JP2001150140A - スラグ除去方法およびその装置 - Google Patents

スラグ除去方法およびその装置

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JP2001150140A
JP2001150140A JP33081199A JP33081199A JP2001150140A JP 2001150140 A JP2001150140 A JP 2001150140A JP 33081199 A JP33081199 A JP 33081199A JP 33081199 A JP33081199 A JP 33081199A JP 2001150140 A JP2001150140 A JP 2001150140A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な省人化、高い生産性および設備レイア
ウトの大きな自由度を確保しながら、スラグを低コスト
で除去する。 【解決手段】 ビード21表面のスラグを衝撃力により
剥離させるタガネ装置2を溶接ロボットに取り付け、タ
ガネ装置2によりスラグを除去するものである。即ち、
溶接時に使用される溶接トーチ35と、スラグ除去時に
使用されるタガネ装置2と、溶接トーチ35およびタガ
ネ装置2を任意の姿勢で任意の位置に移動可能なロボッ
ト本体1と、溶接時には溶接トーチ35を使用し、スラ
グ除去時にはタガネ装置2を使用するように、ロボット
本体1で移動可能な機構を切り替える機能を備えたロボ
ットコントローラ41とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接構造物を自動
溶接する際にビード表面に発生したスラグを除去するス
ラグ除去方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、船舶や橋梁、建築鉄骨
等の構造物に適用される各種の溶接構造物が溶接ロボッ
トを用いて溶接されている。また、溶接構造物を溶接す
ると、溶接ワイヤ内に含まれる物質が溶接の熱や化学反
応により結晶化および顕在化することによりスラグを発
生させ、このスラグが溶接不良や溶接欠陥を引き起こす
要因になる。
【0003】従って、従来は、例えば溶接ロボットを停
止して作業員が手作業でスラグを除去したり、溶接ロボ
ットとは別にスラグ除去装置を設けておき、このスラグ
除去装置によりスラグを除去している。尚、スラグ除去
装置は、例えば図11や図12に示すように、溶接構造
物63に対して左右方向や上下方向等に移動可能な装置
本体61にエアハンマ等のタガネ装置62を取り付けた
構成(特開平8−10986号公報、特開平6−285
646号公報等)にされており、溶接ロボットの溶接動
作にとって障害とならないように配置または退避されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、作業員が手作業でスラグを除去したので
は、溶接ロボットにより溶接を自動化して省人化を図っ
ても、スラグを除去するための人員により省人化が不十
分になる。また、作業員の熟練度等によってはスラグの
除去に長時間を要するため、生産性が低下する要因にな
る。さらに、スラグを除去する際の作業員の安全性を十
分に確保しようとすると、専用の保護機器が必要になっ
て生産コストを増加させる要因にもなる。
【0005】一方、図11や図12のスラグ除去装置を
設けた場合には、十分な省人化および高い生産性を実現
させることは可能であるが、スラグ除去装置が装置本体
61でタガネ装置62を移動させながらスラグを除去す
る構成であるため、装置本体61に要する部品コストお
よび組立コストがスラグ除去装置を高価なものとし、結
果として作業員が手作業でスラグを除去する場合と同様
に生産コストを増加させる要因になる。特に、複雑な形
状の溶接構造物を溶接する場合のように、スラグを除去
する動作軌跡が一定でない場合には、この動作軌跡に対
応するように任意の姿勢および位置にタガネ装置62を
移動させることが装置本体61に要求されるため、装置
本体61が一層高価なものとなり、生産コストの増加が
顕著になる。
【0006】さらに、スラグ除去装置が装置本体61と
タガネ装置62とを備えることによって、溶接ロボット
と略同程度の大きなサイズになる。これにより、スラグ
除去装置の配置場所や退避場所に大きなスペースを確保
することが必要となり、このようなスペースの確保によ
り溶接工場内の設備レイアウトの自由度が制限されると
いう問題もある。
【0007】従って、本発明は、十分な省人化、高い生
産性および設備レイアウトの大きな自由度を確保しなが
ら、スラグが複雑な動作軌跡上に形成された場合であっ
ても、このスラグを低コストで除去することができるス
ラグ除去方法およびその装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、溶接構造物を溶接ロボットによ
り溶接する際にビード表面に発生したスラグを除去する
スラグ除去方法において、前記ビード表面のスラグを衝
撃力により剥離させるスラグ除去機構を前記溶接ロボッ
トに取り付け、該スラグ除去機構により前記スラグを除
去することを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、溶接ロボットにスラ
グ除去機構を取り付けてスラグの除去を行うことによっ
て、溶接ロボットによる溶接の自動化と共に、溶接ロボ
ットによるスラグの除去も自動化することができる。従
って、作業員が手作業でスラグを除去する場合よりも、
高い生産性を確保しながら十分に省人化することができ
る。さらに、スラグを除去する作業員の安全性を確保す
るための専用の保護機器が不要になるため、生産コスト
を低下させることも可能になる。
【0010】また、溶接ロボットによりスラグ除去機構
を移動させれば、溶接ロボットが溶接を行う場合と同様
に、スラグ除去機構を任意の姿勢で任意の位置に移動さ
せることができる。従って、複雑な動作軌跡でスラグを
除去する場合であっても、溶接ロボットにより容易にス
ラグ除去機構を移動させながらスラグの除去を行うこと
ができる。これにより、スラグ除去機構を移動させる専
用の移動装置が不要になるため、設備コストを十分に低
減することができる。
【0011】さらに、専用の移動装置が不要であると共
に、スラグ除去機構が溶接ロボットに取り付けられる程
度の小さなサイズであるため、スラグ除去機構の配置場
所や退避場所に大きなスペースを確保することが不要に
なる。従って、溶接工場内における設備レイアウトの大
きな自由度を確保することができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のスラグ
除去方法であって、溶接時に使用される溶接機構と前記
スラグ除去機構とを前記溶接ロボットに対して取り替え
可能にし、溶接時には前記溶接機構を前記溶接ロボット
に取り付け、スラグ除去時には前記スラグ除去機構を前
記溶接ロボットに取り付けることを特徴としている。
【0013】上記の構成によれば、溶接機構とスラグ除
去機構とが溶接時とスラグ除去時とで取り替えられるた
