JP2001158032A - ヒンジ付発泡樹脂製品 - Google Patents

ヒンジ付発泡樹脂製品

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JP2001158032A
JP2001158032A JP34582699A JP34582699A JP2001158032A JP 2001158032 A JP2001158032 A JP 2001158032A JP 34582699 A JP34582699 A JP 34582699A JP 34582699 A JP34582699 A JP 34582699A JP 2001158032 A JP2001158032 A JP 2001158032A
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mold
cavity
injection molding
hinge portion
resin
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JP34582699A
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Shoichi Miura
昭一 三浦
Hirofumi Yamada
宏文 山田
Shigekazu Kumazaki
重和 熊崎
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Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/02Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles for articles of definite length, i.e. discrete articles
    • B29C44/04Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles for articles of definite length, i.e. discrete articles consisting of at least two parts of chemically or physically different materials, e.g. having different densities
    • B29C44/0446Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles for articles of definite length, i.e. discrete articles consisting of at least two parts of chemically or physically different materials, e.g. having different densities by increasing the density locally by compressing part of the foam while still in the mould

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤を含んだ樹脂によってヒンジ部を備え
たヒンジ付発泡樹脂製品を提供すること。 【解決手段】 本発明のヒンジ付発泡樹脂製品1は、気
泡の存在しない表面のスキン層Q1と当該スキン層Q1
内の発泡層Q2との2層構造であって、スキン層Q1の
要素のみからなるヒンジ部2と、そのヒンジ部2を境に
して両側に分割された発泡層Q2をスキン層で包み込み
当該ヒンジ部2を境にして相対的に折り曲げ可能な平板
部3,4とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤を含んだ樹
脂によってヒンジ部を備えたヒンジ付発泡樹脂製品及
び、それを製造するための射出成形装置並びに射出成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のワゴンタイプやミニバンタイプの
車両は、リヤシートの後部に荷物を載せるためのラゲー
ジスペースを有し、シートバックを前倒しすることによ
ってラゲージスペースが拡大し、シートバック裏面とラ
