JP2023124480A - 温度測定方法および熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の温度を正確に測定することができる。【解決手段】光照射によって加熱される基板の温度を測定する温度測定方法である。半導体ウェハーWの斜め下方から、半導体ウェハーWの輝度温度を検出する放射温度測定工程と、半導体ウェハーWの放射率の比に対応する第1の入力パラメータと、半導体ウェハーWの温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、放射温度測定工程にて検出される輝度温度から算出する入力パラメータ算出工程と、第1の入力パラメータと第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定工程と、出力パラメータ推定工程にて推定された出力パラメータと放射温度測定工程にて検出された輝度温度とから基板の温度を算出する温度算出工程と、を備える。【選択図】図13

Description

本発明は、光照射によって加熱される半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)の温度を測定する温度測定方法、および、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。
このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物の活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光が照射されれば、当該半導体ウェハーの表面のみが極短時間だけ不純物の活性化する温度にまで昇温されることができる。このため、不純物が半導体ウェハーの中で深く拡散させることなく、不純物の活性化のみが実行される。
フラッシュランプアニールに限らず、半導体ウェハーの熱処理においては、ウェハー温度の管理が重要となる。フラッシュランプアニールにおいても、フラッシュ光が照射されたときの半導体ウェハーの表面の最高到達温度と、半導体ウェハーの表面以外の部分の温度とが正しく処理できたかどうかが重要な工程管理指標となる。このため、一般的には非接触の放射温度計によって半導体ウェハーの温度が測定されている。放射温度計による温度測定には測定対象物の放射率が必須であり、従来は所定の放射率が設定されて半導体ウェハーの温度が測定されていた。
しかしながら、半導体ウェハーの材料として採用されるシリコンは、温度によって赤外光の透過率が変化することが知られている。このような赤外光の透過率の変化によって、赤外光の放射率が変動する。また、近年の半導体技術では3次元高密度化の進展に伴って様々な薄膜が多層(例えば、100層以上)に積層される傾向にある。薄膜が多層に積層されると、放射率が大きく変動することも知られている。
そこで、特許文献1では、材料の表面の物性が変化した場合でも、実測値に近い温度が推定可能となる装置が開示されている。具体的には、特許文献1に記載の装置は、材料から放射された所定の波長の光を検出して検出信号として出力し、出力された検出信号から放射率比に対応する第1のパラメータを求め、材料表面状態の物性値に対応する第2のパラメータと第1のパラメータとの相関に基づいて第2のパラメータを求める。
特開平5-215610号公報
しかしながら、例えばシリコンにおいては、上述のとおり温度によって変色する特性があり、温度が変化して変色することにより放射率も変化する。このような材料の表面の温度を測定する場合には、特許文献1に記載のような装置であっても、測定温度と実際の温度との間に大きなずれが生じてしまうことがある。一方で、近年の半導体ウェハーの益々の高精度化の要請もあり、半導体ウェハーの表面では不純物が活性化するだけの高温にしつつ半導体ウェハーの表面以外の部分では不純物が拡散しないだけの低温に維持しておくことが必要とされている。このため、半導体ウェハーの温度管理に対してこれまで以上の緻密さが要求されてきている。したがって、このような測定温度と実際の温度とのずれをさらに解消するための技術が期待されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の温度が正確に測定される温度測定方法、および、熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、光照射によって加熱される基板の温度を測定する温度測定方法であって、前記基板の斜め上方または斜め下方から、前記基板の輝度温度を検出する放射温度測定工程と、前記基板の放射率の比に対応する第1の入力パラメータと、前記基板の温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、前記放射温度測定工程にて検出される前記輝度温度から算出する入力パラメータ算出工程と、前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定工程と、前記出力パラメータ推定工程にて推定された前記出力パラメータと前記放射温度測定工程にて検出された前記輝度温度とから前記基板の温度を算出する温度算出工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に係る温度測定方法において、前記出力パラメータ推定工程では、前記第2の入力パラメータによって規定される前記第1の入力パラメータと前記出力パラメータとの相関関係に基づいて前記出力パラメータを推定することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に係る温度測定方法において、前記放射温度測定工程は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が互いに異なる複数の放射温度計により複数の前記輝度温度が検出されることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1または請求項2に係る温度測定方法において、前記放射温度測定工程は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が同一で異なる2つの偏光成分を検出することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2に係る温度測定方法において、前記放射温度測定工程は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が同一で異なる2つの波長成分を検出することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか一つに係る温度測定方法において、前記第2の入力パラメータは、輝度であることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか一つに係る温度測定方法において、前記出力パラメータは、前記放射率の対数の比であることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか一つに係る温度測定方法において、前記出力パラメータは、前記放射率の比であることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか一つに係る温度測定方法において、前記出力パラメータは、前記放射率であることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれか一つに係る温度測定方法において、前記放射温度測定工程は、前記基板の斜め下方から前記基板の前記信号を検出することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれか一つに係る温度測定方法において、前記基板はチャンバーに収容された状態で加熱され、前記入力パラメータ算出工程は、前記チャンバーの温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出し、前記出力パラメータ推定工程では、前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータおよび前記第3の入力パラメータに基づいて前記出力パラメータを推定することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、前記基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて前記基板を載置して保持するサセプタと、前記サセプタの斜め上方または斜め下方に設けられ、前記基板の輝度温度検出する放射温度計と、前記基板の放射率比に対応する第1の入力パラメータと、前記基板の温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、前記放射温度計により検出される前記輝度温度から算出する入力パラメータ算出部と、前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定部と、前記出力パラメータ推定部が推定した前記出力パラメータと前記放射温度計が検出した前記輝度温度とから前記基板の温度を算出する温度算出部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項12に係る熱処理装置において、前記出力パラメータ推定部は、前記第2の入力パラメータによって規定される前記第1の入力パラメータと前記出力パラメータとの相関関係に基づいて前記出力パラメータを推定することを特徴とする。