め、溶接機構およびスラグ除去機構の何れか一方の重量
分のみが溶接ロボットに作用することになる。従って、
溶接ロボットの可搬重量を大幅に大きくする必要がない
ため、一般的な溶接ロボットを使用することができ、例
えば既設の溶接ロボットを改良して使用することもでき
る。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のスラグ除去方法であって、複数の溶接パスの溶接を行
った後、これら溶接パス分のビード表面に発生したスラ
グを一括して除去することを特徴としている。尚、複数
の溶接パスとは、1継手内での多層盛ビードおよび複数
の継手についての所定パス毎、およびこれらの両方の場
合を意味している。即ち、スラグ除去は、継手毎スラグ
除去動作と一括スラグ除去動作との2種類があり、これ
らの動作を単独または組み合わせて行うことができる。
ここで、継手毎スラグ除去動作は、継手毎にスラグ除去
動作が設定されている溶接パスまでの溶接を行い、その
後、同継手のスラグ除去を実施するという処理を繰り返
すことによって、同継手の全ての溶接を完了させる動作
である。具体的には、溶接の開始後に、センシング動作
と、溶接動作と、溶接機構(溶接トーチ)からスラグ除
去機構(タガネ装置)に交換する第1ツール交換動作
と、スラグ除去動作と、スラグ除去機構(タガネ装置)
から溶接機構(溶接トーチ)に交換する第2ツール交換
動作とをこの順に繰り返すことによって、1継手目の1
回目の溶接およびスラグ除去、1継手目の2回目の溶接
およびスラグ除去、1継手目の3回目の溶接およびスラ
グ除去等の順で1継手目の溶接が完了するまで行った
後、同様にして2継手目以降の継手に対する溶接および
スラグ除去を行うものである。また、一括スラグ除去動
作は、スラグ除去設定がある溶接パスまでの溶接を全て
の継手に対して行い、その後に全てのスラグ除去を行う
動作である。具体的には、溶接の開始後に、1継手目の
センシング動作および溶接動作を行った後、同様のセン
シング動作および溶接動作をスラグ除去前の所定の継手
目まで繰り返して行う。そして、溶接が終了すると、第
1ツール交換動作を行った後、先程溶接を行った1継手
目から所定の継手目までのスラグ除去を行う。この後、
スラグ除去が終了すると、第2ツール交換動作を行い、
1継手目のセンシング動作および2回目の溶接を行った
後、所定の継手目までのセンシング動作および2回目の
溶接を繰り返して行うものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載のスラグ除去方法であって、溶接時の動
作軌跡を示す溶接用教示データをそのまま使用または補
正することによって、スラグ除去時の動作軌跡を示すス
ラグ除去用教示データを作成することを特徴としてい
る。上記の構成によれば、溶接用教示データをそのまま
使用または補正することによりスラグ除去用教示データ
を作成することができるため、演算処理のみで極めて簡
単且つ短時間のうちにスラグ除去用教示データを作成す
ることができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載のスラグ除去方法であって、溶接前およ
び溶接時のセンシング結果から得られる位置データを補
正することによって、スラグ除去時の動作軌跡を示すス
ラグ除去用教示データを作成することを特徴としてい
る。上記の構成によれば、センシング結果から得られる
位置データを補正してスラグ除去用教示データを作成す
るため、溶接構造物に誤差等があった場合でも、確実に
スラグを除去可能な動作軌跡を示すスラグ除去用教示デ
ータを作成することができる。
【0017】請求項6の発明は、溶接構造物を溶接する
際にビード表面に発生したスラグを除去するスラグ除去
装置において、溶接時に使用される溶接機構と、スラグ
除去時に使用されるスラグ除去機構と、前記溶接機構お
よび前記スラグ除去機構を任意の姿勢で任意の位置に移
動可能なロボット本体と、溶接時には前記溶接機構を使
用し、スラグ除去時には前記スラグ除去機構を使用する
ように、前記ロボット本体で移動可能な機構を切り替え
る機能を備えたロボットコントローラとを有することを
特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、溶接機構およびスラ
グ除去機構が溶接時およびスラグ除去時に切り替えられ
ながらロボット本体で移動可能にされているため、溶接
およびスラグの除去を自動化することができる。従っ
て、作業員が手作業でスラグを除去する場合よりも、高
い生産性を確保しながら十分に省人化することができ
る。さらに、スラグを除去する作業員の安全性を確保す
るための専用の保護機器が不要になるため、生産コスト
を低下させることも可能になる。
【0019】また、ロボット本体によりスラグ除去機構
を移動させれば、ロボット本体で溶接機構を移動させて
溶接を行う場合と同様に、スラグ除去機構を任意の姿勢
で任意の位置に移動させることができる。従って、複雑
な動作軌跡でスラグを除去する場合であっても、ロボッ
ト本体により容易にスラグ除去機構を移動させながらス
ラグの除去を行うことができる。これにより、スラグ除
去機構を移動させる専用の移動装置が不要になるため、
設備コストを十分に低減することができる。
【0020】さらに、専用の移動装置が不要であると共
に、スラグ除去機構がロボット本体に取り付けられる程
度の小さなサイズであるため、スラグ除去機構の配置場
所や退避場所に大きなスペースを確保することが不要に
なる。従って、溶接工場内における設備レイアウトの大
きな自由度を確保することができる。
【0021】請求項7の発明は、請求項6記載のスラグ
除去装置であって、前記スラグ除去機構は、ニードルを
進退移動させて打撃することにより付与した衝撃力で前
記スラグを剥離するニードル駆動体と、前記ニードル駆
動体を前記ニードルの進退移動方向に緩衝部材で柔支持
しながら前記ロボット本体に連結し、前記ニードル駆動
体からの進退移動方向の衝撃力を前記緩衝部材で減衰さ
せる支持機構とを有することを特徴としている。上記の
構成によれば、スラグを除去する際にニードル駆動体に
大きな衝撃力が加わった場合でも、ニードル駆動体の衝
撃力が支持機構の緩衝部材で減衰された後にロボット本
体に伝達される。従って、ロボット本体がニードル駆動
体からの衝撃力で誤動作する等の不具合を防止すること
ができる。
【0022】請求項8の発明は、請求項7記載のスラグ
除去装置であって、前記支持機構は、緩衝部材で減衰さ
れた衝撃力を越える負荷を検出するショックセンサを備
えており、前記ロボットコントローラは、前記ショック
センサからの検出信号に基づいて前記スラグ除去機構が
前記溶接構造物に衝突したことを認識する機能を備えて
いることを特徴としている。上記の構成によれば、ニー
ドル駆動体が溶接構造物に衝突した場合のような過大な
衝撃からロボット本体およびニードル駆動体を保護する
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図10に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る
スラグ除去装置は、図1に示すように、複数の自由度を
