JP3693225B2 - セリンプロテアーゼ活性阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セリンプロテアーゼ活性阻害剤に関する。さらに詳しくは、特にプラスミン(Plasmin)やプラスミノーゲンアクチベーター(Plasminogen activator:PA)等の繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼの活性に対して優れた拮抗作用を有するセリンプロテアーゼ活性阻害剤に関する。本発明は、プラスミン、PA等のセリンプロテアーゼの活性変化が認められる種々の疾患を改善する製剤に適用され、特に、患部において前記プラスミン、PA等のセリンプロテアーゼの活性変化が認められる接触性皮膚炎、乾癬、尋常性天疱瘡、先天性水疱瘡等の種々の皮膚疾患の他、乾燥や洗浄剤等によって惹起される肌荒れ、荒れ性に対して優れた改善・予防効果を有する皮膚外用剤に有利に適用される。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、皮膚疾患や肌荒れに対して改善・予防効果を有するものとして種々の治療薬、皮膚外用剤、化粧料等が知られている。これら従来の薬剤や化粧料等においては、有効成分として、消炎剤やアミノ酸、多糖、脂質等の他、抗炎症作用、あるいは高い保湿作用を有する各種動植物抽出エキスが、皮膚の炎症や角質層の水分の消失を防ぐ能力に優れているために用いられてきた。しかしながらいずれにおいてもその肌荒れ改善・予防効果は必ずしも十分ではなく、より優れた薬効剤の開発が期待されていた。
【0003】
一方、皮膚の正常な角化過程においては、表皮細胞内のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が重要な役割を果たしていると考えられているが(Ogawa H., Yoshiike T., "Int. J. Dermatol.";23,1984)、近年、種々の皮膚疾患の病像形成には特に、セリンプロテアーゼ(活性部位にセリン残基のあるプロテアーゼ)、中でもプラスミン(Plasmin)やプラスミノーゲンアクチベーター(Plasminogen activator:PA)といった繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼの活性変化が深く関与していることが明らかにされつつある。PAはプラスミンの前駆体であるプラスミノーゲンに特異的に働いて、それを活性なプラスミンに変換するセリンプロテアーゼである。このPAと皮膚疾患との関係については、例えば、炎症性異常角化性疾患の代表である乾癬では、その患部表皮の錯角化部位に強いPA活性が存在すること(Haustein, "Arch. Klin. Exp. Dermatol.";234,1969)や、乾癬鱗屑から高濃度の塩溶液を用いてPAを抽出したという報告(Fraki,Hopsu-Havu, "Arch. Dermatol. Res";256,1976)がなされている。また、尋常性天疱瘡においては表皮細胞内で多量に産生されたPAが、細胞外に存在するプラスミノーゲンをプラスミンに転換し、このプラスミンが細胞間結合物質を消化することにより細胞間に組織液が貯留して表皮内水疱が形成されることが、in vitroの実験系のおいて明らかにされている(Morioka S. et al., "J. Invest. Dermatol.";76,1981)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、プラスミンやプラスミノーゲンアクチベーター等の繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼの活性変化に起因する種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防には、これらセリンプロテアーゼの活性を阻害する製剤が有効であると考え、広く種々の物質についてセリンプロテアーゼ活性阻害作用を調べた結果、特定の植物抽出物が優れたセリンプロテアーゼ活性阻害作用を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、プラスミン、プラスミノーゲンアクチベーターの中から選ばれる1種または2種以上のセリンプロテアーゼに対する活性阻害剤であって、バラ科(Rosaceae)のバラ属( Rosa )、キイチゴ属( Rubus )、シモツケソウ属( Filipendula )、およびサンザシ属( Crataegus に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上からなる、セリンプロテアーゼ活性阻害剤に関する。
【0007】
本発明者らが知る限りにおいて、上記植物抽出物のセリンプロテアーゼ活性阻害作用についての報告はこれまでにない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0009】
本発明のセリンプロテアーゼ活性阻害剤は、バラ科(Rosaceae)のバラ属( Rosa )、キイチゴ属( Rubus )、シモツケソウ属( Filipendula )、およびサンザシ属( Crataegus に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上からなる。
【0011】
