JP2001155331A - 磁気ディスク用基板およびその研磨方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板およびその研磨方法

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JP2001155331A
JP2001155331A JP33960299A JP33960299A JP2001155331A JP 2001155331 A JP2001155331 A JP 2001155331A JP 33960299 A JP33960299 A JP 33960299A JP 33960299 A JP33960299 A JP 33960299A JP 2001155331 A JP2001155331 A JP 2001155331A
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disk substrate
polishing
carrier
rotation
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Koichi Otani
幸一 大谷
Tsutomu Okabe
務 岡部
Satoshi Hirano
平野  聡
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク基板の各部分相互間に異方性を
生じさせる原因となる研磨痕やうねりの小さい磁気デス
ク基板およびその研磨方法を提供する。 【解決手段】 複数の異なる方向の研磨痕を有する磁気
ディスク基板5であって、水平両面同時研磨装置1が備
える上下の円盤状砥石2、3の回転を停止した後に、磁
気ディスク基板5を砥石2、3の内周側と外周側を往復
するように移動して前記研磨痕が形成された磁気ディス
ク基板5、および、砥石2、3の回転を停止した後に、
磁気ディスク基板5を砥石2、3の内周側と外周側を往
復するように移動させる研磨方法によって、上記課題を
解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨ムラやうねり
の小さい磁気ディスク用の基板およびその研磨方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターで使用されている磁気デ
ィスク装置では、開口した内径部を有するドーナツ盤状
の磁気ディスクが高速回転し、その上を流体力学的に浮
上する磁気ヘッドによって信号の記録・再生が行われて
いる。そのため、磁気ディスクには、高い表面平坦度が
要求されている。こうした表面平坦度を向上させるため
に、従来から、磁気ディスク用の基板(以下「磁気ディ
スク基板」という。)の研磨工程の改良、磁気ディスク
基板の焼鈍工程の改良、磁気ディスク基板の上に積層す
る磁性膜等の均一性の改良等がなされている。特に、ア
ルミニウム合金を基板とする磁気ディスクにおいては、
アルミニウム合金基板の表面平坦度を高めるため、平面
研磨装置を用いた高精度な研磨が行われている。このと
き使用される平面研磨装置は、いわゆる水平両面同時研
磨装置であり、上下に配置された円盤状の平面研磨砥石
(以下「砥石」という。)の間に、研磨すべき複数のア
ルミニウム合金基板をセットした複数のキャリアを挟
み、上下の砥石の回転運動と、キャリアの公転運動およ
び自転運動とによって、セットされたアルミニウム合金
基板の表裏両面を研磨する装置である(図1を参
照。)。
【0003】こうした研磨装置による磁気ディスク基板
の研磨は、特許第2659235号および特開平11−
138425号公報に開示されている。これらの先行技
術は、研磨終了時に、キャリアの自転運動と公転運動を
停止し、その後遅れてまたは同時に、上下の砥石の回転
を停止させる方法である。そして、上下の砥石を遅れて
停止させる場合には、研磨痕である引き目が一方向に揃
った磁気ディスク基板が得られ、また、上下の砥石を同
時に停止させる場合には、引き目がない磁気ディスク基
板が得られるとしたものである。これらの方法のうち、