また、請求項14の発明は、請求項12または請求項13に係る熱処理装置において、前記放射温度計は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が互いに異なる複数の放射温度計を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項9の発明によれば、基板の放射率の比に対応する第1の入力パラメータと、基板の温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、放射温度測定工程により検出される信号から算出する入力パラメータ算出工程を備えることから、基板の温度を正確に測定することができる。
請求項10の発明によれば、放射温度測定工程は、基板の斜め下方から信号を検出することから、基板の裏面の温度を正確に測定することができる。
請求項11の発明によれば、入力パラメータ算出工程は、チャンバーの温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出することから、チャンバーの温度にも関連し得る基板の温度を正確に測定することができる。
請求項12から請求項14の発明によれば、基板の放射率比に対応する第1の入力パラメータと、基板の温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、放射温度計により検出される信号から算出する入力パラメータ算出部を備えることから、基板の温度を正確に測定することができる。
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
熱処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 サセプタの平面図である。 サセプタの断面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 ハロゲン加熱部における複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。 図1の部分拡大図である。 第1放射温度計、第2放射温度計および制御部の関係を示す図である。 半導体ウェハーWの処理手順を示すフローチャートである。 温度測定方法の手順を示すフローチャートである。 第1の入力パラメータ、第2の入力パラメータ、および出力パラメータの関係を示す相関図である。 温度の推定値と実測値との関係を示す図である。 第2実施形態における熱処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図14の部分拡大図である。 偏光フィルタモジュールを示す平面図である。 分光フィルタモジュールを示す平面図である。 第4実施形態における熱処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 第5実施形態における熱処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図19の部分拡大図である。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化が図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、以下に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、以下に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
また、以下に記載される説明における、相対的または絶対的な位置関係を示す表現、たとえば、「一方向に」、「一方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」または「同軸」などは、特に断らない限りは、その位置関係を厳密に示す場合、および、公差または同程度の機能が得られる範囲において角度または距離が変位している場合を含むものとする。
また、以下に記載される説明において、等しい状態であることを示す表現、たとえば、「同一」、「等しい」、「均一」または「均質」などは、特に断らない限りは、厳密に等しい状態であることを示す場合、および、公差または同程度の機能が得られる範囲において差が生じている場合を含むものとする。
また、以下に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
また、以下に記載される説明において、「…の上面」または「…の下面」などと記載される場合、対象となる構成要素の上面自体または下面自体に加えて、対象となる構成要素の上面または下面に他の構成要素が形成された状態も含むものとする。すなわち、たとえば、「甲の上面に設けられる乙」と記載される場合、甲と乙との間に別の構成要素「丙」が介在することを妨げるものではない。
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に関する熱処理装置および温度測定方法について説明する。
図1は、本実施の形態に関する熱処理装置160の構成を概略的に示す断面図である。
図1に例が示されるように、本実施形態の熱処理装置160は、基板としての円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによって、その半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。
処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、たとえばφ300mmまたはφ450mmである(本実施の形態ではφ300mm)。
熱処理装置160は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。さらに、熱処理装置160は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。なお、本実施の形態では、ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLを備えているが、ハロゲンランプHLの代わりにアークランプまたは発光ダイオード(Light Emitting Diode、すなわち、LED)が備えられていてもよい。上述の構成により、半導体ウェハーWは、チャンバーに収容された状態で加熱される。
複数のフラッシュランプFLは、フラッシュ光を照射することによって半導体ウェハーWを加熱する。また、複数のハロゲンランプHLは、半導体ウェハーWを連続加熱する。
また、熱処理装置160は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10とを備える。
さらに、熱処理装置160は、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、チャンバー筐体61の上面に石英製の上側チャンバー窓63が装着されて閉塞されている。
チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英によって形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射された光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英によって形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68および反射リング69は、ともに円環状に形成されている。
上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68および反射リング69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。