バラ科バラ属(Rosa)に属する植物としては、例えばボタンバラ(マイカイ。R. odorata)、ナニワイバラ(R. laevigata)、ノイバラ(R. multiflora)、セイヨウバラ(R. hybrida)、ノバラ(R. canina)等が挙げられるが、本発明では特にセイヨウバラ(R. hybrida)、ノバラ(R. canina)が好ましく用いられる。セイヨウバラ(R. hybrida)はヨーロッパおよび西アジア原産で、日本でも観賞や香料の原料として栽培される常緑低木である。ノバラ(R. canina)はヨーロッパに自生する落葉低木で、一般的な野生バラとして知られる。日本に自生するノイバラ(R. multiflora)もノバラと呼ばれるが、イギリスでノバラといえば、本種(R. canina)をさす。
【0012】
バラ科キイチゴ属(Rubus)に属する植物としては、例えばフユイチゴ(R. buergeri)、ゴショイチゴ(R. ehingii)、ラズベリー(ヨーロッパラズベリー。R. idaeus)等が挙げられるが、本発明では特にラズベリー(R. idaeus)が好ましく用いられる。ラズベリー(R. idaeus)はヨーロッパ、西アジア、アメリカ東海岸の原野や林地に分布する落葉低木で、果実はジャム等に加工される。
【0013】
バラ科シモツケソウ属(Filipendula)に属する植物としては、例えばキョウガノコ(F. purpurea)、シモツケソウ(F. multijuga)、セイヨウナツユキソウ(F. ulmaria)等が挙げられるが、本発明では特にセイヨウナツユキソウ(F. ulmaria)が好ましく用いられる。セイヨウナツユキソウ(F. ulmaria)はヨーロッパ原産で、日本でも観賞用として庭園などに栽培される多年草である。
【0014】
バラ科サンザシ属(Crataegus)に属する植物としては、例えばキレバサンザシ(C. pinnatifida)、セイヨウサンザシ(C. oxyacantha)、サンザシ(C. cuneata)等が挙げられるが、本発明では特にサンザシ(C. cuneata)が好ましく用いられる。サンザシ(C. cuneata)は中国中南部原産の落葉低木で、果実は日干しにして食用される。日本では庭木または盆栽用に栽培される。
【0015】
上記バラ科に属する植物はそれぞれ、生のままでも乾燥したものでも使用することができるが、使用性、製剤化等の点から乾燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好ましい。
【0016】
これら各植物の使用部位としては、全草、または葉、花、根、果実等、任意に用いられ得るが、バラ科バラ属(Rosa)に属する植物、例えばセイヨウバラ(R. hybrida)では花部、ノバラ(R. canina)では果実が;バラ科キイチゴ属(Rubus)に属する植物、例えばラズベリー(R. idaeus)では果実が;バラ科シモツケソウ属(Filipendula)に属する植物、例えばセイヨウナツユキソウ(F. ulmaria)では花部が;バラ科サンザシ属(Crataegus)に属する植物、例えばサンザシ(C. cuneata)では果実が、それぞれ特にセリンプロテアーゼ阻害作用が強いことから、好適に用いられる。
【0017】
上記各バラ科植物の抽出物は常法により得ることができ、例えば、各植物をそれぞれ抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0018】
このようにして得た上記植物抽出物は、安全性が高く、優れたセリンプロテアーゼ活性阻害作用を有する。
【0019】
本発明のセリンプロテアーゼ活性阻害剤はセリンプロテアーゼに対し拮抗作用を有し、これらセリンプロテアーゼの活性発現を直接あるいは間接的に阻害する製剤を広く意味する。なお、ここでセリンプロテアーゼとは、活性部位にセリン残基のあるプロテアーゼを意味し、具体的にはトリプシン、キモトリプシン、トロンビン、プラスミン、組織型プラスミノーゲンアクチベーター、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター、エラスターゼ等が例示される。本発明では中でも、プラスミン(Plasmin)やプラスミノーゲンアクチベーター(PA)等の繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼに対する活性発現を直接あるいは間接的に阻害する製剤に関する。
【0020】
本発明のセリンプロテアーゼ活性阻害剤は主として皮膚外用剤に用いられ、その場合の植物またはその抽出物の配合量は、外用剤全量中乾燥重量として0.005〜20重量%配合するのが好ましく、特には0.01〜10重量%である。0.005重量%未満ではセリンプロテアーゼ活性阻害効果、肌荒れ改善・予防効果が十分に発揮され難く、一方、20重量%を超えて配合してもさほど大きな効果の向上は認められず、また製剤化が難しくなるので好ましくない。
【0021】
上記セリンプロテアーゼ活性阻害剤を皮膚外用剤に用いる場合、上記各植物抽出物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0022】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類なども適宜配合することができる。
【0023】
また、本発明を皮膚外用剤に用いる場合、外皮に適用される化粧料、医薬品、医薬部外品、特に好適には化粧料に広く適用することが可能であり、その剤型も、皮膚に適用できるものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等、任意の剤型が適用される。
【0024】