上下の砥石を遅れて停止させて得られた磁気ディスク基
板は、図4(b)に示されるように、キャリアを停止し
た後の上下砥石の回転によって一方向の引き目が形成さ
れるので、外観が綺麗で光沢があるという利点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上下の
砥石を遅れて停止させて得られた磁気ディスク基板に
は、砥石の回転によって一方向の研磨痕である引き目
(図4(b)、左下図と右下図を参照。)が形成され、
さらに、砥石の内周側から外周側に向かって存在する砥
石表面のうねりがキャリアに配置された磁気ディスク基
板にそのまま形成されることとなる。こうした一方向の
引き目やうねりは、磁気ディスク基板内の各部分相互間
に異方性を生じさせるので、後の完成品である磁気ディ
スクにもそうした異方性が残存し、HDDヘッドの追従
性に関して好ましくない結果となるおそれがあった。
【0005】また、上下の砥石を同時に停止させて得ら
れた磁気ディスク基板には、実際には、磁気ディスク基
板内の各部分相互間および磁気ディスク基板相互間に、
一方向の引き目のある部分と無い部分が不規則に混在す
るといった問題がある。しかも、その混在の程度が、加
工条件により一定せずに不安定になるという問題もあっ
た。
【0006】本発明は、こうした問題を解決するために
なされたものであって、磁気ディスク基板の各部分相互
間に異方性を生じさせる原因となる一方向の研磨痕やう
ねりがなく、ランダム目が安定して形成された磁気デス
ク基板およびその研磨方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の磁気ディスク
基板の発明は、複数の異なる方向の研磨痕を有する磁気
ディスク基板であって、前記研磨痕が、水平両面同時研
磨装置が備える上下の円盤状砥石の回転を停止した後
に、前記磁気ディスク基板を前記砥石の内周側と外周側
を往復するように移動して形成されたことに特徴を有す
る。
【0008】この発明によれば、磁気ディスク基板が複
数の異なる方向の研磨痕、すなわちランダム目を有する
ので、一方向の研磨痕が形成された従来の磁気ディスク
基板とは異なり、磁気ディスク基板内の各部分相互間に
生じる異方性やうねりが小さい。さらに、そうした研磨
痕が、水平両面同時研磨装置が備える上下の円盤状砥石
の回転を停止した後に、磁気ディスク基板を砥石の内周
側と外周側を往復するように移動して形成されるので、
砥石の各部分で研磨されることとなる。そのため、砥石
の各部分に存在するうねりがそのまま磁気ディスク基板
に形成されることがない。こうして得られた磁気ディス
ク基板は、その各部分の相互間に異方性を生じさせる原
因となる一方向の研磨痕やうねりが軽減されて小さくな
り、ランダム目が形成される。その結果、後の完成品で
ある磁気ディスクにおいても研磨痕やうねりに基づいた
異方性が小さく、HDDヘッドの追従性に関して好まし
い。
【0009】請求項2の磁気ディスク用基板の研磨方法
の発明は、水平両面同時研磨装置が備える上下の円盤状
砥石の回転によって平面研磨を行う磁気ディスク用基板
の研磨方法において、前記砥石の回転を停止した後に、
前記磁気ディスク基板を前記砥石の内周側と外周側を往
復するように移動させることに特徴を有する。
【0010】この発明によれば、水平両面同時研磨装置
が備える上下の円盤状砥石の回転を停止した後に磁気デ
ィスク基板を砥石の内周側と外周側を往復するように移
動させるので、磁気ディスク基板は、前記の砥石の回転
が停止する前とは異なった内周側と外周側の砥石部分に
よって研磨されることとなる。その結果、磁気ディスク
基板の表面の研磨痕は、砥石の回転が停止する直前に設
けられた一方向の円弧状研磨痕を、砥石の回転が停止し
た後に設けられる研磨痕が覆うように形成される。こう
して得られた磁気ディスク基板は、その各部分の相互間
に異方性を生じさせる原因となる一方向の研磨痕やうね
りが軽減されて小さくなり、安定したランダム目が形成
されているので、後の完成品である磁気ディスクにおい
ても研磨痕やうねりに基づいた異方性が小さく、HDD
ヘッドの追従性に関して好ましい結果になる。
