JP2001160204A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2001160204A
JP2001160204A JP34137299A JP34137299A JP2001160204A JP 2001160204 A JP2001160204 A JP 2001160204A JP 34137299 A JP34137299 A JP 34137299A JP 34137299 A JP34137299 A JP 34137299A JP 2001160204 A JP2001160204 A JP 2001160204A
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magnetic
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Teruyuki Inaguma
輝往 稲熊
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MR素子のデプスを、抵抗値を測定せずに判
断する。 【解決手段】 下部磁気シールド層3及び上部磁気シー
ルド層12のうち少なくとも一方を、MR素子6のデプ
スに応じて、媒体摺動面に露出するトラック幅方向の断
面長さ、及び断面位置などが変化するような形状で形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープ状記録媒体
に対する摺接型の記録再生装置における回転ドラムに搭
載される磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドは、磁気記録再生装置に搭載
されて、磁気記録媒体に対して情報信号の記録及び/又
は再生(以下、記録再生という。)を行うものである。
このような磁気記録再生装置としては、例えばビデオテ
ープレコーダ(VTR:VideoTape Recorder)やDAT
(Digital Audio Tape)レコーダ等のように、高速で回
転するドラムに磁気ヘッドを備え、このドラムに対して
テープ状の磁気記録媒体を摺動させて、いわゆるヘリカ
ルスキャン方式によって記録再生を行うものがある。
【0003】磁気ヘッドは、一般に、高透磁率である磁
性材料によって形成された磁気コアに対して、コイルが
巻回されることによって構成されている。このような磁
気ヘッドは、磁気コアとコイルとの電磁誘導を利用して
磁気記録媒体に対する記録再生を行うことから、電磁誘
導型(インダクティブ型)磁気ヘッドと称される。
【0004】従来の磁気ヘッドは、バルク型の磁性材料
を機械加工によって整形した磁気コア半体を、磁気ギャ
ップを介して接合一体化することによって磁気コアを構
成している。
【0005】しかしながら、近年、磁気記録の分野にお
いては、磁気信号の高記録密度化がより一層進められて
おり、微細な磁気信号を正確に記録再生することが要求
されている。ところが、電磁誘導型磁気ヘッドは、バル
クの磁性材料から機械加工によって磁気コアが整形され
ているために、狭トラック化及び狭ギャップ化を十分に
図ることができず、高記録密度化に対応することができ
ない。
【0006】そこで、高記録密度化に対応した磁気ヘッ
ドとして、磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と称す
る。)の磁気抵抗効果を利用して、磁気記録媒体に記録
された信号を読み取る磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以
下、MRヘッドという。)が普及している。
【0007】MR素子は、抵抗素子の一種であり、磁気
記録媒体に記録された信号磁界等の外部磁界の変化に応
じて、電気抵抗が変化する。MRヘッドは、MR素子に
電流を流し、このMR素子に流れる電流値が磁気記録媒
体からの信号磁界に応じて変化することを利用して、磁
気記録媒体に記録された信号を読み取る。
【0008】ところで、近年では、小型で大容量である
磁気記録媒体が望まれており、これに伴い、例えば記録
トラック幅を狭くするなどの手法によって、磁気記録媒
体の高記録密度化がますます進んでいる。
【0009】MRヘッドは、磁気抵抗効果を示すMR素
子が非磁性基板上に形成されてなり、再生専用として用
いられる磁気ヘッドである。MRヘッドは、磁気コイル
が不要であることから磁気誘導型の磁気ヘッドに比べて
小型化が可能であるとともに、高感度であることから再
生出力が高い。このため、MRヘッドは、高記録密度化
に適した磁気ヘッドとして注目されている。
【0010】MRヘッドは、磁気シールド部材が形成さ
れたそれぞれの基体における磁気シールド部材形成面間
に、磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と称する。)を
形成する薄膜層が挟み込まれた構造となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したM
Rヘッドを搭載した記録再生装置の例としては、ハード
ディスク装置や磁気テープ装置などが挙げられる。これ
らの装置におけるMRヘッドは、摺接面に対して砥石に
よる研削加工を施したり、研削紙に摺動させたりするこ
とによって、磁気抵抗効果型薄膜(以下、MR薄膜と称
する。)が所定のデプスとなるように加工している。
【0012】ハードディスク装置におけるMRヘッド
は、ジンバルと呼ばれる支柱の先端に位置している。こ
のため、外部からMR素子を観察することが可能であ
り、MR素子のデプスを視覚的に判断することができ
る。
【0013】一方、磁気テープ装置におけるMRヘッド
においては、不透明な一対の基板によってMR素子が挟
み込まれている。このため、視覚的にMR素子を観察す
ることは不可能である。このようなMRヘッドにおいて
MR素子のデプスを判断するためには、抵抗値を測定し
ている。
【0014】しかしながら、MRヘッドにおいては、摺
接面上にMR素子を構成する膜構造と、この膜構造を挟
む一対の磁気シールド層とが露出する。このため、機械
的な加工を施して摺接面を研削すると、MR素子を構成
する材料が延性により引きずられてお互いに接触する。
このとき、磁気シールド層が導電性であるために、抵抗
値が変化してしまい、MR素子のデプスを正確に判断す
ることは、不可能となる。
【0015】また、MRヘッドは、加工中に加えられた
熱や歪みによっても、微少なショートが発生するために
抵抗値が変化してしまう。また、MRヘッドは、研削加
工により生じた導電性の付着物によっても抵抗値が変化
してしまう。これらの理由により、抵抗値のみを判断基
準として採用したときには、各MRヘッドにおけるMR
素子のデプスを一定とすることが困難である。
【0016】MR素子の再生出力などは、MR素子の形
状が変化してしまうとばらつきが生じてしまう。この場
合、MRヘッドの品質を一定とすることが困難となる。
このため、MRヘッドにおけるMR薄膜のデプスを一定
として、MR素子の形状を一定とする必要性がある。
【0017】本発明はこのような従来の実状に鑑みて提
案されたものであり、磁気シールド部材の形状を視覚的
に判断することにより、磁気抵抗効果素子のデプスを一
定とすると共に、磁気抵抗効果素子のデプスを均一にす
ることが可能である磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供す
ることを目的とする。そして、再生出力が高く、且つ信
頼性が高い磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは、テープ状記録媒体に対して摺接して
用いられる磁気抵抗効果型磁気ヘッドである。そして、
テープ状記録媒体の摺接方向に、第1の磁気シールド部
材と、磁気抵抗効果素子と、第2の磁気シールド部材と
をこの順で備えるとともに、これらの各部材がテープ状
記録媒体が摺接する媒体摺接面に露出してなる。そし
て、上記第1及び第2の磁気シールド部材のうち少なく
とも一方は、上記磁気抵抗効果素子のデプスに応じて、
上記媒体摺接面における断面のトラック幅方向の長さ及
び/又は位置が変化する形状で形成されていることを特
徴とする。
【0019】以上のように構成された本発明に係る磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気シールド部材の断面の長
さ及び/又は位置が、磁気抵抗効果素子のデプスによっ
て変化する。そのため、MRヘッドの抵抗値を測定せず
に、摺接面から視覚的に磁気抵抗効果素子のデプスを判
断することを可能とする。また、磁気抵抗効果素子のデ
プスを正確に測定することが可能となる。
【0020】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの製造方法は、部材形成工程と、摺接面加工工程と
を有する。
【0021】部材形成工程では、基板上に、第1の磁気
シールド部材と、磁気抵抗効果素子と、第2の磁気シー
ルド部材とを順次形成する。そして、上記第1及び第2
の磁気シールド部材のうちの少なくとも一方を、上記磁
気抵抗効果素子のデプスに応じて、上記媒体摺接面にお
けるトラック幅方向の断面長さ及び/又は断面位置が変
化する形状で形成する。
【0022】摺接面加工工程では、上記基板の一側面に
対して研削加工及び/又は研磨加工を施すことにより、
上記第1及び第2の磁気シールド部材、及び磁気抵抗効
果素子を露出させて、テープ状記録媒体が摺接する媒体
摺接面を形成する。そして、上記第1及び第2の磁気シ
ールド部材の断面長さ及び/又は断面位置に応じて加工
量を調整することにより、上記磁気抵抗効果素子のデプ
スを決定する。
【0023】したがって、磁気シールド部材の断面長さ
及び/又は断面位置が、磁気抵抗効果素子のデプスによ
って変化する。このことにより、MRヘッドの抵抗値を
測定せずに、摺接面から視覚的に磁気抵抗効果素子のデ
プスを判断することが可能であり、且つ磁気抵抗効果素
子のデプスが一定である磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提
供することを可能とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、図
1に示すような、本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気
