JP2001154504A - 転写ベルト - Google Patents

転写ベルト

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JP2001154504A
JP2001154504A JP33808799A JP33808799A JP2001154504A JP 2001154504 A JP2001154504 A JP 2001154504A JP 33808799 A JP33808799 A JP 33808799A JP 33808799 A JP33808799 A JP 33808799A JP 2001154504 A JP2001154504 A JP 2001154504A
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transfer belt
belt
layer
rubber
inner layer
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Takahiro Nakagawa
隆弘 中川
Minoru Matsumura
実 松村
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ベルトの可とう性を維持し、従って転写ベルト
装着の方法を変更することなく、しかも駆動時の伸びを
抑制した転写ベルトを提供すること。 【解決手段】体積固有抵抗が104 〜1012Ω・cmの
ゴム状弾性体からなる内層の表面に少なくとも1層から
なる高剛性皮膜層を有し、内層の引張弾性率をE 0
し、高剛性皮膜層を設けたベルト材料の引張弾性率をE
としたとき、E/E 0 ≧2である転写ベルトとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機に
おいてトナー画像を普通紙等に転写する工程において使
用される転写ベルトに関するものである。本発明のベル
トは、電子写真の基本原理を使用する他の機器、例えば
レーザービームプリンター、ファクシミリ等にも使用可
能であり、複数種のカラートナーを使用するカラー複写
機に使用される中間転写ベルトにも使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に普通紙複写機と称されている電子
写真方式の複写機は、光導電性を有する感光体上に静電
気的に付着したトナーにより形成されたトナー画像を普
通紙、フィルムなどに転写し、転写されたトナー画像を
持つ用紙等をベルト等の送紙手段により定着ローラーへ
と搬送し、加熱された定着ローラーを通過させて用紙上
に定着させることにより複写画像ないしプリント画像を
形成することを基本原理とするものである。
【0003】上述の、感光体上で静電気により粉末状の
トナー粒子を付着して形成されたトナー画像を普通紙に
転写する際には、帯電して感光体に付着しているトナー
と逆の電荷を用紙等に与える必要が有り、かかる電荷付
与のための手段としては、チャージャー、転写ローラー
等が従来から使用されている。
【0004】しかし、チャージャーを使用しても別途ロ
ーラー等の用紙等をニッピングする手段が必要であると
共に用紙類を定着装置まで搬送する搬送ベルトも必要で
あり、装置の部品点数が多く必要である。そのために部
品管理工数や組立工数の増加等の課題を有する。
【0005】また、転写ローラーを使用する方法は、感
光体とローラー間のニップ幅が狭く、転写画像の鮮明さ
が劣ること等の問題を有している。
【0006】このような問題を解決すると同時に、転写
機能と用紙送り機能を併せ持たせ、転写画像を鮮明にす
ると共に部品点数の減少を図ることを目的として転写ベ
ルトが採用されつつある。
【0007】また、転写ベルトは、カラーコピー機にあ
っては、カラー画像形成過程において複数のカラートナ
ーを重ね合わせてカラートナー画像を形成する目的でも
使用される。
【0008】かかる転写ベルトとしては、ポリクロロプ
レンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)を使用した実施例を記載した特開平10−1
29876号公報、熱可塑性エラストマーを基材である
