JP2001142160A - 画像情報の取得方法及び写真用露光エンジンの調整方法 - Google Patents

画像情報の取得方法及び写真用露光エンジンの調整方法

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JP2001142160A
JP2001142160A JP32250399A JP32250399A JP2001142160A JP 2001142160 A JP2001142160 A JP 2001142160A JP 32250399 A JP32250399 A JP 32250399A JP 32250399 A JP32250399 A JP 32250399A JP 2001142160 A JP2001142160 A JP 2001142160A
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祥之 中谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 担体上の画像の濃度を、発光部と、発光部を
発して画像の面で反射した光の光量を検出する素子とを
備えた光学スキャナによって測定する画像濃度測定方法
において、画像領域の端部でも画像領域の中央部と同様
に正確な濃度値が得られる画像濃度の測定方法を提供す
る。 【解決手段】 発光部を発した光が画像に隣接する部位
で反射し、画像領域内に回り込むことによって形成され
るフレアが濃度の測定値に及ぼす影響度を予め特定して
おく第1工程と、画像の濃度を光量測定手段91によっ
て測定する第2工程と、第2工程で光量測定手段91に
よって得られた濃度測定値を、第1工程で特定された影
響度に基づいて補正する第3工程とを備えた測定方法と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像濃度の測定方
法及び写真用露光エンジンの調整方法に関する。本発明
は、より具体的には、一方で、画像担体に出力された画
像の濃度を、発光部と、前記発光部を発して前記画像の
面で反射した光を受光してその光量を検出する素子とを
備えた光量測定手段によって測定する画像濃度の測定方
法に関し、他方で、前記画像濃度の測定方法を用いた写
真用露光エンジンの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像担体に出力された画像、特に、シー
ト状の画像担体に担持された二次元画像は、フラットベ
ッドスキャナー等を用いてデジタル画像データに変換
し、コンピュータを始めとする各種メモリー手段に蓄積
することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フラットベッ
ドスキャナーを典型例とする、発光部と、前記発光部を
発して前記画像担体の表面にて反射した光を受光してそ
の受光量を検出可能な素子とを備えた光量測定手段で
は、発光部からの発光量が極めて高いために、前記画像
の隣接部位(これは、例えば前記画像担体の余白部分や
フラットベッドスキャナーの原稿カバーの裏面に設けら
れた反射部材等、本来の測定対象箇所ではない部位)
が、発光部からの光を反射して、その反射光の一部が本
来の測定対象箇所である画像領域内に進入して、そこに
光のフレアが生じる現象が見られた。そして、光量測定
手段によって得られた測定値のままでは、濃度測定方法
この光のフレアのために、測定対象としての画像領域の
端部の濃度値は、実際の濃度よりも低めの値となり、結
果的に正確な画像濃度の測定ができないという問題があ
った。例えば、このようにして得られた画像濃度データ
からそのままプリントデータを加工してこれを新たな画
像担体に出力すれば、通常の鑑賞では感じられない程度
ながら、元の画像担体上の画像と比べてエッジ部の濃度
の劣化したプリントが得られることになる。
【0004】したがって、本発明の目的は、上に例示し
た従来技術による画像濃度の測定方法の持つ前述した欠
点に鑑み、発光部と、前記発光部を発して前記画像担体
の表面にて反射した光を受光してその受光量を検出可能
な素子とを備えた光量測定手段を用いながら、且つ、画
像領域の端部でも画像領域の中央部と同様に正確な濃度
値が得られる画像濃度の測定方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る画像濃度の測定方法は、特許請求の範
囲の請求項1から5に記された特徴構成を備えている。
因みに、本発明の請求項1による画像濃度の測定方法
は、前記発光部を発した光が前記画像に隣接する部位で
反射し、前記画像領域内に回り込むことによって形成さ
れるフレアが前記濃度の測定値に及ぼす影響度を予め特
定しておく第1工程と、前記画像の濃度を前記光量測定
手段によって測定する第2工程と、前記第2工程で前記
光量測定手段によって得られた濃度測定値を、第1工程
で特定された前記影響度に基づいて補正する第3工程と
を備えることを特徴構成としている。
【0006】このような特徴構成を備えているために、
本発明の請求項1による画像濃度の測定方法では、先ず
第1工程として、フレアが前記濃度の測定値に及ぼす影
響度を予め特定しておき、次に第2工程として、従来の
方法で画像の濃度を光量測定手段によって測定し、さら
に第3工程として、予め取得しておいた影響度に基づい
て濃度測定値を補正すれば、フレアの影響がキャンセル
された真の画像濃度データが得られる。例えば、このよ