ヘッド1(以下、MRヘッドと称する。)について説明
することとする。
【0025】なお、以下の説明で用いる図面は、各部の
特徴をわかりやすく図示するために、特徴となる部分を
拡大して示している場合があり、各部材の寸法の比率が
実際と同じであるとは限らない。また、以下では、磁気
ヘッド1を構成する各薄膜の構成や材料等について例示
するが、本発明は、例示する磁気ヘッド1に限定される
ものではなく、所望とする目的や性能に応じて各薄膜の
構成や材料等を選択すればよい。
【0026】また、以下の説明では、MRヘッド1が回
転ドラムに搭載されてヘリカルスキャン方式によって再
生動作を行う場合を例に挙げて述べるが、本発明は以下
の例に限定されるものではない。例えば、いわゆる固定
型ヘッドにMRヘッド1を採用してもよい。
【0027】MRヘッド1は、図1及び図2に示すよう
に、第1の基板2上に、下部磁気シールド層3と、平坦
化層4とが形成されている。下部磁気シールド層3と、
平坦化層4とは、略同一面を形成している。なお、平坦
化層4は、図2における図示を省略している。下部磁気
シールド層3と、平坦化層4との上に下部ギャップ層5
が形成されている。
【0028】下部ギャップ層5上には、磁気抵抗効果薄
膜6(以下、MR薄膜6という。)が形成されている。
MR薄膜6の長手方向には、バイアス層7a,7bと、
電極層8a,8bとが順次積層されている。また、接続
端子9a,9bと、外部接続端子10a,10bとが形
成されている。
【0029】MR薄膜6と、バイアス層7a,7bと、
電極層8a,8bとは、摺動面に露出するように形成さ
れている。接続端子9a,9bと、外部接続端子10
a,10bとは、摺動面に露出しない位置に形成されて
いる。
【0030】なお、図1においては、バイアス層7a,
7bと、電極層8a,8bとの図示を省略する。また、
図2においては、接続端子9a,9bと、外部接続端子
10a,10bとの図示を省略する。
【0031】MR薄膜6と、バイアス層7a,7bと、
電極層8a,8bと、接続端子9a,9bとの上には、
上部ギャップ層11と、上部磁気シールド層12とが順
次形成されている。上部ギャップ層11と、上部磁気シ
ールド層12との上には、保護膜13が形成されてい
る。そして、保護膜13上に、接着層14を介して第2
の基板15が形成されている。
【0032】第1の基板2と第2の基板15とは、高硬
度非磁性材料によって形成されている。具体的な材料と
しては、例えばアルミナ−チタン−カーバイド(アルチ
ック)、α−Fe2O3(α−ヘマタイト)、NiZn
及びMnZnなどの多結晶フェライトなどが挙げられ
る。第1の基板2と第2の基板15とは、平面形状が略
長方形の薄板形状に形成されてなる。
【0033】また、第1の基板2と第2の基板15との
端面は、テープ状記録媒体が摺動する媒体摺動面16と
されている。この媒体摺動面16は、所定の曲率を有す
る円弧状の曲面とされている。このとき、テープ状記録
媒体は、矢印Aの方向に摺動する。
【0034】下部磁気シールド層3と、上部磁気シール
ド層12とは、磁気記録媒体からの信号磁界のうち、再
生対象外の磁界が、MR薄膜6に引き込まれないように
機能する。すなわち、再生の対象外の信号磁界は、下部
磁気シールド層3と、上部磁気シールド層12とにより
導かれ、再生の対象となる信号磁界だけがMR薄膜6に
導かれる。これにより、MR薄膜6の高周波数特性及び
読取分解能の向上が図られている。
【0035】下部磁気シールド層3は、摩耗及び腐食が
生じにくい軟磁性材料によって形成されている。この軟
磁性材料の例としては、センダスト(Fe−Al−Si
合金)、FeTaなどの通常の磁気ヘッドにおいて磁気
シールド部材として使用される材料が挙げられる。
【0036】なお、上述した軟磁性材料がMRヘッド1
における磁気シールド部材として機能するためには、信
号磁界における最長波長の2倍以上の厚みが必要とな
る。このため、下部磁気シールド層3の厚みは、MRヘ
ッド1の構造に応じて決定される。本実施の形態におい
ては、下部磁気シールド層3の厚みを、2.5μmとし
た。
【0037】上部磁気シールド層12は、後述するよう
な、Co系アモルファス材料による軟磁性層から形成さ
れている。上部磁気シールド層12は、Co系アモルフ
ァス材料による軟磁性薄膜層と、非磁性薄膜層とを交互
に堆積させた積層構造であり、少なくとも2層以上の磁
性薄膜層を有する積層構造をなしている。
【0038】ここで使用されるCo系アモルファス材料
は、CoaZrbNbcd(但し、Mは、Mo,Cr,T
a,Ti,Hf,Pd,W,Vのいずれかである。ま
た、a,b,c,dは、原子パーセントを示しており、
これらがそれぞれ79≦a≦83,2≦b≦6,10≦
c≦14,1≦d≦5であり、a+b+c+d=100
である。)の組成からなる材料であることが望ましい。
この理由は、以下に述べる通りである。
【0039】例えば、上述したCo系アモルファス材料
において、M=Taのときには、68≦a≦90,0≦
b≦10,0≦c≦20,0≦d≦10,a+b+c+
d=100であれば、軟磁性特性が優れている。この組
成が、79≦a≦83,2≦b≦6,10≦c≦14,
1≦d≦5,a+b+c+d=100のときには、軟磁
性特性に加えて、耐熱性、耐摩耗性、及び透磁率も優れ
たものとなる。
【0040】このため、この組成のCo系アモルファス
材料を用いることによって、上部磁気シールド層12の
偏摩耗を減少させることができため、スペーシングロス
を減少させることが可能となる。また、このためにMR
ヘッド1は、高い出力を維持することができると共に、
その寿命を延ばすことが可能となる。
【0041】また、上述した上部磁気シールド層12に
使用される軟磁性材料においては、この磁壁の移動は突
発的な磁化の変化をひきおこす。この磁化の変化がMR
薄膜6に感知されるとバルクハウゼンノイズが生じ、再
生動作が不安定になる。このため、上部磁気シールド層
12は、軟磁性薄膜層と非磁性薄膜層とを所定の厚みで
堆積させることが望ましい。このことにより軟磁性薄膜
層同士を静磁結合させ、エネルギーが低く、且つ軟磁性
薄膜層に磁区が生じない状態となる。
【0042】なお、本実施の形態においては、軟磁性薄
膜層の厚さを0.28μmとし、非磁性薄膜層の厚みを
5nmとして、軟磁性薄膜層が12層となるように軟磁
性薄膜層と非磁性薄膜層とを交互に堆積させた。また、
Co系アモルファス材料の特性を安定化させるために、
下地としてCrなどを数nm程度堆積させることが望ま
しい。
【0043】下部磁気シールド層3及び上部磁気シール
ド層12は、少なくともその一方が、媒体摺動面16か
らのMR素子のデプスに応じて、媒体摺動面16の断面
におけるトラック幅方向の長さ(以下、断面長さと称す
る。)、及び位置(以下、断面位置と称する。)などが
変化する形状で形成されている。
【0044】以下では、上述したように、下部磁気シー
ルド層3及び上部磁気シールド層12の少なくとも一方
が、媒体摺動面16からのMR素子のデプスに応じて、
媒体摺動面16におけるトラック幅方向の断面長さや、
断面位置などが変化する形状で形成されている例を、図
3乃至図14を用いて説明する。
【0045】ここでは、上述した磁気シールド層17
を、媒体摺動面16に対して垂直な側面の方向から見た
形状について述べる。なお、以下では、下部磁気シール
ド層3及び上部磁気シールド層12をまとめて、磁気シ
ールド層17と称する。
【0046】先ず、図3に示すように、上底が下底より
も大きい台形となる形状が挙げられる。このような形状
に形成された磁気シールド層17に対して研削を施した
ときには、MR素子のデプスが小さくなるにつれ、媒体
摺動面16に露出する磁気シールド層17の断面長さは
徐々に短くなる。
【0047】言い換えると、研削を施すにつれて磁気シ
ールド層17の断面長さは短くなる。この断面長さを測
定し、後述する数1によりデプスを算出する。このデプ
スが所定の値となるまで、磁気シールド層17に対して
研削を施す。
【0048】このとき、図3で示す磁気シールド層17
のもつテーパ角θ1は、媒体摺動面16に露出する磁気
シールド層17の断面長さの変化が、認識できる値であ
れば任意である。しかしながら、磁気シールド層17に
対する加工の施しやすさや、光学顕微鏡による磁気シー
ルド層17の認識のしやすさなどを考慮すると、θ1の
値は、45°以上且つ60°以下であることが望まし
い。
【0049】ここで、図3に示すように、形成されたM
R素子の媒体摺動面16側における磁気シールド層17
の断面長さをl1とし、MR素子が所定のデプスとなる
まで研削を施したときにおける磁気シールド層17の媒
体摺動面16における断面長さをl2とし、加工のとき
の研削などによって摩耗したMR素子の長さをd1とし
た場合、l1とl2とd1との関係は、次の数1で表す
ことが可能となる。
【0050】 l2=l1−2・d1/tanθ・・・数1 数1により、媒体摺動面16における磁気シールド層1
7の断面長さから、MR素子のデプスを測定することが
可能となる。このことにより、MRヘッド1を構成する
各材料がお互いに接触したり、加工中に加えられた熱や
歪みによって微少なショートが発生したり、研削加工に
より生じた導電性物質が付着したりすることによってM
Rヘッド1全体の抵抗値が変化したときにも、MR素子
のデプスを正確に測定することが可能となる。
【0051】次に、図4に示すように、上底が下底より
も小さい台形となる形状が挙げられる。このような形状
に形成された磁気シールド層17に対して研削を施した
ときには、MR素子のデプスが小さくなるにつれ、媒体
摺動面16に露出する磁気シールド層17の断面長さは
徐々に長くなる。
【0052】このとき、この磁気シールド層17のもつ
テーパ角θ2は、磁気シールド層17が媒体摺動面16
に露出しているときに、その形状の変化が認識できる値
であれば任意である。しかしながら、加工の施しやす
さ、光学顕微鏡での認識のしやすさなどを考慮すると、
θ1の値は、135°以上且つ150°以下であること
が望ましい。
【0053】次に、図5に示すように、所定のデプスに
相当する位置に切れ込みが入っている形状が挙げられ
る。この場合、切れ込みの大きさ及び形などは任意であ
る。しかしながら、磁気シールド層17の媒体摺動面1
6に露出する断面長さの変化が認識できる必要がある。
ここでは切れ込みの形を三角形とした。また、この三角
形の頂点は、MR薄膜6のデプスが0となる位置とし
た。