チャンバー6の内側空間、すなわち、上側チャンバー窓63、チャンバー筐体61、反射リング68によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68および反射リング69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68および反射リング69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。
凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68および反射リング69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(たとえば、ステンレススチール)で形成されている。
また、チャンバー筐体61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ162によって開閉可能とされている。搬送開口部66は、凹部62の外周面に連通接続されている。
このため、ゲートバルブ162が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ162が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
さらに、チャンバー筐体61には、貫通孔61aおよび貫通孔61bが穿設されている。貫通孔61a,61bが設けられている各部位には第1放射温度計20a,第2放射温度計20bがそれぞれ取り付けられている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面(裏面)から放射された赤外光を第1放射温度計20aの赤外線センサー24aに導くための円筒状の孔である。また、貫通孔61bは、半導体ウェハーWの下面(裏面)から放射された赤外光を第2放射温度計20bの赤外線センサー24bに導くための円筒状の孔である。貫通孔61aおよび貫通孔61bは、それらの貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。
赤外線センサー24aおよび赤外線センサー24bは、たとえば、焦電効果を利用する焦電センサー、ゼーベック効果を利用するサーモパイル、または、熱による半導体の抵抗変化を利用するボロメータなどの熱型赤外線センサー、または、量子型赤外線センサーなどである。
赤外線センサー24aおよび赤外線センサー24bは、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面(表面)に対して傾斜する光軸を有し、半導体ウェハーWの下面(裏面)から放射された赤外光を受光する。
貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、第1放射温度計20aが測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21aが装着されている。同様に、貫通孔61bの熱処理空間65に臨む側の端部には、第2放射温度計20bが測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21bが装着されている。なお、透明窓21aおよび透明窓21bは、たとえば、石英で形成されていてもよい。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていてもよい。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。
ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。
緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、たとえば窒素(N)等の不活性ガス、または、水素(H)、アンモニア(NH)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施の形態では窒素ガス)。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が設けられている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていてもよい。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。
なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていてもよいし、スリット状のものであってもよい。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置160に設けられた機構であってもよいし、熱処理装置160が設置される工場のユーティリティであってもよい。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英で形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英で形成されている。
基台リング71は、円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図3を参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施の形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は、基台リング71に設けられた4個の連結部72によって下側から支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。
サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英で形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は、半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部には、ガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。たとえば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。
ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英で形成される。
ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしてもよいし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしてもよい。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしてもよい。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の支持ピン77が設けられている。本実施の形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に合計12個の支持ピン77が環状に立設されている。
12個の支持ピン77を配置した円の径(対向する支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ210mm~φ280mmである。支持ピン77は、3本以上設けられる。それぞれの支持ピン77は石英で形成されている。
複数の支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしてもよいし、保持プレート75と一体に加工するようにしてもよい。
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上側に水平姿勢で載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の支持ピン77によって支持されて、下側からサセプタ74に支持される。より厳密には、12個の支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面(裏面)に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。
12個の支持ピン77の高さ(支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
