JP2001162372A - パルスアーク溶接装置 - Google Patents

パルスアーク溶接装置

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JP2001162372A
JP2001162372A JP34609999A JP34609999A JP2001162372A JP 2001162372 A JP2001162372 A JP 2001162372A JP 34609999 A JP34609999 A JP 34609999A JP 34609999 A JP34609999 A JP 34609999A JP 2001162372 A JP2001162372 A JP 2001162372A
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Japan
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arc
pulse
voltage
welding
section
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JP34609999A
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Takao Kumasaka
隆夫 熊坂
Akira Konuma
昭 小沼
Kunio Miyazaki
邦夫 宮崎
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アーク長を調整するトーチ駆動部の制御性が良
好な高周波パルス溶接装置を提供すること。 【解決手段】アーク電極を備える溶接トーチと、前記ア
ーチ電極に高周波のパルスアーク電圧を周期的に発生さ
せる高周波パルス電流を供給するパルス溶接電源と、サ
ーボモータ等を有し、かつ前記溶接トーチのアーク電極
と溶接母材との間隔を調整するトーチ駆動部と、アーク
電極と溶接母材との間の電圧を検知するアーク電圧検知
部とを備えたパルスアーク溶接装置において、前記パル
スアーク電圧の立ち上がり開始点から立ち下がり終了点
に至る時間区間におけるアーク電圧の平均値を求めるO
N時平均化処理部を設け、このON時平均化処理部で求
めたON区間平均電圧値とアーク電圧基準値とがほぼ一
致するように前記トーチ駆動部を調整作動させることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波パルスアーク
溶接装置に係わり、特に非消耗電極を用いて行うTIG
溶接に好適な高周波パルスアーク溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直流のアーク溶接は、アーク電圧とアー
ク長がある一定の関係があるため、検出されるアーク電
圧が所定の値に維持されるようにトーチのアーク電極を
移動してアーク長(アーク電極と溶接部材との間隔)を
調整するように間隔調整手段のサーボモータ等を制御し
ていた。また、パルスアーク溶接においては、パルス電
流とベース電流を併せてアーク電極に供給するとともに
時間的に変化するパルスアーク電圧を併せて平均化した
アーク電圧の平均値に基づいてアーク長の間隔調整手段
を制御していた。
【0003】パルスアーク溶接法としては、低周波領域
(1〜20ヘルツ)、中間波領域(20〜1000ヘル
ツ)、高周波領域(1〜25キロヘルツ)の周波数領域
を用いるものがある。低周波領域および中間周波領域の
ものにあっては、1周期にパルス電流がゼロとなるOF
F区間を設けると、アークが消滅して安定性が悪くなる
のを抑えるために比較的大きなベース電流を流さなけれ
ばならなかった。
【0004】高周波領域では周期が短いため、図12に
示すように、比較的小さなベース電流でアークを持続さ
せることができる。
【0005】また高周波パルスアーク溶接は、ベース電
流を小さく設定することによりトータルの溶接電流をそ
れほど増加することなく、高ピーク値のパルス電流が得
られる。この高ピーク値の電流を流すことによって、電
磁ピンチ力が強まってアークの指向性が高められ、狂い
なく正確な位置の溶接ができるので、狭い開先(狭い
溝)の溶接に好適である。
【0006】高周波パルスアーク溶接装置としては、特
開平11−28568号公報に示すように、IGBTを
複数備えているものがある。
【0007】このような高周波パルスアーク溶接装置の
アーク長制御はパルスアーク電圧が時間的に変化するの
で、一周期の平均化処理により求めたパルスアーク電圧
の平均値を基にして制御するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の高周波
パルス溶接装置のアーク長制御は、次ぎのような問題が
あった。
【0009】(1):周波数が1〜25キロヘルツの高
