JP2001145205A - 車両の制動装置 - Google Patents

車両の制動装置

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JP2001145205A
JP2001145205A JP32576199A JP32576199A JP2001145205A JP 2001145205 A JP2001145205 A JP 2001145205A JP 32576199 A JP32576199 A JP 32576199A JP 32576199 A JP32576199 A JP 32576199A JP 2001145205 A JP2001145205 A JP 2001145205A
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Masashi Matsuyama
昌史 松山
Kazuma Okura
一真 大蔵
Kensuke Takami
健輔 高見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上乗せ回生制動時に車両の走行エネルギーを
無駄なく回収する。 【解決手段】 ブレーキペダルの踏み込みが検出された
時に、エンジンブレーキ力に相当する回生制動力(T
e)に所定の回生制動力(Tm)を上乗せした制動力(T
e+Tm)を発生させ、車速Vspが所定値α以下になった
ら、エンジンブレーキ力相当の回生制動力(Te)と、
摩擦制動力(Tf)と、上乗せ回生制動力(Tm)との合
計値(Te+Tf+Tm)が車両の安定限界制動力(β)
を越えない範囲で上乗せ回生制動力(Tm)を増加す
る。これにより、制動時の車両の安定性を確保しなが
ら、低車速域で回収可能な走行エネルギーを無駄にせず
に回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の制動装置に関
し、特に、ブレーキペダルの踏み込み圧に応じた摩擦制
動力に回生制動力を上乗せする制動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦制動と回生制動とを併用する車両で
は、摩擦ブレーキ装置に減圧機能を設けて回生制動分だ
け摩擦ブレーキ装置のホイールシリンダー液圧を減圧
し、ブレーキペダルの踏み込み圧に応じた制動力を発生
させる制動方法(以下、回生協調制御法と呼ぶ)と、ブ
レーキペダルの踏み込み圧に応じた摩擦制動力を発生さ
せ、その摩擦制動力に回生制動分を上乗せする制動方法
(以下、上乗せ回生制御法と呼ぶ)とがある。
【0003】後者の上乗せ回生制御法には、アクセルペ
ダルが開放されると、変速機のシフト位置に応じたエン
ジンブレーキ力に相当する回生制動力を発生させるとと
もに、ブレーキペダルが踏み込まれた場合には、エンジ
ンブレーキ力相当の回生制動力とブレーキペダルの踏み
込み圧に応じた摩擦制動力に、さらに所定の回生制動力
を上乗せするものがある(例えば、特開平06−070
406号公報参照)。この上乗せ回生制御法では、変速
機のシフト位置に応じて車両の安定性を損なわない程度
の一定の上乗せ回生制動力を設定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た上乗せ回生制動装置では、変速機のシフト位置に応じ
て一定の上乗せ回生制動力を設定しているので、車両の
安定性を確保しながらさらに多くの回生制動力を得るこ
とができる低車速域でも回生制動力が増加されることは
なく、回収可能なエネルギーを無駄にしているという問
題がある。
【0005】本発明の目的は、上乗せ回生制動時に車両
の走行エネルギーを無駄なく回収することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
および図3に対応づけて本発明を説明すると、 (1) 請求項1の発明は、回生制動力を発生するモー
ター1と、モーター1の回生電力によりバッテリー4を
充電する充電手段3と、ブレーキペダルの踏み込み圧に
応じて摩擦制動力(Tf)を発生する摩擦制動手段と、
ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキ検出手段
8と、車速Vspを検出する車速検出手段9と、ブレーキ
検出手段8によりブレーキペダルの踏み込みが検出され