有した多関節型のロボット本体1と、ロボット本体1の
先端部に着脱可能に設けられたタガネ装置2とを有して
いる。尚、ロボット本体1は、スラグ除去装置と溶接ロ
ボットとに共用されており、タガネ装置2の装着により
スラグ除去装置とされる一方、溶接トーチ35の装着に
より溶接ロボットとされる。
【0024】上記のロボット本体1は、床面に固設され
たベース3を備えている。ベース3には、旋回軸として
の機能を有する基台4が旋回可能に設けられており、基
台4には、前後揺動軸としての機能を有する第1主アー
ム5aおよび第1副アーム5bが揺動可能に縦設されて
いる。これらのアーム5a・5bの自由端側には、上下
揺動軸としての機能を有する第2アーム6が揺動可能に
設けられており、第2アーム6の自由端側には、手首回
転軸および手首揺動軸としての機能を有する手首部材7
が設けられている。そして、手首部材7の自由端側に
は、ロボット側着脱機構8を介してタガネ装置2が着脱
可能に設けられている。
【0025】上記のタガネ装置2は、図2に示すよう
に、ビード21およびこの表面に発生したスラグに衝撃
力を付与するタガネ機構9と、タガネ機構9を保持する
と共にタガネ機構9から伝達される衝撃力を減衰するス
ライド保持機構10と、スライド保持機構10に連結さ
れたタガネ側着脱機構11とを有している。タガネ機構
9は、例えば直径3mmの複数のニードル12aを束ね
たニードル集合体12と、ニードル集合体12の前部を
突出させながら保持し、タガネ作動用エアの供給により
ニードル集合体12を例えば4000回/分で進退移動
させるニードル駆動体13とを有している。
【0026】上記のニードル駆動体13は、図3の第1
緩衝部材17aを介してタガネホルダ14により所定の
姿勢で保持されている。第1緩衝部材17aは、ウレタ
ンゴム等の弾力性を有した材質からなっており、ニード
ル駆動体13からタガネホルダ14に伝達される衝撃力
(特に振動周波数が60Hz以上の高周波数の加速度成
分)を減衰させる。また、タガネホルダ14は、上下に
二分割された上部ホルダ14aおよび下部ホルダ14b
と、これらホルダ14a・14bを締結するボルト部材
14cとを有している。そして、タガネホルダ14は、
両ホルダ14a・14bの間隔をニードル駆動体13の
胴径に合わせて調整することによって、各種のタガネ機
構9を保持可能になっている。
【0027】上記の下部ホルダ14bの下面は、移動側
スライド部材15に固設されている。移動側スライド部
材15は、固定側スライド部材16に移動自在に係合さ
れており、固定側スライド部材16は、移動側スライド
部材15をニードル集合体12の進退移動方向(以下、
ニードル移動方向と称する。)に一致させるように移動
方向を規制している。また、固定側スライド部材16
は、第2緩衝部材17bを介してスライド支持部材18
の前部に固設されている。第2緩衝部材17bは、上述
の第1緩衝部材17aと同一の材質で形成されており、
ニードル移動方向に対して直交する振動を主に減衰す
る。
【0028】また、スライド支持部材18は、前部から
後部にかけて平板状に形成された平板部18aと、平板
部18aの後端部からニードル駆動体13方向に立ち上
げられた立設部18bとを有している。立設部18bの
側面は、スプリング19を介して上述の移動側スライド
部材15に連結されている。スプリング19は、軸芯方
向がニードル移動方向に一致されており、ニードル駆動
体13をニードル移動方向において柔支持している。即
ち、スプリング19は、ニードル駆動体13が水平状態
の姿勢にされているときに、圧縮力および引張力を発生
していない中立位置でニードル駆動体13をニードル移
動方向において柔支持している。そして、このスプリン
グ19は、軸芯方向がニードル移動方向に一致されるこ
とによって、伸縮による圧縮力および引張力からなる弾
性力でニードル駆動体13からのニードル移動方向の衝
撃力を1/10以下に効率良く減衰する。
【0029】尚、スプリング19のバネ定数は、稼動部
の重量が3.3kgの場合、0.20〜0.35(kg
/mm)の範囲であることが望ましい。この理由は、ス
プリング19を柔らかくする方が振動を減衰させる効果
が高いと考えられるが、溶接継手の位置によりニードル
駆動体13の姿勢が変化するため、あまり柔らかすぎる
と、ニードル駆動体13の姿勢変化によりスプリング1
9に付与される重量が変化してタガネ先端位置が大きく
変化するからである。さらに、スラグを良好に除去しよ
うとすると、ニードル駆動体13を所定以上の保持力で
保持しなければ、スラグの除去に十分な衝撃力をビード
21およびスラグに付与することができないからであ
る。尚、上記のスプリング19と同等の機能を有するの
であれば、スプリング19に代えて他の方式のショック
ダンパを採用しても良い。
【0030】上記のスプリング19の内周側には、立設
部18bの側面に固設されたスプリングガイド20が配
設されており、スプリングガイド20は、伸縮時におけ
るスプリング19の折れ曲がりを防止している。そし
て、これらの部材14〜20は、スライド保持機構10
を構成しており、タガネホルダ14によりタガネ機構9
を保持しながら、タガネ機構9から伝達される衝撃力を
スプリング19および緩衝部材17により減衰してい
る。
【0031】上記のスライド支持部材18は、タガネ側
着脱機構11に設けられている。タガネ側着脱機構11
は、スライド支持部材18の下面に連結された連結部材
22と、連結部材22に接続され、スライド保持機構1
0から伝達された衝撃力を検出するショックセンサ23
と、ショックセンサ23を支持するツールプレート24
と、ツールプレート24に固設されたツール側着脱部材
25とを有している。ツールプレート24は、図5に示
すように、一対の突設板24aが左右対称に形成されて
おり、各突設板24aには、位置決め穴24bが形成さ
れている。一方、図2に示すように、ツール側着脱部材
25の側周面には、空気ポート25aが形成されてい
る。空気ポート25aは、上述のニードル駆動体13に
タガネ作動用エアを供給するように、柔軟性を有した第
1エア配管26aを介してニードル駆動体13に連結さ
れている。さらに、ツール側着脱部材25の側周面に
は、図示しない空気ポートに第2配管26bが接続され
ている。第2配管26bは、開口端がニードル集合体1
2の先端部近傍に配置されており、開口端からブロー用
エアをニードル集合体12の先端部前方に噴出してビー
ド21表面のスラグを吹き飛ばすように設定されてい
る。
【0032】また、ツール側着脱部材25には、ロボッ
ト側着脱部材27が着脱用エアにより着脱可能に連結さ
れている。ツール側着脱部材25とロボット側着脱部材
27とは、上述のショックセンサ23からのショック検
出信号を伝達するように電気的に接続可能にされている
と共に、タガネ作動用エアおよびブロー用エアを通過さ
せるように空気路を形成可能にされている。
【0033】上記のロボット側着脱部材27の側周面に
は、第1空気ポート27aおよび第2空気ポート27b
が形成されていると共に、図示しない第3空気ポートが
形成されている。第1空気ポート27aは、上述のツー
ル側着脱部材25の空気ポート25aに空気路を介して