【0011】請求項3の発明は、請求項2に記載の磁気
ディスク基板の研磨方法において、前記磁気ディスク基
板の移動が、前記磁気ディスク基板を複数配した円盤状
のキャリアの回転によってなされることに特徴を有す
る。
【0012】この発明によれば、磁気ディスク基板の移
動が、前記磁気ディスク基板を複数配した円盤状のキャ
リアの回転によってなされるので、一度に多数の磁気デ
ィスク基板を、砥石の回転が停止する前とは異なった内
周側と外周側の砥石部分で研磨することができ、より安
定したランダム目を形成することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項3に記載の磁気
ディスク基板の研磨方法において、前記キャリアの回転
が、前記砥石の外周側に設けられた外周ギアと内周側に
設けられた内周ギアの操作によって制御されることに特
徴を有する。
【0014】この発明によれば、砥石の外周側に設けら
れた外周ギアと内周側に設けられた内周ギアの操作によ
ってキャリアの回転が制御されるので、外周ギアおよび
/または内周ギアの操作という簡単な操作によって、磁
気ディスク基板の各部分の相互間に異方性を生じさせる
原因となる研磨痕やうねりを軽減でき、より安定したラ
ンダム目を形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気ディスク基
板およびその研磨方法の実施形態について説明する。
【0016】図1は、本発明の磁気ディスク基板の研磨
方法を実施する平面研磨装置の一例を示す模式的な斜視
図であり、図2は、図1の平面研磨装置の横断面模式図
であり、図3は、内周ギアと外周ギアとによって制御さ
れるキャリアと、そのキャリアにセットされた磁気ディ
スク基板の動きを説明する平面模式図である。
【0017】本発明の磁気ディスク基板の研磨方法を実
施する平面研磨装置1は、図1および図2に示すよう
に、円盤状の上盤砥石2と下盤砥石3とを備える一般的
な水平両面同時研磨型の研磨装置を使用することができ
る。この研磨装置1において、下盤砥石3の外周側には
外周ギア(以下「インターナルギア6」という。)が設
けられ、下盤砥石3の内周側には内周ギア(以下「サン
ギア7」という。)が設けられている。上下の砥石2、
3の間には、複数の磁気ディスク基板5がセットされた
円盤状の専用のキャリア4が概ね等間隔で配置される。
このキャリア4の外周端には、上記のインターナルギア
6とサンギア7に噛み合う歯車8が形成されている。な
お、上盤砥石2と下盤砥石3は、通常、逆方向に回転す
る。
【0018】キャリア4は、図3に示すように、インタ
ーナルギア6および/またはサンギア7を操作すること
によって、砥石2、3の周りを公転運動するように移動
し、さらにキャリア4自身も自転運動する。通常、サン
ギア7のみを回転させ、インターナルギア6を回転させ
ない場合が多いが、インターナルギア6のみを回転させ
たり、インターナルギア6をサンギア7と逆方向に回転
させるように操作してもよく特に制限されない。
【0019】キャリア4にセットされた磁気ディスク基
板5は、キャリア4の自転運動によって砥石2、3の外
周側と内周側を往復するように移動しつつ、キャリアの
公転運動によって砥石2、3の周りを回転しながら上下
の砥石2、3によって両面研磨される。
【0020】本発明の磁気ディスク基板の研磨方法は、
こうした研磨装置1を用いて以下の手順によって実施さ
れる。
【0021】先ず、磁気ディスク基板5に対して通常行
う所定の研磨が行われる。キャリア4にセットされた磁
気ディスク基板5の研磨は、研磨装置1が備える上下の
砥石2、3を回転させつつ、インターナルギア6および
/またはサンギア7の回転操作により、キャリア4を自
転運動させながら公転運動させることによって行われ
る。研磨時間等の研磨条件は、磁気ディスク基板5の材
質、砥石2、3の種類、研磨剤の種類等によって適宜設
定される。
【0022】所定の研磨が終了した後、砥石2、3の回
転を停止する。このとき、磁気ディスク基板5の表面に
は、図4(b)(左下図と右下図)に示すように、砥石
2、3の回転が停止する直前に設けられた一方向の円弧
