JP2008203663A - 定着装置 - Google Patents

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JP2008203663A JP2007041262A JP2007041262A JP2008203663A JP 2008203663 A JP2008203663 A JP 2008203663A JP 2007041262 A JP2007041262 A JP 2007041262A JP 2007041262 A JP2007041262 A JP 2007041262A JP 2008203663 A JP2008203663 A JP 2008203663A
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Masaaki Honda
正明 本多
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Abstract

【課題】簡易な構造でミスアライメントに対して許容範囲を広くとることできるとともに、軸受部の取り付け精度の向上が図れ、軸受部の早期破損を抑え装置寿命を長くでき、加えて運転時の異音も防止できる定着装置を提供する。
【解決手段】内輪2と外輪3の軌道面間に複数の玉4が配列された転がり玉軸受によって回転部材を回転自在に支持してなる定着装置であって、内輪2の内径面は、軸方向に沿う凸球面状で、かつ軸方向断面が単一円弧状で該円弧の半径は玉4の直径の 0.5 〜 50 倍であり、回転部材の単一径の軸部8aが内輪内径に嵌合され、上記回転部材が、印刷用紙にトナーを定着させるための、ヒータ9が内蔵された定着ローラ8である。
【選択図】図2

Description

本発明は、内径面を軸方向に沿う凸曲面とした転がり玉軸受を使用した定着装置に関する。
複写機やプリンタ等の事務機器の定着部に使用される定着ローラや加圧ローラ等の回転部材では、高温、高荷重のためベンディング(湾曲・撓み)によるミスアライメントが発生する。従来、事務機器の定着ローラ支持用転がり軸受において、内輪の内径を軸方向に沿うテーパ状または球面状などの凸曲面部とすることにより、定着ローラの撓みによるミスアライメントを吸収し、定着ローラの軸端部に発生する摩耗を抑制することができる円筒ころ軸受が知られている(特許文献1参照)。
事務機器では、小型化や構造簡略化等による組み立て性の問題から、軸と軸受とが通常はすきま嵌めであるため、回転部材の軸受による支持箇所では、軸が傾くことで軸受も傾き、最悪は転動体が内輪外径面に乗り上げて破損してしまう場合がある。また、図4に示すように、軸11がベンディングした場合には、内輪12との接触面積が少なくなるため、面圧が上がり軸の摩耗が加速される。
特許文献1の円筒ころ軸受では、つば部強度確保のため凸曲面部の局率半径Rを小さくできない。また、調心時は荷重点が変化するため、ころに働く荷重分布も変化する。例えば、内部隙間が大きい場合には、ころが隙間分傾いてしまい、ころと軌道面の接触面積が小さくなり局部的に接触面圧が大きくなる場合がある。このため、円筒ころ軸受では、軸受にミスアライメントが働く箇所で軸受の早期破損が生じやすい、また、ミスアライメントに対して許容範囲を広くとることできないという問題がある。例えば、ミスアライメントを吸収するための調心角度は 10 度程度以下である。また、円筒ころのため、回転トルクが玉軸受よりも大きく、より多くの駆動力が必要となる。
また、事務機器では省スペース化のため構造材に板金が多用され、板金を組み合わせて筐体を形成するため、公差の積み重ねにより軸受取り付け位置精度が悪くなるという問題がある。取り付け位置が悪いままだと、ミスアライメントが発生し、軸受の早期破損に繋がる。通常の軸受の場合、取り付け誤差やミスアライメントを軽減するためには、リング部材等が必要となり部品点数が増えるという問題がある。
また、回転部材の軸部と軸受とのすきま嵌めが原因で、印刷時などに嵌め合い部において鳴き音(コツコツ音)等の異音が発生するという問題がある。
特に近年において、定着装置の定着部は、印刷スピードが高速化、高画質化する中で、より早くトナーを紙に定着させる機能と高品位での印刷が要求されている。高速化に伴い温度を上げて紙への定着スピードを上げるため、必然的に周囲温度(軸受も)が上昇する。また、装置の使用期間も延びたことから、これに使用される軸受には高温長寿命が要求されている。このような定着部および軸受の温度上昇に伴い、嵌め合い部での異音がより発生しやすくなっている。従来は、嵌め合い部へのグリース塗布や、軸への圧入により異音発生防止を図っている。
異音を防止するために、回転部材の軸部を軸受に圧入する場合では、締まり嵌めのため異音防止には効果があるが、組み立て作業性が著しく低下するという問題がある。これに対し、嵌め合い部にグリースを塗布する場合では、組み立て作業性はそれほど低下しないが、定着部は高温となるためにグリースの経時劣化(油分減少、枯渇)により時間経過とともに異音やクリープが発生するという問題がある。また、塗布したグリースが周囲へ飛散して周辺部位を汚染するおそれがある。