【0054】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子が所定
よりも少し大きいデプスとなったときに、媒体摺動面1
6に露出する磁気シールド層17の断面長さが短くなり
始める。そして、それ以降は、MR素子のデプスが小さ
くなるにつれ、媒体摺動面16に露出する磁気シールド
層17の断面長さは徐々に短くなる。
【0055】ここで、形成されたMR素子の媒体摺動面
16側に露出する磁気シールド層17の断面長さをl3
とし、所定のデプスとなるまで研削したときの磁気シー
ルド層17の媒体摺動面16に露出する断面長さをl4
とし、加工のときの研削などによって摩耗したMR素子
の長さをd2とした場合、l3とl4とd2とに関係
は、以下に示す数2で表すことが可能となる。
【0056】 l4=l3−2・d2/tanθ・・・数2 数2により、磁気シールド層17の媒体摺動面16にお
ける断面長さから、MR素子のデプスを測定することが
可能となる。このようにMR素子のデプスを測定するこ
とにより、MRヘッド1を構成する各材料がお互いに接
触したり、加工中に加えられた熱や歪みによって微少な
ショートが発生した場合や、研削加工により生じた導電
性物質が付着したりすることによって、MRヘッド1全
体の抵抗値が変化した場合にも、MR素子のデプスを正
確に測定することが可能となる。
【0057】次に、図6に示すように、楕円形であり、
MR素子が所定のデプスとなる位置が楕円形の長径とな
る形状が挙げられる。
【0058】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR薄膜6のデ
プスが小さくなるにつれ、媒体摺動面16に露出する磁
気シールド層17の断面長さは徐々に長くなる。そし
て、MR素子のデプスが所定の大きさとなったときに、
媒体摺動面16に露出する磁気シールド層17の断面長
さは最長となる。そして、それ以上の研削を施すにつ
れ、媒体摺動面16に露出する磁気シールド層17の断
面長さは徐々に短くなる。
【0059】次に、図7に示すように、所定のデプスに
相当する位置に凸状部が存在する形状が挙げられる。こ
の場合、凸状部の大きさ及び形などは任意である。しか
しながら、磁気シールド層17の媒体摺動面16に露出
する断面長さの変化が認識できる必要がある。ここでは
凸状部の形を三角形とした。また、この三角形の頂点
は、MR素子のデプスが0になる位置とした。
【0060】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子が所定
よりも少し大きいデプスとなったときに、媒体摺動面1
6に露出する磁気シールド層17の断面長さが長くなり
始める。そして、それ以降は、MR素子のデプスが小さ
くなるにつれ、媒体摺動面16に露出する磁気シールド
層17の断面長さは徐々に長くなる。
【0061】次に、図8に示すように、磁気シールド層
17に凸状部が形成されており、且つMR素子が所定の
デプスとなる位置に、この凸状部の頂点がある形状が挙
げられる。この場合、凸状部の大きさ及び形などは任意
である。しかしながら、媒体摺動面16に露出する磁気
シールド層17の断面長さの変化が認識できる必要があ
る。ここでは凸状部の形を三角形とした。
【0062】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子が所定
よりも少し大きいデプスとなったときに、媒体摺動面1
6に露出する磁気シールド層17の断面長さが長くなり
始める。そして、それ以降は、MR薄膜6のデプスが小
さくなるにつれ、媒体摺動面16に露出する磁気シール
ド層17の断面長さは徐々に長くなる。
【0063】そして、デプスが所定の大きさとなったと
きに、媒体摺動面16に露出する磁気シールド層17の
断面長さが最長となる。そして、それ以上の研削を施す
ことにより、媒体摺動面16に露出する磁気シールド層
17の断面長さは徐々に短くなる。
【0064】磁気シールド層17を上述したような形状
とすることにより、媒体摺動面16に露出する磁気シー
ルド層17の断面長さと、MR薄膜6のデプスとを対応
させることが可能となる。このことから、媒体摺動面1
6に露出する磁気シールド層17の断面長さを測定する
ことによって、MR薄膜6のデプスを判断することが可
能となる。
【0065】また、図3乃至図8においては、下部磁気
シールド層3と上部磁気シールド層12との形状を、媒
体摺動面16に対して垂直な側面の方向から見たときに
同じとする場合について説明した。しかしながら、下部
磁気シールド層3と、上部磁気シールド層12との形状
は異なってもよい。以下では、下部磁気シールド層3
と、上部磁気シールド層12との形状が異なっている場
合について説明する。
【0066】上述したような磁気シールド層17の例と
しては、先ず、図9に示すように、磁気シールド層17
の一方を上底が下底よりも大きい台形となる形状とし、
磁気シールド層17の他方を上底が下底よりも小さい台
形となる形状とする場合が挙げられる。
【0067】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子のデプ
スが小さくなるにつれて、磁気シールド層17の一方
は、媒体摺動面16に露出する断面長さが徐々に長くな
り、磁気シールド層17の他方は、媒体摺動面16に露
出する断面長さが徐々に短くなる。そして、MR素子が
所定のデプスとなったときには、2つの磁気シールド層
17は、媒体摺動面16に露出する断面長さが一致す
る。
【0068】上述したような形状で磁気シールド層17
が形成されたときには、2つの磁気シールド層17の断
面長さに加えて、2つの磁気シールド層17の相対的な
関係によってもMR素子のデプスが判断される。このこ
とにより、MR素子のデプスを判断する精度は、磁気シ
ールド層17の断面長さのみで判断した場合と比較して
2倍となる。
【0069】言い換えると、上述したような形状で磁気
シールド層17が形成されることにより、MR素子のデ
プスを更に正確に判断することが可能となる。このこと
により、MRヘッド1の再生出力を更に安定させること
が可能となる。
【0070】次に、図10に示すように、磁気シールド
層17の一方を上底が下底よりも大きい台形となる形状
とし、磁気シールド層17の他方を長方形とする場合が
挙げられる。
【0071】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子のデプ
スが小さくなるにつれて、磁気シールド層17の一方
は、媒体摺動面16に露出する断面長さが徐々に長くな
り、磁気シールド層17の他方は、媒体摺動面16に露
出する断面長さが一定となる。そして、MR素子が所定
のデプスとなったときには、媒体摺動面16に露出する
2つの磁気シールド層17の断面長さが一致する。
【0072】次に、図11に示すように、磁気シールド
層17の一方を長方形とし、磁気シールド層17の他方
を平行四辺形とする場合が挙げられる。
【0073】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子のデプ
スが小さくなるにつれて、磁気シールド層17の一方
は、媒体摺動面16に露出する断面位置がMR薄膜6に
対して相対的に変化し、磁気シールド層17の他方は、
媒体摺動面16に露出する断面位置が変化しない。そし
て、MR薄膜6が所定のデプスとなったときには、媒体
摺動面16に露出する2つの磁気シールド層17の断面
位置が一致する。
【0074】また、図12に示すように、磁気シールド
層17の一方を楕円形とし、磁気シールド層17の他方
を長方形とする場合が挙げられる。
【0075】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、MR素子のデプ
スが小さくなるにつれて、磁気シールド層17の一方
は、媒体摺動面16に露出する断面長さが徐々に長くな
り、MR素子が所定のデプスとなるときに、断面長さが
最長となる。その後、磁気シールド層17の一方は、媒
体摺動面16に露出する断面長さが徐々に短くなる。
【0076】また、磁気シールド層17の他方は、媒体
摺動面16に露出する断面長さが一定となる。そして、
MR薄膜6が所定のデプスとなったときには、媒体摺動
面16に露出する2つの磁気シールド層17の断面長さ
が一致する。
【0077】また、図13に示すように、磁気シールド
層17の一方を所定のデプスとなる部分に切り込みが入
っている形状とし、磁気シールド層17の他方を長方形
とする場合が挙げられる。この場合、切れ込みの大きさ
及び形などは任意である。しかしながら、磁気シールド
層17の媒体摺動面16に露出する断面長さの変化が認
識できる必要がある。ここでは切れ込みの形を三角形と
した。また、この三角形の頂点は、MR素子が所定のデ
プスとなる位置とする。
【0078】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、切れ込みが入っ
ている方の磁気シールド層17は、媒体摺動面16に露
出する断面長さが変化する。しかしながら、長方形であ
る磁気シールド層17は、媒体摺動面16に露出する断
面長さが変化しない。以下では、切れ込みが入っている
方の磁気シールド層17について、媒体摺動面16に露
出する断面長さの変化について説明する。
【0079】切れ込みが入っている磁気シールド層17
は、MR素子が所定よりも少し大きいデプスとなったと
きに、媒体摺動面16に露出する断面長さが短くなり始
める。そして、それ以降は、MR素子のデプスが小さく
なるにつれ、媒体摺動面16に露出する磁気シールド層
17の断面長さは徐々に短くなる。そして、MR素子の
デプスが所定の大きさとなったときに、媒体摺動面16
に露出する磁気シールド層17の断面長さは最も短くな
る。
【0080】このとき、両方の磁気シールド層17の長
さは一致する。これ以上の研削を施したときには、媒体
摺動面16に露出する磁気シールド層17の断面長さ
は、研削を施す前の磁気シールド層17の断面長さと同
じとなる。
【0081】また、図14に示すように、両方の磁気シ
ールド層17を長方形と平行四辺形とを組み合わせた形
状として、この平行四辺形の鋭角が存在する方向を、対
称となるようにする場合が挙げられる。媒体摺動面16
側を上としたときに、この図形は、所定のデプスに相当
する位置より下が長方形とされており、所定のデプスに
相当する位置より上が平行四辺形とされている。