い電流ピーク値を有するパルス電流と小さな電流値のベ
ース電流で溶接をする高周波パルス溶接装置のアーク長
制御は、パルス周期(ON区間とOFF区間のトータル
時間)のパルスアーク電圧平均値に基づいて行なってい
た。
【0010】しかし、パルスアーク電圧の平均値は、O
FF区間を含むパルス一周期の平均値であるので、小さ
な値になる。この小さな値を示すパルスアーク電圧の平
均値とアーク長との関係を見ると、アーク長の変化量に
対するパルスアーク電圧平均値の変化量の割合(アーク
電圧感度)が小さい。このようなアーク電圧感度が低い
パルスアーク電圧の平均値でアーク長を調整するトーチ
駆動部の制御は応答性が鈍く、制御性が良くない。
【0011】(2):パルス電流の周波数が1〜25キ
ロヘルツ乃至それ以上の高周波大電流を使用する場合、
高周波誘導ノイズ〔インダクタンス(L)×(電流の変
化時間)〕が発生し、この高周波誘導ノイズがパルスア
ーク電圧に重畳される。その結果、アーク電圧とアーク
長の関係が変化し、特にアーク長の小さな領域ではアー
ク電圧感度がさらに低下し、トーチ駆動部の制御はさら
に応答性が鈍くなる。
【0012】本発明は、上記の問題点に鑑みてアーク長
を調整するトーチ駆動部の制御性が良好な高周波パルス
溶接装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、アーク電極を
備える溶接トーチと、前記アーチ電極に高周波のパルス
アーク電圧を周期的に発生させる高周波パルス電流を供
給するパルス溶接電源と、サーボモータ等を有し、かつ
前記溶接トーチのアーク電極と溶接母材との間隔を調整
するトーチ駆動部と、アーク電極と溶接母材との間の電
圧を検出するアーク電圧検出部とを備えたパルスアーク
溶接装置において、前記パルスアーク電圧の立ち上がり
開始点から立ち下がり終了点に至る時間区間におけるア
ーク電圧の平均値を求めるON時平均化処理部を設け、
このON時平均化処理部で求めたON区間平均電圧値と
アーク電圧基準値とがほぼ一致するように前記トーチ駆
動部を調整作動させることを特徴とするものである。
【0014】さらに本発明は、上記の特徴を備えた手段
に加え、前記アーク電圧の波形整形処理をローパスフィ
ルタ回路で行なうもので、前記波形整形処理を行った後
にON区間平均値を求めることを特徴とするものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、図1に示す第1の実施形態
について述べる。
【0016】この高周波パルス溶接装置は、パルス溶接
電源1と、アーク電極2を備える溶接トーチ3と、トー
チ駆動部4を有する。アーク電極2は溶接母材5の溶接
個所に対向するように置かれる。トーチ駆動部4(サー
ボモータ)は、アーク電極2と溶接母材5との間に生ず
るアーク6のアーク長を調整するように溶接トーチ3を
前後に進退作動させる。溶接トーチ3は、アーク6を囲
うようにシールドガスを放出し、溶接部分の酸化を抑え
る。
【0017】パルス溶接電源1と溶接トーチ3はパルス
電流電送ケーブル19で接続され、この間にパルス電流
検出部21が設けられる。このパルス電流検出部21で
検出したパルス電流検出値26に基づいてパルス溶接電
源1は定電流パルスを発生する。
【0018】パルス溶接電源1と溶接母材5はパルス電
流電送ケーブル20で接続され、このパルス電流電送ケ
ーブル20と溶接トーチ3との間にアーク電圧検出部8
が設けられる。アーク電圧検出部8で検出されたアーク
電圧検出値25は、ON時平均化処理部9に取り込まれ
て処理される。この処理で求められたアーク電圧のON
区間平均値はアーク電圧比較部10に取り込まれ、アー
ク電圧基準値と比較される。アーク電圧比較部10の出
力で、トーチ駆動部4は駆動される。アーク電圧の平均
値とアーク電圧基準値とが一致してアーク電圧比較部1
0の出力がゼロになったところで、トーチ駆動部4の調
整駆動動作は停止する。
【0019】パルス溶接電源1は、IGBTを複数個有
し、パルス周波数が1〜25キロヘルツのパルス電流を
供給するものである。電源回路やパルス電流電送ケーブ
ル19のインダクタンスを低減することにより、10〜
50μsecの短い時間内に電流が0から500アンペ
アまで立ち上がり、同様の短い時間内に電流が500〜
0アンペアまで立ち下がるパルス電流が得られる。この
パルス電流の波形は高いピーク値を有し、図7の(a)
・(b)に示すように、三角状または上辺が傾く台形状
をなす山形を示す。ベース電流は、零またはピーク値の
1/10以下の電流値を与えることで、アーク電流が途
切れることなく持続して流れるのである。このベース電
流値は、従来のベース電流値の1/5程度に下げられ
た。なお、パルス電流のピーク値はアークの指向性やト
ータルの溶接電流等の面から300〜800アンペア程
度が妥当である。
【0020】ON時平均化処理部9は、所定極性のアー
