JP2001148371A - 静電吸着装置、及び吸着状態判断方法 - Google Patents

静電吸着装置、及び吸着状態判断方法

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JP2001148371A
JP2001148371A JP33088999A JP33088999A JP2001148371A JP 2001148371 A JP2001148371 A JP 2001148371A JP 33088999 A JP33088999 A JP 33088999A JP 33088999 A JP33088999 A JP 33088999A JP 2001148371 A JP2001148371 A JP 2001148371A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空雰囲気中で処理対象物を吸着する場合の吸
着状態を正確に判断できる技術を提供する。 【解決手段】予め加熱しておいた静電吸着装置30上に
処理対象物12を配置し、吸着する際に、吸着の前後で
静電吸着装置30の温度を測定し、比較する。処理対象
物12が正常に吸着されている場合には、静電吸着装置
30の温度低下が大きく、正常でない場合には、小さい
か全く温度低下がないので、処理対象物12の吸着状態
を判断することができる。処理対象物12の温度を併せ
て測定すると、判断が一層確実になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理対象物を吸着
して温度制御を行う技術にかかり、特に、処理対象物の
吸着状態を判断できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】真空雰囲気中で行われる薄膜形成やエッ
チングには、処理対象の基板の温度を精密に制御する必
要があり、そのため、従来より図7の符号114で示す
ような静電吸着装置が用いられている。
【0003】図7の符号110は真空装置であり、真空
槽111を有している。上述の静電吸着装置114は、
その真空槽111内部の底壁上に配置されている。
【0004】静電吸着装置114は、誘電体材料121
と、該誘電体材料121内に埋め込まれた正負の吸着電
極1221、1222及びヒータ123とで構成されてい
る。各吸着電極1221、1222は、真空槽111外に
配置された電源131に接続されており、それぞれ正電
圧と負電圧が印加されるように構成されている。
【0005】また、この真空装置110はエッチング装
置であり、真空槽111の天井側に、カソード電極12
3が配置されている。
【0006】この静電吸着装置114上に基板112を
配置し、真空槽111内を真空排気しながら電源131
を起動し、吸着電極1221、1221に正負の電圧を印
加すると、基板112と吸着電極1221、1222の間
にクーロン力が生じると共に、吸着電極1221、12
2間に、基板112を介して微小電流が流れ、ジョン
ソン・ラーベック効果による吸着力が生じる。
【0007】この状態では、クローン力及びジョンソン
・ラーベック効果による吸着力により、基板112の裏
面が静電吸着装置114表面に強く密着される。従っ
て、基板112と静電吸着装置114との間の熱伝導性
が非常に高くなっており、基板112を吸着しながらヒ
ータ123に通電して発熱させると、基板112は真空
槽内でも素早く昇温する。
【0008】次いで、真空槽113に接続されたガス導
入系113からエッチングガスを導入し、カソード電極
に電圧を印加してプラズマを生成し、基板112表面を
エッチングする。
【0009】この場合、基板112が静電吸着装置11
4表面に正常に吸着されていないと、正常にエッチング
することができない。
【0010】そこで、上記真空装置110では、吸着電
極1221、1222と電源131の間に、電流計106
1、1062が挿入されており、基板112の処理中に吸
着電極1221、1222と基板112の間に流れる電流
を測定し、その値から、静電吸着が正常に行われたか否
かを判断していた。
【0011】しかしながら、上記のように、電流を測定
することで基板112の静電吸着の状態を検出しようと
すると、処理温度や基板112の種類が異なると、流れ
る電流の大きさが変わってしまうという問題がある。
【0012】また、ジョンソン・ラーベック力を用い
ず、基板112に微小電流を流さずにクーロン力だけで
吸着する場合には、電流測定では吸着状態が検出できな
いという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、真空雰囲気で基板を静電吸着する際に、基板の
