JP2001150905A - 車輪駆動用車軸ユニット - Google Patents

車輪駆動用車軸ユニット

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JP2001150905A
JP2001150905A JP2000302176A JP2000302176A JP2001150905A JP 2001150905 A JP2001150905 A JP 2001150905A JP 2000302176 A JP2000302176 A JP 2000302176A JP 2000302176 A JP2000302176 A JP 2000302176A JP 2001150905 A JP2001150905 A JP 2001150905A
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康允 水越
Hideo Ouchi
英男 大内
Takeo Okuma
健夫 大熊
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60BVEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
    • B60B27/00Hubs
    • B60B27/0078Hubs characterised by the fixation of bearings
    • B60B27/0084Hubs characterised by the fixation of bearings caulking to fix inner race

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ軽量で、しかも優れた耐久性及び信
頼性を有する構造を実現する。 【解決手段】 ハブ6aに対し内輪50を、かしめ部2
7により固定する。このハブ6aのスプライン孔28
と、駆動軸部材29のスプライン軸30とを係合させ
る。スプライン孔28の内周面に形成した外側係止溝1
3と、スプライン軸30の外周面に形成した内側係止溝
14とに、止め輪35を掛け渡し、このスプライン軸3
0の抜け止めを図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る車輪駆動用車
軸ユニットは、等速ジョイントとハブユニットとを分解
可能に一体化した、所謂第四世代のハブユニットと呼ば
れるもので、独立懸架式サスペンションに支持された駆
動輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、FR
車(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エンジ
ン後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全
輪}を、懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、
上記駆動輪を回転駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】車輪を懸架装置に対して回転自在に支持
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた車軸ユニットが、各種使用されている。又、
独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持すると共に、
この駆動輪を回転駆動する為の車輪駆動用車軸ユニット
は、等速ジョイントと組み合わせて、デファレンシャル
ギヤと駆動輪との相対変位や車輪に付与された舵角に拘
らず、駆動軸の回転を上記車輪に対して円滑に(等速性
を確保して)伝達する必要がある。この様な等速ジョイ
ントと組み合わせて、しかも比較的小型且つ軽量に構成
できる、所謂第四世代のハブユニットと呼ばれる車輪駆
動用車軸ユニットとして従来から、特開平7−3177
54号公報、或は米国特許第5674011号明細書に
記載されたものが知られている。
【0003】図31は、このうちの特開平7−3177
54号公報に記載された従来構造の第1例を示してい
る。車両への組み付け状態で、懸架装置に支持した状態
で回転しない外輪1は、外周面にこの懸架装置に支持す
る為の、外向フランジ状の取付部2を、内周面に複列の
外輪軌道3、3を、それぞれ有する。上記外輪1の内側
には、第一素子4と第二素子5とを組み合わせて成るハ
ブ6を配置している。このうちの第一素子4は、外周面
の一端寄り(図31の左端寄り)部分に車輪を支持する
為の取付フランジ7を、同じく他端寄り(図31の右端
寄り)部分に内輪軌道8を、それぞれ設けた円筒状に形
成している。これに対して、上記第二素子5は、一端部
(図31の左端部)を、上記第一素子4を外嵌固定する
為の円筒部9とし、他端部(図31の右端部)を、ツェ
ッパ型の等速ジョイント10の外輪となるハウジング部
11とし、中間部外周面に内輪軌道8を設けている。そ
して、上記各外輪軌道3、3と上記各内輪軌道8、8と
の間にそれぞれ複数個ずつの転動体12、12を設ける
事により、上記外輪1の内側に上記ハブ6を、回転自在
に支持している。
【0004】又、上記第一素子4の内周面と上記第二素
子5の外周面との互いに整合する位置には、それぞれ外
側係止溝13及び内側係止溝14を形成すると共に、止
め輪15を、これら両係止溝13、14に掛け渡す状態
で設ける事により、上記第一素子4が上記第二素子5か
ら抜け出るのを防止している。更に、上記第二素子5の
一端面(図31の左端面)外周縁部と、上記第一素子4
の内周面に形成した段部16の内周縁部との間に溶接1
7を施して、上記第一、第二素子4、5同士を結合固定
している。
【0005】更に、上記外輪1の両端開口部と上記ハブ
6の中間部外周面との間には、ステンレス鋼板等の金属
製で略円筒状のカバー18、18と、ゴムその他のエラ
ストマー等の弾性材製で円環状のシールリング19、1
9とを設けている。又、上記第二素子5の中間部内側に
は、この第二素子5の内側を塞ぐ隔板部20を設けてい
る。これらカバー18、18、シールリング19、19
及び隔板部20は、上記複数の転動体12、12を設置
した部分或は前記等速ジョイント10部分と外部とを遮
断し、当該部分に存在するグリースが外部に漏出するの
を防止すると共に、この部分に雨水、塵芥等の異物が侵
入する事を防止する。
【0006】又、上記等速ジョイント10は、前記ハウ
ジング部11と、内輪21と、保持器22と、複数個の
玉23とから成る。このうちの内輪21は、エンジンに
よりトランスミッションを介して回転駆動される、図示
しない駆動軸の先端部に固定される。この内輪21の外
周面には、この内輪21の中心軸に対し直交する仮想平
面で切断した場合に於ける断面形状が円弧形である内側
係合溝24を6本、円周方向に亙り等間隔に、それぞれ
円周方向に対し直角方向に形成している。又、上記ハウ
ジング部11の内周面で上記内側係合溝24と対向する
位置には、やはり円弧形の断面形状を有する外側係合溝
25を6本、円周方向に対し直角方向に形成している。
又、上記保持器22は、断面円弧状で全体を円環状に形
成しており、上記内輪21の外周面とハウジング部11
の内周面との間に挟持している。この保持器22の円周
方向6個所位置で、上記内側、外側両係合溝24、25
に整合する位置には、それぞれポケット26を形成し、
これら各ポケット26の内側にそれぞれ1個ずつ、合計
6個の上記玉23を保持している。これら各玉23は、
それぞれ上記各ポケット26に保持された状態で、上記
内側、外側両係合溝24、25に沿い転動自在である。
【0007】上述の様に構成する車輪駆動用車軸ユニッ
トを車両に組み付ける際には、取付部2により外輪1を
懸架装置に支持し、取付フランジ7により駆動輪を第一
素子4に固定する。又、エンジンによりトランスミッシ
ョンを介して回転駆動される、図示しない駆動軸の先端
部を、等速ジョイント10を構成する内輪21の内側に
スプライン係合させる。自動車の走行時には、上記内輪
21の回転を、複数の玉23を介して第二素子5を含む
ハブ6に伝達し、上記駆動輪を回転駆動する。
【0008】又、図32は、前記米国特許第56740
11号明細書に記載された、従来構造の第2例を示して
いる。この従来構造の第2例の場合、懸架装置を構成す
るナックル40に内嵌固定した状態で使用時に回転しな
い外輪1の内周面に、複列の外輪軌道3、3を設けてい
る。ハブ6aの外周面の一端寄り(図32の左端寄り)
部分には車輪を支持する為の取付フランジ7を、同じく
他端寄り(図32の右端寄り)部分には、1対の内輪5
0、50を介して複列の内輪軌道8、8を、それぞれ設
けている。これら両内輪50、50は、上記ハブ6aの
他端部を直径方向外方に折り曲げて成るかしめ部27に
より、このハブ6aの本体部分に支持固定している。
又、上記各外輪軌道3、3と上記各内輪軌道8、8との
間には、それぞれ複数個ずつの転動体12、12を設け
て、上記外輪1の内側に上記ハブ6aを、回転自在に支
持している。
【0009】又、このハブ6aの中心部には、スプライ
ン孔28を設けている。更に、この様なハブ6aと駆動
軸部材29とを組み合わせて、車輪駆動用車軸ユニット
を構成している。この駆動軸部材29の一端部には、上
記スプライン孔28と係合するスプライン軸30を設け
ている。又、上記駆動軸部材29の他端部は、等速ジョ
イントの外輪となるハウジング部11としている。尚、
本明細書で、スプライン軸とは、駆動軸部材29の一端
部で、ハウジング部11の一端面(外端面)から軸方向
に突出した、少なくともその一部外周面に雄スプライン
部を設けた軸の基端部から先端面に亙る全体を言う。こ
の様な駆動軸部材29と上記ハブ6aとは、上記スプラ
イン孔28に上記スプライン軸30を挿入した状態に組
み合わせ、上記両部材29、6aと凹凸係合した弾性材
製の結合部材31により、分離防止を図っている。尚、
この結合部材31には、磁性材製或は永久磁石製のエン
コーダ32、32を添設して、上記両部材29、6aの
回転速度検出を可能にしている。
【0010】又、図33は、実用新案登録第25733
25号公報に記載された、従来構造の第3例を示してい
る。この従来構造の第3例の場合には、車軸92の端部
で車軸管93の端部から露出する部分に、ハブ6bをス
プライン係合させている。又、このハブ6bは固定の外
輪1aの内側に、複列に配置した転動体により、回転自
在に支持している。更に、上記車軸92の先端部で上記
ハブ6bから突出した部分に形成した係合溝94に、欠
円環状の止め輪15aを係止して、上記車軸92から上
記ハブ6bが抜け出る事を防止している。
【0011】更に、図34は、米国特許第549241
7号明細書に記載された、従来構造の第4例を示してい
る。この従来構造の第4例の場合も、ナックル40に固
定した外輪1bの内側にハブ6dを、複列に配置した転
動体により回転自在に支持している。この為にハブ6d
に外嵌した内輪50は、このハブ6dに係止した止め輪