ゲージフロアとがフルフラットになる機構が採用されて
いる。図12は、こうした車両のリヤシート部分を示し
た側面図である。リヤシート100は、通常の乗車可能
状態では実線で示すようにシートバック101が立てら
れ、ラゲージスペース拡張時に2点鎖線で示すように変
換される。その際、リヤシート100は、シートクッシ
ョン102が前端の軸を中心にほぼ180度前方に回転
し、そのシートクッション102の空いたスペースへ、
ヘッドレスト103を外したシートバック101がほぼ
90度前方へ倒れる。
【0003】ところで、こうした機構を採用した場合、
リヤシート100と後方のラゲージボックス110との
間に隙間Sが出来てしまうので、その隙間Sを塞ぐ必要
があった。そこで、従来、図13に示す二つ折りのシー
トバックボード120が使用されていた。シートバック
ボード120は、2枚の鉄板121,122が蝶番12
3,124によってつなげられたものであり、シートバ
ック101背面とラゲージボックス110間に取り付け
られて隙間Sを塞ぎ、そのシートバック101の動きに
ならい、蝶番123,124の軸を支点に揺動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした従来
のシートバックボード120は、剛性確保のために使用
された鉄板121,122の重量が重く、また蝶番12
3,124等のヒンジ部品の必要により部品点数が多く
なるといった問題の他、組み立て作業が必要であるとい
った問題があった。そのため、従来の鉄板を使用したシ
ートバックボードに代えて樹脂成形品の採用を考え、特
に製品の軽量化及びコスト削減の点から発泡剤を含ませ
た樹脂で成形する発泡成形品の検討を行った。そうした
ところ、ヒンジ部の肉厚は最も薄いところで0.2〜
0.5mmになるため、その部分を成形するキャビティ
の隙間が極めて狭くなり、本来流れの悪い発泡性樹脂が
その隙間を十分に通ることが出来ないため、キャビティ
内に樹脂が十分に広がらない問題があった。
【0005】そのため、ヒンジ部を有する樹脂製品の射
出成形は、例えば特許2806225号公報に記載され
ているように従来から行われているが、それらは発泡剤
を含まなかったり未発泡状態の樹脂が狭い隙間を通すよ
うにしたものであった。従って、従来の射出成形方法で
は、キャビティ内に射出された時点で発泡する樹脂から
ヒンジ付きの製品を成形させることができなかった。ま
た、変形を受けるヒンジ部は強度が必要であるため、ヒ
ンジ部に気泡が存在するのは好ましくなく、発泡剤を含
んだ樹脂を使用しながらも、ヒンジ部だけには気泡が存
在しないように成形する必要があった。
【0006】そこで、本発明は、かかる課題解決を図る
べく、発泡剤を含んだ樹脂によってヒンジ部を備えたヒ
ンジ付発泡樹脂製品及び、それを製造するための射出成
形装置並びに射出成形方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のヒンジ付発泡樹
脂製品は、気泡の存在しない表面のスキン層と当該スキ
ン層内の発泡層との2層構造であって、スキン層の要素
のみからなるヒンジ部と、そのヒンジ部を境にして両側
に分割された発泡層をスキン層で包み込み当該ヒンジ部
を境にして相対的に折り曲げ可能な平板部とを有するこ
とを特徴とする。よって、ある程度の強度を保ちながら
製品自体を軽量化させることができ、蝶番などのヒンジ
部品の使用が必要でなくなり部品点数が減った。また、
ヒンジ部に気泡が存在しないので、十分な耐撓性を得る
ことができる。
【0008】本発明の射出成形装置は、ヒンジ部を境に
して両側に分割された一方の発泡層を含む平板部が他方
の発泡層を含む平板部に対して相対的に折り曲げ可能な
ヒンジ付発泡樹脂製品を、金型のキャビティ内に発泡剤
を含んだ発泡性樹脂を射出して発泡成形するものであっ
て、キャビティを構成する可動金型及び固定金型の一方
にヒンジ部成形用の突起部を備えた金型と、キャビティ
の容積を拡大又は縮小する方向に前記可動金型を移動さ
せる駆動手段と、キャビティ内に発泡性樹脂を射出する
射出手段と、前記突起部による隙間を広くして型閉めし
た前記金型のキャビティ内に発泡性樹脂を射出した後、
前記可動金型を移動させて当該突起部による隙間がヒン
ジ部の肉厚になるように型締めする制御手段とを有する
ことを特徴とする。
【0009】よって、本発明の射出成形装置によれば、
発泡性樹脂を射出する前後でキャビティの容積を変化さ
