JP5372065B2 - 線虫防除剤 - Google Patents

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Description

本発明はネグサレセンチュウの防除剤に関し、栽培作物に対する害虫の防除技術の分野に属する。
近年、栽培作物に対する寄生性線虫類による被害が拡大し、問題となっている。この問題は特定作物を連作する場合に特に顕著となり、その作物への寄生性の強い線虫の土壌中の密度が高くなる結果、作物の生育を阻害したり、収量を低下させたりするなどの被害をもたらす。
特に、ネグサレセンチュウは作物の根に侵入し、移動しながら組織内を広範囲に崩壊、壊死させることが知られている。また、ジャガイモ、サツマイモ、ゴボウ、ダイコン、ニンジン、イチゴ、モモ、キクなど寄主範囲が広い。
その対策として、従来、堆肥等の粗大有機物が用いられてきたが、この方法は、有害線虫に対する抑制効果は高いものの、大量に用いる必要があるので、労働負担が高く、さらに、作物の異常生長を招いたり、土壌中に病原菌が蔓延しやすくなるなどの欠点がある。
また、土壌中での線虫の繁殖を抑制する化学的物質を含有する植物、例えばマリーゴールド、クロタラリア、ギニアグラスなどを栽培作物と併せて植え付ける方法もあるが、この方法は目的とする作物の作付面積を制約するという難点がある。
さらに、播種あるいは植付け前にくん蒸処理用の農薬を用いた土壌消毒はコストも低く、現在最も汎用的に使用されている防除法であり、土壌中の線虫除去に効果を有するが、この方法は人畜に対する安全性を損なう懸念があり、また、有用微生物を死滅させるなど、土壌生態系への影響が大きい。さらに、リサージェンス(誘導多発性)と呼ばれるように、処理後、かえって対象害虫あるいは他の害虫が増加するという被害の常態化をしばしば誘発することが知られている。
また、物理的防除方法として、ハウスでの太陽熱を利用した消毒や、大量の潅水と熱とによる還元消毒なども効果的ではあるが、この方法は大規模な設備が必要で、コストや労働負担が高い。
そして、これらの対策方法は、いずれも予防的な方法であって、作付中に一旦寄生されると、それを排除して土壌を回復するのはきわめて困難であり、さらなる汚染を防ぐしかないのが実情である。
このような実情に対処するものとして、特許文献1にはネコブセンチュウに有効な天然物由来の防除剤が開示されており、アワユキセンダングサ、ヒメジョン、オオアレチノギク、セイタカアワダチソウなどのキク科植物の抽出物が、ネコブセンチュウに対して防除効果を有することが記載されている。また、特許文献2にはコーヒー粕抽出液やコーヒー粕発酵物が各種植物寄生性線虫に対してある程度の防除効果を有することが記載され、特許文献3には、コーヒー粕抽出液やコーヒー粕発酵物にマリーゴールド植物体を用いることにより、特許文献2で得られた線虫防除効果が高まることが記載されている。また、特許文献4には、植物精油や精油の成分、植物還流液、ホウ酸又はその塩、タンニンなどを有効成分とした線虫防除材および土壌活性化剤が記載されている。
特許4528982号 特開平11−92321号公報 特開平11−92323号公報 特開2003−171217号公報
しかし、前記特許文献1に記載のものは、ネコブセンチュウを効果的に防除するために大量の植物体が必要となり、処理コストが高くなるという欠点がある。
また、特許文献2に記載されたコーヒー粕抽出液は、実施例1〜4として示されているように、線虫分散液へ所定量を添加し、2、4、6、24時間後における溶液中における線虫の状態を直接顕微鏡にて観察することで、死亡率を測定しているが、線虫防除の研究分野ではこの状態は完全に死亡しているのではなく、単に不動化した状態であり、その後抽出液を水で希釈してさらに数時間静置すると、再び活動を開始することが知られている。また、特許文献2に記載されたコーヒー粕発酵堆肥は、実施例5〜7として示されているように、定植直前から定植1月後の間に線虫数が大幅に増加しており、圃場にかなり大量に施用しても、完全に線虫が防除されていない。したがって、特許文献2におけるコーヒー粕抽出液および/またはコーヒー粕発酵物を含有する線虫活性抑制剤を用いたとしても、長期に作物を栽培するうちに被害は再び拡大してしまう可能性が高い。
また、特許文献3に記載のものは、特許文献2に記載されているようにコーヒー粕発酵堆肥だけでは線虫防除効果が低く、マリーゴールドペレットも単独では線虫防除効果が低いので、線虫防除効果を実現させるためには、2つの成分を混合しなくてはならず、製造に手間がかかる。また、マリーゴールドペレットについては半乾燥したマリーゴールドをそのままペレット化しているため、大量に土壌へ施用することで他の病害菌の温床になる可能性が考えられる。
