JP2001148977A - 魚釣用電動リール - Google Patents
魚釣用電動リールInfo
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- JP2001148977A JP2001148977A JP33642599A JP33642599A JP2001148977A JP 2001148977 A JP2001148977 A JP 2001148977A JP 33642599 A JP33642599 A JP 33642599A JP 33642599 A JP33642599 A JP 33642599A JP 2001148977 A JP2001148977 A JP 2001148977A
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- Japan
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- spool
- motor
- gear
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アクチュエータやモータを使用することなくス
プール駆動モータを利用してクラッチ装置のクラッチ復
帰を行なうことが可能であり、かつ糸送り機構を配設す
ることが可能な魚釣用電動リールを提供する。 【解決手段】本発明の魚釣用電動リールは、モータ10
の駆動軸の逆転を阻止する一方向クラッチ装置12を備
えている。この一方向クラッチ装置12は、リール本体
に対して回転可能となるべく支持されており、モータ1
0の逆転に連動して一方向クラッチ装置12がモータ1
0の逆転方向に回転することでクラッチレバー46は釣
糸巻取り状態に復帰される。
プール駆動モータを利用してクラッチ装置のクラッチ復
帰を行なうことが可能であり、かつ糸送り機構を配設す
ることが可能な魚釣用電動リールを提供する。 【解決手段】本発明の魚釣用電動リールは、モータ10
の駆動軸の逆転を阻止する一方向クラッチ装置12を備
えている。この一方向クラッチ装置12は、リール本体
に対して回転可能となるべく支持されており、モータ1
0の逆転に連動して一方向クラッチ装置12がモータ1
0の逆転方向に回転することでクラッチレバー46は釣
糸巻取り状態に復帰される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプールを釣糸巻
取可能状態とフリー回転可能状態とに切り換えるための
クラッチ装置を有する魚釣用電動リールに関し、特に、
スプール駆動モータを正逆回転方向に制御してスプール
をフリー回転可能状態から釣糸巻取可能状態に自動復帰
させることが可能なクラッチ装置を有する魚釣用電動リ
ールに関する。
取可能状態とフリー回転可能状態とに切り換えるための
クラッチ装置を有する魚釣用電動リールに関し、特に、
スプール駆動モータを正逆回転方向に制御してスプール
をフリー回転可能状態から釣糸巻取可能状態に自動復帰
させることが可能なクラッチ装置を有する魚釣用電動リ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、釣糸繰出中にスプールの回転を停
止させて、釣糸巻取可能状態へ復帰させるクラッチ装置
を有する種々の魚釣用電動リールが知られている。
止させて、釣糸巻取可能状態へ復帰させるクラッチ装置
を有する種々の魚釣用電動リールが知られている。
【0003】例えば特開平4−66042号公報や特開
平6−311834号公報には、クラッチ復帰用アクチ
ュエータやクラッチ復帰用モータ等によってクラッチ装
置を復帰させることが可能な魚釣用電動リールが開示さ
れている(以下、第1の従来技術という)。
平6−311834号公報には、クラッチ復帰用アクチ
ュエータやクラッチ復帰用モータ等によってクラッチ装
置を復帰させることが可能な魚釣用電動リールが開示さ
れている(以下、第1の従来技術という)。
【0004】また、例えば特開平6−335341号公
報や特開平9−107853号公報には、スプール駆動
モータの巻取動力によって、スプールフリー回転可能状
態にあるクラッチ装置を釣糸巻取可能状態に切り換える
ことが可能な魚釣用電動リールが開示されている(以
下、第2の従来技術という)。
報や特開平9−107853号公報には、スプール駆動
モータの巻取動力によって、スプールフリー回転可能状
態にあるクラッチ装置を釣糸巻取可能状態に切り換える
ことが可能な魚釣用電動リールが開示されている(以
下、第2の従来技術という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来技術に適用されたクラッチ装置には、このクラッチ
装置をクラッチON状態に復帰させるためだけに用いら
れるクラッチ復帰用アクチュエータやクラッチ復帰用モ
ータ等が別途増設されている。このため、魚釣用電動リ
ールの重量が増加して操作性が悪くなってしまうと共
に、更に、リールの構成が複雑になり且つ部品点数が増
えるため、リールの製造コストの低減やリールのコンパ
クト化を実現することが困難になってしまう。
従来技術に適用されたクラッチ装置には、このクラッチ
装置をクラッチON状態に復帰させるためだけに用いら
れるクラッチ復帰用アクチュエータやクラッチ復帰用モ
ータ等が別途増設されている。このため、魚釣用電動リ
ールの重量が増加して操作性が悪くなってしまうと共
に、更に、リールの構成が複雑になり且つ部品点数が増
えるため、リールの製造コストの低減やリールのコンパ
クト化を実現することが困難になってしまう。
【0006】これに対して、第2の従来技術に適用され
たクラッチ装置は、スプール駆動モータを併用動作して
クラッチ復帰を行うように構成されているため、上記第
1の従来技術に有るような問題は解消することが可能で
ある。
たクラッチ装置は、スプール駆動モータを併用動作して
クラッチ復帰を行うように構成されているため、上記第
1の従来技術に有るような問題は解消することが可能で
ある。
【0007】しかし、第2の従来技術のクラッチ装置に
おいて、スプール駆動モータは、一方向クラッチによっ
て正回転方向にのみ回転可能(逆回転不可能)に規制さ
れており、このスプール駆動モータの回転運動が伝達さ
れるスプール軸は、その回転方向がスプールの回転方向
とは逆方向の回転に規制されている。従って、第2の従
来技術は、スプール軸をスプールと同じ方向に回転させ
ることができない構成となっている。
おいて、スプール駆動モータは、一方向クラッチによっ
て正回転方向にのみ回転可能(逆回転不可能)に規制さ
れており、このスプール駆動モータの回転運動が伝達さ
れるスプール軸は、その回転方向がスプールの回転方向
とは逆方向の回転に規制されている。従って、第2の従
来技術は、スプール軸をスプールと同じ方向に回転させ
ることができない構成となっている。
【0008】このため、クラッチOFF状態(スプール
フリー回転可能状態)において、スプール駆動モータを
駆動させることによって、釣糸繰出時のスプールに加わ
る各種の減速機構等の回転抵抗を軽減させて釣糸繰出動
作を円滑且つ軽快に行うといった近年注目されている糸
送り制御法を適用することができない。
フリー回転可能状態)において、スプール駆動モータを
駆動させることによって、釣糸繰出時のスプールに加わ
る各種の減速機構等の回転抵抗を軽減させて釣糸繰出動
作を円滑且つ軽快に行うといった近年注目されている糸
送り制御法を適用することができない。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
に成されており、その目的は、別部材(アクチュエータ
やモータ)を使用することなくスプール駆動モータを利
用してクラッチ装置のクラッチ復帰を行なうことが可能
であり、かつ糸送り機構を配設することが可能な魚釣用
電動リールを提供することにある。
に成されており、その目的は、別部材(アクチュエータ
やモータ)を使用することなくスプール駆動モータを利
用してクラッチ装置のクラッチ復帰を行なうことが可能
であり、かつ糸送り機構を配設することが可能な魚釣用
電動リールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、リール本体の両側板間に回転自在
に支持されたスプールと、このスプールを回転駆動させ
るモータと、このモータの回転運動を減速してスプール
に伝達する減速機構と、前記スプールをフリー回転可能
状態と釣糸巻取可能状態に切換可能なクラッチ機構と、
前記モータの駆動軸の逆転を阻止する一方向クラッチ装
置とを備えており、前記一方向クラッチ装置を前記リー
ル本体に対して回転可能となるべく支持し、前記クラッ
チ機構の釣糸放出状態時における、前記モータの逆転に
連動して前記一方向クラッチ装置をモータの逆転方向に
回転させることでクラッチ機構を釣糸巻取り状態に復帰
可能としたことを特徴とする。
るために、本発明は、リール本体の両側板間に回転自在
に支持されたスプールと、このスプールを回転駆動させ
るモータと、このモータの回転運動を減速してスプール
に伝達する減速機構と、前記スプールをフリー回転可能
状態と釣糸巻取可能状態に切換可能なクラッチ機構と、
前記モータの駆動軸の逆転を阻止する一方向クラッチ装
置とを備えており、前記一方向クラッチ装置を前記リー
ル本体に対して回転可能となるべく支持し、前記クラッ
チ機構の釣糸放出状態時における、前記モータの逆転に
連動して前記一方向クラッチ装置をモータの逆転方向に
回転させることでクラッチ機構を釣糸巻取り状態に復帰
可能としたことを特徴とする。
【0011】また、上記目的を達成するために、本発明
は、リール本体の両側板間に回転自在に支持されたスプ
ールと、このスプールを回転駆動させるモータと、この
モータの回転運動を減速してスプールに伝達する減速機
構と、前記スプールをフリー回転可能状態と釣糸巻取可
能状態に切換可能なクラッチ機構と、前記モータの正転
方向の回転駆動を規制し、かつ逆転方向の回転駆動を伝
達する一方向クラッチとを備えており、前記一方向クラ
ッチは、歯車を有する駆動力伝達機構を介して前記クラ
ッチ機構と連結されており、前記モータが逆転方向に回
転駆動された際、前記クラッチ機構は、前記駆動力伝達
機構を介して前記スプールのフリー回転可能状態から釣
糸巻取可能状態に切換えられることを特徴とする。
は、リール本体の両側板間に回転自在に支持されたスプ
ールと、このスプールを回転駆動させるモータと、この
モータの回転運動を減速してスプールに伝達する減速機
構と、前記スプールをフリー回転可能状態と釣糸巻取可
能状態に切換可能なクラッチ機構と、前記モータの正転
方向の回転駆動を規制し、かつ逆転方向の回転駆動を伝
達する一方向クラッチとを備えており、前記一方向クラ
ッチは、歯車を有する駆動力伝達機構を介して前記クラ
ッチ機構と連結されており、前記モータが逆転方向に回
転駆動された際、前記クラッチ機構は、前記駆動力伝達
機構を介して前記スプールのフリー回転可能状態から釣
糸巻取可能状態に切換えられることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態に
係る魚釣用電動リールについて、図1〜図6を参照して
説明する。図1に示すように、図中向かって右側に手動
ハンドル2が取り付けられたリール本体4の左右側板4
a,4bの間(左右側板4a,4bによって覆われてい
