JP2001151659A - プロテアーゼ阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

プロテアーゼ阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤

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JP2001151659A
JP2001151659A JP33000299A JP33000299A JP2001151659A JP 2001151659 A JP2001151659 A JP 2001151659A JP 33000299 A JP33000299 A JP 33000299A JP 33000299 A JP33000299 A JP 33000299A JP 2001151659 A JP2001151659 A JP 2001151659A
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JP33000299A
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Yuzo Yoshida
雄三 吉田
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は安全性の高い植物由来のプロ
テアーゼ阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤を提供
することにある。 【解決手段】 カヤツリグサ科(Cyperaceae)及び/ま
たはホルトノキ科(Elaeocarpaceae)に属する植物の中
から選ばれる1種または2種以上を有効成分として含有
するプロテアーゼ阻害剤およびそれを配合した抗肌荒れ
用皮膚外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロテアーゼ阻害剤
およびそれを配合した抗肌荒れ用皮膚外用剤、特に植物
由来の阻害剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、皮膚疾患や肌荒れに対して改
善・予防効果を有するものとして種々の治療薬、皮膚外
用剤、化粧料等が知られている。これら従来の薬剤や化
粧料等における有効成分としては、消炎剤や抗炎症作用
を有するとされる動植物の抽出エキス、あるいは保湿・
保水作用の高いアミノ酸や多糖、脂質、天然高分子等
が、皮膚の炎症や角質層の水分の消失を防ぐ能力に優れ
ているために用いられてきた。一方、近年肌荒れや角化
異常を伴う種々の皮膚疾患の病像形成には、プロテアー
ゼ、特にプラスミンやプラスミノーゲンアクチベーター
(PA)といったセリンプロテアーゼの活性変化が深く
関与していることが明らかにされつつある。
【0003】例えば炎症性異常角化性疾患の代表である
乾癬では、その患部表皮の錯角化部位に強いPA活性が
存在すること(Haustein:Arch.Klin.Exp.Dermatol;234,
1969)や、乾癬鱗屑から高濃度の塩溶液を用いてPAを
抽出したという報告(Fraki,Hopsu-Havu:Arch.Dermatol.
Res;256,1976)がなされている。PAはプラスミンの前
駆体であるプラスミノーゲンに特異的に働いて、それを
活性なプラスミンに変換するプロテアーゼである。また
セリンプロテアーゼ阻害剤として知られる化合物が、肌
荒れを抑制したことを示した報告もある(Kenji kitamu
ra:J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn;29(2),1995 )。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらいずれに
おいてもそのプロテアーゼ阻害作用あるいは肌荒れ改善
・予防効果は必ずしも十分ではなく、より優れた薬効剤
の開発が期待されていた。本発明は前記従来技術の課題
に鑑みなされものであり、その目的は安全性の高い植物
由来のプロテアーゼ阻害剤およびそれを配合した皮膚外
用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述のような現況に鑑
み、本発明者らはプラスミンやPA等の線溶系に関わる
プロテアーゼの活性変化を伴う種々の皮膚疾患、肌荒
れ、荒れ性等の改善・予防には、これらのプロテアーゼ
活性を阻害する製剤が有効であると考え、広く種々の物
質について当該作用を調べた結果、特定の植物抽出物が
優れたプロテアーゼ阻害作用を有し、さらにこれを配合
した皮膚外用剤が、優れた肌荒れ改善・防止効果を発揮
することを見い出し、これに基づき本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち、本発明にかかるプロテアーゼ阻
害剤は、カヤツリグサ科(Cyperaceae)及び/またはホ
ルトノキ科(Elaeocarpaceae)に属する植物の中から選
ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とす
る。また、本発明において、カヤツリグサ科(Cyperace
ae)に属する植物がカヤツリグサ属(Cyperus)に属す
る植物の中から選ばれる1種または2種以上であること
が好適である。
【0007】また、本発明において、ホルトノキ科(El
aeocarpaceae)に属する植物がホルトノキ属(Elaeocar
pus)に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上
であることが好適である。また、本発明において、カヤ
ツリグサ科カヤツリグサ属に属する植物が、Cyperus ro
tundusであることが好適である。
【0008】また、本発明において、ホルトノキ科ホル
トノキ属に属する植物が、Elaeocarpus decipiens Hems
l.であるが好適である。また、本発明にかかる抗肌荒れ
用皮膚外用剤は、前記プロテアーゼ阻害剤を含むことを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明のプロテアーゼ阻害剤および抗肌荒れ用皮膚外用
剤は、カヤツリグサ科(Cyperaceae)及び/またはホル
トノキ科(Elaeocarpaceae)に属する植物の中から選ば
れる1種または2種以上を有効成分として含有する。本
発明者らが知る限りにおいて、上記植物抽出物の肌荒れ
改善・防止効果及びプロテアーゼ阻害作用に関する報告
はこれまでにない。
【0010】 本発明では特に、カヤツリグサ科のカヤ
ツリグサ属(Cyperus)、ホルトノキ科のホルトノキ属
(Elaeocarpus)に属する植物の中から選ばれる1種また
は2種以上が好適に用いられる。
【0011】カヤツリグサ科カヤツリグサ属(Cyperu
s)に属する植物としては、例えばCyperus microiria S
teud.、C.amuricus Maxim.、C.iria L.、C.rotundus
L.、C.brevifolius Hassk.ver.leiolepis T.Koyama、C.
cyperoides O.Kuntze、C.scariosus等が挙げられるが、
本発明では特にC.rotundus L.が好適に用いられる。C.r
otundus L.は日本を含む全世界の温暖帯に分布し、砂浜
や河原など日当たりのよい砂地や原野に生える多年草で
ある。日本ではハマスゲと呼ばれる。また10〜11月に根
茎の肥大部を日干しにしたものが香附子という生薬とし
て知られる。薬効は主に鎮痛作用で、慢性胃炎、神経性
胃炎、生理痛、月経不順等に広く用いられる。ホルトノ
キ科ホルトノキ属(Elaeocarpus)に属する植物として
は、例えばElaeocarpus japonicus Sieb.et Zucc.、E.g
randiflora Smith、E.decipiens Hemsl.、E.sphaericu
s、E.serratus L.等が挙げられるが、本発明では特にE.
decipiensHemsl.が好適に用いられる。E.decipiens Hem
sl.はホルトノキまたはモガシと呼ばれ、本州千葉県以
西、四国、九州の暖帯林内に生える常緑高木で、オリー
ブに似た果実を付ける。
【0012】上記カヤツリグサ科またはホルトノキ科に
属する植物は、それぞれ生のままでも乾燥したものでも
使用することができるが、使用性、製剤化等の点から乾
燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好まし
い。これら各植物の使用部位としては、全草、または
葉、花、根、果実等、任意に用いられ得るが、カヤツリ
グサ科カヤツリグサ属に属する植物、例えばハマスゲ
(C.rotundus L.)では根茎が、ホルトノキ科ホルトノ
キ属に属する植物、例えばホルトノキ(E.decipiens He
msl.)では果実が、それぞれ特にプロテアーゼ阻害作用
が強く、また肌荒れ改善・防止効果に優れていることか
ら好適に用いられる。
【0013】上記各植物の抽出物は常法により得ること
ができ、例えば、各植物を抽出溶媒と共に浸漬または加
熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。抽出
溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意
に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノ
ール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール、
アセトン、酢酸エチルエステル等の有機溶媒を、それぞ
れ単独あるいは組み合わせて用いることができる。 ま
た、抽出物を上記の溶媒を用い、分配あるいはクロマト
グラフィーのごとき精製等の処理を加えて得られたもの
を用いることもできる。
【0014】以上説明したように、本発明によれば、プ
ロテアーゼ、特にはプラスミンやプラスミノーゲンアク
チベーター(PA)等の線溶系に関わるセリンプロテア
ーゼ活性に対して優れた拮抗作用を有し、皮膚外用剤に
用いた場合には、特に患部においてプラスミン、PA等
の線溶系に関わるプロテアーゼの活性変化が認められる
種々の疾患、例えば接触性皮膚炎、乾癬、尋常性天疱
瘡、先天性水疱瘡等の他、乾燥や洗浄剤等によって惹起
される肌荒れ、荒れ性に対して優れた改善・防止効果を
有する抗肌荒れ用皮膚外用剤を提供することができる。
【0015】また、このようにして得た上記植物抽出物
は安全性が高い。なお、本発明に関わるプロテアーゼ阻
害作用とは、特にプラスミン、プラスミノーゲンアクチ
ベーター(組織型プラスミノーゲンアクチベーター及び
ウロキナーゼ)、トリプシン、エラスターゼ、カリクレ
イン等、活性部位にセリン残基を有するいわゆるセリン
プロテアーゼに対して強い拮抗作用を有し、それらの活
性発現を直接あるいは間接的に阻害する作用を意味す
る。
【0016】本発明の抗肌荒れ用皮膚外用剤中のカヤツ
リグサ科またはホルトノキ科に属する植物の配合量は、
外用剤全量中乾燥物として0.005〜20.0重量
%、好ましくは0.01〜10.0重量%である。0.
005重量%未満であると、本発明でいう効果が十分に
発揮されず、20.0%を越えると製剤化が難しいので
好ましくない。また、10.0重量%以上配合してもさ
ほど大きな効果の向上はみられない。
【0017】本発明の抗肌荒れ用皮膚外用剤には、上記
植物抽出物に加えて本発明の効果を損なわない範囲内
で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成
分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸
収剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉
末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要
に応じて適宜配合することができる。
【0018】さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸
三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリ
ウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等
の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、ト
ラネキサム酸およびその誘導体、イチヤクソウ、カリ
ン、オトギリソウ、ジュウヤク等の各種生薬抽出物、酢
酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体
またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リ
ン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブ
チン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リシン等のア
ミノ酸およびその誘導体、フルクトース、マンノース、
エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類
なども適宜配合することができる。
【0019】また、本発明の抗肌荒れ用皮膚外用剤は、
化粧料、医薬品、医薬部外品、特に好適には化粧料とし
て広く適用することが可能であり、その剤型も、皮膚に
適用できるものであるばいずれでもよく、溶液系、可溶
化系、乳化系、粉末分散系、水―油二層系、水―油―粉
末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等、任意の剤型が適
用される。
【0020】また、その使用形態も任意であり、例えば
化粧水、クリーム、乳液、ローション、パック、等の基
礎化粧料の他、ファンデーションや口紅等のメーキャッ
プ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができ
る。なお、上記の剤型および使用形態に本発明の抗肌荒
れ用皮膚外用剤が採り得る形態が限定されるものではな
い。
【0021】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例により何
らに限定されるものではない。なお、配合量はすべて重
量%である。実施例に先立ち、本発明に用いられる植物
抽出物のプロテアーゼ阻害作用ならびに肌荒れ改善・防
止作用に関する試験方法及びその評価基準について説明
する。
【0022】1、プロテアーゼ阻害作用試験 (1) 試料の調製 ハマスゲ(C.rotundus L.)の根茎及びホルトノキ(E.d
ecipiens Hemsl.)の果実、それぞれ50g(湿重量)を
室温で1週間、5倍量のエタノールに浸漬し、抽出液を
濃縮乾固した。この固形物をジメチルスルホキシド(D
MSO)に溶解し、3%及び0.3%溶液を作製した。
これを用いてセリンプロテアーゼに分類されるプラスミ
ン、トリプシン、及びプラスミノーゲンアクチベーター
(ウロキナーゼ)に対する阻害作用を、以下の方法で評
価した。
【0023】(2)プラスミン阻害作用の測定 フィブリン平板法にて阻害率%を求めた。すなわち1.0
%のプラスミノーゲン除去フィブリノーゲンを含むベロ
ナール緩衝液(0.125mol/L−NaOHを含む25mmol/Lバル
ビタール酸ナトリウム水溶液,pH7.4)6mLを9cm
φシャーレに注ぎ、そこに1.0mol/L−CaCl2を0.2mLと25
U/mLのトロンビン0.1mLを加えて静かに混和し、1時
間放置した。フィブリノーゲンがフィブリンに変化する
ことによって形成された平板上に、5U/mLのプラスミ
ンと試料溶液を29:1の割合で混合した混合物を、37℃
で10分間保温した後20μL添加し、さらに37℃で18時間
放置した。対照として試料溶液の替わりにDMSOを用
いて同様の操作を行い、その後、フィブリンが溶解して
形成された溶解円の面積を測定し、下記の数式1により
プラスミン阻害率を求めた。結果を表1に示す。
【数式1】 阻害率(%)={1-(試料平板の溶解円面積/
対照平板の溶解円面積)}×100
【0024】(3)トリプシン阻害作用の測定 カゼインを基質として阻害率%を求めた。すなわち、2
mL のリン酸緩衝液にトリプシン20μgを溶かし、これ
に6.0%のカゼインを含む0.1Mリン酸緩衝液(p
H7.4)を0.9 mL と、試料溶液0.1mLを加えて
37℃で10分間保温した。その後、5%のトリクロロ酢酸
3mL を添加して室温に1時間放置し、3,500rpm
で15分間遠心した後、その上澄みの280nmの吸光
度を測定した。なお、以上の操作をTest(T)、ト
