JP2011038563A - 内輪と外輪および玉軸受 - Google Patents

内輪と外輪および玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】軸やハウジングに対する取付け性,取外し性を損なうことなくクリープを防止できる内輪と外輪および玉軸受を提供する。
【解決手段】この内輪1は、第1,第2嵌合部11,15がばね性を有するので、図2に示すように、軸20に対する締め代を設定する締まり嵌めとして、第1,第2嵌合部11,15を弾性で径方向外方へ撓ませて軸20に挿入できるから、軸20に対する取付けと取外しが容易である。よって、軸20に対する取付け性,取外し性を損なうことなく軸20に対して締まり嵌めとして、第1,第2嵌合部11,15を弾性により軸20の外周面を径方向内方へ押圧させてクリープを防止できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、玉軸受およびその内輪と外輪に関する。
従来、複写機の定着ローラやヒートローラなどに使用する玉軸受では、図5に示すように、玉軸受101を、回転軸(ローラ)102の軸端部102Aと板金ハウジング103との間に嵌合させ、上記軸端部102Aに形成した環状溝104に玉軸受101の軸方向位置を規制して抜けを防止するための止め輪105を嵌めている。
そして、上記玉軸受101の取り付けと取り外しを容易にするために、玉軸受101と板金ハウジング103との間、玉軸受101と軸端部102Aとの間を緩み嵌め(ルーズフィット)としている。
このため、玉軸受101の内輪106と軸端部102Aとの間や玉軸受101の外輪107と軸端部102Aとの間でクリープが発生し易くなる。よって、ガタによる異音発生の懸念がある。また、摩耗粉が玉軸受101内に入って軸受寿命が低下する懸念もある。
特に、複写機の定着ローラやヒートローラに使用される転がり軸受では、ローラが用紙への定着や紙送りのために数10kg程度で加圧されることに加えて、近年、紙送りのスピードアップのために、加圧荷重が大きくなり、上記クリープによるガタや摩耗粉の発生が顕著になる。
ところで、特許文献1(特開昭51−86662号公報)では、図6に示すように、軸受201と軸203とを、ワイヤー206もしくはスナップリングやサークリップを用いて両部材を軸方向に係止することが開示されている。
しかし、この特許文献1に開示の技術でも、軸受201と軸203との間の軸方向のガタを幾らか抑制できてもクリープを防止することはできなかった。
また、特許文献2(特開平9−144763号公報)では、内輪と外輪とを、板金をプレス加工して作製することが開示されている。
しかし、この特許文献2に開示の技術では、内輪は、その内周面が端面部(折曲部)と外周面側軌道溝と荷重バックアップ部とによって、径方向に移動できなくされている。このため、内輪を回転軸に締まり嵌めで嵌め込むことが容易でなく、無理に嵌め込むと、思いも寄らない変形を生じてしまう。
特開昭51−86662号公報 特開平9−144763号公報
そこで、この発明の課題は、軸やハウジングに対する取付け性,取外し性を損なうことなくクリープを防止できる内輪と外輪および玉軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の内輪は、軸方向の中央側から軸方向の一方側へ漸次拡径して延在すると共にばね性を有する第1嵌合部と、
上記第1嵌合部の軸方向の一方側端部から径方向外方へ延在する第1端部と、
上記第1端部の外周から軸方向他方側へ延在すると共に上記第1嵌合部に径方向に間隙を隔てて対向している第1肩部と、
上記第1嵌合部よりも軸方向の他方側に配置され、軸方向の中央側から軸方向の他方側へ漸次拡径して延在すると共にばね性を有する第2嵌合部と、
上記第2嵌合部の軸方向の他方側端部から径方向外方へ延在する第2端部と、
上記第2端部の外周から軸方向一方側へ延在すると共に上記第2嵌合部に径方向に間隙を隔てて対向している第2肩部と、
上記第1肩部と第2肩部とに連なると共に内輪軌道面を含み、上記第1嵌合部および第2嵌合部に対して径方向に間隙を隔てて対向している断面円弧状の軌道部と
を備えることを特徴としている。