特開2003−43849号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、簡易な構造でミスアライメントに対して許容範囲を広くとることできるとともに、軸受部の取り付け精度の向上が図れ、軸受部の早期破損を抑え装置寿命を長くでき、加えて運転時の異音も防止できる定着装置の提供を目的とする。
本発明の定着装置は、内輪と外輪の軌道面間に複数の玉が配列された転がり玉軸受によって回転部材を回転自在に支持してなる定着装置であって、上記内輪の内径面は、軸方向に沿う凸球面状で、かつ軸方向断面が単一円弧状で該円弧の半径は上記玉の直径の 0.5 〜 50 倍であり、上記回転部材の単一径の軸部が前記内輪内径に嵌合されることを特徴とする。
また、上記回転部材が、印刷用紙にトナーを定着させるための、ヒータが内蔵された定着ローラであることを特徴とする。
本発明の定着装置は、回転部材の単一径の軸部が嵌合される転がり玉軸受の内輪内径面が、軸方向に沿う凸球面状で、かつ軸方向断面が所定半径を有する単一円弧状であるので、調心性を大きく持たせることができ、運転時に回転部材が撓んでも、撓んだ形状に軸受の内輪内径面が追随できる。また、取り付け誤差で発生するミスアライメントも吸収できる。これらの結果、軸受の早期損傷を防止できるとともに、運転時の異音も防止できる。同時に、従来行なっていたグリース塗布、シャフトへの圧入等の異音およびクリープ防止対策の廃止に貢献できる。
また、内輪の内径面が軸方向に沿う凸球面状であるので、内径入り口付近は大径となり、また、軸受の傾きに依らず内径は一定である。このため、軸受が傾いてもその挿入性に変化がなく、軸受取り付け誤差を無視できる定着装置が設計可能であり、軸受の製作、取り付け作業の効率が向上する。
さらに、円筒ころ軸受に比較して、内輪および外輪間にグリースを比較的多く封入することができるので、軸受寿命を延ばすことができる。本発明の定着装置では、転がり玉軸受の寿命が律速となるので、部品交換サイクルを長くすることができる。
定着装置の構成は感光→搬送→現像→定着→排出となっており、定着部は2本の中空ゴムローラ (芯金にアルミや鋼材を使用)に温度( 200℃程度)とそれを支持する軸受とヒータで構成される。通常、ローラは中空となっているため、その中にヒータを通してローラ内部から直接加熱を行なっている。現像部から出てきた紙にトナーを定着させるために、上記温度のほかに圧力( 98 N 程度)をかけてトナーを紙に定着させる。
本発明に用いる深溝玉軸受(転がり玉軸受)を図1に基づいて説明する。図1は本発明の定着装置に用いる深溝玉軸受(転がり玉軸受)の断面図である。
図1に示すように、深溝玉軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の玉4が配置される。この複数個の玉4を保持する保持器5および外輪3等に固定されるシール部材6が内輪2および外輪3の軸方向両端開口部にそれぞれ設けられている。玉4の周囲に潤滑グリース7が封入される。
深溝玉軸受1における内輪転走面2aは、図1に示すように曲率が一定であることから、内輪2が傾いても玉4との接触面積は変化しない。このため、局部的な接触面圧の増加を防止でき、軸受の早期損傷の防止およびミスアライメントに対しての許容範囲の拡大を図れる。
内輪2の内径面2bは、軸方向に沿う凸球面状で、かつ軸方向断面が単一円弧状である。すなわち、軸方向幅中心部が両端部よりも軸に対して突出した球面である。
内径面2bは、図1における玉4の中心C0を通る線分L上に存在する点C1を中心にする円弧の一部を形成する。上記円弧の半径は、玉4の直径の 0.5 〜 50 倍径が好ましく、特に好ましくは 10 〜 20 倍径である。この範囲外となると、いずれも調心角度が大きくなったり、小さくなったりして、回転部材を安定して支持することが困難となる。
具体的には、半径を上記範囲とすると、調心角度を10度〜20度とできる。調心角度が 10度未満であると、定着装置において転がり軸受を設置する部位が構造材に板金等を用いた寸法精度に劣る部位である場合、十分にミスアライメントを吸収することができない。
上記内輪の内径は 好ましくは 4 mm 〜 50 mmである。より好ましくは 4 mm 〜 30mm である。なお、内輪の内径は軸方向断面において、単一円弧状の頂点同士の距離を表す。また、内輪の内径が上記範囲のとき、玉の直径は 2mm 〜 10mm 程度である。
本発明の定着装置の構造を図2に基づいて説明する。図2は、上述した深溝玉軸受1で軸部8aを支持された定着装置の定着ローラ8を示す。
この定着ローラ8はアルミニウムで中空に形成され、中空部に配設された電磁誘導加熱ヒータ9によって 200℃程度まで加熱されるようになっており、電磁誘導で生じる内部電流によって帯電する。定着ローラ8の両端の軸部8aは内輪2の内径面に嵌合され、外輪3が定着装置のフレーム10で固定されており、各軸部8aは深溝玉軸受1を介してフレーム10に接地され、定着ローラ8に帯電する電気を逃すようになっている。
定着ローラ8の軸部8aは、単一径の軸である。すなわち、上記内輪2に嵌合できる直円柱または直円筒状の軸である。単一径の軸であっても、運転開始と同時に軸受内径面と軸との間で調心されるためミスアライメントが吸収できる。例えば、図3に示すように、運転時に定着ローラ8およびその軸部8aが撓んでも、撓んだ形状に軸受1の内輪内径面が追随できる。
