の向上および設計自由度の向上を図る。【解決手段】フロントピラーアッパー20の下端の上部ジョイント25をフロントピラーロア14の上端の下部ジョイント28にボルトで締結するので、フロントピラーアッパーおよびフロントピラーロアを強固に結合することができる。上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小するので、フロントピラーロアからフロントピラーアッパーに向かって断面積を徐々に変化させて荷重分散性を高めることができ、しかもアウターパネル22およびインナーパネル23を結合して中空閉断面に構成されたフロントピラーアッパーの下部は上部ジョイントの上部に嵌合して固定されるので、アウターパネルおよびインナーパネルを型成形してデザイン上の自由度を高めるとともにフロントピラーアッパーの軽量化を図ることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造に関する。
一定の中空閉断面を有するアルミニウム押し出し材よりなるフロントピラーアッパーの下端にアルミニウム鋳物製のジョイントをミグ溶接し、CFRPでバスタブ状に成形した下部車体のフロントピラーロアの上端に前記ジョイントをボルトで締結するものが、下記特許文献1により公知である。
WO2016/042858
しかしながら、上記従来のものは、フロントピラーアッパーが一定閉断面を有するアルミニウム押し出し材で構成されるため、フロントピラーアッパーの断面形状の設計自由度が大幅に低下するだけでなく、それを補って強度・剛性を確保するにはアルミニウム鋳物製のジョイントの形状を複雑化したり大型化したりする必要があり、そのために重量が増加する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、フロントピラーロアおよびフロントピラーアッパーの結合部近傍の軽量化、強度・剛性の向上および設計自由度の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造であって、前記上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小し、アウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成された前記フロントピラーアッパーの下部は前記上部ジョイントの上部に嵌合して固定され、前記上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルトが前記下部ジョイントに螺合することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、左右一対の前記フロントピラーアッパーの上端間を車幅方向に延びるフロントルーフアーチで連結して門形のウインドシールドフレームが構成されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記ボルト孔は前記上部ジョイントの下部外周に上下方向に形成され、前記下部ジョイントには前記ボルトが螺合する雌ねじが上下方向に形成されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、下部が前記上部ジョイントに固定される補強部材が前記フロントピラーアッパーの内部に配置され、前記補強部材は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記フロントピラーアッパーの前記アウターパネルおよび前記インナーパネルは前記上部ジョイントを車幅方向両側から挟んだ状態でリベットで締結され、前記フロントピラーアッパーの前部を締結するリベットの数は後部を締結するリベットの数よりも多いことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記上部ジョイントは車体外側に位置する意匠部と車体内側に位置する非意匠部とを備え、前記意匠部の下端に設けられた締結フランジにおいて前記下部ジョイントに締結されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、中空の前記上部ジョイントは内部に補強リブを備え、前記補強リブの下端が前記下部ジョイントの上壁に当接することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、フロントダンパーハウジングを支持するアッパーメンバが前記下部ジョイントに締結されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1〜請求項8の何れか1項の構成に加えて、前記フロントピラーアッパーの前記アウターパネルの外面に変形防止部材を介してピラーガーニッシュが支持されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
なお、実施の形態の前壁25aおよび車幅方向外壁25cは本発明の意匠部に対応し、実施の形態の後壁25bおよび車幅方向内壁25dは本発明の非意匠部に対応する。
請求項1の構成によれば、上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルトが下部ジョイントに螺合するので、フロントピラーロアおよびフロントピラーアッパーを下部ジョイントおよび上部ジョイントを介して強固に結合することができる。また上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小するので、フロントピラーロアからフロントピラーアッパーに向かって断面積を徐々に変化させて荷重分散性を高めることができ、しかもアウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成されたフロントピラーアッパーの下部は上部ジョイントの上部に嵌合して固定されるので、アウターパネルおよびインナーパネルを型成形してデザイン上の自由度を高めるとともにフロントピラーアッパーの軽量化を図ることができる。
また請求項2の構成によれば、左右一対のフロントピラーアッパーの上端間を車幅方向に延びるフロントルーフアーチで連結して門形のウインドシールドフレームが構成されるので、予めサブセンブリとして組み立てたウインドシールドフレームを一括して下部車体に組み付けることで生産性が向上する。
