JP2001146515A - ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 - Google Patents

ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液

Info

Publication number
JP2001146515A
JP2001146515A JP2000262676A JP2000262676A JP2001146515A JP 2001146515 A JP2001146515 A JP 2001146515A JP 2000262676 A JP2000262676 A JP 2000262676A JP 2000262676 A JP2000262676 A JP 2000262676A JP 2001146515 A JP2001146515 A JP 2001146515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
optionally substituted
formula
polyether resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000262676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4934893B2 (ja
Inventor
Yuji Yoshida
祐司 吉田
Akira Yokota
明 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2000262676A priority Critical patent/JP4934893B2/ja
Publication of JP2001146515A publication Critical patent/JP2001146515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4934893B2 publication Critical patent/JP4934893B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】比誘電率が低いポリエーテル樹脂とその製造方
法および該樹脂を用いた、比誘電率が低い絶縁膜を形成
可能な塗布液の提供。 【解決手段】〔1〕式(1)で表される繰り返し単位を
有するポリエーテル樹脂。 (R1〜R8は、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、
I、置換可能C1〜10のアルキル基、置換可能C4〜
10のシクロアルキル基、OR9基、又は置換可能フェ
ニル基。R9はH、置換可能C1〜10のアルキル基、
置換可能C4〜10のシクロアルキル基、又は置換可能
フェニル基。Xは、フェニレン基等。Yは、単結合、C
1〜20の炭化水素基、−O−、−CO―又は―SO2
−。)〔2〕ジハロゲン化化合物と、ビスフェノールと
を必須原料とし、アルカリ条件下で縮重合を行う〔1〕
のポリエーテル樹脂の製造方法。〔3〕(a)前記
〔1〕記載のポリエーテル樹脂、(b)有機溶媒を必須
成分としてなる絶縁膜形成用塗布液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の電子デバイ
ス中の絶縁・被覆に用いられるポリエーテル樹脂とその
製造方法および該樹脂を含む絶縁膜形成用塗布液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LSIの高速化は、それを構成するトラ
ンジスタの微細化によって達成される。近年、この微細
化により配線間隔が縮小し、伝達信号の遅延(配線遅
延)や隣接配線間のクロストークが顕著となっており、
これらがLSI自体の高性能化を妨げる重大な問題とな
っている。この問題を解決する方法として、配線間を埋
める絶縁膜の比誘電率を低下させることが検討されてい
る。従来から絶縁膜として使用されているSOG(Sp
in on Glass)膜は塗布・焼成により、容易に
デバイス基板上に絶縁膜を形成できるため、有効な材料
であったが、その比誘電率は3.0〜3.9であり、充
分に低い比誘電率とはいえない。配線間距離が0.25
μm以下では、比誘電率が好ましくは3.0未満の絶縁
膜が求められている。
【0003】絶縁膜形成にポリエーテル樹脂を用いるこ
とは知られている。例えば、特開平9−246429号
公報には、酸化重合により得られたポリフェニレンエー
テル樹脂を絶縁材として用いる例が開示されている。し
かしながら、酸化重合法によって得られたポリエーテル
系樹脂は、溶媒への溶解度の点で、充分とは言えない。
また、例えば特開平9−202823号および特開平9
−202824号公報にはウルマン反応を用いたポリエ
ーテル系樹脂の低誘電率材料への適用例が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、層間
絶縁材料として用いることができる比誘電率が低いポリ
エーテル樹脂とその製造方法、および該樹脂を用いた、
比誘電率が低い絶縁膜を形成可能な絶縁膜形成用塗布液
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の樹
脂について検討を行った結果、特定の構造をもつポリエ
ーテル樹脂が、層間絶縁材料として良好な性質を示すこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、[1]式(1)で表
される繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂に係るも
のである。
【0007】(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水
素原子、F、Cl、Br、I原子、置換されていてもよ
い炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい
炭素数4〜10のシクロアルキル基、OR9基、または
置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。R9
水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアル
キル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロ
アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基か
ら選ばれる。
【0008】式中、Xは、下記のいずれか1つまたは2
つ以上の基から選ばれる。また、Yは、単結合、炭素数
1〜20の炭化水素基、−O−、−CO―、―SO2
のいずれか1つまたは2つ以上から選ばれる。
【0009】(Qは、置換されていてもよい炭素数1〜
10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜1
0のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフ
ェニル基から選ばれる。mは0以上4以下の整数を示
し、nは0以上3以下の整数を示す。Xにおいて、Qが
複数の場合には、Qは互いに同一でも異なってもよい。
Zは、水素原子、F、Cl、Br、I原子、―OZ
1基、―N(Z2)(Z3)基から選ばれる。R10、Z1
3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2
〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のエーテル
基を有する基から選ばれる。) ただし、R1〜R10、Qの中で少なくとも1つが炭素数
4〜10のアルキル基または炭素数4〜10のシクロア
ルキル基から選ばれる。)
【0010】また、本発明は、[2]下記式(2)で表
されるジハロゲン化化合物と、下記式(3)で表される
ビスフェノールとを必須原料とし、アルカリ条件下で縮
重合を行う前記[1]記載のポリエーテル樹脂の製造方
法に係るものである。
【0011】A−X−A (2) (式中、Xは式(1)における定義と同じである。Aは
F、Cl、Br、I原子のいずれかである。)
【0012】 (式中、R1〜R8、Yは、それぞれ式(1)における定
義と同じである。)
【0013】さらに、本発明は、[3](a)前記
[1]記載のポリエーテル樹脂、 (b)有機溶剤を必須成分としてなる絶縁膜形成用塗布
液に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエーテル樹脂は、前記式(1)で表される
繰り返し単位を有することを特徴とし、該式(1)で表
される異なる繰り返し単位を2つ以上有していてもよ
い。式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、
F、Cl、Br、I原子、置換されていてもよい炭素数
1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4
〜10のシクロアルキル基、OR9基、または置換され
ていてもよいフェニル基から選ばれる。R9は水素原
子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル
基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアル
キル基、または置換されていてもよいフェニル基から選
ばれる。
【0015】置換されていてもよい炭素数1〜10のア
ルキル基として、分岐または直鎖の炭素数1〜10のア
ルキル基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基等の炭化水素基が挙げられる。これらは適
宜置換基を有していてもよく、該置換基として炭化水素
基に通常導入できる基が挙げられるが、その内、F原
子、Cl原子、ヒドロキシ基等が好ましい。そのような
置換基を有するアルキル基としては、例えば、フルオロ
メチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、
1,1,1−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル
基、フルオロブチル基、パーフルオロブチル基、フルオ
ロヘキシル基、パーフルオロヘキシル基、フルオロオク
チル基、パーフルオロオクチル基、フルオロデシル基、
パーフルオロデシル基、クロロメチル基、トリクロロメ
チル基、クロロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル
基、クロロブチル基、クロロヘキシル基、クロロクチル
基、クロロデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
エチル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル
基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシデシル基等が挙
げられ、それぞれ各種異性体を含む。
【0016】また、置換されていてもよい炭素数4〜1
0のシクロアルキル基は、単環構造または複数の環を橋
掛けで結合させた基でもよく、例えばシクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘ
キシル基、ブチルシクロヘキシル基、シクロオクチル
基、メチルシクロオクチル基、ジメチルシクロオクチル
基、エチルシクロオクチル基、ビシクロブチル基、スピ
ロペンタン基、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、キ
ュバン基、ノルボルネン基等の基が挙げられる。これら
は適宜置換基を有していてもよく、該置換基として炭化
水素基に通常導入できる基が挙げられるが、その内、F
原子、Cl原子、ヒドロキシ基等が好ましい。そのよう
な置換基を有する基としては、例えば、フルオロシクロ
ブチル基、フルオロシクロペンチル基、フルオロシクロ
ヘキシル基、フルオロメチルシクロヘキシル基、ジフル
オロシクロブチル基、ジフルオロシクロペンチル基、ジ
フルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロブチル
基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシク
ロオクチル基、クロロシクロブチル基、クロロシクロペ
ンチル基、クロロシクロヘキシル基、クロロメチルシク
ロヘキシル基、ジクロロシクロブチル基、ジクロロシク
ロペンチル基、ジクロロシクロヘキシル基、ヒドロキシ
シクロブチル基、ヒドロキシシクロペンチル基、ヒドロ
キシシクロヘキシル基、ヒドロキシメチルシクロヘキシ
ル基、ジヒドロキシシクロブチル基、ジヒドロキシシク