る左右フレームの間)には、スプール軸6が軸受によっ
て回転可能に且つ直接支持されており、このスプール軸
6を囲繞するようにスプール8が配置されている。
係る魚釣用電動リールについて、図1〜図6を参照して
説明する。図1に示すように、図中向かって右側に手動
ハンドル2が取り付けられたリール本体4の左右側板4
a,4bの間(左右側板4a,4bによって覆われてい
る左右フレームの間)には、スプール軸6が軸受によっ
て回転可能に且つ直接支持されており、このスプール軸
6を囲繞するようにスプール8が配置されている。
【0013】また、左右フレームの間には、正逆回転方
向に回転可能なスプール駆動モータ10(以下、モータ
という)が保持されており、このモータ10には、左側
板(反ハンドル側)方向に延出した左側駆動軸10a、
及び、右側板(ハンドル側)方向に延出した右側駆動軸
10bが取り付けられている。なお、モータ10は、モ
ータケース10c内に収容され、防水状態に保持されて
いる。
向に回転可能なスプール駆動モータ10(以下、モータ
という)が保持されており、このモータ10には、左側
板(反ハンドル側)方向に延出した左側駆動軸10a、
及び、右側板(ハンドル側)方向に延出した右側駆動軸
10bが取り付けられている。なお、モータ10は、モ
ータケース10c内に収容され、防水状態に保持されて
いる。
【0014】左側駆動軸10aには、モータ10の回転
運動を減速して出力する第1の減速機構16(例えば、
遊星ギヤを用いた減速機構)が設けられており、一方、
右側駆動軸10bには、モータ10の駆動軸の逆回転
(釣糸放出方向の回転)を阻止可能とする一方向クラッ
チ装置12が設けられている。
運動を減速して出力する第1の減速機構16(例えば、
遊星ギヤを用いた減速機構)が設けられており、一方、
右側駆動軸10bには、モータ10の駆動軸の逆回転
(釣糸放出方向の回転)を阻止可能とする一方向クラッ
チ装置12が設けられている。
【0015】第1の減速機構16は、左側駆動軸10a
に回り止め嵌合された駆動歯車18から中間歯車20を
介してスプール駆動用歯車24に機械的に連結されてい
る。この場合、スプール駆動用歯車24は、スプール軸
6の反ハンドル側(左フレーム)に回り止め嵌合されて
いる。また、スプール軸6のハンドル側(右フレーム)
には、第2の減速機構26が設けられている。
に回り止め嵌合された駆動歯車18から中間歯車20を
介してスプール駆動用歯車24に機械的に連結されてい
る。この場合、スプール駆動用歯車24は、スプール軸
6の反ハンドル側(左フレーム)に回り止め嵌合されて
いる。また、スプール軸6のハンドル側(右フレーム)
には、第2の減速機構26が設けられている。
【0016】この構成によれば、モータ10の回転運動
は、第1の減速機構16を介して所定量だけ減速された
後、駆動歯車18から中間歯車20を介してスプール駆
動用歯車24に伝達される。そして、スプール駆動用歯
車24に伝達されたモータ10の回転駆動は、スプール
軸6を介して第2の減速機構26に伝達された後、この
第2の減速機構26によって所定量だけ減速されてスプ
ール8に伝達される。
は、第1の減速機構16を介して所定量だけ減速された
後、駆動歯車18から中間歯車20を介してスプール駆
動用歯車24に伝達される。そして、スプール駆動用歯
車24に伝達されたモータ10の回転駆動は、スプール
軸6を介して第2の減速機構26に伝達された後、この
第2の減速機構26によって所定量だけ減速されてスプ
ール8に伝達される。
【0017】第2の減速機構26は、その一例として、
遊星ギヤを用いた減速機構として構成されており、スプ
ール軸6に回り止め嵌合された太陽歯車28と、この太
陽歯車28に噛合した複数の遊星歯車30と、これら遊
星歯車30が常時噛合するようにスプール8の端面に刻
設された内歯歯車32とを備えている。
遊星ギヤを用いた減速機構として構成されており、スプ
ール軸6に回り止め嵌合された太陽歯車28と、この太
陽歯車28に噛合した複数の遊星歯車30と、これら遊
星歯車30が常時噛合するようにスプール8の端面に刻
設された内歯歯車32とを備えている。
【0018】複数の遊星歯車30は、夫々、遊星歯車支
持体34に回転可能に支持されており、この遊星歯車支
持体34は、スプール8に取り付けられたブラケット3
6に嵌合し、且つ、軸受38を介してスプール軸6に回
転可能に支持されている。なお、ブラケット36は、軸
受40を介して右フレームに回転可能に支持されてい
る。
持体34に回転可能に支持されており、この遊星歯車支
持体34は、スプール8に取り付けられたブラケット3
6に嵌合し、且つ、軸受38を介してスプール軸6に回
転可能に支持されている。なお、ブラケット36は、軸
受40を介して右フレームに回転可能に支持されてい
る。
【0019】また、スプール軸6のハンドル側には、実
釣時に手動ハンドル2を回転操作した際に、釣糸に対し
て所望の制動力を与えつつ且つ所望の回転力でスプール
8を釣糸巻取方向に回転させるための釣糸巻取機構が配
置されている。
釣時に手動ハンドル2を回転操作した際に、釣糸に対し
て所望の制動力を与えつつ且つ所望の回転力でスプール
8を釣糸巻取方向に回転させるための釣糸巻取機構が配
置されている。
【0020】この釣糸巻取機構は、スプール軸6と同軸
上で軸受を介して回転可能に支持された駆動力伝達軸4
4を有しており、この駆動力伝達軸44には、クラッチ
レバー46のON/OFF操作によって軸方向にスライ
ド自在に構成され、且つ上述した遊星歯車支持体34に
対して係合/非係合するピニオンギヤ48が取り付けら
れている。
上で軸受を介して回転可能に支持された駆動力伝達軸4
4を有しており、この駆動力伝達軸44には、クラッチ
レバー46のON/OFF操作によって軸方向にスライ
ド自在に構成され、且つ上述した遊星歯車支持体34に
対して係合/非係合するピニオンギヤ48が取り付けら
れている。
【0021】ピニオンギヤ48には、その外周面に円周
溝50が形成されており、この円周溝50には、クラッ
チレバー46のON/OFF操作によって軸方向にスラ
イドさせることが可能なスライド片52(その動作につ
いては後述する)が係合している。
溝50が形成されており、この円周溝50には、クラッ
チレバー46のON/OFF操作によって軸方向にスラ
イドさせることが可能なスライド片52(その動作につ
いては後述する)が係合している。
【0022】また、ピニオンギヤ48には、ハンドル軸
54に取り付けられたドライブギヤ56が噛合してお
り、このドライブギヤ56とハンドル軸54との間に
は、実釣時にスプール8を釣糸繰出方向へ回転させる際
に、スプール8の回転に所望の制動力を与えることが可
能な周知のドラグ機構58が配置されている。
54に取り付けられたドライブギヤ56が噛合してお
り、このドライブギヤ56とハンドル軸54との間に
は、実釣時にスプール8を釣糸繰出方向へ回転させる際
に、スプール8の回転に所望の制動力を与えることが可
能な周知のドラグ機構58が配置されている。
【0023】このような釣糸巻取機構によれば、クラッ
チレバー46をON/OFF操作してスライド片52を
軸方向にスライドさせて、ピニオンギヤ48を遊星歯車
支持体34に対して係合又は非係合させることによっ
て、手動ハンドル2の回転運動をドラグ機構58から第
2の減速機構26を介してスプール8に伝達又は非伝達
させることができる。
チレバー46をON/OFF操作してスライド片52を
軸方向にスライドさせて、ピニオンギヤ48を遊星歯車
支持体34に対して係合又は非係合させることによっ
て、手動ハンドル2の回転運動をドラグ機構58から第
2の減速機構26を介してスプール8に伝達又は非伝達
させることができる。
【0024】また、ハンドル軸54の基端部には、モー
タ10によってスプール8を釣糸巻取方向に回転させた
際に、これに連動してハンドル軸54が回転しないよう
に、逆転防止機構が設けられている。
タ10によってスプール8を釣糸巻取方向に回転させた
際に、これに連動してハンドル軸54が回転しないよう
に、逆転防止機構が設けられている。
【0025】この逆転防止機構は、外周面にラチェット
爪60aが所定ピッチで形成されたラチェット60と、
ラチェット爪60aに対して一定の付勢力で常時係合し
ているストッパ62とを備えており、ラチェット60
は、ハンドル軸54に回り止め嵌合されている。
爪60aが所定ピッチで形成されたラチェット60と、
ラチェット爪60aに対して一定の付勢力で常時係合し
ているストッパ62とを備えており、ラチェット60
は、ハンドル軸54に回り止め嵌合されている。
【0026】このような逆転防止機構によれば、モータ
10によってスプール8を釣糸巻取方向に回転させる際
には、ラチェット爪60aにストッパ62が係合するこ
とによって、モータ10の回転に連動してハンドル軸5
4が回転するのを防止することができる(図3におい
て、反時計回りの回転)。これに対して、手動ハンドル
2の回転操作によってスプール8を釣糸巻取方向に回転
させる際には、手動ハンドル2の回転操作に連動してハ
ンドル軸54を回転させることができる(図3におい
て、時計回りの回転)。
10によってスプール8を釣糸巻取方向に回転させる際
には、ラチェット爪60aにストッパ62が係合するこ
とによって、モータ10の回転に連動してハンドル軸5
4が回転するのを防止することができる(図3におい
て、反時計回りの回転)。これに対して、手動ハンドル
2の回転操作によってスプール8を釣糸巻取方向に回転
させる際には、手動ハンドル2の回転操作に連動してハ
ンドル軸54を回転させることができる(図3におい
て、時計回りの回転)。
【0027】前記クラッチレバー46は、図の矢印D
1,D2方向に摺動自在にフレームに支持されたクラッ
チプレート72と連結されている。すなわち、クラッチ
プレート72の端部には、長孔72cが形成されてお
り、この長孔72cには、クラッチレバー46の操作と
共に回動するボス46aが係合している。この結果、ク
ラッチプレート72は、クラッチレバー46をON/O
FF操作することで、夫々D2/D1方向に摺動するよ
うになっている。また、前記クラッチレバー46には、
フレームとの間で振り分けバネ74が取り付けられてお
り、クラッチON状態(図3,図5)とクラッチOFF
状態(図4,図6)とを振り分けるようにしている。
1,D2方向に摺動自在にフレームに支持されたクラッ
チプレート72と連結されている。すなわち、クラッチ
プレート72の端部には、長孔72cが形成されてお
り、この長孔72cには、クラッチレバー46の操作と
共に回動するボス46aが係合している。この結果、ク
ラッチプレート72は、クラッチレバー46をON/O
FF操作することで、夫々D2/D1方向に摺動するよ
うになっている。また、前記クラッチレバー46には、
フレームとの間で振り分けバネ74が取り付けられてお
り、クラッチON状態(図3,図5)とクラッチOFF
状態(図4,図6)とを振り分けるようにしている。
【0028】また、クラッチプレート72の表面には、
上記スライド片52と係合する傾斜カム72bが形成さ
れており、クラッチON状態では、スライド片52は、
図示しない付勢手段の付勢力によってクラッチプレート
72側に押し付けられ(図3参照)、クラッチOFF状
態では、スライド片52は、図示しない付勢手段の賦勢
