JPH11166525A - 車輪用転がり軸受ユニット - Google Patents
車輪用転がり軸受ユニットInfo
- Publication number
- JPH11166525A JPH11166525A JP9335884A JP33588497A JPH11166525A JP H11166525 A JPH11166525 A JP H11166525A JP 9335884 A JP9335884 A JP 9335884A JP 33588497 A JP33588497 A JP 33588497A JP H11166525 A JPH11166525 A JP H11166525A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- peripheral surface
- ring
- rolling
- wheel
- bearing unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2326/00—Articles relating to transporting
- F16C2326/01—Parts of vehicles in general
- F16C2326/02—Wheel hubs or castors
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐久性を確保しつつ、小型・軽量化を図る。
【解決手段】 内輪30と共に内輪相当部材31を構成
するハブ29の端部に、等速ジョイント10aを構成す
る為のハウジング部11aを設ける。このハウジング部
11aの内周面に形成した外側係合溝26a、26a、
ハウジング部11a内に設けた内輪22aの外周面に形
成した内側係合溝25a、25aの断面形状の曲率半径
を、中央部で小さく、両側部で大きくする。この両側部
と玉24、24の転動面との接触楕円の長径を小さくし
て、この接触楕円が面取りに達するのを防止する。そし
て、上記転動面にエッヂロードが加わるのを防止して、
上記各玉24、24の外径を小さくし、ピッチ円直径を
小さくする事による小型・軽量化を図る。
するハブ29の端部に、等速ジョイント10aを構成す
る為のハウジング部11aを設ける。このハウジング部
11aの内周面に形成した外側係合溝26a、26a、
ハウジング部11a内に設けた内輪22aの外周面に形
成した内側係合溝25a、25aの断面形状の曲率半径
を、中央部で小さく、両側部で大きくする。この両側部
と玉24、24の転動面との接触楕円の長径を小さくし
て、この接触楕円が面取りに達するのを防止する。そし
て、上記転動面にエッヂロードが加わるのを防止して、
上記各玉24、24の外径を小さくし、ピッチ円直径を
小さくする事による小型・軽量化を図る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る車輪用転がり
軸受ユニットは、所謂第四世代のハブユニットと呼ばれ
るもので、独立懸架式サスペンションに支持された駆動
輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、FR車
(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エンジン
後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全輪}
を、懸架装置に対して回転自在に支持する為に利用す
る。
軸受ユニットは、所謂第四世代のハブユニットと呼ばれ
るもので、独立懸架式サスペンションに支持された駆動
輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、FR車
(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エンジン
後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全輪}
を、懸架装置に対して回転自在に支持する為に利用す
る。
【0002】
【従来の技術】車輪を懸架装置に対して回転自在に支持
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた車輪用転がり軸受ユニットが、各種使用され
ている。又、独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持
する為の車輪用転がり軸受ユニットは、等速ジョイント
と組み合わせて、デファレンシャルギヤと駆動輪との相
対変位や車輪に付与された舵角に拘らず、駆動軸の回転
を上記車輪に対して円滑に(等速性を確保して)伝達す
る必要がある。この様な等速ジョイントと組み合わせ
て、しかも比較的小型且つ軽量に構成できる、所謂第四
世代のハブユニットと呼ばれる車輪用転がり軸受ユニッ
トとして従来から、特開平7−317754号公報に記
載されたものが知られている。
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた車輪用転がり軸受ユニットが、各種使用され
ている。又、独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持
する為の車輪用転がり軸受ユニットは、等速ジョイント
と組み合わせて、デファレンシャルギヤと駆動輪との相
対変位や車輪に付与された舵角に拘らず、駆動軸の回転
を上記車輪に対して円滑に(等速性を確保して)伝達す
る必要がある。この様な等速ジョイントと組み合わせ
て、しかも比較的小型且つ軽量に構成できる、所謂第四
世代のハブユニットと呼ばれる車輪用転がり軸受ユニッ
トとして従来から、特開平7−317754号公報に記
載されたものが知られている。
【0003】図6は、この公報に記載された従来構造を
示している。車両への組み付け状態で、懸架装置に支持
した状態で回転しない外輪1(外輪相当部材)は、外周
面にこの懸架装置に支持する為の第一の取付フランジ2
を、内周面に複列の外輪軌道3、3を、それぞれ有す
る。上記外輪1の内側には、第一の内輪部材4と第二の
内輪部材5とを組み合わせて成るハブ6を配置してい
る。このうちの第一の内輪部材4は、外周面の一端寄り
(図6の左寄り)部分に車輪を支持する為の第二の取付
フランジ7を、同じく他端寄り(図6の右寄り)部分に
第一の内輪軌道8を、それぞれ設けた円筒状に形成して
いる。これに対して、上記第二の内輪部材5は、一端部
(図6の左端部)を、上記第一の内輪部材4を外嵌固定
する為の円筒部9とし、他端部(図6の右端部)を、ツ
ェッパ型の等速ジョイント10の外輪となるハウジング
部11とし、中間部外周面に第二の内輪軌道12を設け
ている。そして、上記各外輪軌道3、3と上記第一、第
二の内輪軌道8、12との間にそれぞれ複数個ずつの転
動体13、13を設ける事により、上記外輪1の内側に
上記ハブ6を、回転自在に支持している。
示している。車両への組み付け状態で、懸架装置に支持
した状態で回転しない外輪1(外輪相当部材)は、外周
面にこの懸架装置に支持する為の第一の取付フランジ2
を、内周面に複列の外輪軌道3、3を、それぞれ有す
る。上記外輪1の内側には、第一の内輪部材4と第二の
内輪部材5とを組み合わせて成るハブ6を配置してい
る。このうちの第一の内輪部材4は、外周面の一端寄り
(図6の左寄り)部分に車輪を支持する為の第二の取付
フランジ7を、同じく他端寄り(図6の右寄り)部分に
第一の内輪軌道8を、それぞれ設けた円筒状に形成して
いる。これに対して、上記第二の内輪部材5は、一端部
(図6の左端部)を、上記第一の内輪部材4を外嵌固定
する為の円筒部9とし、他端部(図6の右端部)を、ツ
ェッパ型の等速ジョイント10の外輪となるハウジング
部11とし、中間部外周面に第二の内輪軌道12を設け
ている。そして、上記各外輪軌道3、3と上記第一、第
二の内輪軌道8、12との間にそれぞれ複数個ずつの転