97により、軸方向移動を阻止している。又、等速ジョ
イントを構成し、上記ハブ6dの内端部(図34の右端
部)とスプライン係合したスリーブ98の先端部(図3
4の左端部)が上記止め輪97に被さって、この止め輪
97が上記ハブ6dから外れない様にしている。又、上
記ハブ6dの内端部外周面と上記スリーブ98の内周面
との間には止め輪15cを掛け渡して、このスリーブ9
8から上記ハブ6dが抜け出るのを防止している。更
に、このスリーブ98の先端部外周面には歯車状の凹凸
部99を形成して、この部分がエンコーダとして機能す
る様にしている。そして、上記外輪1bにシールリング
100を介して支持した回転速度検出センサ101を、
上記凹凸部99に対向させて、上記スリーブ98及びハ
ブ6dの回転速度を検出自在としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図31に示した従来構
造の第1例の場合、ハブ6を構成する第一、第二素子
4、5同士の間での回転力伝達を、溶接17部分で行な
う必要がある。即ち、車輪を支持する第一素子4と、駆
動軸に連結する第二素子5との間では、駆動の為の大き
なトルクを伝達する必要があるが、これら両素子4、5
同士は、互いの円筒面同士で嵌合している為、嵌合面で
大きなトルクを伝達する事はできない。従って、上記溶
接17部分で大きなトルクを伝達する必要があり、この
溶接17部分の強度を十分に大きくすべく、この溶接1
7を全周肉盛溶接にする必要がある。ところが、この溶
接17を全周肉盛溶接とした場合には、溶接時の熱で第
一素子4の外周面に形成した内輪軌道8部分の形状が歪
んだり、この内輪軌道8部分の硬度が低下したりして、
この内輪軌道8を含む転がり軸受ユニットの耐久性を十
分に確保できなくなる。
【0013】又、図32に示した従来構造の第2例の場
合には、ハブ6aと駆動軸部材29との分離防止を、弾
性材製の結合部材31により行なっている為、分離防止
の機能が不確実であると考えられる。即ち、自動車の急
旋回時等には、車輪から上記ハブ6aに加わる大きなス
ラスト荷重に基づき、このハブ6aを上記駆動軸部材2
9から引き抜く方向の大きな力が加わる。この様な大き
な力にも拘らず、上記結合部材31により上記ハブ6a
と駆動軸部材29との分離防止を確実に図る事は難し
く、十分な信頼性を確保できないものと考えられる。
【0014】又、図33に示した従来構造の第3例は、
非独立懸架式サスペンションである、所謂半浮動式の構
造に関するものである。この様な構造の場合には、スプ
ライン係合部と外部空間とを、車軸管93と外輪1aと
の結合部で遮断できる。従って、スプライン係合部を外
部空間から遮断する為、車軸とハブの間に密封装置を設
ける必要はない。この様な従来構造の第3例は、独立懸
架式サスペンションに支持された駆動輪を懸架装置に対
して回転自在に支持する事を前提としている本発明と
は、基本構造が全く異なる。
【0015】又、図34に示した従来構造の第4例の場
合には、スプライン係合部を、外輪1bの内端開口部よ
りも更に内方に突出した部分に設けている為、車輪駆動
用車軸ユニット全体の軸方向寸法が嵩み、小型且つ軽量
な構造を実現できない。本発明の車輪駆動用車軸ユニッ
トは、上述の様な不都合を何れも解消すべく発明したも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪駆動用車軸
ユニットは、前述の図32に示した従来構造の第2例の
車輪駆動用車軸ユニットと同様に、車軸ユニットと等速
ジョイントとを結合して成る。このうちの車軸ユニット
は、内周面に外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外
輪と、外周面の一端寄り部分に車輪を支持する為の取付
フランジを、同じく他端寄り部分に内輪を介して内輪軌
道を、中心部にスプライン孔を、それぞれ設けたハブ
と、この内輪軌道と上記外輪軌道との間に転動自在に設
けた複数個の転動体とを備える。そして、上記ハブに外
嵌した上記内輪を、このハブの他端部を直径方向外方に
塑性変形する事により形成したかしめ部によりこのハブ
に対し固定している。又、上記等速ジョイントは、上記
スプライン孔と係合するスプライン軸を一端部に設ける
と共に、他端部を等速ジョイントの外輪となるハウジン
グ部とした駆動軸部材を含んで構成される。特に、本発
明の車輪駆動用車軸ユニットに於いては、上記スプライ
ン軸の外周面に全周に亙って形成した内側係合部と、こ
の内側係合部に整合する位置で上記ハブの内周面に全周
に亙って形成した外側係合部と、弾性材により形成した
止め輪とを備える。そしてこの止め輪を上記内側係合部
と外側係合部とに掛け渡す事により、上記ハブと駆動軸
部材との軸方向の位置決め結合を図っている。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪駆動用車軸ユ
ニットの場合には、駆動軸部材とハブとの間のトルク伝
達は、スプライン軸とスプライン孔との係合に基づいて
行なう。従って、これら駆動軸部材とハブとの間のトル
ク伝達を確実に行なわせるべく、全周肉盛溶接等、熱歪
み等の原因となる加工を施す必要がなくなり、内輪軌道
を含む転がり軸受ユニット各部の耐久性確保を図れる。
特に、本発明の場合、上記駆動軸部材とハブとの分離防
止は、内側、外側両係合部と止め輪とにより図れる。上
記止め輪は、金属等、十分な強度を有する材料により造
れる為、上記分離防止を確実にできて、車輪駆動用車軸
ユニットの信頼性確保を図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。懸架装置に支持した状態で回転
しない外輪1は、外周面にこの懸架装置に支持する為の
取付部2を、内周面に複列の外輪軌道3、3を、それぞ
れ有する。上記外輪1の内径側にハブ6aを、この外輪
1と同心に配置している。又、このハブ6aの外周面で
上記各外輪軌道3、3に対向する部分に、それぞれ内輪
軌道8、8を、直接又は別体の内輪50を介して設けて
いる。この内輪50は、上記ハブ6aの本体部分の内端
(車両への組み付け状態でこの車両の幅方向中央寄りと
なる端部で、図1の右端部)に形成した段部33に外嵌
すると共に、上記本体部分の内端で上記内輪50の内端
面よりも突出した部分を直径方向外方にかしめ広げる事
で形成したかしめ部27により、上記本体部分に対し固
定している。
【0019】そして、上記各外輪軌道3、3と上記各内
輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体1
2、12を転動自在に設ける事により、上記外輪1の内
側に上記ハブ6aを、回転自在に支持している。又、上
記外輪1の両端部内周面と、上記ハブ6aの本体部分の
中間部外周面及び上記内輪50の内端部外周面との間
に、それぞれシールリング19、19を設けて、上記各
転動体12、12を設置した部分と外部空間とを遮断し
ている。又、上記ハブ6aの外端開口部にキャップ34
を嵌合固定して、この外端開口部を塞ぎ、外端部側か
ら、後述するスプライン係合部に雨水等の異物が侵入す
るのを防止している。又、上記ハブ6aの外端(車両へ
の組み付け状態でこの車両の幅方向外寄りとなる端で、
図1の左端=請求項に記載した一端)部外周面に、この
ハブ6aに車輪を支持固定する為の取付フランジ7を、
このハブ6aと一体に設けている。
【0020】又、このハブ6aの中心部に、スプライン
孔28を設けている。更に、この様なハブ6aと駆動軸
部材29とを組み合わせて、車輪駆動用車軸ユニットを
構成している。又、この駆動軸部材29の一端部である
外端部に、上記スプライン孔28と係合するスプライン
軸30を設けている。又、上記駆動軸部材29の他端部
である内端部は、等速ジョイントの外輪となるハウジン
グ部11としている。
【0021】特に、本発明の車輪駆動用車軸ユニットに
於いては、上記スプライン軸30の外端寄りの外周面に
全周に亙って、請求項に記載した内側係合部に相当す
る、内側係止溝14を形成している。又、上記スプライ
ン孔28の外端寄り中間部内周面で、この内側係止溝1
4に整合する位置に、請求項に記載した外側係合部に相
当する外側係止溝13を、全周に亙り形成している。そ
して、これら内側、外側両係止溝14、13に、図2に
示す様な欠円環状の止め輪35を、これら両係止溝1
4、13に掛け渡す状態で装着している。
【0022】上記止め輪35は、ばね鋼、ステンレスば
ね鋼等の弾性金属製の線材を略C字形の欠円環状に形成
する事により、直径を弾性的に拡縮自在としている。こ
の様な止め輪35の自由状態での外径D35は、上記スプ
ライン孔28の最大内接円(スプライン孔28の歯先
円)の直径R28以上としている。又、上記内側係止溝1
4の溝底の直径R14及び上記外側係止溝13の溝底の直
径R13は、上記止め輪35が上記内側、外側両係止溝1
4、13に掛け渡される様に規制している。即ち、上記
内側係止溝14の溝底の直径R14は、上記スプライン孔
28の最大内接円の直径R28から、上記止め輪35を構
成する線材の直径d35の2倍を引いた値以下(R14≦R
28−2d35)としている。この様な規制は、上記止め輪
35を上記内側係止溝14の底部にまで押し込んだ状態
で、上記スプライン軸30をこの止め輪35ごと上記ス
プライン孔28内に挿入自在とする為に必要である。
又、上記外側係止溝13の溝底の直径R13は、上記スプ
ライン軸30の最大外接円(スプライン軸30の歯先
円)の直径D30に、上記止め輪35を構成する線材の直
径d35の2倍を足した値未満(R13<D30+2d35)と
している。この様な規制は、上記止め輪35の直径が弾
性的に広がった状態で、この止め輪35の内周縁部と上
記内側係止溝14とを係合させる為に必要である。従っ
て、好ましくは、上記止め輪35の外周縁と上記外側係
止溝13の溝底とが当接した状態で、上記止め輪35が
上記スプライン孔28とスプライン軸30との係合部の
直径方向中央位置に存在する様に、上記外側係止溝13
の溝底の直径R13を規制する。
【0023】上記内側、外側両係止溝14、13及び止
め輪35の寸法を上述の様に規制する為、この止め輪3
5を内側係止溝14部分に装着した状態で、上記スプラ
イン軸30を上記スプライン孔28に挿入すれば、前記
ハブ6aと前記駆動軸部材29とを不離に結合できる。
即ち、これらハブ6aと駆動軸部材29とを結合する際
には、上記止め輪35を内側係止溝14部分に装着した
状態で上記スプライン軸30を上記スプライン孔28
に、内側から外側に、図1の右から左に挿入する。この
挿入作業により上記止め輪35は、前記かしめ部27の
内周面並びに上記スプライン孔28の内端部に隣接して
設けた円すい凹面状のガイド面36に案内されつつ、外
径を弾性的に縮め、上記スプライン孔28内に押し込ま
れる。そして、上記内側係止溝14と上記外側係止溝1
3とが整合した状態で、上記止め輪35の直径が、この
止め輪35の外周縁と上記外側係止溝13の底面とが当
接する状態にまで、弾性的に広がる。そして、この様に
止め輪35の直径が弾性的に広がった状態では、この止
め輪35が上記内側、外側両係止溝14、13同士の間