力に抗して傾斜カム72bによって持ち上げられる(図
4参照)。すなわち、傾斜カム72bによって、ピニオ
ンギヤ48は軸方向に移動される。
上記スライド片52と係合する傾斜カム72bが形成さ
れており、クラッチON状態では、スライド片52は、
図示しない付勢手段の付勢力によってクラッチプレート
72側に押し付けられ(図3参照)、クラッチOFF状
態では、スライド片52は、図示しない付勢手段の賦勢
力に抗して傾斜カム72bによって持ち上げられる(図
4参照)。すなわち、傾斜カム72bによって、ピニオ
ンギヤ48は軸方向に移動される。
【0029】ここで、手動でクラッチレバー46をON
/OFF操作することによって、釣糸をスプール8から
繰り出す動作及び釣糸をスプール8に巻き取る動作につ
いて説明する。
/OFF操作することによって、釣糸をスプール8から
繰り出す動作及び釣糸をスプール8に巻き取る動作につ
いて説明する。
【0030】まず、手動でクラッチレバー46をOFF
操作すると(クラッチOFF時;図4参照)、スライド
片52によってピニオンギヤ48が遊星歯車支持体34
に対して非係合状態となるため、スプール8は、フリー
回転可能状態に維持される。この状態において、釣糸
は、仕掛けの自由落下によってスプール8から繰り出さ
れる。
操作すると(クラッチOFF時;図4参照)、スライド
片52によってピニオンギヤ48が遊星歯車支持体34
に対して非係合状態となるため、スプール8は、フリー
回転可能状態に維持される。この状態において、釣糸
は、仕掛けの自由落下によってスプール8から繰り出さ
れる。
【0031】そして、釣糸が所望量繰り出されたとき
(仕掛けが、例えば所望の棚に到達したとき)、手動で
クラッチレバー46をON操作すると(クラッチON
時;図3参照)、スライド片52によってピニオンギヤ
48が遊星歯車支持体34に対して係合状態となり、ス
プール8は釣糸巻取可能状態に維持される。
(仕掛けが、例えば所望の棚に到達したとき)、手動で
クラッチレバー46をON操作すると(クラッチON
時;図3参照)、スライド片52によってピニオンギヤ
48が遊星歯車支持体34に対して係合状態となり、ス
プール8は釣糸巻取可能状態に維持される。
【0032】この状態において、魚の当たりがあったと
き、モータ10を駆動してスプール8を巻取駆動させる
か、若しくは、手動ハンドル2を回転操作してスプール
8を巻取駆動させる。
き、モータ10を駆動してスプール8を巻取駆動させる
か、若しくは、手動ハンドル2を回転操作してスプール
8を巻取駆動させる。
【0033】モータ10を駆動した場合、モータ10の
回転(正回転)は、第1の減速機構16を介して所定量
だけ減速された後、駆動歯車18に出力される。このと
き、駆動歯車18は、右側板側から見て時計回りに回転
する(なお、以下において、時計回り、反時計回りと
は、全て右側板側から見たものとする)。
回転(正回転)は、第1の減速機構16を介して所定量
だけ減速された後、駆動歯車18に出力される。このと
き、駆動歯車18は、右側板側から見て時計回りに回転
する(なお、以下において、時計回り、反時計回りと
は、全て右側板側から見たものとする)。
【0034】駆動歯車18が時計回りに回転すると、そ
の回転運動は、中間歯車20を介してスプール駆動用歯
車24に伝達され、このスプール駆動用歯車24を時計
回りに回転させる。そして、スプール駆動用歯車24の
時計回りの回転運動が、スプール軸6を介して第2の減
速機構26に伝達される。なお、このときのスプール駆
動用歯車24及びスプール軸6の回転方向は、釣糸繰出
時のスプール8の回転方向(時計回りの回転方向)と同
一方向である。
の回転運動は、中間歯車20を介してスプール駆動用歯
車24に伝達され、このスプール駆動用歯車24を時計
回りに回転させる。そして、スプール駆動用歯車24の
時計回りの回転運動が、スプール軸6を介して第2の減
速機構26に伝達される。なお、このときのスプール駆
動用歯車24及びスプール軸6の回転方向は、釣糸繰出
時のスプール8の回転方向(時計回りの回転方向)と同
一方向である。
【0035】第2の減速機構26に伝達されたスプール
駆動用歯車24の回転運動は、スプール軸6に回り止め
嵌合された太陽歯車28に伝達され、この太陽歯車28
を時計回りに回転させる。
駆動用歯車24の回転運動は、スプール軸6に回り止め
嵌合された太陽歯車28に伝達され、この太陽歯車28
を時計回りに回転させる。
【0036】この状態において、上述した逆転防止機構
によってハンドル軸54の回転が規制されているため、
このハンドル軸54にドライブギヤ56を介して連結し
たピニオンギヤ48の回転も規制される。この結果、こ
のピニオンギヤ48が係合した遊星歯車支持体34は、
回転すること無く一定位置に静止した状態に維持され
る。
によってハンドル軸54の回転が規制されているため、
このハンドル軸54にドライブギヤ56を介して連結し
たピニオンギヤ48の回転も規制される。この結果、こ
のピニオンギヤ48が係合した遊星歯車支持体34は、
回転すること無く一定位置に静止した状態に維持され
る。
【0037】従って、太陽歯車28が時計回りに回転し
た際、遊星歯車支持体34に回転可能に支持された複数
の遊星歯車30は、太陽歯車28の回りを公転すること
無く一定位置で反時計回りに自転する。
た際、遊星歯車支持体34に回転可能に支持された複数
の遊星歯車30は、太陽歯車28の回りを公転すること
無く一定位置で反時計回りに自転する。
【0038】この状態において、複数の遊星歯車30の
反時計回りの回転運動は、スプール8の端面に刻設され
た内歯歯車32に伝達され、この内歯歯車32を反時計
回りに回転させる。そして、これに伴ってスプール8
は、釣糸巻取方向(反時計回り)に回転する。この結
果、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してスプール
8に均一に巻き取られる。なお、このような電動巻取時
には、上述した逆転防止機構が機能しているため、手動
ハンドル2が連動して高速で回転することはない。
反時計回りの回転運動は、スプール8の端面に刻設され
た内歯歯車32に伝達され、この内歯歯車32を反時計
回りに回転させる。そして、これに伴ってスプール8
は、釣糸巻取方向(反時計回り)に回転する。この結
果、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してスプール
8に均一に巻き取られる。なお、このような電動巻取時
には、上述した逆転防止機構が機能しているため、手動
ハンドル2が連動して高速で回転することはない。
【0039】一方、手動ハンドル2を回転操作した場
合、手動ハンドル2の回転運動は、ハンドル軸54から
ドラグ機構58を介してドライブギヤ56に伝達された
後、ピニオンギヤ48から遊星歯車支持体34に伝達さ
れ、この遊星歯車支持体34を反時計回りに回転させ
る。
合、手動ハンドル2の回転運動は、ハンドル軸54から
ドラグ機構58を介してドライブギヤ56に伝達された
後、ピニオンギヤ48から遊星歯車支持体34に伝達さ
れ、この遊星歯車支持体34を反時計回りに回転させ
る。
【0040】遊星歯車支持体34には、複数の遊星歯車
30が回転可能に支持されているため、遊星歯車支持体
34が反時計回りに回転すると、この回転と共に、複数
の遊星歯車30は、自転しながら太陽歯車28の回りを
公転する。
30が回転可能に支持されているため、遊星歯車支持体
34が反時計回りに回転すると、この回転と共に、複数
の遊星歯車30は、自転しながら太陽歯車28の回りを
公転する。
【0041】このとき、遊星歯車30の公転運動が太陽
歯車28に伝達され、この太陽歯車28を反時計回りに
回転させようとする。
歯車28に伝達され、この太陽歯車28を反時計回りに
回転させようとする。
【0042】太陽歯車28は、スプール軸6に回り止め
嵌合しているため、太陽歯車28の反時計回りの回転力
は、スプール軸6からスプール駆動用歯車24に伝達さ
れ、このスプール駆動用歯車24を反時計回りに回転さ
せる力となって働くと共に、更に、このスプール駆動用
歯車24から中間歯車20を介して駆動歯車18に伝達
され、この駆動歯車18を反時計回りに回転させる力と
なって働く。そして、駆動歯車18に働いた力は、第1
の減速機構16を介して左側及び右側駆動軸10a,1
0bに伝達され、モータ10を逆回転方向に回転させる
力となって作用する。
嵌合しているため、太陽歯車28の反時計回りの回転力
は、スプール軸6からスプール駆動用歯車24に伝達さ
れ、このスプール駆動用歯車24を反時計回りに回転さ
せる力となって働くと共に、更に、このスプール駆動用
歯車24から中間歯車20を介して駆動歯車18に伝達
され、この駆動歯車18を反時計回りに回転させる力と
なって働く。そして、駆動歯車18に働いた力は、第1
の減速機構16を介して左側及び右側駆動軸10a,1
0bに伝達され、モータ10を逆回転方向に回転させる
力となって作用する。
【0043】しかしながら、モータ10の右側駆動軸1
0bには、一方向クラッチ装置12が設けられているた
め、駆動歯車18を反時計回りに回転させる力は、この
一方向クラッチ装置12によって規制される。この結
果、太陽歯車28は、反時計回りに回転することは無
い。従って、複数の遊星歯車30は、非回転状態の太陽
歯車28の回りを自転しながら反時計回りに公転し、複
数の遊星歯車30の回転運動は、ロス無く内歯歯車32
に伝達され、この内歯歯車32を反時計回りに回転させ
る。この内歯歯車32の回転に伴ってスプール8は釣糸
巻取方向に回転するため、釣糸は、図示しない釣糸案内
機構を介してスプール8に均一に巻き取られる。
0bには、一方向クラッチ装置12が設けられているた
め、駆動歯車18を反時計回りに回転させる力は、この
一方向クラッチ装置12によって規制される。この結
果、太陽歯車28は、反時計回りに回転することは無
い。従って、複数の遊星歯車30は、非回転状態の太陽
歯車28の回りを自転しながら反時計回りに公転し、複
数の遊星歯車30の回転運動は、ロス無く内歯歯車32
に伝達され、この内歯歯車32を反時計回りに回転させ
る。この内歯歯車32の回転に伴ってスプール8は釣糸
巻取方向に回転するため、釣糸は、図示しない釣糸案内
機構を介してスプール8に均一に巻き取られる。
【0044】ところで、クラッチOFF時(スプール8
のフリー回転可能状態)において、釣糸をスプール8か
ら繰り出す際、通常、モータ10は停止させておく。こ
の場合、モータ10の左側駆動軸10aに機械的に連結
しているスプール軸6は、非回転状態に維持されている
ため、このスプール軸6に回り止め嵌合された太陽歯車
28も非回転状態に維持されている。
のフリー回転可能状態)において、釣糸をスプール8か
ら繰り出す際、通常、モータ10は停止させておく。こ
の場合、モータ10の左側駆動軸10aに機械的に連結
しているスプール軸6は、非回転状態に維持されている
ため、このスプール軸6に回り止め嵌合された太陽歯車
28も非回転状態に維持されている。
【0045】この状態で、スプール8を釣糸繰出方向に
フリー回転させると、スプール8には、各種減速機構
(例えば、第2の減速機構26)のギヤ抵抗が作用す
る。具体的には、非回転状態の太陽歯車28の回りを自
転しながら公転する複数の遊星歯車30と、これら遊星
歯車30に噛合している内歯歯車32との間のギヤ抵抗
等によって、スプール8に回転抵抗が作用する。このた
め、スプール8を円滑且つ軽快に回転させることができ
なくなってしまう。
フリー回転させると、スプール8には、各種減速機構
(例えば、第2の減速機構26)のギヤ抵抗が作用す
る。具体的には、非回転状態の太陽歯車28の回りを自
転しながら公転する複数の遊星歯車30と、これら遊星
歯車30に噛合している内歯歯車32との間のギヤ抵抗
等によって、スプール8に回転抵抗が作用する。このた
め、スプール8を円滑且つ軽快に回転させることができ
なくなってしまう。
【0046】このような回転抵抗を無くする、或いは軽
減する方法としては、スプール8のフリー回転による釣
糸繰出時に、例えばスプール8に対して所定の回転力を
付加する方法が挙げられる。そこで、本実施の形態の魚
釣用電動リールには、モータ10の正回転方向(時計回
り)の回転運動を釣糸繰出時(クラッチOFF時)に利
用することによって、釣糸繰出時のスプール8に加わる
第2の減速機構26等の回転抵抗を軽減、或いは無くし
て釣糸繰出動作を円滑且つ軽快に行うための糸送り機構
が設けられている。
減する方法としては、スプール8のフリー回転による釣
糸繰出時に、例えばスプール8に対して所定の回転力を
付加する方法が挙げられる。そこで、本実施の形態の魚
釣用電動リールには、モータ10の正回転方向(時計回
り)の回転運動を釣糸繰出時(クラッチOFF時)に利
用することによって、釣糸繰出時のスプール8に加わる
第2の減速機構26等の回転抵抗を軽減、或いは無くし
て釣糸繰出動作を円滑且つ軽快に行うための糸送り機構
が設けられている。
【0047】本実施の形態では、糸送り機構の一例とし
て、スプール軸6の外周面に所定の間隔で配置された複
数の遠心カラー64が設けられており、これら遠心カラ
ー64は、スプール軸6の回転運動(回転速度)に応じ
た遠心力によって、その外径寸法が拡大して、スプール
8の内周面8aに所望の摩擦力で接触するように設計さ
れている。
て、スプール軸6の外周面に所定の間隔で配置された複
数の遠心カラー64が設けられており、これら遠心カラ
ー64は、スプール軸6の回転運動(回転速度)に応じ
た遠心力によって、その外径寸法が拡大して、スプール
8の内周面8aに所望の摩擦力で接触するように設計さ
れている。
【0048】遠心カラー64としては、例えばO−リン
グやブレーキシュー等を適用することが可能であり、ス
プール軸6が非回転状態にあるとき、遠心カラー64の
外周面とスプール8の内周面8aとの間に若干の隙間が
形成されるように、遠心カラー64は、その形状及び配
置が規定されている。
グやブレーキシュー等を適用することが可能であり、ス
プール軸6が非回転状態にあるとき、遠心カラー64の
外周面とスプール8の内周面8aとの間に若干の隙間が
形成されるように、遠心カラー64は、その形状及び配
置が規定されている。
【0049】このような糸送り機構を始動させるタイミ
ングは、クラッチOFF時の釣糸繰出前に予め又は事後
的に任意に設定することが可能である。例えば予め糸送
りを設定した場合において、仕掛けの自由落下によって
スプール8から釣糸が繰り出されて、スプール8が所定
の回転速度に達したとき(即ち、仕掛けの落下速度が一
定(安定)したとき)、モータ10を正回転駆動させる
と、上述したようにスプール軸6は、釣糸繰出時のスプ
ール8の回転方向と同一方向に回転し始める。
ングは、クラッチOFF時の釣糸繰出前に予め又は事後
的に任意に設定することが可能である。例えば予め糸送
りを設定した場合において、仕掛けの自由落下によって
スプール8から釣糸が繰り出されて、スプール8が所定
の回転速度に達したとき(即ち、仕掛けの落下速度が一
定(安定)したとき)、モータ10を正回転駆動させる
と、上述したようにスプール軸6は、釣糸繰出時のスプ
ール8の回転方向と同一方向に回転し始める。
【0050】そして、スプール軸6の回転速度が上昇す
ると、各々の遠心カラー64に働く遠心力が増加する。
この結果、遠心カラー64の外径寸法が拡大して、その
外周面がスプール8の内周面8aに接触する。このと
き、スプール軸6の回転運動が各々の遠心カラー64を
介してスプール8に伝達され、スプール8に対して所定
の回転力が付加される。
ると、各々の遠心カラー64に働く遠心力が増加する。
この結果、遠心カラー64の外径寸法が拡大して、その
外周面がスプール8の内周面8aに接触する。このと
き、スプール軸6の回転運動が各々の遠心カラー64を
介してスプール8に伝達され、スプール8に対して所定
の回転力が付加される。
【0051】この場合、遠心カラー64が完全にスプー
ル8の内周面8aに接触して、スプール軸6の回転運動
が全てスプール8に伝達されると、スプール8が釣糸繰
出速度を越えて回転し、釣糸のバックラッシュが生じて
しまう。
ル8の内周面8aに接触して、スプール軸6の回転運動
が全てスプール8に伝達されると、スプール8が釣糸繰
出速度を越えて回転し、釣糸のバックラッシュが生じて
しまう。
【0052】そこで、本実施の形態の糸送り機構は、こ
のようなバックラッシュが生じない程度の回転力をスプ
ール8に付加するように構成されている。具体的には、
モータ10によってスプール軸6を回転させた際に、第
2の減速機構26の複数の遊星歯車30を自転させない
程度の回転力がスプール8に付加されるように、スプー
ル8の内周面8aに対する遠心カラー64の接触圧が調
整されている。
のようなバックラッシュが生じない程度の回転力をスプ
ール8に付加するように構成されている。具体的には、
モータ10によってスプール軸6を回転させた際に、第
2の減速機構26の複数の遊星歯車30を自転させない
程度の回転力がスプール8に付加されるように、スプー
ル8の内周面8aに対する遠心カラー64の接触圧が調
整されている。
【0053】このように遠心カラー64がスプール8の
内周面8aに接触すると、スプール軸6に回り止め嵌合
された太陽歯車28とスプール8に刻設された内歯歯車
32とは、同一の回転速度で同一方向(即ち、釣糸繰出
方向)に回転し始める。このとき、複数の遊星歯車30
は、太陽歯車28の回転と共に一体的に且つ自転するこ
と無く太陽歯車28の回りを釣糸繰出方向に沿って公転
する。この結果、スプール8は、第2の減速機構26の
ギヤ抵抗(具体的には、複数の遊星歯車30の自転によ
るギヤ抵抗)を無くした状態で円滑且つ軽快に回転する
ことになる。
内周面8aに接触すると、スプール軸6に回り止め嵌合
された太陽歯車28とスプール8に刻設された内歯歯車
32とは、同一の回転速度で同一方向(即ち、釣糸繰出
方向)に回転し始める。このとき、複数の遊星歯車30
は、太陽歯車28の回転と共に一体的に且つ自転するこ
と無く太陽歯車28の回りを釣糸繰出方向に沿って公転
する。この結果、スプール8は、第2の減速機構26の
ギヤ抵抗(具体的には、複数の遊星歯車30の自転によ
るギヤ抵抗)を無くした状態で円滑且つ軽快に回転する
ことになる。
【0054】上述の説明では、手動でクラッチレバー4
6をON/OFF操作する動作を説明したが、本実施の
形態の魚釣用電動リールは、モータ10を正回転駆動
(時計回り)させることによってスプール8を釣糸巻取
方向に回転すると共に、モータ10を逆回転駆動(反時
計回り)させることによってスプールフリー回転可能状
態(クラッチOFF)から釣糸巻取可能状態(クラッチ
ON)に自動復帰させる機能を有している。
6をON/OFF操作する動作を説明したが、本実施の
形態の魚釣用電動リールは、モータ10を正回転駆動
(時計回り)させることによってスプール8を釣糸巻取
方向に回転すると共に、モータ10を逆回転駆動(反時
計回り)させることによってスプールフリー回転可能状
態(クラッチOFF)から釣糸巻取可能状態(クラッチ
ON)に自動復帰させる機能を有している。
【0055】このような機能を実現するために、本実施
の形態の魚釣用電動リールは、上述した一方向クラッチ
装置12を利用したクラッチ復帰機構70を備えてい
る。以下、図2〜図6を参照しながら、クラッチ復帰機
構の構成、及びその作用について説明する。
の形態の魚釣用電動リールは、上述した一方向クラッチ
装置12を利用したクラッチ復帰機構70を備えてい
る。以下、図2〜図6を参照しながら、クラッチ復帰機
構の構成、及びその作用について説明する。
【0056】上述した一方向クラッチ装置12は、フレ
ームに対して固定されているモータケース10cに回転
可能に保持された状態でモータの右側駆動軸10bに取
り付けられている。具体的には、図2に示すように、右
駆動軸10bに嵌合したインナーレース12aと、イン
ナーレース上に所定間隔で配置された複数のコロ12b
と、これらコロ12bを回転可能に保持すると共に、各
コロを反時計回りに付勢する保持器12cと、各コロを
フリー回転させると共に回転を規制するフリー回転領域
と楔領域を有するアウターレース12dとを備えてい
る。また、アウターレース12dの外周には、右側板4
bに対して回転可能に支持されたギヤ12eが嵌合固定
されている。そして、このギヤ12eは、中間ギヤ71
を介してクラッチプレート72に形成されたラック72
aと連結されている。
ームに対して固定されているモータケース10cに回転
可能に保持された状態でモータの右側駆動軸10bに取
り付けられている。具体的には、図2に示すように、右
駆動軸10bに嵌合したインナーレース12aと、イン
ナーレース上に所定間隔で配置された複数のコロ12b
と、これらコロ12bを回転可能に保持すると共に、各
コロを反時計回りに付勢する保持器12cと、各コロを
フリー回転させると共に回転を規制するフリー回転領域
と楔領域を有するアウターレース12dとを備えてい
る。また、アウターレース12dの外周には、右側板4
bに対して回転可能に支持されたギヤ12eが嵌合固定
されている。そして、このギヤ12eは、中間ギヤ71
を介してクラッチプレート72に形成されたラック72
aと連結されている。
【0057】前記クラッチレバー46には、その基端側
回動部分にストッパ46bが設けられており、図3に示
すクラッチON状態から、これ以上時計回りに回動しな
いように、フレームに形成された当接部76に当接する
ようになっている。
回動部分にストッパ46bが設けられており、図3に示
すクラッチON状態から、これ以上時計回りに回動しな
いように、フレームに形成された当接部76に当接する
ようになっている。
【0058】また、クラッチプレート72には、クラッ
チ復帰用押圧片72dが設けられており、このクラッチ
復帰用押圧片72dを押圧することによって、クラッチ
OFF状態からクラッチON状態に復帰するように構成
されている。このクラッチ復帰用押圧片72dを押圧す
るための構成品として、本実施の形態の魚釣用電動リー
ルには、その一例として、逆転防止機構のラチェット6
0にクラッチ復帰用ピン60bが設けられている。
チ復帰用押圧片72dが設けられており、このクラッチ
復帰用押圧片72dを押圧することによって、クラッチ
OFF状態からクラッチON状態に復帰するように構成
されている。このクラッチ復帰用押圧片72dを押圧す
るための構成品として、本実施の形態の魚釣用電動リー
ルには、その一例として、逆転防止機構のラチェット6
0にクラッチ復帰用ピン60bが設けられている。
【0059】この構成によれば、手動ハンドル2を操作
してハンドル軸54を回転すると、このハンドル軸54
の回転と共にラチェット60が回転して、クラッチ復帰
用ピン60bが矢印S方向に回転する(図4参照)。そ
して、クラッチ復帰用ピン60bが、クラッチ復帰用押
圧片72dを押圧することによって、クラッチプレート
72をD2方向にスライドさせる(クラッチON状
態)。このように、ハンドル2の巻取り操作によって
も、クラッチOFF状態からクラッチON状態に復帰さ
せることができるようになっている。
してハンドル軸54を回転すると、このハンドル軸54
の回転と共にラチェット60が回転して、クラッチ復帰
用ピン60bが矢印S方向に回転する(図4参照)。そ
して、クラッチ復帰用ピン60bが、クラッチ復帰用押
圧片72dを押圧することによって、クラッチプレート
72をD2方向にスライドさせる(クラッチON状
態)。このように、ハンドル2の巻取り操作によって
も、クラッチOFF状態からクラッチON状態に復帰さ
せることができるようになっている。
【0060】次に、上記したように構成された魚釣用電
動リールに関し、クラッチOFF状態からクラッチON
状態にする動作について説明する。クラッチOFFから
クラッチONへの切換は、手動でクラッチレバー46を
回動操作してクラッチプレート72を図3に示す状態に
する方法、ハンドル2を巻取り操作してラチェット60
に設けられたピン60b及びクラッチ復帰用押圧片72
dを利用してクラッチプレート72を図3に示す状態に
する方法、そして、モータ10を逆回転(反時計回り)
させることによってクラッチプレート72を図3に示す
状態にする方法が挙げられる。
動リールに関し、クラッチOFF状態からクラッチON
状態にする動作について説明する。クラッチOFFから
クラッチONへの切換は、手動でクラッチレバー46を
回動操作してクラッチプレート72を図3に示す状態に
する方法、ハンドル2を巻取り操作してラチェット60
に設けられたピン60b及びクラッチ復帰用押圧片72
dを利用してクラッチプレート72を図3に示す状態に
する方法、そして、モータ10を逆回転(反時計回り)
させることによってクラッチプレート72を図3に示す
状態にする方法が挙げられる。
【0061】ここで、クラッチレバー46をOFF状態
とした後、モータ10を逆転駆動(反時計回り)させる
ことによってクラッチプレート72を図3に示す状態に
する動作について説明する。なお、モータの逆転駆動が
行なわれるタイミングは、例えば、仕掛けの停止位置を
予めセットしておき、仕掛けの繰出し量がその位置に達
したときに行なうようにしたり、あるいはモータの逆回
転スイッチを設けておき、このスイッチを操作すること
によって行なうことができる。
とした後、モータ10を逆転駆動(反時計回り)させる
ことによってクラッチプレート72を図3に示す状態に
する動作について説明する。なお、モータの逆転駆動が
行なわれるタイミングは、例えば、仕掛けの停止位置を
予めセットしておき、仕掛けの繰出し量がその位置に達
したときに行なうようにしたり、あるいはモータの逆回
転スイッチを設けておき、このスイッチを操作すること
によって行なうことができる。
【0062】クラッチレバー46がON状態(図3,図
5)のとき、モータ10の右駆動軸10bは時計回り方
向のみに回転可能となっている。すなわち、駆動軸10
bが時計回り方向に回転すると、各コロ12bは、保持
器12cに設けられた付勢手段の付勢力に抗してアウタ
ーレース12dのフリー回転領域に位置する。なお、こ
の状態で駆動軸10bが反時計回り方向に回転しようと
しても、その回転はできない状態になっている。すなわ
ち、各コロ12bがアウターレース12dの楔領域に移
動して、ギヤ12e及び中間ギヤ71を介してラック7
2aを上方に押し上げようとするが、前記クラッチレバ
ー46のストッパ46bが当接部76に当接した状態に
あるため、駆動軸10bは反時計回り方向に回転するこ
とはできない。なお、このような一方向クラッチ装置1
2の作用によって、上述したように、ハンドル2の手動
巻取りが可能となっている。
5)のとき、モータ10の右駆動軸10bは時計回り方
向のみに回転可能となっている。すなわち、駆動軸10
bが時計回り方向に回転すると、各コロ12bは、保持
器12cに設けられた付勢手段の付勢力に抗してアウタ
ーレース12dのフリー回転領域に位置する。なお、こ
の状態で駆動軸10bが反時計回り方向に回転しようと
しても、その回転はできない状態になっている。すなわ
ち、各コロ12bがアウターレース12dの楔領域に移
動して、ギヤ12e及び中間ギヤ71を介してラック7
2aを上方に押し上げようとするが、前記クラッチレバ
ー46のストッパ46bが当接部76に当接した状態に
あるため、駆動軸10bは反時計回り方向に回転するこ
とはできない。なお、このような一方向クラッチ装置1
2の作用によって、上述したように、ハンドル2の手動
巻取りが可能となっている。
【0063】クラッチレバー46がOFF状態(図4,
図6)にされると、ラック72aが下方に移動して、中
間ギヤ71を反時計回り、ギヤ12eを時計回りに回転
駆動させる。このとき、一方向クラッチ装置12は、モ
ータの右駆動軸10bと共に一体的に時計回り方向に回
転する。
図6)にされると、ラック72aが下方に移動して、中
間ギヤ71を反時計回り、ギヤ12eを時計回りに回転
駆動させる。このとき、一方向クラッチ装置12は、モ
ータの右駆動軸10bと共に一体的に時計回り方向に回
転する。
【0064】そして、この状態でモータ10が逆転駆動
されると、各コロ12bが反時計回り方向に移動して、
アウターレース12dの楔領域に係合し、ギヤ12eを
反時計回りに回転させ、中間ギヤ71を時計回りに回転
させる。これにより、中間ギヤ71に噛合しているラッ
ク72aはD2方向に移動され、クラッチプレート72
を図3に示す位置に押し上げる。このクラッチプレート
72の移動に伴い、これと係合しているクラッチレバー
46は時計回り方向に回動するが、クラッチレバー46
には、当接部76に当接するストッパ46bが設けられ
ているため、その回動は、図3に示す位置で停止され
る。これにより、モータの逆転駆動によるクラッチON
状態への自動復帰がなされる。
されると、各コロ12bが反時計回り方向に移動して、
アウターレース12dの楔領域に係合し、ギヤ12eを
反時計回りに回転させ、中間ギヤ71を時計回りに回転
させる。これにより、中間ギヤ71に噛合しているラッ
ク72aはD2方向に移動され、クラッチプレート72
を図3に示す位置に押し上げる。このクラッチプレート
72の移動に伴い、これと係合しているクラッチレバー
46は時計回り方向に回動するが、クラッチレバー46
には、当接部76に当接するストッパ46bが設けられ
ているため、その回動は、図3に示す位置で停止され
る。これにより、モータの逆転駆動によるクラッチON
状態への自動復帰がなされる。
【0065】なお、この場合、モータの逆転駆動の停止
は、例えば以下のようにして行なうことができる。モー
タ10を逆転駆動させるための電流値の出力状態を監視
し、この電流値が所定値を越えた場合、すなわちストッ
パ46bが当接部76に当接してモータ10の逆転駆動
が停止することによる過剰電流が検出された場合、その
電流出力を停止してモータ10の駆動を停止する。ある
いは、クラッチプレート72が図3に示す位置に復帰し
たことを検出するセンサを設けておき、このセンサがク
ラッチプレート72を検出したときに、モータ10への
電流出力を停止するようにしても良い。
は、例えば以下のようにして行なうことができる。モー
タ10を逆転駆動させるための電流値の出力状態を監視
し、この電流値が所定値を越えた場合、すなわちストッ
パ46bが当接部76に当接してモータ10の逆転駆動
が停止することによる過剰電流が検出された場合、その
電流出力を停止してモータ10の駆動を停止する。ある
いは、クラッチプレート72が図3に示す位置に復帰し
たことを検出するセンサを設けておき、このセンサがク
ラッチプレート72を検出したときに、モータ10への
電流出力を停止するようにしても良い。
【0066】そして、この状態で魚の当たりを待ち、魚
が当たった場合、手動ハンドル2を回転操作するか、又
は、モータ10を正回転方向に回転制御することによっ
て釣糸をスプール8に均一に巻き取ることができる。
が当たった場合、手動ハンドル2を回転操作するか、又
は、モータ10を正回転方向に回転制御することによっ
て釣糸をスプール8に均一に巻き取ることができる。
【0067】以上のように、本実施の形態によれば、従
来技術のようにクラッチ復帰用アクチュエータ等を別途
増設すること無く、モータ10の逆回転運動を利用する
ことによってクラッチON状態に自動復帰させることが
できるため、リールの構成が簡略化されて部品点数も少
なくて済み、軽量且つコンパクトで低価格な魚釣用電動
リールを提供することができる。特に、クラッチ機構を
復帰させるためのクラッチ復帰機構70は、一方向クラ
ッチ装置12に設けられたギヤ12e、中間ギヤ71、
クラッチプレート72に形成したラック72aで構成さ
れており、その部材の部品点数が非常に少なく、かつ構
成もシンプルなので、リール本体への組み込みが容易と
なり、かつ故障の発生を極力抑えることができる。ま
た、このような構成に伴い、耐久性の向上、製造コスト
の低減、メンテナンス性の向上等が図れるようになる。
来技術のようにクラッチ復帰用アクチュエータ等を別途
増設すること無く、モータ10の逆回転運動を利用する
ことによってクラッチON状態に自動復帰させることが
できるため、リールの構成が簡略化されて部品点数も少
なくて済み、軽量且つコンパクトで低価格な魚釣用電動
リールを提供することができる。特に、クラッチ機構を
復帰させるためのクラッチ復帰機構70は、一方向クラ
ッチ装置12に設けられたギヤ12e、中間ギヤ71、
クラッチプレート72に形成したラック72aで構成さ
れており、その部材の部品点数が非常に少なく、かつ構
成もシンプルなので、リール本体への組み込みが容易と
なり、かつ故障の発生を極力抑えることができる。ま
た、このような構成に伴い、耐久性の向上、製造コスト
の低減、メンテナンス性の向上等が図れるようになる。
【0068】そして、更には、クラッチOFF状態(ス
プールフリー回転可能状態)において、モータ10を正
回転駆動させることによって、釣糸繰出時のスプール8
に加わる各種の減速機構等の回転抵抗を軽減させて釣糸
繰出動作を円滑且つ軽快に行うといった近年注目されて
いる糸送り制御法を適用することができる。
プールフリー回転可能状態)において、モータ10を正
回転駆動させることによって、釣糸繰出時のスプール8
に加わる各種の減速機構等の回転抵抗を軽減させて釣糸
繰出動作を円滑且つ軽快に行うといった近年注目されて
いる糸送り制御法を適用することができる。
【0069】次に、本発明の第2の実施形態に係る魚釣
用電動リールについて、図7〜図10を参照して説明す
る。なお、この魚釣用電動リールにおいて、上記第1の
実施の形態と同一の構成には、同一符号を付すこととす
る。
用電動リールについて、図7〜図10を参照して説明す
る。なお、この魚釣用電動リールにおいて、上記第1の
実施の形態と同一の構成には、同一符号を付すこととす
る。
【0070】この実施の形態は、モータをスプールの内
部に収容した構成となっており、このようなタイプの魚
釣用電動リールに、上述したような、モータの逆転駆動
によってクラッチ機構をOFF状態からON状態に切り
換えるクラッチ復帰機構を組み込んでいる。
部に収容した構成となっており、このようなタイプの魚
釣用電動リールに、上述したような、モータの逆転駆動
によってクラッチ機構をOFF状態からON状態に切り
換えるクラッチ復帰機構を組み込んでいる。
【0071】本実施の形態において、モータ10は、ス
プール8内に同軸上に配置されている。モータ10の左
駆動軸10aには、一方向クラッチ100(以下、第1
の一方向クラッチと言う)が連結されており、右駆動軸
10bには、一方向クラッチ130(以下、第2の一方
向クラッチと言う)を介して減速機構140が連結され
ている。
プール8内に同軸上に配置されている。モータ10の左
駆動軸10aには、一方向クラッチ100(以下、第1
の一方向クラッチと言う)が連結されており、右駆動軸
10bには、一方向クラッチ130(以下、第2の一方
向クラッチと言う)を介して減速機構140が連結され
ている。
【0072】第1の一方向クラッチ100は、モータ1
0が、右側板側から見て時計回りに回転(正転駆動)し
たとき、フリー回転状態となり、左駆動軸10aの駆動
力を後述するクラッチ復帰機構側に伝達させず、モータ
10が反時計回りに回転(逆転駆動)したとき、駆動力
伝達状態となり、左駆動軸10aの駆動力をクラッチ復
帰機構側に伝達させるようになっている。
0が、右側板側から見て時計回りに回転(正転駆動)し
たとき、フリー回転状態となり、左駆動軸10aの駆動
力を後述するクラッチ復帰機構側に伝達させず、モータ
10が反時計回りに回転(逆転駆動)したとき、駆動力
伝達状態となり、左駆動軸10aの駆動力をクラッチ復
帰機構側に伝達させるようになっている。
【0073】第2の一方向クラッチ130は、モータ1
0が正転駆動したとき、駆動力伝達状態となり、右駆動
軸10bの駆動力を減速機構140に伝達させるように
なっており、一方、モータ10が逆転駆動したとき、フ
リー回転状態となり、右駆動軸10bの駆動力を減速機
構140に伝達させないようになっている。
0が正転駆動したとき、駆動力伝達状態となり、右駆動
軸10bの駆動力を減速機構140に伝達させるように
なっており、一方、モータ10が逆転駆動したとき、フ
リー回転状態となり、右駆動軸10bの駆動力を減速機
構140に伝達させないようになっている。
【0074】また、第2の一方向クラッチ130と右側
板4bとの間には、モータ10の左右駆動軸10a,1
0bと同軸上に連動軸145が回転不能に支持されてお
り、この連動軸145には、第3の一方向クラッチ14
7が取り付けられている。この第3の一方向クラッチ1
47は、手動ハンドル2を回転操作してスプール8を釣
糸巻取方向に回転させる際、そのアウターレース(太陽
歯車155)の回転を規制(停止)させるようになって
いる。
板4bとの間には、モータ10の左右駆動軸10a,1
0bと同軸上に連動軸145が回転不能に支持されてお
り、この連動軸145には、第3の一方向クラッチ14
7が取り付けられている。この第3の一方向クラッチ1
47は、手動ハンドル2を回転操作してスプール8を釣
糸巻取方向に回転させる際、そのアウターレース(太陽
歯車155)の回転を規制(停止)させるようになって
いる。
【0075】本実施の形態において、減速機構140
は、第1及び第2の遊星ギヤ機構141,142から成
り、モータ10の正転駆動時に第2の一方向クラッチ1
30の回転運動を第1の遊星ギヤ機構141で減速させ
た後、更に、第2の遊星ギヤ機構142で減速させてス
プール8に伝達するように構成されている。
は、第1及び第2の遊星ギヤ機構141,142から成
り、モータ10の正転駆動時に第2の一方向クラッチ1
30の回転運動を第1の遊星ギヤ機構141で減速させ
た後、更に、第2の遊星ギヤ機構142で減速させてス
プール8に伝達するように構成されている。
【0076】図10に示すように、第1の遊星ギヤ機構
141は、第2の一方向クラッチ130のアウターレー
スと一体化され連動軸145に回転可能に支持された第
1の太陽歯車150と、この第1の太陽歯車150に噛
合した複数の第1の遊星歯車151と、これら第1の遊
星歯車151が常時噛合するようにスプール8の端面に
刻設された内歯歯車152とを備えている。
141は、第2の一方向クラッチ130のアウターレー
スと一体化され連動軸145に回転可能に支持された第
1の太陽歯車150と、この第1の太陽歯車150に噛
合した複数の第1の遊星歯車151と、これら第1の遊
星歯車151が常時噛合するようにスプール8の端面に
刻設された内歯歯車152とを備えている。
【0077】また、第2の遊星ギヤ機構142は、第3
の一方向クラッチ147のアウターレースと一体化され
た第2の太陽歯車155と、この第2の太陽歯車155
に噛合した複数の第2の遊星歯車157とを備えてお
り、複数の第2の遊星歯車157は、上記の内歯歯車1
52に常時噛合するようになっている。
の一方向クラッチ147のアウターレースと一体化され
た第2の太陽歯車155と、この第2の太陽歯車155
に噛合した複数の第2の遊星歯車157とを備えてお
り、複数の第2の遊星歯車157は、上記の内歯歯車1
52に常時噛合するようになっている。
【0078】前記複数の第1の遊星歯車151は、夫々
第1のキャリア160に支持されており、この第1のキ
ャリア160は、第2の太陽歯車155と一体回転する
よう連結されている。また、複数の第2の遊星歯車15
7は、夫々第2のキャリア162に支持されており、こ
の第2のキャリア162は、スプール8に取り付けられ
たブラケット164に回転可能に保持されている。な
お、ブラケット164は軸受165を介して右フレーム
4bに回転可能に支持されている。
第1のキャリア160に支持されており、この第1のキ
ャリア160は、第2の太陽歯車155と一体回転する
よう連結されている。また、複数の第2の遊星歯車15
7は、夫々第2のキャリア162に支持されており、こ
の第2のキャリア162は、スプール8に取り付けられ
たブラケット164に回転可能に保持されている。な
お、ブラケット164は軸受165を介して右フレーム
4bに回転可能に支持されている。
【0079】また、スプール8をフリー回転状態と釣糸
巻取り状態に切換可能なクラッチ機構は、上記の実施形
態と同様、連動軸145に沿ってスライド可能なピニオ
ン48を備えており、上述の減速機構142(第2のキ
ャリア162)に対して係合又は非係合させることがで
きるようになっている。
巻取り状態に切換可能なクラッチ機構は、上記の実施形
態と同様、連動軸145に沿ってスライド可能なピニオ
ン48を備えており、上述の減速機構142(第2のキ
ャリア162)に対して係合又は非係合させることがで
きるようになっている。
【0080】ピニオン48には、その外周面に円周溝4
8aが形成されており、この円周溝48aには、クラッ
チレバー46のON/OFF切換操作によって、ピニオ
ン48を連動軸145に沿ってスライドさせることが可
能なスライド片52が係合している。このスライド片5
2は、上記の実施形態と同様、ON/OFF操作される
クラッチレバー46と連結されたクラッチプレート72
の摺動によって軸方向に移動される。クラッチプレート
72は、矢印D1,D2方向に摺動自在にフレームに支
持されており、その表面には、上記スライド片52と係
合する傾斜カム72bが形成されている。また、クラッ
チプレート72の端部には、長孔72cが形成されてお
り、この長孔72cには、クラッチレバー46の操作と
共に回動するボス46aが係合している。この結果、ク
ラッチプレート72は、クラッチレバー46の回動操作
と共に、矢印D1,D2方向に摺動する。
8aが形成されており、この円周溝48aには、クラッ
チレバー46のON/OFF切換操作によって、ピニオ
ン48を連動軸145に沿ってスライドさせることが可
能なスライド片52が係合している。このスライド片5
2は、上記の実施形態と同様、ON/OFF操作される
クラッチレバー46と連結されたクラッチプレート72
の摺動によって軸方向に移動される。クラッチプレート
72は、矢印D1,D2方向に摺動自在にフレームに支
持されており、その表面には、上記スライド片52と係
合する傾斜カム72bが形成されている。また、クラッ
チプレート72の端部には、長孔72cが形成されてお
り、この長孔72cには、クラッチレバー46の操作と
共に回動するボス46aが係合している。この結果、ク
ラッチプレート72は、クラッチレバー46の回動操作
と共に、矢印D1,D2方向に摺動する。
【0081】前記クラッチレバー46には、フレームと
の間で振り分けバネ74が取り付けられており、クラッ
チON状態とクラッチOFF状態を振り分けるようにし
ている。クラッチプレート72のOFF状態からクラッ
チON状態への復帰は、手動でクラッチレバー46の操
作、手動ハンドル2の回転操作(ラチェット60の矢印
S方向の回転によるクラッチプレート72の押圧)、お
よび、以下に述べるクラッチ復帰機構によって行なわれ
る。
の間で振り分けバネ74が取り付けられており、クラッ
チON状態とクラッチOFF状態を振り分けるようにし
ている。クラッチプレート72のOFF状態からクラッ
チON状態への復帰は、手動でクラッチレバー46の操
作、手動ハンドル2の回転操作(ラチェット60の矢印
S方向の回転によるクラッチプレート72の押圧)、お
よび、以下に述べるクラッチ復帰機構によって行なわれ
る。
【0082】クラッチ復帰機構は、モータ10を逆転駆
動した際に、クラッチプレート72を矢印D2方向に押
し上げるよう構成されている。すなわち、モータ10の
左駆動軸10aに連結された前記第1の一方向クラッチ
100からの出力(モータ10が逆転駆動したときの出
力)を利用して、クラッチプレート72をスライドさ
せ、ピニオン48を減速機構142のキャリア162に
対して係合又は非係合させることができるように構成さ
れている。
動した際に、クラッチプレート72を矢印D2方向に押
し上げるよう構成されている。すなわち、モータ10の
左駆動軸10aに連結された前記第1の一方向クラッチ
100からの出力(モータ10が逆転駆動したときの出
力)を利用して、クラッチプレート72をスライドさ
せ、ピニオン48を減速機構142のキャリア162に
対して係合又は非係合させることができるように構成さ
れている。
【0083】前記第1の一方向クラッチ100は、モー
タ10の逆転駆動時の駆動力を伝達するよう、そのアウ
ターレースと一体化された駆動力伝達軸170を備えて
おり、この駆動力伝達軸170には、その回転運動を減
速して(後述するギヤ200の回転運動量を制限すると
共に、十分なトルクが得られるように)クラッチ機構側
に伝達するフロント側及びリア側の遊星ギヤ機構が設け
られている。
タ10の逆転駆動時の駆動力を伝達するよう、そのアウ
ターレースと一体化された駆動力伝達軸170を備えて
おり、この駆動力伝達軸170には、その回転運動を減
速して(後述するギヤ200の回転運動量を制限すると
共に、十分なトルクが得られるように)クラッチ機構側
に伝達するフロント側及びリア側の遊星ギヤ機構が設け
られている。
【0084】フロント側の遊星ギヤ機構は、駆動力伝達
軸170に回り止めされた第1の太陽歯車172と、こ
の第1の遊星歯車172に噛合した複数の第1の遊星歯
車174と、これら第1の太陽歯車174が常時噛合す
る内歯歯車176とを備えており、この内歯歯車176