ロペンチル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基等が挙げ
られ、それぞれ各種異性体を含む。
【0017】置換されていてもよいフェニル基として
は、無置換のフェニル基であっても、アルキル基、F原
子、Cl原子またはヒドロキシ基が、1個以上5個以下
置換されたフェニル基であってもよい。置換されていて
もよいフェニル基として、例えば、フェニル基、メチル
フェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、
ヘキサメチルフェニル基、フルオロフェニル基、ジフル
オロフェニル基、ヘキサフルオロフェニル基、フルオロ
トルイル基、ジフルオロトルイル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ヘキサクロロフェニル基、ク
ロロトルイル基、ジクロロトルイル基、ヒドロキシフェ
ニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシトルイル
基、ジヒドロキシトルイル基等が挙げられる。
【0018】式(1)において、Yは、単結合、炭素数
1〜20の炭化水素基、−O−、−CO−、−SO2
のいずれか1つまたは2つ以上から選ばれる。該炭素数
1〜20の炭化水素基としては、−CH2−、−CH
(CH3)−、−C(CH32−、−C(CH32−C6
4− C(CH32−(各種異性体を含む)、−CH=
CH―、 等が例示されるが、これらに限られるものではない。
【0019】Qは、置換されていてもよい炭素数1〜1
0のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10
のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェ
ニル基から選ばれる。mは0以上4以下の整数を示し、
nは0以上3以下の整数を示す。Xなる基において、Q
が複数の場合には、Qは互いに同一でも異なってもよ
い。Zは、水素原子、F、Cl、Br、I原子、―OZ
1基、―N(Z2)(Z3)基から選ばれる。R10、Z1
3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2
〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のエーテル
基を有する基から選ばれる。置換されていてもよい炭素
数1〜10のアルキル基は、前記と同様に分岐または直
鎖でもよく、F原子、Cl原子、ヒドロキシ基が置換さ
れていてもよい。置換されていてもよい炭素数4〜10
のシクロアルキル基は前記と同様に、単環構造または複
数の環を橋掛けで結合させた基でもよい。置換されてい
てもよいフェニル基としては、前記と同様に無置換のフ
ェニル基であっても、アルキル基、F原子、Cl原子ま
たはヒドロキシ基が1個以上5個以下結合された基であ
ってもよい。
【0020】本発明の比誘電率が低い絶縁膜を与えるポ
リエーテル樹脂としては、式(1)におけるR1
10、Qの中で少なくとも1つが炭素数4〜10のアル
キル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基であ
る。炭素数4〜10のアルキル基としては、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、
オクチル基、デシル基が挙げられる。炭素数4〜10の
シクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル
基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル
基、ブチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、メチ
ルシクロオクチル基、ジメチルシクロオクチル基、エチ
ルシクロオクチル基、ビシクロブチル基、スピロペンタ
ン基、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、キュバン
基、ノルボルネン基等が挙げられる。
【0021】更に、R1〜R10、Qの中で少なくとも1
つが、炭素数4〜10の分岐したアルキル基または炭素
数4〜10のシクロアルキル基であることが、ポリエー
テル樹脂の比誘電率が低下するため好ましい。炭素数4
〜10の分岐したアルキル基としては、sec−ブチル
基、t−ブチル基、iso−ペンチル基、sec−ペン
チル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基等が
挙げられる。炭素数4〜10のシクロアルキル基として
は前記の通りである。
【0022】更に、工業的に入手しやすい原料であるイ
ソブチレン、t−ブチルクロリド、シクロペンテン、ク
ロロクシロペンテン、シクロヘキセン、クロロシクロヘ
キサン等を利用することでt−ブチル基、シクロペンチ
ル基、またはシクロヘキシル基を容易に芳香族環に導入
できるので、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基が好ましく用いられる。
【0023】本発明のポリエーテル樹脂は、式(2)で
表されるジハロゲン化化合物と、下記式(3)で表され
るビスフェノールとを必須原料とし、アルカリ条件下で
縮重合を行うことによって得られる。 A−X−A (2) (式中、Xは式(1)における定義と同じである。Aは
F、Cl、Br、I原子のいずれかである。)
【0024】 (式中、R1〜R8、Yは、それぞれ式(1)における定
義と同じである。)
【0025】これらのモノマーの中で、式(3)のR1
〜R8として、炭素数4〜10のアルキル基または炭素
数4〜10のシクロアルキル基を有するモノマーが工業
的に入手しやすいため、更に好ましい。入手しやすいモ
ノマーとしては例えば、ビス(t−ブチル)ビフェノー
ル、ビスシクロヘキシルビフェノール、テトラ(t−ブ
チル)ビフェノール、ビス(t−ブチルヒドロキシフェ
ニル)イソプロピリデン、ビス(シクロヘキシルヒドロ
キシフェニル)イソプロピリデン、ビス(t−ブチルヒ
ドロキシフェニル)シクロヘプチリデン、ビス(シクロ
ヘキシルヒドロキシフェニル)シクロヘプチリデン、ビ
ス(t−ブチルヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデ
ン、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキシリデン、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)
フルオレン、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニ
ル)フルオレン等が挙げられる。
【0026】ジハロゲン化化合物とビスフェノールを必
須原料として、アルカリ条件下で縮重合を行うときの溶
媒は、特に限定されるものではない。沸点および反応の
進行のしやすさから、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゾフェノ
ン、ジフェニルエーテル等が好適に用いられる。
【0027】また、使用するアルカリ物質は、特に限定
されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げ
られる。これらは、固体または水溶液等の溶液の形で用
いることができる。
【0028】ジハロゲン化化合物の反応性が低い場合
は、必要に応じて、アルカリ物質に加え触媒を用いるこ
とができる。具体的に例示すれば、銅、塩化銅(I)ま
たはこれらの錯塩等が挙げられる。
【0029】縮重合によって得られたポリエーテルは、
ろ過または水洗等の処理により、金属、塩物質等の無機
物質を除き、有機溶剤に溶解させた形で絶縁膜形成塗布
液として提供される。このときの有機溶剤は、前記、縮
重合反応時に用いた溶媒であってもその他の溶媒でもよ
い。人体への影響が少ない面から、アセチルアセトン、
メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン
類、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート等のエステル類、ジブチル
エーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アニ
ソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル類等
が好ましい。
【0030】ポリマー溶解時のポリマーの濃度は、通常
5〜40重量%、更に好ましくは10〜20重量%に調
整される。この濃度範囲よりも低濃度ではスピンコート
時の膜厚が薄くなりすぎ、所望の膜厚を得るため、数回
の塗布が必要となる。この濃度範囲よりも高濃度では粘
度が増加するため、コーティング時の送液等が煩雑とな
る。
【0031】本発明の絶縁膜形成塗布液は、スピンコー
ト法または浸漬法によって、半導体デバイス基板上に塗
布し、必要に応じて熱処理、光照射等の方法によって、
塗布ムラ、ピンホール等が発生しない低誘電率絶縁膜を
形成することができ、このようにして得られた低誘電率
絶縁膜は、良好な電気特性はもちろん、良好な耐熱性、
機械的強度を併せて発現することができる。
【0032】
【実施例】本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 合成例1 500mL4つ口フラスコに4,4’−ジクロロベンゾ
フェノン25.1g(0.10mol)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シク
ロヘキシリデン35.3g(0.09mol)、o−ア
リルフェノール2.7g(0.02mol)、炭酸カリ
ウム41.5g(0.30mol)、ジメチルスルホキ
シド300g、トルエン60gを仕込み、昇温した。ト
ルエンと水の共沸による脱水を行った後、窒素気流下に
て170℃/6hr保温攪拌を行った。反応終了後、メ
タノール600g、酢酸10gの混合溶媒中に反応マス
をチャージし高分子量物を析出させた。次いで、得られ
た高分子量物をプロピレングルコールモノメチルエーテ
ルアセテートで固形分15重量%になるように調整し
た。これを樹脂溶液Aとする。
【0033】合成例2 500ml4ツ口フラスコに1,1−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキシリデ
ン21.6g(0.05mol),苛性ソーダ4.0
g,ベンゾフェノン70.0gおよびトルエン50.0
gを仕込み、還流脱水を行った。脱水が完了した後、ジ
ブロモビフェニル15.6g(0.05mol)を添加
した。更に塩化第1銅0.05gをピリジン5gに溶解
させた溶液を添加し、内温約200℃で6時間反応させ
た。室温まで冷却させた後、メタノール600gに酢酸
10gを混合した溶液に反応溶液を加え、生成物を析出
させた。析出した結晶をろ過し、大量のメタノールで洗
浄し、高分子量物を得た。次いで、該高分子量物をアニ
ソールで固形分15重量%になるように調整した。これ
を樹脂溶液Bとする。
【0034】実施例1〜2 合成例で得られた樹脂溶液を0.2μmフィルターでろ
過した。これを4インチシリコンウェハーに回転数20
00rpmでスピンコートし、150℃で1分間ベーク
した後、窒素雰囲気下、350℃で30分間熱処理を行
った。得られた塗布膜の塗布性(外観)を光学式顕微鏡
25倍観察で調べた。膜厚は光学式膜厚計(ナノメトリ
ック社製、ナノッスペック210)で測定し、比誘電率
は、水銀プローブ法で、動作周波数1MHzのC−V測
定(エス・エス・エム社製、SSM495型)を行い、
求めた。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエーテル樹脂は、比誘電率
が低いので、層間絶縁材料として好適に用いることがで
きる。該ポリエーテル樹脂を含む絶縁膜形成用塗布液を
用いて、好適な絶縁膜を形成することができ、有用な半
導体装置を得ることができる

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で表される繰り返し単位を有する
    ポリエーテル樹脂。 (式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、F、
    Cl、Br、I原子、置換されていてもよい炭素数1〜
    10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜1
    0のシクロアルキル基、OR9基、または置換されてい
    てもよいフェニル基から選ばれる。R9は水素原子、置
    換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換
    されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、
    または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。
    式中、Xは、下記のいずれか1つまたは2つ以上の基か
    ら選ばれる。また、Yは、単結合、炭素数1〜20の炭
    化水素基、−O−、−CO―、―SO2−のいずれか1
    つまたは2つ以上から選ばれる。 (Qは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキ
    ル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロア
    ルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から
    選ばれる。mは0以上4以下の整数を示し、nは0以上
    3以下の整数を示す。Xにおいて、Qが複数の場合に
    は、Qは互いに同一でも異なってもよい。Zは、水素原
    子、F、Cl、Br、I原子、―OZ1基、―N(Z2
    (Z3)基から選ばれる。R10、Z1〜Z3は、それぞれ
    独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
    数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニ
    ル基または炭素数1〜10のエーテル基を有する基から
    選ばれる。) ただし、R1〜R10、Qの中で少なくとも1つが炭素数
    4〜10のアルキル基または炭素数4〜10のシクロア
    ルキル基から選ばれる。)
  2. 【請求項2】R1〜R10、Qの中で少なくとも1つが炭
    素数4〜10のシクロアルキル基または炭素数4〜10
    の分岐したアルキル基であることを特徴とする請求項1
    記載のポリエーテル樹脂。
  3. 【請求項3】下記式(2)で表されるジハロゲン化化合
    物と、下記式(3)で表されるビスフェノールとを必須
    原料とし、アルカリ条件下で縮重合を行うことを特徴と
    する請求項1または2記載のポリエーテル樹脂の製造方
    法。 A−X−A (2) (式中、Xは式(1)における定義と同じである。Aは
    F、Cl、Br、I原子のいずれかである。) (式中、R1〜R8、Yは、それぞれ式(1)における定
    義と同じである。)
  4. 【請求項4】(a)請求項1または2記載のポリエーテ
    ル樹脂、(b)有機溶剤を必須成分としてなる絶縁膜形
    成用塗布液。
JP2000262676A 1999-09-09 2000-08-31 ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 Expired - Fee Related JP4934893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000262676A JP4934893B2 (ja) 1999-09-09 2000-08-31 ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25553699 1999-09-09
JP11-255536 1999-09-09
JP1999255536 1999-09-09
JP2000262676A JP4934893B2 (ja) 1999-09-09 2000-08-31 ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001146515A true JP2001146515A (ja) 2001-05-29
JP4934893B2 JP4934893B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=26542267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000262676A Expired - Fee Related JP4934893B2 (ja) 1999-09-09 2000-08-31 ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4934893B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088149A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Sumitomo Chem Co Ltd ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁材料
JP2003041184A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Sumitomo Chem Co Ltd 耐熱性ポリエーテル、熱硬化性ポリエーテル、およびポリエーテル膜形成用塗布液。
JP2006176682A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Jsr Corp アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61159420A (ja) * 1985-01-07 1986-07-19 Mitsui Toatsu Chem Inc 芳香族ポリエ−テル系共重合体
JPS62141024A (ja) * 1985-12-13 1987-06-24 Toray Ind Inc 熱可塑性芳香族ポリエ−テルアントラキノンおよびその製造方法
JPS62151421A (ja) * 1985-12-26 1987-07-06 Toray Ind Inc 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン共重合体およびその製造方法
JPH01240522A (ja) * 1988-03-18 1989-09-26 Daicel Chem Ind Ltd ポリエーテルケトン系共重合体およびその製造方法
JPH0258535A (ja) * 1988-04-12 1990-02-27 Idemitsu Kosan Co Ltd 芳香族エーテルケトン重合体、その製造法およびその精製法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61159420A (ja) * 1985-01-07 1986-07-19 Mitsui Toatsu Chem Inc 芳香族ポリエ−テル系共重合体