に掛け渡された状態になって、上記スプライン軸30が
上記スプライン孔28から抜け出る事を防止し、上記ハ
ブ6aと上記駆動軸部材29とを不離に結合する。尚、
上記ハブ6aの軸方向に対する上記ガイド面36の傾斜
角度は、上記止め輪35がこのガイド面36部分を円滑
に通過できる様にすべく、30度以下にするのが好まし
い。又、好ましくは、上記スプライン軸30と上記スプ
ライン孔28との係合部に、増ちょう剤がウレア化合
物、基油が合成油で、優れた耐熱性能を有するウレア系
のグリースを塗布する事により、潤滑剤を介在させて、
これらスプライン軸30とスプライン孔28との係合部
を潤滑する。
【0024】尚、上記内側、外側両係止溝14、13の
幅Wは、上記止め輪35を構成する線材の直径d35以上
にする必要があるが、これら幅Wと直径d35との差は、
極力小さくする。この理由は、上記内側、外側両係止溝
14、13と止め輪35とによる結合部のがたつきを抑
える為である。又、上記ハブ6aと上記駆動軸部材29
との結合強度を向上させる為、上述の様な内側、外側両
係止溝14、13と止め輪35とによる結合部を、軸方
向2個所位置に設ける事もできる。但し、この場合に
は、挿入方向先端側(図1の左端側)に位置する内側、
外側両係止溝14、13の幅及び止め輪35を構成する
線材の直径を、挿入方向後端側(図1の右端側)に位置
する内側、外側両係止溝の幅及び止め輪を構成する線材
の直径よりも大きくする。この理由は、先端側の係合部
を構成する止め輪と基端側の係合部を構成する外側係止
溝とが係合し、それ以上上記スプライン軸30を上記ス
プライン孔28に差し込めなくなる事を防止する為であ
る。
【0025】又、本例の場合には、前記駆動軸部材29
の中間部外周面で上記スプライン軸30と前記ハウジン
グ部11との間部分と、上記ハブ6aの内端部内周面と
の間に、シール部材である、断面X字形のシールリング
37を設けている。ゴムの如きエラストマー等の弾性材
により円環状に造った、このシールリング37は、前記
キャップ34と共に、上記スプライン軸30と上記スプ
ライン孔28とのスプライン係合部をほぼ完全に密封し
てこのスプライン係合部に塵芥を含む雨水等の異物が入
り込む事を防止し、このスプライン係合部が錆び付いた
り、或はこの係合部の摩耗が促進されるのを防止する。
又、上記ハブ6aの内端部に形成した前記かしめ部27
と、上記駆動軸部材29のハウジング部11の外端面と
の間には、隙間38を介在させている。従って、本例の
車輪駆動用車軸ユニットの運転時には、トルク負荷時の
弾性変形に基づく、円周方向の相対的運動が発生して
も、上記かしめ部27と上記ハウジング部11の外端面
とが擦れ合う事がなく、擦れ合いに基づく異音が発生す
る事もない。更に、上記ハウジング部11の内端部外周
面には、図示しない防塵用ブーツの外端部を係止する為
の係止溝39を形成している。
【0026】上述の様に構成し組み立てる、本発明の車
輪駆動用車軸ユニットの場合には、上記駆動軸部材29
とハブ6aとの間のトルク伝達は、上記スプライン軸3
0とスプライン孔28との係合に基づいて行なう。従っ
て、上記駆動軸部材29とハブ6aとの間のトルク伝達
を確実に行なわせるべく、全周肉盛溶接等、熱歪み等の
原因となる加工を施す必要がなくなり、上記ハブ6aの
本体部分の中間部外周面に形成した内輪軌道8を含む転
がり軸受ユニット各部の耐久性確保を図れる。又、上記
駆動軸部材29とハブ6aとの分離防止は、内側、外側
両係止溝14、13と止め輪35との係合により図れ
る。欠円環状に形成したこの止め輪35は、ばね鋼、ス
テンレスのばね鋼等、十分な強度を有する金属材料によ
り造れる為、上記分離防止を確実にできて、車輪駆動用
車軸ユニットの信頼性確保を図れる。更に、図示の例で
は、上記駆動軸部材29とハブ6aとの間にシールリン
グ37を設け、前記キャップ34と共に、上記スプライ
ン軸30とスプライン孔28とのスプライン係合部を外
部空間から遮断し、しかも、このスプライン係合部に潤
滑剤であるグリースを塗布介在させているので、このス
プライン係合部に、フレッチング等により著しい摩耗が
発生する事を防止できる。
【0027】次に、図3〜5は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合、内側係止溝14と外
側係止溝13との間に掛け渡した止め輪35aは、この
止め輪35aにばね性を持たせる為、ばね鋼(SK5等
の工具鋼を含む)製の板材をプレスにより打ち抜き成形
する事で造っている。又、この様な止め輪35aは、断
面矩形で全体を略C字形(欠円環状)に形成すると共
に、全体を焼入れ硬化している。更に、本例の場合、こ
の止め輪35aの軸方向両側面に、ゴム又は合成樹脂等
の弾性材により構成した1対の緩衝部材52、52を、
全周に亙り添着している。これにより、上記内側、外側
両係止溝14、13の軸方向両内側面と上記止め輪35
aとの結合部に存在する遊びに基づいて、ハブ6aと駆
動軸部材29とが軸方向に亙り相対変位した場合にも、
これら内側、外側両係止溝14、13の軸方向両内側面
と止め輪35aの軸方向両側面とが直接ぶつかる事を防
止し、これら両面に加わる衝撃を緩和する様にしてい
る。この結果、上記内側、外側両係止溝14、13と上
記止め輪35aとの耐久性を確保すると共に、これら各
部分が直接ぶつかる事による耳障りな金属音の発生を防
止できる。又、上記干渉部材52、52を添着する事に
より、上記止め輪35aがフレッチング摩耗するのを防
止する効果も得られる。
【0028】尚、上記止め輪35aの軸方向両側面のう
ち、少なくとも組み付け状態で外側となる側の面(図3
〜4の左側面)に添着する緩衝部材52の外径寸法は、
この止め輪35aの外径寸法よりも少し小さくする。具
体的には、図4に示す様に、スプライン軸30の先端部
をスプライン孔28の内側に挿入する際、上記止め輪3
5aの外側面に添着した緩衝部材52の外周縁が、この
スプライン孔28の内端縁に設けたガイド面36と当接
しない程度に小さくする。この理由は、このガイド面3
6と上記緩衝部材52との当接部に働く摩擦力の方が、
このガイド面36と上記止め輪35aとの当接部に働く
摩擦力よりも大きい為である。言い換えれば、この様な
大きな摩擦力が働く事を防止して、上記スプライン軸3
0の先端部を上記スプライン孔28の内側に挿入し易く
する為である。又、上記双方の緩衝部材52、52の外
径寸法を上述の様に規制しておけば、上記内側係止溝1
4に対する上記止め輪35aの装着方向に注意を払う必
要がなくなる為、組み付け作業の容易化を図れる。
【0029】又、本例の場合、上記スプライン軸30を
上記スプライン孔28に挿通する際に、前記内側係止溝
14に装着した止め輪35aの外径側部分が、前記外側
係止溝13内に進入した場合(止め輪35aが、内側、
外側両係止溝14、13に掛け渡された場合)に、上記
スプライン軸30の先端部が上記スプライン孔28の外
端縁から僅かに突出する様に、これらスプライン軸30
とスプライン孔28との軸方向寸法を規制している。従
って、上記止め輪35aが上記内側、外側両係止溝1
4、13に掛け渡されたか否かの判断を容易にできて、
組み付けミスの発生を防止できる。
【0030】又、本例の場合、上記スプライン軸30の
先端面中央部に凹孔53を形成し、更にこの凹孔53の
中間部内周面に、全周に亙り係合溝54を形成してい
る。そして、上記スプライン軸30を上記スプライン孔
28内に挿通する際に、引っ張り工具の先端部を上記係
合溝54に係合させる事により、このスプライン軸30
を上記スプライン孔28の外端開口側から引っ張れる様
にしている。尚、図示は省略したが、上記スプライン軸
30と上記スプライン孔28とのスプライン係合部の円
周方向に亙る遊びを少なくする為に、このスプライン軸
30の外周面に形成した雄スプラインは、軸方向に対し
て僅かに捩れた(傾斜した)状態で形成している。従っ
て、上記スプライン軸30を上記スプライン孔28内に
挿通する際には、これらスプライン軸30の外周面とス
プライン孔28の内周面との間に、軸方向の変位に対す
る抵抗となる、大きな摩擦力が作用する。但し、本例の
場合には、先端部を上記係合溝54に係合させた引っ張
り工具により上記スプライン軸30を引っ張れるので、
このスプライン軸30の挿通作業を容易に行なえる。
又、本例の場合には、上記引っ張り工具の先端部を係合
させる為の係合溝54を上記スプライン軸30の先端面
に形成した凹孔53の内周面に形成している為、駆動軸
部材29の重量並びに軸方向寸法が嵩む事はない。尚、
上記凹孔53を形成した事に伴い、上記スプライン軸3
0の先端部の強度は多少低下するが、この先端部には大
きなトルクが負荷されない為、実用上問題となる事はな
い。
【0031】又、本例の場合、上記スプライン孔28の
円周方向複数個所で、少なくともこのスプライン孔28
の外端縁から、上記外側係止溝13を跨ぐこのスプライ
ン孔28の外端寄り部までの部分に、図5に示す様に、
このスプライン孔28の内周面に形成した雌スプライン
溝よりも深い深溝55、55を、それぞれ軸方向(図3
の左右方向、図5の表裏方向)に亙り形成している。そ
して、上記スプライン軸30を上記スプライン孔28内
から抜き出す際には、このスプライン孔28の外端部か
ら上記各深溝55、55内に差し込んだ複数本のピンに
より、上記止め輪35aを縮径させて、この止め輪35
aと上記外側係止溝13との係合を外せる様にしてい
る。尚、図示の例では、上記各深溝55、55の溝幅を
狭くし、これら各深溝55、55が、上記スプライン孔
28とスプライン軸30とのスプライン係合部の係合状
態に影響を及ぼさない様にしている。但し、上記各深溝
55、55の溝幅を、2〜3本のスプライン溝を跨ぐ程
度に広くする事も可能である。この様に、上記各深溝5
5、55の溝幅を広くすれば、これら各深溝55、55
を、鍛造加工により形成する事も可能である。この様な
場合、これら各深溝55、55の形成部分では、スプラ
イン係合する歯数が減るが、これら各深溝55、55
は、スプライン係合部の軸方向一部にのみ形成すれば足
りる。従って、スプライン係合部の全長に亙ってスプラ
イン係合する歯数が減る事はなく、スプライン係合部で
伝達可能なトルクの減少は軽微で、実用上問題とはなら
ない。
【0032】更に、本例の場合、上記スプライン軸30
及びスプライン孔28が存在する空間の外端開口部を塞
ぐキャップ34aを、ハブ6aの本体部分の軸方向中間
部で上記スプライン軸30の先端面に近接対向する部分
に固定している。本例の場合、このキャップ34aは、
全体を合成樹脂により造っており、円筒部56とこの円
筒部56の外端開口を塞ぐ円板部57とを備えた有底円
筒状に形成している。このキャップ34aを上記ハブ6
aの中間部に装着する際には、上記円筒部56の内端部
外周面に全周に亙り形成した係合突部58を、このハブ
6aの中間部内周面に全周に亙り形成した係合溝59に
係合させた状態で、この円筒部56をこのハブ6aの中
間部に内嵌固定する。これと共に、上記円筒部56の外
端部外周面に形成した外向フランジ状の鍔部60を、上
記ハブ6aの外端寄り部内周面に形成した段差面61に