吸着状態を判断できる技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、高
温に加熱された静電吸着装置上に比較的低温の処理対象
物を配置し、静電吸着装置表面に静電吸着すると、静電
吸着装置の熱が処理対象物側に移動し、静電吸着装置の
温度が一時的に低下することを見出した。そして、処理
対象物が正常に吸着された場合と、正常に吸着されなか
った場合とでは、静電吸着装置の温度低下に差があるこ
とが分かった。
【0015】また、処理対象物が正常に吸着された場合
と、正常に吸着されなかった場合とでは、静電吸着後の
処理対象物の昇温速度に差があることが分かった。
【0016】本発明はこれらの知見に基いて創作された
ものであり、請求項1記載の発明は、吸着電極と、ヒー
タとが誘電体内に配置され、前記誘電体上に処理対象物
を配置し、前記吸着電極に電圧を印加すると、前記処理
対象物が前記誘電体上に吸着されるように構成された静
電吸着装置であって、前記誘電体上に配置された処理対
象物の温度と、前記誘電体の温度とを測定する温度測定
装置を有する静電吸着装置である。請求項2記載の発明
は、請求項1記載の静電吸着装置であって、前記誘電体
には貫通孔が設けられ、前記誘電体上に前記処理対象物
を配置すると、前記貫通孔の一方の開口部分に前記処理
対象物表面が露出するように構成され、前記温度測定装
置は、前記処理対象物の前記開口部分に露出する表面か
ら放射された赤外線を検出し、前記処理対象物の温度を
測定するように構成された静電吸着装置である。請求項
3記載の発明は、請求項2記載の静電吸着装置であっ
て、前記貫通孔内に配置された光路体と、該光路体の端
部に設けられ、前記処理対象物表面から放射され、前記
光路体を通過した赤外線を検出する赤外線受光部とを有
する静電吸着装置である。請求項4記載の発明は、請求
項3記載の静電吸着装置であって、前記光路体の前記端
部に設けられ、前記光路体を介して前記処理対象物表面
に赤外線を照射する赤外線放射部を有する静電吸着装置
である。請求項5記載の発明は、真空処理装置であっ
て、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の静電吸
着装置と真空槽とを有し、少なくとも前記静電吸着装置
の前記誘電体が前記真空槽内に配置された真空処理装置
である。請求項6記載の発明は、静電吸着装置上に配置
された処理対象物を静電吸着し、前記処理対象物の温度
制御を行う際に、前記処理対象物が正常に吸着されたか
否かを判断する吸着状態判断方法であって、前記処理対
象物を静電吸着する前の前記静電吸着装置の温度と、静
電吸着直後の前記静電吸着装置の温度とを比較し、その
温度差から前記処理対象物の吸着状態を判断する吸着状
態判断方法である。請求項7記載の発明は、静電吸着装
置上に配置された処理対象物を静電吸着し、前記処理対
象物の温度制御を行う際に、前記処理対象物が正常に吸
着されたか否かを判断する吸着状態判断方法であって、
前記処理対象物を静電吸着した後の処理対象物の温度を
測定し、その昇温速度から前記処理対象物の吸着状態を
判断する吸着状態判断方法である。
【0017】本発明は上記のように構成されており、静
電吸着装置の誘電体内に配置されたヒータに通電し、静
電吸着装置を予め昇温させておき、その表面に処理対象
物を吸着する前後で、誘電体の温度を測定し、誘電体の
温度低下の程度から処理対象物の静電吸着状態を判断す
ることができる。また、誘電体の温度とは別に処理対象
物の温度を測定し、処理対象物の昇温速度や誘電体との
温度差を監視することで、処理対象物の吸着状態や、真
空処理の開始時期を判断することができる。
【0018】処理対象物や静電吸着装置の誘電体の温度
測定は赤外線を用いて行うことが出来る。その測定原理
を説明すると、測定対象物から放出される電磁波の波長
は、測定対象物の温度と一定の関係があることが知られ
ている。完全放射体(黒体)の場合、その表面から放出さ
れる電磁波は、下記プランクの公式で表される。
【0019】
【数1】
【0020】図4のグラフに黒体の分光放射輝度を示
す。この図から以下のことが分かる。 (1)温度が低いほど熱放射エネルギーが減少する。 (2)温度が低くなるほど熱放射エネルギーの波長分布が
長波長側にずれる。
【0021】実際の測定対象物は不完全放射体であり、
測定対象の放射率をεとすると、放射温度形の見かけの
指示温度Sと実温度Tは、下記式、 L(λ,S) = ε・L(λ,T) で関係付けられる。従って、波長λ、測定対象物の指示
温度S、放射率εが分かれば、測定対象物の実温度Tを
求めることができる。
【0022】他方、測定対象物の吸収率αと、反射率ρ