動体13、13を設ける事により、上記外輪1の内側に
上記ハブ6を、回転自在に支持している。
【0004】又、上記第一の内輪部材4の内周面と上記
第二の内輪部材5の外周面との互いに整合する位置に
は、それぞれ係止溝14、15を形成すると共に、止め
輪16を、これら両係止溝14、15に掛け渡す状態で
設けて、上記第一の内輪部材4が上記第二の内輪部材5
から抜け出るのを防止している。更に、上記第二の内輪
部材5の一端面(図6の左端面)外周縁部と、上記第一
の内輪部材4の内周面に形成した段部17の内周縁部と
の間に溶接18を施して、上記第一、第二の内輪部材
4、5同士を結合固定している。
第二の内輪部材5の外周面との互いに整合する位置に
は、それぞれ係止溝14、15を形成すると共に、止め
輪16を、これら両係止溝14、15に掛け渡す状態で
設けて、上記第一の内輪部材4が上記第二の内輪部材5
から抜け出るのを防止している。更に、上記第二の内輪
部材5の一端面(図6の左端面)外周縁部と、上記第一
の内輪部材4の内周面に形成した段部17の内周縁部と
の間に溶接18を施して、上記第一、第二の内輪部材
4、5同士を結合固定している。
【0005】更に、上記外輪1の両端開口部と上記ハブ
6の中間部外周面との間には、ステンレス鋼板等の金属
製で略円筒状のカバー19a、19bと、ゴム、エラス
トマー等の弾性材製で円環状のシールリング20a、2
0bとを設けている。これらカバー19a、19b及び
シールリング20a、20bは、上記複数の転動体1
3、13を設置した部分と外部とを遮断し、この部分に
存在するグリースが外部に漏出するのを防止すると共
に、この部分に雨水、塵芥等の異物が侵入する事を防止
する。又、上記第二の内輪部材5の中間部内側には、こ
の第二の内輪部材5の内側を塞ぐ隔板部21を設けて、
この第二の内輪部材5の剛性を確保すると共に、この第
二の内輪部材5の先端(図6の左端)開口からこの第二
の内輪部材5の内側に入り込んだ異物が、前記ハウジン
グ部11の内側に設けた等速ジョイント10部分にまで
達する事を防止している。
6の中間部外周面との間には、ステンレス鋼板等の金属
製で略円筒状のカバー19a、19bと、ゴム、エラス
トマー等の弾性材製で円環状のシールリング20a、2
0bとを設けている。これらカバー19a、19b及び
シールリング20a、20bは、上記複数の転動体1
3、13を設置した部分と外部とを遮断し、この部分に
存在するグリースが外部に漏出するのを防止すると共
に、この部分に雨水、塵芥等の異物が侵入する事を防止
する。又、上記第二の内輪部材5の中間部内側には、こ
の第二の内輪部材5の内側を塞ぐ隔板部21を設けて、
この第二の内輪部材5の剛性を確保すると共に、この第
二の内輪部材5の先端(図6の左端)開口からこの第二
の内輪部材5の内側に入り込んだ異物が、前記ハウジン
グ部11の内側に設けた等速ジョイント10部分にまで
達する事を防止している。
【0006】又、上記等速ジョイント10は、上記ハウ
ジング部11と、内輪22と、保持器23と、複数個の
玉24とから成る。このうちの内輪22は、エンジンに
よりトランスミッションを介して回転駆動される、図示
しない駆動軸の先端部に固定される。この内輪22の外
周面には、この内輪22の中心軸に対し直交する仮想平
面で切断した場合に於ける断面形状が円弧形である内側
係合溝25を6本、円周方向に亙り等間隔に、それぞれ
円周方向に対し直角方向に形成している。又、上記ハウ
ジング部11の内周面で上記内側係合溝25と対向する
位置には、やはり円弧形の断面形状を有する外側係合溝
26を6本、円周方向に対し直角方向に形成している。
又、上記保持器23は、断面円弧状で全体を円環状に形
成しており、上記内輪22の外周面とハウジング部11
の内周面との間に挟持している。この保持器23の円周
方向6個所位置で、上記内側、外側両係合溝25、26
に整合する位置には、それぞれポケット27を形成し、
これら各ポケット27の内側にそれぞれ1個ずつ、合計
6個の上記玉24を保持している。これら各玉24は、
それぞれ上記各ポケット27に保持された状態で、上記
内側、外側両係合溝25、26に沿い転動自在である。
ジング部11と、内輪22と、保持器23と、複数個の
玉24とから成る。このうちの内輪22は、エンジンに
よりトランスミッションを介して回転駆動される、図示
しない駆動軸の先端部に固定される。この内輪22の外
周面には、この内輪22の中心軸に対し直交する仮想平
面で切断した場合に於ける断面形状が円弧形である内側
係合溝25を6本、円周方向に亙り等間隔に、それぞれ
円周方向に対し直角方向に形成している。又、上記ハウ
ジング部11の内周面で上記内側係合溝25と対向する
位置には、やはり円弧形の断面形状を有する外側係合溝
26を6本、円周方向に対し直角方向に形成している。
又、上記保持器23は、断面円弧状で全体を円環状に形
成しており、上記内輪22の外周面とハウジング部11
の内周面との間に挟持している。この保持器23の円周
方向6個所位置で、上記内側、外側両係合溝25、26
に整合する位置には、それぞれポケット27を形成し、
これら各ポケット27の内側にそれぞれ1個ずつ、合計
6個の上記玉24を保持している。これら各玉24は、
それぞれ上記各ポケット27に保持された状態で、上記
内側、外側両係合溝25、26に沿い転動自在である。
【0007】上述の様に構成する車輪用転がり軸受ユニ
ットを車両に組み付ける際には、第一の取付フランジ2
により外輪1を懸架装置に支持し、第二の取付フランジ
7により駆動輪を第一の内輪部材4に固定する。又、エ
ンジンによりトランスミッションを介して回転駆動され
る、図示しない駆動軸の先端部を、等速ジョイントを構
成する内輪22の内側にスプライン係合させる。自動車
の走行時には、上記内輪22の回転を、複数の玉24を
介して第二の内輪部材5を含むハブ6に伝達し、上記駆
動輪を回転駆動する。
ットを車両に組み付ける際には、第一の取付フランジ2
により外輪1を懸架装置に支持し、第二の取付フランジ
7により駆動輪を第一の内輪部材4に固定する。又、エ
ンジンによりトランスミッションを介して回転駆動され
る、図示しない駆動軸の先端部を、等速ジョイントを構
成する内輪22の内側にスプライン係合させる。自動車
の走行時には、上記内輪22の回転を、複数の玉24を
介して第二の内輪部材5を含むハブ6に伝達し、上記駆
動輪を回転駆動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図6に示した従来の車
輪用転がり軸受ユニットの場合、装置の小型・軽量化を
図る事が難しい。この理由は、次の通りである。等速ジ
ョイント10を構成する内輪22とハウジング部11と
の間での回転力の伝達時に、内側、外側両係合溝25、
26と各玉24、24とは、本発明の実施の形態の1例
を示す図2に誇張して示す様に、これら各玉24、24
の転動面と上記各係合溝25、26の円周方向片側面と
が当接する方向に変位する。この変位に伴い、これら各
玉24、24は、上記内側、外側両係合溝25、26の
開口部に向け、乗り上げる様に変位する。同時に、これ
ら各玉24、24の転動面と上記内側、外側両係合溝2
5、26の内面とは、上記等速ジョイント10の円周方
向を長径とする接触楕円部分で互いに当接する。一方、
上記内側、外側両係合溝25、26にはそれぞれ面取り
28a、28bを、これら各係合溝25、26の全長に
亙り形成している。上記変位に基づいて上記各玉24、
24に関する接触楕円が、上記両係合溝25、26の開
口部に向けて移動し、この接触楕円が上記面取り28
a、28b部分に達すると、これら各面取り28a、2
8bの端縁部分でエッヂロードが発生する。この様なエ
ッヂロードは、上記各玉24、24の転動面の剥離寿命
を低下させて、上記等速ジョイント10の耐久性を損な
う原因となる為、好ましくない。
輪用転がり軸受ユニットの場合、装置の小型・軽量化を
図る事が難しい。この理由は、次の通りである。等速ジ
ョイント10を構成する内輪22とハウジング部11と