また、半導体ウェハーWは複数の支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図2および図3に示されるように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bが半導体ウェハーWの下面(裏面)から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bが開口部78およびチャンバー筐体61の透明窓21a(貫通孔61aに装着される)および透明窓21b(貫通孔61bに装着される)を介して半導体ウェハーWの下面(裏面)から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。
さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。
それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英で形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。
水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであってもよいし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであってもよい。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置において上昇させると、合計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2および図3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置において下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。
一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施の形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52とを備えて構成される。
また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英によって形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面(表面)に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。
キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
このようなフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。
なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板で形成されており、その上面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施の形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する。
図7は、ハロゲン加熱部4における複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。
各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面(表面)に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示されるように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように合計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。
したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
図1に示されるように、チャンバー6には、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bの2つの放射温度計(本実施の形態ではパイロメーター)が設けられている。第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bはサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの斜め下方に設けられる。
このような配置により、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bは、半導体ウェハーWの斜め下方から、半導体ウェハーWの輝度温度を検出する。なお、輝度温度とは、電磁波の放射強度を示す物理量のことである。電磁放射が黒体放射である場合には、輝度温度は温度と等しい。
図8は、図1の部分拡大図である。図8は、熱処理装置160における第1放射温度計20a、第2放射温度計20b、および半導体ウェハーWの配置関係を詳細に示す。
図8に示すように、第1放射温度計20aが受光する光の経路Xaと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとの間のなす角度はαとなっている。また、第2放射温度計20bが受光する光の経路Xbと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとの間のなす角度はβとなっている。これらの角度αと角度βとは互いに異なる。角度αは80°以上(90°未満)、角度βは80°以下であることが好ましい。また角度αと角度βとのなす角度は、2.5°以上であることが好ましい。角度αと角度βとのなす角度は、大きいほど基板Wの温度が正確に測定可能であると考えられている。
図11は、第1放射温度計20a、第2放射温度計20bおよび制御部3の関係を示す図である。
上述のとおり、熱処理装置160は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御する制御部3を含んでいる。制御部3は、パーソナルコンピュータ(FAパソコン)の形態を有していてもよく、記憶部32と、CPU等の演算処理装置とを含んでいる。記憶部32は、固体メモリデバイスおよびハードディスクドライブ等の記憶装置を含む。また、制御部3は、入力部31と表示部33とに接続される。入力部31は、キーボード、ポインティングデバイスおよびタッチパネル等の入力機器を含む。さらに、入力部31は、ホストコンピュータとの通信のための通信モジュールを含む。表示部33は、例えば液晶表示ディスプレイを含み、制御部3との連携で各種情報を表示する。表示部33として、例えば液晶ディスプレイが採用される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置160における処理が進行する。
図9に示すように、制御部3は入力パラメータ算出部34、出力パラメータ推定部35、および、温度算出部36を備える。入力パラメータ算出部34、出力パラメータ推定部35、および、温度算出部36は、制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって実現される機能処理部である。入力パラメータ算出部34、出力パラメータ推定部35、および、温度算出部36の処理内容についてはさらに後述する。
図8および図9に示すように、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bは、半導体ウェハーWの下方に設けられる。第1放射温度計20aは、半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度を測定する赤外線センサー24aおよび温度測定ユニット22aを備える。同様に、第2放射温度計20bは、半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度を測定する赤外線センサー24bおよび温度測定ユニット22bを備える。
赤外線センサー24aは、温度測定ユニット22aと電気的に接続されており、受光に応答して生じた検出信号を温度測定ユニット22aに伝達する。温度測定ユニット22aは、伝達された検出信号から、温度を算出する。つまり、温度測定ユニット22aは、赤外線センサー24aが受光した光の強度に基づいて、温度を算出する。同様に、赤外線センサー24bは、温度測定ユニット22bと電気的に接続されており、受光に応答して生じた検出信号を温度測定ユニット22bに伝達する。温度測定ユニット22bは、伝達された検出信号から、温度を算出する。つまり、温度測定ユニット22bは、赤外線センサー24bが受光した光の強度に基づいて、温度を算出する。