JPS62141024A (ja) * 1985-12-13 1987-06-24 Toray Ind Inc 熱可塑性芳香族ポリエ−テルアントラキノンおよびその製造方法
JPS62151421A (ja) * 1985-12-26 1987-07-06 Toray Ind Inc 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン共重合体およびその製造方法
JPH01240522A (ja) * 1988-03-18 1989-09-26 Daicel Chem Ind Ltd ポリエーテルケトン系共重合体およびその製造方法
JPH0258535A (ja) * 1988-04-12 1990-02-27 Idemitsu Kosan Co Ltd 芳香族エーテルケトン重合体、その製造法およびその精製法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088149A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Sumitomo Chem Co Ltd ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁材料
JP2003041184A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Sumitomo Chem Co Ltd 耐熱性ポリエーテル、熱硬化性ポリエーテル、およびポリエーテル膜形成用塗布液。
JP2006176682A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Jsr Corp アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー

Also Published As

Publication number Publication date
JP4934893B2 (ja) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1532486B1 (en) Photosensitive compositions based on polycyclic polymers
US6124421A (en) Poly(arylene ether) compositions and methods of manufacture thereof
US6303733B1 (en) Poly(arylene ether) homopolymer compositions and methods of manufacture thereof
EP2177545A1 (en) Polymer for forming insulating film, composition for forming insulating film, insulating film, and electronic device having insulating film
US20040147710A1 (en) Fluorinated aromatic polymer and use thereof
KR101258704B1 (ko) 감광성 수지 조성물
JP4934893B2 (ja) ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液
JP4843870B2 (ja) 新規ポリアリーレンエーテル、その製造方法及びその用途
JP4734055B2 (ja) アセチレン性三重結合を有するモノマーの重合体、これを用いる膜形成用組成物、絶縁膜および電子デバイス
JP4935196B2 (ja) ベンゾオキサゾール前駆体、樹脂組成物およびそれを用いたコーティングワニス、樹脂膜並びに半導体装置
US6388044B1 (en) Polyether resin and coating solution for forming insulation film
JP2003041184A (ja) 耐熱性ポリエーテル、熱硬化性ポリエーテル、およびポリエーテル膜形成用塗布液。
JP4935195B2 (ja) ベンゾオキサゾール前駆体、樹脂組成物およびそれを用いたコーティングワニス、樹脂膜並びに半導体装置
US6437058B2 (en) Polymers and positive resist compositions
JP2006257212A (ja) 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス
JP4465288B2 (ja) 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス
US7534292B2 (en) Film-forming composition, insulating film obtained from the composition and electronic device having the same
US6815523B2 (en) Polyether and its production method
US8216647B2 (en) Insulating film, process for producing the same and electronic device using the same
JP3195248B2 (ja) 有機絶縁膜材料およびその製造方法
JP2006249256A (ja) 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス
JP2001151884A (ja) 熱硬化性ポリエーテル樹脂とその製造方法および絶縁膜形成用塗布液
KR20030065339A (ko) 절연 필름 형성용 코팅 용액
KR20010060090A (ko) 반응성 광산발생제와 이를 포함하는 폴리아미드 감광성내열절연체 조성물
JPH10324674A (ja) スルフォニロキシフェニル基含有フルオレン化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070817

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees