JP2003171217A - 線虫防除剤及び土壌活性化剤 - Google Patents

線虫防除剤及び土壌活性化剤

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JP2003171217A
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Masayoshi Yoshikawa
正吉 吉川
Kotai Tamagawa
甲泰 玉川
Mitsuhiro Hineno
光弘 日根野
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JUKANKYO KOJO JUMOKU SEIBUN RI
JUKANKYO KOJO JUMOKU SEIBUN RIYO GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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JUKANKYO KOJO JUMOKU SEIBUN RI
JUKANKYO KOJO JUMOKU SEIBUN RIYO GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農作物や樹木などに被害を与える線虫を防除
或いは駆除することができ、しかも農作物や樹木或いは
他の有用な微生物等には悪影響を与えることがない線虫
防除剤、および土壌中の有用微生物に悪影響を与えずに
線虫などの微生物の繁殖を抑えることで、植物の生育を
促進することができる土壌活性化剤を提供することにあ
る。 【解決手段】 植物精油、植物精油成分、植物乾留液、
ホウ酸又はその塩、タンニンのうちから選択された一種
以上が有効成分として含有されてなることを特徴とする
線虫防除剤または植物精油、植物精油成分、植物乾留
液、ホウ酸又はその塩、タンニンのうちから選択された
一種以上が有効成分として含有されてなることを特徴と
する土壌活性化剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は線虫防除剤及び土壌
活性化剤に係り、その目的は、農作物や樹木などに被害
を与える線虫を防除或いは駆除することができ、しかも
農作物や樹木或いは他の有用な微生物等には悪影響を与
えることがない線虫防除剤、および土壌中の有用微生物
に悪影響を与えずに線虫などの微生物の繁殖を抑えるこ
とで、植物の生育を促進することができる土壌活性化剤
を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】線虫は袋形動物門に属する糸状の小動物
であり、農作物や樹木に被害を与えることが知られてい
る。線虫による被害として最も有名であるのが、マツノ
マダラカミキリを媒介昆虫とするマツノザイセンチュウ
により引き起こされる「松枯れ」である。日本では北海
道を除く地域で広く認められる。
【0003】また農作物に被害を与える主要な線虫とし
ては、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、シスト
センチュウなどが知られている。ネコブセンチュウは、
ナス科やウリ科の農作物で被害が発生している。ネコブ
センチュウの一世代は、卵、一期幼虫、二期幼虫、三期
幼虫、四期幼虫、成虫の六段階である。土の中で動くこ
とができるのは二期幼虫のときだけで、この二期幼虫の
段階で植物に侵入する。ネコブセンチュウの被害をうけ
た植物は、根が直接的に被害を受ける結果、養水分不足
が生じて地上部の生育が貧弱となり、収穫物の品質の低
下或いは収量の低下を招く。
【0004】ネグサレセンチュウは、サツマイモ、ジャ
ガイモ、トマト、サトイモ、ダイズ、コンニャク、キク
などの多くの植物に寄生する。ネグサレセンチュウの侵
入を受けた植物は、侵入部位が褐色から黒色に変色して
皮層柔組織の壊死を引き起こすので、地上部の生育は悪
くなり、葉は早期に枯れ落ちる。シストセンチュウによ
る被害が大きいのは、ダイズシストセンチュウであり、
萎黄病の病原線虫として有名である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、マツノザイセン
チュウの防除は、マツノザイセンチュウ剤を被害にあっ
た樹木の樹幹に注入する方法で行われている。マツノザ
イセンチュウ剤としては、塩酸レバミゾール剤、メスル
フォンホス剤、酒石酸モランテル剤などが知られてい
る。しかしながら、これらのマツノザイセンチュウ剤は
樹幹注入後、注入した部分の組織が異常になる等、その
効力は必ずしも十分とはいえなかった。また毒性を有す
るために安全性の面で問題があった。
【0006】また、農作物に被害を与える線虫の防除に
は、通常、殺線虫剤が用いられている。しかしながら、
殺線虫剤を使用して線虫を殺虫する場合、以下のような
問題が存在した。まず、殺線虫剤を使用すると、土壌中
の硝化菌が著しく減少する。これは一ヶ月程度で回復す
るが、その後は以前に比べて増殖する。その際、アンモ
ニア化成菌は殆ど影響を受けないために、土壌中にアン