せるようにしたため、型締め時には極めて狭くなる突起
部によるキャビティの隙間を射出時には広くすること
で、流れの悪い発泡性樹脂でもその広い隙間を通ってキ
ャビティ内を十分に広がり、発泡性樹脂からヒンジ部を
備えたヒンジ付発泡樹脂製品を射出成形することが可能
となった。
【0010】また、本発明の射出成形装置は、前記可動
金型及び固定金型を冷却させる温度制御手段を有するこ
とを特徴とする。よって、本発明の射出成形装置によれ
ば、射出されてキャビティ内で発泡した発泡樹脂は、冷
却された表面にきれいなスキン層がつくられ、型締めし
た金型によって最も薄く成形されたヒンジ部にはスキン
層のみが残り、気泡を含まない耐撓性に優れヒンジ部を
備えたヒンジ付発泡樹脂製品を提供することができるよ
うになった。
【0011】本発明の射出成形方法は、ヒンジ部を境に
して両側に分割された一方の発泡層を含む平板部が他方
の発泡層を含む平板部に対して相対的に折り曲げ可能な
ヒンジ付発泡樹脂製品を、ヒンジ部成形用の突起部を備
えた金型のキャビティ内に発泡剤を含んだ発泡性樹脂を
射出して発泡成形する場合に、可動金型と固定金型とを
完全に型締めせずに前記突起部による隙間を発泡性樹脂
材が十分に流れる程度にキャビティの容積を広げた状態
で型閉めし、そのキャビティ内に当該容積よりも少量の
発泡性樹脂を射出し、発泡性樹脂が発泡してなる発泡樹
脂をキャビティ内で冷やすことによって当該発泡樹脂の
表面にスキン層をつくり、前記可動金型と固定金型とを
完全に型締めしてキャビティの容積を縮小させることに
よって、発泡樹脂をその縮小したキャビティの形状に整
えるとともに、前記突起部が発泡層部分を両側に押し分
けてスキン層同士を接着させてヒンジ部を成形すること
を特徴とする。
【0012】よって、本発明の射出成形装置によれば、
発泡性樹脂を射出する前後でキャビティの容積を変化さ
せるようにしたため、型締め時には極めて狭くなる突起
部によるキャビティの隙間を射出時には広くすること
で、流れの悪い発泡性樹脂でもその広い隙間を通ってキ
ャビティ内を十分に広がり、発泡性樹脂からヒンジ部を
備えたヒンジ付発泡樹脂製品を射出成形することが可能
となった。
【0013】また、本発明の射出成形方法は、前記可動
金型及び固定金型にカーペット又は表皮を挟み込み、前
記キャビティ内に当該カーペット又は表皮を入れた状態
で射出成形したことを特徴とする。本発明の射出成形方
法によれば、キャビティ内のカーペット等に作用する圧
力は、発泡性樹脂の発泡時に加わる力や、型締め時に発
泡した樹脂を押し付ける際に加わる力であって、いずれ
も低圧であるため、毛倒れが起こりにくく、表面の感触
を損なうことなく一体成形することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るヒンジ付発泡
樹脂製品及び、これを成形する射出成形装置並びに射出
成形方法の一実施の形態について図面を参照して説明す
る。本実施の形態で説明するヒンジ付発泡樹脂製品は、
シートバックボードであり、図1にその斜視図を示す。
また、図2は、図1のA部を示した拡大図である。シー
トバックボード1は、ヒンジ部2を境にして2枚の平板
部3,4が一体に成形され、その平板部3,4がヒンジ
部2を支点として相対的に折り曲げ可能に形成されたも
のである。シートバックボード1は、平板部3,4の厚
さが数ミリであるのに対し、ヒンジ部2の厚さbは0.
2〜0.5mmで形成されたものである。
【0015】先ず、こうしたシートバックボード1の射
出成形装置について簡単に説明する。射出成形装置に
は、一般的な横形射出成形装置が採用され、図3に示す
ように可動金型11と固定金型12とを中心に構成され
ている。図3は、本実施の形態の射出成形装置の主要部
を簡略化して示した断面図である。この射出成形装置
は、可動金型11と固定金型12とに囲まれて出来る空
間によって、シートバックボード1を成形するキャビテ
ィ10が形成される。具体的に、可動金型11は、シー
トバックボード1を平らにした状態の大きさで凹部11
aが形成された雌型であり、固定金型12は、可動金型
11の凹部11aに嵌挿可能な同形の凸部12aが形成
された雄型である。そして、更に固定金型12の凸部1
2aには、その凸部12a端面に、紙面を貫く方向(Y
方向)に連なった三角形状の突起12bが設けられてい
る。なお、この図3及び後段で示す図4乃至図11は、
成形品の厚さ方向(Z方向)に寸法を大きく、縦(横)
方向(X方向)の寸法を小さく誇張して示しているが、
実際は、厚さ方向に比べて縦横方向(面積)の寸法が非
常に大きく形成されたものである。
【0016】このような可動金型11は、型締シリンダ
13に連結され、その型締シリンダ13の駆動により、
固定金型12との間で型開き及び型閉めを行うべく水平
移動するように構成されている。なお、可動金型11
は、スライド可能な不図示の可動盤を介して型締シリン
ダ13に連結されており、固定金型12は、不図示の固
定盤に固定されて不動状態で設置されている。固定金型
12には、キャビティ10に連通するスプル12cが穿
設され、そこへホッパ14からの樹脂を供給するスクリ
ューシリンダ15が接続されている。スクリューシリン
ダ15内にはスクリュー16が挿入され、そのスクリュ
ー16は、射出シリンダ17を介して油圧モータ18に
直結されている。型締シリンダ13及び射出シリンダ1
7は、共に油圧シリンダである。
【0017】射出成形装置は、こうした機械的構造の他
に電気制御部を有し、動作制御及び温度制御を行うよう
構成されている。電気制御部には、例えばマイクロプロ
セッサを使用し、成形条件を数値制御することによっ
て、可動金型11の移動や射出成形材の射出などの動作
制御を行わせるよう構成されている。また、温度制御
は、射出成形する発泡性樹脂を熱分解させるためにスク
リューシリンダ15を加熱する一方、キャビティ10内
で発泡した発泡樹脂を冷却させるために可動金型11及
び固定金型12を所定温度に保つように構成されてい
る。なお、本実施の形態では、スクリューシリンダ15
は200℃にまで加熱され、可動金型11及び固定金型
12は15〜20℃に冷やされている。そして、シート
バックボード1を成形する射出成形材には、ポリプロピ
レン(PP)等の熱可塑性樹脂に無機発泡剤や所定の添
加剤を加えた発泡性樹脂を使用する。
【0018】次に、こうした装置を利用して行うシート
バックボード1(図1参照)の射出成形方法について説
明する。ここで、図4乃至図7は、射出成形工程を示し
た金型部分の断面図であり、装置を構成する他の部分に
ついては以下図3を適宜参照する。先ず、型締シリンダ
13の駆動により、図3に示すように型締めする手前の
位置まで可動金型11を移動(図面右側方向)させ、そ
の可動金型11と固定金型12とをはめ合わせた型閉め
状態を維持する。このとき、可動金型11の凹部11a
底面と固定金型12の突起12c先端との隙間Mは、後
にキャビティ10内に射出された発泡性樹脂がスムーズ
に流れるように、十分な距離がとられている。こうした
状態のキャビティ10を拡大キャビティ10Aという。
【0019】続いて、ホッパ14内へ熱可塑性樹脂に発
泡剤を加えた発泡性樹脂が投入されると、油圧モータ1
8の駆動により、その発泡性樹脂がスクリューシリンダ
15内に供給される。供給された発泡性樹脂は、回転す
るスクリュー16によって、加熱されたスクリューシリ
ンダ15内で混練、可塑化されて溶融樹脂となる。溶融
した発泡性樹脂は、スクリュー16の螺旋溝に沿って前
方(固定金型12側)へと順次送られる。そして、スク
リューシリンダ15内に発泡性樹脂が貯留されたところ
で、油圧モータ18の駆動停止によってスクリュー16
の回転を止め、続く射出シリンダ17の駆動によってス
クリュー16を前方へ直線運動させる。
【0020】スクリュー16の前進によって、スクリュ
ーシリンダ15の先端部分に貯留している発泡性樹脂が
押し出され、図4に示すように固定金型12のスプル1
2cを通って拡大キャビティ10A内に射出される。こ
うした発泡性樹脂Pの射出は、拡大キャビティ10の容
積に比べてかなり少ない量になるようにする。これは、
発泡性樹脂Pが発泡して体積を拡大させ、また後述する
ように拡大キャビティ10Aの容積を縮小させるからで
ある。発泡性樹脂Pは、射出されて拡大キャビティ10
A内に入ると、減圧によって発泡する。そのため、射出
後所定時間放置して発泡性樹脂Pを発泡させることによ
り、図5に示すような大きさにまで体積を拡大させた発
泡樹脂Qとする。このとき、体積は約1.2倍にまで膨
れる。但し、この発泡樹脂Qの体積も、拡大キャビティ
10Aの容積よりは小さい。
【0021】こうして、発泡した発泡樹脂Qは、可動金
型11及び固定金型12の温度制御によって拡大キャビ
ティ10A内が冷却されているため、その表面が冷やさ