内層として使用した特公平6−6456号公報記載の転
写ベルトが公知である。
【0009】また、主としてカラーコピー機への使用を
目的とした転写ベルトとしては、特開昭62−1862
86号公報、特開平9−269675号公報、特開平1
0−171265号公報、特開平10−186875号
公報記載の技術が公知である。
【0010】転写ベルトは、一般に少なくとも2本のロ
ーラーにより数%の伸長率を与えた緊張状態で複写機等
に装着され、使用される。この複数本のローラーの1本
が駆動ローラーであり、駆動ローラーの回転によって、
ベルトが駆動される。転写ベルトは、前述の複数本のロ
ーラーの間で感光体や中間転写ドラム等にたわみを形成
して接触するものであり、十分な可とう性を有したもの
であることが要求される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知技術のベル
トは、基材として高モジュラスの樹脂シートないしフィ
ルムを使用するベルト(特開昭62−186286号公
報、特開平9−269675号公報、特開平10−17
1265号公報)と基材としてゴムもしくは熱可塑性エ
ラストマーを使用する弾性体ベルトに大別される。
【0012】弾性体ベルトは、内層用基材としては、導
電性充填剤を配合して電気抵抗値を所定範囲に調整した
ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)等の架橋ゴム材料やカーボンブ
ラックを添加した熱可塑性エラストマー等のゴム状弾性
体が使用される。
【0013】しかし、上記のゴム状弾性体は十分な可と
う性を付与するために低伸長時のモジュラスも低いもの
であり、停止状態から駆動ローラーが回転して駆動トル
クが負荷された場合に、駆動により伸長応力がかかる面
には瞬間的に伸びが発生し、その反対側には弛みが生じ
る。特に、近年のように高速複写が行われる場合には駆
動ローラーが瞬時に高速回転を開始するために、ベルト
に発生する上記の伸び、弛みが大きくなり、その結果、
転写される画像ににじみやカラーコピーの場合には色ズ
レ等の問題が発生する。最近の画像技術の高精度化とト
ナーの微粒子化によって微細な画像が形成される中でか
かるベルトの歪による画像不良は無視できない状況にな
り、改善が要求される。
【0014】これを回避するために高剛性のベルト材
料、例えば高モジュラスのゴムを使用する方法、従来の
ゴム材料を使用しつつその厚さを厚くして伸びを抑える
方法、樹脂シートないしフィルムを使用する技術が知ら
れている。
【0015】しかし、上記の方法ではいずれも転写ベル
トの可とう性そのものが低下し、そのためベルトを装着
するために必要な張力が大きくなって、ローラーやこれ
を支持する軸受け、フレーム等のベルト装着の手段を根
本的に変更する必要が生じ、また駆動ローラーとベルト
の間の滑りを防止する手段等も必要となる場合が生じ
る。さらには、樹脂ベルトの場合には、紙等の感材をニ
ップする性能が弾性体ベルトに比べて低く、屈曲性がそ
れ程よくないために繰り返し使用による疲労によって割
れが生じる場合があり、また駆動ローラーとの間で起こ
るスリップや蛇行により色ズレが生じる場合がある。蛇
行を防止するためには装置に蛇行防止ガイドを設けた
り、ベルトの端部に補強材を設ける等の手段が必要とな
り、構造が複雑になって好ましいものではない。
【0016】上記の公報には、かかる課題並びにこれを
解決する手段はなんら記載されていない。
【0017】本発明の目的は、ベルトの可とう性を維持
し、従って転写ベルト装着の方法を変更することなく、
しかも駆動時の伸びを抑制した転写ベルトを提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の転写ベルトは、
体積固有抵抗が104 〜1012Ω・cmのゴム状弾性体
からなる内層の表面に少なくとも1層の皮膜層からなる
高剛性皮膜層を有しており、前記内層の引張弾性率をE
0 とし、前記高剛性皮膜層を設けたベルト材料の引張弾
性率をEとしたとき、E/E0 ≧2であることを特徴と
するものである。
【0019】内層を従来のモジュラスを有するゴム材料
を使用し、内層の表面に高剛性皮膜層を形成してベルト
全体としての引張弾性率Eを、E/E0 ≧2とすること
によって、可とう性並びに紙葉類のニップ能力を維持し
つつ駆動による伸びが抑制された、かつ装着の方法を変
更する必要のない転写ベルトが形成される。
【0020】高剛性皮膜層構成材料は引張弾性率が高
く、可とう性であれば、破断伸び等は特に問題ではな
い。高剛性皮膜層は1層である必要はなく、上述の特性
を備えていれば接着層等を含む複数皮膜層にて構成され
ていてもよい。またベルトの表面側(用紙等と接する
側)、裏面側(駆動ローラー接触側)の両面に設けられ
てもよい。高剛性皮膜層がベルトの両面に設けられる場
合、表面と裏面の構成は同じであっても異なってもよ
い。
【0021】高剛性皮膜層の厚さは5〜300μmであ
ることが好ましい。厚過ぎると可とう性が不十分になる
場合があり、またベルト全体の厚さを所定範囲にしよう
とすると、内層を薄くする必要が生じ、内層自体の製造
が難しくなる。また高剛性皮膜層が薄過ぎると、E/E
0 ≧2という条件を満たすことが難しくなる。E/E 0
は、20以下であることが好ましい。
【0022】内層を構成する材料の体積固有抵抗は10
4 〜1012Ω・cmの範囲にあることが必要である。1
4 Ω・cm未満の場合にはベルトにチャージされた電
荷が逃げやすく、転写に必要な電位を確保することが難
しい。また1012Ω・cmを超えると帯電により発生し
た電荷を除去することが難しくなり、トナーが静電気の
作用により付着する結果ベルト表面のクリーニングが困
難となる。即ち、上記の体積固有抵抗の範囲を充足しな
い場合は、目的とする転写ベルトの性能が十分に発揮さ
れない。
【0023】本発明の転写ベルトは、前記内層の引張弾
性率が5〜70MPaであることが好ましい。ここにい
う引張弾性率は、JIS K 6254に規定される低
変形引張試験に準じて試験を行い、予備引張りを行わず
に測定した結果から算出した値である。
【0024】内層の引張弾性率が5MPa未満の場合に
は、高剛性皮膜層を厚くすることが必要になり、内層の
有する導電性の効果が十分発揮されなくなり、70MP
aを超えると内層の圧縮弾性率も低下し、紙葉類のニッ
プ能力が低下する。
【0025】上述の転写ベルトにおいては、前記内層に
隣接する皮膜層が、ポリウレタンであることが好まし
い。
【0026】ポリウレタンは、広範な材料との接着性が
良好であるため、内層として使用可能な基材の選択範囲
が広く、しかも可とう性を有しつつ高剛性皮膜層を形成
することが可能であり、E/E0 ≧2を満たすベルトを
製造することが容易に行える。
【0027】内層を構成する材料としてCR、NBR等
の架橋ゴム材料、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル系重合
体とポリウレタンにて形成される海島構造を有する熱可
塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー類などの高
極性のゴム状弾性体を使用する場合には、内層との接着
性がよく、必要に応じて設ける潤滑性表面層との接着性
もよく、ポリエステル系ポリウレタンもしくはポリカー
ボネート系ポリウレタンを上記内層に隣接する皮膜層と
して使用することが好適である。ポリカーボネート系ポ
リウレタンは、引張弾性率が大きく、耐加水分解性に優
れており、特に好適である。
【0028】本発明の転写ベルトの前記内層は、架橋ポ
リクロロプレンゴム、架橋アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、ポリ塩化ビニル系重合体とポリウレタンにて形
成される海島構造を有する熱可塑性エラストマーから選
択されるものであることが好ましい。
【0029】上記のゴム状弾性体は、それ自体で、或い
は必要に応じてカーボンブラック等の添加により、転写
ベルトとして要求される体積固有抵抗を安定、且つ均一
に実現することができ、好ましい材料である。
【0030】本発明の転写ベルトは、さらに、最外の皮
膜層として潤滑性表面層が設けられていることが好まし
い。
【0031】特に前記潤滑性表面層はポリ四フッ化エチ
レン微粉末を含有する水系塗料を塗布して形成された塗
膜層であることが好適である。
【0032】上記の構成により転写工程後になおベルト