モニア態チッソが増加する。このために、トマトなどの
アンモニアの影響を受けやすい作物に悪影響を与える場
合があった。またダイコンの巨大化、サツマイモ、カボ
チャなどのつるぼけなどが発生する場合があった。また
殺線虫剤を散布した年はたしかに効果が見られるが、翌
年以降は植物寄生性線虫がかえって増加する場合があ
る。これは、土壌消毒で一部又は大部分の微小生物を殺
したために、生き残った線虫や他から侵入した線虫が増
殖しやすくなるからである。さらには、長期間殺線虫剤
を使用すると、薬剤耐性を有する固体が発生することが
あり、薬剤の効果が得られなくなることがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するためになされたものであって、請求項1に係
る発明は、植物精油、植物精油成分、植物乾留液、ホウ
酸又はその塩、タンニンのうちから選択された一種以上
が有効成分として含有されてなることを特徴とする線虫
防除剤に関する。請求項2に係る発明は、ヒバ油、ヒノ
キ油、ショウノウ油、レモン油、ライム油、ハッカ油、
リナロエ油、ゼラニウム油、カヤプト油、シトロネラ
油、バラ油、テレピン油、レモングラス油、ラベンダー
油、オレンジ油のうちから選択された一種以上の植物精
油が有効成分として含有されてなることを特徴とする請
求項1に記載の線虫防除剤に関する。請求項3に係る発
明は、テルピネオール、シトロネロール、リモネン、ゲ
ラニオール、メントール、オイゲノール、ピネンのうち
から選択された一種以上の植物精油成分が有効成分とし
て含有されてなることを特徴とする請求項1又は2に記
載の線虫防除剤に関する。請求項4に係る発明は、前記
有効成分が担体に担持されてなることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれかに記載の線虫防除剤に関する。請
求項5に係る発明は、前記担体が木炭、竹炭、活性炭、
珪藻土、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、ベントナ
イト、デンプン、デキストリン、米糠、セッコウのうち
から選択された一種以上からなることを特徴とする請求
項4に記載の線虫防除剤に関する。請求項6に係る発明
は、植物精油、植物精油成分、植物乾留液、ホウ酸又は
その塩、タンニンのうちから選択された一種以上が有効
成分として含有されてなることを特徴とする土壌活性化
剤に関する。請求項7に係る発明は、前記有効成分が担
体に担持されてなることを特徴とする請求項6に記載の
線虫防除剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第一実施形態に係
る線虫防除剤について説明する。本発明の第一実施形態
に係る線虫防除剤は、有効成分として、植物精油、植物
精油成分、植物乾留液、ホウ酸又はその塩、タンニンの
うちから選択された一種以上が含有される。
【0009】植物精油は、植物の枝葉、根茎、木皮、樹
幹、果実、花、つぼみ、樹脂などを水蒸気蒸留、圧搾、
あるいは抽出(油脂吸着、溶剤抽出、液化ガス抽出な
ど)することにより得られる。一般的に水より軽く、揮
発性の油である。本発明では、線虫防除剤の有効成分と
してあらゆる種類の植物精油を使用することができ、具
体的には、ヒバ油、ヒノキ油、ショウノウ油、レモン
油、ライム油、ハッカ油、リナロエ油、ゼラニウム油、
カヤプト油、シトロネラ油、バラ油、テレピン油、レモ
ングラス油、ラベンダー油、オレンジ油等を例示するこ
とができる。
【0010】ヒバ油は、ヒノキ科に属する植物(Thujop
sis dolabrata var.hondai Mak.)の根株や木粉を水蒸
気蒸留することで得ることができる植物精油である。ヒ
ノキ油は、ヒノキ科に属する植物(Chamaqecyparis obt
usa)の根を水蒸気蒸留することで得ることができる植
物精油である。
【0011】レモン油はミカン科に属する植物(Citrus
limon)の果皮を圧搾することにより得られる。d−リ
モネン、シトラール、オクチルアルデヒド、ノニルアル
デヒド、リナロール、ゲラニオールなどの植物精油成分
が含まれている。ライム油はミカン科に属する植物(Ci
trus aurantifolia)の果皮を圧搾することにより得ら
れる。d−リモネン、シトラール、アンスラニル酸メチ
ル、ビサボレンなどの植物精油成分が含まれている。ハ
ッカ油はハッカ属に属する植物(Mentha arvensis)か
ら得られる。L−メントール、酢酸メンチル、メント
ン、d−ネオメントール、プレゴン、ピペリトン、ピネ
ン、リモネン、3−オクタノールなどの植物精油成分が
含まれる。
【0012】リナロエ油はカンラン科に属する植物(Bu
rsersa delpechiana)から得られる。L−リナロール、
酢酸リナリル、ゲラニオール、テルピネオール、ネロー
ルなどの植物精油成分が含まれる。ゼラニウム油はフク
ロソウ科に属する植物(Pelargonium graveolens)から
得られる。ゲラニオール、シトロネロール、ギ酸エステ
ル等の植物精油成分が含まれている。カヤプト油はフト