上記の構成以外にも熱処理装置160は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるフラッシュ加熱部5、ハロゲン加熱部4、およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。
たとえば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、フラッシュ加熱部5およびハロゲン加熱部4は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
<熱処理装置の動作について>
次に、熱処理装置160における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。図10は、半導体ウェハーWの処理手順を示すフローチャートである。以下に説明する熱処理装置160の処理手順は、制御部3が熱処理装置160の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89およびバルブ192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置100における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ162が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して処理対象となる半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される(ステップS1)。このときには、半導体ウェハーWの搬入にともなって装置外部の雰囲気を巻き込むおそれがあるが、チャンバー6には窒素ガスが供給され続けているため、搬送開口部66から窒素ガスが流出して、そのような外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制することができる。
搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは、保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ162によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、図2ないし図4に示す保持プレート75上に立設された複数の支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。複数の支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの下面(裏面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されてサセプタ74に保持された後、ハロゲン加熱部4のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される(ステップS2)。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64を透過して半導体ウェハーWの下面(裏面)に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることはない。予備加熱温度は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、500℃ないし600℃程度であることが好ましい。予備加熱温度が800℃以上の高温になると、半導体ウェハーWに添加された不純物が拡散するため、温度管理の正確さが求められている。
ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度は第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bによって測定される(ステップS3)。より詳細には、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bにより検出される検出信号から半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度が算出される。なお、ハロゲンランプHLによる予備加熱を開始する前から第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bによる温度測定を開始するようにしてもよい。
ここで、本実施形態において、半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度が算出される理由について説明する。半導体ウェハーWの上面(表面)には、様々な膜が形成されることが一般的である。近年の半導体ウェハーWの高性能化により、従来よりも膜種、膜厚、膜層数、膜構造などの条件が多様化している。一方で、半導体ウェハーWの下面(裏面)には、膜が積極的に形成されない傾向にある。多様化した膜種、膜厚、膜層数、膜構造に対応することを要する半導体ウェハーWの上面(表面)よりも、膜が積極的に形成されない下面(裏面)の温度の測定の方が容易である。そこで、本実施形態においては、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bは半導体ウェハーWの斜め下方に配置され、半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度が測定される。
図11は、本実施形態における温度測定方法の手順を示すフローチャートである。
図10における半導体ウェハーWの温度の測定は、図11のとおりのフローで実行される。まず、第1放射温度計20aにより半導体ウェハーWの裏面の輝度温度Saが検出される(ステップS11)。また、第2放射温度計20bにより半導体ウェハーWの裏面の輝度温度Sbが検出される(ステップS12)。なお、ステップS11とステップS12とは同時に行われてもよい。
ステップS11およびステップS12において検出された輝度温度Saおよび輝度温度Sbが記憶部32に記憶される。輝度温度Saおよび輝度温度Sbに基づいて、入力パラメータが算出される(ステップS13)。入力パラメータの算出は、図9における入力パラメータ算出部34において行われる。入力パラメータ算出部34は、半導体ウェハーWの放射率比Kuに対応する第1の入力パラメータと、半導体ウェハーWの温度に対応する第2の入力パラメータとを、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bにより検出される輝度温度から算出する。
より具体的には、輝度温度Saおよび輝度温度Sbに基づいて、第1の入力パラメータとしての放射率比Kuが算出される。放射率比Kuは、下記の数1式により算出される。なお、λは測定波長[μm]、εaは測定波長における第1放射温度計20aの分光放射率[μm]、εbは測定波長における第2放射温度計20bの分光放射率[μm]、Cはプランクの放射則における放射第2定数、Saは測定波長における第1放射温度計20aの検出する輝度温度[K]、Sbは測定波長における第2放射温度計20bの検出する輝度温度[K]である。
Figure 2023124480000002
上述の数1式を利用することにより、放射率εaおよび放射率εbが未知数であっても、放射率比Kuが導き出される。半導体ウェハーWの材料の一つとして考えられるケイ素(Si)は温度によって放射率が変動する。つまり、ケイ素(Si)またはケイ素化合物は、温度により色が変化する。これに伴い、放射率が変動する。このため、半導体ウェハーWの材料としてケイ素(Si)が採用される場合や、半導体ウェハーWにケイ素化合物の膜が形成された場合には、本実施形態の温度計測方法が特に有効である。また、ケイ素(Si)においては、600℃以下の低温域において、放射率の変動の傾向が特に顕著である。
また、第2の入力パラメータとして輝度温度Saと輝度温度Sbとの平均値である輝度温度Saveが算出される。なお、第2の入力パラメータとして、輝度温度Saまたは輝度温度Sbのいずれか一方が採用されてもよい。
以上のように入力パラメータが算出されると、第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータに基づいて、出力パラメータ(対数比Ld)が推定される(ステップS14)。出力パラメータ(対数比Ld)の推定は、図9における出力パラメータ推定部35により行われる。出力パラメータ推定部35は、第1の入力パラメータと第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する。ここで、第1の入力パラメータとしての放射率比Kuと、第2の入力パラメータとしての輝度温度Saveと、出力パラメータとしての対数比Ldとの間での相関関係が記憶部32に予め記憶されている。これらの相関関係は、実験によって計測された値であっても、理論計算により演算された値であってもよい。