【0082】このような形状に形成された磁気シールド
層17に対して研削を施したときには、磁気シールド層
17は、媒体摺動面16に露出する断面位置がMR素子
のデプスに対応して相対的に変化する。
【0083】具体的に述べると、最初は、それぞれの磁
気シールド層17は、MR素子に対して外側に位置して
いる。そして、研削を施すにつれてそれぞれの磁気シー
ルド層17の位置は、徐々にMR薄膜6に近づいてい
く。そして、MR素子が所定のデプスとなったときに
は、2つの磁気シールド層17の断面位置が、MR素子
を挟んで対称的な位置となる。
【0084】上述したような形状で磁気シールド層17
が形成されたときには、磁気シールド層17の両方の媒
体摺動面16における断面位置は、MR素子のデプスに
応じて変化する。これにより、MR素子のデプスを判断
する精度は、磁気シールド層17のうちの一方の媒体摺
動面16における断面位置の変化のみで、MR素子のデ
プスを判断した場合と比較して2倍となる。
【0085】言い換えると、上述したような形状で磁気
シールド層17が形成されることにより、MR素子のデ
プスを更に正確に判断することが可能となる。このこと
により、MRヘッド1の再生出力は、更に安定する。
【0086】なお、本実施の形態においては、上部磁気
シールド層12は、後述するように、リフトオフの手法
によって形成される。このため、上部磁気シールド12
を上述した形状とするのは困難となる。このため、MR
ヘッド1を製造する上では、下部磁気シールド層3のみ
を、MR素子のデプスに応じて媒体摺動面16に露出す
るトラック幅方向の断面長さ、及び断面位置などが変化
するように形成することが、最も容易である。
【0087】しかしながら、下部磁気シールド層3及び
上部磁気シールド層12の両方を、MR素子のデプスに
応じて媒体摺動面16におけるトラック幅方向の断面長
さ、及び断面位置などが変化するように形成することが
可能であれば、上述したようにMR素子のデプスをより
正確に決定することが可能となる。
【0088】平坦化層4は、非磁性非導電性材料によっ
て形成される。平坦化層4は、第1の基板2上に下部磁
気シールド層3を形成したときにできた凹凸を平坦化す
るものであり、第1の基板2と略同一面を形成するよう
にする。平坦化層4は、例えばAl23によって形成さ
れることが望ましい。
【0089】下部ギャップ層5と、上部ギャップ層11
とは、非磁性非導電性材料によって薄膜状に形成されて
いる。これらの非磁性非導電性層が存在することによっ
て、絶縁性が保たれる。下部ギャップ層5及び上部ギャ
ップ層11は、絶縁性及び耐摩耗性を考慮すると、例え
ばAl23によって形成されることが望ましい。
【0090】MR薄膜6は、感磁部であり、磁気記録媒
体に記録されている情報記録を読みとる部分である。
【0091】ここでは、MR薄膜6は、第1の非磁性層
と、第1の軟磁性層と、第2の非磁性層と、第2の軟磁
性層と、第3の非磁性層とが基板側から順次積層された
構造とされ、いわゆるSALバイアス方式の膜として構
成されている。第1の非磁性層と、第2の非磁性層と、
第3の非磁性層としては、例えばTa等が使用される。
第1の軟磁性層としては、例えばNi−Fe等が使用さ
れる。第2の軟磁性層としては、例えばNi−Fe−N
b等が使用される。
【0092】なお、MR薄膜6は、SALバイアス方式
の膜に限定されるものではなく、従来から知られている
ような、いわゆるAMRやGMR等の各種膜構成により
形成されていればよい。また、MRヘッド1において
は、MR薄膜6の長手方向が媒体摺動面16と平行とな
るように配設されており、媒体摺動面16と平行な方向
にセンス電流が供給される。
【0093】一対のバイアス層7a,7bは、MR薄膜
6に対してバイアス磁界を印加し、MR薄膜6の磁区を
単磁区化するための機能を有している。一対のバイアス
層7a,7bは、それぞれMR薄膜6の長手方向の両端
部に位置して、硬磁性材料によって形成されている。ま
た、一対のバイアス層7a,7bは、それぞれMR薄膜
6の両端部に磁気的に接続されている。なお、以下の説
明では、一対のバイアス層7a,7bをまとめて、単に
バイアス層7と称することとする。
【0094】電極層8a,8bは、MR薄膜6に対して
センス電流を供給する。電極層8a,8bは、導電性で
あり且つ低抵抗である金属材料によって薄膜状に形成さ
れている。ここで低抵抗である材料を使用することによ
り、MRヘッド1全体の抵抗値を下げることが可能とな
る。電極層8a及び電極層8bは、MR薄膜6の両端に
それぞれ接続している。電極層8a,8bの材料として
は、例えばCr,Ta等が好適である。
【0095】なお、以下の説明では、電極層8a,8b
をまとめて、単に電極層8と称することとする。
【0096】接続端子9a,9bは、電極層8aに対し
てセンス電流を提供する。接続端子9a,9bは、電極
層8と同様に、導電性であり且つ低抵抗である金属材料
によって薄膜状に形成されている。接続端子9a,9b
の材料としては、例えばCr,Ta等が好適である。
【0097】外部端子10a,10bは、接続端子9
a,9bに対してセンス電流を提供する。外部端子10
a,10bは、電極層8と同様に、導電性であり且つ低
抵抗である金属材料によって薄膜状に形成されている。
外部端子10a,10bの材料としては、例えばCr,
Ta等が好適である。
【0098】なお、電極層8aと、接続端子9aと、外
部接続端子10aとが、接続しており、電極層8bと、
接続端子9bと、外部接続端子10bとが、接続してい
る。これにより、MR薄膜6に対してセンス電流を提供
することが可能となる。
【0099】保護層13は、MR素子部分と外部とを電
気的及び磁気的に遮断するために形成する。保護膜13
は、非磁性非導電性材料によって形成される。
【0100】接着層14は、第2の基板15を貼り付け
るために接着剤を使用することにより形成される。この
とき使用される接着剤の例としては、エポキシ系の接着
剤などが挙げられる。なお、接着層14は、図1では、
図示を省略する。
【0101】なお、このMRヘッド1では、実際には、
第1の基板2と、第2の基板15とが他の部分に比べて
大きい。例えば、第1の基板2におけるテープ状記録媒
体の走行方向の長さt1は、0.8mm程度とされ、M
R素子部分の長さt2は、5μmとされる。したがっ
て、このMRヘッド1における媒体摺動面16を形成す
るのは、ほとんどが第1の基板2と、第2の基板12と
の端面である。
【0102】上述したように、MRヘッド1は、媒体摺
動面16に露出する磁気シールド層17の断面長さ、及
び断面位置などによってMR素子のデプスを判断するこ
とが可能となる。
【0103】このため、MR素子のデプスを所定の大き
さとすることが容易になり、MRヘッド1毎にMR素子
のデプスが異なることが少なくなる。このことにより、
MRヘッド1の再生出力を一定とすることが可能とな
り、再生出力が安定したMRヘッド1を提供することが
可能となる。
【0104】上述したMRヘッド1が、後述するような
回転ドラムに搭載されて、テープ状記録媒体に記録され
た情報信号を再生する。
【0105】つぎに、上述したMRヘッド1の製造方法
について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、
特徴を分かりやすく図示するために、図1乃至図14と
同様に、特徴となる部分を拡大して示している場合があ
り、各部材の寸法の比率が実際と同じであるとは限らな
い。
【0106】また、以下の説明では、MRヘッド1を構
成する各部材並びにその材料、大きさ及び膜厚等につい
て具体的な例を挙げるが、本発明は以下の例に限定され
るものではない。例えば、以下の説明では、ハードディ
スク装置等で実用化されているものと同様な構造を有す
る、いわゆるシールド型のSAL(Soft Adjacent Laye
r)バイアス方式のMR薄膜を用いた例を挙げるが、M
R薄膜は、この例に限定されるものではない。
【0107】本発明に係るMRヘッド1を製造する際に
は、先ず、図15及び図16に示すような、最終的に第
1の基板2となる例えば直径3インチの円盤状の第1の
基板材30を用意する。この第1の基板材30は、リー
ディング側のガード材となるものであり、非磁性材料が
使用される。この第1の基板材30上に複数のMRヘッ
ド1が形成される。この第1の基板材30に対して、鏡
面研磨加工を施す。
【0108】次に、図17及び図18に示すように、第
1の基板材30上に、最終的に下部磁気シールド層3と
なる第1の軟磁性金属薄膜層31をスパッタリング等に
より成膜する。
【0109】次に、第1の軟磁性金属層31に対してエ
ッチングを施し、所定の形状とする。先ず、フォトレジ
スト膜32を塗布する。次に、いわゆるフォトリソグラ
フィ技術によりこのフォトレジスト膜32に対して露
光、現像を施し、図19及び図20に示すように、フォ
トレジスト膜32を所定の形状とする。本実施の形態で
は、MRヘッド1が形成される位置に横80μm、縦1
00μmのフォトレジスト膜32を形成した。
【0110】次に、イオンエッチングを施し、フォトレ
ジスト膜32が形成されていない部分に形成されている
第1の軟磁性金属層31を除去する。このことにより、
第1の軟磁性金属層31は、所定の形状となる。この
後、フォトレジスト膜32を除去する。
【0111】このとき、第1の軟磁性金属層31の形状
は、MR素子のデプスに応じて媒体摺動面16に露出す
るトラック幅方向の断面長さ、及び断面位置などが変化
するように形成される。このとき、最終的に形成される
下部磁気シールド層3は、図3乃至図14に示すような
形状となる。そして、媒体摺動面16に露出する下部磁
気シールド層3のトラック幅方向の断面長さや断面位置
と、MR素子のデプスとが対応する。
【0112】このことにより、製造されたMRヘッド1
の抵抗値を測定することなく、媒体摺動面16に露出す
る下部磁気シールド層3のトラック幅方向の断面長さ、
及び断面位置などによってMR素子のデプスを判断する
ことが可能となる。このため、MRヘッド1の製造時間
を短縮させ、生産性を向上させることが可能となる。ま
た、MR素子のデプスを正確に測定することが可能であ
るため、MRヘッド1の歩留まりを向上させることが可
能となる。
【0113】次に、図21及び図22に示すように、第
1の軟磁性金属層31が形成された第1の基板材30の
表面を平坦化する。
【0114】先ず、第1の基板材30の全面に第1の非