モモ科に属する植物(Melaleuca minor)から得られ
る。シネオール、ピネン、リモネンなどの植物精油成分
が含まれている。
【0013】シトロネラ油はイネ科に属する植物(Cymb
opogon winterianus)から得られる。d−シトロネラー
ル、ゲラニオール、シトロネロールなどが含まれてい
る。バラ油はバラから得られる。L−シトロネロール、
ゲラニオール、ネロール、フェニルエチルアルコール、
リナロール、ファルネソールなどが含まれている。テレ
ピン油はマツ科に属する植物(Pinus palustris 等)の
樹幹に傷をつけて得られる生松脂を水蒸気蒸留すること
で得られる。α−ピネン、β−ピネンなどが含まれてい
る。
【0014】レモングラス油は、イネ科に属するオガル
カヤ属(Cymbopogon)の植物を水蒸気蒸留して得られる
揮発性香料であり、本発明においては、俗に東インド型
と呼ばれるC.flexuosus Stapfから得られるレモングラ
ス油であっても、また俗に西インド型と呼ばれるC.citr
alus Stapfから得られるレモングラス油であっても、い
ずれも好適に用いることができる。また、その成分は、
シトラール、シトロネラール、カプリンアルデヒド、メ
チルヘプテノン、リナロール、ゲラニオール、リモネ
ン、ジペンテン等である。
【0015】ラベンダー油は、シソ科に属する植物(La
vandula officinakis Chaix et Villars)、又はこの変
種の花穂を水蒸気蒸留又は溶剤抽出することにより得ら
れる植物精油である。その成分は、酢酸リナリル、L−
リナロール、ゲラニオール、ラバンズロール、ネロー
ル、d−ボルネオール、酢酸ボルニル、シネオール、α
−ピネン、カリオフィレン、β−オシメン、n−アミル
エチルケトン、フルフラール、アミルアルコール等であ
る。
【0016】オレンジ油は、ミカン科に属する植物(Ci
trus sinensis)の果皮を圧搾して得られる精油であ
り、その成分は、d−リモネン、カプリンアルデヒド、
シトラール、リナロール、ノニルアルコール、テルピネ
オール、オーラプテン等である。
【0017】さらに本発明では、上述の植物精油のほ
か、マンダリン油、ベルガモット油、カラウェー油、ウ
イキョウ油、ダイウイキョウ油、ヘノポジ油、スペアミ
ント油、パルマローザ油、カルダモン油、イランイラン
油、ネロリ油、チョウジ油、カッシア油、ピメント油、
ベイ油なども有効成分として使用することができる。本
発明においては、上述した植物精油の一種を単独で使用
することもできるが、二種以上を混合して使用すること
もできる。
【0018】植物精油成分は、上述した植物精油を構成
する成分であり、具体的には、テルピネオール、シトロ
ネロール、リモネン、ゲラニオール、メントール、オイ
ゲノール、ピネンなどを例示することができる。
【0019】テルピネオールは、α−テルピネオール、
β−テルピネオール、γ−テルピネオールのいずれも好
ましく用いることができる。また、α−テルピネオール
は、光学異性体であるd−体、L−体、又はこの混合物
も好ましく用いることができる。さらに本発明において
は、これらの1種又は2種以上からなる混合物を用いる
こともできる。α−テルピネオールはショウノウ油、レ
モン油、ライム油、リナロエ油、ゼラニウム油、カヤプ
ト油などの植物精油に含まれている。
【0020】シトロネロールはテルピノレン型のほか、
リモネン型、或いはそれぞれの光学異性体であるd−
体、L−体も好ましく用いることができる。さらに本発
明においては、これらの1種又は2種以上からなる混合
物を用いることもできる。シトロネロールはシトロネラ
油、ゼラニウム油、バラ油などの植物精油に含まれてい
る。
【0021】リモネンはd−体、L−体、或いはdL−
体のいずれも好適に使用することができる。d−リモネ
ンはオレンジ油、レモン油、マンダリン油、ライム油、
ベルガモット油、カラウェー油、ウイキョウ油などの植
物精油に含まれている。L−リモネンはテレピン油、ダ
イウイキョウ油、ヘノポジ油、ハッカ油、スペアミント
油、カヤプト油などの植物精油に含まれている。dL−
リモネンはシトロネラ油、パルマローザ油、カルダモン
油、ショウノウ油などの植物精油に含まれている。
【0022】ゲラニオールはテルピノレン型のほか、リ
モネン型も好ましく用いることができ、また本発明にお
いては、これらの1種又は2種からなる混合物を用いる
こともできる。ゲラニオールはパルマローザ油、バラ
油、ゼラニウム油、シトロネラ油、リナロエ油、ラベン
ダー油、イランイラン油、ネロリ油などの植物精油に含
まれている。
【0023】メントールはd−体、L−体、或いはdL
−体のいずれも好適に使用することができる。ハッカ油
の主成分である。オイゲノールは、チョウジ油、カッシ
ア油、ピメント油、ベイ油等の植物精油に含まれてい
る。ピネンはα−ピネン、β−ピネン、δ−ピネンのい
ずれも使用することができる。またα−ピネンはd−
体、L−体のいずれも好適に使用することができる。α
−ピネンはテレピン油等の植物精油に含まれている。
【0024】本発明では上述の植物精油成分を単独で使
用することもできるが、二種以上を混合して使用するこ