また請求項3の構成によれば、ボルト孔は上部ジョイントの下部外周に上下方向に形成され、下部ジョイントにはボルトが螺合する雌ねじが上下方向に形成されるので、フロントピラーロアを有する下部車体とフロントピラーアッパーを有する上部車体とを別個に組み立てておき、下部車体に対して上部車体を上方から接近させて容易に組み付けることができる。しかも下部車体および上部車体は完全に独立した構造となっているので、下部車体として既存のものを流用し、デザイン上の制約を大きく受ける上部車体だけを変更することで、共通の下部車体に対して異なるデザインの上部車体を組み合わせることができる。
また請求項4の構成によれば、下部が上部ジョイントに固定される補強部材がフロントピラーアッパーの内部に配置され、補強部材は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されるので、補強部材によりフロントピラーアッパーの強度および剛性が向上するだけでなく、フロントピラーアッパーの断面積がフロントピラーロアの断面積よりも小さく、かつフロントピラーロアに対してフロントピラーアッパーが傾斜していても、両者の締結部の強度および剛性が向上する。
また請求項5の構成によれば、フロントピラーアッパーのアウターパネルおよびインナーパネルは上部ジョイントを車幅方向両側から挟んだ状態でリベットで締結され、フロントピラーアッパーの前部を締結するリベットの数は後部を締結するリベットの数よりも多いので、フロントピラーアッパーおよび上部ジョイントを強固に締結できるだけでなく、フロントピラーアッパーに前方からの衝突荷重が入力したときに、上部ジョイントおよび下部ジョイントの締結部の強度を高めてフロントピラーアッパーの倒れを防止することができる。
また請求項6の構成によれば、上部ジョイントは車体外側に位置する意匠部と車体内側に位置する非意匠部とを備え、意匠部の下端に設けられた締結フランジにおいて下部ジョイントに締結されるので、フロントピラーアッパーおよび上部ジョイントを別部材で構成しながら一体感のあるデザインにすることができ、しかも上部ジョイントの下面の面積を拡大して下部ジョイントとの締結強度を高めることができる。
また請求項7の構成によれば、中空の上部ジョイントは内部に補強リブを備え、補強リブの下端が下部ジョイントの上壁に当接するので、補強リブで上部ジョイントの強度を高めるとともに、上部ジョイントおよび下部ジョイントの当接を安定させて締結強度を高めることができる。
また請求項8の構成によれば、フロントダンパーハウジングを支持するアッパーメンバが下部ジョイントに締結されるので、車輪から大きな荷重が入力するフロントダンパーハウジングを、強度の高い下部ジョイントを利用して強固に支持することができる。
また請求項9の構成によれば、フロントピラーアッパーのアウターパネルの外面に変形防止部材を介してピラーガーニッシュが支持されるので、ピラーガーニッシュが薄くて軽量な部材であっても、ピラーガーニッシュに荷重が加わったときの変形を変形防止部材により防止できるだけでなく、アウターパネルをピラーガーニッシュにできるだけ接近させて配置することで、フロントピラーアッパーの断面積を確保して強度および剛性を高めることができる。
自動車の骨格の部分斜視図。 図1の2部拡大図。 図2に対応する分解斜視図。 図2の4−4線断面図。 図2の5−5線断面図。 図1の6−6線断面図。
以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書における前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向は運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1に示すように、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)でバスタブ状の形成した下部車体11は、フロアパネル12と、フロアパネル12の左右両側部に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル13,13と、左右のサイドシル13,13の前端から上方に起立する左右一対のフロントピラーロア14,14と、左右のサイドシル13,13の後端から後上方に起立する左右一対のリヤピラー15,15と、フロアパネル12の前端および左右のフロントピラーロア14,14の前端間を車幅方向に接続するダッシュパネルロア16と、左右のフロントピラーロア14,14の上端間を車幅方向に接続するウインドシールドロアサポー17とを備える。ウインドシールドロアサポー17と協働してウインドシールド18の外周を支持する門型のウインドシールドフレーム19は、左右のフロントピラーロア14,14の上端から後上方に延びる左右一対のフロントピラーアッパー20,20と、左右のフロントピラーアッパー20,20の上端間を車幅方向に接続するフロントルーフアーチ21とで構成される。
図2〜図5に示すように、後上方から前下方に傾斜するフロントピラーアッパー20は、何れも鋼板をプレス成形したアウターパネル22、インナーパネル23および補強部材24を結合して中空閉断面に構成される。アウターパネル22は、車幅方向に延びる前壁22aと、前壁22aの車幅方向外端から後方に延びて車幅方向内方に向けて湾曲する側壁22bと、前壁22aの車幅方向内端を車幅方向内側に延長した前部フランジ22cと、側壁22bの後端から後方に延びる後部フランジ22dとを備える。インナーパネル23は、前後方向に延びる側壁23aと、側壁23aの後端から車幅方向外方に延びる後壁23bと、側壁23aの前端を車幅方向内側に折り曲げた前部フランジ23cと、後壁23bの車幅方向外端を後方に折り曲げた後部フランジ23dとを備え、側壁23a、後壁23bおよび後部フランジ23dはZ字状断面を構成する。補強部材24はインナーパネル23の下半部の車幅方向内面に密着するように重ね合わされるもので、その断面形状はインナーパネル23の断面形状と類似であって、側壁24a、後壁24bおよび後部フランジ24dを備えるZ字状である。側面視で、フロントピラーアッパー20の前縁は直線状であって後上方から前下方に延びるが、フロントピラーアッパー20の後縁はヘ字状に屈曲しており、後上方から前下方に延びた後に下向きに屈曲する。従って、フロントピラーアッパー20の下部において前後方向幅が下側ほど広くなるように拡大する。
