JP5372066B2 - 線虫防除剤 - Google Patents
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Description
1.試験用線虫溶液の準備
沖縄県内のバジル圃場より、ネコブセンチュウ被害根を採取し、水で十分すすいだ後、被害根に付着した卵のうを医療用メスにて摘出した。摘出した卵のうは、水で湿らせたキムワイプの上に置き、これを少量の水をはったシャーレ内に設置して暗所室温にて静置した。数日毎に、シャーレ内の水に分離した線虫を線虫懸濁液としてパスツールピペットで採取し、三角フラスコに移し、パラフィルムなどで蓋をした。この線虫懸濁液は暗室下15℃条件にて冷蔵保管し、2週間以内に実験に供試した。
(1)三角フラスコ中で15℃に保存されている線虫の懸濁液をパスツールピペットを用いて遠沈管に入れ、遠心分離機を用いて、3000rpm条件で3分間遠心分離し、線虫を沈殿させた。
(2)パスツールピペットを用いて上澄みを取り除き、線虫の高密度懸濁液を得た。
(3)この高密度線虫懸濁液をタッチミキサーでよく撹拌した後、ピペットマンを用いて0.1ml採取し、これをプレパラート上に広げた。
(4)顕微鏡(40倍)で観察しながら、カウンターを用いてプレパラート上の線虫をすべてカウントし、高密度線虫懸濁液0.1mlあたりの線虫密度を求めた。
(5)必要に応じて蒸留水あるいは、高密度線虫懸濁液を加えて、線虫密度が0.1mlあたり130〜140頭の線虫懸濁液を調製した。
(1)実施例に係る防除剤として、試験管にテルミナリア・チェブラ果実の熱水抽出物の乾燥粉末(川村通商(株)製ミラボランタンニン)を50mg、20mg、10mg秤取して入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えて撹拌し、溶解させた。
(2)これらをそれぞれ実施例1−ア(1重量%濃度条件)、実施例1−イ(0.4重量%濃度条件)、実施例1−ウ(0.2重量%濃度条件)とした。
(3)また、一般に市販され、良く利用されている各種植物より抽出したタンニンの乾燥粉末を用いて同様に比較試験を行なった。比較例1としては実施例1で用いたテルミナリア・チェブラ果実の抽出物(ミラボランタンニン)と良く似た化学構造を有し、芳香族カルボン酸や糖が多数エステル結合してなる加水分解型タンニンで、チェストナットの木質部から抽出されたチェストナットタンニン、比較例2としてはガンビアの葉部から抽出され、その化学構造としては、フラバノール骨格が多数炭素−炭素結合してなる縮合型タンニンであるガンビアタンニン、比較例3としてはミモサの樹皮から抽出された縮合型タンニンであるミモサタンニン、比較例4としてはケブラチョの木質部から抽出された縮合型タンニンであるケブラチョタンニンを用いた。これらも実施例と同様、試験管に50mg、20mg、10mgを秤取し、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かし、それぞれ比較例1−ア(1重量%濃度条件)、比較例1−イ(0.4重量%濃度条件)、比較例1−ウ(0.2重量%濃度条件)などとした。
(4)また、比較例5として、試験管に蒸留水4.5mlのみを入れた。(対照試験)
(5)各試験管にピペットマンを用いて上記の密度調整済み線虫懸濁液を0.5mlずつ加えてタッチミキサーでよく撹拌し、全量が5.0mlで、その1mlあたりに線虫が130〜140頭存在する試験液を調整した。各試験液はパラフィルムで蓋をし、遮光下25℃条件にて静置した。
(6)各試験液は所定時間後にタッチミキサーで撹拌し、ピペットマンを用いてその0.3mlをプレパラートに広げ、顕微鏡(40倍)にて観察し、動いている(生存)線虫と動かない(不動化)線虫の数をそれぞれカウントし、全線虫のうちの不動化した線虫の割合(不動化率)を求めた。なお、1回の測定においてこの操作を3回繰り返し、その平均値を各試験液の不動化率とした。
(7)24時間後の不動化率を測定した後、試験液の全量を遠沈管に入れ、遠心分離機を用いて3000rpm条件で3分間遠心分離した。その後、パスツールピペットを用いて上澄みをできるだけ除去し、沈殿物に蒸留水を加えてタッチミキサーでよく撹拌し、遠心分離機で3000rpm条件で3分間遠心分離した。この操作を再度行い、さらに再びパスツールピペットを用いて上澄みをできるだけ除去後、最初に除去した量だけ蒸留水を加えることで、線虫を洗浄するとともに試験液を蒸留水で十分に置換した。
