JP2001155731A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JP2001155731A
JP2001155731A JP33570699A JP33570699A JP2001155731A JP 2001155731 A JP2001155731 A JP 2001155731A JP 33570699 A JP33570699 A JP 33570699A JP 33570699 A JP33570699 A JP 33570699A JP 2001155731 A JP2001155731 A JP 2001155731A
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JP
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secondary battery
electrolyte
metal
active material
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JP33570699A
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Kaneyasu Chiyou
金保 趙
Jun Sato
佐藤  淳
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Hitachi Maxell Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオウ系の正極活物質を用い、高容量の二次
電池を提供する。 【解決手段】 金属塩を元素イオウと反応させることに
よって高電気化学活性を有するポリサルファイド金属塩
を合成し、これを正極活物質として用い、このポリサル
ファイド金属塩からなる正極活物質と導電体とバインダ
ーを含む複合体で正極を構成し、上記正極と、負極と、
上記の正極と負極に対して化学的に安定で、かつそれら
の電極間にイオンを移動させる電解質とで二次電池を構
成する。上記正極活物質を構成するポリサルファイド金
属塩としては、一般式MSx (式中、Mは金属で、xは
2以上の数である)で示されるポリサルファイド金属塩
が好ましく、電解質としてはゲルポリマー電解質が好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極活物質として
ポリサルファイド金属塩を用いた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】国際市場における携帯式電子デバイスの
急速拡大に伴って、二次電池の高性能化への要求が高ま
っている一方、より環境に優しい二次電池の開発が要求
されている。
【0003】そのような状況の中で、低コスト、無害、
高容量であるイオウに対する期待が高まっている。これ
までの主なイオウ系電池は、次の通りである。 Li−イオウ電池やNa−イオウ電池は約20年前
に開発されているが、溶融状態下でしか充放電できない
ため、実用化に至らなかった。 デヨンジー(Dejonghe)らは、有機イオウ
を用いて二次電池を発明した(米国特許第4,833,
048号明細書、米国特許第5,516,598号明細
書)。この有機イオウは有機化合物で、元素イオウを代
表とする活性イオウ、または−〔R(S)y n −構造
(式中、Rは脂肪族化合物、y=1〜6、n=2〜2
0)を有するポリサルファイド(polysulfid
e)である。 エー・スコタイム(A.Skotheim)らとモ
ルテック(Moltech)社は、一般式(C2 x
n (式中、x=2〜100、nは2以上)で示されるポ
リカーボンサルファイド(polycarbon su
lfide)を用いた二次電池を発明した(米国特許第
5,441,831号明細書、米国特許第5,529,
860号明細書)。このポリカーボンサルファイドは主
にカーボンを骨格としてポリサルファイドを側鎖とする
共役構造を持つ。簡単に言えば、骨格を構成する分子内
にカーボンとカーボンのダブル構造を有することを特徴
とする。 小山と松下電器(株)は、導電性ポリマー、例えば
ポリアニリンを有機イオウ化合物とハイブリッド化して
二次電池を作製した(特開平6−67477号公報、特
開平6−150932号公報)。この系は上記デヨンジ
ー(Dejonghe)らの特許と似ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記イ
オウ系電池は次のような問題を有していた。 a.前記におけるような元素イオウは二硫化炭素(C
2 )以外の溶媒に溶けにくく分散溶媒が少ない。ま
た、元素イオウ自身の比重も低いため、カーボン、黒鉛
などの導電体との混合性が良くなく、分離しやすい。し
かも、低沸点、低引火点の二硫化炭素(CS2 )を溶媒
として用いると、非常に危険である。また、イオウのア