磁性非導電層33を形成する。ここで形成する第1の非
磁性非導電層33によって、第1の軟磁性金属層31が
完全に埋め込まれる必要がある。このため、第1の非磁
性非導電層33は、第1の軟磁性金属層31の厚みより
厚くなるように形成する。本実施の形態では、この厚み
を3μmとした。また、第1の非磁性非導電層33を形
成する方法の例としては、スパッタ法及び蒸着法などが
挙げられる。
【0115】第1の非磁性非導電層33を形成するため
の材料の例としては、Al23、SiO2などが挙げら
れる。
【0116】次に、第1の軟磁性金属層31が露出する
まで、第1の非磁性非導電層33に対して研磨を施す。
この第1の非磁性非導電層33に対する研磨の方法の例
としては、ダイヤモンド砥石で削った後に化学的研磨を
行う方法や、最初から化学的研磨を行う方法などが挙げ
られる。第1の軟磁性金属層31は、全面にわたって露
出する必要がある。最終的な第1の軟磁性薄膜層31の
厚さは、第1の基板材30の反りなどの影響により異な
るが、例えば2μm以上であれば良い。
【0117】次に、第1の軟磁性金属層31に対して熱
処理を施す。この熱処理は、第1の軟磁性金属層31を
形成した材料に応じて施す。本実施の形態では、第1の
軟磁性金属層31をセンダストで形成したため、1時間
で550℃まで昇温させた後、550℃で1時間保持
し、その後で自然冷却をした。
【0118】次に、図23及び図24に示すように、第
1の軟磁性金属層31と第1の非磁性非導電層33とで
形成された面の上に、最終的に下部ギャップ層4となる
第2の非磁性非導電層34を、スパッタリングなどによ
り形成する。
【0119】なお、この第2の非磁性非導電性層34の
膜厚は、磁気記録媒体に記録された信号の周波数に応じ
て適切な値に設定すればよい。膜厚の算出方法は、数3
に示す通りである。本実施の形態においては、この第2
の非磁性非導電性層34の膜厚を100nmに設定して
いる。
【0120】 (下部ギャップ層5の膜厚)=G/2−(a+b+c+d/2)・・・数3 ただし、GはMR素子におけるバイアス層7a,7b間
の距離である。また、aはMR薄膜における下部絶縁層
(ここではTa)の膜厚である。bはMR薄膜における
SALバイアス層(ここではNiFeNb)の膜厚であ
る。cはMR薄膜における中間絶縁層(ここではTa)
の膜厚である。dはMR薄膜における感磁層(ここでは
NiFe)の膜厚である。
【0121】次に図25及び図26に示すように、第2
の非磁性非導電性層34上に、最終的にSALバイアス
方式のMR薄膜6を構成するMR薄膜層35を、スパッ
タリング等により成膜する。具体的には、MR薄膜層3
5は、例えば膜厚約5nmのTa層、膜厚約32nmの
NiFeNb層、膜厚約5nmのTa層、膜厚約30n
mのNiFe層、及び膜厚約1nmのTa層が、以上の
順でスパッタリング等により順次成膜されることにより
形成される。
【0122】以上のMR薄膜層35においては、NiF
e層が磁気抵抗効果を有する軟磁性膜であり、MRヘッ
ドにおける感磁部となる。また、以上のMR薄膜層35
においては、NiFeNb層がNiFe層に対してバイ
アス磁界を印加するための、いわゆるSAL膜となる。
【0123】なお、MR薄膜層35を構成する各層の材
料及びその膜厚は、以上の例に限定されるものではな
く、MRヘッド1の使用目的等に応じて適切な材料を選
択し、適切な膜厚に設定するようにすればよい。
【0124】次に、図27乃至図29に示すように、フ
ォトリソグラフィ技術を用いて、最終的にバイアス層7
となる2つの矩形状の永久磁石層36a,36bを、M
R薄膜層35に対して、各MRヘッド素子毎に埋め込
む。
【0125】この永久磁石層36a,36bは、最終的
に上述したMRヘッド1のバイアス層7となるものであ
り、例えば長辺方向の長さt3が約50μm、短辺方向
の長さt4が約10μmとなり、2つの永久磁石層36
a,36b間の間隔t5が約5μmとなるように形成さ
れる。これら2つの永久磁石層36a,36b間の間隔
t5が、最終的にMR薄膜5のトラック幅となる。すな
わち、MRヘッド1においては、MR薄膜6のトラック
幅が約5μmとなる。
【0126】なお、MR薄膜6のトラック幅は、以上の
例に限定されるものではなく、MRヘッド1の使用目的
等に応じて適切な値に設定すればよい。
【0127】次に、図30及び図31に示すように、永
久磁石層36a,36b上に、最終的に電極層8となる
第1の導電性金属層37a,37bを成膜する。
【0128】このような永久磁石層36a,36bと、
第1の導電性金属層37a,37bとを成膜するときに
は、例えば、先ず、フォトレジストにより、各ヘッド素
子38毎に2つの長方形の開口部を有するマスクを形成
する。次に、エッチングを施して、開口部に露呈してい
たMR薄膜層35を除去する。なお、ここでのエッチン
グは、ドライ方式でもウエット方式でも構わないが、加
工のしやすさ等を考慮するとイオンエッチングが望まし
い。
【0129】次に、マスクが形成されたMR薄膜層35
上に、スパッタリング等によって永久磁石層36a,3
6bを成膜する。なお、永久磁石層36a,36bの材
料としては、保磁力が1000[Oe]以上ある材料が
好ましく、例えば、CoNiPtやCoCrPt等が好
適である。
【0130】次に、第1の導電性金属層37a,37b
を、スパッタリング等により成膜する。
【0131】なお、永久磁石層36a,36bの膜厚
と、第1の導電性金属層37a,37bの膜厚とは、M
Rヘッド1が用いられる環境において必要とされる抵抗
値やMRヘッドのトラック幅等により決定される。本実
施の形態においては、永久磁石層36a,36bの膜厚
をMR薄膜層35と同程度とし、第1の導電性金属層3
7a,37bの膜厚を約60nmとした。
【0132】次に、マスクとなっていたフォトレジスト
を、このフォトレジスト上に成膜された永久磁石層36
a,36bと、第1の導電性金属層37a,37bとと
もに除去する。これにより、図30及び図31に示した
ように、所定の形状である永久磁石層36a,36b
が、MR薄膜層35に埋めこまれ、この永久磁石層36
a,36bの上に所定の形状である第1の導電性金属層
37a,37bが形成された状態となる。
【0133】次に、図32及び図33に示すように、フ
ォトリソグラフィ技術を用いて、最終的にMR素子とな
る部分に相当するMR薄膜層35aと、MR薄膜層35
bと、MR薄膜層35cと、第1の導電性金属層37
a,37bとを残してMR薄膜層35を除去し、MRヘ
ッド素子38の形状を形成する。
【0134】このときには、先ずMR薄膜層35aと、
MR薄膜層35bと、MR薄膜層35cと、第1の導電
性金属層37a,37bとの上に、フォトレジストを形
成する。次に、エッチングを施すことによって露出して
いるMR薄膜層35を除去する。なお、ここでのエッチ
ングは、ドライ方式でもウエット方式でも構わないが、
加工のしやすさ等を考慮すると、イオンエッチングが好
適である。次に、フォトレジストを除去することによ
り、MRヘッド素子38の形状が形成される。
【0135】本実施の形態においては、MR薄膜層35
aの幅t6を7μmとした。このt6は、最終的にMR
薄膜6のデプス長となる。また、MR薄膜層35b,3
5cの長さt7を1.5mmとし、幅t8を80μmと
した。また、MR薄膜層35bとMR薄膜層35cとの
間隔t9を40μmとした。
【0136】次に、図34及び図35に示すように、M
R薄膜層35b,35cと、第2の導電性金属層39
a,39bとを入れ替える。この第2の導電性金属層3
9a,39bは、第1の導電性金属層37a,37bと
それぞれ接続し、最終的に電極層8となる。
【0137】具体的には、先ず、MR薄膜層35aと、
第1の導電性金属膜36a,36bとの上に、レジスト
パターンを形成する。次に、エッチングを施して露出し
ているMR薄膜層35bと、MR薄膜層35cとを除去
する。なお、ここでのエッチングは、ドライ方式でもウ
エット方式でも構わないが、加工のしやすさ等を考慮す
ると、イオンエッチングが好適である。
【0138】次に、第2の導電性金属層39となるTi
/Cuを成膜する。このとき、第2の導電性金属層39
a,39bと、第1の導電性金属層36a,36bと
が、それぞれ略同一面を形成するようにする。この後、
レジストを剥離することにより、図24に示すように、
第2の導電性金属層39a,39bが形成される。
【0139】次に、図36及び図37に示すように、最
終的に上部ギャップ層11となる第3の非磁性非導電性
膜40を、スパッタリングなどにより成膜する。この第
3の非磁性非導電性膜40の膜厚は、記録信号の周波数
に応じて適当な値に設定すればよい。膜厚の算出方法
は、数4で表される。ここでは、120nmとした。
【0140】 (上部ギャップ層12の膜厚)=G/2−(a+d/2)・・・数4 ただし、GはMR素子におけるバイアス層7a,7b間
の距離である。また、aはMR薄膜における下部絶縁層
(ここではTa)の膜厚である。dはMR薄膜における
感磁層(ここではNiFe)の膜厚である。
【0141】次に、図38及び図39に示すような、最
終的に上部磁気シールド層12となる第2の軟磁性層4
1を以下に示す手順により形成する。
【0142】先ず、図40乃至図43に示すように、上
部磁気シールド層12が形成される位置を開口部とし
て、ウェハー全面にレジスト膜50を形成する。このと
き、開口部におけるレジスト膜の端面は、図40及び図
41に示すような逆テーパー型であるか、又は図42及
び図43に示すような2層構造で、上層レジスト膜51
の方が下層レジスト膜52よりも突出した形状である必
要性がある。これにより、上部磁気シールド層10をリ
フトオフの手法で形成することが可能となる。
【0143】図40及び図41に示すような、開口部に
おける端面が逆テーパー型のレジスト膜(以下、逆テー
パー型レジスト層と称する。)を作製するためには、例
えば、日本ゼオン社製ZPN−1100及びクラリアン
ト社製AZ5214Eなどの逆テーパー用レジストを用
いればよい。
【0144】このような逆テーパー用レジストを通常通
りプリベークし、露光した後に110℃で加熱し、過大
露光を行うことで、逆テーパー型レジスト膜を形成する
ことが可能となる。この逆テーパー型レジスト膜の形成
方法は、レジスト製造メーカーの推奨する方法でよい。
なお、110℃における加熱は反転ベーキングと呼ばれ
ており、過大露光は反転露光と呼ばれている。
【0145】また、図42及び図43に示すような、2