連通されていると共に、ビード除去時にタガネ作動用エ
アを供給する図示しないタガネ作動用エア供給装置に接
続されている。また、第2空気ポート27bは、着脱動
作時に着脱用エアを供給する図示しない着脱用エア供給
装置に接続されている。また、第3空気ポートは、上述
の第2配管26bに空気路を介して連通されていると共
に、スラグ除去時にブロー用エアを供給する図示しない
ブロー用エア供給装置に接続されている。尚、これらの
エア供給装置は、所定のタイミングで開閉制御される3
ポート分の開閉バルブと、各開閉バルブが接続された1
台のエア送給装置とで構成されていても良い。そして、
ロボット側着脱部材27は、ロボット本体1の手首部材
7に連結されたブラケット28に固設されており、これ
らのロボット側着脱部材27およびブラケット28は、
ロボット側着脱機構8を構成している。
【0034】上記のように構成されたスラグ除去装置の
側方には、タガネ装置2や溶接トーチ35を載置する少
なくとも2台の載置台31が配設されている。上記の溶
接トーチ35は、図6に示すように、消耗電極となる溶
接ワイヤ36が内部に挿通されている。溶接ワイヤ36
は、スプリングバランサ37により懸吊されながらワイ
ヤ送給装置38に接続されており、ワイヤ送給装置38
は、所定の送給量でもって溶接トーチ35に溶接ワイヤ
36を送給する。また、溶接トーチ35は、トーチ支持
部材39を介してツールプレート24に設けられてお
り、ツールプレート24は、ツール側着脱部材25を介
してロボット側着脱部材27に連結可能にされている。
尚、溶接トーチ35に連結されたツール側着脱部材25
およびツールプレート24は、図2のタガネ装置2のツ
ール側着脱部材25およびツールプレート24と同一構
成である。
【0035】また、溶接トーチ35やタガネ装置2を載
置する各載置台31は、図4に示すように、ツールプレ
ート24の突設板24aに当接してタガネ装置2等を支
持する載置板32と、載置板32を所定の高さ位置に支
持する立設部材33と、載置台31上のタガネ装置2等
を粉塵やスパッタから保護する図示しない開閉カバーと
を有している。上記の載置板32には、図5に示すよう
に、タガネ装置2や溶接トーチ35を挿通させる挿通穴
32aが形成されている。挿通穴32aは、一方端から
他方端側の近傍にかけてU字形状に形成されている。ま
た、載置板32における上面の一方端側には、位置決め
板34が設けられている。位置決め板34には、一対の
位置決めピン34aが挿通穴32aを挟んで設けられて
いる。各位置決めピン34aは、上述のツールプレート
24の各位置決め穴24bに挿通してタガネ装置2や溶
接トーチ35を位置決めするように、各位置決め穴24
bに対応した位置に配置されている。
【0036】また、位置決め板34の上面には、近接セ
ンサ等からなるツール検出センサ40aが設けられてい
る。ツール検出センサ40aは、タガネ装置2や溶接ト
ーチ35が載置台31に載置されたときに、これら装置
2・35のツールプレート24を検出してツール検出信
号を出力する。さらに、位置決め板34の上面には、種
別検出センサ40bも設けられており、種別検出センサ
40bは、タガネ装置2や溶接トーチ35等の種別を示
すようにツールプレート24に形成された種別表示部を
検出してツール種別信号を出力する。
【0037】上記のツール検出センサ40aおよび種別
検出センサ40bは、図1に示すように、ロボットコン
トローラ41の入出力部42に接続されている。入出力
部42は、ロボット本体1にも接続されており、各検出
センサ40a・40bやショックセンサ23等からの信
号をコントローラ41に適した信号形態に変換して取り
込んだり、ロボット本体1に適した出力信号に変換して
出力する機能を備えている。さらに、ロボットコントロ
ーラ41は、演算部43、通信部44、ROM部45、
RAM部46、および各部42〜46を接続する信号バ
ス47を備えている。
【0038】上記の通信部44は、パーソナルコンピュ
ータ等の情報処理装置からなるオフライン教示装置48
および教示ペンダント49に着脱可能に接続されてい
る。オフライン教示装置48は、ロボット本体1が実際
に動作する現実の空間座標とは別の仮想的な空間座標で
の教示作業を行う際に使用される。一方、教示ペンダン
ト49は、ロボット本体1を実際に動作させながら教示
作業を行う際に使用される。また、ROM部45は、教
示データ入力ルーチンや図7の溶接実行ルーチン等のプ
ログラムおよび溶接データ等を固定的に記憶している。
【0039】また、RAM部46は、各種のデータを一
時的に記憶可能にされており、教示データ領域46aや
スラグ除去施工用データ領域46b、スラグ除去用教示
データ領域46c、センシング位置データ領域46d等
の各種のデータ領域が形成されている。上記の教示デー
タ領域46aには、オフライン教示装置48や教示ペン
ダント49から入力される教示データが格納される。ス
ラグ除去施工用データ領域46bには、開始点位置シフ
ト量やツール角度、移動速度、往復回数等の各種のスラ
グ除去施工用データがデータテーブルの形成で格納され
る。また、スラグ除去用教示データ領域46cには、タ
ガネ装置2の姿勢や動作軌跡を示すように、後述する溶
接用教示データ補正方式やセンシング結果反映方式によ
り形成されたスラグ除去用教示データが格納される。ま
た、センシング位置データ領域46dには、溶接前およ
び溶接中のセンシング結果から得られる位置データが格
納される。
【0040】ここで、溶接用教示データ補正方式とは、
スラグ除去施工用データに基づいて溶接用教示データを
変更および修正することによりスラグ除去用教示データ
を作成する方式のことである。また、センシング結果反
映方式とは、位置データに基づいて動作軌跡を作成し、
この動作軌跡とスラグ除去施工用データとに基づいてス
ラグ除去用教示データを作成する方式のことである。
尚、スラグ除去施工用データのデータテーブルを引用す
れば、両方式ともに短時間でスラグ除去用教示データを
作成することができるが、外部のオフライン教示装置4
8等から個別にスラグ除去施工用データを入力しながら
スラグ除去用教示データを作成しても良い。
【0041】そして、これらの方式は、ワーク50の形
状やスラグ除去施工用データの内容等に応じて適宜選択
される。具体的には、例えば溶接用教示データと外部出
力命令の変換だけでスラグ除去を行っても問題のないワ
ーク50であって、ワーク50の位置ずれ等がない場合
には、溶接用教示データ補正方式が選択され、スラグ除
去施工用データに基づいた計算処理のみで迅速且つ簡単
に溶接用教示データが作成される。一方、例えば溶接用
教示データに対してスラグ除去施工用データが複数存在
したり、その選択を適宜判断する必要がある場合であっ
て、ワーク50の位置ずれを考慮しながらスラグ除去を
行う必要がある場合には、センシング結果反映方式が選
択され、各継手ごとに最適なスラグ除去施工用データが
引用された後、センシングにより直接検出した位置デー
タから全ての動作軌跡を作成してスラグ除去用教示デー
タが作成される。
【0042】尚、溶接用教示データを直接的にスラグ除
去用教示データとして採用せずに、上述の方式で補正し