また、その使用形態も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーションの他、メーキャップ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができる。
【0025】
なお、上記の剤型および使用形態に本発明のセリンプロテアーゼ活性阻害剤が採り得る形態が限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例により何らに限定されるものではない。なお、配合量はすべて重量%である。
【0027】
実施例に先立ち、本発明に用いられる植物抽出物のセリンプロテアーゼ活性阻害作用および肌荒れ改善作用(実使用試験)に関する試験方法およびその評価基準について説明する。
【0028】
I.セリンプロテアーゼ活性阻害作用試験
本実施例では、セリンプロテアーゼの代表例としてプラスミンを用い、該プラスミンに対する活性阻害率を調べ、これによりセリンプロテアーゼ活性阻害作用評価を行った。
【0029】
(1)試料の調製
セイヨウバラ(Rosa hybrida)およびセイヨウナツユキソウ(Filipendula ulmaria)の花部、ノバラ(Rosa canina)、ラズベリー(Rubus idaeus)およびサンザシ(Crataegus cuneata)の果実を、それぞれ50g(湿重量)ずつ室温で1週間、5倍量のエタノールに浸漬し、抽出液を濃縮乾固した。この固形物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、0.3%溶液を作成した。これを用いて以下の実験を行なった。
【0030】
(2)繊維素溶解活性阻害作用(プラスミン活性阻害作用)の測定
フィブリン平板法にて阻害率%を求めた。すなわち1.0%のプラスミノーゲン除去フィブリノーゲンを含むベロナール緩衝液(0.125モル/L−NaOHを含む25ミリモル/Lバルビタール酸ナトリウム水溶液、pH7.4)6mLを9cmφシャーレに注ぎ、そこに1.0モル/L−CaCl2を0.2mLと25U/mLのトロンビン0.1mLを加えて静かに混和し、1時間放置した。フィブリノーゲンがフィブリンに変化することによって形成された平板上に、5U/mLのプラスミンと被験物質を29:1の割合で混合した混合物を、37℃で10分間保温した後20μL添加し、さらに37℃で18時間放置した。対照として被験試料の替わりにDMSOを用いて同様の操作を行い、その後、フィブリンが溶解して形成された溶解円の面積を測定し、下記の数1により繊維素溶解活性阻害率(プラスミン活性阻害率)を求めた。結果を表1に示す。
【0031】
【数1】
阻害率(%)=〔1−(被験試料の溶解円面積/対照の溶解円面積)〕×100
【0032】
また、比較品として、高いプラスミン活性阻害作用を有すると知られているザクロ(Pumica granatuum)の果実(特開平8−12586号公報、等)のエタノール抽出物についても、上記と同様の試験を行った。その結果を併せて表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003693225
【0034】
表1から明らかなように、本発明品の各植物抽出物は、いずれも比較品のザクロ抽出物に比べ、高いプラスミン活性阻害作用を有することがわかる。
【0035】
II.肌荒れ改善効果試験
【0036】
(1)レプリカ法による実使用試験
試料として、表2に示すように、セイヨウバラ(Rosa hybrida)およびセイヨウナツユキソウ(Filipendula ulmaria)の花部、ノバラ(Rosa canina)、ラズベリー(Rubus idaeus)およびサンザシ(Crataegus cuneata)の果実のうち、いずれかの50%エタノール抽出物を含む本発明のローションと、すでに肌荒れに対する改善効果を有することが知られているムラサキイリス(Iris germanica)の根(特開昭62−61924号公報、等)の50%エタノール抽出物を配合した比較用ローションを用いて、人体パネルで肌荒れに対する改善効果を評価した。
【0037】
すなわち、女性健常人(顔面)の肌のレプリカをレプリカ剤を用いて採取し、皮膚表面形態を顕微鏡(17倍)にて観察した。皮紋の状態および角層の剥離状態から下記の判定基準に基づいて肌荒れ評価1もしくは2と判断されたパネル48名を用い、8名ずつの顔面頬部に、本発明品の1〜5または比較品のいずれかのローションを1日2回、4週間塗布した。4週間後、再び上述のレプリカ法に従って肌の状態を観察し、下記の判定基準に従って評価した。結果を表3に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0003693225
【0039】
〈レプリカ判定基準〉
1: 皮溝、皮丘の消失、広範囲の角層のめくれが認められる
2: 皮溝、皮丘が不鮮明、角層のめくれが認められる
3: 皮溝、皮丘は認められるが、平坦
4: 皮溝、皮丘が鮮明
5: 皮溝、皮丘が鮮明で整っている
【0040】
【表3】
Figure 0003693225
【0041】
表3の結果から明らかなように、本発明品1〜5のローションは比較品のローションと比較し、顕著な肌荒れ改善効果が認められた。
【0042】
(実施例1) クリーム
(配 合 成 分) (重量%)
(1)ステアリン酸 5.0
(2)ステアリルアルコール 4.0
(3)イソプロピルミリステート 18.0
(4)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)ノバラ(果実。エタノール抽出物) 0.05
(7)苛性カリ 0.2