左右一対のフロントピラーアッパー20,20の上端に車幅方向に延びるフロントルーフアーチ21の両端が結合され、これら左右一対のフロントピラーアッパー20,20およびフロントルーフアーチ21により、ウインドシールドロアアポート17と協働してウインドシールド18の外周を支持する門型のウインドシールドフレーム19(図1参照)が構成される。
フロントピラーアッパー20の下端に設けられる上部ジョイント25はアルミニウム鋳造部材よりなり、その水平断面は、車幅方向に延びる前壁25aおよび後壁25bと、前後方向に延びる車幅方向外壁25cおよび車幅方向内壁25dとを備える閉断面である。前壁25aの車幅方向内端から前部フランジ25eが車幅方向内側に延びるとともに、車幅方向外壁25cの後端から後部フランジ25fが後方に延び、更に車幅方向外壁25cおよび車幅方向内壁25dを接続する補強リブ25g(図5参照)が前壁25aから下方に延びている。後壁25bは前上方から後下方に傾斜し、かつ前壁25aは後上方から前下方に傾斜しており、よって上部ジョイント25は下方から上方に向かって水平断面が縮小する山型である。前壁25aおよび車幅方向外壁25cの下端には外方に向かって延びる3個の締結フランジ25h…が形成されており、各締結フランジ25h…には上下方向に貫通する3個のボルト孔25i…(図5参照)が形成される。
フロントピラーアッパー20のインナーパネル23の車幅方向外面に補強部材24の車幅方向内面が重ね合わされ、インナーパネル23の側壁23a、後壁23bおよび後部フランジ23dに、補強部材24の側壁24a、後壁24bおよび後部フランジ24dがそれぞれ密着する。上部ジョイント25の前部フランジ25eの上半部の前面にアウターパネル22の前部フランジ22cが重ね合わされ、上半部の後面にインナーパネル23の前部フランジ23cが重ね合わされた状態で、前後方向に延びる3本のリベット26A…で締結される。また上部ジョイント25の後部フランジ25fの上半部の車幅方向外面にアウターパネル22の後部フランジ22dが重ね合わされ、上半部の車幅方向内面に補強部材24の後部フランジ24dおよびインナーパネル23の後部フランジ23dが重ね合わされた状態で、車幅方向に延びる1本のリベット26B…で締結される。
更に、上部ジョイント25の前壁25aの上半部にアウターパネル22の前壁22aが重ね合わされ、前後方向に延びる2本のリベット26C,26Cで締結される。また上部ジョイント25の車幅方向外壁25cの上半部にアウターパネル22の側壁22bが重ね合わされ、車幅方向に延びる3本のリベット26D…で締結される。また上部ジョイント25の車幅方向内壁25dの上半部に補強部材24の側壁24aおよびインナーパネル23の側壁23aが重ね合わされ、車幅方向に延びる5本のリベット26E…で締結される。このようにして、中空閉断面のフロントピラーアッパー20の下部が上部ジョイント25の上部に嵌合して締結される。
CFRPでバスタブ状に構成された下部車体11は、その車幅方向両側部に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル13,13の前端から略一定の矩形状断面を有して上方に起立する左右一対のフロントピラーロア14,14を備える。中空のサイドシル13およびフロントピラーロア14の内部には、アルミニウム鋳造部材よりなる複数の板状のバルクヘッド27…(図2および図3の1個のみ図示)が所定間隔で接着されており、フロントピラーロア14の上端開口部には、アルミニウム鋳造部材よりなる下部ジョイント28,28が嵌合して接着される。下部ジョイント28は、平坦な上壁28aから下方に延びる四角筒状の側壁28bとを備え、上壁28aの上面に上下方向に延びる3個の雌ねじ28c…が形成される。下部ジョイント28の上壁28aの上面に上部ジョイント25の下面を重ね合わせた状態で、上部ジョイント25のボルト孔25i…を上から下に貫通する3本のボルト29…を下部ジョイント28の雌ねじ28c…に螺合することで、下部ジョイント28に上部ジョイント25が締結される。
前方に向けて延びるアルミニウム鋳造品よりなるアッパーメンバ30の後端に設けられたL字状の結合フランジ30aがフロントピラーロア14の上部に当接し、結合フランジ30aを貫通する複数本のボルト31…が下部ジョイント28および最上部のバルクヘッド27に螺合することで、フロントピラーロア14にアッパーメンバ30が締結される。アッパーメンバ30の前部には、前輪のダンパーの上端を支持するアルミニウム鋳造品よりなるフロントダンパーハウジング32(図1参照)が固定される。
図1および図6に示すように、フロントピラーアッパー20の外側を覆うピラーガーニッシュ33は、GFRP(ガラス繊維強化樹脂)製の薄板よりなるガーニッシュ本体部34と、ブロック状の合成樹脂部材よりなる例えば6個の変形防止部材35…と、金属板をL字状断面に折り曲げた固定部材36とを備える。6個の変形防止部材35…はガーニッシュ本体部34の長手方向に沿って所定間隔で配置される。緩やかに湾曲する弧状断面を有するガーニッシュ本体部34はフロントピラーアッパー20の前面を覆うように配置され、その車幅方向内側部分の後面に変形防止部材35の前面が接着剤37で接着される。変形防止部材35の前面の車幅方向外側半部には段状の切欠き35aが形成される。
固定部材36は、その前部前面がガーニッシュ本体部34の車幅方向外側部分の後面に接着剤38で接着されるとともに、その前部後面が変形防止部材35の切欠き35aの前面に接着剤39で接着される。固定部材36の後部はフロントピラーアッパー20の車幅方向外面に当接し、その車幅方向外面に更に金属製の押し出し材よりなる一定断面のリテーナ40が重ね合わされ、リテーナ40、固定部材36およびフロントピラーアッパー20を貫通する複数本のボルト41…がフロントピラーアッパー20の内面に設けた6個のウエルドナット42…に螺合することで、フロントピラーアッパー20にピラーガーニッシュ33およびリテーナ40が共締めされる。リテーナ40にはドアガラスとの間をシールするラバー製のガラスシール43が嵌合して支持される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
