JP4755741B2 - プロテアーゼ阻害剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプロテアーゼ阻害剤に関し、さらに詳しくは、患部においてセリンプロテアーゼの活性変化が認められる接触性皮膚炎、乾癬、尋常性天疱瘡、先天性水疱瘡等の種々の皮膚疾患の他、乾燥や洗浄剤等によって惹起される肌荒れ、荒れ性に対して改善、予防効果を有するプロテアーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、皮膚疾患や肌荒れに対して改善・予防効果を有するものとして種々の治療薬、皮膚外用剤、化粧料等が知られている。これらの薬剤や化粧料等における有効成分としては、抗炎症作用を有する、あるいは保湿効果の高いアミノ酸や多糖、脂質、動植物の抽出エキス等が、皮膚の炎症や角質層の水分の消失を防ぐ能力に優れているために用いられてきた。しかしながらいずれにおいてもその肌荒れ改善・予防効果は必ずしも十分ではなく、より優れた薬効剤の開発が期待されていた。
【0003】
一方、皮膚の正常な角化過程においては、表皮細胞内のタンパク分解酵素(プロテアーゼ)が重要な役割を果たしていると考えられているが(Ogawa H.,Yoshiike T.:Int.J.Dermatol;23,1984)、近年種々の皮膚疾患の病像形成には、特にプラスミンやプラスミノーゲンアクチベーター(PA)といったプロテアーゼの活性変化が深く関与していることが明らかにされつつある。例えば炎症性異常角化性疾患の代表である乾癬では、その患部表皮の錯角化部位に強いPA活性が存在すること(Haustein:Arch.Klin.Exp.Dermatol;234,1969)や、乾癬鱗屑から高濃度の塩溶液を用いてPAを抽出したという報告(Fraki, Hopsu-Havu:Arch.Dermatol.Res;256,1976)がなされている。PAはプラスミンの前駆体であるプラスミノーゲンに特異的に働いて、それを活性なプラスミンに変換するプロテアーゼである。また、尋常性天疱瘡においては表皮細胞内で多量に産生されたPAが、細胞外に存在するプラスミノーゲンをプラスミンに転換し、このプラスミンが細胞間結合物質を消化することにより細胞間に組織液が貯留して表皮内水疱が形成されることが、in vitroの実験系において明らかにされている(Morioka S.:J.Invest.Dermatol;76,1981)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような現況に鑑み、本発明者らはプラスミンまたはプラスミノーゲンアクチベーターといったプロテアーゼの活性変化に起因する種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防にはプロテアーゼ阻害剤が有効であると考え、広く種々の物質についてセリンプロテアーゼ阻害活性を調べた結果、特定の植物抽出物が、トリプシン型セリンプロテアーゼに対して優れた阻害活性を有していることを見い出し、これに基づき本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、シソ科(Labiatae)ハッカ属(Mentha)から選ばれる一種または二種以上の植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするプロテアーゼ阻害剤、およびバラ科(Rosaceae)ボケ属(Chaenomeles)カリン(Chaenomeles sinensis Koehne)の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするプロテアーゼ阻害剤である。また本発明によれば、これらの植物抽出物を有効成分として含有する抗プラスミン剤が提供される。
【0006】
本発明者らが知る限りにおいて、当該植物抽出物の抗プラスミン活性についての報告はこれまでにない。
【0007】
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられるシソ科(Labiatae)ハッカ属(Mentha)の植物としては、セイヨウハッカ(Mentha piperita L.)またはミドリハッカ(Mentha viridis L.)が挙げられる。
植物抽出物の使用部位は、シソ科(Labiatae)ハッカ属(Mentha)植物については、好ましくはその葉、茎、花部、根のいずれか、または混合物を用い、バラ科(Rosaceae)ボケ属(Chaenomeles)カリン(Chaenomeles sinensis Koehne)については、好ましくはその果実を用いる。
【0008】
本発明のプロテアーゼ阻害剤は、上記植物のそれぞれの使用部位を、抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、含水アルコール、アセトン、酢酸エチルエステル等の有機溶媒を、単独あるいは組み合わせて用いることができる。また、抽出物を上記の溶媒を用い、分配あるいはクロマトグラフィーのごとき精製等の処理を加えて得られたものを用いることもできる。
【0009】