表面に残存するトナーをクリーニングブレードやクリー
ニングローラー等によりクリーニング・除去することが
極めて容易に行うことができる。
【0033】ポリ四フッ化エチレン微粉末の存在によ
り、内層側に位置する皮膜層との接着力、耐摩耗性が優
れ、高剛性皮膜層の特性を損なうことなく転写ベルト表
面の潤滑性を高くすることが容易に行える。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の転写ベルトにおいて、内
層を構成する架橋ゴム材料として使用可能な材料として
は以下のものが例示される。
【0035】・ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタ
ジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、ポリクロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム
(アクリロニトリル−ブタジエンゴム;NBR)、エチ
レン−プロピレンゴム(EPDM)等のジエン系合成ゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム
(IIR)、アクリルゴム(ACM,ANM)、ウレタ
ンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM)、エピクロルヒド
リンゴム等の非ジエン系合成ゴム並びに天然ゴムこれら
のゴム材料は単独でもしくは2種以上を混合して使用す
ることも好適である。
【0036】上記のなかでも、特にCR、NBR、エピ
クロルヒドリンゴムを使用することが上述の理由により
好適である。CRはカーボンブラック等の導電性充填剤
の添加により体積固有抵抗を調整する必要があるが、難
燃性に優れているという特徴を有する。NBR、エピク
ロルヒドリンゴムはカーボンブラックを添加しなくても
体積固有抵抗は104 〜1012Ω・cmの範囲の高い領
域に入り、添加すると低い領域に調整することができ、
広範囲な体積固有抵抗を実現することが可能であるとい
う特徴を有する。
【0037】上述のゴム材料は、加硫反応によりゴム分
子間に3次元網目状の架橋が形成され、永久伸びが小さ
くなり、転写ベルトの内層用の基材として好適な材料で
ある。
【0038】これらのゴム材料は導電性充填剤の他に可
塑剤やプロセスオイル、補強充填剤、老化防止剤等のゴ
ム加工において周知の添加剤を添加してバンバリーミキ
サー等の公知の混練装置により混練し、さらに所定の加
硫剤、加硫促進剤等を添加して無端ベルト状に成形さ
れ、内層が構成される。内層の厚みは対象となる複写機
やプリンターに応じて決定されるが、0.3〜2mm程
度であることが好ましい。
【0039】本発明のベルトとして好ましい形状は、周
長が150〜650mm、幅は220〜470mmであ
る。
【0040】加硫ゴム材料を使用した転写ベルト内層の
成形は射出成形法、プレス成形法、トランスファー成形
法、押出成形法等の公知の成形法により行う。厚みを調
整するために研磨ないしは切削加工を行って所定の厚み
に仕上げることは好適な実施態様である。所定の内層の
厚みとなるように調整されたキャビティーを備えたベル
ト表面形成部にパーティング部を有しない2重円筒金型
を使用した射出成形法は、研磨工程を省略することがで
き、特に好ましい。
【0041】内層に導電性を付与するために使用される
導電性充填剤は、ゴム・エラストマー材料に導電性を付
与するために一般的に使用される導電材料は限定なく使
用可能であり、具体的には銅粉末、アルミニウム粉末、
ニッケル粉末等の金属材料、カーボンブラック、炭素繊
維の微粉末、導電処理された酸化チタン、インジウム・
スズ酸化物(ITO)等が例示され、単独でもしくは2
種以上が混合して使用される。
【0042】本発明においては、内層材として熱可塑性
エラストマーを使用すると、リサイクルが可能となっ
て、環境上好ましい。かかる熱可塑性エラストマーとし
ては、ポリエステル系、ポリウレタン系、スチレン−ブ
タジエントリブロック系、ポリオレフィン系等の公知の
熱可塑性エラストマーが使用可能である。
【0043】特に塩化ビニル系重合体成分とエラストマ
ー成分が海島構造に相分離したミクロ相分離構造を有す
