JP2001140901A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2001140901A
JP2001140901A JP32582599A JP32582599A JP2001140901A JP 2001140901 A JP2001140901 A JP 2001140901A JP 32582599 A JP32582599 A JP 32582599A JP 32582599 A JP32582599 A JP 32582599A JP 2001140901 A JP2001140901 A JP 2001140901A
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Japan
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oxide film
rolling bearing
bearing
ring
oxide
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JP32582599A
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Hiromitsu Kondo
博光 近藤
Tamotsu Kodama
保 児玉
Tetsuya Kurimura
栗村  哲弥
Tsukasa Toyoda
司 豊田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリープによる摩耗、および結露による発錆
を抑制する。 【解決手段】 転がり軸受を構成する内輪1や外輪2の
発錆活性部1c、1d、2c、2d、1e、2eに酸化膜5を形成し
て錆の発生を防止する。この酸化膜は酸化第一鉄を主成
分とし、熱処理で素材表面に生じた酸化物の被膜を研削
することなく残すことによって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転がり軸受に関し、
特に電子写真プロセスを用いた情報機器、例えば複写機
(デジタルPPC、カラーPPC等)、プリンタ(カラ
ーLBP、カラーLED等)などに装備される定着ロー
ラの支持に好適な転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に静電転写複写機の一般的な構造を
示す。この複写機は、感光ドラム21上に光22の強弱
に応じた電荷の静電潜像を形成し、ここに逆極性電荷を
持つトナーを現像ドラム23から付着させて可視像を形
成し、これを給紙部24から繰り出された用紙に転写し
た上で当該用紙を定着部25に送り、熱や圧力でトナー
を用紙に定着させるものである。定着部25は、内部に
ヒータを備える定着ローラ26と、定着ローラ26に圧
接してこれと平行に配設された加圧ローラ27とを主体
に構成される。
【0003】図5に示すように、定着ローラ26は、そ
の両軸端部に装着された一対の転がり軸受11で取付け
フレーム12に対して回転自在に支持される。転がり軸
受11の内輪1は耐熱ブッシュ14を介して定着ローラ
26の軸端部に嵌着され、止め輪15によって軸方向に
係止される。また、転がり軸受11の外輪2は、鋼板製
の取付けフレーム12の内周に嵌合され、止め輪17に
よって軸方向に係止される。止め輪17は、外輪2の外
径面に形成された止め輪溝に嵌着され、取付けフレーム
12の端面と軸方向に当接することにより、外輪2の軸
方向の位置決めを行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記定着ローラ支持用
の転がり軸受においては、内輪の内径部に耐熱ブッシュ
14などの軸側部材がすきま嵌めで嵌合されるため、使
用条件によっては、回転側軌道輪(内輪)の内周面と軸
側部材の外周面との間にクリープを生じるおそれがあっ
た。
【0005】また、近年の複写機では、省エネ化等の観
点から、定着ローラの加熱をロールに組込んだ面ヒータ
で行い、複写時のみ加熱(200℃程度)できるように
した構造が多くなっているが、この場合、起動状態と待
機状態との間の移行過程で転がり軸受が熱サイクルを受
けるため、軸受表面に結露を生じ、これが錆の発生の原
因となる場合がある。
【0006】そこで、本発明は、クリープによる摩耗、
および結露による発錆を抑制することを主な目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、内輪および外輪と、両軌道輪のそれぞ
れの軌道面間に介装される複数の転動体とを具備する転
がり軸受において、少なくとも何れか一方の軌道輪に酸
化膜を形成した。この酸化膜を少なくとも軌道輪の発錆
活性部に形成しておけば、当該軌道輪での発錆を確実に
防止することができる。
【0008】酸化膜には、相手部材との摺動によりそれ
自体が微細化し、接触部で潤滑ころとして機能するもの
があるので、この種の酸化膜を、回転側軌道輪の少なく
とも回転部材との接触部に形成しておけば、両者のクリ
ープで微細化した酸化膜粒子が潤滑作用を呈し、接触面
での摩耗等が軽減される。
【0009】以上の酸化膜は、例えば熱処理で素材表面
に生じた酸化物の被膜によって、例えば当該被膜を研削
することなく残すことによって形成することができる。
軌道輪が鋼製の場合、酸化膜は、酸化第一鉄が主成分と
なる。
【0010】この転がり軸受は、電子写真プロセスを用
いた情報機器の定着ローラを支持するための軸受として
優れた特性を備え、例えば複写機やプリンタの定着ロー
ラに好適である。ここで、「電子写真プロセス」とは、
物質の光電現象と静電現象を利用して可視画像を記録す
るプロセスをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃
至図3に基づいて説明する。
【0012】図1は、本発明の第一の実施形態を示すも
ので、転がり軸受として深溝玉軸受を例示している。こ
の深溝玉軸受は、ロール軸26a(図2参照)などの回転
部材に固定される内輪1と、鋼板製取付けフレーム12
(図5参照)などのハウジングに固定される外輪2と、
内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に介装され
た転動体としてのボール3と、ボール3を円周等間隔で
保持する保持器4と、軸受の両端部で内・外輪1、2間
の開口部を密封する一対のシール(図示省略)とを主要
構成要素として構成される。シールで密封された軸受内
部空間には、潤滑剤として例えばグリースが封入され