はフレーム178に固定されている。
軸170に回り止めされた第1の太陽歯車172と、こ
の第1の遊星歯車172に噛合した複数の第1の遊星歯
車174と、これら第1の太陽歯車174が常時噛合す
る内歯歯車176とを備えており、この内歯歯車176
はフレーム178に固定されている。
【0085】リア側の遊星ギヤ機構は、駆動力伝達軸1
70に対してフリー回転可能に支持された第2の太陽歯
車180と、この第2の太陽歯車180に噛合した複数
の第2の遊星歯車182とを備えており、複数の第2の
遊星歯車182は、上記の内歯歯車176に常時噛合す
るようになっている。
70に対してフリー回転可能に支持された第2の太陽歯
車180と、この第2の太陽歯車180に噛合した複数
の第2の遊星歯車182とを備えており、複数の第2の
遊星歯車182は、上記の内歯歯車176に常時噛合す
るようになっている。
【0086】複数の第1の遊星歯車174は、夫々第1
のキャリア184に回転自在に支持されており、この第
1のキャリア184は、第2の太陽歯車180と一体回
転可能に連結されている。また、複数の第2の遊星歯車
182は、夫々第2のキャリア186に回転自在に支持
されており、この第2のキャリア186は、駆動力伝達
軸170に回転可能に支持されたギヤ190に連結され
ている。
のキャリア184に回転自在に支持されており、この第
1のキャリア184は、第2の太陽歯車180と一体回
転可能に連結されている。また、複数の第2の遊星歯車
182は、夫々第2のキャリア186に回転自在に支持
されており、この第2のキャリア186は、駆動力伝達
軸170に回転可能に支持されたギヤ190に連結され
ている。
【0087】ギヤ190は、連動ギヤ192,193,
194を介してクラッチ連動軸196に連結されてい
る。クラッチ連動軸196は、左側板4aから右側板4
b間に軸受を介して回転可能に支持されており、このク
ラッチ連動軸196の延出端部(右側板側の端部)に
は、ギヤ200が取り付けられている。そして、このギ
ヤ200は、上述したクラッチプレート72の端部に形
成されたラック72aに連結されている。
194を介してクラッチ連動軸196に連結されてい
る。クラッチ連動軸196は、左側板4aから右側板4
b間に軸受を介して回転可能に支持されており、このク
ラッチ連動軸196の延出端部(右側板側の端部)に
は、ギヤ200が取り付けられている。そして、このギ
ヤ200は、上述したクラッチプレート72の端部に形
成されたラック72aに連結されている。
【0088】次に、上記したように構成された魚釣用電
動リールの実釣時における動作を説明する。図9に示す
ON状態にあるクラッチレバー46を、OFF状態に手
動操作すると、クラッチプレート72がD1方向に摺動
する。これに伴い、スライド片52は、傾斜カム72b
によって、スライド片52を付勢している付勢手段(図
示せず)に抗して持ち上げられ、ピニオンギヤ48がキ
ャリヤ162に対して非係合状態となる。これにより、
スプール8はフリー回転可能状態に維持され、この状態
において、釣糸は仕掛けの自由落下によってスプール8
から繰り出される。
動リールの実釣時における動作を説明する。図9に示す
ON状態にあるクラッチレバー46を、OFF状態に手
動操作すると、クラッチプレート72がD1方向に摺動
する。これに伴い、スライド片52は、傾斜カム72b
によって、スライド片52を付勢している付勢手段(図
示せず)に抗して持ち上げられ、ピニオンギヤ48がキ
ャリヤ162に対して非係合状態となる。これにより、
スプール8はフリー回転可能状態に維持され、この状態
において、釣糸は仕掛けの自由落下によってスプール8
から繰り出される。
【0089】クラッチOFFからクラッチONへの切換
は、手動でクラッチレバー46を回動操作してクラッチ
プレート72をD1方向に移動させる方法、ハンドル2
を巻取り操作してラチェット60を利用してクラッチプ
レート72をD1方向に移動させる方法、そして、モー
タ10を逆回転(反時計回り)させることによってクラ
ッチプレート72をD1方向に移動させる方法が挙げら
れる。
は、手動でクラッチレバー46を回動操作してクラッチ
プレート72をD1方向に移動させる方法、ハンドル2
を巻取り操作してラチェット60を利用してクラッチプ
レート72をD1方向に移動させる方法、そして、モー
タ10を逆回転(反時計回り)させることによってクラ
ッチプレート72をD1方向に移動させる方法が挙げら
れる。
【0090】ここで、クラッチレバー46をOFF状態
とした後、モータ10を逆転駆動(反時計回り)させる
ことによってクラッチプレート72をON状態にする動
作について説明する。なお、モータの逆転駆動は、例え
ば、仕掛けの停止位置を予めセットしておき、仕掛けの
繰出し量がその位置に達したときに行なうようにした
り、あるいはモータの逆回転スイッチを設けておき、こ
のスイッチを操作することによって行なうことができ
る。
とした後、モータ10を逆転駆動(反時計回り)させる
ことによってクラッチプレート72をON状態にする動
作について説明する。なお、モータの逆転駆動は、例え
ば、仕掛けの停止位置を予めセットしておき、仕掛けの
繰出し量がその位置に達したときに行なうようにした
り、あるいはモータの逆回転スイッチを設けておき、こ
のスイッチを操作することによって行なうことができ
る。
【0091】クラッチレバー46がOFF状態のとき、
図9に示すクラッチプレート72はD1方向に移動して
おり、ギヤ200は、ラック72aの上方位置と噛合し
ている。そして、この状態でモータ10が逆転駆動され
ると、第1の一方向クラッチ100から出力される左駆
動軸10aの駆動力は、上記併設された2つの遊星歯車
機構によって減速され、ギヤ190に出力される。この
とき、ギヤ190は減速した状態で反時計回りに回転駆
動され、この回転駆動は、連動ギヤ192〜194に伝
達されてクラッチ連動軸196を時計回りに回転させ
る。
図9に示すクラッチプレート72はD1方向に移動して
おり、ギヤ200は、ラック72aの上方位置と噛合し
ている。そして、この状態でモータ10が逆転駆動され
ると、第1の一方向クラッチ100から出力される左駆
動軸10aの駆動力は、上記併設された2つの遊星歯車
機構によって減速され、ギヤ190に出力される。この
とき、ギヤ190は減速した状態で反時計回りに回転駆
動され、この回転駆動は、連動ギヤ192〜194に伝
達されてクラッチ連動軸196を時計回りに回転させ
る。
【0092】そして、クラッチ連動軸196が回転する
と、この回転運動と共にギヤ200が時計回りに回転
し、その回転に伴ってラック72aを有するクラッチプ
レート72は、D2方向に摺動される。クラッチプレー
トの摺動により、傾斜カム72bに係合しているスライ
ド片52がスライドし、この結果、ピニオン48は連動
軸145に沿って減速機構142(第2のキャリア16
2)に対して係合し、クラッチON状態となる。
と、この回転運動と共にギヤ200が時計回りに回転
し、その回転に伴ってラック72aを有するクラッチプ
レート72は、D2方向に摺動される。クラッチプレー
トの摺動により、傾斜カム72bに係合しているスライ
ド片52がスライドし、この結果、ピニオン48は連動
軸145に沿って減速機構142(第2のキャリア16
2)に対して係合し、クラッチON状態となる。
【0093】なお、クラッチプレート72のクラッチレ
バー側端部には、ストッパ72fが形成されており、図
9に示すクラッチON状態から、これ以上クラッチレバ
ー46が時計回りに回動しないように、フレームに形成
された当接部76に当接するようになっている。また、
モータ10の逆転駆動の停止については、上記の実施形
態と同様、モータ10を逆転駆動させるための電流値の
出力状態を監視し、この電流値が所定値を越えた場合に
電流出力を停止したり、クラッチプレート72が図9に
示す位置に復帰したことを検出するセンサを設けてお
き、このセンサがクラッチプレート72を検出したとき
に、モータ10への電流出力を停止するようにすれば良
い。
バー側端部には、ストッパ72fが形成されており、図
9に示すクラッチON状態から、これ以上クラッチレバ
ー46が時計回りに回動しないように、フレームに形成
された当接部76に当接するようになっている。また、
モータ10の逆転駆動の停止については、上記の実施形
態と同様、モータ10を逆転駆動させるための電流値の
出力状態を監視し、この電流値が所定値を越えた場合に
電流出力を停止したり、クラッチプレート72が図9に
示す位置に復帰したことを検出するセンサを設けてお
き、このセンサがクラッチプレート72を検出したとき
に、モータ10への電流出力を停止するようにすれば良
い。
【0094】そして、この状態で魚の当たりを待ち、魚
が当たった場合、手動ハンドル2を回転操作するか、又
は、モータ10を正転駆動させることによって釣糸をス
プール8に均一に巻き取ることができる。
が当たった場合、手動ハンドル2を回転操作するか、又
は、モータ10を正転駆動させることによって釣糸をス
プール8に均一に巻き取ることができる。
【0095】手動ハンドル2を回転操作すると、ピニオ
ン48およびこれに嵌合されたキャリヤ162が反時計
回りに回転駆動される。このとき、遊星歯車157は反
時計回りに自転すると共に公転し、内歯歯車152を反
時計回りに増速した状態で回転駆動する。これにより、
スプール8は、釣糸巻取り方向に回転駆動される。な
お、内歯歯車152の反時計回りの回転駆動により、第
1太陽歯車150は時計回りに回転しようとするが、そ
の回転駆動は、第2の一方向クラッチ130によって規
制され、モータ10の右駆動軸10bに作用することは
ない。
ン48およびこれに嵌合されたキャリヤ162が反時計
回りに回転駆動される。このとき、遊星歯車157は反
時計回りに自転すると共に公転し、内歯歯車152を反
時計回りに増速した状態で回転駆動する。これにより、
スプール8は、釣糸巻取り方向に回転駆動される。な
お、内歯歯車152の反時計回りの回転駆動により、第
1太陽歯車150は時計回りに回転しようとするが、そ
の回転駆動は、第2の一方向クラッチ130によって規
制され、モータ10の右駆動軸10bに作用することは
ない。
【0096】また、手動ハンドルによらず、モータ10
を正転駆動(時計回り)させると、第1太陽歯車150
は時計回りに回転駆動される。この回転駆動により、遊
星歯車151は、反時計回りに回転すると共に時計回り
に公転する。これにより、第2太陽歯車155は時計回
りに回転し、その回転駆動力は、固定状態にある遊星歯
車157を介して減速されて内歯歯車152に出力され
る。すなわち、モータ10の正転駆動力は、減速された
状態でスプール8に出力される。
を正転駆動(時計回り)させると、第1太陽歯車150
は時計回りに回転駆動される。この回転駆動により、遊
星歯車151は、反時計回りに回転すると共に時計回り
に公転する。これにより、第2太陽歯車155は時計回
りに回転し、その回転駆動力は、固定状態にある遊星歯
車157を介して減速されて内歯歯車152に出力され
る。すなわち、モータ10の正転駆動力は、減速された
状態でスプール8に出力される。
【0097】なお、上述した構成において、仕掛けを投
下する場合、糸送り機構を始動させるのであれば、例え
ば仕掛けの自由落下によってスプール8から釣糸が繰り
出されて、スプール8が所定の回転速度に達したとき