フロントピラーロア14の上端に設けた下部ジョイント28とフロントピラーアッパー20の下端に設けた上部ジョイント25とをボルト29…で締結するので、フロントピラーロア14およびフロントピラーアッパー20を強固に結合することができる。また上部ジョイント25は上方に向かって断面積が縮小するので、大断面積のフロントピラーロア14から小断面積のフロントピラーアッパー20に向かって断面積を徐々に変化させて荷重分散性を高めることができ、しかもアウターパネル22およびインナーパネル23を結合して中空閉断面に構成されたフロントピラーアッパー20の下部は上部ジョイント25の上部に嵌合して固定されるので、鋼板製のアウターパネル22およびインナーパネル23を金型でプレス成形して断面形状の自由度を高めるとともにフロントピラーアッパー20の軽量化を図ることができる。
また左右一対のフロントピラーアッパー20,20の上端間を車幅方向に延びるフロントルーフアーチ21で連結して門形のウインドシールドフレーム19が構成されるので、予めサブセンブリとして組み立てたウインドシールドフレーム19を一括して下部車体11に組み付けることで生産性が向上する。
また上部ジョイント25の下部外周にボルト孔25i…が上下方向に形成され、下部ジョイント28の上壁28aに雌ねじ28c…が上下方向に形成され、ボルト孔25i…を貫通するボルト29…を雌ねじ28c…に螺合するので、フロントピラーロア14を有するバスタブ状の下部車体と11とフロントピラーアッパー20を有するウインドシールドフレーム19とを予め別個に組み立てておき、下部車体11に対してウインドシールドフレーム19を上方から接近させて容易に組み付けることができる。
なお、下部車体11とウインドシールドフレーム19(上部車体)とは完全に独立した構造となっているので、下部車体11として既存のものを流用し、デザイン上の制約を大きく受けるウインドシールドフレーム19だけを変更することで、共通の下部車体11に対して異なるデザインのウインドシールドフレーム19を組み合わせることができる。
またフロントピラーアッパー20の補強部材24は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されるので、補強部材24によりフロントピラーアッパー20の強度および剛性が向上するだけでなく、フロントピラーアッパー20の断面積がフロントピラーロア14の断面積よりも小さく、かつフロントピラーロア14に対してフロントピラーアッパー20が傾斜していても、両者の締結部の強度および剛性が向上する。
またフロントピラーアッパー20のアウターパネル22およびインナーパネル23は上部ジョイント25を車幅方向両側から挟んだ状態でリベット26A…〜26E…で締結され、フロントピラーアッパー20の前部を締結するリベット26A…の数(3本)は後部を締結するリベット26Bの数(1本)よりも多いので、フロントピラーアッパー20および上部ジョイント25を強固に締結できるだけでなく、フロントピラーアッパー20に前方からの衝突荷重が入力したときに、上部ジョイント25および下部ジョイント28の締結部の強度を高めてフロントピラーアッパー20の倒れを防止することができる。
また上部ジョイント25は、車体外側に位置する意匠部を構成する前壁25aおよび車幅方向外壁25cと、車体内側に位置する非意匠部を構成する後壁25bおよび車幅方向内壁25dとを備え、意匠部の下端に設けられた締結フランジ25h…において下部ジョイント28に締結されるので、フロントピラーアッパー20および上部ジョイント25を別部材で構成しながら一体感のあるデザインにすることができ、しかも上部ジョイント25の下面の面積を拡大して下部ジョイント28との締結強度を高めることができる。
また中空の上部ジョイント25は内部に補強リブ25gを備え、補強リブ25gの下端が下部ジョイント28の上壁28aに当接するので、補強リブ25gで上部ジョイント25の強度を高めるとともに、上部ジョイント25および下部ジョイント28の当接を安定させて締結強度を高めることができる。
またフロントダンパーハウジング32を支持するアッパーメンバ30が下部ジョイント28に締結されるので、車輪から大きな荷重が入力するフロントダンパーハウジング32を、強度の高い下部ジョイント28を利用して強固に支持することができる。
またフロントピラーアッパー20のアウターパネル22の外面に変形防止部材35…を介してピラーガーニッシュ33が支持されるので、ピラーガーニッシュ33を薄くて軽量な部材で構成しても、ピラーガーニッシュ33に手が触れたときの変形を変形防止部材35…により防止できるだけでなく、アウターパネル22をピラーガーニッシュ33にできるだけ接近させて配置することで、フロントピラーアッパー20の断面積を確保して強度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではアウターパネル22、インナーパネル23および補強部材24をプレス成形された鋼板で構成しているが、それらをFRP製としても良い。
14 フロントピラーロア
19 ウインドシールドフレーム
20 フロントピラーアッパー
21 フロントルーフアーチ
22 アウターパネル
23 インナーパネル
24 補強部材
25 上部ジョイント
25a 前壁(意匠部)
25b 後壁(非意匠部)
25c 車幅方向外壁(意匠部)
25d 車幅方向内壁(非意匠部)
25g 補強リブ
25h 締結フランジ
25i ボルト孔
26A リベット
26B リベット
28 下部ジョイント
28a 上壁
28c 雌ねじ
29 ボルト
30 アッパーメンバ
32 フロントダンパーハウジング
33 ピラーガーニッシュ
35 変形防止部材
本発明は、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造に関する。
一定の中空閉断面を有するアルミニウム押し出し材よりなるフロントピラーアッパーの下端にアルミニウム鋳物製のジョイントをミグ溶接し、CFRPでバスタブ状に成形した下部車体のフロントピラーロアの上端に前記ジョイントをボルトで締結するものが、下記特許文献1により公知である。
WO2016042858