うにして得られた真の画像濃度データを基礎にしたプリ
ントデータを加工してこれを新たな画像担体に出力すれ
ば、微視的にも元の画像担体上の画像に忠実なプリント
が得られることになる。
【0007】より具体的な手法としては、前記第1工程
では、前記影響度が、前記光量測定手段による濃度測定
値の、前記フレアによる影響を被らない真の画像濃度に
対する比で定義されるフレア影響係数として求められ、
前記第3工程における前記補正は、前記濃度測定値の前
記フレア影響係数による除算からなる構成とすることが
できる。
【0008】尚、前記影響度を左右する具体的な要素と
して、光量測定手段の発光部からの光量と光の波長分
布、印画紙の余白部分またはフラットベッドスキャナー
の原稿カバーの反射率等が挙げられるので、これらの要
素に変動要因があれば、各要素の新たな状況に対応した
フレア影響係数を求めれば良い。変動形態を予測できる
場合は、予め適切なフレア影響係数を求めておくことも
可能であろう。
【0009】前記第1工程の具体的な手法としては、真
の画像濃度が既知の画像領域を前記画像領域の端部に配
置した上で、前記光量測定手段によって濃度測定するこ
とによって、前記フレア影響係数を得る構成とすること
ができる。
【0010】さらに具体的には、前記画像担体が写真用
印画紙である場合、前記第1工程は、写真用露光エンジ
ンに設けられた多数の光出射点から出射される互いに光
量が等しい光ビームによって前記写真用印画紙を露光
し、この写真用印画紙を現像処理することによって、前
記真の画像濃度が既知の画像領域を持つ画像担体のサン
プルを得る第1小工程を含む構成とすることができる。
これによって得られた、均等な濃度分布を持った写真画
像を、前記真の画像濃度が既知の画像領域として用いる
ことができる。
【0011】特に、前記第1工程は、前記第1小工程で
得られた前記真の画像濃度が既知の画像領域を持つ画像
担体のサンプルを、前記真の画像濃度が既知の画像領域
内で分断することによって、真の画像濃度が既知の端部
を持つ画像担体のサンプルを得る第2小工程を含む構成
とすることができる。このように構成すれば、真の画像
濃度が既知の端部を持つ画像担体を既存の設備で比較的
簡単に作成できる。
【0012】また、前記写真用露光エンジンの調整方法
として、請求項4または5に記載の画像濃度の測定方法
によって、前記写真用露光エンジンの前記多数の光出射
点を互いに同一の画像データに基づいて操作することで
前記写真用印画紙に形成される画像の真の濃度分布を測
定し、前記真の濃度分布測定値を基に、同一の画像デー
タに対応して前記写真用露光エンジンの前記光出射点か
ら出射される光ビームどうしを均等化させる方法を用い
ることができる。
【0013】このようにすれば、例えば、前記露光エン
ジンが、前記光出射点が主走査方向に並んだライン状蛍
光露光ヘッドと、写真印画紙をライン状蛍光露光ヘッド
の前面で副走査方向に相対移動させる搬送機構とからな
る場合など、主走査方向の中央部から端部まで含めた全
部の光出射点、或いは、光出射素子について、輝度のば
らつきの見られない(特に、端部の光出射点に、補正用
データとして求めた濃度分布測定値が、光量測定手段の
発光部からの光が画像に隣接する部位で反射して生じる
フレアの影響を受けた測定値であったことに起因する低
輝度状態が見られない)、充分に高いレベルのユニフォ
ーミティが得られる。
【0014】本発明によるその他の特徴および利点は、
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の一例について
図面に基づいて解説する。 (写真用蛍光露光ヘッドの構成)デジタル光プリンタに
用いられている光蛍光露光ヘッドの一例であるリニアア
レイ型の蛍光露光ヘッド30(蛍光露光ヘッドの一例)
が図1、図2、図3に模式的示されている。この蛍光露
光ヘッド30は、実際には、R1(赤)、R2(赤)、
G(緑)、B(青)の4つの蛍光露光ヘッド30R1、
30R2、30G、30Bから構成されている。図1と
図2では、赤色用の蛍光露光ヘッド30R1だけを示し
ているが、他の2つの蛍光露光ヘッドも同様な構成とな
っている。透光性材料からなる基板61の上面には、ア
ルミニウム薄膜からなる第1陽極62と第2陽極63が
形成されている。この両陽極62、63には、所定のピ
ッチで矩形の透過孔62a、63aが設けられており、
この透過孔62a、63aを覆うように蛍光体64が取
り付けられている。第1陽極62と第2陽極63に設け
られた蛍光体は、図2から明らかなように、2列千鳥状
に配置されており、この列の延び方向は、主走査方向と
呼ばれるが、蛍光露光ヘッド30によって露光される感
光材料としての印画紙3の搬送方向(これは副走査方向
と呼ばれる)に対して直角となっている。
【0016】陽極62、63に取り付けられた蛍光体6
4の周辺領域には、制御電極65が設けられている。各
蛍光体64に対応する制御電極65に制御電圧が印加さ
れることにより各蛍光体64が発光する。さらに第1陽
極62と第2陽極63のそれぞれの上方には、フィラメ
ントとしての線状陰極67が主走査方向に沿って設けら
れている。参照番号66で示された部材は、安定した電
場を維持するための遮蔽電極である。蛍光体64と、第
1陽極62又は第2陽極63と、制御電極65と、遮蔽
電極66とで1つの蛍光発光素子(光出射素子の一例)
が構成されている。この1つの蛍光発光素子60から照
射される光が、印画紙3に1個の露光ドットを形成す
る。