図12は、第1の入力パラメータおよび出力パラメータの関係を示す相関図である。図12において、縦軸は第1の入力パラメータ(放射率比Ku)、横軸は出力パラメータ(対数比Ld)である。また、実線は輝度温度Saveの値が600℃(セ氏温度換算)における値を、点線は輝度温度Saveの値が500℃(セ氏温度換算)における値を、一点鎖線は輝度温度Saveの値が400℃(セ氏温度換算)における値を、二点鎖線は輝度温度Saveの値が300℃(セ氏温度換算)における値を、太実線は輝度温度Saveの値が200℃(セ氏温度換算)における値を、太点線は輝度温度Saveの値が100℃(セ氏温度換算)における値を、それぞれの測定値の近似線で示している。なお、図12において、膜のないケイ素による半導体ウェハーW、200nmのSiN膜が成膜された半導体ウェハーW、500nmのSiN膜が成膜された半導体ウェハーW、1000nmのSiN膜が成膜された半導体ウェハーW、100nmのSiO膜が成膜された半導体ウェハーW、200nmのSiO膜が成膜された半導体ウェハーW、500nmのSiO膜が成膜された半導体ウェハーW、1000nmのSiO膜が成膜された半導体ウェハーWについて実験した結果が示されている。
ステップS14において、図12の相関図により示される相関関係から出力パラメータとしての放射率の対数比Ldが推定される。なお、対数比Ldは数2式により定義される。
Figure 2023124480000003
ステップS14において推定された対数比Ldに基づいて、半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度Tが測定される(ステップS15)。半導体ウェハーWの温度Tが測定されて処理が終了する。なお、温度Tの算出は、図9における温度算出部36により行われる。温度算出部36は、出力パラメータ推定部35が推定した出力パラメータ(対数比Ld)と第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bが検出したそれぞれの輝度温度Saおよび輝度温度Sbとから半導体ウェハーWの温度を算出する。ステップS15において、温度Tは、数3式により算出される。
Figure 2023124480000004
図13は、温度Tの推定値と実測値との関係を示す図である。図13において、実線は実測値と測定値とが等しくなる理想線を、太点線は本実施形態における温度測定方法により温度Tが算出された値の近似線を、一点鎖線は特許文献1に記載の方法により温度Tが算出された値の近似線を示している。また、図13において、縦軸は実測値を示し、横軸は推定値を示している。なお、図13においては、実測値が800℃以下の場合を示している。
図13に示すように、特許文献1に記載の方法により温度Tが算出される場合と比べて、本実施形態における温度測定方法により温度Tが算出される場合の方が、理想線に近い。つまり、本実施形態における温度測定方法により温度Tが算出される場合には、測定値が実測値により近づいていることがわかる。特に実測値が400℃以上の場合において、これが顕著に示されている。
図10に戻り、半導体ウェハーWの温度が所定温度に到達すると、フラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの上面にフラッシュ光照射を行う(ステップS4)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの上面の温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射により、半導体ウェハーWの上面の温度は極めて短時間のうちに急激に上昇する。なお、半導体ウェハーWの温度は、ステップS3の温度測定が継続的に行われて、監視されていても良い。
フラッシュ光照射が終了した後、ハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度が、上述のステップS3の温度測定が継続的に行われて測定されてもよい。その測定結果が制御部3に伝達され、半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視してもよい。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ162により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットによりチャンバー6から搬出される(ステップS5)。
以上のとおり、本実施形態における熱処理装置としての熱処理装置160および温度測定方法によれば、半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。また、本実施形態においては、半導体ウェハーWの斜め下方から輝度温度を検出することから、特に半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度を正確に測定することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、第2実施形態における熱処理装置260の構成を概略的に示す断面図である。
第2実施形態における熱処理装置260の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計220が取り付けられている。貫通孔61aの内部に、偏光フィルタモジュール225が回転可能に設けられる。また、放射温度計220は、半導体ウェハーWの下面(裏面)の温度を測定する赤外線センサー224を備える。
図15は、図14の部分拡大図である。図15は、熱処理装置260における放射温度計220および半導体ウェハーWの配置関係を詳細に示す。また、図16は、偏光フィルタモジュール225を示す平面図である。
偏光フィルタモジュール225は、赤外線センサー224が受光する光の経路Xfの途中に配置される。偏光フィルタモジュール225は、偏光フィルタ225aと偏光フィルタ225bとを備える。偏光フィルタ225aはS偏光フィルタであり、偏光フィルタ225bはP偏光フィルタである。偏光フィルタモジュール225は、図示しないモータにより、回転軸Cfを中心に回転する。
これにより、赤外線センサー224が受光する光が、偏光フィルタ225aを通過する光と、偏光フィルタ225bを通過する光とに切り替わる。すなわち、赤外線センサー224は、受光する光の経路Xfと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度が同一で異なる2つの偏光成分を検出する。したがって、第2実施形態における熱処理装置260は、一つの赤外線センサー224により、二つの輝度温度を得られる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3実施形態おける熱処理装置360の構成もまた、図14および図15で示される。
第3実施形態においては、貫通孔61aの内部に、分光フィルタモジュール325が回転可能に設けられる。図17は、分光フィルタモジュール325を示す平面図である。
分光フィルタモジュール325は、赤外線センサー324が受光する光の経路Xfの途中に配置される。分光フィルタモジュール325は、分光フィルタ325aと分光フィルタ325bとを備える。分光フィルタ325aは特定波長を得るフィルタである。また、分光フィルタ325bは分光フィルタ325aと異なる特定波長を得るフィルタである。分光フィルタモジュール325は、図示しないモータにより、回転軸Cfを中心に回転する。
これにより、赤外線センサー324が受光する光が、分光フィルタ325aを通過する光と、分光フィルタ325bを通過する光とに切り替わる。すなわち、赤外線センサー324は、受光する光の経路Xfと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度が同一で異なる2つの波長成分を検出する。したがって、第3実施形態における熱処理装置360は、一つの赤外線センサー324により、二つの輝度温度を得られる。
なお、赤外線センサー324により得られる二つの輝度温度から半導体ウェハーWの温度を測定する場合には、上記の数1式に代えて下記の数4式が、上記数3式に代えて下記数5式が採用される。
Figure 2023124480000005
Figure 2023124480000006
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。図18は、第4実施形態における熱処理装置460の構成を概略的に示す断面図である。