しかしながら、上記従来のものは、フロントピラーアッパーが一定閉断面を有するアルミニウム押し出し材で構成されるため、フロントピラーアッパーの断面形状の設計自由度が大幅に低下するだけでなく、それを補って強度・剛性を確保するにはアルミニウム鋳物製のジョイントの形状を複雑化したり大型化したりする必要があり、そのために重量が増加する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、フロントピラーロアおよびフロントピラーアッパーの結合部近傍の軽量化、強度・剛性の向上および設計自由度の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造であって、前記上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小し、アウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成された前記フロントピラーアッパーの下部は前記上部ジョイントの上部に嵌合して固定され、前記上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルト前記下部ジョイントに螺合し、下部が前記上部ジョイントに固定される補強部材が前記フロントピラーアッパーの内部に配置され、前記補強部材は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造であって、前記上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小し、アウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成された前記フロントピラーアッパーの下部は前記上部ジョイントの上部に嵌合して固定され、前記上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルト前記下部ジョイントに螺合し、前記フロントピラーアッパーの前記アウターパネルおよび前記インナーパネルは前記上部ジョイントを車幅方向両側から挟んだ状態でリベットで締結され、前記フロントピラーアッパーの前部を締結するリベットの数は後部を締結するリベットの数よりも多いことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造であって、前記上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小し、アウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成された前記フロントピラーアッパーの下部は前記上部ジョイントの上部に嵌合して固定され、前記上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルト前記下部ジョイントに螺合し、前記上部ジョイントは車体外側に位置する意匠部と車体内側に位置する非意匠部とを備え、前記意匠部の下端に設けられた締結フランジにおいて前記下部ジョイントに締結されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、上下方向に延びるフロントピラーロアの上部に設けられた下部ジョイントに、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパーの下部に設けられた上部ジョイントが結合される自動車の車体構造であって、前記上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小し、アウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成された前記フロントピラーアッパーの下部は前記上部ジョイントの上部に嵌合して固定され、前記上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルト前記下部ジョイントに螺合し、フロントダンパーハウジングを支持するアッパーメンバが前記下部ジョイントに締結されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
なお、実施の形態の前壁25aおよび車幅方向外壁25cは本発明の意匠部に対応し、実施の形態の後壁25bおよび車幅方向内壁25dは本発明の非意匠部に対応する。
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4の構成によれば、上部ジョイントの下部に形成されたボルト孔を貫通するボルトが下部ジョイントに螺合するので、フロントピラーロアおよびフロントピラーアッパーを下部ジョイントおよび上部ジョイントを介して強固に結合することができる。また上部ジョイントは上方に向かって断面積が縮小するので、フロントピラーロアからフロントピラーアッパーに向かって断面積を徐々に変化させて荷重分散性を高めることができ、しかもアウターパネルおよびインナーパネルを結合して中空閉断面に構成されたフロントピラーアッパーの下部は上部ジョイントの上部に嵌合して固定されるので、アウターパネルおよびインナーパネルを型成形してデザイン上の自由度を高めるとともにフロントピラーアッパーの軽量化を図ることができる。
特に請求項1の構成によれば、下部が上部ジョイントに固定される補強部材がフロントピラーアッパーの内部に配置され、補強部材は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されるので、補強部材によりフロントピラーアッパーの強度および剛性が向上するだけでなく、フロントピラーアッパーの断面積がフロントピラーロアの断面積よりも小さく、かつフロントピラーロアに対してフロントピラーアッパーが傾斜していても、両者の締結部の強度および剛性が向上する。
特に請求項2の構成によれば、フロントピラーアッパーのアウターパネルおよびインナーパネルは上部ジョイントを車幅方向両側から挟んだ状態でリベットで締結され、フロントピラーアッパーの前部を締結するリベットの数は後部を締結するリベットの数よりも多いので、フロントピラーアッパーおよび上部ジョイントを強固に締結できるだけでなく、フロントピラーアッパーに前方からの衝突荷重が入力したときに、上部ジョイントおよび下部ジョイントの締結部の強度を高めてフロントピラーアッパーの倒れを防止することができる。
特に請求項3の構成によれば、上部ジョイントは車体外側に位置する意匠部と車体内側に位置する非意匠部とを備え、意匠部の下端に設けられた締結フランジにおいて下部ジョイントに締結されるので、フロントピラーアッパーおよび上部ジョイントを別部材で構成しながら一体感のあるデザインにすることができ、しかも上部ジョイントの下面の面積を拡大して下部ジョイントとの締結強度を高めることができる。