の間での回転力の伝達時に、内側、外側両係合溝25、
26と各玉24、24とは、本発明の実施の形態の1例
を示す図2に誇張して示す様に、これら各玉24、24
の転動面と上記各係合溝25、26の円周方向片側面と
が当接する方向に変位する。この変位に伴い、これら各
玉24、24は、上記内側、外側両係合溝25、26の
開口部に向け、乗り上げる様に変位する。同時に、これ
ら各玉24、24の転動面と上記内側、外側両係合溝2
5、26の内面とは、上記等速ジョイント10の円周方
向を長径とする接触楕円部分で互いに当接する。一方、
上記内側、外側両係合溝25、26にはそれぞれ面取り
28a、28bを、これら各係合溝25、26の全長に
亙り形成している。上記変位に基づいて上記各玉24、
24に関する接触楕円が、上記両係合溝25、26の開
口部に向けて移動し、この接触楕円が上記面取り28
a、28b部分に達すると、これら各面取り28a、2
8bの端縁部分でエッヂロードが発生する。この様なエ
ッヂロードは、上記各玉24、24の転動面の剥離寿命
を低下させて、上記等速ジョイント10の耐久性を損な
う原因となる為、好ましくない。
【0009】上記接触楕円を小さくして、この接触楕円
の一部が上記各面取り28a、28bに達するのを防止
する為、上記内側、外側両係合溝25、26の断面の曲
率半径を大きくする事も考えられる。但し、単にこれら
内側、外側両係合溝25、26の断面の曲率半径を大き
くした場合には、上記ハウジング部11と内輪22とが
回転方向にずれ易くなる。言い換えれば、回転方向に亙
る上記等速ジョイント10の剛性が低下する為、好まし
くない。
の一部が上記各面取り28a、28bに達するのを防止
する為、上記内側、外側両係合溝25、26の断面の曲
率半径を大きくする事も考えられる。但し、単にこれら
内側、外側両係合溝25、26の断面の曲率半径を大き
くした場合には、上記ハウジング部11と内輪22とが
回転方向にずれ易くなる。言い換えれば、回転方向に亙
る上記等速ジョイント10の剛性が低下する為、好まし
くない。
【0010】この為に従来は、上述の様な原因による転
がり疲れ寿命の低下に拘らず、必要とする耐久性を確保
する為に、上記各玉24、24の外径寸法を大きくし
て、これら各玉24、24の負荷容量に余裕を持たせて
いた。この様に各玉24、24の外径寸法を大きくする
と、上記等速ジョイント10部分が大型化し、その分、
車輪用転がり軸受ユニット全体の重量が嵩む。車輪用転
がり軸受ユニットの重量の増大は、自動車のばね下荷重
の増大につながる為、この車輪用転がり軸受ユニットの
小型・軽量化が望まれる。本発明の車輪用転がり軸受ユ
ニットは、上述の様な事情に鑑みて、等速ジョイント部
分の剛性を低下させる事なく、車輪用転がり軸受ユニッ
トの小型・軽量化を図るべく発明したものである。
がり疲れ寿命の低下に拘らず、必要とする耐久性を確保
する為に、上記各玉24、24の外径寸法を大きくし
て、これら各玉24、24の負荷容量に余裕を持たせて
いた。この様に各玉24、24の外径寸法を大きくする
と、上記等速ジョイント10部分が大型化し、その分、
車輪用転がり軸受ユニット全体の重量が嵩む。車輪用転
がり軸受ユニットの重量の増大は、自動車のばね下荷重
の増大につながる為、この車輪用転がり軸受ユニットの
小型・軽量化が望まれる。本発明の車輪用転がり軸受ユ
ニットは、上述の様な事情に鑑みて、等速ジョイント部
分の剛性を低下させる事なく、車輪用転がり軸受ユニッ
トの小型・軽量化を図るべく発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪用転がり軸
受ユニットは、前述した従来の車輪用転がり軸受ユニッ
トと同様に、外周面に懸架装置に支持する為の第一の取
付フランジを、内周面に外輪軌道を、それぞれ有し、使
用時にも回転しない外輪相当部材と、外周面の一端寄り
部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同じ
く中間部に内輪軌道を、それぞれ設け、他端部を等速ジ
ョイントの外輪となるハウジング部とした、使用時に回
転する内輪相当部材と、上記外輪軌道と上記内輪軌道と
の間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記ハ
ウジング部の内周面に、円周方向に対し直角方向に形成
された断面円弧形の複数の外側係合溝とを備える。特
に、本発明の車輪用転がり軸受ユニットに於いては、上
記ハウジング部の中心軸に対し直交する仮想平面で切断
した場合に於ける上記各外側係合溝の断面形状の曲率半
径を、これら各外側係合溝の溝底部で小さく、開口縁部
に近い両側部で大きくしている。
受ユニットは、前述した従来の車輪用転がり軸受ユニッ
トと同様に、外周面に懸架装置に支持する為の第一の取
付フランジを、内周面に外輪軌道を、それぞれ有し、使
用時にも回転しない外輪相当部材と、外周面の一端寄り
部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同じ
く中間部に内輪軌道を、それぞれ設け、他端部を等速ジ
ョイントの外輪となるハウジング部とした、使用時に回
転する内輪相当部材と、上記外輪軌道と上記内輪軌道と
の間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記ハ
ウジング部の内周面に、円周方向に対し直角方向に形成
された断面円弧形の複数の外側係合溝とを備える。特
に、本発明の車輪用転がり軸受ユニットに於いては、上
記ハウジング部の中心軸に対し直交する仮想平面で切断
した場合に於ける上記各外側係合溝の断面形状の曲率半
径を、これら各外側係合溝の溝底部で小さく、開口縁部
に近い両側部で大きくしている。
【0012】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪用転がり軸受
ユニットの場合には、各外側係合溝の断面形状の曲率半
径を、これら各外側係合溝の溝底部で小さく、開口縁部
に近い両側部で大きくしている事により、等速ジョイン
トを構成する玉の転動面にエッヂロードが作用しにくく
なる。この為、この等速ジョイントを構成する複数の玉
の外径寸法を小さくしても、これら各玉の転動面の転が
り疲れ寿命を確保できて、車輪用転がり軸受ユニットの
小型・軽量化が可能になる。
ユニットの場合には、各外側係合溝の断面形状の曲率半
径を、これら各外側係合溝の溝底部で小さく、開口縁部
に近い両側部で大きくしている事により、等速ジョイン
トを構成する玉の転動面にエッヂロードが作用しにくく
なる。この為、この等速ジョイントを構成する複数の玉
の外径寸法を小さくしても、これら各玉の転動面の転が
り疲れ寿命を確保できて、車輪用転がり軸受ユニットの
小型・軽量化が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の1例を示している。懸架装置に支持した状態で回転し
ない外輪1(外輪相当部材)は、外周面にこの懸架装置
に支持する為の第一の取付フランジ2を、内周面に複列
の外輪軌道3a、3bを、それぞれ有する。上記外輪1
の内径側には、ハブ29と内輪30とから成る内輪相当
部材31を、この外輪1と同心に配置している。この内
輪相当部材31の外周面で上記各外輪軌道3a、3bに
対向する部分には、それぞれ第一、第二の内輪軌道8
a、12aを設けている。これら両内輪軌道8a、12
aのうち、第一の内輪軌道8aは、上記ハブ29の中間
部外周面に直接形成している。又、このハブ29の中間
部のうち、上記第一の内輪軌道8aを形成した部分より
も内端寄り(図1の右端寄り)部分に、上記内輪30を
外嵌している。上記第二の内輪軌道12aは、この内輪
30の外周面に形成している。そして、上記各外輪軌道
3a、3bと上記第一、第二の内輪軌道8a、12aと
の間に、それぞれ複数個ずつの転動体13、13を転動
自在に設ける事により、上記外輪1の内側に上記内輪相
当部材31を、回転自在に支持している。
の1例を示している。懸架装置に支持した状態で回転し
ない外輪1(外輪相当部材)は、外周面にこの懸架装置
に支持する為の第一の取付フランジ2を、内周面に複列
の外輪軌道3a、3bを、それぞれ有する。上記外輪1
の内径側には、ハブ29と内輪30とから成る内輪相当
部材31を、この外輪1と同心に配置している。この内
輪相当部材31の外周面で上記各外輪軌道3a、3bに
対向する部分には、それぞれ第一、第二の内輪軌道8
a、12aを設けている。これら両内輪軌道8a、12
aのうち、第一の内輪軌道8aは、上記ハブ29の中間
部外周面に直接形成している。又、このハブ29の中間
部のうち、上記第一の内輪軌道8aを形成した部分より
も内端寄り(図1の右端寄り)部分に、上記内輪30を
外嵌している。上記第二の内輪軌道12aは、この内輪
30の外周面に形成している。そして、上記各外輪軌道
3a、3bと上記第一、第二の内輪軌道8a、12aと
の間に、それぞれ複数個ずつの転動体13、13を転動
自在に設ける事により、上記外輪1の内側に上記内輪相
当部材31を、回転自在に支持している。
【0014】図示の例の場合には、上述の様に、上記第
一の内輪軌道8aを上記ハブ29の外周面に直接形成す
る事により、この第一の内輪軌道8aの直径を、上記内
輪30の外周面に形成した第二の内輪軌道12aの直径
よりも小さくしている。又、この様に第一の内輪軌道8
aの直径を第二の内輪軌道12aの直径よりも小さくし
た事に伴い、上記第一の内輪軌道8aと対向する外側
(自動車への組み付け状態で幅方向外側となる側を言
い、図1の左側)の外輪軌道3aの直径を、内側(自動
車への組み付け状態で幅方向中央側となる側を言い、図
1の右側)の外輪軌道3bの直径よりも小さくしてい
る。更に、この外側の外輪軌道3aを形成した、外輪1
の外半部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる半
部で、図1の左半部)の外径を、上記内側の外輪軌道3
bを形成した部分である、上記外輪1の内半部(車両へ
の組み付け状態で幅方向中央側となる半部で、図1の右
半部)の外径よりも小さくしている。又、図示の例で
は、この様に第一の内輪軌道8a及び外側の外輪軌道3
aの直径を小さくした事に伴い、これら第一の内輪軌道
8aと外側の外輪軌道3aとの間に設ける転動体13、
13の数を、上記第二の内輪軌道12aと内側の外輪軌
道3bとの間に設ける転動体13、13の数よりも少な
くしている。
一の内輪軌道8aを上記ハブ29の外周面に直接形成す
る事により、この第一の内輪軌道8aの直径を、上記内
輪30の外周面に形成した第二の内輪軌道12aの直径
よりも小さくしている。又、この様に第一の内輪軌道8
aの直径を第二の内輪軌道12aの直径よりも小さくし
た事に伴い、上記第一の内輪軌道8aと対向する外側
(自動車への組み付け状態で幅方向外側となる側を言
い、図1の左側)の外輪軌道3aの直径を、内側(自動
車への組み付け状態で幅方向中央側となる側を言い、図
1の右側)の外輪軌道3bの直径よりも小さくしてい
る。更に、この外側の外輪軌道3aを形成した、外輪1
の外半部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる半
部で、図1の左半部)の外径を、上記内側の外輪軌道3
bを形成した部分である、上記外輪1の内半部(車両へ
の組み付け状態で幅方向中央側となる半部で、図1の右
半部)の外径よりも小さくしている。又、図示の例で
は、この様に第一の内輪軌道8a及び外側の外輪軌道3
aの直径を小さくした事に伴い、これら第一の内輪軌道
8aと外側の外輪軌道3aとの間に設ける転動体13、
13の数を、上記第二の内輪軌道12aと内側の外輪軌
道3bとの間に設ける転動体13、13の数よりも少な
くしている。
【0015】又、上記ハブ29の外端部外周面には、こ
のハブ29に車輪を支持固定する為の第二の取付フラン
ジ7を、このハブ29と一体に設けており、この第二の
取付フランジ7に、上記車輪を結合する為の複数本のス
タッド32の基端部を固定している。図示の例の場合に
これら複数本のスタッド32のピッチ円直径は、上述の
様に外輪1の外半部の外径を、同じく内半部の外径より
も小さくした分だけ(上記各スタッド32の頭部33が
上記外輪1の外端部外周面と干渉しない程度に)小さく
している。尚、上記ハブ29の外周面のうちで、上記第
一の内輪軌道8aを形成した部分よりも軸方向内方に存
在する部分の直径は、この第一の内輪軌道8aに対応す
る転動体13、13の内接円の直径よりも小さくしてい
る。この理由は、車輪用転がり軸受ユニットの組み立て
時に、外輪1の外端部内周面に形成した外輪軌道3aの
内径側に複数の転動体13、13を組み付けると共に、
上記外輪1の外端部内周面にシールリング34を内嵌固
定した状態で、この外輪1の内径側に上記ハブ29を挿
入自在とする為である。又、上記ハブ29の中間部外周
面で、上記第一の内輪軌道8aと上記内輪30を外嵌し
た部分との間部分には、全周に亙り凹溝状の肉盗み部3
5を形成して、上記ハブ29の軽量化を図っている。
のハブ29に車輪を支持固定する為の第二の取付フラン
ジ7を、このハブ29と一体に設けており、この第二の
取付フランジ7に、上記車輪を結合する為の複数本のス
タッド32の基端部を固定している。図示の例の場合に
これら複数本のスタッド32のピッチ円直径は、上述の
様に外輪1の外半部の外径を、同じく内半部の外径より
も小さくした分だけ(上記各スタッド32の頭部33が
上記外輪1の外端部外周面と干渉しない程度に)小さく
している。尚、上記ハブ29の外周面のうちで、上記第
一の内輪軌道8aを形成した部分よりも軸方向内方に存
在する部分の直径は、この第一の内輪軌道8aに対応す
る転動体13、13の内接円の直径よりも小さくしてい
る。この理由は、車輪用転がり軸受ユニットの組み立て
時に、外輪1の外端部内周面に形成した外輪軌道3aの
内径側に複数の転動体13、13を組み付けると共に、
上記外輪1の外端部内周面にシールリング34を内嵌固
定した状態で、この外輪1の内径側に上記ハブ29を挿
入自在とする為である。又、上記ハブ29の中間部外周
面で、上記第一の内輪軌道8aと上記内輪30を外嵌し
た部分との間部分には、全周に亙り凹溝状の肉盗み部3
5を形成して、上記ハブ29の軽量化を図っている。
【0016】又、上記ハブ29に外嵌した内輪30が軸
方向内端側にずれ動くのを防止して、上記各外輪軌道3
a、3bと上記第一、第二の内輪軌道8a、12aとの
間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた、上記各転動
体13、13に付与した予圧を適正値に保持すべく、上
記ハブ29の外周面内端寄り部に全周に亙り形成した係
止凹溝36に、止め輪37を係止している。この止め輪
37は、それぞれが半円弧状である、1対の止め輪素子
により構成している。この様な止め輪37は、上記各転
動体13、13に適正な予圧を付与すべく、上記内輪3
0を上記ハブ29に対して軸方向外方に押圧しつつ、そ
の内周縁部を上記係止凹溝36に係合させる。上記内輪
30を軸方向外方に押圧している力を解除した状態でも
上記各転動体13、13に適正な予圧を付与したままに
すべく、上記止め輪37として、適切な厚さ寸法を有す
るものを選択使用する。即ち、上記止め輪37として、
厚さ寸法が僅かずつ異なるものを複数種類用意し、上記
係止凹溝36の溝幅等、転がり軸受ユニットの構成各部
材の寸法との関係で適切な厚さ寸法を有する止め輪37
を選択し、上記係止凹溝36に係合させる。従って、こ
の止め輪37を係止凹溝36に係止すれば、上記押圧し
ている力を解除しても、上記内輪30が軸方向内端側に
ずれ動くのを防止して、上記各転動体13、13に適切
な予圧を付与したままに保持できる。
方向内端側にずれ動くのを防止して、上記各外輪軌道3
a、3bと上記第一、第二の内輪軌道8a、12aとの
間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた、上記各転動