本発明のプロテアーゼ阻害剤は主として外用剤として用いられ、その場合の抽出物の配合量は、外用剤全量中、乾燥物として0.005〜20.0重量%、好ましくは0.01〜10.0重量%である。0.005重量%未満であると、本発明でいう効果が十分に発揮されず、20.0重量%を越えると製剤化が難しいので好ましくない。また、10.0重量%以上配合してもさほど大きな効果の向上はみられない。
【0010】
本発明のプロテアーゼ阻害剤には、上記必須成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0011】
その他、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、アルギニン、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、火棘の果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、キシリトール、ショ糖、トレハロース等の糖類なども適宜配合することができる。
【0012】
本発明のプロテアーゼ阻害剤とは、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもでき、剤型は特に問わない。
【0013】
【実施例】
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は重量%である。
実施例に先立ち、本発明の植物抽出物のプロテアーゼ阻害活性及び肌改善作用(実使用試験)に関する試験方法及びその評価基準について説明する。
【0014】
1.プロテアーゼ阻害活性試験
(1) 試料の調製
▲1▼ セイヨウハッカ(Mentha piperita L.)抽出物
セイヨウハッカの地上部50g(湿重量)を室温で1週間、5倍量のエタノールに浸漬し、抽出液を濃縮乾固した。この固形物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、3%溶液を作製した。これを用いて以下の実験を行った。
▲2▼ ミドリハッカ(Mentha viridis L.)抽出物
ミドリハッカの地上部50g(湿重量)を室温で1週間、5倍量のエタノールに浸漬し、抽出液を濃縮乾固した。この固形物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、3%溶液を作製した。これを用いて以下の実験を行った。
▲3▼ カリン(Chaenomeles sinensis Koehne)抽出物
カリンの乾燥果実50g(湿重量)を室温で1週間、5倍量のエタノールに浸漬し、抽出液を濃縮乾固した。この固形物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、3%溶液を作製した。これを用いて以下の実験を行った。
【0015】
(2)抗プラスミン活性の測定
フィブリン平板法にて阻害率%を求めた。すなわち1.0%のプラスミノーゲン除去フィブリノーゲンを含むベロナール緩衝液(0.125mol/l−NaOHを含む25mmol/lバルビタール酸ナトリウム水溶液,pH7.4)6mlを9cmφシャーレに注ぎ、そこに1.0mol/l−CaCl2を0.2mlと25U/mlのトロンビン0.1mlを加えて静かに混和し、1時間放置した。フィブリノーゲンがフィブリンに変化することによって形成された平板上に、5U/mlのプラスミンと被験物質を29:1の割合で混合した混合物を、37℃で10分間保温した後20μl添加し、さらに37℃で18時間放置した。対照として被験試料の代わりにDMSOを用いて同様の操作を行い、その後、フィブリンが溶解して形成された溶解円の面積を測定し、下記の数式(1)によりプラスミン阻害率を求めた。結果を表1に示す。
【0016】
【数1】
阻害率(%)={1−(被験試料の溶解円面積/対照の溶解円面積)}×100
…(1)
【0017】
(3)トリプシン阻害活性の測定
カゼインを基質として阻害率を求めた。すなわち、2mlのリン酸緩衝液にトリプシン20μgを溶かし、これに6.0%のカゼインを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)を0.9mlと、被験試料0.1mlを加えて37℃で10分間保温した。その後、5%のトリクロロ酢酸3mlを添加して室温に1時間放置し、3,500rpmで15分間遠心した後、その上澄みの280nmの吸光度を測定した。なお、以上の操作をTest(T)、トリプシンの添加の順序をトリクロロ酢酸の後に変えたものをControl(C)、被験試料の代わりにDMSOを添加したものをStandard(S)、Standardのトリプシン添加の順序をトリクロロ酢酸の後に変えたものをBlank(B)とし、下記の数式(2)によりトリプシン阻害率を求めた。結果を表1に示す。
【0018】
【数2】
阻害率(%)={1−(T−C)/(S−B)}×100 …(2)
【0019】
また、参考例として、抗炎症、収斂作用を有するとされ、すでに肌荒れに対する適用が知られている植物であるオオバク(Phellodendron amurense Ruprecht)のエタノール抽出物についても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1から、セイヨウハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物およびカリン抽出物は、オオバク抽出物に比べ、格段に優れたプロテアーゼ阻害活性を有することが分かる。
【0022】
2.実使用試験
(1)カミソリ負けに対する改善効果試験
本発明に係る外用剤の外皮適用による効果を、カミソリ負けに対する改善効果、ならびに皮膚刺激性から評価した。その結果を表2に示す。
なお試料としては、表2に示すように、本発明品としてセイヨウハッカ(Mentha piperita L.)の地上部の50%エタノール抽出物の濃度を変えたローションを2種、ミドリハッカ(Mentha viridis L.)の地上部の50%エタノール抽出物の濃度を変えたローションを2種、カリン(Chaenomeles sinensis Koehne)の乾燥果実の50%エタノール抽出物の濃度を変えたローションを2種、比較品として、すでに肌荒れに対する適用が知られているオオバクの50%エタノール抽出物を配合したローションと、各抽出物を除いたローションを用いた。
【0023】
▲1▼カミソリ負けに対する改善効果
カミソリ負けする男性パネル80名を10名ずつ8群に分け、ひげ剃り直後に表2に示す本発明品もしくは比較品を塗布し、カミソリ負けに対する改善効果を判定した。判定基準及び評価は以下の通りとした。
【0024】
(カミソリ負けに対する改善効果の判定基準)
著効:カミソリ負けの消失したもの。
有効:カミソリ負けの弱くなったもの。
やや有効:カミソリ負けがやや弱くなったもの。
無効:カミソリ負けに変化を認めないもの。
【0025】
(カミソリ負けに対する改善効果の評価)
◎:被験者が著効、有効及びやや有効を示す割合(有効率)が80%以上。
○:被験者が著効、有効及びやや有効を示す割合(有効率)が50%以上〜80%未満。
△:被験者が著効、有効及びやや有効を示す割合(有効率)が30%以上〜50%未満。
×:被験者が著効、有効及びやや有効を示す割合(有効率)が30%未満。
【0026】
▲2▼皮膚刺激性
上記のカミソリ負けに対する改善効果の判定に際し、本発明品と比較品の皮膚刺激性について判定、評価した。評価基準は以下の通りとした。
【0027】
(皮膚刺激性の評価)
◎:肌にヒリヒリ感を認めた被験者の割合が0%。
○:肌にヒリヒリ感を認めた被験者の割合が5%未満。
△:肌にヒリヒリ感を認めた被験者の割合が10%未満。
×:肌にヒリヒリ感を認めた被験者の割合が10%以上。
【0028】
【表2】
【0029】
表2から明らかなように、セイヨウハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物、カリン抽出物を1重量%以上配合した本発明品のローションは、比較品のローションよりもカミソリ負けに対して優れた改善効果を示し、さらに皮膚刺激性も認められなかった。
【0030】
(2)レプリカ法による実使用試験
本発明品1〜6と比較品1,2のローションを用いて、人体パネルで肌荒れ改善効果試験を行った。即ち、女性健常人(顔面)の肌のレプリカをレプリカ剤を用いて取り、皮膚表面形態を顕微鏡(17倍)にて観察した。皮紋の状態及び角層の剥離状態から以下に示す判定基準に基づいて肌荒れ評価1、2と判断されたもの(肌荒れパネル)各20名を用い、顔面左右半々に、本発明品1〜6と比較品1,2のローションを1日1回、2週間塗布した。2週間後、再び上述のレプリカ法にしたがって肌の状態を観察し、判定基準にしたがって評価した。その結果を表3に示す。
【0031】
(レプリカ判定基準)
1:皮溝、皮丘の消失、広範囲の角層のめくれが認められる。
2:皮溝、皮丘が不鮮明、角層のめくれが認められる。
3:皮溝、皮丘は認められるが、平坦。
4:皮溝、皮丘が鮮明。
5:皮溝、皮丘が鮮明で整っている。
【0032】
【表3】
【0033】
表3から分かるように、本発明品のローションは比較品のローションと比較し、顕著な肌荒れ改善効果が認められた。
【0034】
実施例1 クリーム
(処方) 重量%
ステアリン酸 5.0
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
プロピレングリコール 10.0
セイヨウハッカエタノール抽出物 0.05
苛性カリ 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールとセイヨウハッカエタノール抽出物と苛性カリを加え溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0035】
実施例2 クリーム
(処方) 重量%
ステアリン酸 2.0
ステアリルアルコール 7.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレン(25モル)
セチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
プロピレングリコール 5.0
カリンメタノール抽出物 0.05
トラネキサム酸 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0036】
実施例3 クリーム
(処方) 重量%
固形パラフィン 5.0
ミツロウ 10.0
ワセリン 15.0
流動パラフィン 41.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノラウリル酸エステル 2.0
石けん粉末 0.1
硼砂 0.2