突き当てる。又、上記円筒部56の外周面に全周に亙り
形成した凹溝62内には、Oリング63を装着する事に
より、この円筒部56の外周面と上記ハブ6aの中間部
内周面との間をシールしている。
【0033】上述の様に本例の場合には、キャップ34
aを上記ハブ6aの中間部で上記スプライン軸30の先
端面に近接対向する部分に固定する事により、このキャ
ップ34aとシールリング37との間部分で上記スプラ
イン軸30及びスプライン孔28が存在する空間の容積
を小さくできる。この空間には、これらスプライン軸3
0とスプライン孔28との錆び付きや摩耗を防止すると
共に、これら錆び付きや摩耗に起因する異音の発生等を
防止する為に、グリースを封入するが、本例の様に上記
空間の容積を小さくする事により、グリースの封入量を
少なくして、コストの低減を図れる。尚、上述の様に装
着したキャップ34aは、上記段差面61と上記鍔部6
0の内側面との間に挿入した特殊工具の先端部を、この
鍔部60の内側面に引っ掛ける事により、上記ハブ6a
の中間部から容易に取り外せる様にしている。この為、
上記鍔部60の内側面外周縁部分に面取り部64を形成
する事により、上記特殊工具の先端部を上記段差面61
と鍔部60の内側面との間に挿入し易くしている。その
他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様であ
る。尚、上記特殊工具の先端部を上記鍔部60の内側面
側に確実に挿入できる様にする為、この鍔部60を、大
径部と小径部とを有する2段の鍔とし、このうちの小径
部の内側面を上記段差面に突き当て、大径部の内側面と
上記段差面61との間に隙間を介在させる事もできる。
【0034】次に、図6は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合、スプライン軸30の先端
面中央部に設けた凹孔53の内周面に、係合溝であるね
じ溝65を形成している。そして、上記スプライン軸3
0をスプライン孔28内に挿通する際、このねじ溝65
に、引っ張り部材の先端部に形成した雄ねじ部を螺合さ
せる様にしている。又、本例の場合、ハブ6aは、S5
3C〜S55C(JIS G4051)等の機械構造用
炭素鋼の如き炭素鋼製の素材により造っている。そし
て、この様なハブ6aの一部周面で図6に斜格子で示し
た部分、即ち、このハブ6aの中間部外周面で、取付フ
ランジ7の内側面基端寄り部分から内輪50を外嵌した
段部33の内半部までの連続した部分、及びこのハブ6
aの内周面で上記スプライン孔28を形成した部分に、
高周波焼き入れ等による焼き入れ硬化層を形成して、当
該部分の耐久性を向上させている。特に、本例の場合、
上記スプライン孔28部分に焼き入れ硬化層を形成して
いる為、内側、外側両係止溝14、13と止め輪35と
の係合部に存在する遊びに基づいて、上記スプライン軸
30とスプライン孔28との係合部に、軸方向に亙る若
干のがたつきが生じた場合にも、このスプライン孔28
の軸方向に亙る微小振動によるフレッチング摩耗を防止
し、このスプライン孔28を含むスプライン係合部の耐
久性を十分に確保できる。その他の構成及び作用は、前
述した第1例並びに上述した第2例の場合と同様であ
る。
【0035】次に、図7は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の場合には、外輪1の外周面を単
なる円筒形とし、懸架装置への取付時にこの外輪1を、
ナックル40(図33、35参照)に設けた取付孔に内
嵌固定する様にしている。又、ハブ6aの外周面に複列
の内輪軌道8、8を設けるべく、このハブ6aの本体部
分に、それぞれの外周面にこの内輪軌道8、8を設け
た、1対の内輪50、50を外嵌し、かしめ部27によ
り固定している。
【0036】又、このかしめ部27の端面を、駆動軸部
材29を構成する、ハウジング部11の外端面に、当接
若しくは近接させている。そして、このハウジング部1
1の外端面に形成した保持溝41に保持したOリング4
2を上記かしめ部27の端面に弾性的に当接させて、こ
のかしめ部27と上記ハウジング部11との間をシール
している。本例の場合には、上記かしめ部27の端面を
駆動軸部材29のハウジング部11の外端面に当接若し
くは近接させる事により、スプライン軸30がスプライ
ン孔28に対して、図7に示した状態よりも左方に変位
する事を阻止している。これに伴って本例の場合には、
ハブ6aの内周面に設ける外側係合部を、上記スプライ
ン孔28の外端縁部に形成した段部43としている。車
輪駆動用車軸ユニットの組み立て時にこの段部43に
は、上記スプライン軸30の外周面に形成した内側係止
溝14に係止した止め輪35が係合し、このスプライン
軸30が上記スプライン孔28から抜け出る事を防止す
る。尚、本例の場合には、上記駆動軸部材29を上記ハ
ブ6aに組み付けた状態で、上記Oリング42に予圧が
付加される構造になっている。この為、上記スプライン
軸30とスプライン孔28との軸方向に亙るがたつきを
防止して、軸方向の微小振動によるフレッチング摩耗を
防止できる。
【0037】更に、本例の場合も、前述した第2例の場
合と同様、上記ハブ6aの本体部分の中間部にキャップ
34を、上記スプライン軸30の端面に近接対向させた
状態で嵌合固定して、この中間部を塞いでいる。但し、
本例のキャップ34は、前述した第1例及び上述した第
3例のキャップ34と同様、金属板製としている。この
様に構成する本例の場合も、このキャップ34と上記O
リング42との間部分で上記スプライン軸30及びスプ
ライン孔28が存在する空間の容積を小さくして、この
空間に封入するグリースの量を少なくできる為、コスト
の低減を図れる。その他の構成及び作用は、上述した第
1〜3例の場合と同様である。
【0038】次に、図8は、本発明の実施の形態の第5
例を示している。本例の場合には、駆動軸部材29の中
間部、即ち、ハウジング部11の外端部にエンコーダ部
44を備えた芯金69を外嵌固定して、この駆動軸部材
29の回転速度を検出自在としている。この芯金69
は、SUS430の如きステンレス鋼板等の、耐蝕性を
有する磁性金属板を折り曲げ形成する事により、円筒部
45と円輪部46とを有する断面L字形で、全体を円環
状に形成している。この様な芯金69は、上記円筒部4
5を上記ハウジング部11の外端部に締り嵌めで外嵌す
る事により、上記駆動軸部材29に固定している。又、
上記円筒部45には、それぞれが軸方向(図8の左右方
向)に長いスリット状の透孔47を、円周方向に亙って
等間隔に多数形成している。従って、上記円筒部45の
外周面の磁気特性は、円周方向に亙って交互に、且つ等
間隔で変化している。即ち、本例の場合、この円筒部4
5の外周面を、上記エンコーダ部44としている。車両
への組み付け状態で上記円筒部45の外周面であるエン
コーダ部44には、懸架装置等の固定部分に支持したセ
ンサ48の検知部を近接対向させて、車輪と同期して回
転する、上記駆動軸部材29の回転速度を検出自在とす
る。
【0039】又、上記円輪部46は、上記ハウジング部
11の外端面に当接させている。そして、この円輪部4
6の外側面に接着、焼き付け等により添着した、円環状
の弾性板(弾性材)49を、この円輪部46と共に、上
記ハウジング部11の外端面とハブ6aの内端部に設け
たかしめ部27の端面との間で、弾性的に圧縮した状態
で挟持している。この為に本例の場合には、上記円輪部
46及び弾性板49により、スプライン軸30がスプラ
イン孔28に対して、図8に示した状態よりも左方に変
位する事を阻止する。又、上記弾性板49が、上記ハウ
ジング部11の外端面と上記かしめ部27の端面との間
をシールする。従って本例の場合には、前述した第1〜
3例のシールリング37や上述した第4例の様なOリン
グ42が不要になるだけでなく、これらシールリング3
7やOリング42を装着する為、各部に所定の加工を施
す必要もなくなる。尚、上記弾性板49は、上記円筒部
45の外周面にかからない様にして、この円筒部45の
外周面に設けたエンコーダ部44と上記センサ48の検
知部とを十分に近接できる様にしている。
【0040】尚、上記弾性板49の内径寸法を前記芯金
69の円輪部46の内径寸法よりも小さくし、この円輪
部46よりも直径方向内方(図8の下方)に突出した上
記弾性板49の内径寄り部分の内側面(図8の右側面)
を、上記芯金69の内側面と同一平面上に位置させ、こ
の突出部分で、上記弾性板49が上記ハウジング部11
の外端面に直接当接する様にする事もできる。この様な
構造にすれば、上記弾性板49が上記円輪部46よりも
直径方向内方に突出した部分で、上記ハブ6aの内端部
と上記ハウジング部11の外端面の間で、直接圧縮され
た状態で挟持される。この為、上記芯金69の円筒部4
5と上記ハウジング部11との嵌合面からスプライン係
合部への、雨水等の異物の侵入を、このハウジング部1
1の外端面と上記弾性板49との当接部で、確実に防止
できる。
【0041】又、上記弾性板49の軸方向に亙る撓み量
(弾性圧縮量)は、製作に必要な各部の寸法許容差等を
考慮して、良好な密封性能が得られる様に設計する。例
えば乗用車用の車輪駆動用車軸ユニットの場合には、最
小撓み0.2〜0.6mm、最大撓み1.3〜1.7mm程
度となる。運転時にはインボード側(車両の幅方向中央
側)に使われるトリポード・ジョイントの軸方向の摺動
抵抗に基づくスラスト荷重が、上記弾性板49に負荷さ
れる。従って、その時の弾性板49の撓み量も考慮しな
ければならない。長期間の使用に耐えられる、十分な耐
久性を得る為には、想定される最大の撓み量を受けた時
にも、弾性板49の圧縮歪みが30%以下(好ましくは
20%以下)に抑えられる様に設計すべきである。この
様に設計するには、乗用車用の車輪駆動用車軸ユニット
の場合、上記ハブ6aの内端部と上記芯金69との間に
設ける上記弾性板49の厚さは、4〜6mm程度は必要で
ある。従って、スペース上の問題がなければ、この厚さ
を6〜9mm程度とする様な、余裕のある設計をする事が
好ましい。
【0042】又、大きな接触面圧を受ける、上記弾性板
49の表面と相手面との接触状態が滑り接触になると、
この弾性板49の表面が早期に疲労する。従って、等速
ジョイントに負荷されるトルクが逆方向になっても(駆
動状態から、非駆動状態でエンジンブレーキを伴う惰性
走行状態に変化しても)、上記弾性板49と前記ハブ6
a内端部との接触部に、円周方向に亙る摺動が発生する
事なく、この弾性板49を構成するゴムの剪断歪みによ
り吸収できる様に設計する事が好ましい。前述の様な厚
さ(4〜6mm、スペースが許せば6〜9mm)があれば、
この様な設計が可能である。
【0043】更に、上記弾性板49の歪み量は、車輪駆
動用車軸ユニットの運転時に、常時変化する。この様に
非常に過酷な使用条件に拘らず、長期間使用する上記弾
性板49の耐久性を得る為、この弾性板49の材料とし
て、ニトリルゴムよりは若干高価になるが、ハイトレル
或はアニテル等の、熱可塑性ポリエーテルエラストマー
材を使用するのが好ましい。その他の構成及び作用は、
前述した第1〜4例と同様である。
【0044】次に、図9は、本発明の実施の形態の第6