る体積固有抵抗が104 〜1012Ω・cmの熱可塑性エ
ラストマーであることが、特に導電性充填剤を添加する
ことなく所定範囲内の体積固有抵抗を達成することがで
き、好適である。
【0044】海島構造に相分離していることにより、強
度も高く、可とう性も十分であり、永久伸びが小さいベ
ルトが得られ、本発明の目的に合致したものとなる。海
島構造は、塩化ビニル系重合体とエラストマー成分のい
ずれが海でいずれが島であってもよいが、塩化ビニル系
重合体が海となっていることが物理特性が転写ベルトに
適したものであり好ましい。
【0045】上記の相分離型の前記熱可塑性エラストマ
ーにあっては、塩化ビニル系重合体の存在下に活性水素
基含有化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて
ポリウレタン系エラストマーを形成させて得られる、海
島構造に相分離したミクロ相分離構造を有する熱可塑性
エラストマーであることがとりわけ好ましい。
【0046】上記の熱可塑性エラストマーの使用によ
り、特に強度が高く、永久伸びも小さく、所定の体積固
有抵抗を備えた転写ベルトが得られる。上述の方法によ
り製造されたものは、前記塩化ビニル系重合体を海とし
たミクロ相分離構造を有する熱可塑性エラストマーであ
り、本発明の転写ベルト材料として特に好適である。
【0047】前記熱可塑性エラストマーは、塩化ビニル
系重合体成分とエラストマー成分の双方に相溶する可塑
剤、及び前記可塑剤に溶解するイオン性導電剤を含有す
るものであることが好ましい。ベルト材料に要求される
体積固有抵抗が所定範囲内の低い領域である場合にも、
その調整が容易となる。
【0048】本発明の転写ベルトは、前記熱可塑性エラ
ストマーをシームレスのベルト状に成形した後、周方向
に少なくとも3%伸長した状態で60℃以上に加熱する
アニーリング処理されたものであることが好ましい。
【0049】かかる処理をされたベルトは、上記の熱可
塑性エラストマーを使用した場合に、特に永久伸びが小
さいものとなる。
【0050】熱可塑性エラストマーを使用した内層も、
公知の方法、例えば押出成形、射出成形法等によって無
端シームレス状のベルトに成形される。
【0051】潤滑性表面層を構成する材料としては、ト
ナーが付着しにくいこと、ベルトの変形に追随する可と
う性を有すること、転写特性に好適な電気的特性を有す
ること、耐摩耗性がよいこと、他の皮膜層と併せて所定
範囲の引張弾性率を達成できること等が必要な特性とし
て要求され、これらの特性を有するものは特に限定なく
使用可能である。
【0052】このような表面層材料としては、潤滑性の
材料、例えば窒化ホウ素等のセラミックス類、ポリ四フ
ッ化エチレン等の高分子化合物、グラファイト等をポリ
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂等
に分散した材料が使用可能であり、有機溶剤の溶液型塗
料ないしは水系のエマルジョン型塗料として塗布するこ
とにより潤滑性を有する表面層を形成することが好まし
い。
【0053】本発明の転写ベルトにおいては、特にポリ
四フッ化エチレン微粉末を含有する塗膜が表面層として
好適であり、作業環境や火災の危険を考慮すると水系の
塗料を使用して塗布・乾燥して形成された塗膜が最も好
適である。表面層の厚さは特に限定されるものではない
が、ベルト全体としての柔軟性、ベルト全体としての厚
さ等を考慮すると3〜100μmの範囲であることが好
ましく、特に5〜20μmの範囲にあることが塗装の容
易さ等をも考慮すると好適である。
【0054】このような塗料としては市販のポリ四フッ
化エチレン微粉末をポリウレタンエマルジョン、ポリエ
ステルエマルジョン等の水系樹脂に、必要に応じて界面
活性剤等を使用して分散したものを使用してもよく、市
販の塗料を使用してもよい。このような塗料としては、
特に好適なものとしてエムラロン−345(日本アチソ
ン社製)が例示できる。塗料には必要に応じて顔料や導
電性調整剤を添加することは任意である。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。内層構成
材料としてポリクロロプレンゴムを使用した例を示した