ルカリ金属への還元はイオウが絶縁物のため、電極とし
て種々の問題がある。 b.前記におけるような有機イオウ、例えば、ジサル
ファイド(disulfide)は、液体状態の化合物
が多く、電解質溶媒への溶解性が高いため、電池の電極
として使用するにはポリマー化する必要がある。従っ
て、元素イオウと同様に電極の作製が難しい。また、容
量面からもメリットが少ない。 c.前記におけるような一般式(C2 x n で示さ
れるポリカーボンサルファイドは合成が複雑で、コスト
が高い。 d.前記におけるような有機イオウ化合物は、主にジ
サルファイドであって、導電性ポリマーと複合しても、
高容量が実現できない。
【0005】したがって、本発明は、上記のような従来
技術における問題点を解決し、高容量の二次電池を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属塩を元素
イオウと反応させることにより、高電気化学活性を有す
るポリサルファイド(polysulfide)金属塩
を合成し、これを正極活物質として用いることによっ
て、高容量の二次電池を実現し、上記課題を解決した。
【0007】すなわち、本発明では、元素イオウに金属
塩を反応させることにより、元素イオウの持つ安定な環
状構造を開環させて、高電気化学活性のポリサルファイ
ド金属塩を得て、それを正極活物質として用いることに
より、高容量の二次電池を得たのである。
【0008】また、上記元素イオウと金属塩との反応は
簡単で、原料のコストも安い。さらに、金属塩の導入に
よって得られたポリサルファイド化合物は元素イオウよ
りも導電体との混合性がよく、組成が均一な正極を作製
することができる。しかも、導入した金属塩から生じる
金属イオンも系の電池化学活性の向上に寄与する。
【0009】
【発明の実施の形態】上記ポリサルファイド金属塩は、
一般式MSx (式中、Mは金属で、xは2以上の数であ
る)で示され、そのポリサルファイド金属塩としては、
例えば、Fe 2+、Fe3+、Cu+ 、Cu2+またはTi、
Vなどを代表とする重金属のポリサルファイド塩などが
好ましく、xはあまりに大きくなりすぎると、その金属
塩は粉体化しにくくなり、導電体との混合性が低下し
て、正極の作製が困難になるおそれがあるため、上記の
ように2以上であって20以下が好ましい。そして、上
記ポリサルファイド金属塩の好適な具体例としては、例
えば、FeSx (x=2〜20)、CuSx (x=2〜
20)、TiSx (x=2〜20)、CdSx (x=2
〜20)などが挙げられる。
【0010】正極は、上記ポリサルファイド金属塩、導
電体、バインダーなどの複合体で構成されるが、上記導
電体としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックのよう
な炭素材料、導電性ポリマーなどが好ましく、また、上
記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアセン、ポリ
アセチリン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフ
ィンのような共役構造を有するポリマーやそれらのメチ
ル、ブチル、ベンジルなどの側鎖を有する誘導体などが
好ましい。そして、上記バインダーとしては、例えば、
ポリフッ化ビニリデン、無定形ポリエーテル、ポリアク
リルアミド、溶媒に溶解性を有するポリアニリン、ポリ
ピロール、またはそれらの1種または2種以上の化合物
のコポリマーまたは架橋される化合物などのように正極
活物質に対して化学的に安定でかつ正極活物質に対して
強い接着力を有する高分子化合物であることが好まし
い。
【0011】負極は、リチウム、ナトリウムなどのアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属、またはそれらの混合物またはアルミニウムなど
との合金、リチウムなどのアルカリ金属挿入炭素、スズ
(Sn)および炭素または他の金属との複合物、リチウ
ムコバルトの窒素化合物、ポリアセン、ポリアセチリ
ン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールのよ
うな共役構造を有するポリマーやそれらのメチル、ブチ
ル、ベンジルなどの側鎖の有する誘導体などからなる導
電性ポリマーなどが挙げられる。
【0012】電解質としては、例えば、無機固体電解
質、有機固体電解質、ゲルポリマー電解質などが用いら
れ、上記無機固体電解質としては、例えば、ナトリウム
/アルミナ(Al2 3 )、60LiI−40Al2
3 、Li3 N、5Li−4Li 2 S−2P2 5 、Li
2 N・LiIなどが好適に用いられ、有機固体電解質と
しては、例えば、無定形、低相転移温度(Tg)のポリ
エーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポ
リマーのブレンド物などが好適に用いられ、ゲルポリマ