第4実施形態における熱処理装置460は、第1実施形態における熱処理装置160の構成に加えて、チャンバー6の温度を測定するチャンバー温度計426を備える。チャンバー温度計426は、例えば、チャンバー6の凹部62に取り付けられる。これにより、第4実施形態における熱処理装置460は、チャンバー温度計426によりチャンバー6の内部の温度を得ることができる。第4実施形態における入力パラメータ算出部は、チャンバー6の温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出する。そして、出力パラメータ推定工程では、第1の入力パラメータ、第2の入力パラメータおよび第3の入力パラメータに基づいて出力パラメータを推定する。
第4実施形態における熱処理装置460は、チャンバー6の温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出することから、チャンバー6の温度にも関連し得る半導体ウェハーWの温度をさらに正確に測定することができる。
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。図19は、第5実施形態における熱処理装置560の構成を概略的に示す断面図である。また、図20は、図19の部分拡大図である。図20は、熱処理装置560における放射温度計520、第1ミラー525、第2ミラー526および半導体ウェハーWの配置関係を詳細に示す。
第5実施形態における熱処理装置560の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計520が取り付けられている。また、熱処理装置560は、放射温度計520に向けて光を反射するための第1ミラー525および第2ミラー526をさらに備える。
第1ミラー525は、光の経路Xmの途中に配置される。また、第2ミラー526は、第1ミラー525により反射された光を、さらに赤外線センサー524へ向けて反射する。
これにより、赤外線センサー524は、半導体ウェハーWから赤外線センサー524へ直接向けられる光と、第1ミラー525および第2ミラー526を介して赤外線センサー524へ向けられる光とを受光する。すなわち、赤外線センサー524は、経路Xc、Xmと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度α2、β2が互いに異なる複数の輝度温度を検出する。したがって、第5実施形態における熱処理装置560は、一つの赤外線センサー524により、二つの輝度温度を得られる。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。
また、当該置き換えは、複数の実施の形態に跨ってなされてもよい。すなわち、異なる実施の形態において例が示されたそれぞれの構成が組み合わされて、同様の効果が生じる場合であってもよい。
以上に記載された実施の形態の温度測定方法によれば、半導体ウェハーWの斜め下方から、半導体ウェハーWの輝度温度を検出する放射温度測定工程と、半導体ウェハーWの放射率の比に対応する第1の入力パラメータと、半導体ウェハーWの温度に対応する第2の入力パラメータとの2つの入力パラメータを、放射温度測定工程にて検出される輝度温度から算出する入力パラメータ算出工程と、第1の入力パラメータと第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定工程と、出力パラメータ推定工程にて推定された出力パラメータと放射温度測定工程にて検出された輝度温度とから半導体ウェハーWの温度を算出する温度算出工程と、を備える。
また、出力パラメータ推定工程では、第2の入力パラメータによって規定される第1の入力パラメータと出力パラメータとの相関関係に基づいて前記出力パラメータを推定する。
また、第1および第4の実施形態の温度測定方法によれば、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bにより、放射温度測定工程は、受光する光の経路Xa、Xbと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度α、βが互いに異なる複数の輝度温度が検出される。
また、第2実施形態の温度測定方法によれば、放射温度測定工程は、受光する光の経路Xfと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度が同一で異なる2つの偏光成分を検出する。
また、第3実施形態の温度測定方法によれば、放射温度測定工程は、検出される信号の経路と半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度が同一で異なる2つの波長成分を検出する。
また、第4実施形態の温度測定方法によれば、半導体ウェハーWはチャンバー6に収容された状態で加熱され、入力パラメータ算出工程は、チャンバー6の温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出し、出力パラメータ推定工程では、第1の入力パラメータ、第2の入力パラメータおよび第3の入力パラメータに基づいて出力パラメータを推定する。
このような構成によれば、放射率が未知数の場合でも、半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。また、放射温度測定工程は、半導体ウェハーWの斜め下方から輝度温度を検出することから、半導体ウェハーWの裏面の温度を正確に測定することができる。また、第4実施形態の構成によれば、入力パラメータ算出工程は、チャンバー6の温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出することから、チャンバー6の温度にも関連し得る半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。
また、以上に記載された実施の形態の熱処理装置160,260,360,460,560によれば、半導体ウェハーWに光を照射することによって半導体ウェハーWを加熱する熱処理装置160,260,360,460,560であって、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、チャンバー6内にて半導体ウェハーWを載置して保持するサセプタ74と、サセプタ74の斜め下方に設けられ、半導体ウェハーWの輝度温度を検出する第1放射温度計20a、第2放射温度計20b(または放射温度計220、320、520)と、半導体ウェハーWの放射率比に対応する第1の入力パラメータと、半導体ウェハーWの温度に対応する第2の入力パラメータとの2つの入力パラメータを、第1放射温度計20a、第2放射温度計20b(または放射温度計220、320、520)により検出される輝度温度から算出する入力パラメータ算出部34と、第1の入力パラメータと第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定部35と、出力パラメータ推定部35が推定した出力パラメータと第1放射温度計20a、第2放射温度計20b(または放射温度計220、320、520)が検出した輝度温度とから半導体ウェハーWの温度を算出する温度算出部36と、を備える。また、出力パラメータ推定部35は、第2の入力パラメータによって規定される第1の入力パラメータと出力パラメータとの相関関係に基づいて出力パラメータを推定する。
また、第1、第4および第5の実施形態の熱処理装置160,460,560によれば、受光する光の経路と半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度α、β(または角度α2、β2)が互いに異なる2つの第1放射温度計20a、第2放射温度計20bを備える。
このような構成によれば、放射率が未知数の場合でも、半導体ウェハーWの温度を正確に測定することができる。
なお、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの実施の形態における少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態における構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
なお、上述した実施形態においては、第2の入力パラメータとして輝度温度が採用されるが、これに限定されない。第2の入力パラメータは、輝度であってもよい。
また、上述した実施形態においては、出力パラメータとしての放射率の対数比Ldが採用されるが、これに限定されない。出力パラメータは、放射率の比であっても、放射率であってもよい。なお、放射率は、下記の数6式および数7式で示される。