リプシンの添加の順序をトリクロロ酢酸の後に変えたも
のをControl(C)、被験試料の代わりにDMS
Oを添加したものをStandard(S)、Stan
dardのトリプシン添加の順序をトリクロロ酢酸の後
に変えたものをBlank(B)とし、下記の数式2に
よりトリプシン阻害率を求めた。結果を表1に示す。
【数式2】 阻害率(%)={1−(T−C)/
(S−B))×100
【0025】(4)プラスミノーゲンアクチベーター
(ウロキナーゼ)阻害作用の測定 合成基質を用いて阻害率%を求めた。すなわちTris-HCl
buffer(pH7.4)270μLに試料溶液10μLと1000U/mLのウ
ロキナーゼ20μLを添加し、37℃恒温器に放置した。15
分後、ウロキナーゼの特異的な合成基質であるS2444
(CHROMOGENIX)を20μL添加し、さらに37℃に15分放置
した。その後12%のトリクロロ酢酸水溶液20μLを添加
して反応を停止させた上で、405nm吸光度を測定して評
価系中のウロキナーゼ活性を求め、さらに試料によるウ
ロキナーゼ活性阻害率を下記の数式3により算出した。
結果を表1に示す。
【数式3】 阻害率(%)={1-(試料溶液中のウロ
キナーゼ活性/対照溶液中のウロキナーゼ活性)}×100
【0026】また、比較品として高いプラスミン阻害作
用を有することが知られているザクロ(Punica granatu
m)の果実(特開平8-12586号公報等)のエタノール抽出
物についても上記と同様の試験を行った。その結果を併
せて表1に示す。
【表1】 阻害率% 試料終濃度 プラスミン トリプシン ウロキナーゼ ハマスゲ抽出物 0.1% 51.1 30.1 60.1 0.01% 16.9 9.0 22.2 ホルトノキ抽出物 0.1% 48.3 31.9 51.2 0.01% 15.7 9.8 18.7 ザクロ果実抽出物 0.1% 26.0 11.9 19.1 0.01% 9.9 3.9 3.3 表1から明らかなように、本発明の植物抽出物は、いず
れも比較品のザクロ抽出物に比べ、優れたセリンプロテ
アーゼ阻害作用を有することがわかる。
【0027】2、肌荒れ改善・防止効果試験 (1) 試料の調製 試料として、ハマスゲ(C.rotundus L.)の根茎及びホ
ルトノキ(E.decipiensHemsl.)の果実、それぞれ50g
(湿重量)を室温で1週間、5倍量のエタノールに浸漬
し、ろ過して得た抽出液を含む表2に示すような本発明
のローションと、すでに肌荒れに対する改善効果を有す
ることが知られているムラサキイリス(Iris germanica
L.)の根(特開昭62-61924号公報等)の50%エタノー
ル抽出物を配合した比較用ローションを用いて、人体パ
ネルで肌荒れに対する改善・防止効果を評価した。
【0028】
【表2】 本発明品 比較品 試 料 1 2 1 2 ハマスゲ抽出物 2.0 − − − ホルトノキ抽出物 − 2.0 − − ムラサキイリス抽出物 − − 2.0 − グリセリン 1.0 1.0 1.0 1.0 1,3−ブチレングリコール 4.0 4.0 4.0 4.0 エタノール 7.0 7.0 7.0 7.0ホ゜リオキシエチレン (20モル)オレイルアルコール 0.5 0.5 0.5 0.5精製水 残余 残余 残余 残余
【0029】(2)レプリカ法による肌荒れ改善効果判
定試験 女性健常人の肌(顔面頬部)のレプリカをレプリカ剤を
用いて採取し、皮膚表面形態を顕微鏡(17倍)にて観
察した。皮紋の状態及び角層の剥離状態から以下に示す
判定基準に基づいて肌荒れ評点1もしくは2と判定され
た40名を肌荒れパネルとし、10名ずつ4群に分け、
1群ごとに各試料ローションを割り付けた。顔面に1日
2回、4週間試料ローションを塗布させ、4週間後、再
び上述のレプリカ法にしたがって肌の状態を観察し、判
定基準にしたがって評価した。その結果を表3に示す。
【0030】<レプリカ判定基準> 評点1: 皮溝、皮丘の消失、広範囲の角層のめくれが
認められる。 評点2: 皮溝、皮丘が不鮮明、角層のめくれが認めら
れる。 評点3:皮溝、皮丘は認められるが、平坦。
評点4: 皮溝、皮丘が鮮明。 評点5: 皮
溝、皮丘が鮮明で整っている。
【0031】
【表3】レプリカ評価 本発明品1 本発明品2 比較品1 比較品2 1 0名 0名 0名 3名 2 1 0 2 4 3 4 5 5 2 4 3 2 2 1 5 2 3 1 0 表3から明らかなように、本発明品のローションは、比
較品のローションに比べ優れた肌荒れ改善効果が認めら
れた。
【0032】(3)活性剤を用いた肌荒れ防止効果判定
試験 10名の男性パネルの前腕内側部4ヵ所に、5%SDS水
溶液を浸した脱脂綿(2×2cm)を当て15分間固定
し、活性剤を洗い落とした後、そこに各試料ローション
を0.5mLずつ塗布した。この操作を7日間繰り返し、8
日目に被験部位を十分に洗浄し、60分放置した後SDS
によって惹起される肌荒れの程度を観察し、以下の判定
基準をもとづき評点を付けた。結果を表4に示す。
【0033】<肌荒れ判定基準> 評点4:明らかな紅斑及び/または落屑が認められる。 評点3:中等度の紅斑及び/または僅かに落屑が認めら
れる。 評点2:僅かな紅斑及び/または角層に亀裂が認められ
る。 評点1:角層表面が白っぽい、または粉を吹いたように
見える。 評点0:症状なし。
【0034】
【表4】肌荒れ評価 本発明品1 本発明品2 比較品1 比較品2 4 0名 0名 2名 3名 3 3 2 4 6 2 4 5 3 1 1 2 3 1 0 0 1 0 0 0 表4から明らかなように、本発明品のローションは、比
較品のローションに比べ優れた肌荒れ防止効果が認めら
れた。