また、特許文献4に記載のものは、植物精油や精油の成分、植物還流液、ホウ酸又はその塩、タンニンなど有効成分の処理濃度が高いと植物の生育を阻害するため、1重量%以下の低濃度領域において使用するが、その場合植物寄生性線虫に対する防除効果が低減し、長期に作物を栽培するうちに被害が拡大してしまう可能性が高い。
以上のように、従来報告されている線虫防除剤は、商品作物を安定供給しなくてはならない農家にとっては、満足できるような効果を示していないといえる。すなわち、人体や作物に対する安全性はもちろん、なるべく経済的で、実施の容易性等に優れ、なおかつ線虫への防除効果がより優れた防除剤の実現が望まれている。
本発明は、ネグサレセンチュウの防除剤に関して、前記課題を解決するためになされたものであって、まず、請求項1に記載の発明は、生コーヒー豆抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
これまでの研究結果などから、線虫防除効果を奏する物質の1つとして、フェノール化合物が挙げられる。しかし、通常フェノール化合物はあらゆる生態において毒性を示すものが多く、土壌や農地などへ安易に施用することは好ましくない。一方で、フェノール化合物は植物組織内にも豊富に含まれており、これらのフェノール化合物は高分子化したり、糖やたんぱく質、酸などと結合することで無毒化さらには新たな機能を発揮することが知られている。そこで、これらの植物組織内に存在するフェノール化合物を利用することで、より安全な線虫防除剤を提供することが試みられてきた。しかし、特に糖やたんぱく質、酸などとエステル結合したフェノール化合物は熱などで分解されやすく、植物組織から分離する工程、あるいは加熱などの加工工程などを経ることで本来有する機能が失われる場合がある。
つまり、発明者は、前記特許文献2に記載されたコーヒー粕抽出液やコーヒー粕発酵物を用いたものが線虫防除効果の点で満足できる結果が得られないのは、これらの抽出液や発酵物はコーヒー豆を焙煎加工した後のものであって、焙煎時に前記フェノール化合物が分解されてしまったのではないかと推測し、そこで、熱などで容易に分解してしまう天然由来のフェノール化合物が分解されずに豊富に含まれている生コーヒー豆に着目したのである。
上記の特性を有するフェノール化合物の一例としては、例えば、クロロゲン酸およびクロロゲン酸類などが挙げられる。クロロゲン酸とはカフェ酸のカルボキシル基がキナ酸の5位のヒドロキシ基とエステル結合した5−カフェオイルキナ酸という化合物である。また、キナ酸の3位、4位、5位のヒドロキシル基のうち少なくとも1つがカフェ酸あるいはフェルラ酸のカルボキシル基とエステル結合した化合物、例えば、3−カフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸などはクロロゲン酸類と呼ばれており、いずれも高い水溶性を有するが、加熱により容易に分解してしまうため、通常流通している焙煎されたコーヒー豆およびその抽出液や抽出残差であるコーヒー粕においてはほとんど含まれていない。
すなわち、天然かつ人体に安全で、これまでの天然原料においては得ることが困難であったフェノール化合物を多く含有する生コーヒー豆抽出物を用いることにより、人体や作物に対する安全性が高く、実施の容易性等に優れ、線虫への防除効果がより優れた防除剤を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のネグサレセンチュウの防除剤であって、生コーヒー豆抽出物の濃度が水および/または親水性有機溶媒に対して0.4重量%以上であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または2に記載の防除剤を用いたネグサレセンチュウの防除方法である。
本発明に係るネグサレセンチュウの防除剤およびこれを用いた防除方法によれば、生コーヒー豆抽出物が、ネグサレセンチュウに作用し、致死の効果を発揮して、ネグサレセンチュウが寄生することによる作物被害を防止もしくは軽減する。
また、特に、この防除剤は、飲用原料であるコーヒー豆を原料とするから、人畜や環境への影響がなく、土壌生態系を損なうおそれもない。
また、この防除剤は、植物に対する影響が少ないため、作物への寄生が認められてからであっても処理を行なうことができ、線虫による被害を防止もしくは軽減することができる。
ネグサレセンチュウの生存状態と致死状態とを示す写真である。
本発明のネグサレセンチュウの防除剤は、生コーヒー豆から抽出されたエキスとして市販されているものを使用することができる。このエキスは粉末で、各種溶媒に対する高い水溶性を保持しているため、水、有機溶媒、あるいは水と親水性有機溶媒の混合溶媒などに溶解希釈することで、目的に応じた濃度に調整して使用することができる。