【0017】以上述べた、基板61上に2列千鳥状に形
成された蛍光発光素子60の全体は、内部に真空空間を
形成するためのカバー体68によって覆われている。こ
こで、蛍光発光素子60に対して列状に並んだ順に番号
をつけると、第1陽極62側の蛍光発光素子60は奇数
番号を、第2陽極63側の蛍光発光素子60は偶数番号
を持つことになる。そこで、必要に応じて、奇数番号を
もつ蛍光発光素子60をオッド蛍光発光素子60d、偶
数番号をもつ蛍光発光素子60をイーブン蛍光発光素子
60vと呼ぶ。同様に、オッド蛍光発光素子60dの列
はオッド列であり、イーブン蛍光発光素子60vの列は
イーブン列となる。
【0018】図3に示すように、4本の蛍光露光ヘッド
30R1,30R2,30G,30Bどうしは、一定の
間隔で互いに平行に配置されている。蛍光露光ヘッド3
0R1,30R2,30G,30Bどうしは、副走査方
向にずれていることになる。各蛍光露光ヘッドの蛍光発
光素子60から照射される光は、透光性の基板61を透
過して印画紙3の紙面に平行に照射される。蛍光露光ヘ
ッドの各基板61の前面側には、蛍光発光素子60から
横向きに出射された光を鉛直下向きに偏向するためのプ
リズム71と、セルフォックレンズ(円柱ロッドレン
ズ)アレイ72とからなる結像光学系70が設けられて
いる。結像光学系70は、蛍光発光素子60の透過孔6
2a、63aを焦点位置とし、印画紙3の感光面を投影
像位置としており、正立等倍実像を形成する。さらに、
各蛍光露光ヘッドのセルフォックレンズアレイ72の上
方には、それぞれ対応する赤,緑,青のカラーフィルタ
69が設けられている。
【0019】印画紙3への露光操作時には、蛍光露光ヘ
ッド30からの光に対して印画紙3を副走査方向につい
て相対的に移動させるとともに、この相対移動に同期し
て、画像データを構成するRGBの各色の露光階調値に
応じたプリント制御信号を、各蛍光露光ヘッド30R
1、30R2、30G、30Bに与え、所定の露光時間
だけ蛍光露光ヘッド30の蛍光発光素子60を発光させ
ることで、印画紙3に各蛍光発光素子60毎に1つの露
光ドットを形成する。その際、オッド蛍光発光素子60
dとイーブン蛍光発光素子60vとから、印画紙3の副
走査方向の搬送速度と一致する短い時間だけタイミング
をずらして連続的に光を出射させれば、オッド蛍光発光
素子60dとイーブン蛍光発光素子60vとは副走査方
向に沿ってずれているにも拘わらず、印画紙3には、1
露光ドットの幅を持つ一直線の画像の潜像が露光され
る。同様に、各蛍光露光ヘッド30R1、30R2、3
0G、30Bの対応する蛍光発光素子60による露光ド
ットが印画紙3上で互いにほぼ重なるように制御するこ
とにより、フルカラーの露光ドットが印画紙3に形成さ
れる。
【0020】印画紙3に対するこのようなライン露光
を、この蛍光露光ヘッド30を副走査方向に移動させな
がら行うことにより、印画紙3のプリントエリアにプリ
ントすべき画像に対応する潜像が全て形成されることに
なる。尚、各蛍光発光素子60の発光特性は、蛍光体6
4自身の発光特性や蛍光体64の発光面積や各電極間の
距離など装置の製造に際して生じる個体差などによって
左右されるため、各蛍光発光素子60どうしの間には輝
度むらが存在するのが一般的である。また、蛍光露光ヘ
ッド30を数百時間レベルの長期にわたって動作させる
ことによる、蛍光発光素子60の経時的発光特性のばら
つきから輝度むらが生じる場合もある。これは、同一の
露光階調値に基づいて発光動作させても、各蛍光発光素
子60の光量が同じとならないことを意味し、結果的に
露光ドットの濃度にも不均一性、すなわち「ばらつき」
が生じることになる。したがって、各蛍光露光ヘッド3
0に与える駆動信号の時間幅を調整する等の手法によっ
て、各蛍光発光素子60の発光特性を均一化しなけれ
ば、与えられた画像情報を正確に印画紙上に出力するこ
とはできない。
【0021】各蛍光発光素子60の発光特性を均一化
(輝度のユニフォーミティを獲得する操作)するために
は、次のような方法が有効である。すなわち、簡単に言
えば、先ず、所定の手順に従って、未露光の写真印画紙
を、均一化したい対象の蛍光露光ヘッドで露光して、現
像処理することによって、所定のテストプリントシート
を作成し、次に、テストプリントシートに形成されてい
るテスト露光ドットラインの濃度を光学スキャナで測定
し、このテスト露光ドットラインを代表する濃度値を判
定する(この濃度判定の時に、本発明による画像情報の
取得方法が採用される)。この濃度値から、各蛍光発光
素子60の輝度むらをキャンセルするための輝度補正係
数を算定することができる。
【0022】既に述べたように、オッド蛍光発光素子6
0dによるオッド露光ドットと、イーブン蛍光発光素子
60vによるイーブン露光ドットとは、図4(イ)のよ
うに、一列のライン状の露光ドットパターンを作り出
す。ここで、白抜き四角はオッド露光ドットを示し、黒
塗り四角はイーブン露光ドットを示している。()で囲
んだ数字は蛍光発光素子60の素子番号を示している。
このライン状の露光ドットパターンを拡大視すると、図
4(ロ)のように、主走査方向で隣接する露光ドットど
うしが互いにその最も外側の領域で部分的に重なり合っ
ており、スキャナ等で露光ドット単位の濃度を読み取っ
て各蛍光発光素子の発光状態を検査する際に、隣接する
別の露光ドットの影響を受けてしまう。これを避けるた
め、オッド蛍光発光素子60dによって形成される露光
ドットとイーブン蛍光発光素子60vによって形成され