る。グリースの種類は特に問わないが、上記定着ローラ
26(図4および図5参照)の支持用として使用する場合
は、200℃程度の高温環境下においても安定した潤滑
機能が得られる耐熱性グリース、例えばフッ素系グリー
スを使用するのが好ましい。
【0013】本発明においては、図1に示すように、内
輪1および外輪2に酸化膜5(破線で示す)が形成され
る。この酸化膜5の形成方法としては、例えば切削加工
後の軌道輪素材を熱処理(焼入れ、焼戻し等)すること
によって素材表面に形成された酸化物の被膜をそのまま
利用することが考えられる。すなわち、少なくとも酸化
膜5の形成部分において熱処理後の研削加工を省略し、
酸化膜5が製品表面に残るようにするのである。軌道輪
1、2を高炭素クロム軸受鋼などの鋼材料で形成した場
合、酸化膜5は酸化第一鉄が主成分となる。
【0014】上記酸化膜5は、少なくとも発錆の活性部
分、言い換えると錆の発生の起点となる部分に形成され
る。内輪1や外輪2のどの部位が発錆活性部となるかは
軸受の使用環境等によって変わるので一概にはいえない
が、面ヒータを使用した定着ローラ用軸受のように、熱
サイクルを受ける用途では、結露の溜まり易い軌道輪
1、2の角部が発錆活性部となる。図示例の深溝玉軸受
では、軌道輪1、2端面の内径側もしくは外径側の面取
り部1c、1d・2c、2dや、軌道面1a、2aとこれに隣接する
内輪外周面1bおよび外輪内周面2bとの境界部分1e、2eな
どが角部となるので、これらの角部に酸化膜5を形成す
る。酸化膜5はこれら全ての角部に形成する必要は必ず
しもなく、必要箇所のみ選択して(少なくとも何れかの
角部に)形成すれば足りる。また、図示のように酸化膜
5を軌道輪1、2表面に部分的に形成する他、軌道輪
1、2の全表面に形成してもよい。この場合、軌道輪
1、2の研削加工が全て省略可能となるため、製造コス
トのさらなる低減を図ることができる。
【0015】図2は本発明の他の実施形態を示すもの
で、図1と同様に深溝玉軸受に適用した場合を例示して
いる。この実施形態では、回転側軌道輪のうちの少なく
とも回転部材との接触部、例えば回転する定着ロール26
のロール軸26aと接触する内輪1の内周面1f全面に上記
酸化膜5を形成したものである。酸化膜5の組成や形成
方法等は図1に示す実施形態と同様である。
【0016】この構成では、ロール軸26aと内輪1との
クリープにより両者の接触面が摺動するため、図3に示
すように酸化膜5が削れて微細化する。この微細化した
酸化膜5aは、接触面間で潤滑性を有するため、相互に摺
動する内輪内周面1fやロール軸26a外周面の摩耗を軽減
することができる。図面では、内輪1をロール軸26aに
直接嵌合しているが、図5と同様に耐熱ブッシュ14を介
在させても同様の効果が得られる。
【0017】なお、上記酸化膜5を、内輪内周面1bと接
触するロール軸26a外周面のみに形成したり、あるいは
ロール軸26a外周面と内輪内周面1bの双方に形成しても
よく、何れの場合も図2と同様の効果が奏される。
【0018】以上の実施形態では、それぞれ深溝玉軸受
を例示しているが、本発明は深溝玉軸受に限らず、アン
ギュラ玉軸受や円筒ころ軸受等の他の転がり軸受にも同
様に適用することができる。
【0019】
【発明の効果】上記のように軌道輪の少なくとも発錆活
性部に酸化膜を形成すれば、この部分での錆の発生を抑
えることができ、軸受寿命の増大や長期使用時の軸受機
能の安定化等を図ることができる。特に面ヒータを用い
た定着ローラのように熱サイクルを受ける用途において
は、発錆防止に顕著な効果が得られる。
【0020】また、回転側軌道輪の少なくとも回転部材
との接触部に酸化膜を形成すれば、微細化した酸化膜粒
子の潤滑作用により、接触面でのクリープ摩耗等を抑制
することができる。
【0021】上記酸化膜を、熱処理で素材表面に生じた
酸化物の被膜によって形成すれば、研削工程の省略によ
るコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態を示す断面図である。
【図3】図2中のA領域の拡大断面図である。
【図4】一般的な複写機の断面図である。
【図5】上記複写機の定着ローラの断面図である。
【符号の説明】
1 軌道輪(内輪) 1a 軌道面 1b 内輪外周面 1c 面取り部(内径側) 1d 面取り部(外径側) 1e 境界部 1f 内輪内周面 2 軌道輪(外輪) 2a 軌道面 2b 外輪内周面 2c 面取り部(内径側) 2d 面取り部(外径側) 2e 境界部 3 転動体 5 酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗村 哲弥 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 (72)発明者 豊田 司 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA23 BB12 BB36 3J101 AA02 AA13 AA24 AA32 AA42 AA52 AA54 AA62 BA55 BA56 BA70 DA03 DA05 EA78 FA35 FA60 GA53

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪および外輪と、両軌道輪のそれぞれ
    の軌道面間に介装される複数の転動体とを具備する転が
    り軸受において、少なくとも何れか一方の軌道輪に酸化
    膜を形成したことを特徴とする転がり軸受。
  2. 【請求項2】 上記酸化膜が、熱処理で素材表面に生じ
    た酸化物の被膜によって形成されている請求項1記載の
    転がり軸受。
  3. 【請求項3】 酸化膜を少なくとも発錆活性部に形成し
    た請求項1または2記載の転がり軸受。
  4. 【請求項4】 酸化膜を、回転側軌道輪の少なくとも回
    転部材との接触部に形成した請求項1または2記載の転
    がり軸受。
  5. 【請求項5】 酸化膜が酸化第一鉄を主成分とする請求
    項2記載の転がり軸受。
  6. 【請求項6】 電子写真プロセスを用いた情報機器の定
    着ローラを回転自在に支持する請求項1乃至5何れか記
    載の転がり軸受。
JP32582599A 1999-11-16 1999-11-16 転がり軸受 Withdrawn JP2001140901A (ja)

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Effective date: 20070206