たスラグ除去用教示データを採用する理由は、以下の通
りである。即ち、第1の理由は、溶接では溶接開始点で
アークON命令が設定されているが、スラグ除去ではタ
ガネON命令を設定する必要があるからである。第2の
理由は、位置について、溶接ではトーチ先端が一針のワ
イヤ径(例えば1.2mmφ)の鋭利な一点であるのに
対し、スラグ除去ではニードル集合体12が多針(例え
ば直径3mm×12本)の平面である。従って、ワーク
50の壁近傍の溶接開始位置においては、ニードル集合
体12がワーク50の壁と干渉する危険性があるため、
開始位置を所定量ずらして狙い位置を修正することがあ
るからである。第3の理由は、角度について、溶接時の
最適角度とスラグ除去時の最適角度とは異なるからであ
る。第4の理由は、スラグの除去状況によっては移動速
度および往復回数、押し付け量等を適宜設定する必要が
あるからである。
【0043】上記の構成において、スラグ除去装置の動
作を通じてスラグ除去方法について説明する。
【0044】先ず、初期設定として、オフライン教示装
置48や教示ペンダント49を用いて開始点位置シフト
量やツール角度、移動速度、往復回数等の各種のスラグ
除去施工用データを入力し、これらのスラグ除去施工用
データをRAM部46のスラグ除去施工用データ領域4
6bに予め格納しておく。
【0045】次に、教示データ入力ルーチンを実行さ
せ、オフライン教示装置48や教示ペンダント49を用
いて教示データを入力する。即ち、例えば図8に示すよ
うに、横向溶接における溶接の動作軌跡やパス数、段
数、アークON命令等を溶接用教示データとして入力す
ると共に、第5パス目、第13パス目、第16パス目等
のように所定の溶接パスの溶接を終了した後に、複数の
溶接パスで形成されたビード群の表面に発生したスラグ
を除去するように指示する内容を教示データとして入力
する。尚、スラグ除去を指示する教示データには、溶接
用教示データ補正方式とセンシング結果反映方式との何
れの方式によりスラグ除去用教示データを作成するのか
を指定する内容も含めておく。
【0046】上記のようにして教示データの入力を完了
すると、ロボットコントローラ41に設けられた溶接開
始スイッチを押圧することにより図7の溶接実行ルーチ
ンを実行させる。これにより、図1に示すように、ロボ
ットコントローラ41は、RAM部46の教示データ領
域46aから教示データを読み出し(S1)、教示デー
タが溶接処理を指示する内容であるか否かを判定する
(S2)。溶接処理を指示する内容であれば(S2,Y
ES)、種別検出センサ40bからの種別検出信号に基
づいて載置台31に載置されているツールの種別を判別
し、図6に示すように、ロボット本体1が溶接トーチ3
5を装着して溶接ロボットとして機能することを確認し
た後、センシングおよびウィービングを行いながら第1
パス目の溶接を行う。また、この際、溶接前および溶接
中のセンシング結果から得られる位置データをRAM部
46のセンシング位置データ領域46dに格納する(S
3)。
【0047】上記の溶接を終了すると、全ての溶接パス
の溶接を終了したか否かを判定する(S4)。溶接を終
了していない場合には(S4,NO)、S1を再実行
し、このS1からS4において、教示データが溶接処理
以外の指示を示す内容になるまで、第2パス目以降の溶
接パスに対する溶接処理を繰り返す。そして、例えば図
8に示すように、第5パス目の溶接処理が終了し、教示
データが溶接処理以外の指示を示す内容であると判定し
た場合には(S2,NO)、教示データがスラグ除去処
理を指示していると判断し、図1に示すように、ロボッ
ト本体1を作動させて溶接トーチ35を載置台31方向
へ移動する(S5)。
【0048】この後、ツール検出センサ40aからのツ
ール検出信号の有無により空き状態になっている載置台
31を特定し、図4および図5に示すように、この載置
台31の位置決めピン34aをツールプレート24の各
位置決め穴24bに挿通させるように姿勢を制御しなが
ら、溶接トーチ35を載置する。そして、この溶接トー
チ35のツールプレート24を検出したツール検出セン
サ40aからのツール検出信号によって、溶接トーチ3
5の載置が完了したことを確認した後、ツール側着脱部
材25とロボット側着脱部材27との連結を解除し、ロ
ボット本体1を溶接トーチ35から切り離す。この後、
種別検出センサ40bからの種別検出信号に基づいてタ
ガネ装置2を載置している載置台31を特定し、この載
置台31上のタガネ装置2をロボット本体1に装着する
(S6)。
【0049】上記のようにして溶接トーチ35とタガネ
装置2とを取り替えると、続いてスラグ除去用教示デー
タを作成する。即ち、先ず、溶接用教示データ補正方式
とセンシング結果反映方式との何れの方式によりスラグ
除去用教示データを作成するのかを教示データの指示内
容から判別する。溶接用教示データ補正方式が指示され
ていた場合には、図1に示すように、RAM部46のス
ラグ除去施工用データ領域46bからツール角度等のス
ラグ除去施工用データを読み出すと共に、教示データ領
域46aから溶接用教示データを読み出し、溶接用教示
データをスラグ除去施工用データで補正することにより
スラグ除去用教示データを作成する。一方、センシング
結果反映方式が指示されていた場合には、センシング位
置データ領域46dから溶接前および溶接中のセンシン
グにより得られた位置データを読み出し、この位置デー
タとスラグ除去施工用データとに基づいてスラグ除去用
教示データを作成する。そして、このようにして作成さ
れたスラグ除去用教示データをRAM部46のスラグ除
去用教示データ領域46cに格納する(S7)。
【0050】次に、スラグ除去用教示データを読み出
し、図2に示すように、このデータで示される図9の動
作軌跡の開始点Aにタガネ装置2の先端部を位置させ
る。この後、タガネ装置2にタガネ作動用エアを供給
し、ニードル集合体12を例えば4000回/分でニー
ドル移動方向に進退移動させることによって、ニードル
集合体12の先端部でビード21を繰り返して打撃す
る。そして、ニードル集合体12の打撃による衝撃力で
ビード21の表面からスラグを剥離させながら、図9の
動作軌跡に沿ってタガネ装置2を移動させるスラグ除去
動作を行うことによって、5パス分のビード21群の表
面全体からスラグを剥離させる(S8)。
【0051】ところで、ニードル集合体12がビード2
1に衝撃力を付与すると、この衝撃力の反力がニードル
駆動体13を逆方向に急激に移動させるように作用す
る。この際、ニードル駆動体13は、図3に示すよう
に、第1緩衝部材17aを介してタガネホルダ14によ
り保持されており、このタガネホルダ14を固設した移
動側スライド部材15は、図2に示すように、固定側ス
ライド部材16およびスプリング19によりニードル移
動方向に柔支持されている。さらに、固定側スライド部
材16は、第2緩衝部材17bを介してスライド支持部
材18に設けられている。これにより、ニードル駆動体
13に作用した衝撃力は、上下方向および左右方向の6
0Hz以上の加速度成分が第1および第2緩衝部材17
a・17bにより主に減衰され、ニードル移動方向の加
速度成分がスプリング19の伸縮により主に減衰される
ことによって、例えば1/5〜1/10程度に減衰され