ー電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、
ポリアクリロニトリルなどの直鎖状ポリマー、エチレン
とアクリロニトリルとのコポリマーまたは紫外線照射し
て架橋されたポリマーにエチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネートなどの低分子量非水溶媒を加え、それ
に電解質塩を添加したイオン伝導性ゲルポリマー電解質
などが好適に用いられる。
【0013】また、前記の電解質塩としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属やマグネ
シウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン塩、過塩素酸
塩およびトリフロロメタンスルホン酸塩を代表とする含
フッ素化合物の塩よりなる群から選ばれる少なくとも1
種が好ましく、そのような電解質塩の具体例としては、
例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸リチ
ウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、四ホウフ
ッ化リチウム、ビストリフロロメチルスルホニルイミド
リチウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸マグネシウ
ム、トリフロロメタンスルホン酸マグネシウム、四ホウ
フッ化ナトリウムなどが挙げられる。
【0014】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。また、実施例に先立ち、実施例
において正極活物質として用いるポリサルファイド(p
olysulfide)金属塩の合成例を示す。なお、
以下の実施例、合成例において、溶液または分散液の濃
度を示す%や組成、収率などを示す%も特にその単位を
付記しないかぎり重量基準による%である。
【0015】合成例1 60gのNa2 S(9H2 O)〔M(分子量)=24
0、0.25mol〕を125mlのエタノール/水
(容量比1:1)の混合溶媒に溶解し、これに36gの
元素イオウS8 (M=32×8=256、1.125m
olS)を添加して室温下で2時間反応させた。溶媒を
真空吸引により除去してから、残留物を350mlの
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かし、そ
の溶液に101gの硝酸鉄の水和物〔Fe(NO3 3
9H2 O(M=404、0.25mol)〕を加えて、
室温下で1時間反応させた。これに100gの純水を加
えるとポリサルファイド金属塩の沈殿物が得られた。こ
の沈殿物を水、アセトン、メタノールで順次洗浄した
後、40℃で12時間真空乾燥して、茶色の固体を得
た。収量は54gで、収率は93%であった。この茶色
の生成物を熱重量測定−示差熱分析法(TG−DTA)
により熱分析したところ、元素イオウに基づく111.
1℃、122.7℃および314℃の強い吸熱ピークが
なくなると共に119.1℃、295.8℃および58
6.2℃に強い吸熱ピークが発生した。生成物は元素分
析によりFe2 (S6.1 3 であることが確認された。
【0016】合成例2 60gのNa2 S(9H2 O)(0.25mol)を1
25mlのエタノール/水(容量比1:1)に溶解し、
これに36gの元素イオウ(1.125molS)を添
加して室温下で2時間反応させた後、未反応のイオウを
濾過して除去した。溶媒を真空吸引により除去した後、
残留物を350mlのN,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)に溶解し、これに50gの塩化鉄(II)水和
物〔FeCl2 ・4H2 O(M=198.8、0.25
mol)〕を加え、室温下で1時間反応させた。これに
100gの純水を加えてポリサルファイド金属塩の沈殿
物を得た。この沈殿物を水、アセトン、メタノールで順
次洗浄した後、40℃で12時間真空乾燥して、茶色の
固体を得た。収量は53gで、収率は91%であった。
この茶色の生成物は、合成例1の場合と同様に、TG−
DTA法と元素分析で分析したところ、FeS6.4 であ
ることが確認された。
【0017】合成例3 60gのNa2 S(9H2 O)(0.25mol)を1
25mlのエタノール/水(容量比1:1)に溶解し、
これに36gの元素イオウ(1.125molS)を添
加して室温下で2時間反応させた後、未反応のイオウを
濾過して除去した。これに62.5gの硫酸銅(II)五
水和物〔CuSO4 ・5H2 O(M=249.7、0.
25mol)〕を加え、硫酸銅が溶解するまで攪拌し
た。生成したポリサルファイド金属塩の沈殿を濾過した
後、多量の水、アセトン、メタノールで順次洗浄した
後、40℃で12時間真空乾燥して、茶色の固体を得
た。収量は40gで、収率は67%であった。この茶色
の生成物は、合成例1の場合と同様に、TG−DTA法
と元素分析で分析したところ、CuS5.3 であることが
確認された。
【0018】実施例1 上記合成例2で得られたポリサルファイド金属塩(Fe
6.4 )(以下、「SPS」という、理論容量=152
0mAh/g)を正極活物質として用い、導電体として
グラファイト(Graphite)〔ロンザ社製KS−
6(商品名)〕とアセチレンブラックを用い、バインダ
ーとしてポリフッ化ビニリデン(ただし、濃度12%の
N−メチルピロリドン溶液として使用)を用い、溶剤と
してN−メチルピロリドン(以下、「NMP」という)
を用いて、次の組成で正極合剤含有ペーストを調製し
た。なお、正極合剤含有ペーストを示す組成表におい
て、正極合剤を構成する成分については、その使用量の
後に括弧書きでそれらの正極合剤中で占める比率を示
す。
【0019】 正極合剤含有ペースト SPS 15g(50%) グラファイト 6g(20%) アセチレンブラック 3g(10%) ポリフッ化ビニリデン 6g(20%) ただし、12%NMP溶液としては50g使用 NMP 80g
【0020】上記正極合剤含有ペーストの調製は、SP
S、グラファイト、アセチレンブラックを10分間乾式
混合してからNMPを添加し、30分間混合してポリフ
ッ化ビニリデンのNMP溶液を加え、さらに1時間混合
した後、ミルで12時間混合することによって行った。
【0021】得られた正極合剤含有ペーストを厚さ20
μmのアルミニウム箔(サイズ:250mm×220m
m)に塗布し、50℃のホットプレート上で10分間乾
燥し、さらに80℃で10時間以上真空乾燥して、正極
を作製した。
【0022】負極には厚さ200μmの金属リチウム箔
をニッケル網上に載せてローラでプレスして圧着したも
のを用いた。
【0023】つぎに、以下に示すようにしてゲルポリマ
ー電解質層を作製した。
【0024】アミン化合物であるJeffamineX
TJ−502〔AHEW(活性水素当量)=525、商
品名、Huntsman corpration、US
A〕100gを130gのPC/EC(1/1wt)に
溶かし、これに25.2gのエポキシ樹脂SR−8EG
〔商品名、坂木薬品社製、エポキシ当量=290〕を添
加して、室温下で7日間反応させた。上記PC/EC
(1/1wt)にはプロピレンカーボネート(PC)と
エチレンカーボネート(EC)との重量比1:1の混合
溶媒であることを示している。
【0025】そして、上記JeffamineXTJ−
502は次の式で示され、
【化1】 (式中、a+c=39.5、b=39.5である)
【0026】上記エポキシ樹脂SR−8EGは次の式
【化2】 (式中、d=8である)
【0027】そして、上記JeffamineXTJ−
502とエポキシ樹脂SR−8EGとの反応は、次の反
応式によって進行する。
【0028】
【化3】
【0029】上記JeffamineXTJ−502と
エポキシ樹脂SR−8EGとの反応により得られた薄黄
色の透明溶液にLiCF3 SO3 を1.0Mになるよう
に加え、均一に溶解するまで攪拌した。一方、ウレタン
〔三井化学社製のAX−1043(商品名)、−NCO
の含率8.60%〕をMEC/EC(2/1wt)のL
ICF3 SO3 の1.0M溶液に溶解した。上記MEC
/EC(2/1wt)はメチルエチルカーボネート(M
EC)とエチレンカーボネート(EC)との重量比2:
1の混合溶媒であることを示す。
【0030】上記JeffamineXTJ−502と
エポキシ樹脂SR−8EGとの反応により得られかつL
iCF3 SO3 を溶解させたアミン化合物溶液とウレタ
ン溶液とを、活性水素と−NCOのモル比が1.1:
1.0になるように混合し、その混合液に平均厚さ80
μmの不織布を浸漬し引き上げ後2時間放置してゲルポ
リマー電解質層を作製した。このゲルポリマー電解質層
のポリマーの含率を12.5%、電解質塩のLiCF3
SO3 濃度を1Mに調整し、室温下でのイオン伝導率を
測定したところ1×10-3S・cm-1であった。
【0031】上記正極と負極とをゲルポリマー電解質層
を介した積層した状態の電極体を図1に示す。
【0032】ここで、図1に示す電極体について説明す
ると、正極1はアルミニウム箔からなる集電体1aの一
方の面に正極合剤層1bを形成することによって構成さ
れ、負極2はニッケル網からなる集電体2aの一方の面
に金属リチウム箔2bを圧着することによって構成さ
れ、これらの正極1と負極2とはその正極合剤層1bと
金属リチウム箔2bとが対向するようにゲルポリマー電
解質層3を介して積層されている。
【0033】比較例1 正極活物質として、ポリサルファイド金属箔に代えて元
素イオウ(理論容量=1675mAh/g)を用いた以
外は、実施例1と同様に、正極と負極とをゲルポリマー
電解質層を介した積層した状態の電極体を作製した。
【0034】上記実施例1および比較例1の電極体を用
いてそれぞれ試験用電池を作製し、それらの電池を0.