る露光ドットが露光用蛍光露光ヘッド60の主走査方向
において互いに隣接しない露光ドットパターンが得られ
るように、以下のような露光操作が行われる。
【0023】先ず、オッド蛍光発光素子60dだけを全
て露光動作させて、オッド露光ドットを形成し、引き続
き、これより十分に副走査方向に間隔を開けた位置に、
イーブン蛍光発光素子60vだけを露光動作させ、イー
ブン露光ドットを形成する。この印画紙3を現像処理す
ると、図5(イ)に示されるように、オッド露光ドット
列と、イーブン露光ドット列とからなる、全体として露
光ドットが二列で千鳥状に並ぶドットパターンを備えた
テストプリントシートが出来上がる。このようなテスト
プリントシートでは、図5(イ)の一部を拡大した図5
(ロ)から判るように、オッド露光ドットとイーブン露
光ドットとは、互いに重複する部分が生じず、しかも、
オッド露光ドットどうしも、イーブン露光ドットどうし
も、互いに重複する部分が生じない。なお、図4と図5
では、説明を簡単にするためテスト露光として1露光ド
ットだけを形成した例を紹介しているが、実際のテスト
プリントシート作成時には、後述する光学スキャナーに
よる取り込みを容易にするために、各オッド蛍光発光素
子60dによる露光ドットと、イーブン蛍光発光素子6
0vとがそれぞれ副走査方向に延びたライン状となるよ
うに連続的に露光ドットを形成していく。これと同時
に、櫛状に形成されるテスト露光ドットラインの間の領
域にも、オッド蛍光発光素子60のテスト時にはイーブ
ン蛍光発光素子60を、イーブン蛍光発光素子60のテ
スト時にはオッド蛍光発光素子60を全て中間的な光量
で駆動制御することによって、中間濃度の露光ドットを
形成する。この操作によって、櫛状に形成されるテスト
露光ドットラインの間の領域が薄い色に着色される結
果、テスト露光ドットの読み取り時に、露光ドットライ
ンに隣接した白地領域が測定に及ぼす影響(後述する画
像濃度の測定に際して、光学スキャナの読み取り用光源
から発される光が白地領域で反射して露光ドットライン
に回り込む現象に基づく影響を指す)を可及的に避ける
ことができる。このようにして得られたテストプリント
シートの例を図6に示す。
【0024】図6に例示されたテストプリントシートT
Sは、蛍光露光ヘッド30をカラー写真用印画紙(担体
の一例)上で露光操作し、現像処理して得られた一種の
カラー写真シートである。このテストプリントシートT
Sは、赤色光を出射する2つの蛍光露光ヘッド30R
1、30R2によって形成された2つのシアン領域Pc
1、Pc2、緑色光を出射する蛍光露光ヘッド30Gに
よって形成されたマゼンタ領域Pm、青色光を出射する
蛍光露光ヘッド30Bによって形成されたイエロー領域
Pyを有する。これらのシアン領域Pc1、Pc2、マ
ゼンタ領域Pm、イエロー領域Pyを形成している各櫛
歯状のテスト露光ドットラインが、最終的にユニフォー
ミティを獲得するために濃度測定すべき画像である。図
に示されるように、各シアン領域Pc1、Pc2、マゼ
ンタ領域Pm、イエロー領域Pyでは、オッド蛍光発光
素子60dによるテスト露光ドットラインとイーブン蛍
光発光素子60vによるテスト露光ドットライン(いず
れのテスト露光ドットラインも副走査方向に約3〜5m
mの長さで延びている)の間に、オッド蛍光発光素子6
0dとイーブン蛍光発光素子60vの蛍光発光素子60
の双方を高レベルの光量で駆動することによって形成さ
れた、全体的に濃度が均一な境界領域(これも副走査方
向に約3〜5mmの長さで延びている)が設けられてい
る。因みに、これらの境界領域の濃度は、特に測定する
必要はない。
【0025】また、シアン領域Pc1、Pc2、マゼン
タ領域Pm、イエロー領域Pyに近接する状態で、黒色
の指標が形成されている。黒色の指標はいずれも、30
R1、30R2、30G、30Bの全ての蛍光露光ヘッ
ドから印画紙の同一箇所に高レベルの光量を出射するこ
とによって黒色に形成されており、ヘッド特定用ライン
Lhと位置特定用ラインLpとを含む。ヘッド特定用ラ
インLhは、ヘッド特定用ラインLhの端部から副走査
方向に所定距離だけ隔たった第1画像が30R1、30
R2、30G、30Bの内のどの蛍光露光ヘッドで形成
された画像かを特定する操作を助ける。他方、位置特定
用ラインLpは、後述するスキャニング操作によって取
込まれた画像情報から、第1画像としてのシアン領域P
c1、Pc2、マゼンタ領域Pm、イエロー領域Pyの
各位置を正確に特定する操作を助ける。
【0026】位置特定用ラインLpは、幅(副走査方向
の長さ)が約1〜2mm程度の黒色ラインであり、副走
査方向に関して、各シアン領域Pc1、Pc2、マゼン
タ領域Pm、イエロー領域Pyの上流側と下流側に約2
mm程度離間した位置に1本ずつ形成されている。各位
置特定用ラインLpと第1画像(すなわち、各シアン領
域Pc1、Pc2、マゼンタ領域Pm、イエロー領域P
y)の間には、蛍光露光ヘッドを全く駆動させないこと
によって得られた幅が約2mmの白色領域が形成されて
いる。尚、図6の向かって左側を上流側、右側を下流側
としておく。因みに、テストプリントシートTS上の各
露光ドットラインは、印画紙3を上流側から下流側に相
対移動しながら蛍光露光ヘッド上の蛍光発光素子を駆動
することによって形成されており、後述の、光学スキャ
ナによるスキャニング操作でも、同様に、テストプリン
トシートTSを上流側から下流側にスキャニングするこ
とにしておく。
【0027】ヘッド特定用ラインLhは、位置特定用ラ
インLpに比して明らかに幅の狭い黒色ラインであり、
シアン領域Pc1、Pc2、マゼンタ領域Pm、イエロ
ー領域Pyの上流側の位置特定用ラインLpから更に約
2mmだけ上流側に離間した位置に、シアン領域Pc1
では1本、シアン領域Pc2では2本、マゼンタ領域P
mでは3本、イエロー領域Pyでは4本形成されてい
る。このように、各色の第1画像の上流側に近接した位
置に配置されたヘッド特定用ラインLhの本数によっ
て、その第1画像が30R1、30R2、30G、30
Bの内のどの蛍光露光ヘッドによって形成されたものか
が特定できるようになっている。尚、図6に示されるよ
うに、各第1画像、すなわち、シアン領域Pc1、Pc
2、マゼンタ領域Pm、イエロー領域Pyの中から、い
ずれの画素が蛍光露光ヘッド上のどの蛍光発光体による
ものかを特定するための、短い素子特定用ラインLx
が、各第1画像とその両側に配置された位置特定用黒ラ
インLpとの間に副走査方向に沿って延びている。素子
特定用ラインLxは、各第1画像の上流側と下流側の双
方に隣接配置されており、いずれの素子特定用ラインL
xも、蛍光露光ヘッド上の主走査方向における中心に位
置する互いに隣接した3個の蛍光発光素子から出射され
た光で形成されている。
【0028】そして、図6のシアン領域Pc1内の主走
査方向に関する中央で、副走査方向に関するスキャン方
向の上流側端部に相当する局部を拡大した図7に示され
るように、上流側の素子特定用ラインLxは、蛍光露光
ヘッド上の主走査方向における中心に位置するオッド蛍
光発光素子60dと、これの両側に隣接する2つのイー
ブン蛍光発光素子60vとによって形成されている。ま
た、下流側の素子特定用ラインLxは、蛍光露光ヘッド
上の主走査方向における中心に位置するイーブン蛍光発
光素子60vと、これの両側に隣接する2つのオッド蛍
光発光素子60dとによって形成されている。したがっ
て、上流側の素子特定用ラインLxからは、蛍光露光ヘ
ッド上の主走査方向における中心に位置するオッド蛍光
発光素子60dによる画素を特定することができ、同様
に、下流側の素子特定用ラインLxからは、蛍光露光ヘ
ッド上の主走査方向における中心に位置するイーブン蛍
光発光素子60vによる画素を特定することができる。
残りの全てのオッドとイーブンの各蛍光発光素子による
画素は、これら主走査方向における中心に位置する蛍光
発光素子による画素が特定されれば、自動的に特定可能
である。以上から判るように、素子特定用ラインLx
は、それが代表する各第1画像と同じ色で形成されてい
る。
【0029】(テストプリントシートからの画像の取得
方法)図6のテストプリントシートTSからの画像情報
の取得方法は、以下の各工程に沿って行われる。 〈第1工程〉ここでは、使用する光学スキャナの発光部
からの光が、画像に隣接する部位で反射し、画像領域内
に回り込むことによって形成されるフレアが濃度の測定
値に及ぼす影響度を予め特定しておく。具体的には、次
の各段階に沿って操作が進められる。
【0030】〈1−1工程〉先ず、少なくとも主走査方
向の中央部付近で十分に高いユニフォーミティを備えて
いることが判明している蛍光露光ヘッドの奇数番目の蛍
光発光体と、偶数番目の蛍光発光体とを可及的に同一の
高い光量で駆動してカラー写真用印画紙(図6のテスト
プリントシートTSと同一の品質の印画紙を用いる)を
露光して、奇数番目の画素と偶数番目の画素が互い違い
に高濃度の櫛歯状に配置された潜像を形成する(尚、ス
キャナーの発光部からの光が反射して回り込む影響を可
及的に抑制するために、櫛歯の間の領域も低濃度の画素
で埋められている)。次に、このカラー写真用印画紙を
標準的な条件で現像処理することによって、図8に示さ
れるような、シアン領域Qc、マゼンタ領域Qm、およ
びイエロー領域Qyで構成された標準プリントシートS
P(真の画像濃度が既知の画像領域を持つ画像担体のサ
ンプルの一例であって、テストプリントシートTSとは
別のシートであり、簡略化のためにシアン領域は、Qc
の1領域のみを設けている)を作成する。引き続き、標
準プリントシートSPの画像の濃度を光学スキャナー9
1で測定し、この測定値を基に、CMYのいずれの単色
に関しても画像濃度が可及的に均一な濃度標準領域SR
(図8の破線で囲まれた領域)を標準プリントシートS
Pの画像の中心付近で求める(標準プリントシートSP
の中心付近であるからフレアの影響は及ぼされ難い)。
【0031】〈1−2工程〉次に、図9に示されるよう
に、標準プリントシートSPを、裁断機などを用いて濃
度標準領域SRの真中で切断し、引き続き、図10に示
されるように、得られた標準プリントシートSPの各半
分を並べ替え、当初の左右の端部どうしを突き合わせて
貼り合わせることによって、濃度標準領域SRを両端部
(元になる、蛍光露光ヘッド上の蛍光発光素子に即して
言えば主走査方向の端部に相当する)に持つ、言い換え
れば、真の画像濃度が既知の端部を持つ標準プリントシ
ートSP′を作成する(これは、真の画像濃度が既知の
端部を持つ画像担体のサンプルを得る第2小工程の一
例)。 〈1−3工程〉1−2工程で得られた標準プリントシー
トSP′(図10に示されている)の全体の領域の画像
濃度を光学スキャナー91で測定する。 〈1−4工程〉1−3工程で得られた濃度測定値を解析
して、フレア影響度を判定する。フレア影響度は、光学
スキャナ91による濃度測定値の、フレアによる影響を
被らない真の画像濃度に対する比(具体的には、標準プ
リントシートSP′の端部に位置する濃度標準領域SR
を構成する各画素の濃度測定値を、切断前の標準プリン
トシートSPの中央部を構成する画素の、予め測定結果
が判明している濃度測定値で除する)で定義されるフレ
ア影響係数Eとして求められる。すなわち、 E=(濃度測定値)/(フレアによる影響を被らない真
の画像濃度) 言い換えれば、 E=(標準プリントシートSP′の端部に位置する濃度
標準領域SRを構成する各画素の濃度測定値)/(標準
プリントシートSPの中央部を構成する画素の予め測定
結果が判明している濃度測定値)
【0032】上記のフレア影響係数Eの算出結果は、例
えば、図11の表のように示すことができる。尚、以下
の説明で「濃度測定値」という場合は、プリントシート
の色素の濃度そのものではなく、光学スキャナ91によ
る読み取り値を用いている。図11の左端の欄には、図
10の標準プリントシートSP′のシアン領域Qcの下
端から5番目までの画素が1から5までの番地で示され
ている。中央の欄は、これらの各画素の光学スキャナ9
1による濃度測定値をRGB毎に示したものである。こ
の図11の表からは、最も下の画素と、左から2番目の
画素についてフレアの影響が及んでいると判断される。
また、少なくとも下から4番目の画素以降から中央寄り
の画素は、フレアの影響を受けていないと解釈できるの
で、下端側に位置する4つの画素を除く中央部の画素の
濃度値を平均して、この平均値から、全ての画素につい
てフレア影響係数Eを算出する。すなわち、中央部の画
素の濃度平均値は、D(DR ;DG ;DB )=(25;
78;78)となるので、結果的に、最も下の画素(こ
こでは奇数番目の画素に当たっている)に対するフレア
影響係数Eは、RGBの各波長に関して(1.12;
1.02;1.05)、下から2番目の画素(ここでは
奇数番目の画素に当たっている)に対するフレア影響係
数Eは(1.08;1.03;1.05)、下から3番
目の画素に対するフレア影響係数Eは(1.00;1.
01;1.00)となる。上側のエッジ付近の画素につ
いても、同様な処理によってフレア影響係数Eを特定す
る。また、図10の標準プリントシートSP′のマゼン
タ領域Qmとイエロー領域Qyに関しても、同様にフレ
アの影響を予め特定する。
【0033】〈第2工程〉ここでは、図6に示されたテ
ストプリントシートTSの画像の濃度を光学スキャナー
91によって測定する。具体的には、次の各段階に沿っ
て操作が進められる。 〈2−1工程〉図12に示されるように、テストプリン
トシートTSのシアン領域Pc1、Pc2、マゼンタ領
域Pm、イエロー領域Py(第1画像)と黒色指標(第
2画像)とを含む画像情報の全体を、光学スキャナ91
によってスキャニングして、コンピュータなどのメモリ
手段に取込む。 〈2−2工程〉前記2−1工程で取得された前記画像情
報の中から、前記黒色指標を前記第2画像として特定す
る。 〈2−3工程〉前記2−2工程で特定された前記第2画
像(黒色指標、すなわち、ヘッド特定用ラインと位置特
定用ライン)に基づいて、前記画像情報の全体の中か
ら、シアン領域Pc1、Pc2、マゼンタ領域Pm、イ
エロー領域Pyの各第1画像を特定して、第1画像の濃
度を画素毎に特定する。例えば、シアン領域Pc1の左
側の端部付近における特定された濃度値は、図13−イ
の欄のように示される。
【0034】〈第3工程〉前記第2工程で特定された第
1画像の画素毎の濃度を、〈第1工程〉で求められたフ
レア影響係数Eによって補正する。具体的には、テスト
プリントシートTSの端部から数えた画素の番地毎に、
対応する画素のフレア影響係数E(図13−ロの欄に示
されているが、図11の右欄に示された数値を移し変え
たものである)で除する。シアン領域Pc1の左側の端
部付近の画素の濃度について、除算の結果を図13−ハ
の欄に示す。図13−イから図13−ハに示されるよう
に、例えば、最も左の画素に関する前記〈第2工程〉で
得られた濃度測定値は、(DR ;DG ;DB )=(3
1;85;84)であるが、この画素に対するフレア影
響係数Eは、(1.12;1.02;1.05)である
ことが、前記〈第1工程〉で予め判明しているので、最
も左の画素の真の濃度は、D(DR ;DG ;DB )=
(27.7;83.3;80.0)であることが判る。
同様に、シアン領域Pc1の右側の端部付近の画素の濃
度についても、また、もう一つのシアン領域Pc2、お
よびマゼンタ領域Pm、イエロー領域Pyの両端付近の
画素の濃度についても、〈第1工程〉で求められた各蛍
光露光ヘッド毎のフレア影響係数Eによって補正する。
以上のようにして、シアン領域Pc1、Pc2、マゼン
タ領域Pm、イエロー領域Pyを構成する各画素の濃度
値(すなわち、フレア影響度を考慮した真の濃度値)が
得られる。
【0035】この濃度値からユニフォーミティが不十分
と判断されたら、この濃度値に含まれる濃度分布から、
各蛍光発光素子60の輝度むらをキャンセルするための
輝度補正係数を算定すれば良い。このようにして得られ
た輝度補正係数を、蛍光露光ヘッドの操作条件に反映
(具体的には、前述したように、各蛍光露光ヘッド30
に与える駆動信号の時間幅を調整する等の手法が取られ
る)すれば、ユニフォーミティが改善される。
【0036】次に、上述した蛍光露光ヘッド30を印画
紙3に対して副走査させる機構について図14を用いて
説明する。R・G・Bの3つの蛍光露光ヘッド30R、
30G、30Bをハウジング31に組み込むことにより
一体化された蛍光露光ヘッド30を副走査方向に移動さ
せる往復移動機構50は、ペーパーマスク40の基台4
5に取り付けられており、その基本的な構成要素は、蛍
光露光ヘッド30の両側端部に設けられたガイド部材5
1、ガイド部材51に設けられたガイド孔に挿通される
ガイドレール52、一方のガイド部材51に設けらたワ
イヤー留め具53、一部をワイヤー留め具53に固定さ
れた無端ワイヤー54、無端ワイヤー54を掛け回して
いるとともに基台45の両端に配置されている一対のス
プロケット55(一方のスプロケット55のみ図示)、
一方のスプロケット55を回転させるパルスモータ56
である。パルスモータ56を回転させると、無端ワイヤ
ー54の動きを通じて蛍光露光ヘッド30がガイドレー
ル52に沿って移動し、所定位置に配置されて静止して
いる印画紙3をライン露光していく。露光された印画紙
3は、図示されていない現像処理部で現像処理され、乾
燥されることにより、最終的な写真プリントとなる。
【0037】引き続き、図15を用いて、上述した蛍光
露光ヘッド30を備えたデジタル光プリンタの制御系の
構成を説明する。この制御系は、デジタルカメラやスキ
ャナなどを通じて入力されたデジタル画像データを処理
してプリントデータを生成するとともにこのプリントデ
ータによって蛍光露光ヘッド30を制御するコントロー
ラ8と、往復移動機構50の制御を行うサブコントロー
ラ108と、濃度値測定ユニット90とから構成されて
いる。コントローラ8とサブコントローラ108は通信
可能に接続されている。コントローラ8やサブコントロ
ーラ108は、CPU、ROM、RAM、I/F回路な
どからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材と
して構成され、この蛍光ビーム式画像形成装置に必要な
各種機能をハードウエア又はソフトウエア或いはその両
方で実現させている。つまり、上述した蛍光露光ヘッド
30の制御や蛍光発光素子60の輝度むら補正を行うた
め、このコントローラ8には、図15に示すように、入
出力インターフェース81を介して送り込まれた画像デ
ータを所定のアルゴリズムで処理する画像処理部82
と、蛍光露光ヘッド30の駆動条件を設定するプリンタ
ー制御部83と、輝度補正係数を管理する輝度補正係数
管理部85と、この輝度補正係数管理部85の管理の下
で輝度補正係数を格納している補正テーブル86と、前
述した輝度むら補正作業時に適切な濃度値をもったテス
ト露光ドットが作り出されるように、蛍光露光ヘッド3
0に前述のテストプリントシートTSを作成させるため
に、適切な露光階調値をもったテストプリントデータT
Sを生成するテストプリント生成部87とが構築されて
いる。
【0038】画像処理部82は、デジタルカメラ、スキ
ャナ、CDなどデジタル画像を取得する外部機器からの
デジタル画像データや操作卓を通じて入力されてビット
マップ展開された文字データを画像処理して、蛍光露光
ヘッド30に最適な、各色ピクセル(ドット)単位で2
56段階(8ビット)に区分された露光階調度を作り出
す。この露光階調度に基づいて蛍光露光ヘッド30を駆
動するプリンター制御部83は、陰極電圧を制御する陰
極制御部83aと制御電極電圧を制御する制御電極制御
部83bと陽極電圧を制御する陽極制御部83cを備え
ている。
【0039】蛍光露光ヘッド30による露光の要請があ
ると、プリンター制御部83は輝度補正係数管理部85
に指令を与えることで補正テーブル86から、各蛍光発
光素子60のための輝度補正係数を参照し、各蛍光発光
素子60を発光駆動させるために送られてきた露光階調
値をこの輝度補正係数でもって補正し、この補正された
値を蛍光露光ヘッドドライバー84へ送る。このように
して補正されて、蛍光露光ヘッドドライバー84へ送ら
れた各色の露光階調値はそこで駆動パルス幅に変換さ
れ、R・G・Bの蛍光露光ヘッド30R、30G、30
Bに送られる。さらにコントローラ8の入出力インター
フェース81には、サブコントローラ108の通信ポー
ト108aが接続されている。サブコントローラ108
には蛍光露光ヘッド30の走査速度と各蛍光発光素子の
駆動タイミングに関する制御信号を生成する走査制御部
108bが備えられている。サブコントローラ108
は、コントローラ8と連係して、出力ポート108cと
モータドライバー108dを介して、往復移動機構50
を駆動するパルスモータ56に制御信号を送る。このコ
ントローラ8とサブコントローラ108の連係により、
印画紙3の所定位置に蛍光露光ヘッド30による露光が
行われる。
【0040】少なくとも定期的に行われる輝度むら補正
作業時には、新しく作成されたテストプリントシートT
Sのテスト露光ドットの濃度値を測定するための濃度値
測定ユニット90が利用される。濃度測定ユニット90
は、基本的には、前述したテストプリントシートTSに
形成された各蛍光発光素子60の露光ドットを読み込む
スキャナ91、このスキャナ91の制御を行うスキャナ
制御部92、このスキャナ91から読み込まれた各テス
ト露光ドットラインの濃度値を代表する代表濃度値を前
述した第1工程から第3工程の処理によって算出する濃
度算出部93を含んでいる。この濃度値測定ユニット9
0では、作成されたテストプリントシートTSをスキャ
ナ90によって読み取り、そのスキャニングデータに基
づいて濃度値算出部93が各テスト露光ドットラインの
代表濃度値を求める。その際、前述の位置特定用黒ライ
ンLpおよびヘッド特定用黒ラインLhを主要なリファ
レンスとして作図されるドット座標を手がかりにして、