た後にスライド支持部材18に伝達されることになる。
そして、この減衰された衝撃力がスライド支持部材18
からタガネ側着脱機構11を介してロボット本体1の手
首部材7に作用する。従って、ニードル駆動体13がロ
ボット本体1の許容値以上の衝撃力を受けた場合でも、
この衝撃力が手首部材7に伝達されるまでに十分に減衰
されることによって、ロボット本体1がスラグ除去用教
示データによる動作軌跡から外れるような不具合が生じ
ることはない。
【0052】また、上記のようにしてスラグ除去動作に
よりスラグを剥離(除去)している間、ロボットコント
ローラ41は、ショックセンサ23からのショック検出
信号を取り込み、この検出信号と所定値とを比較する
(S9)。尚、所定値は、ロボット本体1の正常な動作
が保証される許容値以下に設定されている。ショック検
出信号が所定値以上である場合には(S9,YES)、
タガネ装置2がワーク50の壁に衝突したと判断し、ロ
ボット本体1を非常停止させた後(S10)、本ルーチ
ンを終了する。そして、作業員に非常停止した旨を報知
する。
【0053】一方、ショック検出信号が所定値未満であ
る場合には(S9,NO)、タガネ装置2が図9の動作
軌跡の終了点Bに到達することによって、全動作軌跡の
スラグを除去したか否かを判定する(S11)。スラグ
の除去が完了していなければ(S11,NO)、S8を
再実行し、S8からS11を繰り返すことにより上述の
スラグ除去動作を継続する。一方、スラグの除去が完了
すれば(S11,YES)、タガネ作動用エアの供給を
停止してニードル集合体12の作動を停止した後、ブロ
ー用エアの供給を開始し、第1エア配管26aの開口端
からブロー用エアを噴出させる。そして、図9の動作軌
跡の開始点Aから終了点Bに向かって、或いは終了点B
から開始点Aに向かってタガネ装置2を移動させながら
ブロー用エアをビード21に吹き付けるブロー動作を行
うことによって、剥離されたスラグを吹き飛ばす(S1
2)。尚、このブロー動作にあたっては、上述のS9と
同様にショックセンサ23からのショック検出信号に基
づいてニードル駆動体13とワーク50との衝突を監視
していることが望ましい。また、ブロー動作は、スラグ
除去動作と同時に行われても良い。
【0054】この後、図1に示すように、タガネ装置2
を載置台31に移動し(S13)、タガネ装置2を溶接
トーチ35に取り替える(S14)。そして、全ての溶
接パスの溶接を終了したか否かを判定し(S4)、溶接
を終了していない場合には(S4,NO)、上述のS1
からS14を実行することによって、各溶接パスの溶接
動作を行うと共に、例えば第13パス目および第16パ
ス目の溶接終了後にスラグ除去動作およびブロー動作を
行う。この後、全ての溶接パスの溶接を終了したときに
(S4,YES)、本ルーチンを終了する。
【0055】以上のように、本実施形態のスラグ除去方
法は、ワーク50(溶接構造物)を溶接ロボットにより
溶接する際にビード21表面に発生したスラグを除去す
るものであり、ビード21表面のスラグを衝撃力により
剥離させるタガネ装置2(スラグ除去機構)を溶接ロボ
ットに取り付け、タガネ装置2によりスラグを除去する
ように構成されている。
【0056】尚、本実施形態においては、ニードル集合
体12を進退移動させて打撃することにより衝撃力を付
与するタガネ装置2をスラグ除去機構として例示してい
るが、これに限定されるものではなく、回転刃を回転さ
せながら衝撃力を付与するグラインダ等の回転工具であ
っても良い。また、タガネ装置2等のスラグ除去機構
は、本実施形態のように取り替え可能にされていても良
いし、溶接トーチ35と共に設けられ、例えば180度
反転すれば、溶接トーチ35とタガネ装置2とが入れ代
わるようにされていても良い。
【0057】上記の構成によれば、溶接ロボットにタガ
ネ装置2を取り付けてスラグの除去を行うことによっ
て、溶接ロボットによる溶接の自動化と共に、溶接ロボ
ットによるスラグの除去も自動化することができる。従
って、作業員が手作業でスラグを除去する場合よりも、
高い生産性を確保しながら十分に省人化することができ
る。さらに、スラグを除去する作業員の安全性を確保す
るための専用の保護機器が不要になるため、生産コスト
を低下させることも可能になる。
【0058】また、溶接ロボットによりタガネ装置2を
移動させれば、溶接ロボットが溶接を行う場合と同様
に、タガネ装置2を任意の姿勢で任意の位置に移動させ
ることができる。従って、複雑な動作軌跡でスラグを除
去する場合であっても、溶接ロボットにより容易にタガ
ネ装置2を移動させながらスラグの除去を行うことがで
きる。これにより、タガネ装置2を移動させる専用の移
動装置が不要になるため、設備コストを十分に低減する
ことができる。また、専用の移動装置が不要であると共
に、タガネ装置2が溶接ロボットに取り付けられる程度
の小さなサイズであるため、タガネ装置2の配置場所や
退避場所に大きなスペースを確保することが不要にな
る。従って、溶接工場内における設備レイアウトの大き
な自由度を確保することができる。
【0059】さらに、本実施形態のスラグ除去方法は、
溶接時に使用される溶接トーチ35(溶接機構)とタガ
ネ装置2とを溶接ロボットに対して取り替え可能にし、
溶接時には溶接トーチ35を溶接ロボットに取り付け、
スラグ除去時にはタガネ装置2を溶接ロボットに取り付
けるように構成されている。
【0060】尚、本実施形態における溶接トーチ35と
タガネ装置2との取り替え方法は、完全な自動化を実現
するため、タガネ側着脱機構11により自動的に行って
いるが、これに限定されるものではない。即ち、図10
に示すように、手首部材7に対してボルト54により着
脱可能な連結機構51によりスライド保持機構10を手
首部材7に連結するようになっていても良い。
【0061】上記の構成によれば、溶接トーチ35とタ
ガネ装置2とが溶接時とスラグ除去時とで取り替えられ
るため、溶接トーチ35およびタガネ装置2の何れか一
方の重量分のみが溶接ロボットに作用することになる。
従って、溶接ロボットの可搬重量を大幅に大きくする必
要がないため、一般的な溶接ロボットを使用することが
でき、例えば既設の溶接ロボットを改良して使用するこ
ともできる。
【0062】さらに、本実施形態におけるスラグ除去方
法は、例えば図8に示すように、第5パス目や第13パ
ス目等のように複数の溶接パスの溶接を行った後、これ
ら溶接パス分のビード21表面に発生したスラグを一括
して除去するように構成されている。これにより、溶接
とスラグ除去とを効率良く行うことができるため、全て
の溶接パスの溶接を完了するまでのサイクルタイムを短
縮することができる。尚、スラグの除去は、各溶接パス
ごとに行っても良く、この場合には、各ビード21の表
面全体のスラグを確実に除去することができる。
【0063】さらに、本実施形態のスラグ除去方法は、
溶接時の動作軌跡を示す溶接用教示データを補正するこ
とによって、スラグ除去時の動作軌跡を示すスラグ除去
用教示データを作成するように構成されている。これに
より、溶接用教示データの補正によりスラグ除去用教示
データを作成することができるため、演算処理のみで極
