JP5164681B2 - 口唇化粧料及び飴並びにチューイングガム - Google Patents

口唇化粧料及び飴並びにチューイングガム Download PDF

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本発明は口唇化粧料及び飴並びにチューイングガムに関する。
口唇は他の部位の皮膚と比べて、ターンオーバーが早く、NMF(Natural Moisture Factor)成分やメラニンが少ないことが知られている。また、皮脂腺がなく、水分の蒸発を抑える角層も薄いことから乾燥しやすく荒れやすいことも知られている(池田,FRAGRANCE JOURNAL,Vol20,No4,14-21(1992):非特許文献1)。事実、荒れている口唇ほど有核細胞数が多く、水分量が少なく、水分蒸発量が高い傾向にあり、重層化している(梶原ら,香粧会誌,18(3),133-138,1994:非特許文献2、新井ら,同,13(2),64-68,1989:非特許文献3)。また、最近では、荒れている口唇はUV照射時に白く光るといった報告もある(姫野ら,第56回SCCJ研究討論会講演要旨集,20-23,2005:非特許文献4)。こうした口唇の荒れを防ぐため、口唇荒れに有効な各種成分を油性基剤中に配合した口唇用化粧料が用いられている。その多くは、(1)口唇からの水分蒸散量を抑制する水分閉塞性の高いオイルを配合する、(2)抱水性の高いエモリエント剤、例えば古くからよく知られているものとしては、ラノリンやコレステロール、フィトステロール骨格を有するエステル油などを配合する、(3)アミノ酸、グリセリンなどの多価アルコール、ヒアルロン酸などの親水性の保湿剤や水を乳化して配合する、(4)グリチルリチン酸やグルチルレチン酸あるいはそれらの塩や誘導体等の抗炎症剤を配合するなどの対処療法的な処方によるものである。
ところで、荒れた口唇では古い角質細胞が剥離せず残存しているために肥厚した部分が生じ、場合によってはその肥厚した部分の皮が剥がれたり裂けたりすることが知られている。古い角質細胞は、角質細胞を相互に結合しているデスモソームという接着タンパクが、内因性のプロテアーゼにより分解されることにより脱離する。口唇においては、内因性のプロテアーゼとして、セリン系プロテアーゼである角層特異的キモトリプシン様酵素(SCCE)とアスパラギン酸酵素であるカセプシンDが角質の剥離に関係していることが知られており(Lundstrom、Acta Dermatol Vene reol、71、471-474、1991:非特許文献5、Horikoshi、Br J Dermatol 141、453-459、1999:非特許文献6)、実際、荒れた口唇ではカセプシンD様酵素の活性が低下していることが確認されている。
そこで近年では、このような口唇の荒れのメカニズムに着目し、カセプシンD様酵素の活性を高める成分、例えばアプリコットエキスを使用して、口唇荒れの予防や改善をすることが試みられている(引間ら、日本香粧品学会誌、29(1)、20-27、2005:非特許文献7)。
一方、皮膚の加齢に伴う老化や光老化との関係で酸化タンパクの一つであるカルボニル化タンパクが着目されている。皮膚の角層においては、皮膚表面で皮脂が酸化された結果過酸化脂質が生成し、この過酸化脂質がタンパクを酸化すると考えられている。そして、この酸化タンパクが皮膚に何らかの形で影響を与えるものと推測されるところ、角質中の酸化タンパクを指標として、角層の透明性や保水性を評価する試み(特開2005−249672号公報:特許文献1)や肌の柔軟性・弾性力を評価する試み(特開2006−349372号公報:特許文献2)がなされている。また、こうした酸化タンパクの生成を抑制する成分が、皮膚の保湿性を高めることが知られている(特開2004−107269号公報:特許文献3)。
しかしながら、口唇の荒れについては非特許文献7で述べられているように、角層におけるカセプシンD様酵素の活性以外のメカニズムに関する報告はなく、酸化タンパクと口唇の荒れとの関係については明らかでなかった。