ク電圧絶対値が所定値以上となる立ち上がり開始点から
立ち下がり終了点に至る時間区間におけるアーク電圧の
ON区間平均電圧値を求めるものである。図2に示すよ
うにON時平均化処理部9は、パルス幅測定回路11と
アーク電圧積分回路12と演算処理回路13を有する。
【0021】パルス幅測定回路11はコンパレータを用
いてアーク電圧基準値を設定し、図8に示すように所定
極性のアーク電圧絶対値が所定値Vb以上になる立ち上
がり開始点から立ち下がり終了点に至る時間区間(t1
〜t2)を占めるパルス幅Tp(Tp=t2−t1)を
求める。
【0022】アーク電圧積分回路12は、パルスON時
のアーク電圧を積分し、OFF区分中はホールドする。
演算処理回路13は積分値をパルス幅Tpで除算して1
パルス毎にパルスON区間のアーク電圧の平均値を求め
る。さらに複数のパルスに対する平均値をも求める。
【0023】なお、電流パルスのパルス幅測定回路を溶
接電源1に内臓させた場合は、ON時平均化処理部9の
パルス幅測定回路11は不要になる。
【0024】このようにON時平均化処理部9によっ
て、アーク電圧絶対値が所定値Vb以上になる時間区間
でのアーク電圧の平均値を求め、アーク電圧のON区間
平均値をアーク電圧基準値と比べて、その差分値でトー
チ駆動部4を駆動制御するので、アーク長の制御が良好
になる。
【0025】すなわち、図9に示すようにON時平均化
処理を行なったアーク電圧のON区間平均値とアーク長
さとの関係は斜線Aで示される。これに対し、従来の一
周期平均処理をした場合のアーク電圧の平均値とアーク
長さとの関係は斜線Bに示される。これらの斜線A・B
の勾配は、アーク長の変化量に対するパルスアーク電圧
平均値の変化量の割合であるアーク電圧感度を示してお
り、本発明にかかわる斜線Aが従来の斜線Bよりも勾配
が大きく、同じアーク長の変化に対してパルスアーク電
圧平均値の変化が大きくなっており、高感度であること
が分かる。
【0026】この電圧感度の良好なパルスアーク電圧平
均値を基にしてアーク長さを調整するトーチ駆動部の制
御は応答性が良く、良好な制御ができる。
【0027】さらに、ピーク電流を一定に保ちながら溶
接電流を小さくする場合は、図10に示すように、従来
の一周期平均処理を行なったアーク電圧の平均値は小さ
くなる。これは溶接電流が小さくなるにしたがってパル
スデューティ(パルス周期に対するパルスON時間の割
合)が小さくなることによるものである。
【0028】これに対し、本発明にかかわるパルスON
区間のアーク電圧の平均値は、溶接電流変化の影響を受
けないので、ほぼ一定になる。このため溶接電流を小さ
くして低入熱条件で溶接を行なう場合でもアーク電圧の
平均値が小さくなってアーク電圧感度が低下するのを防
止できるので、トーチ駆動部の制御が良好に行なわれ
る。
【0029】図3に示すON時平均化処理部の他の回路
構成例について説明する。
【0030】ここに示すON時平均化処理部9は図2に
示すON時平均化処理部9にパルス周期測定回路14を
加えるとともにアーク電圧積分回路12に代えて半波整
流回路10を備えたものである。
【0031】半波整流回路10は、パルス状のアーク電
圧の所定極性のみを通過させて平均化することにより一
周期平均値Vaを求める。パルス幅測定回路11はパル
ス幅Tpを、パルス周期測定回路14はパルス周期Tを
それぞれ求める。そして、演算処理回路15で、Va×
(T/Tp)の演算処理を行ない、パルスON時のアー
ク電圧の平均値Vn〔Vn=Va×(T/Tp)〕を算
出する演算処理を行なう。
【0032】こうして求めたパルスON時のアーク電圧
の平均値Vnに基づいてトーチ駆動部4を駆動制御する
ので、アーク長に対するアーク電圧感度を大きくでき、
その結果、アーク長の制御が良好に行なわれる。この回
路構成例にあっても、先に述べた第1の実施形態と同様
な良好なる制御ができる。
【0033】なお、半波整流回路10は、バイアス電圧
をベース電流区間に生じるベース電圧Vbと等しく設定
できるように構成することが望ましい。これにより、ベ
ース電圧を除去した一周期平均値Vaが得られるので、
より正確なパルスON時のアーク電圧平均値を算出でき
る。またパルス幅測定回路11およびパルス周期測定回
路14は電流パルスに対するものでも良く、それらを溶
接電源1に内臓させた場合は、ON時平均化処理部9に
設けなくて済む。
【0034】図4に示す第3の実施形態について説明す
る。
【0035】ここに示すON時平均化処理部9は、図5
に示すように、タイミング回路27と乗算回路16と積
分回路17とパルス幅測定回路11と演算処理回路15
を備える。
【0036】タイミング回路27は、パルス電流検出値
26を考慮しながら、図13に示すように、電流パルス
がONとなる時間区間に方形波を形成する。
【0037】乗算回路16は、その方形波とアーク電圧
波形との乗算を行なうことにより電流がONとなる時間