【0035】実施例1 クリーム (処方) 重量% ステアリン酸 5.0 ステアリルアルコール 4.0 イソプロピルミリステート 18.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0 プロピレングリコール 10.0 C.rotundus L.エタノール抽出物 0.05 苛性カリ 0.2 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 防腐剤 適量 香料 適量 イオン交換水 残余
【0036】(製法)イオン交換水にプロピレングリコ
ールとC.rotundus L.エタノール抽出物と苛性カリを加
え溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を
混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相
を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度
に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一
に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0037】実施例2 クリーム (処方) 重量% ステアリン酸 2.0 ステアリルアルコール 7.0 水添ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 2−オクチルドデシルアルコール 6.0 ホ゜リオキシエチレン(25モル)セチルアルコールエーテル 3.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 プロピレングリコール 5.0 C.microiria Steud.メタノール抽出物 0.05 トラネキサム酸 0.2 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余
【0038】(製法)イオン交換水にプロピレングリコ
ールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分
を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油
相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し
た後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0039】実施例3 クリーム (処方) 重量% 固形パラフィン 5.0 ミツロウ 10.0 ワセリン 15.0 流動パラフィン 41.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 ホ゜リオキシエチレン(20モル)ソルヒ゛タンモノラウリル酸エステル 2.0 石けん粉末 0.1 硼砂 0.2 C.amuricus Maxim.メタノール抽出物 0.1 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余
【0040】(製法)イオン交換水に石けん粉末と硼砂
を加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混
合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を
かきまぜながら徐々に加え反応を行なう。その後、ホモ
ミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃ま
で冷却する。
【0041】実施例4 乳液 (処方) 重量% ステアリン酸 2.5 セチルアルコール 1.5 ワセリン 5.0 流動パラフィン 10.0 ホ゜リオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0 ポリエチレングリコール1500 3.0 トリエタノールアミン 1.0 カルボキシビニルポリマー 0.05 (商品名:カーボポール941,B.F.Goodrich Chemical company) C.scariosus酢酸エチル抽出物 0.02 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余
【0042】(製法)少量のイオン交換水にカルボキシ
ビニルポリマーを溶解する(A相)。残りのイオン交換
水にポリエチレングリコール1500とトリエタノール
アミンを加え、加熱溶解した70℃に保つ(水相)。他
の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水
相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサ
ーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃ま
で冷却する。
【0043】実施例5 乳液 (処方) 重量% マイクロクリスタリンワックス 1.0 ミツロウ 2.0 ラノリン 20.0 流動パラフィン 10.0 スクワラン 5.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0 ホ゜リオキシエチレン(20モル)ソルヒ゛タンモノラウリル酸エステル 1.0 プロピレングリコール 7.0 E.japonicus 30%ブタノール抽出物 2.0 トラネキサム酸 1.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余
【0044】(製法)イオン交換水にプロピレングリコ
ールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分
を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をか
きまぜながら水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に
乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0045】実施例6 ゼリー (処方) 重量% 95%エチルアルコール 10.0 ジプロピレングリコール 15.0 ホ゜リオキシエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテル 2.0 カルボキシビニルポリマー 0.05 (商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company) 苛性ソーダ 0.15 L−アルギニン 0.1 E.sphaericus30%エタノール抽出物 0.1 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 エチルパラベン 0.3 香料 適量 イオン交換水 残余
【0046】(製法)イオン交換水にカーボポール94
0を均一に溶解し、一方、95%エタノールにE.sphaer
icus抽出物、ポリオキシエチレン(50モル)オレイル
アルコールエーテルを溶解し、水相に添加する。次い
で、その他の成分を加えた後苛性ソーダ、L−アルギニ
ンで中和させ増粘する。
【0047】実施例7 パック (処方) 重量% (A相) ジプロピレングリコール 5.0 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0 (B相) オリーブ油 5.0 酢酸トコフェロール 0.2 エチルパラベン 0.2 香料 0.2 (C相) 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 ポリビニルアルコール 13.0 (けん化度90、重合度2,000) エチルアルコール 7.0 E.decipiens Hemsl果実乾燥粉末 1.0 精製水 残余
【0048】(製法)A相、B相をそれぞれ均一に溶解
し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでE.decipien
s Hemsl乾燥粉末を分散させたC相をこれに加えた後充
填を行なう。実施例1〜7は、いずれも優れたプロテア
ーゼ阻害作用を有し、肌荒れ改善・予防効果に優れる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるプ
ロテアーゼ阻害剤よればカヤツリグサ科あるいはホルト
ノキ科に属する植物を有効成分とするので、プロテアー
ゼ、特にはプラスミンやプラスミノーゲンアクチベータ
ー(PA)等の線溶系に関わるセリンプロテアーゼ活性
に対して優れた拮抗作用を有する。また、本発明にかか
る皮膚外用剤は、前記プロテアーゼ阻害剤を有効成分と
するので、一般肌荒れに対しては無論、病的肌荒れに対
しても優れた改善・防止効果を有する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA082 AA111 AA112 AA122 AB032 AB152 AB352 AC012 AC022 AC072 AC092 AC102 AC122 AC182 AC242 AC342 AC392 AC432 AC482 AC542 AC582 AC622 AC782 AD042 AD092 AD112 AD662 CC05 CC07 DD32 DD33 DD41 EE13 4C088 AB12 AB79 MA63 ZA89 ZC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カヤツリグサ科(Cyperaceae)及び/ま
    たはホルトノキ科(Elaeocarpaceae)に属する植物の中
    から選ばれる1種または2種以上を有効成分として含有
    するプロテアーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 カヤツリグサ科(Cyperaceae)に属する
    植物がカヤツリグサ属(Cyperus)に属する植物の中か
    ら選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の
    プロテアーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 ホルトノキ科(Elaeocarpaceae)に属す
    る植物がホルトノキ属(Elaeocarpus)に属する植物の
    中から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記
    載のプロテアーゼ阻害剤。
  4. 【請求項4】 カヤツリグサ科カヤツリグサ属に属する
    植物が、Cyperus rotundusである請求項2に記載のプロ
    テアーゼ阻害剤。
  5. 【請求項5】 ホルトノキ科ホルトノキ属に属する植物
    が、Elaeocarpus decipiens Hemsl.である請求項3に記
    載のプロテアーゼ阻害剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のプロテ
    アーゼ阻害剤を含む抗肌荒れ用皮膚外用剤。
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