た時に、充電手段3を制御してエンジンブレーキ力に相
当する回生制動力(Te)に所定の回生制動力(Tm)を
上乗せした制動力(Te+Tm)をモーター1から発生さ
せる制御手段5とを備えた車両の制動装置であって、制
御手段5は、車速Vspが所定値α以下になったら、エン
ジンブレーキ力相当の回生制動力(Te)と、摩擦制動
力(Tf)と、上乗せ回生制動力(Tm)との合計値(T
e+Tf+Tm)が車両の安定限界制動力(β)を越えな
い範囲で上乗せ回生制動力(Tm)を増加する。 (2) 請求項2の車両の制動装置は、制動時に車輪が
ロックするのを防止するABS(Anti-lock Brake Syst
em)装置10を備え、制御手段5によって、ABS装置
10が保持状態になると上乗せ回生制動力(Tm)を低
減するようにしたものである。
【0007】上述した課題を解決するための手段の項で
は、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を
用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定され
るものではない。
【0008】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、ブレ
ーキペダルの踏み込みが検出された時に、エンジンブレ
ーキ力に相当する回生制動力に所定の回生制動力を上乗
せした制動力を発生させ、車速が所定値以下になった
ら、エンジンブレーキ力相当の回生制動力と、摩擦制動
力と、上乗せ回生制動力との合計値が車両の安定限界制
動力を越えない範囲で上乗せ回生制動力を増加するよう
にしたので、制動時の車両の安定性を確保しながら、低
車速域で回収可能な走行エネルギーを無駄にすることな
く回収することができる。 (2) 請求項2の発明によれば、ABS装置が保持状
態になると上乗せ回生制動力を低減するようにしたの
で、請求項1の上記効果に加え、ABS装置の早期作動
を防止でき、ABS作動が遅延された分だけ走行エネル
ギーの回収量を増やすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を、ベルト式やトロイダル
式の無段変速機とABS装置を装備したハイブリッド車
両に適用した一実施の形態を説明する。このハイブリッ
ド車両は、駆動時はエンジンとモーターのいずれか一
方、または両方で走行し、制動時は摩擦ブレーキ装置の
制動力とモーターの回生制動力により車両を減速、停車
させる。なお、本発明はハイブリッド車両に限定され
ず、モーターのみを走行駆動源とする電気自動車にも適
用することができる。
【0010】図1は一実施の形態の構成を示す図であ
る。なお、エンジンとモーターとの間に介装されるクラ
ッチ、および無段変速機の図示を省略する。モーター1
は駆動輪2に無段変速機(不図示)を介して連結され、
駆動力と制動力を発生する。モーター1には同期型や誘
導型などの各種交流モーターの他に、直流モーターを用
いることができる。インバーター3はバッテリー4の直
流電力を交流電力に変換してモーター1へ供給するとと
もに、モーター1により回生された交流電力を直流電力
に変換してバッテリー4へ供給する。なお、モーター1
に直流モーターを用いる場合はインバーターの代わりに
DC−DCチョッパーを用いる。
【0011】車両コントローラー5はマイクロコンピュ
ーターとメモリなどの周辺部品から構成され、車両の状
態やバッテリー4の状態などに基づいて駆動トルク指令
値、回生制動トルク指令値、最大許容回生トルク値など
を算出し、モーターコントローラー6を制御する。モー
ターコントローラー6はマイクロコンピューターとメモ
リなどの周辺部品から構成され、車両コントローラー5
からの駆動トルク指令値および回生制動トルク指令値に
基づいてインバーター3を制御し、モーター1の駆動ト
ルクおよび回生トルクを制御する。
【0012】車両コントローラー5にはアクセルセンサ
ー7、ブレーキペダルスイッチ8、車速センサー9、A
BS装置10、バッテリーセンサー11などが接続され
る。アクセルセンサー7はアクセルペダルの踏み込み量
を検出し、ブレーキスイッチ8はブレーキペダルの踏み
込み状態を検出する。また、車速センサー9は車両の走
行速度Vspを検出する。ABS装置10は摩擦ブレーキ
装置(不図示)の制動力を制御して制動時に車輪がロッ