区間におけるアーク電圧を取り出す。積分回路17はパ
ルスON時のアーク電圧を積分し、パルスOFF区間中
はその値をホールドする。演算処理回路15でその積分
値をパルス幅で除算し、電流ON区間におけるアーク電
圧平均値を求める。
【0038】電流がONとなる時間区間におけるアーク
電圧の平均値に基づいて、トーチ駆動部4を駆動制御す
るので、アーク長に対するアーク電圧感度を大きくで
き、その結果、アーク長の制御を良好に行なうことがで
きる。
【0039】この実施形態においても、先に述べた第1
の実施形態と同様に、溶接電流を小さくして低入熱条件
で溶接を行なう場合でも良好な制御ができる。
【0040】なお、本例においては、パルス電極が単一
極性の場合は、積分回路17に半波整流回路を用いても
良いが、積分回路17に全波整流回路を用いると、パル
ス電極を単一極性または両極性の双方に適用できる利点
がある。すなわち、ON時平均化処理部9において、積
分回路17に全波整流回路を用い、単一極性または両極
性の双方の電流パルスが発生可能なパルス電源1を備え
ることにより、溶接母材がステンレスまたは炭素鋼のと
きには単一極性を選択し、溶接母材がアルミニュームの
ときには両極性を選択できる便利さがある。
【0041】図6に示す第4の実施形態について説明す
る。
【0042】ここに示す実施形態は、アーク電圧検出部
8とON時平均化処理部9との間に電圧波形整形回路1
8を介在したところが第1の実施形態と違う。ON時平
均化処理部9に入る高周波誘導ノイズを電圧波形整形回
路18で除去するようにしたものである。電圧波形整形
回路18の具体例としては、しきい値が電流パルス周波
数と同等ないし少し高めのローパスフィルタ回路や高周
波成分をカットする特性を有するアイソレーションアン
プ回路等がある。
【0043】パルス溶接電源18で、1〜25キロヘル
ツ以上の高周波大電流を発生させた場合には高周波誘導
ノイズ〔インデクタンス(L)×(電流の時間変化)〕
が生ずる傾向がある。この高周波誘導ノイズがパルス電
流電送ケーブル19,20を介してアーク電圧検出部8
のアーク検知電圧に重畳すると、図11の点線Aで示す
ように、アーク電圧とアーク長さとの関係が変化し、特
にアーク長の小さい領域ではアーク電圧感度が低下する
ことが見られた。このアーク電圧感度低下により、ON
時平均化処理部9で求めたアーク電圧のON区間平均値
に基づくアーク長の調整はトーチ駆動部4の駆動制御が
悪くなるので良く行なわれない。
【0044】これに対し、電圧波形整形回路18を介在
させるとともに1から25キロヘルツの電流パルスに対
し、しきい値が30から50キロヘルツのローパスフィ
ルタ回路で高周波成分をカットすることにより、図11
の実線Cで示すように、アーク長の小さい領域でもアー
ク電圧感度が低下しないことが分かった。
【0045】そこで、本発明にあっては、ON時平均化
処理部9に高周波誘導ノイズが取り込まれる前に電圧波
形整形回路18で除去することにより、トーチ駆動部4
の駆動制御精度が向上してアーク長の調整は良く行なわ
れる。特にアーク長の小さい領域ではアーク電圧感度が
小さくなって制御性が悪くなることを防止できる効果が
ある。
【0046】また上述したノイズを除去した場合のアー
ク電圧波形に関しては、図7に破線で示したように、電
流波形とほぼ同様な波形となった。
【0047】図14に示す第5の実施形態について説明
する。
【0048】ここに示す実施形態は、前記実施形態にお
けるON時平均化処理部9をアーク消費電力算出部22
に、アーク電圧比較部10をアーク消費電力比較部23
に代え、さらにアーク消費電力表示部24を備えたとこ
ろが第1から第4の実施形態と違う。
【0049】アーク消費電力算出部22は、図15に示
すように乗算回路16,積分回路17,演算処理回路1
5,パルス幅測定回路11,パルス周期測定回路14を
備え、パルス電流検出部21およびアーク電圧検出部8
からの信号を乗算回路16にて瞬間電圧×瞬間電流(V
×I)の演算を行ない、積分回路17で積分し、演算回
路15にてその積分値を周期Tで除算し、1周期当たり
のアーク消費電力の平均値Waを求める。また演算回路
15にてWa×(T/Tp)の演算を行ない、パルスO
N時のアーク消費電力の平均値Wn〔Wn=Wa×(T
/Tp)〕算出する。さらに、Wa,Wnに対して複数
周期、複数パルスに関する平均値を算出する。
【0050】またアーク長とアーク消費電力の平均値と
の関係について調べたところ、図16に示すように、前
述したアーク長とアーク電圧の平均値との関係(図9)
と同様な関係があることが分かった。すなわち、パルス
ON時のアーク消費電力の平均値を用いることにより、
アーク長に対するアーク消費電力感度が一周期平均のア
ーク消費電力を用いる場合より大きくなることがわかっ
た。また溶接電流が小さい場合でもパルスON時のアー
ク消費電力の平均値は大きく低下することはない。