特に請求項8の構成によれば、フロントダンパーハウジングを支持するアッパーメンバが下部ジョイントに締結されるので、車輪から大きな荷重が入力するフロントダンパーハウジングを、強度の高い下部ジョイントを利用して強固に支持することができる。
自動車の骨格の部分斜視図。 図1の2部拡大図。 図2に対応する分解斜視図。 図2の4−4線断面図。 図2の5−5線断面図。 図1の6−6線断面図。
以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書における前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向は運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1に示すように、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)でバスタブ状の形成した下部車体11は、フロアパネル12と、フロアパネル12の左右両側部に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル13,13と、左右のサイドシル13,13の前端から上方に起立する左右一対のフロントピラーロア14,14と、左右のサイドシル13,13の後端から後上方に起立する左右一対のリヤピラー15,15と、フロアパネル12の前端および左右のフロントピラーロア14,14の前端間を車幅方向に接続するダッシュパネルロア16と、左右のフロントピラーロア14,14の上端間を車幅方向に接続するウインドシールドロアサポー17とを備える。ウインドシールドロアサポー17と協働してウインドシールド18の外周を支持する門型のウインドシールドフレーム19は、左右のフロントピラーロア14,14の上端から後上方に延びる左右一対のフロントピラーアッパー20,20と、左右のフロントピラーアッパー20,20の上端間を車幅方向に接続するフロントルーフアーチ21とで構成される。
図2〜図5に示すように、後上方から前下方に傾斜するフロントピラーアッパー20は、何れも鋼板をプレス成形したアウターパネル22、インナーパネル23および補強部材24を結合して中空閉断面に構成される。アウターパネル22は、車幅方向に延びる前壁22aと、前壁22aの車幅方向外端から後方に延びて車幅方向内方に向けて湾曲する側壁22bと、前壁22aの車幅方向内端を車幅方向内側に延長した前部フランジ22cと、側壁22bの後端から後方に延びる後部フランジ22dとを備える。インナーパネル23は、前後方向に延びる側壁23aと、側壁23aの後端から車幅方向外方に延びる後壁23bと、側壁23aの前端を車幅方向内側に折り曲げた前部フランジ23cと、後壁23bの車幅方向外端を後方に折り曲げた後部フランジ23dとを備え、側壁23a、後壁23bおよび後部フランジ23dはZ字状断面を構成する。補強部材24はインナーパネル23の下半部の車幅方向内面に密着するように重ね合わされるもので、その断面形状はインナーパネル23の断面形状と類似であって、側壁24a、後壁24bおよび後部フランジ24dを備えるZ字状である。側面視で、フロントピラーアッパー20の前縁は直線状であって後上方から前下方に延びるが、フロントピラーアッパー20の後縁はヘ字状に屈曲しており、後上方から前下方に延びた後に下向きに屈曲する。従って、フロントピラーアッパー20の下部において前後方向幅が下側ほど広くなるように拡大する。
左右一対のフロントピラーアッパー20,20の上端に車幅方向に延びるフロントルーフアーチ21の両端が結合され、これら左右一対のフロントピラーアッパー20,20およびフロントルーフアーチ21により、ウインドシールドロアアポート17と協働してウインドシールド18の外周を支持する門型のウインドシールドフレーム19(図1参照)が構成される。
フロントピラーアッパー20の下端に設けられる上部ジョイント25はアルミニウム鋳造部材よりなり、その水平断面は、車幅方向に延びる前壁25aおよび後壁25bと、前後方向に延びる車幅方向外壁25cおよび車幅方向内壁25dとを備える閉断面である。前壁25aの車幅方向内端から前部フランジ25eが車幅方向内側に延びるとともに、車幅方向外壁25cの後端から後部フランジ25fが後方に延び、更に車幅方向外壁25cおよび車幅方向内壁25dを接続する補強リブ25g(図5参照)が前壁25aから下方に延びている。後壁25bは前上方から後下方に傾斜し、かつ前壁25aは後上方から前下方に傾斜しており、よって上部ジョイント25は下方から上方に向かって水平断面が縮小する山型である。前壁25aおよび車幅方向外壁25cの下端には外方に向かって延びる3個の締結フランジ25h…が形成されており、各締結フランジ25h…には上下方向に貫通する3個のボルト孔25i…(図5参照)が形成される。
フロントピラーアッパー20のインナーパネル23の車幅方向外面に補強部材24の車幅方向内面が重ね合わされ、インナーパネル23の側壁23a、後壁23bおよび後部フランジ23dに、補強部材24の側壁24a、後壁24bおよび後部フランジ24dがそれぞれ密着する。上部ジョイント25の前部フランジ25eの上半部の前面にアウターパネル22の前部フランジ22cが重ね合わされ、上半部の後面にインナーパネル23の前部フランジ23cが重ね合わされた状態で、前後方向に延びる3本のリベット26A…で締結される。また上部ジョイント25の後部フランジ25fの上半部の車幅方向外面にアウターパネル22の後部フランジ22dが重ね合わされ、上半部の車幅方向内面に補強部材24の後部フランジ24dおよびインナーパネル23の後部フランジ23dが重ね合わされた状態で、車幅方向に延びる1本のリベット26B…で締結される。
更に、上部ジョイント25の前壁25aの上半部にアウターパネル22の前壁22aが重ね合わされ、前後方向に延びる2本のリベット26C,26Cで締結される。また上部ジョイント25の車幅方向外壁25cの上半部にアウターパネル22の側壁22bが重ね合わされ、車幅方向に延びる3本のリベット26D…で締結される。また上部ジョイント25の車幅方向内壁25dの上半部に補強部材24の側壁24aおよびインナーパネル23の側壁23aが重ね合わされ、車幅方向に延びる5本のリベット26E…で締結される。このようにして、中空閉断面のフロントピラーアッパー20の下部が上部ジョイント25の上部に嵌合して締結される。