また、必要に応じて他の防除成分、界面活性剤、乳化剤、保存料、酸化防止剤、紫外線吸収剤や、色素、顔料などの添加剤を配合した状態で製剤化することもできる。
また、この防除剤は、固形状あるいは粉末状の場合は土壌へ散布、混和することによって用いることができる。また、液状の場合は土壌中に灌注して用いることができるほか、適宜担体に担持させ、これを土壌表面に配置あるいは土壌中に混和して用いることもできる。
以下、本発明の実施例について説明する。
1.試験用ネグサレセンチュウ幼虫の準備
沖縄県内のキク圃場より、ネグサレセンチュウ被害根を採取し、水で十分洗浄後、被害根を2〜3mm程度に刻んで、水で湿らせたキムワイプの上に置き、これを少量の水をはったシャーレ内に設置して暗所室温にて静置した。数日毎に、シャーレ内の水に分離した線虫を線虫懸濁液としてパスツールピペットで採取し、三角フラスコに移し、パラフィルムなどで蓋をした。この線虫懸濁液は暗室下15℃条件にて冷蔵保管し、2週間以内に実験に供試した。
2.ネグサレセンチュウ懸濁液の密度調整
(1)三角フラスコ中で15℃に保存されている線虫懸濁液をパスツールピペットを用いて遠沈管に入れ、遠心分離機を用いて、3000rpm条件で3分間遠心分離し、線虫を沈殿させた。
(2)パスツールピペットを用いて上澄みを取り除き、線虫の高密度懸濁液を得た。
(3)この高密度線虫懸濁液をタッチミキサーでよく撹拌した後、ピペットマンを用いて0.1ml採取し、これをプレパラート上に広げた。
(4)顕微鏡(40倍)で観察しながら、カウンターを用いてプレパラート上の線虫をすべてカウントし、高密度線虫懸濁液0.1mlあたりの線虫密度を求めた。
(5)必要に応じて蒸留水あるいは、高密度線虫懸濁液を加えて、線虫密度が0.1mlあたり130〜140頭の線虫懸濁液を調製した。
3.ネグサレセンチュウの不動化・致死試験
実施例に係る防除剤として、試験管に生コーヒー豆抽出物(オリザ油化(株)製:生コーヒー豆エキス−Pまたは富士化学工業(株)製:カフェノールP−100)を0.5ml、0.05ml、0.02ml、0.01ml、0.005ml入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かした。これらをそれぞれ実施例1(10重量%濃度条件)、実施例2(1重量%濃度条件)、実施例3(0.4重量%濃度条件)、実施例4(0.2重量%濃度条件)、実施例5(0.1重量%濃度条件)とした。
また、比較例1(10重量%濃度条件)として、試験管にコーヒー抽出液(UCC上島珈琲(株)製レギュラー粉ブレンド(ブラジル産とエルサルバドル産の豆を使用)20gを100℃に沸騰した蒸留水200mlでフィルターろ過抽出した溶液)を0.5ml入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かした。
また、比較例2(10重量%濃度条件)として、試験管にコーヒー抽出液(UCC上島珈琲(株)製レギュラー粉ブレンド(ブラジル産とエルサルバドル産の豆を使用)20gを100℃に沸騰した蒸留水80mlでフィルターろ過抽出した溶液)を0.5ml入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かした。
また、比較例3(10重量%濃度条件)として、試験管にコーヒー抽出液(UCC上島珈琲(株)製レギュラー粉ブレンド(ブラジル産とエルサルバドル産の豆を使用))25gに蒸留水100mlを加えてミキサーで粉砕後、ガーゼでろ過した抽出物を4500rpm条件で20分間遠心分離し、得られた上澄み)を0.5ml入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かした。
また、比較例1および比較例2の溶液を調製した後に残ったコーヒー粕をそれぞれ40℃、24時間送風乾燥し、得られたコーヒー粕乾燥物12gに48mlの蒸留水を加えてミキサーで粉砕後、ガーゼでろ過した抽出物を4500rpm条件で20分間遠心分離し、得られた上澄み0.5mlを試験管に入れ、ここへ蒸留水を4.5ml加えてよく溶かし、これらをそれぞれ比較例4(10重量%濃度条件)、比較例5(10重量%濃度条件)とした。
また、比較例6として、試験管に蒸留水4.5mlのみを入れた。(対照試験)
各試験管にピペットマンを用いて上記の密度調整済み線虫懸濁液を0.5mlずつ加えてタッチミキサーでよく撹拌し、全量が5.0mlで、その1mlあたりに線虫が130〜140頭存在する試験液を調整した。各試験液はパラフィルムで蓋をし、遮光下25℃条件にて静置した。