また、軸の挿入性にも優れるので、すきま嵌めの隙間幅を小さくできる。
本発明に使用できる軸受は、転がり玉軸受であればよく、上述の深溝玉軸受に限定されるものではない。また、本発明の定着装置において転がり玉軸受は、静電気等によって帯電する定着ローラ以外の回転部材の支持にも使用することができる。
本発明の定着装置に用いる転がり玉軸受の内・外輪の材質としては、周知の軸受用金属材料を用いることができる。具体例としては、軸受鋼(高炭素クロム軸受鋼JIS G 4805)、肌焼鋼(JIS G 4104等)、高速度鋼(AMS 6490)、ステンレス鋼(JIS G 4303)、高周波焼入鋼(JIS G 4051等)が挙げられる。また、他の軸受用合金を採用することもできる。また、玉は上記金属製、またはセラミック製であってもよい。また、定着ローラは通常、A5056、A6063等の軽量アルミニウム合金等により形成される。
本発明において転がり玉軸受に封入するグリースとしては、一般に軸受に使用されるグリースであれば、特に種類を限定されない。また、転がり玉軸受であるため、円筒ころ軸受に比較して多量の潤滑グリースを封入できる。多量の潤滑グリースを封入できることにより、調心性と共に軸受寿命が向上する。軸受寿命が向上することにより、部品交換サイクルが長くなり、定着装置の維持管理費用が削減できる。
定着装置運転時において、回転部材の軸部と軸受との間、すなわち嵌め合い部において鳴き音等の異音が発生する機構を図5を参照して説明する。図5は、転がり軸受の内輪内径面に、定着ローラのシャフトがすきま嵌めで嵌合されている場合の断面図である。図5(a)は嵌め合い部に温度のみがかかる場合を、図5(b)および図5(c)は嵌め合い部に温度と荷重(圧力)がかかる場合をそれぞれ示す。
図5(a)に示すように、温度上昇によりシャフトが熱膨張し、軸受内輪もシャフトと一緒に移動する(接触面の動摩擦係数が大きいため)。
図5(b)に示すように、ラジアル荷重負荷によりシャフトがベンディングする。図中においてFrは軸受にかかるラジアル方向の力を、Faは軸受にかかるアキシャル方向の力をそれぞれ示す。ここで、Fr<Faの場合は軸受内輪の姿勢は保たれる。
図5(c)に示すように、シャフトと定着ローラ外径の芯ずれ(偏心)により、Frが変化する。Fr>Faの場合、軸受の内輪姿勢が崩れる。軸受姿勢が元に戻る時に、シャフトを叩き鳴き音が発生する。
以上の機構において、シャフトと軸受との嵌め合い面における動摩擦係数が十分に小さい場合ではFr<Faとなり、軸受の姿勢を保つことができる。
本発明の定着装置では、転がり玉軸受の内輪内径面を上述の形状とするので、嵌め合い面での接触面積が小さく動摩擦係数を低く維持できるとともに、シャフトなどの変形に軸受の内輪内径面が追随できる(図3参照)。このため、上記異音発生機構において軸受の姿勢を保つことができ、運転時の異音の発生を防止できる。
本発明の定着装置は、簡易な構造でミスアライメントを許容でき、早期破損を抑え、加えて運転時の異音も防止できるので、複写機やプリンタ等の事務機器用定着装置として好適に利用できる。
本発明の定着装置に用いる深溝玉軸受(転がり玉軸受)の断面図である。 図1の転がり玉軸受を使用した複写機の定着ローラを示す縦断面図である。 本発明の定着装置に用いる転がり玉軸受において軸のベンディング発生時を示す断面図である。 従来の転がり玉軸受において軸のベンディング発生時を示す断面図である。 異音が発生する機構を説明する図である。
符号の説明
1 深溝玉軸受(転がり玉軸受)
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
6 シール部材
7 グリース
8 定着ローラ(回転部材)
8a 軸部
9 電磁誘導加熱ヒータ
10 フレーム

Claims (2)

  1. 内輪と外輪の軌道面間に複数の玉が配列された転がり玉軸受によって回転部材を回転自在に支持してなる定着装置であって、
    前記内輪の内径面は、軸方向に沿う凸球面状で、かつ軸方向断面が単一円弧状で該円弧の半径は前記玉の直径の 0.5 〜 50 倍であり、前記回転部材の単一径の軸部が前記内輪内径に嵌合されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転部材が、印刷用紙にトナーを定着させるための、ヒータが内蔵された定着ローラであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
JP2007041262A 2007-02-15 2007-02-21 定着装置 Pending JP2008203663A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011038563A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Jtekt Corp 内輪と外輪および玉軸受
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