体13、13に付与した予圧を適正値に保持すべく、上
記ハブ29の外周面内端寄り部に全周に亙り形成した係
止凹溝36に、止め輪37を係止している。この止め輪
37は、それぞれが半円弧状である、1対の止め輪素子
により構成している。この様な止め輪37は、上記各転
動体13、13に適正な予圧を付与すべく、上記内輪3
0を上記ハブ29に対して軸方向外方に押圧しつつ、そ
の内周縁部を上記係止凹溝36に係合させる。上記内輪
30を軸方向外方に押圧している力を解除した状態でも
上記各転動体13、13に適正な予圧を付与したままに
すべく、上記止め輪37として、適切な厚さ寸法を有す
るものを選択使用する。即ち、上記止め輪37として、
厚さ寸法が僅かずつ異なるものを複数種類用意し、上記
係止凹溝36の溝幅等、転がり軸受ユニットの構成各部
材の寸法との関係で適切な厚さ寸法を有する止め輪37
を選択し、上記係止凹溝36に係合させる。従って、こ
の止め輪37を係止凹溝36に係止すれば、上記押圧し
ている力を解除しても、上記内輪30が軸方向内端側に
ずれ動くのを防止して、上記各転動体13、13に適切
な予圧を付与したままに保持できる。
【0017】又、上記止め輪37を構成する1対の止め
輪素子が直径方向外方に変位し、この止め輪37が上記
係止凹溝36から不用意に抜け落ちる事を防止すべく、
この止め輪37の周囲に、間座48の一部を配置してい
る。この間座48は、上記ハブ29の内端部分に設けた
ハウジング部11aにより構成する等速ジョイント10
a内に、雨水、塵芥等の異物が入り込むのを防止する為
のブーツ38の外端部を外嵌支持する為のものである。
尚、このブーツ38は、ゴム、合成樹脂等の弾性材によ
り一体成形し、中間部を蛇腹状に、両端部を円筒状に、
それぞれ形成している。この様なブーツ38の外端部
は、上記ハブ29の内端部に締り嵌めにより外嵌固定し
た金属製の間座48に外嵌し、抑えバンド39によりこ
の間座48の外周面に抑え付けている。尚、上記ブーツ
38の外端部内周面は、上記間座48の外周面に形成し
た係合溝40に、全周に亙り係合させている。
輪素子が直径方向外方に変位し、この止め輪37が上記
係止凹溝36から不用意に抜け落ちる事を防止すべく、
この止め輪37の周囲に、間座48の一部を配置してい
る。この間座48は、上記ハブ29の内端部分に設けた
ハウジング部11aにより構成する等速ジョイント10
a内に、雨水、塵芥等の異物が入り込むのを防止する為
のブーツ38の外端部を外嵌支持する為のものである。
尚、このブーツ38は、ゴム、合成樹脂等の弾性材によ
り一体成形し、中間部を蛇腹状に、両端部を円筒状に、
それぞれ形成している。この様なブーツ38の外端部
は、上記ハブ29の内端部に締り嵌めにより外嵌固定し
た金属製の間座48に外嵌し、抑えバンド39によりこ
の間座48の外周面に抑え付けている。尚、上記ブーツ
38の外端部内周面は、上記間座48の外周面に形成し
た係合溝40に、全周に亙り係合させている。
【0018】上記間座48の外端縁部で上記ブーツ38
よりも軸方向外方に突出した部分は断面クランク形に形
成して、全周に亙る抑え部41を構成している。この抑
え部41を構成する為に上記間座48は、上記ハブ29
の内端部に外嵌固定する小径円筒部42と、この小径円
筒部42の外端縁から直径方向外方に折れ曲がった円輪
部43と、この円輪部43の外周縁から軸方向外方に折
れ曲がった大径円筒部44とから成る。そして、このう
ちの円輪部43の外側面を上記止め輪37の内側面に当
接若しくは近接対向させると共に、上記大径円筒部44
の内周面を上記止め輪37の外周面に、当接若しくは近
接対向させている。又、前記外輪1の外端部内周面と上
記ハブ29の中間部外周面との間にはシールリング34
を、上記外輪1の内端部内周面と前記内輪30の内端部
外周面との間には組み合わせシールリング46を、それ
ぞれ設けて、前記複数の転動体13、13を設置した空
間49の両端開口部を塞いでいる。
よりも軸方向外方に突出した部分は断面クランク形に形
成して、全周に亙る抑え部41を構成している。この抑
え部41を構成する為に上記間座48は、上記ハブ29
の内端部に外嵌固定する小径円筒部42と、この小径円
筒部42の外端縁から直径方向外方に折れ曲がった円輪
部43と、この円輪部43の外周縁から軸方向外方に折
れ曲がった大径円筒部44とから成る。そして、このう
ちの円輪部43の外側面を上記止め輪37の内側面に当
接若しくは近接対向させると共に、上記大径円筒部44
の内周面を上記止め輪37の外周面に、当接若しくは近
接対向させている。又、前記外輪1の外端部内周面と上
記ハブ29の中間部外周面との間にはシールリング34
を、上記外輪1の内端部内周面と前記内輪30の内端部
外周面との間には組み合わせシールリング46を、それ
ぞれ設けて、前記複数の転動体13、13を設置した空
間49の両端開口部を塞いでいる。
【0019】更に、上記ハブ29の内端部で、上記内輪
30と上記ブーツ38の外端部とを外嵌した部分は、等
速ジョイント10aの外輪となるハウジング部11aと
している。このハウジング部11aの内周面には、それ
ぞれこのハウジング部11aの中心軸に対し直交する仮
想平面で切断した場合に於ける断面形状が円弧形である
6本の外側係合溝26a、26aを、それぞれ円周方向
に対し直角方向(図1の左右方向、図2の表裏方向)に
形成している。又、上記ハウジング部11aの内側に
は、このハウジング部11aと共に、上記等速ジョイン
ト10aを構成する為の内輪22aを配置している。こ
の内輪22aの外周面に6本の内側係合溝25a、25
aを、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成してし
る。そして、これら各内側係合溝25a、25aと上記
各外側係合溝26a、26aとの間に、これら各係合溝
25a、26a毎に1個ずつ、合計6個の玉24、24
を、保持器23のポケット27内に保持した状態で、転
動自在に設けている。更に、上記内輪22aの中心部に
は、スプライン孔47を軸方向に亙り形成している。自
動車への組み付け状態でこのスプライン孔47には、図
示しない駆動軸の端部をスプライン係合させ、上記内輪
22a及び上記6個の玉24、24を介して、上記ハブ
29を回転駆動自在とする。
30と上記ブーツ38の外端部とを外嵌した部分は、等
速ジョイント10aの外輪となるハウジング部11aと
している。このハウジング部11aの内周面には、それ
ぞれこのハウジング部11aの中心軸に対し直交する仮
想平面で切断した場合に於ける断面形状が円弧形である
6本の外側係合溝26a、26aを、それぞれ円周方向
に対し直角方向(図1の左右方向、図2の表裏方向)に
形成している。又、上記ハウジング部11aの内側に
は、このハウジング部11aと共に、上記等速ジョイン
ト10aを構成する為の内輪22aを配置している。こ
の内輪22aの外周面に6本の内側係合溝25a、25
aを、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成してし
る。そして、これら各内側係合溝25a、25aと上記
各外側係合溝26a、26aとの間に、これら各係合溝
25a、26a毎に1個ずつ、合計6個の玉24、24
を、保持器23のポケット27内に保持した状態で、転
動自在に設けている。更に、上記内輪22aの中心部に
は、スプライン孔47を軸方向に亙り形成している。自
動車への組み付け状態でこのスプライン孔47には、図
示しない駆動軸の端部をスプライン係合させ、上記内輪
22a及び上記6個の玉24、24を介して、上記ハブ
29を回転駆動自在とする。
【0020】本発明の車輪用転がり軸受ユニットの場合
には、上記内側、外側両係合溝25a、26aの断面形
状を、単なる単一円弧状とせず、この断面形状の曲率半
径を、これら各係合溝25a、26aの溝底部と開口縁
部に近い両側部とで互いに異ならせている。即ち、上記
各係合溝25a、26bの断面形状を、上記等速ジョイ