に、モータ10を正転駆動させれば良い。すなわち、通
常の仕掛けの投下時では、スプール8が時計回りに回転
することによって、スプール8には、内歯歯車152に
噛合し自転する遊星歯車等からのギヤ抵抗により負荷が
作用する。このため、モータ10を正転駆動させる(第
1太陽歯車150を正回転させる)ことによって、各遊
星歯車を自転させることなく時計回りに公転させること
でギヤ抵抗を無くし、スプール8を円滑且つ軽快に回転
させることが可能となる。この結果、釣糸は、バックラ
ッシュを生じることなく、円滑且つ軽快に繰り出され
る。
下する場合、糸送り機構を始動させるのであれば、例え
ば仕掛けの自由落下によってスプール8から釣糸が繰り
出されて、スプール8が所定の回転速度に達したとき
に、モータ10を正転駆動させれば良い。すなわち、通
常の仕掛けの投下時では、スプール8が時計回りに回転
することによって、スプール8には、内歯歯車152に
噛合し自転する遊星歯車等からのギヤ抵抗により負荷が
作用する。このため、モータ10を正転駆動させる(第
1太陽歯車150を正回転させる)ことによって、各遊
星歯車を自転させることなく時計回りに公転させること
でギヤ抵抗を無くし、スプール8を円滑且つ軽快に回転
させることが可能となる。この結果、釣糸は、バックラ
ッシュを生じることなく、円滑且つ軽快に繰り出され
る。
【0098】以上のように、本実施の形態においても、
モータ10の逆回転運動を利用することによってクラッ
チON状態に自動復帰させることができるため、リール
の構成が簡略化されて部品点数も少なくて済み、軽量且
つコンパクトで低価格な魚釣用電動リールを提供するこ
とができる。特に、クラッチ機構を復帰させるためのク
ラッチ復帰機構は、ギヤを用いた駆動力伝達機構で構成
したため、部品点数が非常に少なく、かつ構成もシンプ
ルとなり、リール本体への組み込みが容易となり、かつ
故障の発生を極力抑えることができる。また、このよう
な構成に伴い、耐久性の向上、製造コストの低減、メン
テナンス性の向上等が図れる。
モータ10の逆回転運動を利用することによってクラッ
チON状態に自動復帰させることができるため、リール
の構成が簡略化されて部品点数も少なくて済み、軽量且
つコンパクトで低価格な魚釣用電動リールを提供するこ
とができる。特に、クラッチ機構を復帰させるためのク
ラッチ復帰機構は、ギヤを用いた駆動力伝達機構で構成
したため、部品点数が非常に少なく、かつ構成もシンプ
ルとなり、リール本体への組み込みが容易となり、かつ
故障の発生を極力抑えることができる。また、このよう
な構成に伴い、耐久性の向上、製造コストの低減、メン
テナンス性の向上等が図れる。
【0099】そして、更には、クラッチOFF状態(ス
プールフリー回転可能状態)において、モータ10を正
転駆動させることによって、釣糸繰出時のスプール8に
加わる各種の減速機構等の回転抵抗を軽減させて釣糸繰
出動作を円滑且つ軽快に行うといった近年注目されてい
る糸送り制御法を適用することが可能となる。
プールフリー回転可能状態)において、モータ10を正
転駆動させることによって、釣糸繰出時のスプール8に
加わる各種の減速機構等の回転抵抗を軽減させて釣糸繰
出動作を円滑且つ軽快に行うといった近年注目されてい
る糸送り制御法を適用することが可能となる。
【0100】なお、モータ10を逆転駆動した際、その
回転駆動力をクラッチプレートのスライド運動に変換す
るのに用いられる駆動力伝達機構は、上述した実施の形
態に限定されることはなく、各種形態の歯車列として実
施することがができる。
回転駆動力をクラッチプレートのスライド運動に変換す
るのに用いられる駆動力伝達機構は、上述した実施の形
態に限定されることはなく、各種形態の歯車列として実
施することがができる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、一方向クラッチ装置の
ON/OFF操作に連動してスプール駆動モータを正逆
回転方向に回転制御することによって、スプールをフリ
ー回転可能状態から釣糸巻取可能状態に自動復帰させる
ことが可能な軽量且つコンパクトで低価格な魚釣用電動
リールを提供することができる。また、クラッチ復帰の
ための部品点数が少なく構成も簡略化されるため、リー
ル本体への組み込みが容易となり、故障の発生を極力抑
えることができる。
ON/OFF操作に連動してスプール駆動モータを正逆
回転方向に回転制御することによって、スプールをフリ
ー回転可能状態から釣糸巻取可能状態に自動復帰させる
ことが可能な軽量且つコンパクトで低価格な魚釣用電動
リールを提供することができる。また、クラッチ復帰の
ための部品点数が少なく構成も簡略化されるため、リー
ル本体への組み込みが容易となり、故障の発生を極力抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る魚釣用電動リ
ールの構成を示した平面図。
ールの構成を示した平面図。
【図2】第1の実施の形態に適用した一方向クラッチ装
置の構成を示す断面図。
置の構成を示す断面図。
【図3】クラッチ機構およびクラッチ復帰機構を右側板
側から見た図であり、クラッチレバーのON状態を示す
図。
側から見た図であり、クラッチレバーのON状態を示す
図。
【図4】クラッチ機構およびクラッチ復帰機構を右側板
側から見た図であり、クラッチレバーのOFF状態を示
す図。
側から見た図であり、クラッチレバーのOFF状態を示
す図。
【図5】図3に示したクラッチ復帰機構を拡大して示す
図。
図。
【図6】図4に示したクラッチ復帰機構を拡大して示す
図。
図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る魚釣用電動リ
ールの構成しており、後方側から見た断面図。
ールの構成しており、後方側から見た断面図。
【図8】クラッチ機構およびクラッチ復帰機構を右側板
側から見た図。
側から見た図。
【図9】図8に示すクラッチ機構およびクラッチ復帰機
構の拡大図。
構の拡大図。
【図10】減速機構の部分を拡大して示す図。
2 手動ハンドル 6 スプール軸 8 スプール 10 モータ 12 一方向クラッチ装置 46 クラッチレバー 46b ストッパ 70 クラッチ復帰機構 72 クラッチプレート 76 当接部 100 一方向クラッチ
Claims (3)
- 【請求項1】 リール本体の両側板間に回転自在に支持
されたスプールと、このスプールを回転駆動させるモー
タと、このモータの回転運動を減速してスプールに伝達
する減速機構と、前記スプールをフリー回転可能状態と
釣糸巻取可能状態に切換可能なクラッチ機構と、前記モ
ータの駆動軸の逆転を阻止する一方向クラッチ装置とを
備えた魚釣用電動リールであって、 前記一方向クラッチ装置を前記リール本体に対して回転
可能となるべく支持し、前記クラッチ機構の釣糸放出状
態時における、前記モータの逆転に連動して前記一方向
クラッチ装置をモータの逆転方向に回転させることでク
ラッチ機構を釣糸巻取り状態に復帰可能としたことを特
徴とする魚釣用電動リール。 - 【請求項2】 前記一方向クラッチ装置の外周に歯車を
一体的に取り付けると共に、前記クラッチ機構のクラッ
チ板と前記歯車とを直接、又は歯車列を介して噛合結合
させてクラッチ復帰を可能にすることを特徴とする請求
項1に記載の魚釣用電動リール。 - 【請求項3】 リール本体の両側板間に回転自在に支持
されたスプールと、このスプールを回転駆動させるモー
タと、このモータの回転運動を減速してスプールに伝達
する減速機構と、前記スプールをフリー回転可能状態と
釣糸巻取可能状態に切換可能なクラッチ機構と、前記モ
ータの正転方向の回転駆動を規制し、かつ逆転方向の回
転駆動を伝達する一方向クラッチとを備えた魚釣用電動
リールであって、 前記一方向クラッチは、歯車を有する駆動力伝達機構を
介して前記クラッチ機構と連結されており、前記モータ
が逆転方向に回転駆動された際、前記クラッチ機構は、
前記駆動力伝達機構を介して前記スプールのフリー回転
可能状態から釣糸巻取可能状態に切換えられることを特
徴とする魚釣用電動リール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33642599A JP2001148977A (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | 魚釣用電動リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33642599A JP2001148977A (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | 魚釣用電動リール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001148977A true JP2001148977A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18299007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33642599A Pending JP2001148977A (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | 魚釣用電動リール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001148977A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005058029A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Shimano Inc | 電動リール |
CN109879124A (zh) * | 2019-04-24 | 2019-06-14 | 深圳市嗨兴科技有限公司 | 一种线材收纳结构及方法 |
JP2021193909A (ja) * | 2020-06-11 | 2021-12-27 | グローブライド株式会社 | 魚釣用電動リール |
-
1999
- 1999-11-26 JP JP33642599A patent/JP2001148977A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005058029A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Shimano Inc | 電動リール |
JP4522063B2 (ja) * | 2003-08-08 | 2010-08-11 | 株式会社シマノ | 電動リール |
CN109879124A (zh) * | 2019-04-24 | 2019-06-14 | 深圳市嗨兴科技有限公司 | 一种线材收纳结构及方法 |
JP2021193909A (ja) * | 2020-06-11 | 2021-12-27 | グローブライド株式会社 | 魚釣用電動リール |
JP7299195B2 (ja) | 2020-06-11 | 2023-06-27 | グローブライド株式会社 | 魚釣用電動リール |
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