(8)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(9)防腐剤 適 量
(10)香料 適 量
(11)イオン交換水 残 余
(製法)
(11)に(5)〜(7)を加えて溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。(1)〜(4)、(8)〜(10)を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらく70℃に保温し反応を起させる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかき混ぜながら30℃まで冷却する。
【0043】
Figure 0003693225
(製法)
(14)に(8)を加え、加熱して70℃に保つ(水相)。(1)〜(7)、(9)〜(13)を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却する。
【0044】
Figure 0003693225
(製法)
(13)に(7)、(8)を加え、加熱して70℃に保つ(水相)。(1)〜(6)、(9)〜(12)を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかき混ぜながら徐々に加え反応を行う。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかき混ぜながら30℃まで冷却する。
【0045】
Figure 0003693225
(製法)
(13)少量部に(8)を溶解する(A相)。残りの(13)に(6)、(7)を加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。(1)〜(5)、(9)〜(12)を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかき混ぜながら30℃まで冷却する。
【0046】
Figure 0003693225
(製法)
(14)に(8)を加え、加熱して70℃に保つ(水相)。(1)〜(7)、(9)〜(13)を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかき混ぜながら水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却する。
【0047】
Figure 0003693225
(製法)
(11)に(4)を均一に溶解し、一方、(1)に(7)、(3)を溶解し、水相に添加する。次いで(2)、(8)〜(10)を加えた後、(5)、(6)で中和し増粘する。
【0048】
(実施例7) パック化粧料
(配 合 成 分) (重量%)
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール(けん化度90、重合度2,000) 13.0
エチルアルコール 7.0
サンザシ(果実。乾燥粉末) 1.0
精製水 残 余
(製法)
A相、B相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでここにC相を加えた後、容器に充填する。
【0049】
実施例1〜7はいずれも、優れたセリンプロテアーゼ活性阻害作用を有し、肌荒れ改善・予防効果に優れる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、セリンプロテアーゼ、特にはプラスミンやプラスミノーゲンアクチベーター等の繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼの活性に対して優れた拮抗作用を有するセリンプロテアーゼ活性阻害剤が提供される。本発明のセリンプロテアーゼ活性阻害剤は、プラスミン、PA等のセリンプロテアーゼの活性変化が認められる種々の疾患を改善する製剤に適用され、特に、患部において前記プラスミン、PA等の繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼの活性変化が認められる接触性皮膚炎、乾癬、尋常性天疱瘡、先天性水疱瘡等の種々の皮膚疾患の他、乾燥や洗浄剤等によって惹起される肌荒れ、荒れ性に対して優れた改善、予防効果を有する皮膚外用剤に用いることができる。

Claims (5)

  1. プラスミン、プラスミノーゲンアクチベーターの中から選ばれる1種または2種以上のセリンプロテアーゼに対する活性阻害剤であって、バラ科(Rosaceae)のバラ属(Rosa)、キイチゴ属(Rubus)、シモツケソウ属(Filipendula)、およびサンザシ属(Crataegus)に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上からなる、セリンプロテアーゼ活性阻害剤。
  2. バラ科バラ属に属する植物がセイヨウバラ(Rosa hybrida)またはノバラ(Rosa canina)である、請求項1記載のセリンプロテアーゼ活性阻害剤。
  3. バラ科キイチゴ属に属する植物がラズベリー(Rubus idaeus)である、請求項1記載のセリンプロテアーゼ活性阻害剤。
  4. バラ科シモツケソウ属に属する植物がセイヨウナツユキソウ(Filipendula ulmaria)である、請求項1記載のセリンプロテアーゼ活性阻害剤。
  5. バラ科サンザシ属に属する植物がサンザシ(Crataegus cuneata)である、請求項1記載のセリンプロテアーゼ活性阻害剤。
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