が、熱可塑性エラストマーを使用しても同様の引張弾性
率を有する転写ベルトを得ることができた。
【0056】(1)内層の作成 表1に記載した配合によりゴムを混練し、射出成形によ
り周長320mm、幅360mm、厚さ1.5mmの無
端ベルトを成形し、表面を研磨して厚さが0.5mmの
内層を作成した。内層のゴム材料の体積固有抵抗は平均
値にて5.0×109 Ω・cmであった。
【0057】
【表1】 (2)第1の皮膜層 材料:スーパーフレックス420(第一工業製薬製) 形成方法:実施例(1)で作成した内層にスプレー法に
て塗布し、厚さ約50μmの内層に隣接する皮膜層を高
剛性皮膜層として形成した。なお、スーパーフレックス
420は、ポリカーボネート系ポリオールを構成材料と
するポリウレタン樹脂を成分とするものである。
【0058】(3)潤滑表面層 潤滑表面層の形成材料としては、水系の塗料であるエム
ラロン345(日本アチソン社製)を使用し、スプレー
塗装法により膜厚約10μmの表面層を作成した。塗料
の希釈、乾燥等の条件はメーカーの標準仕様により行っ
た。
【0059】塗装により潤滑表面層の完成した転写ベル
トは両端をカットして幅340mmの転写ベルトを得
た。得られたベルトはE/E0 =4.0であり、E=4
0MPaであった。
【0060】比較例として高剛性皮膜層を設けないベル
トも同様に作成した。このベルトは、E/E0 =1.2
であり、E=12MPaであった。
【0061】(4)評価 転写ベルト使用タイプであって、複写速度の速い高速機
(50枚/分)にベルトを装着し、線間隔が500μm
の格子模様の原稿の複写を行い、格子模様の再現性を目
視にて観察し、評価した。実施例のベルトを装着した複
写機の格子模様の再現性は良好であったが、比較例のベ
ルトを装着した場合は、格子模様がところどころ潰れた
状態であり、画像の再現性は劣るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18 4F006 AA04 AA17 AB19 AB37 BA02 BA09 CA00 DA04 4F100 AA25 AA37 AK18A AK28C AK45 AK51B AN02C BA03 BA07 BA10A BA10C CA19A CC10A DA20 DE01A GB90 JG04C JK07 YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体積固有抵抗が104 〜1012Ω・cmの
    ゴム状弾性体からなる内層の表面に少なくとも1層の皮
    膜層から構成される高剛性皮膜層を有しており、前記内
    層の引張弾性率をE0 とし、前記高剛性皮膜層を設けた
    ベルト材料の引張弾性率をEとしたとき、E/E0 ≧2
    である転写ベルト。
  2. 【請求項2】前記内層の引張弾性率が5〜70MPaで
    ある請求項1に記載の転写ベルト。
  3. 【請求項3】前記内層に隣接する皮膜層が、ポリウレタ
    ン層である請求項1又は2に記載の転写ベルト。
  4. 【請求項4】前記内層が、架橋ポリクロロプレンゴム層
    である請求項1〜3のいずれかに記載の転写ベルト。
  5. 【請求項5】さらに、最外の皮膜層として潤滑性表面層
    が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の転写
    ベルト。
  6. 【請求項6】前記潤滑性表面層はポリ四フッ化エチレン
    微粉末を含有する水系塗料を塗布して形成された塗膜層
    である請求項5に記載の転写ベルト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007131790A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Fuji Xerox Co Ltd 半導電性ベルトおよび画像形成装置
JP2009237468A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd 無端ベルト及び画像形成装置

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