れて固化し、気泡の存在しないスキン層Q1が形成さ
れ、内部の発泡層Q2と2層構造になる。そして、所定
時間経過後、型締シリンダ13の駆動によって可動金型
11と固定金型12とを完全に閉じ、図6に示すように
型締めさせる。型締めによって容積の縮小したキャビテ
ィ10を縮小キャビティ10Bという。従って、図5に
示す拡大キャビティ10Aの時の発泡樹脂Qは、縮小キ
ャビティ10B内の隅々にまで充填された状態で型締め
され、シートバックボード1の製品形状に成形される。
【0022】可動金型11及び固定金型12が図5の状
態から図6の型締め状態へと変化する際、発泡樹脂Q
は、内部の発泡層Q2が突起部12bによって両側に分
けられ、固定金型12側のスキン層Q1が突起部12b
の先端で可動金型11側のスキン層Q1に押し付けられ
て接着する。図8に、シートバックボード1のヒンジ部
2の拡大断面図を示す。縮小キャビティ10Bとなった
ときの可動金型11の凹部11a底面と固定金型12の
突起12c先端との隙間M1は、シートバックボード1
のヒンジ部2の厚さb(図2参照)であり、0.2〜
0.5mmである。そして、縮小キャビティ10Bによ
って成形した発泡樹脂Qを金型11,12内に所定時間
放置し、型締めした状態で冷却固化させてシートバック
ボード1を形成する。その後、図7に示すように型締シ
リンダ13の駆動によって固定金型12に対して可動金
型11を開き、シートバックボード1を取り出す。
【0023】よって、本実施の形態の射出成形装置及び
その装置を使用した射出成形方法によれば、極めて薄い
ヒンジ部2を成形するためのキャビティ10を、成形時
に、拡大キャビティ10Aと縮小キャビティ10Bとの
2段階制御するようにしたので、拡大キャビティ10A
の状態では流れの悪い発泡性樹脂Pのキャビティ内の広
がりを良くし、その後型締めして縮小キャビティ10B
の状態にすることで、ヒンジ部を境にして両側に発泡層
を有する発泡樹脂製品、即ちシートバックボード1を成
形することができるようになった。従って、シートバッ
クボード1を発泡剤を含んだ樹脂によって成形すること
が可能となり、従来の鉄板を使用していたものに比べ、
極めて軽く、しかも安価にシートバックを提供すること
が可能となった。
【0024】また、拡大キャビティ10Aの状態でスキ
ン層Q1を形成し、縮小キャビティ10Bにしたときに
スキン層Q1同士を接着させてヒンジ部2を成形するよ
うにしたので、発泡樹脂製品でありながらヒンジ部2に
はほとんど気泡が存在せず、耐撓性に優れた製品を提供
することができるようになった。また、可動金型11及
び固定金型12を温度制御し、射出した発泡性樹脂を効
果的に冷却するようにしたので、キャビティ10内で発
泡して固化した樹脂表面の仕上がりが良くなった。
【0025】ところで、本実施の形態の射出成形装置に
よれば、シートバックボード1にカーペットや表皮の一
体成形を行うことが可能である。そうした場合には、図
9に示すように表を可動金型11側にして固定金型12
との間にカーペット20を置き、先に説明したと同様に
して成形を行う。そこで、可動金型11が移動して固定
金型12との間で型閉めを行うと、カーペット20は両
金型11,12に挟み込まれ、図10に示すようにほぼ
可動金型11の凹部11aに沿うように折り曲げられ
る。これは、可動金型11の凹部11a(図9参照)の
深さ寸法が、実際には縦横の寸法に比べて極めて小さい
ので、両金型11,12に挟み込まれたカーペット20
自身の深さ方向部分の剛性によって、ほぼ直角に折り曲
げられるからである。従って、固定金型12の突起12
b先端とカーペット20との間には、発泡性樹脂が流れ
る十分な隙間ができる。
【0026】そして、固定金型11側をカーペット20
によって覆われたキャビティ内に発泡性樹脂が射出され
ると、図10に示すように、発泡性樹脂が突起12bの
隙間を通ってキャビティ内に広がって発泡する。その発
泡樹脂は、キャビティ内で冷やされて表面にスキン層を
つくり、その後図11に示す型締めによって製品形状に
成形されて冷却固化する。カーペット20の裏面には成
形されたシートバックボードが接着するように接着用シ
ートを貼っておくなどしてアンカー処理が施されてい
る。そして、カーペット20と一体成形されたシートバ
ックボード1は、型開きによって取り出され、カーペッ
ト20の余分な部分が切り取られる。なお、こうしたカ