特開2005−249672号公報 特開2006−349372号公報 特開2004−107269号公報 池田,FRAGRANCE JOURNAL,Vol20,No4,14-21(1992) 梶原ら,香粧会誌,18(3),133-138,1994 新井ら,同,13(2),64-68,1989 姫野ら,第56回SCCJ研究討論会講演要旨集,20-23,2005 Lundstrom、Acta Dermatol Vene reol、71、471-474、1991 Horikoshi、Br J Dermatol 141、453-459、1999 引間ら、日本香粧品学会誌、29(1)、20-27、2005
本発明者らは、上記背景技術に鑑み、口唇の荒れと角層におけるカルボニル化タンパクとの関連について研究を進めたところ、口唇の荒れと角層におけるカルボニル化タンパク量との間に何らかの関係があることが理解された。そして、さらに研究を進めたところ、唾液の存在がカルボニル化タンパクの生成を促進若しくは誘導していることが判明した。
これらのことより、口唇におけるカルボニル化タンパクの生成の抑制、特に唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制することができれば、口唇の荒れを防いだり、荒れの回復に貢献できるものと考えられる。
本発明の口唇化粧料や飴、ガムは、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制する成分を含有することを特徴とする。
本発明によると、これまでにない新たな着想に基づく口唇荒れ防止用の口唇化粧料及び食品が提供される。
本発明の口唇化粧料は、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制する成分を含有する。唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制する成分は、唾液の存在下でカルボニル化タンパクの生成促進を抑制する物質であって、この物質は唾液が有する何らかの作用を抑制し、タンパクの酸化を抑えるものと考えられる。この物質は、唾液を加えた状態で測定された角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(コントロール値:C)と、唾液及び被検物質を加えた状態で測定された角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(試験値:A)とから、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用の抑制度を指標としてスクリーニングされる。また、スクリーニングに先だって、唾液を加えない状態で角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(ブランク値:B)を測定しておき、唾液によって角質細胞のカルボニル化タンパクが促進されたことを確認しておくのが望ましい。そして、スクリーニングの対象物質を加えかつ唾液を加えない状態で角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量を調べ、スクリーニングの対象物質によって角質細胞のカルボニル化タンパクの生成が抑制されていないことを確認することにより、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制することを確認できる。
抑制度の評価として、例えば、試験値Aとブランク値Bの差(A−B)と、コントロール値Cとブランク値Bの差(C−B)を比較する方法(絶対法)やブランク値Bに対する試験値Aの比(A/B)とブランク値Bに対するコントロールCの比(C/B)を比較する方法(相対法)が考えられるが、本発明においてはそのいずれであっても差し支えなく、また他の算出方法を用いてもよい。また、唾液によって角質細胞のカルボニル化タンパクの生成が促進されたことが確認されているのであれば、ブランク値Bを用いることなく、試験値Aとコントロール値Cの差(A−C)や比(A/C)を用いて抑制度を評価することもできる。抑制度の評価に用いるカルボニル化タンパクの存在量は、カルボニル化タンパクの絶対量を意味するだけでなく、下記に例示する各種方法で得られた数値をも意味する。すなわち、抑制度の評価には下記に例示する各種方法で得られた数値を用いて評価することができる。下記に例示する各種方法で得られたそれぞれの数値は、カルボニル化タンパクの存在量と比例するからである。