めて簡単且つ短時間のうちにスラグ除去用教示データを
作成することができる。尚、溶接用教示データをそのま
ま使用してスラグ除去用教示データを作成しても良い。
【0064】さらに、本実施形態のスラグ除去方法は、
溶接前および溶接時のセンシング結果から得られる位置
データを補正することによって、スラグ除去時の動作軌
跡を示すスラグ除去用教示データを作成するように構成
されている。これにより、センシング結果から得られる
位置データを補正してスラグ除去用教示データを作成す
るため、ワーク50に誤差等があった場合でも、確実に
スラグを除去可能な動作軌跡を示すスラグ除去用教示デ
ータを作成することができる。
【0065】また、本実施形態のスラグ除去装置は、図
1に示すように、ワーク50を溶接する際にビード21
表面に発生したスラグを除去するものであって、溶接時
に使用される溶接トーチ35と、スラグ除去時に使用さ
れるタガネ装置2と、溶接トーチ35およびタガネ装置
2を任意の姿勢で任意の位置に移動可能なロボット本体
1と、溶接時には溶接トーチ35を使用し、スラグ除去
時にはタガネ装置2を使用するように、ロボット本体1
で移動可能な機構を切り替える機能を備えたロボットコ
ントローラ41とを有した構成にされている。そして、
この構成によれば、上述のスラグ除去方法と同様に、十
分な省人化、高い生産性および設備レイアウトの大きな
自由度を確保しながら、スラグが複雑な動作軌跡上に形
成された場合であっても、このスラグを低コストで除去
することができる。
【0066】さらに、本実施形態のスラグ除去装置にお
いて、上記のタガネ装置2は、ニードル12aを進退移
動させて打撃することにより付与した衝撃力でスラグを
剥離するニードル駆動体13と、ニードル駆動体13を
ニードルの進退移動方向にスプリング19やショックダ
ンパ(緩衝部材)で柔支持しながらロボット本体1に連
結し、ニードル駆動体13からの進退移動方向の衝撃力
をスプリング19で減衰させるスライド保持機構10
(支持機構)とを有した構成にされている。そして、こ
の構成によれば、スラグを除去する際にニードル駆動体
13に大きな衝撃力が加わった場合でも、ニードル駆動
体13の衝撃力がスライド保持機構10のスプリング1
9で減衰された後にロボット本体1に伝達される。従っ
て、ロボット本体1がニードル駆動体13からの衝撃力
で誤動作する等の不具合を防止することができる。
【0067】さらに、本実施形態のスラグ除去装置にお
いて、上記のスライド保持機構10は、スプリング19
で減衰された衝撃力を越える負荷を検出するショックセ
ンサ23を備えており、ロボットコントローラ41は、
ショックセンサ23からの検出信号に基づいてタガネ装
置2がワーク50に衝突したことを認識する機能を備え
ている。これにより、ニードル駆動体13がワーク50
に衝突した場合のような過大な衝撃からロボット本体1
およびニードル駆動体13を保護することができる。
【0068】
【発明の効果】請求項1の発明は、溶接構造物を溶接ロ
ボットにより溶接する際にビード表面に発生したスラグ
を除去するスラグ除去方法において、前記ビード表面の
スラグを衝撃力により剥離させるスラグ除去機構を前記
溶接ロボットに取り付け、該スラグ除去機構により前記
スラグを除去する構成である。
【0069】上記の構成によれば、溶接ロボットにスラ
グ除去機構を取り付けてスラグの除去を行うことによっ
て、溶接ロボットによる溶接の自動化と共に、溶接ロボ
ットによるスラグの除去も自動化することができる。従
って、作業員が手作業でスラグを除去する場合よりも、
高い生産性を確保しながら十分に省人化することができ
る。さらに、スラグを除去する作業員の安全性を確保す
るための専用の保護機器が不要になるため、生産コスト
を低下させることも可能になる。
【0070】また、溶接ロボットによりスラグ除去機構
を移動させれば、溶接ロボットが溶接を行う場合と同様
に、スラグ除去機構を任意の姿勢で任意の位置に移動さ
せることができる。従って、複雑な動作軌跡でスラグを
除去する場合であっても、溶接ロボットにより容易にス
ラグ除去機構を移動させながらスラグの除去を行うこと
ができる。これにより、スラグ除去機構を移動させる専
用の移動装置が不要になるため、設備コストを十分に低
減することができる。
【0071】さらに、専用の移動装置が不要であると共
に、スラグ除去機構が溶接ロボットに取り付けられる程
度の小さなサイズであるため、スラグ除去機構の配置場
所や退避場所に大きなスペースを確保することが不要に
なる。従って、溶接工場内における設備レイアウトの大
きな自由度を確保することができる。
【0072】請求項2の発明は、請求項1記載のスラグ
除去方法であって、溶接時に使用される溶接機構と前記
スラグ除去機構とを前記溶接ロボットに対して取り替え
可能にし、溶接時には前記溶接機構を前記溶接ロボット
に取り付け、スラグ除去時には前記スラグ除去機構を前
記溶接ロボットに取り付ける構成である。
【0073】上記の構成によれば、溶接機構とスラグ除
去機構とが溶接時とスラグ除去時とで取り替えられるた
め、溶接機構およびスラグ除去機構の何れか一方の重量
分のみが溶接ロボットに作用することになる。従って、
溶接ロボットの可搬重量を大幅に大きくする必要がない
ため、一般的な溶接ロボットを使用することができ、例
えば既設の溶接ロボットを改良して使用することもでき
る。
【0074】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のスラグ除去方法であって、複数の溶接パスの溶接を行
った後、これら溶接パス分のビード表面に発生したスラ
グを一括して除去する構成である。上記の構成によれ
ば、溶接とスラグ除去とを効率良く行うことができるた
め、全ての溶接パスの溶接を完了するまでのサイクルタ
イムを短縮することができる。
【0075】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載のスラグ除去方法であって、溶接時の動
作軌跡を示す溶接用教示データをそのまま使用または補
正することによって、スラグ除去時の動作軌跡を示すス
ラグ除去用教示データを作成する構成である。上記の構
成によれば、溶接用教示データをそのまま使用または補
正することによりスラグ除去用教示データを作成するこ
とができるため、演算処理のみで極めて簡単且つ短時間
のうちにスラグ除去用教示データを作成することができ
る。
【0076】請求項5の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載のスラグ除去方法であって、溶接前およ
び溶接時のセンシング結果から得られる位置データを補
正することによって、スラグ除去時の動作軌跡を示すス
ラグ除去用教示データを作成する構成である。上記の構
成によれば、センシング結果から得られる位置データを
補正してスラグ除去用教示データを作成するため、溶接
構造物に誤差等があった場合でも、確実にスラグを除去
可能な動作軌跡を示すスラグ除去用教示データを作成す
ることができる。
【0077】請求項6の発明は、溶接構造物を溶接する
際にビード表面に発生したスラグを除去するスラグ除去
装置において、溶接時に使用される溶接機構と、スラグ