(8)これらを25℃にて24時間静置した後、タッチミキサーで撹拌し、ピペットマンを用いてその0.3mlをプレパラートに広げ、顕微鏡(40倍)にて観察し、生存している線虫と致死している線虫の数をそれぞれカウントし、全線虫のうちの致死した線虫の割合(致死率)を求めた。ここで、線虫の生存、致死の判定は、図1及び図2の(a)に示すように、比較的複雑に屈曲し、観察中、たえず動いているものを生存、(b)に示すように、原形質が収縮したり、原形質内に気泡が発生するなどの異常を呈して、観察中全く動かないものを致死とした。なお、1回の測定においてこの操作を3回繰り返し、その平均値を各試験液の致死率とした。
ネコブセンチュウにおける不動化・致死試験結果は、表1に示すとおりである。
1.試験用ネグサレセンチュウ幼虫の準備
沖縄県内のキク圃場より、ネグサレセンチュウ被害根を採取し、水で十分洗浄後、被害根を2〜3mm程度に刻んで、水で湿らせたキムワイプの上に置き、これを少量の水をはったシャーレ内に設置して暗所室温にて静置した。数日毎に、シャーレ内の水に分離した線虫を線虫懸濁液としてパスツールピペットで採取し、三角フラスコに移し、パラフィルムなどで蓋をした。この線虫懸濁液は暗室下15℃条件にて冷蔵保管し、2週間以内に実験に供試した。
ネコブセンチュウに対する防除試験と同様の手法で行なった。
ネグサレセンチュウを用いること以外はすべてネコブセンチュウに対する防除試験と同様の手法で行ない、実施例に係る防除剤として、試験管にテルミナリア・チェブラ果実の熱水抽出物の乾燥粉末(川村通商(株)製ミラボランタンニン)を50mg、20mg、10mg秤取して入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かした剤をそれぞれ実施例2−ア(1重量%濃度条件)、実施例2−イ(0.4重量%濃度条件)、実施例2−ウ(0.2重量%濃度条件)とした。また、同様にしてチェストナットタンニン、ガンビアタンニン、ミモサタンニン、ケブラチョタンニンから調製した剤をそれぞれ、比較例6、7、8、9とした。また、比較例10として、試験管に蒸留水4.5mlのみを入れた。(対照試験)
ネグサレセンチュウにおける不動化・致死試験結果は、表2に示すとおりである。
(1)実施例に係る線虫防除剤として、先の実施例1及び2で用いたテルミナリア・チェブラ果実の熱水抽出物の乾燥粉末を用い、スイートバジルを用いた試験を実施例3、ミニトマトを用いた試験を実施例4、ピーマンを用いた試験を実施例5とした。
(2)5.5L容量のプラスチック製ポットに5Lの培養土を充填し、ここへ各種植物の苗を定植する3日前から、線虫防除剤を2重量%濃度水溶液(実施例3−ア、4−ア、5−ア)1重量%濃度水溶液(実施例3−イ、4−イ、5−イ)、0.4重量%濃度水溶液(実施例3−ウ、4−ウ、5−ウ)とし、それぞれ1つのポットあたり1日30mlずつ潅注した。
(3)4日目に実施例3はスイートバジルの苗(地上部長さ約15cm)、実施例4はミニトマトの苗(地上部長さ約18cm)、実施例5はピーマンの苗(地上部長さ約10cm)を1株ずつポットに定植し、直後に再び各種線虫防除剤をそれぞれ30ml潅注した。
(4)さらに定植後、2日目まで各種線虫防除剤を1つのポットあたり1日30mlずつ潅注した。
(5)なお、実施例3、4、5において、それぞれ各種線虫防除剤の代わりに水を用いた対照試験を行い、これらをそれぞれ比較例11、12、13とした。
(6)適宜潅水しながら1ヶ月間栽培し、各種条件における植物に対する生長阻害レベルを5(甚大)、4(やや甚大)、3(中程度)、2(軽度)、1(ほとんど阻害なし)、0(阻害なし)として評価した。なお、実施例3ではそれぞれ2ポットずつ、実施例4、5及び比較例11、12、13ではそれぞれ3ポットずつ試験を行い、その平均値で各種溶液の植物に対する生長阻害の有無を判定した。
本発明の実施例にかかる線虫防除剤の各種植物に対する生長阻害試験結果は表3に示すとおりである。
Claims (4)
- ネコブセンチュウ及び/又はネグサレセンチュウを防除対象とする線虫防除剤であって、テルミナリア・チェブラ果実の抽出物を有効成分とすることを特徴とする線虫防除剤。
- 前記抽出物が、溶媒として水、親水性有機溶媒又は水と親水性有機溶媒の混合液を用いて抽出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の線虫防除剤。
- 前記抽出物の濃度が、前記溶媒に対して2重量%未満かつ0.4重量%以上であることを特徴とする請求項2に記載の線虫防除剤。
- ネコブセンチュウ及び/又はネグサレセンチュウを防除対象とする線虫防除方法であって、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の防除剤を用いることを特徴とする線虫防除方法。
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