CFRPでバスタブ状に構成された下部車体11は、その車幅方向両側部に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル13,13の前端から略一定の矩形状断面を有して上方に起立する左右一対のフロントピラーロア14,14を備える。中空のサイドシル13およびフロントピラーロア14の内部には、アルミニウム鋳造部材よりなる複数の板状のバルクヘッド27…(図2および図3の1個のみ図示)が所定間隔で接着されており、フロントピラーロア14の上端開口部には、アルミニウム鋳造部材よりなる下部ジョイント28,28が嵌合して接着される。下部ジョイント28は、平坦な上壁28aから下方に延びる四角筒状の側壁28bとを備え、上壁28aの上面に上下方向に延びる3個の雌ねじ28c…が形成される。下部ジョイント28の上壁28aの上面に上部ジョイント25の下面を重ね合わせた状態で、上部ジョイント25のボルト孔25i…を上から下に貫通する3本のボルト29…を下部ジョイント28の雌ねじ28c…に螺合することで、下部ジョイント28に上部ジョイント25が締結される。
前方に向けて延びるアルミニウム鋳造品よりなるアッパーメンバ30の後端に設けられたL字状の結合フランジ30aがフロントピラーロア14の上部に当接し、結合フランジ30aを貫通する複数本のボルト31…が下部ジョイント28および最上部のバルクヘッド27に螺合することで、フロントピラーロア14にアッパーメンバ30が締結される。アッパーメンバ30の前部には、前輪のダンパーの上端を支持するアルミニウム鋳造品よりなるフロントダンパーハウジング32(図1参照)が固定される。
図1および図6に示すように、フロントピラーアッパー20の外側を覆うピラーガーニッシュ33は、GFRP(ガラス繊維強化樹脂)製の薄板よりなるガーニッシュ本体部34と、ブロック状の合成樹脂部材よりなる例えば6個の変形防止部材35…と、金属板をL字状断面に折り曲げた固定部材36とを備える。6個の変形防止部材35…はガーニッシュ本体部34の長手方向に沿って所定間隔で配置される。緩やかに湾曲する弧状断面を有するガーニッシュ本体部34はフロントピラーアッパー20の前面を覆うように配置され、その車幅方向内側部分の後面に変形防止部材35の前面が接着剤37で接着される。変形防止部材35の前面の車幅方向外側半部には段状の切欠き35aが形成される。
固定部材36は、その前部前面がガーニッシュ本体部34の車幅方向外側部分の後面に接着剤38で接着されるとともに、その前部後面が変形防止部材35の切欠き35aの前面に接着剤39で接着される。固定部材36の後部はフロントピラーアッパー20の車幅方向外面に当接し、その車幅方向外面に更に金属製の押し出し材よりなる一定断面のリテーナ40が重ね合わされ、リテーナ40、固定部材36およびフロントピラーアッパー20を貫通する複数本のボルト41…がフロントピラーアッパー20の内面に設けた6個のウエルドナット42…に螺合することで、フロントピラーアッパー20にピラーガーニッシュ33およびリテーナ40が共締めされる。リテーナ40にはドアガラスとの間をシールするラバー製のガラスシール43が嵌合して支持される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
フロントピラーロア14の上端に設けた下部ジョイント28とフロントピラーアッパー20の下端に設けた上部ジョイント25とをボルト29…で締結するので、フロントピラーロア14およびフロントピラーアッパー20を強固に結合することができる。また上部ジョイント25は上方に向かって断面積が縮小するので、大断面積のフロントピラーロア14から小断面積のフロントピラーアッパー20に向かって断面積を徐々に変化させて荷重分散性を高めることができ、しかもアウターパネル22およびインナーパネル23を結合して中空閉断面に構成されたフロントピラーアッパー20の下部は上部ジョイント25の上部に嵌合して固定されるので、鋼板製のアウターパネル22およびインナーパネル23を金型でプレス成形して断面形状の自由度を高めるとともにフロントピラーアッパー20の軽量化を図ることができる。
また左右一対のフロントピラーアッパー20,20の上端間を車幅方向に延びるフロントルーフアーチ21で連結して門形のウインドシールドフレーム19が構成されるので、予めサブセンブリとして組み立てたウインドシールドフレーム19を一括して下部車体11に組み付けることで生産性が向上する。
また上部ジョイント25の下部外周にボルト孔25i…が上下方向に形成され、下部ジョイント28の上壁28aに雌ねじ28c…が上下方向に形成され、ボルト孔25i…を貫通するボルト29…を雌ねじ28c…に螺合するので、フロントピラーロア14を有するバスタブ状の下部車体と11とフロントピラーアッパー20を有するウインドシールドフレーム19とを予め別個に組み立てておき、下部車体11に対してウインドシールドフレーム19を上方から接近させて容易に組み付けることができる。
なお、下部車体11とウインドシールドフレーム19(上部車体)とは完全に独立した構造となっているので、下部車体11として既存のものを流用し、デザイン上の制約を大きく受けるウインドシールドフレーム19だけを変更することで、共通の下部車体11に対して異なるデザインのウインドシールドフレーム19を組み合わせることができる。
またフロントピラーアッパー20の補強部材24は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されるので、補強部材24によりフロントピラーアッパー20の強度および剛性が向上するだけでなく、フロントピラーアッパー20の断面積がフロントピラーロア14の断面積よりも小さく、かつフロントピラーロア14に対してフロントピラーアッパー20が傾斜していても、両者の締結部の強度および剛性が向上する。
またフロントピラーアッパー20のアウターパネル22およびインナーパネル23は上部ジョイント25を車幅方向両側から挟んだ状態でリベット26A…〜26E…で締結され、フロントピラーアッパー20の前部を締結するリベット26A…の数(3本)は後部を締結するリベット26Bの数(1本)よりも多いので、フロントピラーアッパー20および上部ジョイント25を強固に締結できるだけでなく、フロントピラーアッパー20に前方からの衝突荷重が入力したときに、上部ジョイント25および下部ジョイント28の締結部の強度を高めてフロントピラーアッパー20の倒れを防止することができる。