2C(約1.2mA)で1.5Vまで初度放電してか
ら、さらに0.2Cで5時間4.65Vまで充電し、
0.2Cで1.5Vまで放電する充放電サイクルを20
回繰り返し、その1回目と5回目の放電容量を測定し、
それを正極活物質1g当りの放電容量に換算した。その
結果を表1に示す。なお、上記試験用電池の作製にあた
って用いた正極は反応面(ゲルポリマー電解質層を介し
て負極と対向する面)の面積が30mm×20mmのも
のであった。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1で正極活物質として用いたFeS6.4 は、従来から
使用されている比較例1の元素イオウに比べて、放電容
量が大きく、高容量であった。しかも、1回目の放電容
量は利用率が44.7%に相当した。
【0037】実施例2 前記合成例1で得られたポリサルファイド金属塩〔Fe
2(S6.1 3 〕を正極活物質として用いた以外は、実
施例1と同様に、正極と負極とをゲルポリマー電解質層
を介して積層した状態の電極体および試験用二次電池を
作製した。
【0038】この実施例2の電池について、実施例1の
場合と同様に充放電を繰り返し、その5サイクル目の放
電容量を測定し、正極活物質1g当りの放電容量に換算
したところ、672mAh(理論容量=1637mAh
/g)であり、実施例2で正極活物質として用いたFe
2(S6.1 3 も、従来から使用されている比較例1の
元素イオウに比べて、高容量であった。
【0039】実施例3 前記合成例3で得られたポリサルファイド金属塩(Cu
5.3 )を正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様に、正極と負極とをゲルポリマー電解質層を介した
積層した状態の電極体および試験用二次電池を作製し
た。
【0040】この実施例3の電池について、実施例1の
場合と同様に充放電を繰り返し、その5サイクル目の放
電容量を測定し、正極活物質1g当りに換算したとこ
ろ、437mAh(理論容量=930mAh/g)であ
り、実施例3で正極活物質として用いたCuS5.3 も、
従来から使用されている比較例1の元素イオウに比べて
高容量であった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、高容
量の二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】正極と負極とをゲルポリマー電解質層を介在さ
せて積層した状態の電極体の要部を模式的に示す断面図
である。
【符号の説明】
1 正極 1a 集電体 1b 正極合剤層 2 負極 2a 集電体 2b 金属リチウム箔 3 ゲルポリマー電解質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA02 BB00 BB01 BB02 BB03 BB11 BB15 BD00 5H014 AA02 AA06 EE01 EE05 EE07 EE08 EE10 HH00 5H029 AJ03 AK15 AK16 AL06 AL12 AM07 AM11 AM12 AM16 DJ08 EJ04 EJ13 HJ02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリサルファイド金属塩からなる正極活
    物質、導電体およびバインダーを含む複合体からなる正
    極と、負極と、上記の正極と負極に対して化学的に安定
    で、かつそれらの電極間にイオンを移動させる電解質と
    を有することを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 前記の正極活物質が、一般式MSx (式
    中、Mは金属で、xは2以上の数である)で示されるポ
    リサルファイド金属塩である請求項1記載の二次電池。
  3. 【請求項3】 前記の導電体が、黒鉛、カーボンブラッ
    クのような炭素材料および導電性ポリマーよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の二次電
    池。
  4. 【請求項4】 前記のバインダーが、ポリフッ化ビニリ
    デンのような正極活物質に対して化学的に安定でかつ正
    極活物質に対して強い接着力を有する高分子化合物であ
    る請求項1記載の二次電池。
  5. 【請求項5】 前記の負極が、アルカリ金属、アルカリ
    土類金属、アルカリ金属挿入炭素、導電性ポリマー、そ
    れらの混合物、それらの複合体およびそれらの金属を主
    成分とする金属合金よりなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含有する請求項1記載の二次電池。
  6. 【請求項6】 前記の導電性ポリマーが、ポリアセン、
    ポリアセチリン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチ
    オフェンのような共役構造を有するポリマーおよびそれ
    らの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項3または5記載の二次電池。
  7. 【請求項7】 前記の電解質が、無機固体電解質、有機
    固体電解質およびゲルポリマー電解質よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項1記載の二次電池。
  8. 【請求項8】 ゲルポリマー電解質が、ポリエチレンオ
    キサイド、ポリアクリロニトリルなどのポリマーにプロ
    ピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの低分
    子量非水溶媒と電解質塩を保持させたイオン伝導性ポリ
    マー電解質である請求項7記載の二次電池。
  9. 【請求項9】 前記の電解質塩が、アルカリ金属のハロ
    ゲン塩、アルカリ金属の過塩素酸塩、アルカリ土類金属
    の過塩素酸塩およびトリフロロメタンスルホン酸塩を代
    表とする含フッ素化合物の塩よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種である請求項8記載の二次電池。
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