Figure 2023124480000007
Figure 2023124480000008
また、上述した実施形態においては、第1放射温度計20a、第2放射温度計20b、放射温度計220、320、520はいずれも、半導体ウェハーWの斜め下方から半導体ウェハーWの輝度温度を検出する構成が採用されるが、これに限定されない。放射温度計は、半導体ウェハーWの斜め上方から半導体ウェハーWの輝度温度を検出する構成であってもよい。
また、上述した第1および第4の実施形態においては、第1放射温度計20aおよび第2放射温度計20bにより、受光する光のそれぞれの経路Xa、Xbと半導体ウェハーWの裏面の法線Oとのなす角度α、βが互いに異なる2つの輝度温度を検出する構成が採用されるが、これに限定されない。3以上の複数の放射温度計により、互いに異なる複数の信号を検出する構成としてもよい。
また、上述した第4実施形態においては、入力パラメータ算出部34は、チャンバー6の温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出し、出力パラメータ推定工程では、第1の入力パラメータ、第2の入力パラメータおよび第3の入力パラメータに基づいて出力パラメータを推定する構成が採用されるが、これに限定されない。第3の入力パラメータは、チャンバー6の内部の雰囲気の温度であってもよい。
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
11 移載アーム
12 リフトピン
13 水平移動機構
14 昇降機構
20a 第1放射温度計
20b 第2放射温度計
21a,21b 透明窓
22a,22b 温度測定ユニット
24a,24b 赤外線センサー
31 入力部
32 記憶部
33 表示部
34 入力パラメータ算出部
35 出力パラメータ推定部
36 温度算出部
41 筐体
51 筐体
52 リフレクタ
53 ランプ光放射窓
61 チャンバー筐体
61a,61b 貫通孔
62 凹部
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
66 搬送開口部
68 反射リング
71 基台リング
72 連結部
74 サセプタ
75 保持プレート
75a 保持面
76 ガイドリング
77 支持ピン
78 開口部
79 貫通孔
81 ガス供給孔
82 緩衝空間
83 ガス供給管
84 バルブ
85 処理ガス供給源
86 ガス排気孔
89,192 バルブ
160,260,360,460,560 熱処理装置
162 ゲートバルブ
190 排気部
191 ガス排気管
220,320,520 放射温度計
224,324,524 赤外線センサー
225 偏光フィルタモジュール
225a,225b 偏光フィルタ
230 アライメント部
231 アライメントチャンバー
325 分光フィルタモジュール
325a,325b 分光フィルタ
426 チャンバー温度計
525 第1ミラー
526 第2ミラー
C キャリア
Cf 回転軸
O 法線
Sa,Save,Sb 輝度温度
T 温度
W 半導体ウェハー

Claims (14)

  1. 光照射によって加熱される基板の温度を測定する温度測定方法であって、
    前記基板の斜め上方または斜め下方から、前記基板の輝度温度を検出する放射温度測定工程と、
    前記基板の放射率の比に対応する第1の入力パラメータと、前記基板の温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、前記放射温度測定工程にて検出される前記輝度温度から算出する入力パラメータ算出工程と、
    前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定工程と、
    前記出力パラメータ推定工程にて推定された前記出力パラメータと前記放射温度測定工程にて検出された前記輝度温度とから前記基板の温度を算出する温度算出工程と、を備える温度測定方法。
  2. 請求項1に記載の温度測定方法において、
    前記出力パラメータ推定工程では、前記第2の入力パラメータによって規定される前記第1の入力パラメータと前記出力パラメータとの相関関係に基づいて前記出力パラメータを推定する、温度測定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の温度測定方法において、
    前記放射温度測定工程は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が互いに異なる複数の放射温度計により複数の前記輝度温度が検出される、温度測定方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の温度測定方法において、
    前記放射温度測定工程は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が同一で異なる2つの偏光成分を検出する、温度測定方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の温度測定方法において、
    前記放射温度測定工程は、受光光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が同一で異なる2つの波長成分を検出する、温度測定方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の温度測定方法において、
    前記第2の入力パラメータは、輝度である、温度測定方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の温度測定方法において、
    前記出力パラメータは、前記放射率の対数の比である、温度測定方法。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の温度測定方法において、
    前記出力パラメータは、前記放射率の比である、温度測定方法。
  9. 請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の温度測定方法において、
    前記出力パラメータは、前記放射率である、温度測定方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一つに記載の温度測定方法において、
    前記放射温度測定工程は、前記基板の斜め下方から前記基板の前記信号を検出する、温度測定方法。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか一つに記載の温度測定方法において、
    前記基板はチャンバーに収容された状態で加熱され、
    前記入力パラメータ算出工程は、前記チャンバーの温度に対応する第3の入力パラメータをさらに算出し、
    前記出力パラメータ推定工程では、前記第1の入力パラメータ、前記第2の入力パラメータおよび前記第3の入力パラメータに基づいて前記出力パラメータを推定する、温度測定方法。
  12. 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    前記基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて前記基板を載置して保持するサセプタと、
    前記サセプタの斜め上方または斜め下方に設けられ、前記基板の輝度温度を検出する放射温度計と、
    前記基板の放射率比に対応する第1の入力パラメータと、前記基板の温度に対応する第2の入力パラメータとの、少なくとも2つの入力パラメータを、前記放射温度計により検出される前記輝度温度から算出する入力パラメータ算出部と、
    前記第1の入力パラメータと前記第2の入力パラメータとから出力パラメータを推定する出力パラメータ推定部と、
    前記出力パラメータ推定部が推定した前記出力パラメータと前記放射温度計が検出した前記輝度温度とから前記基板の温度を算出する温度算出部と、を備える熱処理装置。
  13. 請求項12に記載の熱処理装置において、
    前記出力パラメータ推定部は、前記第2の入力パラメータによって規定される前記第1の入力パラメータと前記出力パラメータとの相関関係に基づいて前記出力パラメータを推定する、熱処理装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の熱処理装置において、
    前記放射温度計は、受光する光の経路と前記基板の表面または裏面の法線とのなす角度が互いに異なる複数の放射温度計を備える、熱処理装置。
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