算出した代表濃度値と対応する蛍光発光素子60を関係
づけておく。次に、既に述べたように、画像の左右の両
端付近の幾つかの該当する画素の濃度について、予め求
められたフレア影響係数による除算を介した補正を加え
た上で、これら蛍光発光素子60の素子番号によって関
係づけられた代表濃度値を輝度補正係数管理部85に送
り込むと、輝度補正係数管理部85は、公知の修正輝度
補正係数の算定方法に基づいたアルゴリズムで各蛍光発
光素子60のための輝度補正係数を算定し、これを補正
テーブル86に格納する。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光発光素子の構造を示す断面模式図
【図2】蛍光発光素子の配置を示す平面模式図
【図3】蛍光露光ヘッドの構造を示す断面模式図
【図4】蛍光発光素子によるドットパターンの形成を説
明する説明図
【図5】蛍光発光素子によるドットパターンの形成を説
明する説明図
【図6】蛍光発光素子によるテストプリントシートの一
例を示す略図
【図7】図6のテストプリントシートの一部を拡大した
略図
【図8】出力された標準プリントシートの一例を示す略
【図9】切断後の図8の標準プリントシートを示す略図
【図10】切断後、移動されて貼り合わされた図8の標
準プリントシートを示す略図
【図11】図10の標準プリントシートの濃度測定値と
フレア影響係数の例を示す表
【図12】図6のテストプリントシートのスキャニング
要領を示す略図
【図13】図6の標準プリントシートの濃度測定値、フ
レア影響係数、および補正後の標準プリントシートの濃
度測定値の例を示す表
【図14】蛍光露光ヘッドを往復移動機構を示す概略斜
視図
【図15】デジタル光プリンタの制御系を模式的に説明
する機能ブロック図
【符号の説明】
E フレア影響係数 TS テストプリントシート SP 標準プリントシート SP′ 標準プリントシート SR 濃度標準領域 30 蛍光露光ヘッド 60 蛍光発光素子 91 光学スキャナ
フロントページの続き Fターム(参考) 2C162 AE23 AE28 AE47 AF83 FA19 FA36 2H110 AB09 AC03 AC14 AC16 BA13 CC07 CD06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像担体に出力された画像の濃度を、発
    光部と、前記発光部を発して前記画像の面で反射した光
    を受光してその光量を検出する素子とを備えた光量測定
    手段によって測定する画像濃度の測定方法であって、 前記発光部を発した光が前記画像に隣接する部位で反射
    し、前記画像領域内に回り込むことによって形成される
    フレアが前記濃度の測定値に及ぼす影響度を予め特定し
    ておく第1工程と、前記画像の濃度を前記光量測定手段
    によって測定する第2工程と、前記第2工程で前記光量
    測定手段によって得られた濃度測定値を、第1工程で特
    定された前記影響度に基づいて補正する第3工程とを備
    えた画像濃度の測定方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程では、前記影響度が、前記
    光量測定手段による濃度測定値の、前記フレアによる影
    響を被らない真の画像濃度に対する比で定義されるフレ
    ア影響係数として求められ、前記第3工程における前記
    補正は、前記濃度測定値の前記フレア影響係数による除
    算からなる請求項1に記載の画像濃度の測定方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程では、真の画像濃度が既知
    の画像領域を前記画像領域の端部に配置した上で、前記
    光量測定手段によって濃度測定することによって、前記
    フレア影響係数を得る請求項2に記載の画像濃度の測定
    方法。
  4. 【請求項4】 前記画像担体は写真用印画紙であり、前
    記第1工程は、写真用露光エンジンに設けられた多数の
    光出射点から出射される互いに光量が等しい光ビームに
    よって前記写真用印画紙を露光し、この写真用印画紙を
    現像処理することによって、前記真の画像濃度が既知の
    画像領域を持つ画像担体のサンプルを得る第1小工程を
    含む請求項3に記載の画像濃度の測定方法。
  5. 【請求項5】 前記第1工程は、前記第1小工程で得ら
    れた前記真の画像濃度が既知の画像領域を持つ画像担体
    のサンプルを、前記真の画像濃度が既知の画像領域内で
    分断することによって、真の画像濃度が既知の端部を持
    つ画像担体のサンプルを得る第2小工程を含む請求項4
    に記載の画像濃度の測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の画像濃度の測
    定方法によって、前記写真用露光エンジンの前記多数の
    光出射点を互いに同一の画像データに基づいて操作する
    ことで前記写真用印画紙に形成される画像の真の濃度分
    布を測定し、前記真の濃度分布測定値を基に、同一の画
    像データに対応して前記写真用露光エンジンの前記光出
    射点から出射される光ビームどうしを均等化させるため
    の写真用露光エンジンの調整方法。
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