とも可能である。
【0025】植物乾留液とは、植物を乾留した際に得ら
れる液体成分のことであり、具体的には、広葉樹や針葉
樹等の木材を乾留した際に得られる木酢液や竹類を乾留
した際に得られる竹酢液等を例示することができる。植
物乾留液を製造する際に用いられる植物は特に限定され
ず、例えば、広葉樹として、ブナ科(Fagaceae)ナラ属
(Quercus)に属するカシ類やナラ類、ウバメガシ(Quer
cus phillyra eoides)、クヌギ(Quercus acutissim
a)、クリ(Castanea crenata)等を、針葉樹として、
カラマツ(Larix kaempferi )、スギ(Cryptomeria ja
ponica)、ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)、アカマツ
(Pinus densiflora)、クロマツ(Pinusthunbergii)
等を、竹類として、イネ科(Gramineae)等を例示するこ
とができる。また、植物乾留液の製造方法は特に限定さ
れず、木材を炭化する際に発生する燻煙を冷却して得る
方法等を例示することができる。さらに、本発明におい
ては、前述のような植物乾留液を用いることもできる
が、植物乾留液を約1ヵ月以上静置貯蔵することにより
得られる、テルペン油等の軽油からなる上層、タールや
樹脂類等からなる沈殿層、水溶性成分である精製植物乾
留液からなる中間層の各層もそれぞれ使用することがで
きる。特に本発明においては、沈殿層である木酢タール
又は竹酢タールを用いることが好ましい。
【0026】タンニンは植物界に広く分布する、水に良
く溶け、水溶液は収れん性が強く、皮を革に変化させる
物質である。分子量は600〜2000位で、ポリオキ
シフェニルを基本骨格とする。本発明では、ピロガロー
ルタンニン、カテコールタンニンのいずれも好適に使用
することができる。またウルシ科植物である、Schinops
is lorentzii Engl.やSchinopsis balanseEngl.などの
心材のタンニンであるケブラコタンニンも好適に使用す
ることができる。ホウ酸又はその塩は、水、アルコール
類に対する溶解性を示す酸素酸である。
【0027】本発明では、上述した有効成分を単独で使
用することもできるが、上述の有効成分に加えて、炭化
水素類(鉱油)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなど)、塩素化炭化水素類(クロロホル
ム、四塩化炭化水素など)、エーテル類(ジオキサン、
テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン、シク
ロヘキサンなど)、エステル類(酢酸エチル、エチレン
グリコールアセテートなど)、アルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール、n−ヘキサノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコールなど)、アミド類(ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなど)、アセトニトリル、
水などの溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、防かび剤、香
料、着色料などの、通常の薬剤の調製に使用される各種
成分を適宜任意に配合することができる。この場合、上
述の有効成分の配合量は特に限定されないが、0.00
1〜100重量%、好ましくは0.1〜80重量%とさ
れる。また本発明に係る線虫防除剤は、土壌燻蒸剤、殺
菌剤、殺虫剤、除草剤などの農薬、肥料及び微生物資材
等と混合して使用することもできる。第一実施形態に係
る線虫防除剤の形態は特に限定されないが、乳剤、水性
又は油性の懸濁液などの液剤、粉剤、塗布剤、錠剤など
の固形剤などを例示することができ、土壌への混和、散
布、灌注及び樹木への注入、塗布等で使用することがで
きる。
【0028】次に、本発明の第二実施形態について説明
する。本発明の第二実施形態に係る線虫防除剤が第一実
施形態と異なる点は、有効成分が担体に担持されている
点である。用いられる担体は特に限定されず、例えば、
木炭、竹炭、活性炭、珪藻土、アルミナ、ゼオライト、
シリカゲル、ベントナイト、デンプン、デキストリン、
米糠、セッコウなどを例示することができる。これらの
担体は一種を単独で使用することもでき、また二種以上
を混合して使用することもできる。有効成分を担体に担
持させることで、有効成分の徐放性を高めることがで
き、線虫防除剤の効果を長期間にわたって維持すること
ができる。またこれらの担体、特に木炭や竹炭などは、
微生物の棲家となるために、土壌中の有用な微生物の数
を増加させることができる。さらに、有効成分を担体に
担持させることで、容易に土壌と混合することができ
る。
【0029】有効成分を担体に担持させる方法は特に限
定されず、有効成分或いは有効成分が含まれる溶液に担
体を浸漬して担持させる方法等を例示することができ