(8)各試験液は2時間後、4時間後、6時間後、24時間後にタッチミキサーで撹拌し、ピペットマンを用いてその0.3mlをプレパラートに広げ、顕微鏡(40倍)にて観察し、動いている(生存)線虫と動かない(不動化)線虫の数をそれぞれカウントし、全線虫のうちの不動化した線虫の割合(不動化率)を求めた。なお、1回の測定においてこの操作を3回繰り返し、その平均値を各試験液の不動化率とした。
(9)24時間後の不動化率を測定後、試験液の全量を遠沈管に入れ、遠心分離機を用いて3000rpm条件で3分間遠心分離した。その後、パスツールピペットを用いて上澄みをできるだけ除去し、沈殿物に蒸留水を加えてタッチミキサーでよく撹拌し、遠心分離機で3000rpm、3分間遠心分離した。この操作を再度行い、さらに再びパスツールピペットを用いて上澄みをできるだけ除去後、最初に除去した量だけ蒸留水を加えることで、線虫を洗浄するとともに試験液を蒸留水で十分に置換した。
(10)これらを25℃にて24時間静置した後、タッチミキサーで撹拌し、ピペットマンを用いてその0.3mlをプレパラートに広げ、顕微鏡(40倍)にて観察し、生存している線虫と致死している線虫の数をそれぞれカウントし、全線虫のうちの致死した線虫の割合(致死率)を求めた。ここで、線虫の生存、致死の判定は、図1の(a)に示すように、比較的複雑に屈曲し、観察中、たえず動いているものを生存、(b)に示すように、原形質が収縮するなどの異常を呈して、観察中全く動かないものを致死とした。なお、1回の測定においてこの操作を3回繰り返し、その平均値を各試験液の致死率とした。
4.試験結果
以上の試験結果は、表1に示すとおりである。
Figure 0005372065
実施例1から5はいずれも試験開始後6時間までは不動化率が非常に低かったが、その後24時間までに96%以上が不動化し、その後81%以上が致死していた。また、その効果は実施例1、2、3でほぼ同等であったことから、生コーヒー豆抽出物濃度が0.4重量%以上で、ほぼ完全にネグサレセンチュウが致死するといえる。
一方、比較例1および3は、試験開始後24時間までの不動化率が非常に低く、その後の致死率も43.9%、23.5%とかなり低かった。また、比較例2、4、5では、24時間後の不動化率がそれぞれ98.7%、100%、50%を示したが、その後の致死の判定では27.1%、18.4%、13.7%とその致死率が大幅に低下した。試験溶液中では不動化状態であったネグサレセンチュウが水で洗浄、置換されたことによって再び活性化したことを示し、致死効果は非常に低いといえる。
なお、対照試験である比較例5においても若干の不動化および致死が確認されたが、これは、キクの被害根に寄生したネグサレセンチュウを直接分離して試験に供したためであり、様々な成熟ステージの個体が混在しており、寿命を迎えた個体が不動化、致死としてカウントされた可能性が高いといえる。
したがって、これらの結果から、コーヒー抽出液やコーヒー粕抽出液ではなく、生コーヒー豆の抽出物を用いた場合に特異的にネグサレセンチュウ防除効果が認められることが示された。このことはすなわち、特許文献2に記載されているコーヒー粕抽出液やその発酵物を線虫活性抑制剤として用いた場合と同様に、コーヒー抽出液やコーヒー粕抽出液が原料としてすでに焙煎されたコーヒー豆を用いているため、生コーヒー豆中における熱により分解されやすく線虫防除機能を有するフェノール化合物などの有効成分が、焙煎工程において分解され、ネグサレセンチュウに対する防除機能が失活したことを示唆している。
以上のことから、本実施例の防除剤は、0.4重量%濃度以上でネグサレセンチュウに対してほぼ100%の致死が認められ、高い防除効果を奏することが確認された。また、0.1重量%濃度でも約80%の致死が認められたことから、被害レベルに応じて、その希釈濃度を適切に設定することによって、経済的かつ効果的に防除できることが示された。
本発明に係る防除剤は、入手容易で天然由来成分である生コーヒー豆抽出物を用いることで、環境や人畜に対する安全性に優れ、かつ低コストで実施可能でありながら、ネグサレセンチュウに対する高い防除効果を有することから、農産物の生産業において好適に利用される可能性がある。

Claims (3)

  1. 生コーヒー豆抽出物を有効成分とすることを特徴とするネグサレセンチュウの防除剤。
  2. 生コーヒー豆抽出物の濃度が水および/または親水性有機溶媒に対して0.4重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のネグサレセンチュウの防除剤。
  3. 請求項1または2に記載の防除剤を用いたネグサレセンチュウの防除方法。
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