ント10aの直径方向をその長径方向とする楕円形とす
るか、或はゴシック・アーチ形とする事により、これら
各係合溝25a、26aの溝底部の曲率半径r25a 、r
26a を比較的小さく(例えば玉24、24の外径dの
0.504〜0.51倍程度に)し、開口縁部に近い両
側部の曲率半径R25a 、R26a を比較的大きく(例えば
玉24、24の外径dの0.51〜0.52倍程度に)
している(r25a <R25a 、r26a <R26a )。この様
に、上記内側、外側両係合溝25a、26aの断面形状
を工夫する事により、上記各玉24、24の外径寸法を
小さくしても、これら各玉24、24の転動面の剥離寿
命を確保できる。
には、上記内側、外側両係合溝25a、26aの断面形
状を、単なる単一円弧状とせず、この断面形状の曲率半
径を、これら各係合溝25a、26aの溝底部と開口縁
部に近い両側部とで互いに異ならせている。即ち、上記
各係合溝25a、26bの断面形状を、上記等速ジョイ
ント10aの直径方向をその長径方向とする楕円形とす
るか、或はゴシック・アーチ形とする事により、これら
各係合溝25a、26aの溝底部の曲率半径r25a 、r
26a を比較的小さく(例えば玉24、24の外径dの
0.504〜0.51倍程度に)し、開口縁部に近い両
側部の曲率半径R25a 、R26a を比較的大きく(例えば
玉24、24の外径dの0.51〜0.52倍程度に)
している(r25a <R25a 、r26a <R26a )。この様
に、上記内側、外側両係合溝25a、26aの断面形状
を工夫する事により、上記各玉24、24の外径寸法を
小さくしても、これら各玉24、24の転動面の剥離寿
命を確保できる。
【0021】即ち、上記等速ジョイント10aを構成す
る内輪22aとハウジング部11aとの間での回転力の
伝達時には、上記内側、外側両係合溝25a、26aと
各玉24、24とが図2に誇張して示す様に、これら各
玉24、24の転動面と上記各係合溝25a、26aの
円周方向片側面とが当接する方向に変位し、これら各玉
24、24が、上記内側、外側両係合溝25a、26a
の開口部に向け、これら各係合溝25a、26aの両側
部に乗り上げる。同時に、これら各玉24、24の転動
面と上記内側、外側両係合溝25a、26aの内面と
は、上記等速ジョイント10aの円周方向を長径とする
接触楕円部分で互いに当接する。本発明の車輪用転がり
軸受ユニットの場合、上記内側、外側両係合溝25a、
26aの内面の両側部の断面の曲率半径R25a 、R26a
は、溝底部の曲率半径r25a 、r26a よりも大きくなっ
ている。この為、本発明の車輪用転がり軸受ユニットに
よれば、図3(A)に示す様に、回転力の伝達時に於け
る接触楕円の開口縁部側の長径L0 が比較的小さくな
る。そして、この様に接触楕円の開口縁部側の長径L0
が小さくなる分、この接触楕円が前記各面取り28a、
28bに達しにくくなって、上記各玉24、24の転動
面にエッヂロードが作用しにくくなる。しかも、上記内
側、外側両係合溝25a、26aの溝底部の曲率半径r
25a 、r26a は小さいので、これら内側、外側両係合溝
25a、26aに対して上記各玉24、24が、円周方
向に亙り過度に変位する事を防止できる。従って、回転
力の伝達方向に亙る上記等速ジョイント10aの剛性を
確保できる。
る内輪22aとハウジング部11aとの間での回転力の
伝達時には、上記内側、外側両係合溝25a、26aと
各玉24、24とが図2に誇張して示す様に、これら各
玉24、24の転動面と上記各係合溝25a、26aの
円周方向片側面とが当接する方向に変位し、これら各玉
24、24が、上記内側、外側両係合溝25a、26a
の開口部に向け、これら各係合溝25a、26aの両側
部に乗り上げる。同時に、これら各玉24、24の転動
面と上記内側、外側両係合溝25a、26aの内面と
は、上記等速ジョイント10aの円周方向を長径とする
接触楕円部分で互いに当接する。本発明の車輪用転がり
軸受ユニットの場合、上記内側、外側両係合溝25a、
26aの内面の両側部の断面の曲率半径R25a 、R26a
は、溝底部の曲率半径r25a 、r26a よりも大きくなっ
ている。この為、本発明の車輪用転がり軸受ユニットに
よれば、図3(A)に示す様に、回転力の伝達時に於け
る接触楕円の開口縁部側の長径L0 が比較的小さくな
る。そして、この様に接触楕円の開口縁部側の長径L0
が小さくなる分、この接触楕円が前記各面取り28a、
28bに達しにくくなって、上記各玉24、24の転動
面にエッヂロードが作用しにくくなる。しかも、上記内
側、外側両係合溝25a、26aの溝底部の曲率半径r
25a 、r26a は小さいので、これら内側、外側両係合溝
25a、26aに対して上記各玉24、24が、円周方
向に亙り過度に変位する事を防止できる。従って、回転
力の伝達方向に亙る上記等速ジョイント10aの剛性を
確保できる。
【0022】これに対して、従来構造の様に、内側、外
側両係合溝25、26の断面の曲率半径を均一にし、し
かも回転力の伝達方向に亙る上記等速ジョイント10の
剛性を確保しようとした場合には、図3(B)に示す様
に、回転力の伝達時に於ける接触楕円の長径L1 が比較
的大きくなる。そして、この様に接触楕円の長径L1が
大きくなる分、この接触楕円が各面取り28a、28b
に達し易くなって、上記各玉24、24の転動面に、図
3(B)に示す様なエッヂロードPe が作用し易くな
る。この様なエッヂロードPe は、上記各玉24、24
の転動面の剥離寿命を低下させて上記等速ジョイント1
0aの耐久性を損なう原因となる事は、前述の通りであ
る。
側両係合溝25、26の断面の曲率半径を均一にし、し
かも回転力の伝達方向に亙る上記等速ジョイント10の
剛性を確保しようとした場合には、図3(B)に示す様
に、回転力の伝達時に於ける接触楕円の長径L1 が比較
的大きくなる。そして、この様に接触楕円の長径L1が
大きくなる分、この接触楕円が各面取り28a、28b
に達し易くなって、上記各玉24、24の転動面に、図
3(B)に示す様なエッヂロードPe が作用し易くな
る。この様なエッヂロードPe は、上記各玉24、24
の転動面の剥離寿命を低下させて上記等速ジョイント1
0aの耐久性を損なう原因となる事は、前述の通りであ
る。
【0023】上述の様に本発明の車輪用転がり軸受ユニ
ットによれば、上記各玉24、24の転動面と上記内
側、外側両係合溝25a、26aの内面との当接部に存
在する接触楕円が上記面取り28a、28bに達しにく
くなって、上記各玉24、24の転動面にエッヂロード
が加わりにくくなり、この転動面の剥離寿命を高め、前
記等速ジョイント10aの耐久性向上を図れる。そし
て、耐久性向上を図れる分、必要とする耐久性を同じと
した場合に、上記等速ジョイント10aを構成する上記
各玉24、24の外径を小さくして、車輪用転がり軸受
ユニットの小型・軽量化を進める事ができる。
ットによれば、上記各玉24、24の転動面と上記内
側、外側両係合溝25a、26aの内面との当接部に存
在する接触楕円が上記面取り28a、28bに達しにく
くなって、上記各玉24、24の転動面にエッヂロード
が加わりにくくなり、この転動面の剥離寿命を高め、前
記等速ジョイント10aの耐久性向上を図れる。そし
て、耐久性向上を図れる分、必要とする耐久性を同じと
した場合に、上記等速ジョイント10aを構成する上記
各玉24、24の外径を小さくして、車輪用転がり軸受
ユニットの小型・軽量化を進める事ができる。
【0024】上述の様に構成する本例の車輪用転がり軸
受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に
支持する作用は、前述した従来の車輪用転がり軸受ユニ
ットの場合と同様である。特に、本発明の車輪用転がり
軸受ユニットの場合には、上述の様に、等速ジョイント
10aを構成する複数の玉24、24の外径寸法を小さ
くしても、これら各玉24、24の転動面の転がり疲れ
寿命を確保できて、車輪用転がり軸受ユニットの小型・