層構造のレジスト膜を形成するためには、以下の方法に
従えばよい。
【0146】先ず、下層レジスト膜52を、例えば通常
は反射防止膜として使用されるBrewer Science社製のA
RCにより形成する。次に、上層レジスト膜51を、一
般的に用いられる、例えばクラリアント社製のAZ61
08などにより形成する。露光までは通常の手法で行
い、現像のみを長時間行うことによって下層レジスト膜
52が多く除去され、上層レジスト膜51が突出した形
状である2層構造のレジスト層が形成される。
【0147】上述したフォトレジストを形成した後、C
r膜を形成する。その後、図44に示すように、最終的
に上部磁気シールド10となる第2の軟磁性膜53を形
成する。この第2の軟磁性膜53は、非磁性膜とCo系
アモルファス膜とを順次積層することによって形成され
る。その後、レジスト膜50を剥離する。
【0148】このとき、第2の軟磁性膜53の形状は、
MR素子のデプスに応じて媒体摺動面16に露出するト
ラック幅方向の断面長さ、及び断面位置などが変化する
ように形成されてもよい。この場合、最終的に形成され
る上部磁気シールド層12は、例えば図3乃至図14に
示すような形状となる。そして、媒体摺動面16に露出
する上部磁気シールド層12のトラック幅方向の断面長
さや断面位置と、MR素子のデプスとが対応する。
【0149】このため、製造されたMRヘッド1の抵抗
値を測定することなく、媒体摺動面16における上部磁
気シールド層12のトラック幅方向の断面長さや、断面
位置によってMR素子のデプスを判断することが可能と
なる。また、媒体摺動面16に露出する下部磁気シール
ド層3のトラック幅方向の断面長さや、断面位置の変化
と合わせることにより、MR素子のデプスを更に正確に
判断することが可能となる。
【0150】なお、ここでは、2層構造レジスト層を形
成したときに、第2の軟磁性膜53を形成する方法を例
に挙げて説明したが、逆テーパ型レジスト層を形成した
ときにも、同様に第2の軟磁性膜53を形成することが
可能である。
【0151】次に、2層構造レジスト層と、2層構造レ
ジスト層上に形成された第2の軟磁性層53とを除去す
る。このとき、2層構造レジスト層は、上述したように
上層レジスト膜51が下層レジスト膜52に対して突出
した構造とされているため、端面から2層構造レジスト
層を除去するための溶剤がしみこみ、2層構造レジスト
層の除去が容易になる。
【0152】次に、図45及び図46に示すように、最
終的に外部端子14となる第3の導電性金属層54a,
54bを形成する。
【0153】第3の導電性金属層54a,54bは、例
えば硫酸銅メッキ法により形成する。このとき、先ず、
第3の導電性金属層54a,54bが形成される部分に
開口部を有するフォトレジスト膜を形成する。次に、こ
の開口部に対してエッチングを施すことにより、この開
口部に形成されている第3の非磁性非導電性膜39を除
去する。
【0154】次に、フォトレジスト膜を残した状態で、
第3の非磁性非導電性層39が除去された部分に第3の
導電性金属層54a,54bを形成する。次に、硫酸銅
溶液によりメッキを施す。本実施の形態においては、C
u層が6μm程度の厚さとなるように形成した。なお、
第3の導電性金属層54a,54bの形成方法は、他の
膜構造に影響を与えない方法であれば、硫酸銅メッキ法
以外の方法でも良い。
【0155】次に、フォトレジストを、同フォトレジス
ト上に形成された第3の導電性金属層54a,54bと
共に除去することにより、第3の導電性金属層54a,
54bが形成される。なお、本実施の形態においては、
第3の導電性金属層54a,54bの長さt11を50
μmとし、幅t12を80μmとした。
【0156】次に、最終的にMRヘッド1におけるMR
素子部分と、外部とを遮断するための保護層13となる
第4の非磁性非導電層55を形成する。第4の非磁性非
導電層55は、例えばAl23をスパッタリングするこ
とにより形成する。
【0157】次に、図47及び図48に示すように、第
3の導電性金属層54a,54bが表面に露出するまで
第4の非磁性非導電層55の表面を研磨する。ここでの
研磨は、例えば粒径が約2μmであるダイアモンド砥粒
によって第3の導電性金属層54a,54bの表面が露
出するまで研磨した後、シリコン砥粒によって化学的研
磨を施し、表面を鏡面状に仕上げる。
【0158】次に、図49及び図50に示すように、多
数のMRヘッド素子38が形成された第1の基板材30
を、横方向にMRヘッド素子38が並ぶように短冊状に
切り分け、磁気ヘッドブロック60を形成する。なお、
本実施の形態においては、磁気ヘッドブロック60の厚
さt13を2mmとした。
【0159】ここで、横方向に並ぶMRヘッド素子38
の数は、生産性を考慮するとできる限り多い方がよい。
図50においては、簡略化のために、MRヘッド素子3
8が5個並ぶ磁気ヘッドブロック60を図示している
が、実際には、これ以上のMR素子38が並ぶようにし
ても構わない。
【0160】次に、図51に示すように、磁気ヘッドブ
ロック60上に、最終的にMRヘッド1の第2の基板1
2となる第2の基板材61を貼り付ける。この第2の基
板材61の厚さt14を、例えば約0.7mmとする。
この第2の基板材61の貼り付けには、例えばエポキシ
系等の接着剤を用いる。なお、図51及び図52では、
第1の基板材20上に形成された各薄膜層を省略してい
る。
【0161】このとき、第2の基板材61の高さt15
を磁気ヘッドブロック60の高さよりも低くして、磁気
ヘッドブロック60上の各MRヘッド素子38に形成さ
れた第3の導電性電極層54a,54bを外部に露出さ
せる。これにより第3の導電性電極層54a,54b
は、外部と電気的に接続することができるようになる。
【0162】次に、最終的にMRヘッド1の媒体摺動面
16となる面に対して円筒研磨加工を施し、この面を円
弧状に形成する。具体的には、MR薄膜6の前端が媒体
摺動面16に露呈すると共に、このMR薄膜6のデプス
の大きさが所定の長さとなるまで円筒研磨加工を行う。
これにより、図52に示すように、最終的にMRヘッド
1の媒体摺動面16となる面が円弧状の曲面とされる。
【0163】なお、この円筒研磨加工によって形成され
る媒体摺動面16となる面の曲面形状は、テープテンシ
ョン等に応じて最適な形状とすればよく、特に限定され
るものではない。
【0164】次に、図53に示すように、磁気ヘッドブ
ロック60を各MRヘッド素子38毎に分割する。具体
的には、例えば、磁気記録媒体が摺動する方向の長さが
約0.8mm、幅が約300μm、高さが約2mmとな
るように、磁気ヘッドブロック62を角度θでMRヘッ
ド素子38毎に分割する。これにより、先に図1で示し
たMRヘッド1が多数得られる。なお、θは、アジマス
角と同じである。
【0165】最後に、MRヘッド素子38が所定のデプ
スとなるまで、砥石加工及び研磨テープを用いて研削を
施す。
【0166】このときに、媒体摺動面16に現れる磁気
シールド層17の形状が、所定の形状となるまでMRヘ
ッド1の媒体摺動面16に対する研削を施す。ここで具
体的に、図10に示すように、下部磁気シールド層3が
上底が下底よりも大きい台形とされ、上部磁気シールド
層12が長方形とされるように磁気シールド層17を形
成して、媒体摺動面16に対して研削を施した場合を例
に挙げて説明する。
【0167】先ず、MRヘッド1の媒体摺動面16に対
して研削を施し、図54に示すように、下部磁気シール
ド層3と、上部磁気シールド層12とを媒体摺動面16
に露出させる。このときの下部磁気シールド層3の長さ
は、図3で示したl1と等しく、形成されたMR素子の
媒体摺動面16側における磁気シールド層17の断面長
さである。
【0168】次に、媒体摺動面16に対して更に研削を
施す。すると、媒体摺動面16に露出する下部磁気シー
ルド層3の断面長さは徐々に短くなる。
【0169】そして、図55に示すように、媒体摺動面
16に露出する上部磁気シールド層3と、下部磁気シー
ルド層12との断面長さが一致する。このとき、MR素
子のデプスは所定のサイズとなる。
【0170】なお、図54及び図55は、媒体摺動面1
6における特徴的な部分のみを示しており、下部ギャッ
プ層5、バイアス層7a,7b、電極層8a,8b、上
部ギャップ層11、接着層13,保護層14の図示を省
略してある。
【0171】また、このときに、従来から行われていた
抵抗値を測定することによってMR素子のデプスを決定
する方法を併用することが、更に望ましい。これによ
り、MR素子のデプスを更に正確にすることが可能とな
る。
【0172】このように、MRヘッド1の製造方法によ
れば、MR素子のデプスを媒体摺動面16に露出する磁
気シールド層17の断面長さ、及び断面位置などから判
断して、MRヘッド1を製造することが可能となる。
【0173】このため、MRヘッド1のデプスを一定と
することが容易になり、複数のMRヘッド1を作製した
ときにも、MRヘッド1毎に再生出力が異なることがな
くなる。このことにより、MRヘッド1の歩留まりを向
上させることが可能となる。また、MR素子のデプスを
測定するために抵抗値を測定する必要がなくなるため、
MRヘッド1の製造時間を短縮させ、生産性を向上させ
ることが可能となる。
【0174】以上のように製造されたMRヘッド1を実
際に使用するときには、先ず、MRヘッド1をチップベ
ースに貼り付ける。次に、このチップベースに設けられ
た端子と、MRヘッド1に設けられた接続端子14とを
電気的に接続する。次に、このチップベースに取り付け
られたMRヘッド1を、図56で示すような回転ドラム
70に取り付ける。そして、この回転ドラム70が、図
57で示すような記録再生装置71に備え付けられて使
用される。
【0175】記録再生装置71は、回転ドラム70と、
供給リール72と、巻き取りリール73と、ローラ74
a〜74h(以下、ローラ74と称する。)と、キャプ
スタン75とを備える。
【0176】回転ドラム70は、上述したMRヘッド1
を再生ヘッドとして備えるとともに、電磁誘導型磁気ヘ
ッドを記録ヘッドを備えている。回転ドラム70は、矢
印Cの方向に回転する。供給リール72は、図示しない
テープカートリッジから引き出されたテープ状記録媒体
75を、回転ドラム70に対して供給する。巻き取りリ
ール73は、回転ドラム70に対して供給されたテープ
状記録媒体76を巻き取る。
【0177】ローラ74は、テープ状記録媒体76を支