る。また、担体に担持される有効成分の量は特に限定さ
れないが、有効成分1重量部に対して、担体を0.3〜
3重量部、好ましくは0.5〜2重量部となるように調
整するとよい。担体の形態は特に限定されず、例えば、
粉状、粒状、ペレット状などを例示することができる。
粉状又は粒状に調製する場合、その粒度は特に限定され
ないが、0.01〜10mm、好ましくは0.01〜5
mmとされる。以上説明した以外の構成は、第一実施形
態に係る線虫防除剤と同様であり、説明を省略する。
【0030】本発明に係る線虫防除剤は、土壌中に生息
する線虫類、例えば、イモグサレセンチュウ(Dithlenc
hus destructor)、キタネグサレセンチュウ(Pratylen
chuspenetrans)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloi
dogyne incognita)、ジャガイモシストセンチュウ(Gl
obodera rostochiensis Wollenweber)、或いは樹木中
に生息するマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xy
lophilus (Steineret Buhrer) Nickle)等の線虫類に対
する防除効果を有する。しかも、土壌中の他の微生物、
例えば、放線菌、細菌、糸状菌に対しては、防除効果を
示さない。それどころか、放線菌、細菌、糸状菌の生育
を促進することができる。
【0031】さらに、以上説明した本発明に係る線虫防
除剤は、土壌に混和、散布、灌注することにより、土壌
活性化剤として使用することもできる。この理由は、土
壌中に生育する有用な微生物、例えば、放線菌、細菌、
糸状菌などに対しては、防除効果を示さずに、線虫など
の有害な微生物に対する防除効果を有するとともに、有
用な微生物の活動を活性化することができ、それにより
植物の生育を促進することができるからである。尚、本
発明に係る土壌活性化剤の構成は、上記説明した線虫防
除剤の構成と同一の構成を採用することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定される
ものではない。 1.試料の調製1 (1)実施例1 ナラ、カシ混合物の広葉樹を炭化し、発生する燻煙を冷
却し、3ヶ月間静置した。この液体の下層(沈殿層)を
分離することにより製造した木タール10gを、担体2
0gに吸着させることで実施例1の試料を調製した。
尚、珪藻土(粒度0.06mm以下)とヤシガラ微粉炭
(粒度0.05mm以下)とを重量比1:1で混合した
担体を使用した。 (2)実施例2 スギ、ヒノキのオガ粉の混合物を加熱成型したオガライ
トを炭化し、発生する燻煙を冷却し、3ヶ月間静置し
た。この液体の下層(沈殿層)を分離することにより製
造した木タール10gを、担体20gに吸着させること
で実施例2の試料を調製した。担体は実施例1と同じも
のを使用した。 (3)実施例3 ナラ、カシ混合物の広葉樹を炭化し、発生する燻煙を冷
却し、3ヶ月間静置した。この液体の上層、下層を除去
した中間層を分離することにより製造した木酢液10g
を、担体20gに吸着させることで、実施例3の試料を
調製した。担体は実施例1と同じものを使用した。 (4)実施例4 d−リモネン10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例4の試料を調製した。担体は実施例1と同じ
ものを使用した。 (5)実施例5 タンニン酸10gを、担体20gに吸着させることで、
実施例5の試料を調製した。担体は実施例1と同じもの
を使用した。 (6)実施例6 ホウ酸10gを、担体20gに吸着させることで、実施
例6の試料を調製した。担体は実施例1と同じものを使
用した。 (7)対照例1 実施例1の試料を調製する際に使用した担体を、対照例
1の試料とした。
【0033】2.試験例1(各試料の諸物性の測定) 上記調製した実施例1〜6の各試料の諸物性を測定し
た。はじめに、上記各試料を、1重量%の濃度となるよ
うに脱イオン水に溶解又は懸濁させた。これら溶解液又
は懸濁液の残渣の有無(溶解性)、浮遊物の有無、臭気
の有無を確認した。またこれら溶解液又は懸濁液10g
をカット綿(5×5cm)に吸収させた際の溶解液又は
懸濁液の分散性を目視で評価した。結果を表1に記載す
る。
【0034】
【表1】
【0035】3.試験例2(土壌線虫類に対する抑制効
果試験) (1)土壌の選抜 まず、線虫類が多数生息する土壌の選抜を行った。選抜
に供した土壌はいずれも既栽培土壌である、砂壌土(徳
島県鳴門産)、埴壌土(大阪府吹田産)、鉢用人工培養
土(京都府西京産)を使用した。線虫類の検出は、ベー
ルマン法(漏斗の下端を閉じて水を満たし、ここに試料
の入った布袋を沈め、泳ぎ出した線虫類を検出する方
法。)に従った。その結果、砂壌土は2.30/土壌1
mL、埴壌土は1.56/土壌1mL、鉢用人工培養土
は7.36/土壌1mLであった。また鉢用人工培養土
は寄生性の線虫類の頻度も高かった。従って、試験には
鉢用人工培養土を使用することにした。 (2)試験方法 上記選抜した土壌を篩分(5mm目)して供試土壌とし