例を示している。上述した第5例の場合には、弾性板4
9に、スプライン軸30がスプライン孔28に対して、
図8に示した状態よりも左方に変位する事を阻止する機
能の他、円輪部46とかしめ部27との間をシールする
機能も合わせ持たせている。これら両機能のうち、変位
を阻止する機能を充実させる為には、上記弾性板49の
剛性を高くする必要があるのに対して、シールする機能
を充実させる為には、この弾性板49の剛性を或る程度
低くする必要がある。本例の場合には、この様な事情を
考慮して、弾性板49aの外周縁部に、比較的薄肉で剛
性が低く、撓み易いシールリップ51を設けている。そ
して、このシールリップ51の先端縁を上記かしめ部2
7の端面に、全周に亙り当接させて、上記円輪部46と
かしめ部27との間をシールしている。一方、上記弾性
板49aの本体部分は剛性を高くし、図8に示したスプ
ライン軸30がスプライン孔28に対して、図8に示し
た状態よりも左方に変位する事を有効に阻止する様にし
ている。
【0045】次に、図10〜11は、本発明の実施の形
態の第7例を示している。本例の場合、ハウジング部1
1の外端部に外嵌固定する芯金69aを、ばね鋼(SK
5等の工具鋼を含む)製の板材にプレス加工及び折り曲
げ加工を施すと共に、全体を焼き入れ硬化する事により
造っている。本例の場合、この芯金69aを構成する円
輪部46の内径側部分に、内径側に向かう程軸方向外方
に傾斜する傾斜部66を形成する事により、この円輪部
46よりも内径側の部分を軸方向外方に突出させてい
る。更に、図11に示す様に、上記円輪部46よりも内
径側部分の内周縁部に複数の切り欠き67、67を、円
周方向に亙り等間隔で形成する事により、これら各切り
欠き67、67同士の間部分に複数の舌片90、90を
形成して、上記傾斜部66を含む上記円輪部46よりも
内径側部分に十分な弾性を持たせている。そして、この
様に形成した円輪部46よりも内径側部分の先端部、即
ち、上記各舌片90、90の先端部を、かしめ部27の
端面に弾性的に突き当てる事により、スプライン軸30
がスプライン孔28に対して、図10に示した状態より
も左方に変位する事を阻止している。これにより、これ
らスプライン軸30とスプライン孔28との軸方向に亙
るがたつきを防止している。尚、この状態で、上記各舌
片90、90には、図示しない変速機側(図10の右
側)に組み込まれるやはり図示しないトリポード型等速
ジョイントの軸方向摺動抵抗(数10kgf)以上の予圧
荷重を付加している。これにより、運転時に、等速ジョ
イントにスラスト方向(図10の左右方向)に亙る荷重
が付加された場合にも、上記スプライン軸30と上記ス
プライン孔28との係合部が軸方向に摺動しない様にし
て、この係合部に摩耗が発生する事を防止している。
【0046】尚、組立て時に上記各舌片90、90に過
大な荷重が付加された場合、例えば、これら各舌片9
0、90がハブ6aと駆動軸部材29との間に挟まれて
平坦になるまで撓まされた場合でも、これら各舌片9
0、90の内部に発生する応力が許容応力を越えない様
に設計して、これら各舌片90、90が破損等しない様
にしている。即ち、これら各舌片90、90の内部に発
生する応力は、これら各舌片90、90が平坦に撓まさ
れるまでの変位量が大きい程大きくなるので、この様に
平坦になるまで撓まされた時の変位量が2〜3mm以下の
値に抑えられる様に、各部の寸法を決めている。
【0047】又、上記円輪部46の外側面には、ゴムの
如きエラストマー等の弾性材により全体を円筒状に形成
したシールリップ68の内端部を、接着若しくは焼き付
け等により結合固定している。これと共に、このシール
リップ68の先端縁である外端縁を、内輪50の内端面
に全周に亙り弾性的に当接させる事により、ハウジング
部11の外端面と上記かしめ部27の端面との間をシー
ルしている。尚、本例の場合、車輪用転がり軸受ユニッ
トの運転時に、上記円輪部46の内径側部分の弾力に抗
して、上記スプライン軸30が上記スプライン孔28に
対し、図10に示した状態よりも左方に変位した場合で
も、上記内輪50の内端面に対する上記シールリップ6
8の外端縁の当接位置及び当接圧が変化しない様に、こ
のシールリップ68の先端寄り部分を曲がった形状とす
ると共に、この先端寄り部分に適切な弾性を持たせてい
る。その他の構成及び作用は、前述の図7〜8に示した
第4〜5例の場合と同様である。
【0048】次に、図12は、本発明の実施の形態の第
8例を示している。本例の場合、ハウジング部11の外
端部に外嵌固定する芯金69bを構成する円筒部45
に、透孔47(図10)を形成していない。更に、本例
の場合、この芯金69bを構成する円輪部46よりも内
径側部分の内周縁に、切り欠き67、67(図10〜1
1)を形成せず、この円輪部46よりも内径側部分をダ
イヤフラム状の皿ばね部91としている。又、本例の場
合、この円輪部46の外側面に結合したシールリップ6
8の外径側部分に、このシールリップ68を構成する弾
性材の一部により円筒状に形成した覆い部70を設けて
いる。この覆い部70の先端縁は、全周に亙り内輪50
の内端部に形成した小径段部71の外径側部分にまで延
出させる事により、上記シールリップ68によるシール
部を覆っている。この為、本例の場合には、上記シール
リップ68に雨水等の異物が直接かかる事を防止して、
このシールリップ68によるシール機能を充実させてい
る。
【0049】又、本例の場合、上記円輪部46よりも内
径側部分に形成した皿ばね部91のの外側面に、上記シ
ールリップ68を構成する弾性材の一部を添着する事に
より、この皿ばね部91の外側面を、かしめ部27の端
面に直接当接させない様にしている。この理由は、上記
皿ばね部91の外側面とかしめ部27の端面との当接部
にフレッチング摩耗が発生する事を防止する為である。
尚、本例の場合、上記芯金69bを構成する円筒部45
の内端縁に、外向フランジ状の鍔部72を形成してい
る。そして、上記芯金69bを上記ハウジング部11の
外端部に圧入する際に、上記シールリップ68を潰す事
なく、この鍔部72の外側面に圧入治具の先端部を突き
当てる様にしている。その他の構成及び作用は、上述し
た第7例と同様である。
【0050】次に、図13は、本発明の実施の形態の第
9例を示している。本例の場合、ハウジング部11の外
端部に支持した芯金69cを構成する円輪部46の内周
縁部分に段部73を形成する事により、この円輪部46
よりも内径側部分の外側面の一部で、シールリップ68
及び覆い部70の基端縁を結合する部分を、内輪50の
内端面に近付けている。そして、この様に円輪部46の
外側面の一部を内輪50の内端面に近付けた分だけ、上
記シールリップ68及び覆い部70を構成する弾性材の
量を少なくして、これらシールリップ68及び覆い部7
0の低廉化を図っている。その他の構成及び作用は、上
述した第8例の場合と同様である。
【0051】次に、図14は、本発明の実施の形態の第
10例を示している。本例の場合、シールリップ68a
を支持する芯金69dの円筒部45を、内輪50の内端
部に形成した小径段部71に外嵌固定している。これと
共に、この芯金69dを構成する皿ばね部91の内側面
を、上記シールリップ68aを構成する弾性材の一部を
介して、ハウジング部11の外端面に弾性的に突き当て
ている。又、シールリップ68aの先端縁は、全周に亙
りハウジング部11の外周面外端寄りの円すい状傾斜面
部分に当接させている。尚、本例の場合、自由状態に於
ける上記シールリップ68aの先端縁の直径寸法を、上
記ハウジング部11の外端面の直径寸法よりも、少しだ
け大きくしている。この理由は、スプライン軸30をス
プライン孔28内に挿通する際に、上記シールリップ6
8aの先端縁が上記ハウジング部11の外端面にぶつか
って、このシールリップ68aがめくれる事を防止する
為である。
【0052】ところで、上記芯金69dの円筒部45を
外嵌固定する部分である、上記内輪50の内端部に形成
した小径段部71は、この内輪50の内端面にハブ6a
の内端部をかしめ付ける際に、若干変形する場合があ
る。この為、本例の場合には、この様に小径段部71が
変形して、この小径段部71の直径等が変化した場合で
も、この小径段部71に対する上記円筒部45の嵌合強
度の適正化を図ると共に、この嵌合部に於けるシール性
を確保すべく、この円筒部45の内周面に、全周に亙り
ゴム等の弾性材74を添着している。その他の構成及び
作用は、上述した第9例の場合と同様である。
【0053】次に、図15は、本発明の実施の形態の第
11例を示している。本例の場合、シールリップ68b
の基端縁を、芯金69dを構成する皿ばね部91の内周
縁部分に添着すると共に、このシールリップ68bの先
端縁を、駆動軸部材29の中間部で、スプライン軸30
の外周面とハウジング部11の外端面との連続部に存在
する曲面部に弾性的に当接させている。又、上記円輪部
46の内径側部分に設けた傾斜部66の内側面に覆い部
70aの基端縁を結合すると共に、この覆い部70aの
先端縁をハウジング部11の外端部外径側部分に延出さ
せる事により、上記シールリップ68bによるシール部
を全周に亙り覆っている。更に、本例の場合、上記シー
ルリップ68bと覆い部70aとの間部分に存在し、内
側面を上記ハウジング部11の外端面に当接させる弾性
材の厚さ寸法を大きくして、この厚さ寸法を大きくした
部分を弾性板部75としている。本例の場合、この様な
弾性板部75を設ける事により、スプライン軸30がス
プライン孔28に対して、図15に示した状態よりも左
方に変位する事を阻止する機能を充実させている。その
他の構成及び作用は、上述した第10例の場合と同様で
ある。
【0054】次に、図16は、本発明の実施の形態の第
12例を示している。本例の場合、複数個の転動体1
2、12を設置した空間の軸方向内端開口部を塞ぐシー
ルリング19aの内側面に、センサ48と共に回転速度
検出装置を構成するエンコーダ76を支持固定してい
る。即ち、本例の場合には、上記シールリング19aと
して組み合わせシールリングを採用しており、上記エン
コーダ76は、この組み合わせシールリングを構成す
る、内輪50の内端部に外嵌固定したスリンガ77の内
側面に添着固定している。このエンコーダ76は、フェ
ライトの粉末を混入したゴム磁石等の永久磁石により全
体を円輪状に形成したもので、軸方向(図16の左右方
向)に亙り着磁している。着磁方向は、円周方向に亙り
交互に、且つ等間隔で変化させている。従って、上記エ
ンコーダ76の内側面には、S極とN極とが交互に、且
つ等間隔で配置されている。本例の場合も、車両への組
み付け状態で上記エンコーダ76の内側面に、懸架装置
等の固定部分に支持したセンサ48の検知部を近接対向
させて、車輪と同期して回転する駆動軸部材29の回転
速度を検出自在としている。
【0055】又、本例の場合、ハウジング部11の外端
部に外嵌固定した芯金69eに結合するシールリップ6
8cは、断面略U字形で全体を円環状に形成して成り、
互いに略平行な1対の円輪部78a、78bと、これら
各円輪部78a、78bの内周縁同士を連続させる連続
部79と、これら各円輪部78a、78bのうちの外側