状の研磨痕10が形成される。この一方向の研磨痕10
(「引き目」ともいう。以下同じ。)は、同一の磁気デ
ィスク基板内の各部分でその付き方に異方性を生じさせ
る結果となる。例えば、磁気ディスク基板5の一部分に
は、円周に沿うように研磨痕が形成され、他の部分に
は、外周部と中心部とを結ぶように研磨痕が形成され
る。さらに、磁気ディスク基板5には、砥石2、3の有
する表面うねりに基づいたうねりが形成される場合があ
る。こうしたうねりは、同一の磁気ディスク基板内で
も、同一のキャリア4内の他の磁気ディスク基板間でも
それぞれ起こるおそれがある。
【0023】その後、磁気ディスク基板5を砥石2、3
の内周面と外周面を往復するように移動させる。磁気デ
ィスク基板5は、通常、専用のキャリア4にセットされ
ているので、磁気ディスク基板5の上記の移動は、その
キャリア4の回転によって生じるものである。キャリア
4は、上述したインターナルギア6および/またはサン
ギア7を操作させることにより回転し、そのキャリア4
にセットされた複数の磁気ディスク基板5は、いわば衛
星運動のように移動する。このように移動する磁気ディ
スク基板5は、砥石2、3の回転が停止する前とは異な
った砥石部分、すなわち砥石2、3の外周側の部位や内
周側の部位、で研磨される。研磨される磁気ディスク基
板5の表面は、砥石2、3の回転が停止する直前に形成
された一方向の研磨痕10を覆うように、新たな研磨痕
9が複数形成される。この新たな研磨痕9は、砥石2、
3の停止後に内周面と外周面を往復するように移動して
形成されるので、上記の一方向の研磨痕10とは異なる
方向にランダム目を形成することとなる。
【0024】最後に、磁気ディスク基板5の移動を停止
して、研磨作業を終了させる。通常、インターナルギア
6および/またはサンギア7の操作を停止してキャリア
4の回転を止め、そのキャリア4にセットされた磁気デ
ィスク基板5の移動を停止する。
【0025】研磨終了後の磁気ディスク基板5は、複数
の異なる方向の研磨痕9からなるランダム目を有してい
る。そのため、従来のように、一方向の研磨痕10が形
成された磁気ディスク基板とは異なり、磁気ディスク基
板5内の各部分相互間に生じる異方性やうねりが小さ
い。さらに、砥石2、3の回転を停止した後に、磁気デ
ィスク基板5を砥石2、3の内周側と外周側を往復する
ように移動させるので、磁気ディスク基板5の表面は、
砥石2、3の各部分で研磨されている。そのため、砥石
2、3の各部分に存在するうねりがそのまま磁気ディス
ク基板5に形成されることもない。こうして得られた磁
気ディスク基板5には、安定したランダム目が形成され
ており、その各部分の相互間に異方性を生じさせる原因
となる研磨痕やうねりが小さい。さらに、同一のキャリ
ア4内の他の磁気ディスク基板間のうねりの差も等しく
小さくなる。
【0026】なお、本発明の研磨方法において、インタ
ーナルギア6および/またはサンギア7の操作は、上述
のように適宜設定することができる。例えば、インター
ナルギア6とサンギア7とを反対方向に等速で回転させ
れば、キャリア4は公転運動せずに元の位置で自転運動
する。また、インターナルギア6を回転させずにサンギ
ア7のみを回転させれば、キャリア4はゆっくりと公転
運動しながら自転運動する。サンギア7を回転させずに
インターナルギア6のみを回転させる場合も同じであ
る。何れの場合であっても、キャリア4にセットされた
磁気ディスク基板5は、砥石2、3の外周側と内周側を
往復するように移動し、その両面が研磨される。こうし
た動作によって、砥石2、3の回転が停止する直前に設
けられた一方向の研磨痕10を、新しい研磨痕9が覆う
ように磁気ディスク基板5が研磨される。なお、サンギ
ア7のみを回転させる場合において、キャリア4の公転
速度と同じ速度で上下の砥石2、3を同方向にゆっくり
と回転させることにより、砥石2、3に接するキャリア
4の位置を相対的に変化させないようにすることができ
る。これは、インターナルギア6とサンギア7とを反対
方向に等速で回転させる場合と同じ状態である。このよ
うな制御は、砥石2、3とキャリア4の位置関係を一定