セイヨウハッカ70%メタノール抽出物 0.1
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水に石けん粉末と硼砂を加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え反応を行う。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0037】
実施例4 乳液
(処方) 重量%
ステアリン酸 2.5
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10モル)
モノオレイン酸エステル 2.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.05
(商品名:カーボポール941,B.F.Goodrich Chemical company)
カリン酢酸エチル抽出物 0.02
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500とトリエタノールアミンを加え、加熱溶解した70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0038】
実施例5 乳液
(処方) 重量%
マイクロクリスタリンワックス 1.0
ミツロウ 2.0
ラノリン 20.0
流動パラフィン 10.0
スクワラン 5.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
プロピレングリコール 7.0
ミドリハッカ30%ブタノール抽出物 2.0
トラネキサム酸 1.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかきまぜながら水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0039】
実施例6 ゼリー
(処方) 重量%
95%エチルアルコール 10.0
ジプロピレングリコール 15.0
ポリオキシエチレン(50モル)
オレイルアルコールエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.05
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
苛性ソーダ 0.15
L−アルギニン 0.1
セイヨウハッカ30%エタノール抽出物 1.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にカーボポール940を均一に溶解し、一方、95%エタノールにセイヨウハッカ抽出物、ポリオキシエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテルを溶解し、水相に添加する。次いで、その他の成分を加えた後苛性ソーダ、L−アルギニンで中和させ増粘する。
【0040】
実施例7 パック
(処方) 重量%
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール 13.0
(けん化度90、重合度2,000)
エチルアルコール 7.0
ミドリハッカ50%1,3−BG抽出物 1.0
精製水 残余
(製法)
A相、B相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでミドリハッカ抽出物を分散させたC相をこれに加えた後充填を行う。
【0041】
実施例8 固形ファンデーション
(処方) 重量%
タルク 43.5
カオリン 15.0
セリサイト 10.0
亜鉛華 7.0
二酸化チタン 3.8
黄色酸化鉄 2.9
黒色酸化鉄 0.2
スクワラン 8.0
イソステアリン酸 4.0
モノオレイン酸POEソルビタン 3.0
オクタン酸イソセチル 2.0
カリン30%エタノール抽出物 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、カリン抽出物、防腐剤、香料を加え良く混錬した後、容器に充填、成型する。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、肌荒れを伴う種々の皮膚疾患、健常人の肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有するプロテアーゼ阻害剤を提供することができる。
Claims (3)
- シソ科(Labiatae)ハッカ属(Mentha)から選ばれる一種または二種以上の植物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗プラスミン剤。
- シソ科(Labiatae)ハッカ属(Mentha)の植物が、セイヨウハッカ(Mentha piperita L.)またはミドリハッカ(Mentha viridis L.)である請求項1記載の抗プラスミン剤。
- バラ科(Rosaceae)ボケ属(Chaenomeles)カリン(Chaenomeles sinensis Koehne)の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗プラスミン剤。
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