の円輪部78aの外周縁から軸方向外方に折れ曲がった
突条部80とを備える。この様なシールリップ68c
は、内側の円輪部78bの外周寄り部分を、上記芯金6
9eを構成する円輪部46の外側面内周寄り部分及びこ
の円輪部46の内周縁部分に、接着、焼き付け等により
結合固定すると共に、上記突条部80の先端縁をかしめ
部27の端面に、全周に亙り弾性的に当接させている。
更に、この状態で、上記内側の円輪部78bの内側面の
一部を、上記ハウジング部11の外端面に全周に亙り弾
性的に当接させて、上記芯金69eと上記ハウジング部
11の外端部との嵌合固定部をシールしている。尚、自
由状態に於ける上記シールリップ68cの軸方向(図1
6の左右方向)に亙る寸法は、上記ハウジング部11の
外端面と上記かしめ部27の端面との軸方向に亙る間隔
よりも十分に大きくしている。
【0056】この様に構成する本例の場合、上記シール
リップ68cは断面略U字形に形成している為、外側の
円輪部78aの外周縁に形成した突条部80の先端縁
を、軸方向に亙り大きく変位させる事ができる。この
為、内側、外側両係止溝14、13と止め輪35との結
合部に存在する遊びに基づき、上記ハウジング部11の
外端面と上記かしめ部27の端面との軸方向に亙る間隔
が比較的大きく(例えば1mm程度)変化した場合でも、
上記突条部80の先端縁を追従させて、上記かしめ部2
7の端面に対するこの突条部80の先端縁の当接圧を十
分に確保できる。又、上記シールリップ68cを断面略
U字形に形成している為、このシールリップ68cの中
間部が変形する事に対する抵抗を、上記突条部80の先
端縁と上記かしめ部27の端面との当接部に働く摩擦抵
抗よりも小さくでき、この当接部が運転中に摺動する事
を防止できる。この為、上記シールリップ68cによる
シール性能を安定させる事ができる。
【0057】尚、本例の場合、上記芯金69eの円筒部
45を上記ハウジング部11の外端部に圧入する際に
は、この芯金69eの円輪部46の外側面のうち、上記
シールリップ68cの円輪部78bを添着していない外
径側部分に治具を押し当てる様にしている。言い換えれ
ば、上記円輪部46の外側面外径側部分に上記治具の押
し当て部を確保すべく、この円輪部46の外径寸法を、
上記シールリップ68cを構成する内側の円輪部78b
の外径寸法よりも十分に大きくしている。その他の構成
及び作用は、前述した第1、3例の場合と同様である。
【0058】次に、図17は、本発明の実施の形態の第
13例を示している。本例の場合、シールリップ68c
を構成する突条部80の先端縁を、全周に亙り内輪50
の内端面に当接させている。この様に本例の場合には、
かしめ部27の端面よりも組み付け後の位置精度及び形
状精度の高い内輪50の内端面に上記鍔部80の先端縁
を当接させる事により、上記シールリップ68cによる
シール性能をより安定させる様にしている。又、本例の
場合、ハウジング部11の外端部に外嵌固定した芯金6
9fを構成する円筒部45の内端縁に、圧入治具押し当
て用の鍔部72を形成している。この為、本例の場合に
は、上記芯金69fを構成する円輪部46の外側面外径
側部分に、上述した第12例の様な圧入治具の押し当て
部を広く確保していない。その他の構成及び作用は、上
述した第12例の場合と同様である。
【0059】次に、図18は、本発明の実施の形態の第
14例を示している。本例の場合、シールリップ68d
を支持する芯金69gを断面クランク形に形成すると共
に、最外径側に設けた円筒部45を、内輪50の内端部
に形成した小径段部71に外嵌固定している。この円筒
部45を小径段部71に外嵌固定する事としたのは、こ
の円筒部45がセンサ48の先端部と干渉するのを避け
る為である。一方、上記芯金69gに支持するシールリ
ップ68dは、外側の円輪部78aの外径側部分を、こ
の芯金69gの内周縁部に結合すると共に、内側の円輪
部78bの外周縁に設けた突条部80の先端縁を、全周
に亙りハウジング部11の外端面に当接させている。
又、本例の場合、上記円筒部45の内周面に、上記シー
ルリップ68dを構成する弾性材の一部を添着してい
る。これにより、上記小径段部71がかしめ部27を形
成する際に変形した場合にも、この小径段部71に対す
る上記円筒部45の嵌合強度を適正にできる様にすると
共に、この円筒部45の嵌合部のシール性を確保できる
様にしている。その他の構成及び作用は、前述した第1
2例と同様である。
【0060】次に、図19〜20は、本発明の実施の形
態の第15例を示している。本例の場合、ハウジング部
11の外端部に外嵌固定した芯金69hに支持する、シ
ール部材であるシールリップ68eを、断面略へ字形で
全体を略円筒状に構成している。この様なシールリップ
68eは、基端部である内端部を上記芯金69hを構成
する円筒部45の外周面及び円輪部46の外周縁部分に
添着すると共に、先端部内周面に全周に亙り形成した係
止突部81を、内輪50の小径段部71に全周に亙り形
成した係止凹溝82に係合させている。尚、上記係合突
部81の高さ寸法は、上記係止凹溝82の深さ寸法より
も大きくすると共に、自由状態に於けるこの係合突部8
1の内周縁の直径を、上記係止凹溝82の底面の直径寸
法よりも小さくしている。従って、上述の様に係合突部
81を係止凹溝82に係合させた状態で、この係合突部
81の内周縁はこの係止凹溝82の底面に、全周に亙り
弾性的に当接する。言い換えれば、上記係止凹溝82の
底面に上記シールリップ68eの先端部を外嵌した状態
となる。そして、この状態で、ハブ6aと駆動軸部材2
9との間を密閉している。
【0061】上記係合突部81を上記係止凹溝82に係
合させる際には、上記芯金69hを上記ハウジング部1
1の外端部に外嵌固定した状態で、スプライン軸30を
スプライン孔28内に、図19の右から左に挿入する。
この挿入作業により上記シールリップ68eの先端部に
形成した係止突部81は、上記小径段部71の内端縁に
設けた円すい凸面状の面取り部83に案内されつつ、内
径を弾性的に広げられ、この小径段部71の外周面に乗
り上がった後、再び内径を縮めて上記係止凹溝82内に
進入する。又、この様に構成する本例の場合、内側、外
側両係止溝14、13と止め輪35との係合部に存在す
る遊びに基づき、上記ハウジング部11と上記小径段部
71の外周面に形成した係止凹溝82部分とが軸方向に
亙り相対変位した場合でも、上記シールリップ68eの
中間部に形成した屈曲部84が曲がる事により、このシ
ールリップ68eの先端部に形成した係合突部81を上
記係止凹溝82に追従させる事ができる。この為、この
係合突部81の内周縁と係止凹溝82の底面との当接部
で摺動が発生せず、摩耗等の原因によりシール性能が劣
化する事を防止できる。
【0062】尚、本例の場合、上記芯金69hを構成す
る円輪部46の内径寸法は、自由状態に於ける上記シー
ルリップ68eの先端部に設けた係合突部81の内径寸
法よりも十分に小さくしている。これにより上記芯金6
9hを上記ハウジング部11の外端部に圧入固定する際
に、上記シールリップ68eの先端部がこの芯金69h
を構成する円輪部46の外側面に突き当てる圧入治具の
邪魔になる事を防止している。その他の構成及び作用
は、前述した第12例と同様である。
【0063】次に、図21〜22は、本発明の実施の形
態の第16例を示している。本例の場合も、スプライン
軸30の外端寄りの中間部外周面に全周に亙って、請求
項に記載した内側係合部に相当する、内側係止溝14を
形成している。又、ハブ6aの中心部に形成したスプラ
イン孔28の外端開口部の周囲で、この内側係止溝14
に整合する位置に、請求項に記載した外側係合部に相当
する段部108を、全周に亙り形成している。そして、
これら内側係止溝14と段部108との間に、図22に
その一部を示す様な、円環状の止め輪109を、これら
内側係止溝14と段部108との間に掛け渡す状態で装
着している。
【0064】上記止め輪109は、SK5の如きばね
鋼、ステンレスばね鋼等の弾性金属板により、全体を円
環状に形成すると共に、軸方向(図21の左右方向)に
亙る厚さ寸法を弾性的に収縮自在としている。即ち、上
記止め輪109は、外周側部分に円環部110を、全周
に亙って設け、この円環部110の内周縁部に多数の弾
性舌片111、111を、直径方向内方及び軸方向に突
出する状態で形成している。この様な止め輪109を構
成する、上記多数の弾性舌片111、111の先端縁
(内周側端縁)の内接円の直径は、上記止め輪109の
自由状態で、上記スプライン軸30の外接円の直径より
も小さくしている。この様な止め輪109は、上記多数
の弾性舌片111、111の先端部(内周側端部)をこ
の止め輪109の直径方向外方に弾性変形させつつ、上
記スプライン軸30の外端部に外嵌する。そして、上記
多数の弾性舌片111、111が上記内側係止溝14に
整合した状態で、これら各弾性舌片111、111の先
端部を直径方向内方に向け弾性的に復元させ、これら各
弾性舌片111、111の先端部と上記内側係止溝14
とを係合させる。又、この状態で上記円環部110を、
上記段部108に突き当てている。
【0065】勿論、上記各弾性舌片111、111が、
上記スプライン軸30の外周面に形成したスプライン溝
を通じて、上記内側係止溝14から外れない様に、この
内側係止溝14の溝底径(内側係止溝14の溝底径を、
雄スプラインの溝底径よりも小さくする)や上記各弾性
舌片111、111の先端部の幅(この幅をスプライン
溝の幅よりも大きくする)等を規制する。尚、上記各弾
性舌片111、111と内側係止溝14とを係合させる
作業を容易に行なえる様にすべく、上記円環部110を
欠円環状にしても良い。又、上記スプライン軸30の先
端部で、上記止め輪109が係合している内側係止溝1
4よりも先端寄り部分には、スプライン溝を形成せず、
このスプライン溝の溝底の径よりも小径の円筒面にする
事もできる。この場合、勿論上記内側係止溝14の底部
の径は、上記円筒面の外径よりも小さくする。尚、本例
の場合、上記止め輪109は、上記スプライン軸30を
スプライン孔28内に挿通した後に取り付ける。前述の
図1に示した第1例の様に、止め輪35をスプライン軸
30に予め装着した状態で、このスプライン軸30をス
プライン孔28に挿入する事はできない。
【0066】更に、上記スプライン軸30を設けた駆動
軸部材29の内端部に設けたハウジング部11の外端面
と、前記ハブ6aの内端面との間に、芯金69iと弾性
板49とから成るシール部材112を配置している。こ
のシール部材112を構成する芯金69iは、SPCC
の如き炭素鋼板等の金属板を、断面L字形で全体を円環
状に形成して成り、外周縁部に形成した円筒部45を上
記ハウジング部11の外端部に締り嵌めで外嵌する事に
より、このハウジング部11の外端部に固定している。
又、上記弾性板49は、ゴム、ビニル等のエラストマー
を円環状に形成したもので、上記芯金69iを構成する
円輪部46の外側面に、焼き付け、接着等により、全周
に亙り添着している。
【0067】この様なシール部材112の弾性板49
は、上記止め輪109を前記内側係止溝14と段部10
8とに掛け渡した状態で、上記ハウジング部11の外端