クするのを防止する装置であり、作動状態の情報を車両
コントローラー5へ送る。バッテリーセンサー11はバ
ッテリー4の充電状態SOCと温度を検出する。
【0013】図2は、一実施の形態の回生制動制御プロ
グラムを示すフローチャートである。このフローチャー
トにより、一実施の形態の動作を説明する。車両コント
ローラー5のマイクロコンピューターは、所定時間、例
えば10msecごとにこの回生制動制御プログラムを実行
する。ステップ1において、アクセルセンサー7により
アクセルペダルの踏み込み量を検出し、踏み込み量が略
0、すなわちアクセルペダルが解放されている場合はス
テップ2へ進み、アクセルペダルが踏み込まれている場
合はステップ9へ進む。アクセルペダルが踏み込まれて
いる場合は駆動モードであり、ステップ9で回生トルク
指令値に0を設定してステップ8へ進み、モーターコン
トローラー6へ回生トルク指令値(この場合は0)を出
力する。
【0014】一方、アクセルペダルが解放されている場
合は、ステップ2でエンジンブレーキトルクに相当する
回生制動トルク(以下、エンブレ回生トルクまたは単に
エンブレ回生分と呼ぶ)Teを演算する。具体的には、
エンジン回転速度に対するエンジンブレーキトルクの特
性マップに相当する、モーター回転速度に対するエンブ
レ回生トルクのマップを予め設定、記憶しておき、現在
のモーター1の回転速度に対応するエンブレ回生トルク
Teを表引き演算する。
【0015】ステップ3では、車両の状態に基づいて上
乗せ回生を許可するか否かを判断する。ここで、車両状
態には車速や各種異常情報などがあり、例えば車速が略
5km/h以下、つまりクリープ速度では上乗せ回生を禁止
する。また、モーター1、インバーター3、バッテリー
4などに異常が検出された時も上乗せ回生を禁止する。
ステップ4で上乗せ回生が許可されたか否かを確認し、
許可された場合はステップ5へ進み、禁止された場合は
ステップ6へ進む。上乗せ回生が許可された場合は、ス
テップ5で図5、図6に示す上乗せ回生制御演算ルーチ
ンを実行し、上乗せ回生トルク(以下、上乗せ回生分と
呼ぶ)Tmを演算する。一方、上乗せ回生が禁止された
場合は、ステップ6で上乗せ回生量に0を設定してステ
ップ7へ進む。
【0016】ステップ7において、ステップ2で演算し
たエンブレ回生分Teとステップ5で演算した上乗せ回
生分Tmとを加算し、回生トルク指令値を求める。続く
ステップ8で、モーターコントローラー6へ回生トルク
指令値を出力する。モーターコントローラー6は、イン
バーター3を制御して車両コントローラー5から出力さ
れた回生トルク指令値に応じた回生トルクをモーター1
から出力させる。
【0017】ここで、図3により一実施の形態の上乗せ
回生制御法について説明する。時刻t1でアクセルペダ
ルが解放されると、エンジンとモーター1との間に介装
されるクラッチが解放されてエンジンが車両の駆動系か
ら切り離され、モーター1によりエンブレ回生トルクT
eを発生する。このエンブレ回生トルクTeは、図3に示
すように車速Vspの低下につれて増加する。
【0018】さらに、時刻t2でブレーキペダルが踏み
込まれると、摩擦ブレーキ装置(不図示)によりブレー
キペダルの踏み込み圧に応じた摩擦ブレーキトルク(以
下、摩擦ブレーキ分と呼ぶ)Tfを発生させる。同時に
また、モーター1から所定量の上乗せ回生トルク(以
下、上乗せ回生分と呼ぶ)Tmを発生させる。なお、こ
の上乗せ回生分Tmは車速Vspと無関係に一定量であ
り、上乗せ後の合計制動トルク(Te+Tf+Tm)が車
両安定限界制動トルクβを越えない量とする。
【0019】ところで、通常の車両は、エンジンやモー
ターなどの駆動源から発生する動力を、ベルト式やトロ
イダル式の無段変速機、あるいは自動変速機や手動変速
機などの有段変速機を介して駆動輪へ伝達する。どの方
式の変速機を用いた場合でも、低車速域では変速比が大
きく、変速機入力軸の回転速度が出力軸の回転速度より
も高い。逆に、高車速域では変速比が小さく、変速機入
力軸の回転速度が出力軸の回転速度よりも低い。この関
係は、エンジンおよびモーターのいずれか一方または両
方で車両を駆動する駆動モードにおいても、あるいは車
両の走行エネルギーをモーターにより回収する回生モー
ドにおいても同様であり、したがって、回生モードでは
車速が低くなるほどモーターが駆動輪側から高速で回さ
れ、モーターの逆起電圧が高くなる。モーターの逆起電
圧が高くなるほど走行エネルギーの回生可能量は大きく
なるので、車速が低くなるほど上乗せ回生分Tmを増や
すことができる。
【0020】図4は、一実施の形態のハイブリッド車両
における車速と上乗せ回生可能量との関係を示す図であ
る。図4に示すように、バッテリー4の受け入れ可能電
力がどのような状態にあっても、特定の車速αを越える
と上乗せ回生可能量が急に増加する。
【0021】そこで、この実施の形態では、図3に示す
ように車速Vspがαを越える範囲では、車両安定限界制
動トルクβを越えない程度の上乗せ回生分Tmを設定
し、車速Vspがα以下になったら(時刻t3)車両限界
制動トルクβを越えない範囲で上乗せ回生分Tmを増加
する。これにより、低車速域で回収可能な走行エネルギ
ーを無駄にせずに回収することができる。なお、車速α
はバッテリー4の定格容量、モーター1の定格出力など
に応じて変わるので、実車実験により最適な値を設定す
るのが望ましい。
【0022】図5、図6は上乗せ回生制御演算ルーチン
を示すフローチャートである。このフローチャートによ
り、一実施の形態の上乗せ回生制御を説明する。ステッ
プ11において、バッテリー4の充電状態SOC、温度
および劣化度合いに基づいて次式により最大上乗せ回生
可能量Tmmaxを求める。
【数1】 Tmmax={(SOCmax−SOC)*Ka*Kb}−Te 上式において、SOCmaxはバッテリー4の最大充電量
であり、SOCはバッテリーセンサー11により検出し
た現在の充電量である。また、Kaはバッテリー4の温
度係数であり、現在の充電可能量(SOCmax−SO
C)をモーター1の回生可能トルク量に変換する。Kb
はバッテリー4の劣化係数である。
【0023】ステップ12で、上乗せ回生制御の開始を
示すフラグFがセット(1)されているか否か、つまり
すでに上乗せ回生制御が開始されているか否かを確認す
る。まだ上乗せ回生制御が開始されていない場合はステ
ップ13へ進み、すでに開始されている場合はステップ
17へ進む。図3に示す例では、時刻t2においてブレ
ーキペダルが踏み込まれた時点から上乗せ回生制御を開
始する。
【0024】ブレーキペダルが踏み込まれて上乗せ回生
制御を開始する場合は、ステップ13でエンブレ回生分
Te、摩擦ブレーキ分Tf、および、ステップ11で演算
した最大上乗せ回生可能量Tmmaxの合計値(Te+Tf+
Tmmax)が車両の安定限界制動トルクβを越えるかどう
かを確認する。制動トルク合計値(Te+Tf+Tmmax)
が安定限界制動トルクβを越える場合はステップ14へ
進み、モーター1の上乗せ回生トルクTmに、安定限界
制動トルクβを越えない値を設定する。すなわち、
【数2】Tm=β−Te−Tf そして、上乗せ回生制御開始フラグFをセットしてステ
ップ16へ進み、上乗せ回生トルクTmの立ち上がり時
の傾きを所定値Aに制御して図2に示すプログラムへリ
ターンする。なお、上乗せ回生トルクTmの傾きには、
乗員が衝撃あるいは違和感を感じない程度の値を設定す
る。
【0025】一方、エンブレ回生分Te、摩擦ブレーキ
分Tf、および最大上乗せ回生可能量Tmmaxの合計値
(Te+Tf+Tmmax)が車両の安定限界制動トルクβ以
下の場合はステップ15へ進み、ステップ11で求めた
最大上乗せ回生可能量Tmmaxをモーター1で発生させて
も車両の安定限界制動トルクβを越えることはないの
で、モーター1の上乗せ回生トルクTmに最大上乗せ回
生可能量Tmmaxを設定する。そして、上乗せ回生制御開
始フラグFをセットしてステップ16へ進み、上述した
ように上乗せ回生トルクTmの立ち上がり時の傾きを所
定値Aに制御して図2に示すプログラムへリターンす
る。
【0026】ステップ12ですでに上乗せ回生制御が開
始されて最初の上乗せ回生トルクTmが演算され、最初
の上乗せ回生トルクTmにしたがってモーター1が上乗
せ回生運転を行っている場合は、ステップ17で現在の
車速Vspが上述した車速α以下になっているか否かを確
認する。車速Vspがα以下になっていない場合は上乗せ
回生トルクTmを増加することはできないので、処理を
終了して図2に示すプログラムへリターンする。
【0027】一方、現在の車速Vspがα以下になってい
る場合はステップ21へ進み、現在の上乗せ回生トルク
Tmが今回ステップ11で演算した最新の最大上乗せ回
生可能量Tmmaxよりも大きいか否かを確認する。現在の
上乗せ回生トルクTmが今回演算した最大上乗せ回生可
能量Tmmaxより大きい場合は、これ以上、上乗せ回生ト
ルクTmを増加することはできないので処理を終了し、
図2に示すプログラムへリターンする。
【0028】現在の上乗せ回生トルクTmが今回演算し
た最大上乗せ回生可能量Tmmax以下の場合はステップ2
2へ進み、上乗せ回生トルクTmに今回演算した最大上
乗せ回生可能量Tmmaxを設定し直し、上乗せ回生トルク
Tmを増加する。続くステップ23では、上乗せ回生ト
ルクTmを増加したので、エンブレ回生分Te、摩擦ブレ
ーキ分Tf、および上乗せ回生トルクTmの合計値(Te
+Tf+Tm)が車両の安定限界制動トルクβ以下か否か
を確認する。合計値(合計値(Te+Tf+Tm)が車両
の安定限界制動トルクβ以下の場合はステップ24へ進
み、上乗せ回生トルクTmを増加する時の傾きを所定値
Bに制御して図2に示すプログラムへリターンする。な
お、上乗せ回生トルクTmを増加する時の回生トルクの
傾きBは、上乗せ回生制御開始時の立ち上がりの上記傾
きAよりも小さくし、滑らかに上乗せ回生トルクTmを
増加させるのが望ましい。
【0029】一方、合計値(Te+Tf+Tm)が車両の
安定限界制動トルクβより大きい場合はステップ25へ
進み、次式により上乗せ回生トルクTmに車両安定限界
制動トルクβを越えない最大の値を設定する。
【数3】Tm=(β−Te−Tf) そしてステップ24へ進み、上乗せ回生トルクTmを増
加する時の傾きを所定値Bに制御して図2に示すプログ
ラムへリターンする。
【0030】このように、ブレーキペダルの踏み込みが
検出された時に、エンブレ回生制動トルクTeに所定の
回生制動トルクTmを上乗せした回生制動トルク(Te+
Tm)を発生させ、車速Vspが所定値α以下になった
ら、エンブレ回生制動トルクTeと、摩擦ブレーキトル
クTfと、上乗せ回生制動トルクTmとの合計値(Te+
Tf+Tm)が車両の安定限界制動トルクβを越えない範
囲で上乗せ回生制動トルクTmを増加するようにしたの
で、制動時の車両の安定性を確保しながら、低車速域で
回収可能な走行エネルギーを無駄にせずに回収すること
ができる。
【0031】次に、上乗せ回生制御によりABS装置1
0の早期作動を防止してエネルギー回収量を増やす方法
を説明する。ABS装置10は、駆動輪2の周速と車体
速度とに基づいてスリップ量を求め、駆動輪2がロック
傾向にあるか否かを判定する。スリップ量が所定値以上
の場合は駆動輪2がロック傾向にあると判断し、ABS
保持状態へ移行する。ABS保持状態になってから所定
時間経過後に、スリップ量が所定値以上のままであれば
ABS減圧(ABS作動)状態へ遷移し、スリップ量が
所定値より小さくなっていれば復帰(ABS非作動)状
態へ遷移する。
【0032】ABS保持状態からABS減圧状態へ遷移
した時は、図7に示すように上乗せ回生分Tmを0にす
るとともに、駆動輪2のホイールシリンダー(不図示)
の液圧を減圧する。スリップ量が小さくなるとふたたび
液圧を増圧し、以後、ホイールシリンダーの減圧と増圧
を繰り返してABS装置10を作動させる。
【0033】ところで、駆動輪2のスリップ量が所定値
を越えてABS保持状態に遷移した時に、そのまま駆動
輪2のロック傾向が続けば確実にABS減圧状態になる
が、図8に示すようにABS保持状態になった直後に上
乗せ回生トルクTmを低減することによって、駆動輪2
がロック状態になるのを遅らせることができる。これに
より、ABS装置10の早期作動を防ぎ、ABS作動が
遅れた分だけ走行エネルギーの回収量を増やすことがで
きる。
【0034】図9は、上乗せ回生制御によりABS作動
を遅延させる制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。このABS制御ルーチンは図5、図6に示す上乗せ
回生制御演算ルーチンを終了して図2に示すプログラム
へリターンする前に実行することができる。ステップ3
1において、ABS装置10からの情報によりABS保
持状態かどうかを確認する。ABS保持状態の時はステ
ップ32へ進み、現在の上乗せ回生トルクTmから所定
量γを減じて上乗せ回生トルクTmを低減する。一方、
ABS保持状態でない時はステップ33へ進み、ABS
装置10からの情報によりABS減圧状態かどうかを確
認する。すでに、ABS装置10が作動(ABS減圧)
している時はステップ34へ進み、上乗せ回生トルクT
mに0を設定する。
【0035】このように、ABS装置が保持状態になる
と上乗せ回生制動Tmを低減するようにしたので、AB
S装置の早期作動を防止でき、ABS作動が遅れた分だ
け走行エネルギーの回収量を増やすことができる。
【0036】以上の実施の形態の構成において、モータ
ー1がモーターを、インバーター3が充電手段を、摩擦
ブレーキ装置(不図示)が摩擦制動手段を、ブレーキペ
ダルスイッチ8がブレーキ検出手段を、車速センサー9
が車速検出手段を、車両コントローラー5が制御手段
を、ABS装置10がABS装置をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 一実施の形態の回生制動制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図3】 一実施の形態の上乗せ回生制御法を説明する
ための図である。
【図4】 車速に対する上乗せ回生可能量を示す図であ
る。
【図5】 一実施の形態の上乗せ回生制御演算ルーチン
を示すフローチャートである。
【図6】 図5に続く、一実施の形態の上乗せ回生制御
演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 ABS作動時の上乗せ回生制御を説明するた
めの図である。
【図8】 ABS保持時の上乗せ回生制御を説明するた
めの図である。
【図9】 上乗せ回生制御によりABS作動を遅延させ
る制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 モーター 2 駆動輪 3 インバーター 4 バッテリー 5 車両コントローラー 6 モーターコントローラー 7 アクセルセンサー 8 ブレーキペダルスイッチ 9 車速センサー 10 ABS装置 11 バッテリーセンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見 健輔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 AA09 BB28 CC06 EE01 HH02 HH05 HH22 JJ05 JJ21 5H115 PA11 PA12 PI16 PI29 PU02 PU09 PU10 PU25 PV03 PV09 QE10 QI04 QI07 QI15 QI18 QN03 RB21 SE04 SJ12 SJ13 TB01 TO04 TO21 TO23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回生制動力を発生するモーターと、 前記モーターの回生電力によりバッテリーを充電する充
    電手段と、 ブレーキペダルの踏み込み圧に応じて摩擦制動力を発生
    する摩擦制動手段と、 ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキ検出手段
    と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記ブレーキ検出手段によりブレーキペダルの踏み込み
    が検出された時に、前記充電手段を制御してエンジンブ
    レーキ力に相当する回生制動力に所定の回生制動力を上
    乗せした制動力を前記モーターから発生させる制御手段
    とを備えた車両の制動装置であって、 前記制御手段は、車速が所定値以下になったら、前記エ
    ンジンブレーキ力相当の回生制動力と、前記摩擦制動力
    と、前記上乗せ回生制動力との合計値が車両の安定限界
    制動力を越えない範囲で前記上乗せ回生制動力を増加す
    ることを特徴とする車両の制動装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両の制動装置におい
    て、 制動時に車輪がロックするのを防止するABS(Anti-l
    ock Brake System)装置を備え、 前記制御手段は、前記ABS装置が保持状態になると前
    記上乗せ回生制動力を低減することを特徴とする車両の
    制動装置。
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