用いられる角質細胞は口唇の角層中の細胞が用いられ、荒れていない部位より採取した角層であれば、口唇の荒れのない健常人から採取された細胞、若しくは口唇荒れのある人から採取された細胞のいずれでも差し支えない。また、唾液による口唇荒れを生じにくい可能性も考えられるので、唾液を加えた状態でカルボニル化タンパクが増加する細胞が選択される。
カルボニル化タンパクの検出方法についてはいくつか知られているが、いずれの方法を用いることもできる。これらの方法はいずれも、ヒドラジノ基とカルボニル化タンパクとの特異的な反応を用いることを特徴とするものである。ヒドラジノ基を持つ物質としてはdinitrophenyl hydrazine(DNPH)が挙げられる。この検出方法として、以下に示される方法が例示される。具体的な試験方法については、それぞれ参考文献が参照される。
(1)テープストリッピングした角層を染色し、抗DNP1次抗体(IgG複合alkalin phosphatase)及び2次抗体(p−nitrophenyl phosphatase)を用いたELISA法によって検出する方法(J.Thiele et al., FEBS Letter, Feb 6,422(3),403-406,1998)
(2)カルボニル化タンパクにDNPHを作用させ、抗DNP抗体を用いて染色、発色させる方法(J.J.Thiele et al., J Invest Dermatol, 118:618-625,2002)
(3)カルボニル化タンパクにDNPHを作用させ、電気泳動により分離した後、抗DNP抗体を用いて染色、発色させるウェスタンブロッティング法(J.J.Thiele et al., J Invest Dermatol, 118:355-339, 1999)
(4)カルボニル化タンパクにDNPHを作用させ、ビオチン標識抗DNPを1次抗体として用い、2次抗体により染色させる方法(例えば、BioCell Co.,Ltd.,製のProtein carbonyl ELISA kitなどに代表される市販のカルボニル化タンパク検出キット)
(5)テープストリッピングにより角層を採取し、角層カルボニル化タンパクにFluorescein-5-thiosemicarbazideを作用させて蛍光染色する方法(特許文献1)
角層におけるカルボニル化においては、腕の露光部(外腕部)と非露光部(内腕部)では外腕部においてカルボニル化タンパクが多く、また、毛穴の周りにもその存在量が多いことが知られている(Hiroshi Fujita et al., Skin Research and Technology, 13, 84-90, 2007)。カルボニル化タンパクを生成する原因物質として、UV照射などにより生じる過酸化脂質の分解物であるアクロレインなどが知られており、アクロレインがタンパクをカルボニル体に変化させることが報告されている(Uchida et al.,Proc Natl Acad Sci USA 95:4882-4887,1998)。外腕部はよりUV照射を受けやすい部位であり、UV照射による酸化によってカルボニル化タンパクが多く、毛穴周りは過酸化脂質の元になる皮脂が多いためカルボニル化タンパクが多いことは容易に理解される。ところが、口唇においては、顔などの皮膚と比較してメラニンが少ない部位であることが知られており、UV照射による損傷は受けやすい部位であると言える。しかしながら、口唇荒れは冬場に多いため、UVが原因とは考えにくい。また、口唇は皮脂腺を有さない。そうすると、口唇荒れには、過酸化脂質以外の原因が考えられる。