面とハブ6aの内端面に存在するかしめ部27との間で
弾性的に挟持される。この様に、上記止め輪109の弾
力に基づいて上記弾性板49を挟持する弾性力は、運転
時に前記スプライン軸30に加わるスラスト荷重よりも
少し大きく、例えば100kgf 程度に設定する。本例の
車輪支持用車軸ユニットは、上述の様に、上記止め輪1
09を上記内側係止溝14と段部108とに、軸方向に
圧縮した状態で掛け渡す事により、上記弾性板49を上
記ハウジング部11の外端面と上記かしめ部27との間
で弾性的に挟持すると共に、上記ハブ6aと駆動軸部材
29との軸方向に亙る位置決めを図っている。
【0068】上述の様に構成する、本例の車輪駆動用車
軸ユニットの場合には、上記止め輪109を軸方向に亙
る弾性を有するものとし、この止め輪109を内側係止
溝14と段部108との間に掛け渡した状態で、弾性板
49を上記ハブ6aの他端面に存在するかしめ部27と
上記ハウジング部11の外端面との間で弾性的に挟持し
ている。この為、運転中に生じる振動に拘らず、各部で
部材同士の衝突に基づく異音が発生する事がない。又、
自動車の運転中には、デファレンシャルギヤ側に設けた
トリポード型の等速ジョイント(図示せず)部分で発生
するスラスト荷重が、図示しない駆動シャフトを介して
上記駆動軸部材29に加わる。このスラスト荷重の方向
は、上記トリポード型の等速ジョイントの作動状態で方
向が変化する為、或る瞬間には、上記駆動軸部材29を
上記ハブ6aから引き抜く方向の力が加わる。この場合
でも、上記止め輪109の弾力に基づいて上記弾性板4
9を挟持する力を、例えば100kgf 程度と、運転時に
上記トリポード型等速ジョイントの運転に伴って前記ス
プライン軸30に加わるスラスト荷重よりも大きく設定
しているので、上記駆動軸部材29と上記ハブ6aと
が、軸方向に変位する事はない。従って、上記かしめ部
27と上記弾性板49とが離隔する事はなく、この弾性
板49による、上記駆動軸部材29と上記ハブ6aとの
間のシール性は、上記運転時に加わるスラスト荷重に拘
らず、確保できる。
【0069】次に、図23〜24は、本発明の実施の形
態の第17例を示している。本例の場合には、駆動軸部
材29を構成するスプライン軸30の外周面の内側係止
溝14と、ハブ6aの内周面の段部108との間に掛け
渡す止め輪109aとして、欠円環状の波板ばねを使用
している。上述した第16例に使用する止め輪109と
同様の弾性金属板により形成した、上記止め輪109a
は、内径を弾性的に広げつつ、上記内側係止溝14と段
部108との間に掛け渡している。その他の構成及び作
用は、上述した第16例と同様であるから、同等部分に
は同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0070】次に、図25は、本発明の実施の形態の第
18例を示している。本例の場合には、駆動軸部材29
を構成するスプライン軸30の先端部に、円柱部113
を形成している。この円柱部113の外径は、このスプ
ライン軸30に形成したスプライン溝の溝底の内接円の
直径よりも小さい。この様な円柱部113の軸方向中間
部に、全周に亙って、請求項に記載した内側係合部に相
当する、内側係止溝14を形成している。又、上記スプ
ライン孔28の外端開口部の周囲で、この内側係止溝1
4に整合する位置に、請求項に記載した外側係合部に相
当する段部108を、全周に亙り形成している。そし
て、これら内側係止溝14と段部108との間に、欠円
環状の止め輪15dと円環状の間座114とを、これら
内側係止溝14と段部108とに掛け渡す状態で装着し
ている。
【0071】上記止め輪15dは、SK5の如きばね
鋼、ステンレスのばね鋼等の弾性金属板で、全体を欠円
環状に形成する事により、直径を弾性的に拡縮自在とし
ている。又、上記止め輪15dの自由状態での内径は、
上記円柱部113の外径よりも小さくしている。又、上
記間座114の内径は、上記円柱部113の外径よりも
少しだけ大きくし、この間座114の外径は、上記スプ
ライン孔30の内径よりも十分に大きくしている。
【0072】更に、ハウジング部11の外端面と、ハブ
6aの内端面との間に、前述の図21〜22に示した第
16例の場合と同様に、芯金69iと弾性板49とから
成るシール部材112を配置している。この様なシール
部材112を構成する弾性板49は、上記止め輪15d
及び間座114を上記内側係止溝14と段部108とに
掛け渡した状態で、上記ハウジング部11の外端面とハ
ブ6aの内端面に存在するかしめ部27との間に、弾性
的に圧縮された(予圧を付与された)状態で挟持され
る。本例の車輪駆動用車軸ユニットは、上述の様に、上
記止め輪15dを間座114と共に上記内側係止溝14
と段部108との間に、軸方向に圧縮した状態で掛け渡
す事により、上記弾性板49を上記ハウジング部11の
外端面と上記かしめ部27との間で弾性的に挟持すると
共に、上記ハブ6aと前記駆動軸部材29との軸方向に
亙る位置決めを図っている。
【0073】上述の様に構成する、本例の車輪駆動用車
軸ユニットの場合には、上記止め輪15dと段部108
との間に上記間座114を設けている為、これら止め輪
15dと段部108とが狭い面積で当接する事を防止で
きる。この結果、運転時に上記駆動軸部材29とハブ6
aとの間に加わるスラスト荷重に拘らず、上記止め輪1
5dや段部108にフレッチング摩耗が発生する事を防
止できる。即ち、上記止め輪15dは、上記内側係止溝
14と係合させる際に弾性的に拡径する必要上、あまり
幅広に造れず、上記止め輪15dの外径は限られたもの
となる。又、スプライン孔28の開口周縁の直径は、こ
の開口部に存在する面取り部に基づき、或る程度大き
い。この為、上記内側係止溝14と段部108との間に
止め輪15dのみを設けた場合には、これら段部108
と止め輪15dとの当接面積が狭くなり、当接部の面圧
が高くなって、当接部にフレッチング摩耗が発生し易く
なる。これに対して本例の車輪駆動用車軸ユニットの場
合には、上記間座114を設け、この間座114の両面
と上記段部108及び止め輪15dとの当接面積を確保
する事で、当接部の面圧を低くし、当接部にフレッチン
グ摩耗が発生するのを防止できる。尚、上記弾性板49
に付与する弾性力(予圧)は、前述の図21〜22に示
した第16例、或は図23〜24に示した第17例と同
様の理由により、運転時に前記スプライン軸30に加わ
るスラスト荷重よりも少し大きく、例えば100kgf 程
度に設定する事が好ましい。その他の構成及び作用は、
上記第16〜17例の場合とほぼ同様である。
【0074】次に、図26は、本発明の実施の形態の第
19例を示している。本例の場合には、間座114と段
部108との間に、ゴム、ビニル等のエラストマーによ
り造った弾性リング115を、これら間座114と段部
108との間で弾性的に圧縮した状態で挟持している。
図示の例では、上記弾性リング115を、上記間座11
4の内側面に、焼き付け若しくは接着して、この間座1
14と一体に取り扱える様にしている。この様な本例の
場合には、ハブ6aの中心孔に、この中心孔の外端開口
部から進入する、雨水等の異物を、上記弾性リング11
5が上記間座114と段部108との間をシールする
為、上述した第18例でハブ6aに嵌着していたキャッ
プ34(図25)を省略している。その他の構成及び作
用は、上述した第18例と同様であるから、同等部分に
は同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0075】次に、図27は、本発明の実施の形態の第
20例を示している。本例の場合には、ハブ6aの内端
部に形成したかしめ部27の外径を、このハブ6aを構
成する本体部分の内端部に外嵌固定した内輪50の外径
との関係で、前述した第18例及び上述した第19例の
場合よりも小さくしている。従って、本例の場合には、
上記ハブ6aを構成する上記内輪50の内端面外径側半
部が、上記かしめ部27の外周縁の周囲に露出してい
る。そして、本例の場合には、上記内輪50の内端面外
径側半部とハウジング部11の外端面との間に、シール
部材112を設けている。この様な構造を有する本例の
場合、このシール部材112の端面を、平坦な内輪50
の端面に突き当てているので、このシール部材112に
均一な歪みが発生する。この結果、このシール部材11
2が支承可能なスラスト荷重を大きくできる。その他の
構成及び作用は、上述した第19例の場合と同様である
から、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を
省略する。尚、シール部材112をハブ6aを構成する
内輪50の内端面外径側半部とハウジング部11の外端
面との間に設ける構造は、前述の図25に示した第18
例の構造で実施する事もできる。
【0076】次に、図28〜29は、本発明の実施の形
態の第21例を示している。本例の場合には、スプライ
ン軸30とスプライン孔28とのスプライン係合部が存
在する空間の外端開口部を、第一素子116と第二素子
117とを組み合わせて成るキャップ34bにより塞い
でいる。このうちの第一素子116は、金属板を絞り加
工等する事により有底円筒状に形成しており、嵌合固定
部である円筒部118と、この円筒部118の外端開口
部を塞ぐ底板部119とを備える。又、このうちの円筒
部118の中間部外周面には、上記金属板を180度折
り返す様に座屈変形させる事により、外向フランジ状の
鍔部120を形成している。一方、上記第二素子117
は、合成樹脂により有底筒状に形成しており、外周面の
形状がハブ6aの外端寄り部内周面の形状と整合或はほ
ぼ整合自在な筒状部121と、この筒状部121の内端
開口を塞ぐ状態で設けられた、塞ぎ板部である底板部1
22とを備える。このうちの筒状部121は、大径円筒
部123と、小径円筒部124と、これら大径円筒部1
23の内端縁と小径円筒部124の外端縁とを連続させ
る連続部125とを備える。又、上記底板部122は、
このうちの小径円筒部124の内端開口を塞ぐ状態で設
けている。
【0077】そして、この様な第一、第二両素子12
6、127同士を最中合わせに組み合わせる事により、
上記キャップ34bを構成している。即ち、これら第
一、第二両素子116、117同士を組み合わせる際に
は、図29に詳示する様に、この第一素子116を構成
する円筒部118の内半部を、上記第二素子117を構
成する大径円筒部123の外端寄り部外周面に全周に亙
り形成した係止凹溝126に係合させる。これと共に、
この大径円筒部123の外端部外周面に全周に亙り形成
した係止凸部127を、上記鍔部120を形成した事に
伴って上記円筒部118の中間部内周面に形成されたV
字溝128に係合させる。尚、この様に組み合わせた状
態で、上記円筒部118の内半部と上記係止凹溝126
との係合部、並びに上記係止凸部127と上記V字溝1
28との係合部が十分にシールされる様に、各部の形状
及び寸法を規制している。
【0078】上記ハブ6aの外端開口部を密閉すべく、
上述の様なキャップ34bをこのハブ6aの外端開口部
に取り付ける際には、上記第二素子117をこのハブ6