除去時に使用されるスラグ除去機構と、前記溶接機構お
よび前記スラグ除去機構を任意の姿勢で任意の位置に移
動可能なロボット本体と、溶接時には前記溶接機構を使
用し、スラグ除去時には前記スラグ除去機構を使用する
ように、前記ロボット本体で移動可能な機構を切り替え
る機能を備えたロボットコントローラとを有する構成で
ある。上記の構成によれば、請求項1のスラグ除去方法
の場合と同様に、十分な省人化、高い生産性および設備
レイアウトの大きな自由度を確保しながら、スラグが複
雑な動作軌跡上に形成された場合であっても、このスラ
グを低コストで除去することができる。
【0078】請求項7の発明は、請求項6記載のスラグ
除去装置であって、前記スラグ除去機構は、ニードルを
進退移動させて打撃することにより付与した衝撃力で前
記スラグを剥離するニードル駆動体と、前記ニードル駆
動体を前記ニードルの進退移動方向に緩衝部材で柔支持
しながら前記ロボット本体に連結し、前記ニードル駆動
体からの進退移動方向の衝撃力を前記緩衝部材で減衰さ
せる支持機構とを有する構成である。上記の構成によれ
ば、スラグを除去する際にニードル駆動体に大きな衝撃
力が加わった場合でも、ニードル駆動体の衝撃力が支持
機構の緩衝部材で減衰された後にロボット本体に伝達さ
れる。従って、ロボット本体がニードル駆動体からの衝
撃力で誤動作する等の不具合を防止することができる。
【0079】請求項8の発明は、請求項7記載のスラグ
除去装置であって、前記支持機構は、緩衝部材で減衰さ
れた衝撃力を越える負荷を検出するショックセンサを備
えており、前記ロボットコントローラは、前記ショック
センサからの検出信号に基づいて前記スラグ除去機構が
前記溶接構造物に衝突したことを認識する機能を備えて
いる構成である。上記の構成によれば、ニードル駆動体
が溶接構造物に衝突した場合のような過大な衝撃からロ
ボット本体およびニードル駆動体を保護することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ除去装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【図2】手首部材に連結されたタガネ装置の概略構成図
である。
【図3】図2におけるタガネ装置のA−A線矢視断面図
である。
【図4】タガネ装置が載置台に載置された状態を正面視
した説明図である。
【図5】タガネ装置等が載置台に載置された状態を平面
視した説明図である。
【図6】手首部材に連結された溶接トーチの概略構成図
である。
【図7】溶接実行ルーチンのフローチャートである。
【図8】溶接パスとスラグ除去の関係を示す説明図であ
る。
【図9】スラグ除去の動作軌跡を示す説明図である。
【図10】手首部材に連結されたタガネ装置の概略構成
図である。
【図11】従来のスラグ除去装置の概略構成を示す説明
図である。
【図12】従来のスラグ除去装置の概略構成を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 ロボット本体 2 タガネ装置 3 ベース 4 基台 8 ロボット側着脱機構 9 タガネ機構 10 スライド保持機構 11 タガネ側着脱機構 12 ニードル集合体 13 ニードル駆動体 14 タガネホルダ 15 移動側スライド部材 16 固定側スライド部材 18 スライド支持部材 19 スプリング 20 スプリングガイド 21 ビード 22 連結部材 23 ショックセンサ 24 ツールプレート 25 ツール側着脱部材 27 ロボット側着脱部材 31 載置台 32 載置板 35 溶接トーチ 36 溶接ワイヤ 40a ツール検出センサ 40b 種別検出センサ 41 ロボットコントローラ 50 ワーク 51 連結機構

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接構造物を溶接ロボットにより溶接す
    る際にビード表面に発生したスラグを除去するスラグ除
    去方法において、 前記ビード表面のスラグを衝撃力により剥離させるスラ
    グ除去機構を前記溶接ロボットに取り付け、該スラグ除
    去機構により前記スラグを除去することを特徴とするス
    ラグ除去方法。
  2. 【請求項2】 溶接時に使用される溶接機構と前記スラ
    グ除去機構とを前記溶接ロボットに対して取り替え可能
    にし、 溶接時には前記溶接機構を前記溶接ロボットに取り付
    け、スラグ除去時には前記スラグ除去機構を前記溶接ロ
    ボットに取り付けることを特徴とする請求項1記載のス
    ラグ除去方法。
  3. 【請求項3】 複数の溶接パスの溶接を行った後、これ
    ら溶接パス分のビード表面に発生したスラグを一括して
    除去することを特徴とする請求項1または2記載のスラ
    グ除去方法。
  4. 【請求項4】 溶接時の動作軌跡を示す溶接用教示デー
    タをそのまま使用または補正することによって、スラグ
    除去時の動作軌跡を示すスラグ除去用教示データを作成
    することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に
    記載のスラグ除去方法。
  5. 【請求項5】 溶接前および溶接時のセンシング結果か
    ら得られる位置データを補正することによって、スラグ
    除去時の動作軌跡を示すスラグ除去用教示データを作成
    することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に
    記載のスラグ除去方法。
  6. 【請求項6】 溶接構造物を溶接する際にビード表面に
    発生したスラグを除去するスラグ除去装置において、 溶接時に使用される溶接機構と、 スラグ除去時に使用されるスラグ除去機構と、 前記溶接機構および前記スラグ除去機構を任意の姿勢で
    任意の位置に移動可能なロボット本体と、 溶接時には前記溶接機構を使用し、スラグ除去時には前
    記スラグ除去機構を使用するように、前記ロボット本体
    で移動可能な機構を切り替える機能を備えたロボットコ
    ントローラとを有することを特徴とするスラグ除去装
    置。
  7. 【請求項7】 前記スラグ除去機構は、 ニードルを進退移動させて打撃することにより付与した
    衝撃力で前記スラグを剥離するニードル駆動体と、 前記ニードル駆動体を前記ニードルの進退移動方向に緩
    衝部材で柔支持しながら前記ロボット本体に連結し、前
    記ニードル駆動体からの進退移動方向の衝撃力を前記緩
    衝部材で減衰させる支持機構とを有することを特徴とす
    る請求項6記載のスラグ除去装置。
  8. 【請求項8】 前記支持機構は、緩衝部材で減衰された
    衝撃力を越える負荷を検出するショックセンサを備えて
    おり、 前記ロボットコントローラは、前記ショックセンサから
    の検出信号に基づいて前記スラグ除去機構が前記溶接構
    造物に衝突したことを認識する機能を備えていることを
    特徴とする請求項7記載のスラグ除去装置。
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