た。試験は以下の二通りの方法(混和法と灌注法)で行
った。混和法の場合、供試土壌50mLに各実施例及び
対照例の試料を500mg添加して、よく混合した。こ
れを3週間、室温で放置した後に、土壌1mL当りの線
虫類の数をベールマン法で測定した。結果を表2に記載
する。灌注法の場合、供試土壌50mLをリロ・リーベ
ルマン装置のロートに入れて、ここに、上記実施例及び
対照例の試料を2重量%となるように脱イオン水に溶解
した溶解液25mLを均一に灌注した。一日おきに脱イ
オン水約10mLを滴下しながら、室温で3週間放置し
た後に、土壌1mL当りの線虫類の数をベールマン法で
測定した。結果を表2に記載する。
【0036】
【表2】
【0037】4.試験例3(土壌線虫類に対する抑制効
果試験) (1)試験方法 上記試験例1で選抜した土壌を篩分(5mm目)して供
試土壌とした。試験は、供試土壌50mLをリロ・リー
ベルマン装置のロートに入れて、ここに、上記実施例
1,3〜6及び対照例1の試料を2重量%、1重量%、
0.5重量%となるように脱イオン水に溶解した溶解液
25mLを均一に灌注した。一日おきに脱イオン水約1
0mLを滴下しながら、室温で3週間放置した後に、土
壌1mL当りの線虫類の数をベールマン法で測定した。
結果を表3に記載する。
【0038】
【表3】
【0039】表2及び表3に示される結果の通り、本発
明に係る線虫防除剤は効果的に線虫類を防除できること
が分かる。
【0040】5.試験例4(種子の発芽に対する影響) 上記試験例1で選抜した土壌を篩分(5mm目)して供
試土壌とした。試験は、まず、供試土壌50mLをシャ
ーレにとり、コカブの種子を蒔いた。次に、上記実施例
1,3〜6及び対照例1の試料を2重量%、1重量%、
0.5重量%となるように脱イオン水に溶解した溶解液
25mLを均一に灌注した。各実施例の試料を灌注した
コカブ種子の発芽が、対照例1の試料を灌注した場合に
比べてどの程度抑制されるのかを比較した。結果を表4
に記載する。
【0041】
【表4】
【0042】表4の結果に示されるように、本発明に係
る線虫防除剤は、高濃度で散布した場合、若干種子の発
芽を抑制するが、低濃度で散布した場合、種子に対する
発芽抑制は殆ど観察されなかった。
【0043】6.試験例5(土壌微生物に対する影響) 上記試験例1で選抜した土壌を篩分(5mm目)して供
試土壌とした。試験は、まず、供試土壌50mLをシャ
ーレにとり、次に、上記実施例1,3〜6及び対照例1
の試料を1重量%となるように脱イオン水に溶解した溶
解液25mLを均一に灌注した。一日おきに脱イオン水
約10mLを滴下しながら、室温で3週間放置した後
に、以下に述べる微量土壌平板培養法(遺伝、45
(1):104〜109、1991)により、土壌1m
L当りの細菌数、放線菌数を算出した。結果を表5に記
載する。
【0044】微量土壌平板培養法 (1)サンプル数の3×2培のペトリ皿を準備する。半
数は放線菌の検出用で、細菌の増殖を抑える抗生物質
(オキシテトラサイクリン;半井化学社製)を約1mg
加える。 (2)M−5培地を全てのペトリ皿に10mLずつ分注
する。 (3)培地が固まったら、蓋を取り逆さにして培地表面
を乾燥させる。 (4)乾燥した少量の試料を乳鉢で軽くすりつぶす。 (5)粉砕した微細土(マイクロスプーン1杯分)を培
地上にまく。 (6)培地上に試料を均一に広げ、培養する(28℃、
48時間)。 (7)固定染色液(乳酸125mL、グリセリン125
mL、コットンブルー1g、酸性フクシン500mg、
脱イオン水250mL)で染色固定する。 (8)細菌数、放線菌数を算出する。
【0045】
【表5】
【0046】表5に示される結果の通り、本発明に係る
線虫防除剤は、他の細菌や放線菌などの線虫以外の微生
物に対して悪影響を与えないことが分かる。それどころ
か、実施例1、3〜6の試料では細菌を増殖させること
ができる。
【0047】7.試料の調製2 (1)実施例7 シトロネロール10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例7の試料を調製した。なお、担体としては、
広葉樹粉炭(0.5〜2mm径)を使用した。 (2)実施例8 テルピネオール(液状テルピネオール;α−テルピネオ
ール、β−テルピネオール及びテルピネン−1−オール
を含有)10gを、担体20gに吸着させることで、実
施例8の試料を調製した。担体は実施例7と同じものを
使用した。 (3)実施例9 α−テルピネオール10gを、担体20gに吸着させる
ことで、実施例9の試料を調製した。担体は実施例7と
同じものを使用した。 (4)実施例10 ゲラニオール10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例10の試料を調製した。担体は実施例7と同
じものを使用した。 (5)実施例11 d−リモネン10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例11の試料を調製した。担体は実施例7と同
じものを使用した。 (6)実施例12 α−ピネン10gを、担体20gに吸着させることで、