と、透過率τとの間には、次式の関係がある。 α + ρ + τ = 1
【0023】熱放射平衡状態でのKirchhoffの法則によ
れば、物質の放射率εは吸収率αに等しい。更に、測定
対象物が不透明の場合、τ=0であるから、放射率ε
は、下記式で表せる。 ε(=α) = 1 − ρ
【0024】結局、測定に用いる赤外線波長に対し、測
定対象物の透過率τがゼロであれば、測定対象物の反射
率ρを測定すると放射率εを求められ、その結果、物体
の実温度を求めることができる。
【0025】処理対象物には熱電対を取り付けることが
できないから、処理対象物の温度は上記のように赤外線
を用いて測定することが望ましい。他方、静電吸着装置
(誘電体)の温度は赤外線を用いて測定してもよいし、熱
電対等を誘電体に取り付け、又は誘電体中に埋め込んで
測定してもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を用いて
説明する。図1を参照し、符号10は、本発明の一例の
真空処理装置を示しており、ここではエッチング装置が
例示されている。
【0027】この真空処理装置10は真空槽11を有し
ており、該真空槽11内部の天井側にはカソード電極2
3が配置され、底壁上には本発明の一例の静電吸着装置
30が配置されている。
【0028】該静電吸着装置30は、誘電体31と、2
枚の吸着電極321、322と、ヒータ33とを有してい
る。誘電体31は電気絶縁性の材料(例えばアルミナ、
アルミニウムナイトライド等)で構成されており、吸着
電極321、322は、その内部の表面近傍位置に配置さ
れている。また、ヒータ33は、誘電体31内部の吸着
電極321、322よりも下方位置に配置されている。
【0029】誘電体31は全体が板状に成形されてお
り、その表面がカソード電極13と平行に対向するよう
に配置されている。
【0030】誘電体31には、表面から裏面まで貫通す
る貫通孔15が設けられている。また、誘電体31に
は、その裏面側に開口部が配置され、底面に誘電体31
が露出する有底孔25とが設けられている。
【0031】貫通孔15と有底孔25内には、誘電体3
1の底面側から円柱状の石英から成る光路体14、24
がそれぞれ挿入されている。
【0032】貫通孔15内の光路体14は、上端部分が
誘電体31表面よりも僅かに低い位置に配置されてお
り、従って、静電吸着装置30表面に基板12を処理対
象物として配置した場合には、光路体14の上端部分と
基板12の裏面とが、非接触の状態で近接するようにな
っている。ここでは、基板12裏面と光路体14の上端
部分の間の間隔(静電吸着装置30の表面と光路体14
の上端部分との間の間隔)は、約0.2mm〜1.0m
mにされている。
【0033】また、有底孔25内に挿入された光路体2
4は、その先端部分が有底孔25の底面に近接するよう
に配置されている。
【0034】他方、各光路体14、24の全長は誘電体
31の厚みよりも大きくなっており、その下端部は、真
空槽11外部に気密に導出されている。各光路体14、
24の下端部には、それぞれ赤外線装置16、26が取
り付けられている。
【0035】真空槽11外部には、測定装置7が配置さ
れており、各赤外線装置16、26は、測定装置7に電
気的に接続されている。
【0036】赤外線装置16、26は、それぞれ赤外線
放射部161、261と赤外線受光部162、262とを有
しており、赤外線放射部161、261は測定装置7によ
って制御され、赤外線を放射するようになっている。
【0037】第1、第2の孔15、25内の光路体1
4、24はいわゆる光ファイバーであり、赤外線放射部
161、261が赤外線を放射すると、その赤外線は光路
体14、24内を直進し、光路体14、24の先端部分
から放射されるようになっている。
【0038】基板12が静電吸着装置30上に載置され
た状態では、貫通孔15内の光路体14から放射された
赤外線は、基板12裏面に照射され反射される。反射光
は光路体15中に入射し、内部を逆進して赤外線受光部
162で受光される。
【0039】他方、有底孔25内の光路体24から放射
された赤外線は、有底孔25の底面を構成する誘電体3
1で反射され、同様に、赤外線受光部262で受光され
るようになっている。
【0040】赤外線受光部162、262はそれぞれ測定
装置7に接続されており、各赤外線受光部162、262
が受光した赤外線の光量は、電気信号に変換されて測定
装置7に送信される。
【0041】赤外線放射部161、261が赤外線を射出
していない状態では、赤外線受光部162、262は、ヒ
ータ33によって加熱された基板12と誘電体31とが
自ら放射する赤外線をそれぞれ受光しており、基板12
と誘電体31とで反射された赤外線の光量と、基板12
と誘電体31とが放射する赤外線の光量とが、それぞれ
測定装置7に送信されると、測定装置7は、それらの光
量から、後述するように基板12と誘電体31の温度を
算出するようになっている。
【0042】このような静電吸着装置30を用い、基板
12をエッチング処理する場合には、先ず、真空槽11
内を予め真空雰囲気にし、ヒータ33に通電して静電吸
着装置30を昇温させておく。
【0043】その状態で静電吸着装置30上に基板12
を配置し、吸着電極321、322に電圧を印加せず、ま
た、赤外線放射部161、261から赤外線を放射させず
に、赤外線受光部162によって赤外線の光量を測定す
る(ここでは波長0.95×10-6mの赤外線の光量を
測定した)。
【0044】この状態では、基板12は静電吸着されて
おらず、昇温していないから、貫通孔15内の光路体1
4に設けられた赤外線受光部162では、貫通孔15の
壁面を構成する誘電体31から放射された赤外線の光量
が測定される。このときの赤外線の受光量をバックグラ
ウンド量とする。
【0045】また、このときに有底孔25内の光路体2
4に取り付けられた赤外線受光部262により、光路体
24の先端部分と対向する誘電体31(有底孔25の底
面を構成する部分の誘電体31)から放射される赤外線
の光量を測定し、誘電体31の測定温度を求める(ここ
では波長0.95×10-6mの赤外線の光量を測定して
温度を求めた)。
【0046】次に、吸着電極321、322に電圧を印加
し、基板12を静電吸着装置30表面に静電吸着する
と、基板12と誘電体31表面の間の熱伝導性が向上
し、その結果、誘電体31の温度が基板12に移り、基
板12が昇温する。
【0047】この場合、基板12が昇温中でその温度が
比較的低い状態では、基板12が放射する赤外線の光量
は少ない。従って、基板12が放射する赤外線として測
定される光量は、実際には、基板12が放射する赤外線
の光量と、貫通孔15壁面を構成する誘電体31が放射
する赤外線の光量とが合計された値になる。
【0048】従って、赤外線受光部162が受光した光
量から、基板12の静電吸着前に測定した光量(バック
グラウンド量)を差し引くと、基板12が放射した赤外
線(波長0.95×10-6mの赤外線)の光量を求めるこ
とができる。
【0049】次に、赤外線放射部161、261から、赤
外線受光部162、262が受光したのと同じ波長の赤外
線(波長0.95×10-6mの赤外線)を射出し、光路体
14、24を直進させ、基板12裏面と、有底孔25の
底面を構成する誘電体31に照射する。
【0050】この赤外線は、基板12裏面と誘電体31
とでそれぞれ反射され、返光された赤外光は光路体1
4、24を逆進し、赤外線受光部162、262でそれぞ
れ受光される。
【0051】ここで、赤外線放射部161、261が放射
し、基板12表面及び有底孔25の底面を構成する誘電
体31に照射される赤外線の光量は予め分かっているか
ら、反射赤外線の光量が分かると、(反射赤外光量)/
(射出赤外光量)で定義される反射率ρが求められ、その
結果、基板12と誘電体31の実温度が求められる。こ
の計算は、測定装置17によって自動的に行われる。
【0052】ところで、基板12が静電吸着され、基板
12裏面が誘電体31表面に密着されると、誘電体31
の熱が基板12側に移動し、誘電体31の温度が一時的
に低下する。
【0053】図2は、基板12を静電吸着装置30上に
配置した時刻をゼロとして基板12と誘電体31(静電
吸着装置30)の温度変化を表したグラフである。基板
12の配置後、10秒経過した時に吸着電極321、3
2に電圧を印加しており、それにより、誘電体31の
温度が低下し、誘電体31の温度を示すグラフの符号A
で示す部分が凹んでいる。
【0054】上記のような赤外線放射量と反射率ρの測
定とを繰り返し行い(例えば1秒間に数回〜30回程
度)、基板12と誘電体31の温度を測定し、監視する
ことで、ヒータへの通電量を制御し、基板12の温度を
正確に制御することができる。
【0055】図2のグラフでは、誘電体31の温度は再
び上昇し、また、基板12の温度は、吸着電極321
322に電圧を印加してから20秒後には、誘電体31
の温度である300℃程度まで昇温しており、基板12
がその温度で安定した後、真空槽11に接続されたガス
導入系19からエッチングガスを導入すると共に、カソ
ード電極23に電圧を印加し、基板12表面にプラズマ
を生成させ、基板12のエッチングを行う。
【0056】以上は、基板12が静電吸着装置30上に
正常に吸着された場合であったが、正常に吸着されなか
った場合は、図2に示したグラフのような結果は得られ
ない。例えば、静電吸着装置30上にパーディクルが付
着したため、基板12裏面が誘電体31表面に密着でき
ず、基板12へ加わる静電吸着力が弱かった場合、又は
吸着電極321、322に電圧を印加しても、基板12が
ほとんど吸着されなかった場合には、吸着時の誘電体3
1の温度低下は僅かである。また、基板12の昇温速度
が遅く、誘電体31の温度である300℃まで達しな
い。
【0057】このように、基板12が正常に静電吸着さ
れなかった場合の基板12及び誘電体31の温度変化を
図3、4に示す。図3のグラフは、静電吸着力が弱い場
合であり、吸着開始時の誘電体31の温度低下は正常な
場合に比べると小さく、グラフ上のへこみは小さい(符
号Bで示した部分)。
【0058】また、吸着開始後の基板12の昇温速度は
正常な場合に比べると小さく、吸着開始20秒後には2
10℃までしか昇温しない。
【0059】また、基板12がほとんど吸着されていな
い場合、図4のように、誘電体31の温度低下はなく、
基板12の昇温速度は非常に遅い。このように、図4の
グラフから分かるように、基板12がほとんど吸着され
ていない場合には、凹みは観察されない。
【0060】本発明では、上記のように測定装置7が誘
電体31の温度を監視し、吸着時の誘電体31の温度変
化の大小で基板12の吸着状態を判断している。即ち、
吸着時の誘電体31の温度低下が所定値よりも小さかっ
た場合、基板12が正常に吸着されなかったと判断し、
警報を発してプロセスの進行を停止させる。
【0061】また、本発明では、上記のように測定装置
7が基板12の温度を監視し、吸着後の基板12の昇温
速度の大小で基板12の吸着状態を判断している。即
ち、吸着後の基板12の昇温速度が所定値よりも小さか
った場合は、基板12が正常に吸着されなかったと判断
し、警報を発してプロセスの進行を停止させる。
【0062】従って、本発明によれば、真空処理装置1
0内に基板12を搬入し、真空処理を行う前に基板12
の吸着状態を判断することができる。
【0063】また、基板12と誘電体31の温度を測定
することで、基板12と誘電体31との間の温度差が分
かる。この場合、基板12と誘電体31の間の温度差
が、所定値よりも小さくなった後、プラズマを生成させ
るようにすると、基板12のエッチング処理などの真空
処理を確実に行うことができる。
【0064】また、真空処理中も基板12と誘電体31
の温度を監視し、ヒータ33への通電量を制御すること
で基板12の温度低下や過熱を防止することができる。
【0065】なお、測定対象物の基板がシリコン単結晶
の場合には、赤外線の波長が1.0×10-6m以上の場
合と、1.0×10-6m未満の場合とでは、基板の透過
率が大きく変化することが知られている。
【0066】図5に示したグラフは、シリコン基板の温
度と放射率の関係である。波長が1.0×10-6mより
も大きい赤外線に対しては、特に低温では基板が半透明
の状態になっている。
【0067】つまり、波長が長い赤外線は基板を透過し
てしまうため、基板12表面上にプラズマが生成されて
いる状態で、赤外線受光部162によって基板12の温
度測定を行う場合には、波長の長い赤外線を用いると、
プラズマが放射する赤外線も赤外線受光部162に到達
してしまうため、基板12の温度測定を正確に行うこと
ができない。
【0068】従って、真空処理中に基板12の温度を測
定する場合には、波長1.0×10 -6m未満、好ましく
は波長0.95×10-6m以下の赤外線を用いるとよ
い。赤外線放射部161が基板12裏面に照射する赤外
線の波長も、1.0×10-6m未満、好ましくは波長
0.95×10-6m以下のものを用いるとよい。
【0069】吸着前と吸着直後の基板12の温度を測定
する際にもその波長の赤外線を用いることができる。
【0070】測定対象物がガリウム・ひ素基板等の他の
材料で構成されている場合には、用いる赤外線の波長は
変えるとよい。
【0071】なお、上記実施例では、石英性の棒を光路
体に用いたが、サファイヤの棒を用いてもよい。要する
に、基板裏面が放射又は反射した赤外線を減衰させない
材料であればよい。
【0072】また、上記実施例では、誘電体31の温度
を測定するために、赤外線測定装置26を用いたが、誘
電体内部に熱電対を埋め込み、熱電対の起電力によって
温度測定を行ってもよい。
【0073】更にまた、上記の真空処理装置10はエッ
チング装置であったが、本発明の真空処理装置は、スパ
ッタリング装置、CVD装置、蒸着装置等の真空雰囲気
中で基板を処理する真空処理装置を広く含むものであ
り、本発明の静電吸着装置は、それらの真空処理装置に
広く使用することができるものである。
【0074】
【発明の効果】真空雰囲気中で基板を静電吸着する場合
に、処理対象物の吸着状態を正確に判断することができ
る。処理対象物の温度を測定すると、吸着状態の判断は
一層正確になる。また、処理対象物の昇温中や真空処理
中でも、静電吸着装置と処理対象物の温度を測定できる
ので、処理対象物の状態を正確に判断することができ
る。特に、処理対象物に流れる電流で吸着状態を判断す
るのではないから、処理対象物が絶縁性物質である場合
にも吸着状態を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理及び静電吸着装置を説明する
ための図
【図2】基板が正常に吸着された場合の基板及び静電吸
着装置の温度変化を説明するためのグラフ
【図3】基板の吸着が弱かった場合の基板及び静電吸着
装置の温度変化を説明するためのグラフ
【図4】基板がほとんど吸着されなかった場合の基板及
び静電吸着装置の温度変化を説明するためのグラフ
【図5】シリコン基板の赤外線波長と放射率との関係を
示すグラフ
【図6】黒体の赤外線波長と放射強度の関係を示すグラ
【図7】基板の静電吸着状態を判断する従来技術の例
【符号の説明】
12……処理対象物(基板) 14……光路体 15……貫通孔 161、261……赤外線放射部 162、262……赤外線受光部 30……静電吸着装置 31……誘電体 321、322……吸着電極 33……ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 直樹 静岡県裾野市須山1220−14 日本真空技術 株式会社内 (72)発明者 小平 周司 静岡県裾野市須山1220−14 日本真空技術 株式会社内 Fターム(参考) 3C016 AA01 CE05 GA10 5F004 BB22 CA04 5F031 CA02 FA01 HA16 JA46 MA28 MA32 5F045 EM05 GB05 5F103 AA08 BB33 BB52 BB56

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着電極と、ヒータとが誘電体内に配置さ
    れ、前記誘電体上に処理対象物を配置し、前記吸着電極
    に電圧を印加すると、前記処理対象物が前記誘電体上に
    吸着されるように構成された静電吸着装置であって、 前記誘電体上に配置された処理対象物の温度と、前記誘
    電体の温度とを測定する温度測定装置を有する静電吸着
    装置。
  2. 【請求項2】前記誘電体には貫通孔が設けられ、前記誘
    電体上に前記処理対象物を配置すると、前記貫通孔の一
    方の開口部分に前記処理対象物表面が露出するように構
    成され、 前記温度測定装置は、前記処理対象物の前記開口部分に
    露出する表面から放射された赤外線を検出し、前記処理
    対象物の温度を測定するように構成された請求項1記載
    の静電吸着装置。
  3. 【請求項3】前記貫通孔内に配置された光路体と、該光
    路体の端部に設けられ、前記処理対象物表面から放射さ
    れ、前記光路体を通過した赤外線を検出する赤外線受光
    部とを有する請求項2記載の静電吸着装置。
  4. 【請求項4】前記光路体の前記端部に設けられ、前記光
    路体を介して前記処理対象物表面に赤外線を照射する赤
    外線放射部を有する請求項3記載の静電吸着装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載
    の静電吸着装置と真空槽とを有し、少なくとも前記静電
    吸着装置の前記誘電体が前記真空槽内に配置された真空
    処理装置。
  6. 【請求項6】静電吸着装置上に配置された処理対象物を
    静電吸着し、前記処理対象物の温度制御を行う際に、前
    記処理対象物が正常に吸着されたか否かを判断する吸着
    状態判断方法であって、 前記処理対象物を静電吸着する前の前記静電吸着装置の
    温度と、静電吸着直後の前記静電吸着装置の温度とを比
    較し、その温度差から前記処理対象物の吸着状態を判断
    する吸着状態判断方法。
  7. 【請求項7】静電吸着装置上に配置された処理対象物を
    静電吸着し、前記処理対象物の温度制御を行う際に、前
    記処理対象物が正常に吸着されたか否かを判断する吸着
    状態判断方法であって、 前記処理対象物を静電吸着した後の処理対象物の温度を
    測定し、その昇温速度から前記処理対象物の吸着状態を
    判断する吸着状態判断方法。
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