本発明は、口唇の角層中のカルボニル化タンパクの存在量が口唇の荒れと比例する傾向にあるという知見を基礎とし、カルボニル化タンパクの生成が唾液によって促進されるという新たな知見が得られたことに基づいてなされたものである。これまで、口唇の荒れの原因として、上記のようにカセプシンD様活性酵素によることが示唆されていたが、本発明者らは口唇の荒れにはこれとは全く異なるメカニズムがあることを明らかにしたものである。すなわち、唾液が口唇に触れることによりカルボニル化タンパクの生成が促進され、口唇の荒れを引き起こす。角層におけるカルボニル化タンパクは、上記のとおり、過酸化脂質によって生成されるものと考えられているが、口唇においては少なくとも唾液が角層におけるカルボニル化タンパクの生成を促進若しくは誘導していることが明らかにされた。また、唾液によるカルボニル化タンパクの生成は手や顔等通常の皮膚では促進されないことから、唇に特異的な現象であることが判明した。
本発明に係るスクリーニング方法は、唾液を加えた状態で口唇の角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(C)を測定するステップと、唾液及び被検物質を加えた状態で口唇の角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(A)を測定するステップを有し、
唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用の抑制度を指標とする口唇荒れ防止剤のスクリーニング方法である。

本発明の口唇化粧料は、口唇に直接適用される組成物であって、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制する成分を含有するものである。カルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制する成分は特に限定されるものではない。これまでのところ、西洋バラ色素エキスが生成促進作用を抑制することが明らかにされた。
西洋バラ色素エキスはいわゆる西洋バラと言われるバラ科、バラ属に属する植物の花弁の水抽出エキスであって、この水抽出エキスをさらにODSカラムで精製したものである。さらに具体的に言えば、花弁水抽出エキスを通過させたODSカラムから、エタノール濃度が10〜30v/v%程度の薄いエタノール水溶液で溶出したエキスが西洋バラ色素エキスであり、アントシアニンなどの色素など極性の高い物質を多く含む。本発明においては、西洋バラ色素エキスが唾液によるカルボニル化タンパクの生成を抑制する効果が高く、そうして精製したエキスを用いるのが望ましいが、その効果を発揮する限りにおいては、西洋バラの花弁水抽出エキス(西洋バラ花弁エキス)を精製することなく用いても差し支えない。
本発明においては、上記溶出液がそのまま用いられる場合もあるが、通常はそれを濃縮した濃縮エキスとして、あるいは、凍結乾燥等により粉末にした粉末エキスとして用いられる。
本発明の口唇化粧料は口唇に適用される組成物を意味する。その形態は特に限定されず、いわゆる固体状、液状、クリーム状、ゲル状の組成物が例示される。
口唇化粧料は、公知である従来の口唇化粧料と同様な基剤成分が用いられ、常法により製造される。口唇化粧料はその多くは油性基剤からなる。油性基剤としては、例えば、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、液状ラノリン、ラノリンアルコール、カカオ脂、セタノール、オレイルアルコール、グリセリン脂肪酸エステルなどが例示される。また、これらの油性基剤に保湿剤や水並びに乳化剤と共に配合して乳剤性の口唇化粧料としても差し支えない。
本発明の口唇化粧料は、有効量のカルボニル化タンパクの生成促進作用抑制成分を含むが、その含有量は、具体的に言うと、口唇化粧料中0.0001質量%〜10質量%、好ましくは0.001質量%〜5質量%、さらに好ましくは0.01質量%〜1質量%である。なお、これらの値は抑制成分が抽出物の場合には乾燥物としての量である。