実施例12の試料を調製した。担体は実施例7と同じも
のを使用した。 (7)実施例13 青森ヒバ油10gを、担体20gに吸着させることで、
実施例13の試料を調製した。担体は実施例7と同じも
のを使用した。 (8)実施例14 L−メントール10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例14の試料を調製した。担体は実施例7と同
じものを使用した。 (9)実施例15 オイゲノール10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例15の試料を調製した。担体は実施例7と同
じものを使用した。 (10)対照例2 実施例7の試料の調製に使用した担体を対照例2の試料
とした。
【0048】8.試験例6(試料の諸物性の測定) 上記調製した実施例7〜15の各試料の諸物性を測定し
た。はじめに、上記各試料は、1重量%の濃度となるよ
うに脱イオン水に溶解又は懸濁させた。これら溶解液又
は懸濁液の残渣の有無(溶解性)を確認した。またこれ
ら溶解液又は懸濁液10gをカット綿(5×5cm)に
吸収させた際の溶解液又は懸濁液の分散性を目視で評価
した。結果を表6に記載する。
【0049】
【表6】
【0050】9.試験例7(土壌生物相に対する効果) 実施例1で使用した土壌200mLを素焼鉢に入れ、こ
こに実施例7〜15及び対照例2の各試料の1重量%水
溶液を50mLづつ灌注した。露地に三週間放置した後
に、土壌をよく攪拌して、その一部を採取してベールマ
ン法及び微量土壌平板法により、土壌1mL当りの線虫
数、糸状菌数、細菌数、放線菌数の検出を行った。結果
を表7に記載する。
【0051】
【表7】
【0052】表7の結果に示されるとおり、本発明に係
る線虫防除剤は、線虫を効果的に防除できることが分か
る。また糸状菌、細菌、放線菌などの、線虫以外の微生
物に対して悪影響を与えないことが分かる。
【0053】10.試料の調製3 (1)実施例16 ナラ、カシ混合物の広葉樹を炭化し、発生する燻煙を冷
却し、3ヶ月間静置した。この液体の下層(沈殿層)を
分離することにより製造した木タール10gを、担体2
0gに吸着させることで実施例16の試料を調製した。
尚、珪藻土(粒度0.06mm以下)とヤシガラ微粉炭
(粒度0.05mm以下)とを重量比1:1で混合した
担体を使用した。 (2)実施例17 ナラ、カシ混合物の広葉樹を炭化し、発生する燻煙を冷
却し、3ヶ月間静置した。この液体の上層、下層を除去
した中間層を分離することにより製造した木酢液10g
を、担体20gに吸着させることで、実施例17の試料
を調製した。担体は実施例16と同じものを使用した。 (3)実施例18 d−リモネン10gを、担体20gに吸着させること
で、実施例18の試料を調製した。担体は実施例16と
同じものを使用した。 (4)実施例19 ケブラコタンニン10gを、担体20gに吸着させるこ
とで、実施例19の試料を調製した。担体は実施例16
と同じものを使用した。
【0054】11.試験例8(マツノザイセンチュウに
対する効果) (1)マツノザイセンチュウの検出 供試用のマツノザイセンチュウを得るために、自然発生
の松枯れ症状樹の小枝を採取した。採取した小枝をのこ
ぎりで厚さ約10mmの断片とし、脱イオン水に浸し
て、二日後、顕微鏡観察によりマツノザイセンチュウの
存在を調べた。マツノザイセンチュウの生息数の最も高
い松枯れ症状樹を使用した。 (2)マツノザイセンチュウ防除試験 上記選抜した松枯れ症状樹の断片(直径約20mm、厚
さ約10mm)を、上記調製した実施例16〜19の各
試料の1%懸濁液50mL中に浸漬した。室内で2日間
放置した後、マツノザイセンチュウを採取して顕微鏡測
定を行い、松枯れ症状樹の断片1mL当りの線虫数を算
出した。また対照例3として、脱イオン水50mL中に
浸漬した場合も同様に線虫数を算出した。試験は実施例
16〜19及び対照例3の各試料を3片ずつ行い、その
平均値を算出した。この試験を合計二回行った。結果を
表8に記載する。
【0055】
【表8】
【0056】表8の結果に示されるとおり、本発明に係
る線虫防除剤は、マツノザイセンチュウを効果的に防除
できることが分かる。
【0057】12.試験例9(土壌活性化試験) (1)試料 栽培用土(タキイ社製)に、上記の調製した実施例16
〜19の各試料をそれぞれ1重量%添加してよく攪拌混
合し、3号ポリポット(5個)に約200mLずつ分注
した(1%区)。残土に等量の栽培用土を加えて、同様
に3号ポリポット(5個)に分注した(0.5%区)。
さらに、残土に等量の栽培用土を加えて、同様に3号ポ
リポット(5個)に分注した(0.25%区)。また実
施例の試料を添加していない栽培用土を3号ポリポット
(5個)に約200mLずつ分注した(対照例4)。こ
れらのポットに、別途用意したアリッサムの苗を移植し
て試験栽培を開始した。栽培開始二週間目に一区5ポッ
トのうち2ポット、四週間目に残りの3ポットについ
て、アリッサムの生育状態、個体生重量を観察測定し
た。また栽培用土の一部を採取して、その微生物相の検