また上部ジョイント25は、車体外側に位置する意匠部を構成する前壁25aおよび車幅方向外壁25cと、車体内側に位置する非意匠部を構成する後壁25bおよび車幅方向内壁25dとを備え、意匠部の下端に設けられた締結フランジ25h…において下部ジョイント28に締結されるので、フロントピラーアッパー20および上部ジョイント25を別部材で構成しながら一体感のあるデザインにすることができ、しかも上部ジョイント25の下面の面積を拡大して下部ジョイント28との締結強度を高めることができる。
また中空の上部ジョイント25は内部に補強リブ25gを備え、補強リブ25gの下端が下部ジョイント28の上壁28aに当接するので、補強リブ25gで上部ジョイント25の強度を高めるとともに、上部ジョイント25および下部ジョイント28の当接を安定させて締結強度を高めることができる。
またフロントダンパーハウジング32を支持するアッパーメンバ30が下部ジョイント28に締結されるので、車輪から大きな荷重が入力するフロントダンパーハウジング32を、強度の高い下部ジョイント28を利用して強固に支持することができる。
またフロントピラーアッパー20のアウターパネル22の外面に変形防止部材35…を介してピラーガーニッシュ33が支持されるので、ピラーガーニッシュ33を薄くて軽量な部材で構成しても、ピラーガーニッシュ33に手が触れたときの変形を変形防止部材35…により防止できるだけでなく、アウターパネル22をピラーガーニッシュ33にできるだけ接近させて配置することで、フロントピラーアッパー20の断面積を確保して強度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではアウターパネル22、インナーパネル23および補強部材24をプレス成形された鋼板で構成しているが、それらをFRP製としても良い。
14 フロントピラーロ
20 フロントピラーアッパ
22 アウターパネル
23 インナーパネル
24 補強部材
25 上部ジョイント
25a 前壁(意匠部)
25b 後壁(非意匠部)
25c 車幅方向外壁(意匠部)
25d 車幅方向内壁(非意匠部
25h 締結フランジ
25i ボルト孔
26A リベット
26B リベット
28 下部ジョイン
29 ボルト
30 アッパーメンバ
32 フロントダンパーハウジン

Claims (9)

  1. 上下方向に延びるフロントピラーロア(14)の上部に設けられた下部ジョイント(28)に、後上方から前下方に延びるフロントピラーアッパー(20)の下部に設けられた上部ジョイント(25)が結合される自動車の車体構造であって、
    前記上部ジョイント(25)は上方に向かって断面積が縮小し、アウターパネル(22)およびインナーパネル(23)を結合して中空閉断面に構成された前記フロントピラーアッパー(20)の下部は前記上部ジョイント(25)の上部に嵌合して固定され、前記上部ジョイント(25)の下部に形成されたボルト孔(25i)を貫通するボルト(29)が前記下部ジョイント(28)に螺合することを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 左右一対の前記フロントピラーアッパー(20)の上端間を車幅方向に延びるフロントルーフアーチ(21)で連結して門形のウインドシールドフレーム(19)が構成されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 前記ボルト孔(25i)は前記上部ジョイント(25)の下部外周に上下方向に形成され、前記下部ジョイント(28)には前記ボルト(29)が螺合する雌ねじ(28c)が上下方向に形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の車体構造。
  4. 下部が前記上部ジョイント(25)に固定される補強部材(24)が前記フロントピラーアッパー(20)の内部に配置され、前記補強部材(24)は、側面視で後縁がヘ字状に屈曲して前後方向幅が下方に向けて拡大するとともに水平断面がZ字状に形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  5. 前記フロントピラーアッパー(20)の前記アウターパネル(22)および前記インナーパネル(23)は前記上部ジョイント(25)を車幅方向両側から挟んだ状態でリベット(26A,26B)で締結され、前記フロントピラーアッパー(20)の前部を締結するリベット(26A)の数は後部を締結するリベット(26B)の数よりも多いことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  6. 前記上部ジョイント(25)は車体外側に位置する意匠部(25a,25c)と車体内側に位置する非意匠部(25b,25d)とを備え、前記意匠部(25a,25c)の下端に設けられた締結フランジ(25h)において前記下部ジョイント(28)に締結されることを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  7. 中空の前記上部ジョイント(25)は内部に補強リブ(25g)を備え、前記補強リブ(25g)の下端が前記下部ジョイント(28)の上壁(28a)に当接することを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  8. フロントダンパーハウジング(32)を支持するアッパーメンバ(30)が前記下部ジョイント(28)に締結されることを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  9. 前記フロントピラーアッパー(20)の前記アウターパネル(22)の外面に変形防止部材(35)を介してピラーガーニッシュ(33)が支持されることを特徴とする、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
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