また、本発明の口唇化粧料には、カルボニル化タンパクの生成促進作用抑制成分の他に、カルボニル化タンパクの生成を抑制する物質が配合されうることはもちろんのこと、従来の口唇化粧料に用いられている種々の保湿剤や抗炎症剤、ビタミンCやビタミンEなどビタミン剤など口唇状態の維持に関与する成分、顔料などの色素が配合されうるのは言うまでもない。
本発明は、唾液による口唇角層中のカルボニル化タンパクの生成促進を抑制することによって口唇の荒れを防ぎ、または荒れを改善することを目的とする。従って、唾液との接触によるカルボニル化タンパクの生成抑制を図ることができる形態であれば、口唇化粧料以外にも種々の態様が考えられる。例えば、口唇に直接適用される態様ではないが、口中で唾液と比較的長い時間接触する食品状の形態にすることもでき、例えば飴やガムが例示される。また、本発明の飴は、いわゆる飴、すなわちでんぷんまたはでんぷんを含む原料、例えばモチ米やうるち米、甘藷などを麦芽などで糖化して作られた甘みのある食品の他、砂糖を煮詰めて作られたいわゆるキャンデー、ゴムのような弾力を持つグミ、トローチを含む意味で用いられる。
本発明の飴又はチューイングガムは、有効量のカルボニル化タンパクの生成促進作用成分を含むが、その含有量は、具体的に言うと、飴又はチューイングガム中0.0001質量%〜20質量%、好ましくは0.001質量%〜10質量%、さらに好ましくは0.01質量%〜5質量%である。なお、これらの値は抑制成分が抽出物の場合には乾燥物としての量である。
以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されないのは言うまでもない。
〔口唇及び口唇角層状態の評価〕
試験に同意を得た26〜45歳の男女(男性11名・女性6名の計17名)にて、下記項目について評価した。被験者の口唇部位を洗顔料で洗浄後、20℃±1℃の環境下で20分間順化した後、測定を行った。
1.口唇状態の評価
A.目視による荒れ評価
口唇部位をデジタルカメラ(OLYMPUS CAMEDIA DIGITAL CAMERA C-2500L)で撮影し、得られた画像を4段階に分類し(1:荒れなし、2:やや荒れ、3:荒れ、4:かなり荒れ)、目視評価スコアとした。
B.UV照射時の蛍光値
姫野らの方法(非特許文献4)に従って、UVウッドランプBM-FEK04(タカラベルモント社製)を用いて口唇部のUV照射画像を撮影した。得られた画像の口唇中央部をPhotoshop6.0(Adobe社製)にて閾値60で2値化し、白色面積値をUV照射蛍光値とした。
2.口唇角層状態の評価
C.有核細胞数
口唇角層をテープストリッピングにより採取し、ヘマトキシリン・エオシン染色を行った。下唇中央部内側(粘膜側)、下唇中央部外側(皮膚側)の2ヶ所を、正立顕微鏡(OLYMPUS BX60)にて、倍率200倍で撮影し、4段階に分類し(1:なし、2:やや有核、3:50%程度有核、4:全て有核)、有核細胞スコアとした。ここで、下唇中央部内側(粘膜側)とは、下唇を上下にほぼ2分した場合の上部側、粘膜部位に近い部位を意味し、下唇中央部外側(皮膚側)とは、その下部側、顎に近い部位を意味する(以下同じ)。
D.重層度
C.の撮影画像を4段階に分類し(1:重層なし、2:やや重層、3:かなり重層、4:全て重層)、重層スコアとした。
E.カルボニル化タンパクの存在量
特許文献1に記載された方法に従い、テープストリッピングした角層のタンパクのカルボニル基を蛍光ヒドラジドでラベル化した。蛍光顕微鏡(OLYMPUS BX60、BX-FLA)にて蛍光画像を倍率100倍で撮影した。撮影部位は下唇中央部内側、下唇中央部外側であり、特許文献1に記載の方法に従って得られた画像の輝度をカルボニル化レベルとした。
荒れている唇は、有核細胞数が多く、角層重層度が高く、UV照射時に白く光るということが報告されており(非特許文献2,4)、口唇の荒れと有核細胞数、角層重層度、UV照射時の蛍光値は比例する。上記の測定結果では、図1から図3に示すように、口唇のカルボニル化レベルと有核細胞数、角層重層度、UV照射時の蛍光値とは正の相関があった。また、図4に示すように目視評価とカルボニル化レベルとも正の相関傾向があり、口唇の荒れについてもカルボニル化レベルと比例し、カルボニル化レベルで評価可能なものと考えられる。すなわち、口唇が荒れている人の口唇におけるカルボニル化タンパク量は多く、荒れの生じている部位ではタンパクのカルボニル化が起こっていることが明らかになった。また、カルボニル化レベルは下唇中央部外側よりも中央部内側の方が高いという結果が得られ(図1〜4)、口唇荒れの発生部位は下唇内側部で生じやすいとの報告(非特許文献3)とも一致していた。
〔口唇角層カルボニル化に対する唾液の影響〕
1.角層、唾液の採取
試験に同意を得た26〜31歳の健常な男女(男性3名・女性7名の計10名)より、下唇の角層をテープストリッピングにより採取し、下唇の縦方向に4等分した。また、被験者の内2名(28歳女性)より唾液採取用チューブサリベット(Sarstedt社製)を用いて唾液を採取し、遠心分離(1000g、2分間)した(唾液A、B)。採取した唾液Aをオートクレーブ処理(120℃、15分間)して唾液OAを得た。そして、口唇の場合と対比するため、被験者の内2名(28歳女性) の上腕内側よりテープストリッピングにより腕の角層を採取し、2等分した。
2.唾液処理とカルボニル化タンパク存在量の測定
上記4等分した下唇角層の1つの区分に10μLの水(ブランク)、残り3区分にそれぞれ10μLの唾液A、唾液B、唾液OAを作用させ、37℃で30分間インキュベートした後、水で洗浄し、上記Eと同様の方法で蛍光染色した。画像撮影は倍率40倍で下唇外側(皮膚側)について2枚ずつ行った。各被験者のブランクのカルボニル化レベルを1.0として、各群について得られた画像のカルボニル化レベルを相対的に算出した値をカルボニル化相対値とした。腕より採取した角層についても、10μLの水(ブランク)、唾液Aを作用させ、同様に蛍光染色し、倍率100倍で画像撮影を行った。
カルボニル化相対値を比較した結果を図5に示す。口唇角層に水を塗布したブランク群と、唾液を塗布した唾液A、B群のカルボニル化相対値を比較した結果、唾液A、B群においてカルボニル化相対値が高く、唾液を塗布することによってカルボニル化が促進されることがわかった。唾液をオートクレーブ処理した唾液OA群ではカルボニル化相対値は唾液Aと比較して低い傾向が見られ、唾液中の何らかのタンパク成分が角層タンパクのカルボニル化に関与しているのではないかと推測された。また、腕の角層については、唾液を塗布してもカルボニル化は促進されず、この現象は口唇角層に特有のものであると結論づけられた。
〔唾液によるカルボニル化タンパクの上昇を抑制する物質のスクリーニング〕
1.角層サンプル
試験に同意を得た26〜31歳の健常な男女パネラー(男性3名・女性7名の計10名)より、下唇の角層をテープストリッピングにより採取した。
2.唾液サンプル
唾液採取用チューブサリベット(Sarstedt社製)を用いて、口唇が荒れている被験者の内1名(28歳女性)より唾液を採取し遠心分離(1000g、2分間)した。
3.被検物質の調製
西洋バラ(Rosa Centifolia)を用いて、次の製造方法に従い、西洋バラ色素エキス(粉末)及び西洋バラ脱色素エキス(粉末)を得た。
西洋バラの乾燥した花弁30gに精製水1Lを加えて、60℃で3時間加熱し、水抽出物を得た。その後、得られた抽出液をChromatorex ODS(富士シリシア科学:φ=20mm、h=250mm)カラムクロマトグラフィーに付し、まず初めに水のみで溶出した(Fr−1)。次に、エタノール濃度20v/v%の水溶液で溶出し得られたFr−2、その後60v/v%水溶液で溶出し得られたFr−3の3画分を得た。得られた各溶出画分を減圧濃縮した後、凍結乾燥してFr−1画分より淡黄色のペースト状抽出液を、Fr−2画分より赤色の粉末(西洋バラ色素エキス)を、Fr−3より淡褐色の粉末(西洋バラ脱色素エキス)を得た。Fr−2画分より得られた粉末(西洋バラ色素エキス)及びFr−3画分より得られた粉末(西洋バラ脱色素エキス)をスクリーニングに供した。そして次の3つの被検物質(サンプル)を調製した。