aの外端寄り部内径側に挿入すると共に、上記第一素子
116を構成する円筒部118の内半部を、上記ハブ6
aの外端部に設けた位置決め円筒部129の外端部に、
締り嵌めにより内嵌固定する。これと共に、上記鍔部1
20を上記位置決め円筒部129の外端面に突き当て
る。尚、この位置決め円筒部129は、図示しない駆動
輪を取付フランジ7に取り付ける際に、上記ハブ6aの
外端部に対するこの駆動輪の位置決めを図る為のもので
あり、この駆動輪を上記取付フランジ7に取り付ける際
には、この駆動輪(のホイール)の中心部に形成した円
孔内にこの位置決め円筒部129を挿通する。
【0079】又、この様にキャップ34bをハブ6aの
外端開口部に取り付けた状態で、上記第二素子117を
構成する筒状部121の外周面は、上記ハブ6aの外端
寄り部内周面と、全面に亙りほぼ当接若しくは近接す
る。即ち、上記位置決め円筒部129の内周面に上記大
径円筒部123の外周面が、上記ハブ6aの中間部内周
面に形成した小径部130の内周面に上記小径円筒部1
24の外周面が、上記位置決め円筒部129の内周面と
上記小径部130の内周面との間部分に存在する傾斜部
131及び段部132に上記連続部125の外面が、そ
れぞれほぼ当接する。これと共に、上記第二素子117
を構成する底板部122が、スプライン軸30とスプラ
イン孔28とのスプライン係合部が存在する空間の外端
開口部をほぼ塞ぐ状態で、このスプライン軸30の先端
面と近接対向する。
【0080】上述の様に本例の場合には、キャップ34
bを構成する塞ぎ板部である底板部122を、嵌合固定
部である円筒部118よりも軸方向内方に設ける事によ
り、この底板部122をスプライン軸30の先端面と近
接対向させている。この為、このスプライン軸30とス
プライン孔28とのスプライン係合部が存在する空間の
容積を小さくして、この空間内に封入するグリースの量
を少なくできる。尚、本例の場合、この空間内に封入し
たグリースが、上記底板部122よりも軸方向外端側の
部分、即ち、第二素子117を構成する筒状部121の
外周面とハブ6aの外端寄り部内周面との間部分に進入
する可能性がある。但し、これら両周面の間部分の軸方
向外端部に存在する第一、第二両素子126、127同
士の結合部、並びに上記円筒部118と位置決め円筒部
129との嵌合部は、十分なシール性を有する。この
為、上記両周面の間部分にグリースが進入した場合で
も、このグリースが上記係合部並びに嵌合部を通じて外
部に漏洩する事はない。又、本例の場合には、上記嵌合
固定部である円筒部118を、ハブ6aの外端開口部で
ある、上記位置決め円筒部129の外端部に内嵌固定し
ている。この為、この円筒部118を上記ハブ6aに対
して内嵌固定する作業を容易に行なえる。尚、本例に組
み込む、芯金69bを含むシール部材の構造は、前述の
図12に示した第8例の場合と同様である。
【0081】次に、図30は、本発明の実施の形態の第
22例を示している。本例の場合、キャップ34cを構
成する第一素子116aは、アルミニウム合金をダイキ
ャスト成形する事により造っている。更に、このダイキ
ャスト成形により、上記第一素子116aを構成する底
板部119の外側面に、意匠を向上する為の造形133
を施している。一方、上記キャップ34cを構成する合
成樹脂製の第二素子117aは、ブロー成形により上記
第一素子116aと一体的に結合している。従って、こ
の第二素子117aを構成する大径円筒部123の外端
縁は、上記第一素子116aを構成する円筒部118の
内端縁に、全周に亙り接着している。尚、この円筒部1
18の先端部に、透孔若しくは凹孔を形成する事によ
り、第一、第二の素子116a、117a同士の結合強
度を向上させる事もできる。又、上述の様なブロー成形
を行なう為、上記第一素子116aを構成する底板部1
19の中央部には、この第一素子116aと上記第二素
子117aとの間部分に空気を吹き込む為の吹き込み口
134を形成している。この吹き込み口134は、上記
キャップ34cの完成後に塞いでおく。尚、本例の場
合、上記第二素子117aを構成する筒状部121の外
周面の形状を、ハブ6aの外端寄り部内周面の形状に合
わせる為、この筒状部121には小径円筒部124(図
28参照)を形成していない。その他の構成及び作用
は、上述した第21例の場合と同様である。
【0082】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、小型且つ軽量で、しかも優れた耐久性及び
信頼性を有する車輪用転がり軸受ユニットを実現して、
自動車の乗り心地及び動力性能、燃費性能の向上に寄与
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面
図。
【図2】止め輪を図1の側方から見た図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す半部断面
図。
【図4】止め輪の挿入状態を示す部分拡大図。
【図5】スプライン孔の一部を図3の左側から見た部分
端面図。
【図6】本発明の実施の形態の第3例を示す半部断面
図。
【図7】同第4例を示す半部断面図。
【図8】同第5例を示す半部断面図。
【図9】同第6例を示す、エンコーダ及び弾性板の部分
断面図。
【図10】同第7例を示す半部断面図。
【図11】芯金及びシールリップの一部を図10の左側
から見た図。
【図12】本発明の実施の形態の第8例を示す半部断面
図。
【図13】同第9例を示す半部断面図。
【図14】同第10例を示す半部断面図。
【図15】同第11例を示す半部断面図。
【図16】同第12例を示す半部断面図。
【図17】同第13例を示す半部断面図。
【図18】同第14例を示す半部断面図。
【図19】同第15例を示す半部断面図。
【図20】図19のA部拡大図。
【図21】本発明の実施の形態の第16例を示す半部断
面図。
【図22】止め輪の部分拡大斜視図。
【図23】本発明の実施の形態の第17例を示す半部断
面図。
【図24】止め輪の部分拡大斜視図。
【図25】本発明の実施の形態の第18例を示す半部断
面図。
【図26】同第19例を示す半部断面図。
【図27】同第20例を示す半部断面図。
【図28】同第21例を示す半部断面図。
【図29】図28のB部拡大図。
【図30】本発明の実施の形態の第22例を示す半部断
面図。
【図31】従来構造の第1例を示す部分断面図。
【図32】同第2例を示す半部断面図。
【図33】同第3例を示す断面図。
【図34】同第4例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b 外輪 2 取付部 3 外輪軌道 4 第一素子 5 第二素子 6、6a〜6f ハブ 7 取付フランジ 8 内輪軌道 9 円筒部 10 等速ジョイント 11 ハウジング部 12 転動体 13 外側係止溝 14 内側係止溝 15、15a、15b、15c、15d 止め輪 16 段部 17 溶接 18 カバー 19、19a シールリング 20 隔板部 21 内輪 22 保持器 23 玉 24 内側係合溝 25 外側係合溝 26 ポケット 27 かしめ部 28 スプライン孔 29 駆動軸部材 30 スプライン軸 31 結合部材 32 エンコーダ 33 段部 34、34a、34b、34c キャップ 35、35a 止め輪 36 ガイド面 37 シールリング 38 隙間 39 係止溝 40 ナックル 41 保持溝 42 Oリング 43 段部 44 エンコーダ部 45 円筒部 46 円輪部 47 透孔 48 センサ 49、49a 弾性板(弾性材) 50 内輪 51 シールリップ 52 緩衝部材 53 凹孔 54 係合溝 55 深溝 56 円筒部 57 円板部 58 係合突部 59 係合溝 60 鍔部 61 段差面 62 凹溝 63 Oリング 64 面取り部 65 ねじ溝 66 傾斜部 67 切り欠き 68、68a〜68e シールリップ 69、69a〜69i 芯金 70 覆い部 71 小径段部 72 鍔部 73 段部 74 弾性材 75 弾性板部 76 エンコ−ダ 77 スリンガ 78a、78b 円輪部 79 連続部 80 突条部 81 係止突部 82、82a 係止凹溝 83、83a 面取り部 84 屈曲部 90 舌片 91 皿ばね部 92 車軸 93 車軸管 94 係合溝 95 係止部 96 弾性リング 97 止め輪 98 スリーブ 99 凹凸部 100 シールリング 101 回転速度検出センサ 108 段部 109、109a 止め輪 110 円環部 111 弾性舌片 112 シール部材 113 円柱部 114 間座 115 弾性リング 116、116a 第一素子 117、117a 第二素子 118 円筒部 119 底板部 120 鍔部 121 筒状部 122 底板部 123 大径円筒部 124 小径円筒部 125 連続部 126 係止凹溝 127 係止凸部 128 V字溝 129 位置決め円筒部 130 小径部 131 傾斜部 132 段部 133 造形 134 吹き込み口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−252641 (32)優先日 平成10年9月7日(1998.9.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−253983 (32)優先日 平成10年9月8日(1998.9.8) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 大熊 健夫 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸ユニットと等速ジョイントとを結合
    して成り、 このうちの車軸ユニットは、内周面に外輪軌道を有し、
    使用時にも回転しない外輪と、外周面の一端寄り部分に
    車輪を支持する為の取付フランジを、同じく他端寄り部
    分に内輪を介して内輪軌道を、中心部にスプライン孔
    を、それぞれ設けたハブと、この内輪軌道と上記外輪軌
    道との間に転動自在に設けた複数個の転動体とを備え、
    上記ハブに外嵌した上記内輪を、このハブの他端部を直
    径方向外方に塑性変形する事により形成したかしめ部に
    よりこのハブに対し固定しているものであり、 上記等速ジョイントは、上記スプライン孔と係合するス
    プライン軸を一端部に設けると共に、他端部を等速ジョ
    イントの外輪となるハウジング部とした駆動軸部材を含
    んで構成されるものである車輪駆動用車軸ユニットに於
    いて、 上記スプライン軸の外周面に全周に亙って形成した内側
    係合部と、この内側係合部に整合する位置で上記ハブの
    内周面に全周に亙って形成した外側係合部と、弾性材に
    より形成した止め輪とを備え、 この止め輪を上記内側係合部と外側係合部とに掛け渡す
    事により、上記ハブと駆動軸部材との軸方向の位置決め
    結合を図っている事を特徴とする車輪駆動用車軸ユニッ
    ト。
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