軽量化が可能になる。しかも、回転力の伝達方向に亙る
上記等速ジョイント10aの剛性を十分に確保できる。
受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に
支持する作用は、前述した従来の車輪用転がり軸受ユニ
ットの場合と同様である。特に、本発明の車輪用転がり
軸受ユニットの場合には、上述の様に、等速ジョイント
10aを構成する複数の玉24、24の外径寸法を小さ
くしても、これら各玉24、24の転動面の転がり疲れ
寿命を確保できて、車輪用転がり軸受ユニットの小型・
軽量化が可能になる。しかも、回転力の伝達方向に亙る
上記等速ジョイント10aの剛性を十分に確保できる。
【0025】更に、図示の例の場合には、前述した様
に、外側の転動体列を構成する各転動体13、13のピ
ッチ円直径を小さくする事により、外輪1の外半部の外
径を小さくできる。そして、この外輪1の外半部の外径
を小さくした分だけ、ハブ29の外周面に設けた第二の
取付フランジ7に固定した複数のスタッド32のピッチ
円直径を小さくできる。従って、上記ハブ29の軸方向
寸法を大きくする事なく、上記スタッド32を支持固定
する上記第二の取付フランジ7の外径を小さくして、車
輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量化を、より有効に
図れる。
に、外側の転動体列を構成する各転動体13、13のピ
ッチ円直径を小さくする事により、外輪1の外半部の外
径を小さくできる。そして、この外輪1の外半部の外径
を小さくした分だけ、ハブ29の外周面に設けた第二の
取付フランジ7に固定した複数のスタッド32のピッチ
円直径を小さくできる。従って、上記ハブ29の軸方向
寸法を大きくする事なく、上記スタッド32を支持固定
する上記第二の取付フランジ7の外径を小さくして、車
輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量化を、より有効に
図れる。
【0026】上述の様に、外側の転動体列を構成する各
転動体13、13のピッチ円直径を内側の転動体列を構
成する各転動体13、13のピッチ円直径よりも小さく
する事に伴い、外側の転動体列部分の基本動定格荷重が
内側の転動体列部分の基本動定格荷重よりも小さくな
る。従って、両列に加わる荷重が同じであれば、外側の
転動体列部分の寿命が内側の転動体列部分の寿命よりも
短くなる。これに対して、一般的な自動車では、外側の
転動体列部分に加わる荷重は内側の転動体列部分に加わ
る荷重よりも小さい。この為、上記両列部分の寿命をほ
ぼ同じにする設計が容易になって、無駄のない設計が可
能になる。尚、図示の例では、転動体13、13として
玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受
ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用す
る場合もある。本発明は、勿論、この様に転動体として
テーパころを使用する転がり軸受ユニットにも適用可能
である。
転動体13、13のピッチ円直径を内側の転動体列を構
成する各転動体13、13のピッチ円直径よりも小さく
する事に伴い、外側の転動体列部分の基本動定格荷重が
内側の転動体列部分の基本動定格荷重よりも小さくな
る。従って、両列に加わる荷重が同じであれば、外側の
転動体列部分の寿命が内側の転動体列部分の寿命よりも
短くなる。これに対して、一般的な自動車では、外側の
転動体列部分に加わる荷重は内側の転動体列部分に加わ
る荷重よりも小さい。この為、上記両列部分の寿命をほ
ぼ同じにする設計が容易になって、無駄のない設計が可
能になる。尚、図示の例では、転動体13、13として
玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受
ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用す
る場合もある。本発明は、勿論、この様に転動体として
テーパころを使用する転がり軸受ユニットにも適用可能
である。
【0027】次に、図4は、外側係合溝26a(内側係
合溝25aの場合も同様)の断面形状の、より好ましい
例を示している。本例の場合には、上記外側係合溝26
aの溝底部の曲率半径を、玉24の転動面の曲率半径よ
りも小さくしている。従って、この玉24の転動面は、
上記外側係合溝26aの溝底部に接触しない。この結
果、等速ジョイントにより回転力を伝達する際に於け
る、上記外側係合溝26aの内側面と上記玉24の転動
面との接触角である接触角α(図示せず)は、図4に示
した様に、この玉24の転動面を上記外側係合溝26a
の溝底部方向に押し付けた時の接触角α0 以上(α≧α
0 )になる。この様に、上記外側係合溝26aの溝底部
の曲率半径を玉24の転動面の曲率半径よりも小さくす
る理由は、上記接触角αを大きくして、上記外側係合溝
26aの内側面と上記玉24の転動面との接触部分での
最大接触面圧Pmax (図3)を小さくする為である。等
速ジョイントにより伝達するトルクTは、各玉24の接
触荷重Pと、玉24の数Zと、上記接触角αの正弦値 s
inαとを掛けた値になる(T=P・Z・ sinα)為、ト
ルク負荷が一定であると仮定した場合には、上記接触角
αが90度に近づく程、上記各玉24に加わる荷重は小
さくなり、上記最大接触面圧Pmax (勿論接触面圧全体
も)が小さくなる。
合溝25aの場合も同様)の断面形状の、より好ましい
例を示している。本例の場合には、上記外側係合溝26
aの溝底部の曲率半径を、玉24の転動面の曲率半径よ
りも小さくしている。従って、この玉24の転動面は、
上記外側係合溝26aの溝底部に接触しない。この結
果、等速ジョイントにより回転力を伝達する際に於け
る、上記外側係合溝26aの内側面と上記玉24の転動
面との接触角である接触角α(図示せず)は、図4に示
した様に、この玉24の転動面を上記外側係合溝26a
の溝底部方向に押し付けた時の接触角α0 以上(α≧α
0 )になる。この様に、上記外側係合溝26aの溝底部
の曲率半径を玉24の転動面の曲率半径よりも小さくす
る理由は、上記接触角αを大きくして、上記外側係合溝
26aの内側面と上記玉24の転動面との接触部分での
最大接触面圧Pmax (図3)を小さくする為である。等
速ジョイントにより伝達するトルクTは、各玉24の接
触荷重Pと、玉24の数Zと、上記接触角αの正弦値 s
inαとを掛けた値になる(T=P・Z・ sinα)為、ト
ルク負荷が一定であると仮定した場合には、上記接触角
αが90度に近づく程、上記各玉24に加わる荷重は小
さくなり、上記最大接触面圧Pmax (勿論接触面圧全体
も)が小さくなる。
【0028】本例の形状は、上述の様に上記外側係合溝
26aの溝底部の曲率半径を玉24の転動面の曲率半径
よりも小さくして、上記接触角αが一定の値(α0 )以
上になる様にし、しかも上記各玉24の転動面にエッヂ
ロードが発生しない様にすべく、上記外側係合溝26a
の開口縁に存在するの面取りまで、上記転動面に関する
接触楕円が広がらない様に、上記外側係合溝26aの内
面形状を規制したものである。本発明者は、図4に示す
様に、上記外側係合溝26aの溝底部の曲率半径を玉2
4の転動面の曲率半径よりも小さくし、上記転動面にエ
ッヂロードを発生させず、しかも上記最大接触面圧P
max を低く抑えられる形状に関する解析を行なった。そ
の結果を、図5に示す。この図5の斜線部分が、接触角
αの初期値と当該位置に於ける上記外側係合溝26aの
内面の曲率半径R26a との好ましい範囲である。又、各
曲線の左下部に存在する×印部分で、上記接触楕円の一
部が面取り部に達し、上記転動面にエッヂロードが発生
する。この図5から明らかな通り、図4に示す様に、上
記外側係合溝26aの溝底部の曲率半径を玉24の転動
面の曲率半径よりも小さくする形状で、上記接触角αの
初期値を28〜33度、当該位置に於ける上記外側係合