にすることによって、キャリア4の公転成分が抑制さ
れ、自転成分のみが運動するので、ランダム目をより安
定に形成することができる。また、インターナルギア6
のみを動作させて上記と同様な動作をさせることもでき
る。
【0027】こうしたインターナルギア6および/また
はサンギア7の簡単な操作によって、磁気ディスク基板
5の各部分の相互間や、同一のキャリア4内の他の磁気
ディスク基板間相互に異方性を生じさせる原因となる研
磨痕やうねりを小さくすることができる。
【0028】本発明の研磨方法の実施は、通常、上述し
たような平面研磨装置1に、上述の手順を有した機能
(これを、「ランダム目付機能」ともいう。)を付加す
ることによって行うことができる。
【0029】このような磁気ディスク基板5を用いて磁
気ディスクを製造すると、得られた磁気ディスクの表面
の異方性やうねりが小さく、その結果、HDDヘッドの
追従性が好ましい磁気ディスクとすることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。
【0031】研磨装置として、一般的に使用されている
水平両面同時研磨型の研磨装置を用いた。上下の砥石
2、3は、#4000のSiCの砥粒をPVA樹脂に混
ぜ、その混合物をエポキシ樹脂で固めたものを使用し
た。研磨は、上下の砥石2、3を逆回転させ、その最外
周の相対速度(研磨速度)を100m/分とし、加工圧
力約50g/cm2 (4903Pa)を負荷しつつ行っ
た。研磨液は1ウエイで掛けながら行った。このとき、
サンギア7のみを操作することにより、3.5″インチ
の磁気ディスク基板5をセットしたキャリア4に、公転
運動と自転運動を行わせつつ研磨した。
【0032】所定の研磨を行った後、砥石2、3の回転
を停止した。そして、加工圧力を10g/cm2 (98
1Pa)に低下させ、サンギア7のみの回転によってキ
ャリア4を回転させた。キャリア4と砥石2、3との相
対位置が変化しないように、砥石2、3をキャリア4の
公転速度と同じ速度で回転させた。この操作を、約15
秒程度行った後、サンギア7の操作を停止して、研磨作
業を終了した。得られた磁気ディスク基板を実施品とし
た。なお、砥石2、3の回転を停止した後に取り出した
磁気ディスク基板を比較品とした。 (測定と結果)実施品と比較品に対して、表面うねりの
表面形態の観察、表面粗さ測定、表面うねり測定の各測
定を行って評価した。
【0033】図4は、上段の実施品(a)と下段の比較
品(b)の表面形態を示す240倍の鳥かん図と顕微鏡
写真である。表面形態は、表面形状測定器(Zygo社
製)を用いて観察した。比較品(b)(左下図と右下
図)の表面には一方向の研磨痕が形成され、縞状の形態
が観察されたのに対し、実施品(a)(左上図と右上
図)の表面にはそうした研磨痕は見られず、複数の異な
る方向の研磨痕からなるランダム目が形成され、アイラ
ンド状の形態が観察された。
【0034】図5は、実施品(a)と比較品(b)の表
面粗さの測定結果である。表面粗さも表面形状測定器
(Zygo社製)を用いて測定した。比較品の表面粗さ
に対して、実施品の表面粗さが小さくなっていた。
【0035】図6は、実施品とそれを用いた磁気ディス
クの表面うねり測定の測定結果であり、図7は、比較品
とそれを用いた磁気ディスクの表面うねり測定の測定結
果である。表面うねり測定は、表面うねりを定量化でき
る表面形状測定器(Phase Shift社製、商品
名:Opti−flat)を用いて行い、測定波長の範
囲を5段階に分けて、表面うねりを評価した。実施品
は、比較品に比べて、波長範囲が大きい場合の表面うね
りが小さかった。また、実施品を用いた磁気ディスク
も、比較品を用いた磁気ディスクに比べて、波長範囲が
大きい場合の表面うねりが小さかった。こうした結果
は、磁気ディスクを完成させる直前のポリッシュ工程に
よっては磁気ディスクの表面うねりを小さくすることが
困難であるという現状を考慮したとき、磁気ディスク基
板の段階で表面うねりを小さくしておくという本発明の
有効性を示すものである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気ディ