ーペット20や表皮を一体成形する場合には、カーペッ
ト20等の厚みを考慮して、これを挟み込むための金型
11,12の隙間や、突起12bの高さに関して設計変
更が必要となる。
【0027】よって、本実施の形態の射出成形装置及び
その装置を使用した射出成形方法によれば、成形時にカ
ーペット20を可動金型11側へ押し付ける圧力が低い
ため、毛倒れが起こりにくく、表面の感触を損なうこと
なく製造することができる。このカーペット20等に作
用する圧力は、発泡性樹脂の発泡時に加わる圧力や、型
締め時に発泡した樹脂を押し付ける際に加わる圧力であ
る。
【0028】以上、本発明に係る一実施の形態について
説明したが、本発明は、これに限定されることなく、そ
の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例
えば、シートバックボードはヒンジ付発泡樹脂製品の一
例であって、本発明の射出成形装置及び射出成形方法の
成形対象製品はこれに限定されるものではない。
【0029】
【発明の効果】本発明は、気泡の存在しない表面のスキ
ン層と当該スキン層内の発泡層との2層構造であって、
スキン層の要素のみからなるヒンジ部と、そのヒンジ部
を境にして両側に分割された発泡層をスキン層で包み込
み当該ヒンジ部を境にして相対的に折り曲げ可能な平板
部とを有するヒンジ付発泡樹脂製品の提供によって、軽
量化、ヒンジ部品を不要として部品点数を削減した。
【0030】また、本発明の射出成形装置は、キャビテ
ィを構成する可動金型及び固定金型の一方にヒンジ部成
形用の突起部を備えた金型と、キャビティの容積を拡大
又は縮小する方向に前記可動金型を移動させる駆動手段
と、キャビティ内に発泡性樹脂を射出する射出手段と、
前記突起部による隙間を広くして型閉めした前記金型の
キャビティ内に発泡性樹脂を射出した後、前記可動金型
を移動させて当該突起部による隙間がヒンジ部の肉厚に
なるように型締めする制御手段とを有する構成としたの
で、発泡性樹脂からヒンジ部を備えたヒンジ付発泡樹脂
製品を射出成形することが可能となった。
【0031】また、本発明の射出成形方法は、容積を広
げた状態で型閉めしたキャビティ内に当該容積よりも少
量の発泡性樹脂を射出し、発泡性樹脂が発泡してなる発
泡樹脂をキャビティ内で冷やすことによって当該発泡樹
脂の表面にスキン層をつくり、その後可動金型と固定金
型とを完全に型締めしてキャビティの容積を縮小させる
ことによって、発泡樹脂をその縮小したキャビティの形
状に整えるとともに、前記突起部が発泡層部分を両側に
押し分けてスキン層同士を接着させてヒンジ部を成形す
るようにしたので、発泡性樹脂からヒンジ部を備えたヒ
ンジ付発泡樹脂製品を射出成形することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形装置及び射出成形方法で
成形するシートバックボードを示した斜視図である。
【図2】図1のA部を拡大した図である。
【図3】本発明に係る射出成形装置の一実施の形態につ
いて、その主要部を簡略化して示した断面図である。
【図4】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態につ
いて、その一工程を示した金型の断面図である。
【図5】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態につ
いて、その一工程を示した金型の断面図である。
【図6】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態につ
いて、その一工程を示した金型の断面図である。
【図7】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態につ
いて、その一工程を示した金型の断面図である。
【図8】シートバックボード1のヒンジ部2の拡大断面
である。
【図9】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態につ
いて、カーペット一体成形の一工程を示した金型の断面
図である。
【図10】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態に
ついて、カーペット一体成形の一工程を示した金型の断
面図である。
【図11】本発明に係る射出成形方法の一実施の形態に
ついて、カーペット一体成形の一工程を示した金型の断
面図である。
【図12】車両のリヤシート部分を示した側面図であ
る。
【図13】従来のシートバックボードを示した斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 シートバックボード 2 ヒンジ部 3,4 平板部 10(10A,10B) キャビティ 11 可動金型 12 固定金型 12b 突起 13 型締シリンダ 14 ホッパ 15 スクリューシリンダ 16 スクリュー 17 射出シリンダ 18 油圧モータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 熊崎 重和 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA11 AB02 AG03 AG20 AG30 AH26 AR06 AR07 AR12 CA11 CB01 CB13 CK17 CL01 CN05 CQ01 4F206 AA11 AB02 AG03 AG20 AG30 AH26 AR064 AR074 AR12 JA04 JB13 JL02 JN25 JN33 JN36 JN43 JP18 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気泡の存在しない表面のスキン層と当該
    スキン層内の発泡層との2層構造であって、スキン層の
    要素のみからなるヒンジ部と、そのヒンジ部を境にして
    両側に分割された発泡層をスキン層で包み込み当該ヒン
    ジ部を境にして相対的に折り曲げ可能な平板部とを有す
    ることを特徴とするヒンジ付発泡樹脂製品。
  2. 【請求項2】 ヒンジ部を境にして両側に分割された一
    方の発泡層を含む平板部が他方の発泡層を含む平板部に
    対して相対的に折り曲げ可能なヒンジ付発泡樹脂製品
    を、金型のキャビティ内に発泡剤を含んだ発泡性樹脂を
    射出して発泡成形する射出成形装置において、 キャビティを構成する可動金型及び固定金型の一方にヒ
    ンジ部成形用の突起部を備えた金型と、 キャビティの容積を拡大又は縮小する方向に前記可動金
    型を移動させる駆動手段と、 キャビティ内に発泡性樹脂を射出する射出手段と、 前記突起部による隙間を広くして型閉めした前記金型の
    キャビティ内に発泡性樹脂を射出した後、前記可動金型
    を移動させて当該突起部による隙間がヒンジ部の肉厚に
    なるように型締めする制御手段とを有することを特徴と
    する射出成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の射出成形装置におい
    て、 前記可動金型及び固定金型を冷却させる温度制御手段を
    有することを特徴とする射出成形装置。
  4. 【請求項4】 ヒンジ部を境にして両側に分割された一
    方の発泡層を含む平板部が他方の発泡層を含む平板部に
    対して相対的に折り曲げ可能なヒンジ付発泡樹脂製品
    を、ヒンジ部成形用の突起部を備えた金型のキャビティ
    内に発泡剤を含んだ発泡性樹脂を射出して発泡成形する
    場合に、 可動金型と固定金型とを完全に型締めせずに前記突起部
    による隙間を発泡性樹脂材が十分に流れる程度にキャビ
    ティの容積を広げた状態で型閉めし、 そのキャビティ内に当該容積よりも少量の発泡性樹脂を
    射出し、 発泡性樹脂が発泡してなる発泡樹脂をキャビティ内で冷
    やすことによって当該発泡樹脂の表面にスキン層をつく
    り、 前記可動金型と固定金型とを完全に型締めしてキャビテ
    ィの容積を縮小させることによって、発泡樹脂をその縮
    小したキャビティの形状に整えるとともに、前記突起部
    が発泡層部分を両側に押し分けてスキン層同士を接着さ
    せてヒンジ部を成形することを特徴とする射出成形方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の射出成形方法におい
    て、 前記可動金型及び固定金型にカーペット又は表皮を挟み
    込み、前記キャビティ内に当該カーペット又は表皮を入
    れた状態で射出成形したことを特徴とする射出成形方
    法。
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