サンプルA:西洋バラ色素エキス2w/v%水溶液(粉末含有量0.02w/v%)
サンプルB:西洋バラ色素エキス0.5w/v%水溶液(粉末含有量0.005w/v%)
サンプルC:西洋バラ脱色素エキス10%水溶液(粉末含有量0.1w/v%)
4.スクリーニング
あらかじめ、10名のパネラーのうち女性2名より採取した角層を用いて、ブランク(水)とサンプルA,B,Cを角層に塗布し、唾液を塗布しない場合、カルボニル化相対値に差がみられないことを確認した。次いで、残るパネラー8名より採取した角層を唇縦方向に3等分し、ブランク群には10μLの水を塗布し、スクリーニング群とコントロール群には10μLの唾液を塗布した。その後、ブランク群及びコントロール群の2群には10μLの水を塗布し、スクリーニング群に上記のサンプル10μLを塗布し、37℃で30分間インキュベートした。得られたサンプルを水で洗浄し、上記Eの方法に準じて蛍光染色を行い、得られた画像の評価を行った。画像撮影は下唇外側(皮膚側)について正立顕微鏡(OLYMPUS BX60)を用いて倍率40倍で2枚ずつ行った。各群について得られた画像のカルボニル化レベルを、各被験者のブランクのカルボニル化レベルを1.0として相対的に算出した値をカルボニル化相対値とした。それらの結果を図6に示す。西洋バラ色素エキスは、唾液によるカルボニル化タンパク生成促進作用を抑制する効果を有することが確認された。
〔口紅を使用した実使用テスト〕
次に、西洋バラ色素エキス(粉末)を用いて下記処方によりテスト用口紅及び対照用口紅(西洋バラ色素エキスの代わりにセレシンワックスで処方を調整したもの)を準備し、口唇が荒れている26〜28歳の女性パネラー4名(テスト群2名・プラセボ群2名)に、普段の使用と同じようにして2週間使用してもらい、使用開始時、使用開始後1週間後、2週間後に上記Eの方法にてカルボニル化タンパクの測定とアンケートによる改善効果でその効果を評価した。試験前にアンケートにてA.かさつき、B.皮めくれについて(1:かなり悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:普通、5:やや良い、6:良い、7:かなり良い)の7段階で唇の状態を評価した。アンケートによる改善効果項目は、A.かさつき、B.皮めくれとし、各項目について、7段階(1:かなり悪くなった、2:悪くなった、3:やや悪くなった、4:変わらない、5:やや改善された、6:改善された、7:かなり改善された)のスコアとした。なお、アンケート評価では、口紅の使用頻度は一日に2〜5回であった。
1.テスト用口紅の処方
セレシンワックス 16(質量%)
マイクロクリスタリンワックス 4.4
スクワラン 20
軽質流動イソパラフィン 28
重質イソパラフィン 7
トリイソステアリン酸ポリグリセリル 21.258
赤色202号 0.11
黄色5号 0.18
酸化鉄 0.152
酸化チタン 0.6
パール粉体 2.2
バラ色素エキス 0.1
計 100.000
上記成分の内、色顔料(赤色202号、黄色5号、酸化鉄、酸化チタン)とトリイソステアリン酸ポリグリセリルを3本ロールにて混合する。その後、残る成分を90〜100℃で加熱溶融し、攪拌、脱泡したものを型に流し込み、冷却して口紅を成型した。
2.評価結果
アンケートによる改善効果を表1に、テスト群のパネラー1名の口唇状態を示す写真を図7に、プラセボ群のパネラー1名の口唇状態を示す写真を図8に示す。また、カルボニル化レベルの測定に用いたテスト群パネラーの角質細胞の蛍光染色画像を図9に示す。
口唇状態や角質細胞の蛍光染色画像写真の輝度からも明らかなように、本発明品の口紅を使用した場合には、下唇の荒れ、特に唾液と接触することが多い下唇の内側における荒れについて改善されていた。また、アンケート結果からも、本発明品の口紅を使用した群では、口唇の荒れ、特にかさつきについて改善効果が高いことが確かめられた。
次に、本発明による飴、トローチ、チューイングガムの処方例を示す。
(飴)
砂糖 81.0g
D−グルコース 16.5g
クエン酸 1.1g
香料 適 量
色素 適 量