溝26aの内面の曲率半径R26a を玉24の転動面の直
径D24(図3)の51.2〜51.8%になる様に設定
すれば、エッヂロードを発生させず、しかも最大接触面
圧Pmax を低く抑えられる事が分る。
26aの溝底部の曲率半径を玉24の転動面の曲率半径
よりも小さくして、上記接触角αが一定の値(α0 )以
上になる様にし、しかも上記各玉24の転動面にエッヂ
ロードが発生しない様にすべく、上記外側係合溝26a
の開口縁に存在するの面取りまで、上記転動面に関する
接触楕円が広がらない様に、上記外側係合溝26aの内
面形状を規制したものである。本発明者は、図4に示す
様に、上記外側係合溝26aの溝底部の曲率半径を玉2
4の転動面の曲率半径よりも小さくし、上記転動面にエ
ッヂロードを発生させず、しかも上記最大接触面圧P
max を低く抑えられる形状に関する解析を行なった。そ
の結果を、図5に示す。この図5の斜線部分が、接触角
αの初期値と当該位置に於ける上記外側係合溝26aの
内面の曲率半径R26a との好ましい範囲である。又、各
曲線の左下部に存在する×印部分で、上記接触楕円の一
部が面取り部に達し、上記転動面にエッヂロードが発生
する。この図5から明らかな通り、図4に示す様に、上
記外側係合溝26aの溝底部の曲率半径を玉24の転動
面の曲率半径よりも小さくする形状で、上記接触角αの
初期値を28〜33度、当該位置に於ける上記外側係合
溝26aの内面の曲率半径R26a を玉24の転動面の直
径D24(図3)の51.2〜51.8%になる様に設定
すれば、エッヂロードを発生させず、しかも最大接触面
圧Pmax を低く抑えられる事が分る。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、車輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量化
を図って、この車輪用転がり軸受ユニットを組み込んだ
自動車の性能向上を図れる。
用するので、車輪用転がり軸受ユニットの小型・軽量化
を図って、この車輪用転がり軸受ユニットを組み込んだ
自動車の性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】等速ジョイント部分のみを、保持器を省略した
状態で示す、図1のA−A断面に相当する図。
状態で示す、図1のA−A断面に相当する図。
【図3】玉の転動面と外側係合溝の内面との接触楕円部
分の面圧を示す、図2のB部に相当する断面図。
分の面圧を示す、図2のB部に相当する断面図。
【図4】外側、内側両係合溝の断面形状の、より好まし
い例を示す部分断面図。
い例を示す部分断面図。
【図5】外側、内側両係合溝の断面形状の曲率半径と接
触角とが最大接触面圧に及ぼす影響を示す線図。
触角とが最大接触面圧に及ぼす影響を示す線図。
【図6】従来構造の1例を示す部分断面図。
1 外輪 2 第一の取付フランジ 3、3a、3b 外輪軌道 4 第一の内輪部材 5 第二の内輪部材 6 ハブ 7 第二の取付フランジ 8、8a 第一の内輪軌道 9 円筒部 10、10a 等速ジョイント 11、11a ハウジング部 12、12a 第二の内輪軌道 13 転動体 14 係止溝 15 係止溝 16 止め輪 17 段部 18 溶接 19a、19b カバー 20a、20b シールリング 21 隔板部 22、22a 内輪 23 保持器 24 玉 25、25a 内側係合溝 26、26a 外側係合溝 27 ポケット 28a、28b 面取り 29 ハブ 30 内輪 31 内輪相当部材 32 スタッド 33 頭部 34 シールリング 35 肉盗み部 36 係止凹溝 37 止め輪 38 ブーツ 39 抑えバンド 40 係合溝 41 抑え部 42 小径円筒部 43 円輪部 44 大径円筒部 46 組み合わせシールリング 47 スプライン孔 48 間座 49 空間
Claims (1)
- 【請求項1】 外周面に懸架装置に支持する為の第一の
取付フランジを、内周面に外輪軌道を、それぞれ有し、
使用時にも回転しない外輪相当部材と、外周面の一端寄
り部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同
じく中間部に内輪軌道を、それぞれ設け、他端部を等速
ジョイントの外輪となるハウジング部とした、使用時に
回転する内輪相当部材と、上記外輪軌道と上記内輪軌道
との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記
ハウジング部の内周面に、円周方向に対し直角方向に形
成された断面円弧形の複数の外側係合溝とを備えた車輪
用転がり軸受ユニットに於いて、上記ハウジング部の中
心軸に対し直交する仮想平面で切断した場合に於ける上
記各外側係合溝の断面形状の曲率半径を、これら各外側
係合溝の溝底部で小さく、開口縁部に近い両側部で大き
くした事を特徴とする車輪用転がり軸受ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9335884A JPH11166525A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 車輪用転がり軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9335884A JPH11166525A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 車輪用転がり軸受ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11166525A true JPH11166525A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18293462
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9335884A Pending JPH11166525A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 車輪用転がり軸受ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166525A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100592090B1 (ko) | 2004-04-12 | 2006-06-21 | 주식회사 일진베어링 | 휠 베어링과 등속조인트 체결구조 |
JP2006250206A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Jtekt Corp | 等速ジョイント |
CN108757727A (zh) * | 2018-06-15 | 2018-11-06 | 重庆交通大学 | 减振降冲轴承 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP9335884A patent/JPH11166525A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100592090B1 (ko) | 2004-04-12 | 2006-06-21 | 주식회사 일진베어링 | 휠 베어링과 등속조인트 체결구조 |
JP2006250206A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Jtekt Corp | 等速ジョイント |
CN108757727A (zh) * | 2018-06-15 | 2018-11-06 | 重庆交通大学 | 减振降冲轴承 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070605 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071016 |