診、ならびにpH、電気伝導度(EC)の測定を行っ
た。線虫数の測定は上述したベールマン法で測定した。
糸状菌、細菌、放線菌数の測定は上述した微量土壌平板
培養法で測定した。二週間目の結果を表9〜11に、四
週間目の結果を表12〜14に記載する。
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
【表12】
【0062】
【表13】
【0063】
【表14】
【0064】表9に示されるとおり、栽培二週間後の苗
の生育状況は、概ね順調に生育し、特に実施例17及び
19の試料の場合、対照例4に比べて極めて良好に生育
した。また表10に示されるとおり、糸状菌、細菌、放
線菌に悪影響を与えることなく線虫の生育を効果的に防
除することができた。それどころか、糸状菌、細菌、放
線菌の生育を促進することができた。表12及び表13
に示されるとおり、栽培四週間後の場合、この傾向はよ
り顕著であった。実施例の各試料は、他の有用な微生物
に悪影響を与えることなく線虫を駆除することができ
た。また有用な微生物は、個体数の増加とともに、種数
の増加も顕著であり、しかも植物の生育を促進すること
ができた。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したごとく、請求項1に係る発
明は、線虫に対する優れた防除或いは駆除効果を発揮す
ることができる。また人体や環境に対しては毒性を示さ
ないので、高い安全性を有する。また、土壌中に生息す
る線虫以外の微生物に対しては悪影響を与えない。この
ために、翌年以降にかえって線虫が増加するということ
も無く、また農作物の巨大化などの問題の発生もない。
請求項2及び3に係る発明は、線虫に対する防除或いは
駆除効果の高い線虫防除剤を得ることができる。請求項
4及び5に係る発明は、有効成分が担体に担持されてい
るために、有効成分の除放性に優れ、効果を長期間にわ
たって維持することができる。また担体は土壌中に生息
する有用な微生物の棲家となるために、土壌中に生息す
る有用な微生物を増加することができる。請求項6に係
る発明は、土壌中の有用微生物に悪影響を与えずに線虫
などの微生物の繁殖を抑えることで、植物の生育を促進
することができる。請求項7に係る発明は、有効成分が
担体に担持されているために、有効成分の除放性に優
れ、効果を長期間にわたって維持することができる。ま
た土壌と容易に混合することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 31/04 A01N 31/04 31/06 31/06 31/08 31/08 35/02 35/02 59/14 59/14 Fターム(参考) 4H011 AC01 BA01 BB18 BB22 BC18 BC19 BC20 BC22 DA02 DC10 DD04 DF02 DF05 DG06 DH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物精油、植物精油成分、植物乾留液、
    ホウ酸又はその塩、タンニンのうちから選択された一種
    以上が有効成分として含有されてなることを特徴とする
    線虫防除剤。
  2. 【請求項2】 ヒバ油、ヒノキ油、ショウノウ油、レモ
    ン油、ライム油、ハッカ油、リナロエ油、ゼラニウム
    油、カヤプト油、シトロネラ油、バラ油、テレピン油、
    レモングラス油、ラベンダー油、オレンジ油のうちから
    選択された一種以上の植物精油が有効成分として含有さ
    れてなることを特徴とする請求項1に記載の線虫防除
    剤。
  3. 【請求項3】 テルピネオール、シトロネロール、リモ
    ネン、ゲラニオール、メントール、オイゲノール、ピネ
    ンのうちから選択された一種以上の植物精油成分が有効
    成分として含有されてなることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の線虫防除剤。
  4. 【請求項4】 前記有効成分が担体に担持されてなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の線虫
    防除剤。
  5. 【請求項5】 前記担体が木炭、竹炭、活性炭、珪藻
    土、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、ベントナイ
    ト、デンプン、デキストリン、米糠、セッコウのうちか
    ら選択された一種以上からなることを特徴とする請求項
    4に記載の線虫防除剤。
  6. 【請求項6】 植物精油、植物精油成分、植物乾留液、
    ホウ酸又はその塩、タンニンのうちから選択された一種
    以上が有効成分として含有されてなることを特徴とする
    土壌活性化剤。
  7. 【請求項7】 前記有効成分が担体に担持されてなるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の線虫防除剤。
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