バラ色素エキス 0.1g
上記成分を採り、100〜120℃で原料を加熱溶解し、金型にて固化させる。
(トローチ)
バラ色素エキス 0.5g
炭酸水素ナトリウム 2.0g
白糖末 4.0g
アラビアゴム 3.0g
デキストリン 1.0g
水又は単シロップ 適 量
上記成分分量を採り研和して細末とし、水または単シロップを少量ずつ加え、これを型に注入して20個に分割する。白糖末を剤衣とする。
(チューイングガム)
ガムベース 20.0g
砂糖 78.5g
バラ色素エキス 0.1g
ハッカエキス 1.0g
水 適 量
上記成分分量を採り常法にてチューイングガム20枚を製造する。
以上のように、口唇の角層中のカルボニル化タンパク存在量、すなわち口唇の荒れは唾液によって増加する傾向があり、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進効果を抑える物質を加えた口紅を使用することによって、口唇の荒れを防ぐことが確認された。特に、唾液が触れやすい口唇、そのうち下唇の内側部分において、本発明の口唇化粧料等は効果を発揮できるものと言える。
本発明は、新たなメカニズムに基づいた口唇荒れを防止又は改善する口唇化粧料を提供する。
口唇のカルボニル化レベルと有核細胞数の関係を示す図であって、(a)は下唇内側を、(b)は下唇外側を示す。 口唇のカルボニル化レベルと角層重層度の関係を示す図であって、(a)は下唇内側を、(b)は下唇外側を示す。 口唇のカルボニル化レベルとUV照射時の蛍光値の関係を示す図であって、(a)は下唇内側を、(b)は下唇外側を示す。 口唇のカルボニル化レベルと目視評価の関係を示す図であって、(a)は下唇内側を、(b)は下唇外側を示す。 唾液処理とカルボニル化相対値の関係を示す図である。 本発明のスクリーニング法によるバラ花弁抽出物の効果を示す図であって、(a)は西洋バラ色素エキス(サンプルA)を、(b)は西洋バラ色素エキス(サンプルB)を、(c)は西洋バラエキス(サンプルC)を用いた場合を示す。 本発明の口唇化粧料による効果を示す写真であって、図7−aはテスト群パネラー1の使用開始時の状態を、図7−bは使用開始1週間後の状態を、図7−cは使用開始2週間後の状態を示す。 本発明の口唇化粧料による効果を示す写真であって、図8−aはプラセボ群パネラー4の使用開始時の状態を、図8−bは使用開始1週間後の状態を、図8−cは使用開始2週間後の状態を示す図である。 本発明の口唇化粧料による効果を示す写真であって、画像の輝度はカルボニル化タンパクの検出量を示している。図9−aはテスト群パネラー1の使用開始時における下唇内側の細胞を、図9−bは使用開始1週間後における下唇内側の細胞を、図9−cは使用開始2週間後における下唇内側の細胞を、図9−dは使用開始時における下唇外側の細胞を、図9−eは使用開始1週間後ににおける下唇外側の細胞を、図9−fは使用開始2週間後ににおける下唇外側の細胞を示す。

Claims (2)

  1. 唾液を加えた状態で口唇の角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(C)を測定するステップと、
    唾液及び被検物質を加えた状態で口唇の角質細胞のカルボニル化タンパクの存在量(A)を測定するステップを有し、
    唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用の抑制度を指標とする口唇荒れ防止剤のスクリーニング方法。
  2. 口唇化粧料又は飴、チューイングガムの製造方法であって、
    請求項1に記載のスクリーニング方法を用いて唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用を抑制する成分をスクリーニングする工程と、
    前記スクリーニングによって、唾液によるカルボニル化タンパクの生成促進作用の抑制が認められた成分を含有させる工程を有する製造方法。
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