【0051】したがって、パルスON時のアーク消費電
力の平均値Wnに基づいて、トーチ駆動部4を駆動制御
するので、アーク長に対するアーク消費電力の感度を大
きくでき、その結果、アーク長の制御が良好に行なわれ
る。また溶接電流を小さくして低入熱条件で溶接を行な
う場合には、アーク長の制御を良好に行なうことができ
ることに加えてアーク消費電力を略一定にできる効果が
ある。また単一極性または両極性の電流パルスが発生で
きるパルス溶接電源1を備えることにより、溶接母材が
ステンレスまたは炭素鋼のときには単一極性を選択し、
溶接母材がアルミニュームのときには両極性を選択でき
る便利さがある。
【0052】さらに検出した一周期平均消費電力Waを
アーク消費表示部24で表示ないし印刷するようにすれ
ば、ユーザが溶接時の入熱条件を容易に把握でき、溶接
条件の設定が容易である。
【0053】特に高周波パルス溶接では、パルス波形が
三角波状または上辺が傾斜する台形状であるため、溶接
電流やアーク電圧の平均値から消費電力を直ちに算出す
ることはできないので、平均アーク消費電力を把握でき
る効果は大きい。
【0054】
【数1】
【0055】
【数2】
【0056】なお、上述した本発明の実施形態ではON
時平均化処理部9において、アーク電圧の平均値(すな
わち、(1)式のVn)を求め使用したが、ON区間の
二乗平均の平方根(すなわち、(2)式のVnrmg)
を求め使用しても良いことは言うまでもない。(1)
式、(2)式において、v(t)は瞬間アーク電圧を表
わす。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、アー
ク長さを調整するトーチ駆動部の制御性が良好な高周波
パルス溶接装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる高周波パルス
溶接装置の概略図である。
【図2】図1に示すON時平均化処理部のブロック図で
ある。
【図3】ON時平均化処理部の他の回路構成例を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかる高周波パルス
溶接装置の概略図である。
【図5】図4に示しON時平均化処理部のブロック図で
ある。
【図6】本発明の第4の実施形態にかかる高周波パルス
溶接装置の概略図である。
【図7】パルス電流およびパルス電圧の波形を示す図で
ある。
【図8】アーク電圧の波形を示す図である。
【図9】アーク長とアーク電圧の平均値との関係を示す
図である。
【図10】溶接電流とアーク電圧の平均値との関係を示
す図である。
【図11】アーク長とアーク電圧の平均値との関係を示
す図である。
【図12】電流パルスのピーク値とベース値を示す図で
ある。
【図13】図4で示したON時平均化処理部のタイミン
グ回路で形成した方形波を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施形態にかかる高周波パル
ス溶接装置の概略図である。
【図15】図14に示すアーク消費電力算出部のブロッ
ク図である。
【図16】アーク長とアーク費電力の平均値との関係を
示す図である。
【符号の説明】
1…パルス溶接電源、2…電極、3…溶接トーチ、4…
トーチ駆動部、5…母材、6…アーク、7…シールドガ
ス、8…アーク電圧検出部、9…ON時平均化処理部、
10…アーク電圧比較部、11…パルス幅測定回路部、
12…アーク電圧積分回路、13…演算処理回路、14
…パルス周期測定回路、15…演算処理回路、16…乗
算回路、17…積分回路、18…電圧波形整形部、19
…パルス電流電送ケーブル、20…パルス電流電送ケー
ブル、21…パルス電流検出部、22…アーク消費電力
算出部、23…アーク消費電力比較部、24…アーク消
費電力表示部、25…アーク電圧検出値、26…パルス
電流検出値、27…タイミング回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 邦夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 4E082 BA04 EC03 EC13 ED01 EE03 EF30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク電極を備える溶接トーチと、前記
    アーク電極に高周波のパルスアーク電圧を周期的に発生
    させる高周波パルス電流を供給するパルス溶接電源と、
    サーボモータを有し、かつ前記アーク電極と溶接母材と
    の間隔を調整するトーチ駆動部と、アーク電極と溶接母
    材との間の電圧を検出するアーク電圧検出部とを備えた
    パルスアーク溶接装置において、 前記パルスアーク電圧の立ち上がり開始点から立ち下が
    り終了点に至る時間区間におけるアーク電圧の平均値を