持する。キャプスタン75は、図示しないモータによっ
て回転し、テープ状記録媒体76を送る。このとき、テ
ープ状記録媒体76は、矢印Dの方向に送られる。
【0178】回転ドラム70は、図55に示すように、
上ドラム80と、下ドラム81と、モータ82とを備え
る。上ドラム80は、矢印Eの方向に回転する。下ドラ
ム81は、固定されている。下ドラム81は、第1の再
生ヘッド83と、第2の再生ヘッド84と、第1の記録
ヘッド85と、第2の記録ヘッド86と、リードガイド
部87とが備えられる。モータ82は、上ドラム80を
回転させる。
【0179】第1の再生ヘッド83及び第2の再生ヘッ
ド84は、テープ状記録媒体75に記録された情報記録
を再生する。第1の再生ヘッド83及び第2の再生ヘッ
ド84には、上述したMRヘッド1が使用されている。
【0180】第1の記録ヘッド85及び第2の記録ヘッ
ド86は、テープ状記録媒体75に対して情報を記録す
る。第1の記録ヘッド85及び第2の記録ヘッド86と
しては、電磁誘導型磁気ヘッドが使用されている。
【0181】なお、第1の再生ヘッド83と、第2の再
生ヘッド84とは、180°の位相差を有する。また、
第1の記録ヘッド85と、第2の記録ヘッド86とは、
180°の位相差を有する。
【0182】リードガイド部87は、回転ドラム70の
下ドラム81の外周面に沿って、例えば、テープ状記録
媒体75の厚さよりもやや大とされる深さで段差状に形
成されており、テープ状記録媒体75を支持して案内す
る。これにより、第1の再生ヘッド83と、第2の再生
ヘッド84と、第1の記録ヘッド85と、第2の記録ヘ
ッド86とが、テープ状記録媒体76に対してヘリカル
スキャン方式で接触する。
【0183】回転ドラム70において、テープ状記録媒
体75は、下ドラム81におけるリードガイド部87に
沿って、矢印Fで示す走行方向通りに斜めに送られる。
これにより、第1の再生ヘッド83と、第2の再生ヘッ
ド84と、第1の記録ヘッド85と、第2の記録ヘッド
86とは、テープ状記録媒体76に対してヘリカルスキ
ャン方式で接触して案内される。
【0184】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係るMRヘッド1は、媒体摺動面16に現れる磁気シ
ールド層17の形状によってMR素子のデプスを知るこ
とが可能となる。このため、デプスを一定のサイズとす
ることが容易になり、MRヘッド1毎にMR素子のデプ
スが異なることが少なくなってくる。このことにより再
生出力を一定とすることが容易になり、再生出力が安定
したMRヘッド1提供することが可能となる。
【0185】また、MRヘッド1を製造するときには、
MR素子のデプスを測定するための時間が短縮される。
このため、MRヘッド1の製造時間を短縮させ、生産性
を向上させることが可能となる。また、MR素子のデプ
スを正確に測定することが可能であるため、MRヘッド
1の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0186】
【実施例】つぎに、上述したMRヘッドと従来のMRヘ
ッドとを製造したときに生じるデプス長のばらつきにつ
いて、実施例及び比較例に基づいて説明する。
【0187】実施例 上述した方法によって複数のMRヘッドを製造し、それ
ぞれ摺動面に対してデプス長が3μmとなるように研削
を施した。このとき、媒体摺動面に露出する磁気シール
ド層の断面長さ及び断面位置が、所定のものとなるまで
研削を施した。この後、このMRヘッドを分解して、実
際のデプス長を測定した。
【0188】比較例 従来の方法によって複数のMRヘッドを製造し、それぞ
れ媒体摺動面に対してデプス長が3μmとなるように研
削を施した。このとき、MR素子の抵抗値が所定の値と
なるまで研削を施した。この後、このMRヘッドを分解
して、実際のデプス長を測定した。
【0189】実施例と比較例とにおいて、各MRヘッド
における実際のデプス長の分布を、図58に示す。図5
8からもわかるように、実施例においては、製造された
MRヘッド全体の80%近くにおいて、デプスが所定の
長さの3μmであることがわかった。また、全体的なM
Rヘッドのデプスの分布を見たときにも、2.5μm以
上4.0μm未満の範囲内にあることがわかった。
【0190】一方、比較例において、デプスが所定の長
さの3μmであるMRヘッドは、全体の約50%であっ
た。また、全体的なMRヘッドのデプスの分布を見たと
きには、1.0μm以上5.0μm未満であることがわ
かった。
【0191】以上の結果から、実施例において製造され
たMRヘッドは、比較例において製造されたMRヘッド
と比較して、デプスにばらつきが見られないことが判明
した。また、デプスを所定の大きさとすることが、容易
であることが判明した。
【0192】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、デプスを所定の
大きさとすることが容易になり、磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド毎に磁気抵抗効果素子のデプスが異なることが少な
くなってくる。このことにより、磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの安定性を一定とすることが容易となり、磁気抵抗
効果型磁気ヘッド毎に磁気抵抗効果素子のデプスが異な
ることが少なくなる。このことにより、再生出力が安定
したMRヘッド1を提供することが可能となる。
【0193】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの製造方法によれば、デプスを測定するために抵抗
値を測定する必要がなくなるる。このことにより、磁気
抵抗効果型磁気ヘッドの製造時間を短縮させ、生産性を
向上させることが可能となる。また、磁気抵抗効果素子
のデプスを正確に測定することが可能であるため、MR
ヘッド1の歩留まりを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMRヘッドの平面図である。
【図2】同MRヘッドをテープ摺動面側からみた模式図
である。
【図3】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図4】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図5】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図6】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図7】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図8】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図9】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状の
一例を示す図である。
【図10】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状
の一例を示す図である。
【図11】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状
の一例を示す図である。
【図12】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状
の一例を示す図である。
【図13】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状
の一例を示す図である。
【図14】同MRヘッドにおける磁気シールド層の形状
の一例を示す図である。
【図15】同磁気ヘッドの製造工程を説明する図であ
り、基板材を示す平面図である。
【図16】同磁気ヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図15におけるX1−X2線断面図である。
【図17】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、基板材上に非磁性非導電性膜が成膜された状態を示
す平面図である。
【図18】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図17におけるX3−X4線断面図である。
【図19】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、軟磁性薄膜層を所定の形状とするためのフォトレジ
スト膜が形成された状態を示す平面図である。
【図20】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図20におけるX5−X6線断面図である。
【図21】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、軟磁性薄膜が第1の非磁性非導電層によって平坦化
された状態を示す図である。
【図22】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図21におけるX7−X8線断面図である。
【図23】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第2の非磁性非導電層が形成された状態を示す図で
ある。
【図24】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図23におけるX9−X10線断面図である。
【図25】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、MR素子用薄膜が成膜された状態を示す平面図であ
る。
【図26】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図25におけるX11−X12線断面図である。
【図27】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、一対の永久磁石層が形成された状態を示す平面図で
ある。
【図28】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図27におけるB部を拡大して示す平面図である。
【図29】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図28におけるX13−X14線断面図である。
【図30】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、一対の永久磁石層上に第1の導電性金属層が形成さ
れた状態を示す平面図である。
【図31】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図30におけるX15−X16線断面図である。
【図32】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、MR素子となる部分及び第2の導電性金属層となる
部分以外のMR素子用薄膜が除去された状態を示す平面
図である。
【図33】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図32におけるX17−X18線断面図である。
【図34】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第2の導電性金属層が形成された状態を示す平面図
である。
【図35】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図34におけるX19−X20線断面図である。
【図36】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第3の非磁性非導電性層が形成された状態を示す平
面図である。
【図37】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図36におけるX21−X22線断面図である。
【図38】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第2の軟磁性金属層が形成された状態を示す平面図
である。
【図39】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図38におけるX23−X24線断面図である。
【図40】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、逆テーパ型レジスト層が形成された状態を示す平面
図である。
【図41】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図40におけるX25−X26線断面図である。
【図42】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、2層型レジスト層が形成された状態を示す平面図で
ある。
【図43】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図42におけるX27−X28線断面図である。
【図44】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第2の軟磁性金属層が2層型レジスト層のパターン
通りに形成された状態を示す平面図である。
【図45】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第3の導電性金属層が形成された状態を示す平面図
である。
【図46】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図45におけるX29−X30線断面図である。
【図47】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第4の非磁性非導電性層が形成された状態を示す平
面図である。
【図48】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、図47におけるX31−X32線断面図である。
【図49】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、多数のMRヘッド素子が形成された第1の基板材を
示す平面図である。
【図50】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、多数のMRヘッド素子が横方向に並ぶよう切断され
た磁気ヘッドブロックを示す平面図である。
【図51】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、第2の基板材を貼り付けた磁気ヘッドブロックを示
す斜視図である。
【図52】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、媒体摺動面に対して研削加工を施した磁気ヘッドブ
ロックを示す斜視図である。
【図53】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、磁気ヘッドブロックの分割方法を示す平面図であ
る。
【図54】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、研削を施す前の状態の媒体摺動面を表す平面図であ
る。
【図55】同MRヘッドの製造工程を説明する図であ
り、研削を施した後の状態の媒体摺動面を表す平面図で
ある。
【図56】同MRヘッドを搭載した回転ドラムを示す斜
視図である。
【図57】同MRヘッドを搭載した記録再生装置におけ
る記録再生機構を示す概略図である。
【図58】研削を施した各MRヘッドにおけるMR素子
のデプスのばらつきを示す図である。
【符号の説明】
1 MRヘッド、2 第1の基板、3 下部磁気シール
ド層、6 MR薄膜、12 上部磁気シールド層、15
第2の基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状記録媒体に対して摺接して用い
    られる磁気抵抗効果型磁気ヘッドであって、 テープ状記録媒体の摺接方向に、第1の磁気シールド部
    材と、磁気抵抗効果素子と、第2の磁気シールド部材と
    をこの順で備えるとともに、これらの各部材がテープ状
    記録媒体が摺接する媒体摺接面に露出してなり、 上記第1及び第2の磁気シールド部材のうち少なくとも
    一方は、上記磁気抵抗効果素子のデプスに応じて、上記
    媒体摺接面における断面のトラック幅方向の長さ及び/
    又は位置が変化する形状で形成されていることを特徴と
    する磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記第1及び第2の磁気シールド部材の
    うち一方は、上記磁気抵抗効果素子のデプスに応じて、
    上記媒体摺接面におけるトラック幅方向の断面長さが長
    くなる形状で形成されているとともに、 上記第1及び第2の磁気シールド部材のうちの他方は、
    上記媒体摺接面におけるトラック幅方向の断面長さが短
    くなる形状で形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記第1及び第2の磁気シールド部材の
    うち一方は、上記磁気抵抗効果素子のデプスに応じて、
    上記媒体摺接面におけるトラック幅方向の断面位置が所
    定の方向で変化する形状で形成されているとともに、 上記第1及び第2の磁気シールド部材のうちの他方は、
    上記媒体摺接面におけるトラック幅方向の断面位置が、
    一方とは逆方向に形成されていいることを特徴とする請
    求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 回転ドラムに搭載されて、テープ状記録
    媒体に記録された磁気信号をヘリカルスキャン方式によ
    って読みとることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗
    効果型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法で
    あって、 基板上に、第1の磁気シールド部材と、磁気抵抗効果素
    子と、第2の磁気シールド部材とを順次形成する部材形
    成工程と、 上記基板の一側面に対して研削加工及び/又は研磨加工
    を施すことにより、上記第1及び第2の磁気シールド部
    材、及び磁気抵抗効果素子を露出させて、テープ状記録
    媒体が摺接する媒体摺接面を形成する摺接面加工工程と
    を有し、 上記部材形成工程においては、上記第1及び第2の磁気
    シールド部材のうちの少なくとも一方を、上記磁気抵抗
    効果素子のデプスに応じて、上記媒体摺接面におけるト
    ラック幅方向の断面長さ及び/又は断面位置が変化する
    形状で形成し、 上記摺接面加工工程においては、上記第1及び第2の磁
    気シールド部材の断面長さ及び/又は断面位置に応じて
    加工量を調整することにより、上記磁気抵抗効果素子の
    デプスを決定することを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
    ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記摺接面加工工程においては、上記第
    1及び第2の磁気シールド部材の断面長さ及び/又は断
    面位置に加えて、上記磁気抵抗効果素子の抵抗値を測定
    した結果に応じて加工量を調整することを特徴とした請
    求項5記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
JP34137299A 1999-11-30 1999-11-30 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法 Withdrawn JP2001160204A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7206172B2 (en) 2004-02-20 2007-04-17 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Electrical lapping guide embedded in a shield of a magnetic head

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