スク基板によれば、一方向の研磨痕が形成された従来の
磁気ディスク基板とは異なり、磁気ディスク基板内の各
部分相互間に生じる異方性やうねりが小さいランダム目
が形成される。さらに、そうした研磨痕が、砥石の各部
分で研磨されることとなるので、砥石の各部分に存在す
るうねりがそのまま磁気ディスク基板に形成されること
がない。
【0037】本発明の磁気ディスク基板の研磨方法によ
れば、磁気ディスク基板は、砥石の回転が停止する前と
は異なった内周側と外周側の砥石部分によって研磨され
ることとなるので、磁気ディスク基板の表面の研磨痕
は、砥石の回転が停止する直前に設けられた一方向の円
弧状研磨痕を、砥石の回転が停止した後に設けられる研
磨痕が覆うようなランダム目が形成される。
【0038】本発明の磁気ディスク基板および本発明の
研磨方法によって得られた磁気ディスク基板は、ランダ
ム目を有し、その各部分の相互間に異方性を生じさせる
原因となる研磨痕やうねりが軽減されるので、後の完成
品である磁気ディスクにも研磨痕やうねりに基づいた異
方性がなく、HDDヘッドの追従性に関して好ましい結
果になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク基板の研磨方法を実施す
る平面研磨装置の一例を示す模式的な斜視図である。
【図2】図1の平面研磨装置の横断面模式図である。
【図3】内周ギアと外周ギアとによって制御されるキャ
リアと、そのキャリアにセットされた磁気ディスク基板
の動きを説明する平面模式図である。
【図4】実施品(a)と比較品(b)の表面形態を示す
240倍の鳥かん図と顕微鏡写真である。
【図5】実施品(a)と比較品(b)の表面粗さの測定
結果である。
【図6】実施品とそれを用いた磁気ディスクの表面うね
り測定の測定結果である。
【図7】比較品とそれを用いた磁気ディスクの表面うね
り測定の測定結果である。
【符号の説明】
1 平面研磨装置 2 上盤砥石 3 下盤砥石 4 キャリア 5 磁気ディスク基板 6 インターナルギア 7 サンギア 8 歯車 9 異なる方向の研磨痕 10 一方向の研磨痕
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 聡 長野県南安曇郡穂高町大字穂高418−1 株式会社アルテクノ内 Fターム(参考) 3C043 BC06 CC04 CC11 DD05 3C058 AA07 AA11 AA16 AA18 AB01 AB06 BC01 BC02 DA06 DA18 5D112 AA24 GA03 GA04 GA09 GA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の異なる方向の研磨痕を有する磁気
    ディスク基板であって、前記研磨痕が、水平両面同時研
    磨装置が備える上下の円盤状砥石の回転を停止した後
    に、前記磁気ディスク基板を前記砥石の内周側と外周側
    を往復するように移動して形成されたことを特徴とする
    磁気ディスク基板。
  2. 【請求項2】 水平両面同時研磨装置が備える上下の円
    盤状砥石の回転によって平面研磨を行う磁気ディスク用
    基板の研磨方法において、 前記砥石の回転を停止した後に、前記磁気ディスク基板
    を前記砥石の内周側と外周側を往復するように移動させ
    ることを特徴とする磁気ディスク基板の研磨方法。
  3. 【請求項3】 前記磁気ディスク基板の移動が、前記磁
    気ディスク基板を複数配した円盤状のキャリアの回転に
    よってなされることを特徴とする請求項2に記載の磁気
    ディスク基板の研磨方法。
  4. 【請求項4】 前記キャリアの回転が、前記砥石の外周
    側に設けられた外周ギアと内周側に設けられた内周ギア
    の操作によって制御されることを特徴とする請求項3に
    記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
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