    求めるON時平均化処理部を設け、このON時平均化処
    理部で求めたON区間平均電圧値とアーク電圧基準値と
    がほぼ一致するように前記トーチ駆動部を調整作動させ
    ることを特徴とするパルスアーク溶接装置。
  2. 【請求項2】 高周波パルス電流を通電することによ
    り、高周波のパルスアーク電圧が周期的に繰り返し印加
    されるアーク電極と、このアーク電極を進退させて溶接
    母材との間の間隔を調整する間隔調整手段と、アーク電
    圧検出部を有するパルスアーク溶接装置において、 パルス電流検出部を備え、このパルス電流検出部で検出
    されたパルス電流の立ち上がり開始点から立ち下がり終
    了点に至る時間区間におけるアーク電圧の平均値を求め
    るON時平均化処理部を設け、このON時平均化処理部
    で求めたアーク電圧のON区間平均電圧値に基づいて前
    記間隔調整手段を制御することを特徴とするパルスアー
    ク溶接装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されているものにおい
    て、ON時平均化処理部はパルスアーク電圧のパルス幅
    検出回路、パルス周期測定回路、半波整流回路および演
    算処理回路を含むことを特徴とするパルスアーク溶接装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、ON時平均化処理部
    はパルスアーク電圧のパルス幅検出回路、パルスアーク
    電圧の積分回路および演算処理回路を含むことを特徴と
    するパルスアーク溶接装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載したものにおいて、ON
    時平均化処理部は乗算回路と積分回路を含むことを特徴
    とするパルスアーク溶接装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載されているものにおい
    て、前記間隔調整手段は前記アーク電極が備わるトーチ
    を移動させるトーチ駆動部を含むことを特徴とするパル
    スアーク溶接装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一つにおい
    て、前記パルスアーク電圧の平均値は検出値の波形整形
    処理を行なった後に求めることを特徴とするパルスアー
    ク溶接装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載したものにおいて、前記
    波形整形処理はローパスフィルタ回路で行なうことを特
    徴とするパルスアーク溶接装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載したものにおいて、前記
    波形整形処理はアイソレーションアンプ回路で行なうこ
    とを特徴とするパルスアーク溶接装置。
  10. 【請求項10】 高周波パルス電流を発生させるパルス
    溶接電源とアーク電極を進退させて溶接母材との間の間
    隔を調整する間隔調整手段とを有するパルスアーク溶接
    装置において、パルスON区間の平均アーク消費電力を
    検出し、検出されたパルスON区間の平均アーク消費電
    力に基づいて前記間隔調整手段を制御することを特徴と
    するパルスアーク溶接装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか一つにお
    いて、一周期平均アーク消費電力を検出して表示するよ
    うにしたことを特徴とするパルスアーク溶接装置。
  12. 【請求項12】 請求項1または2に記載したものにお
    いて、ON時平均化処理部で求めたON区間平均電圧値
    はON区間におけるアーク電圧の二乗平均の平方根であ
    ることを特徴とするパルスアーク溶接装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125461A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Daihen Corp パルスtig溶接ロボットの制御方法及びパルスtig溶接ロボットの制御システム
JP2011025307A (ja) * 2009-06-29 2011-02-10 Daihen Corp アークスタート制御方法
US8389897B2 (en) 2006-09-08 2013-03-05 Fronius International Gmbh Welding method for carrying out a welding process

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