この発明の内輪によれば、上記第1,第2嵌合部がばね性を有するので、軸に対する締め代を設定する締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部を弾性で径方向外方へ撓ませて軸に挿入できるから、軸に対する取付けと取外しが容易である。よって、軸に対する取付け性,取外し性を損なうことなく軸に対して締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部を弾性により軸の外周面を径方向内方へ押圧させてクリープを防止できる。
また、一実施形態の玉軸受では、上記内輪と、
外輪軌道面を含む外方部材と、
上記内輪軌道面と上記外輪軌道面との間に転走可能に配置される玉とを備える。
この実施形態の玉軸受によれば、上記内輪の第1,第2嵌合部のばね性で軸の外周面を径方向内方へ押圧させてクリープを防止できる。
また、一実施形態の外輪では、軸方向の中央側から軸方向の一方側へ漸次縮径して延在すると共にばね性を有する第1嵌合部と、
上記第1嵌合部の軸方向の一方側端部から径方向内方へ延在する第1端部と、
上記第1端部の内周から軸方向他方側へ延在すると共に上記第1嵌合部に間隙を隔てて径方向に対向している第1肩部と、
上記第1嵌合部よりも軸方向の他方側に配置され、軸方向の中央側から軸方向の他方側へ漸次縮径して延在すると共にばね性を有する第2嵌合部と、
上記第2嵌合部の軸方向の他方側端部から径方向内方へ延在する第2端部と、
上記第2端部の内周から軸方向一方側へ延在すると共に上記第2嵌合部に対して径方向に間隙を隔てて対向している第2肩部と、
上記第1肩部と第2肩部とに連なると共に外輪軌道面を含み、上記第1嵌合部および第2嵌合部に対して径方向に間隙を隔てて対向している断面円弧状の軌道部とを備える。
この実施形態の外輪によれば、上記第1,第2嵌合部がばね性を有するので、ハウジングに対する締め代を設定する締まり嵌めとしても、上記第1,第2嵌合部をばね性で径方向内方へ撓ませてハウジングに挿入できるから、ハウジングに対する取付けと取外しが容易である。よって、ハウジングに対する取付け性,取外し性を損なうことなくハウジングに対して締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部を弾性によりハウジングの内周面を径方向外方へ押圧させてクリープを防止できる。
また、一実施形態の玉軸受では、上記外輪と、
内輪軌道面を含む内方部材と、
上記内輪軌道面と上記外輪軌道面との間に転走可能に配置される玉と
を備える。
この実施形態の玉軸受によれば、上記外輪の第1,第2嵌合部のばね性でハウジングの内周面を径方向外方へ押圧させてクリープを防止できる。
この発明の内輪によれば、第1,第2嵌合部がばね性を有するので、軸に対する締め代を設定する締まり嵌めとしても、上記第1,第2嵌合部を弾性で径方向外方へ撓ませて軸に挿入できるから、軸に対する取付けと取外しが容易である。よって、軸に対する取付け性,取外し性を損なうことなく軸に対して締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部を弾性により軸の外周面を径方向内方へ押圧させてクリープを防止できる。
この発明の内輪の実施形態を備えた玉軸受を示す断面図である。 図1の玉軸受の内輪を締まり嵌めで軸に装着した様子を示す断面図である。 この発明の外輪の実施形態を備えた玉軸受を示す断面図である。 図3の玉軸受の外輪をハウジングに締まり嵌めで装着した様子を示す断面図である。 従来の玉軸受を示す断面図である。 もう1つの従来の玉軸受を示す断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に、この発明の第1実施形態としての内輪1を備えた玉軸受を示す。この玉軸受は、内輪1と、外方部材としての外輪2と、内輪1の内輪軌道面1Aと外輪2の外輪軌道面2Aとの間に転走可能に配置された複数の玉3を備える。上記外輪2の軸方向両端の肩部にはシールド板5,6が嵌合されている。また、この玉軸受は、上記複数の玉3を保持する保持器7を備える。
上記内輪1は、軸方向の中央側から軸方向の一方側へ漸次拡径して延在すると共にばね性を有する環状の第1嵌合部11と、この第1嵌合部11の軸方向の一方側端部11Aから径方向外方へ延在する環状の第1端部12とを有する。また、上記内輪1は、上記第1端部12の外周から軸方向他方側へ延在すると共に上記第1嵌合部11に径方向に間隙を隔てて対向している第1肩部13を有する。
また、上記内輪1は、上記第1嵌合部11に対して間隙を隔てて軸方向の他方側に配置され、軸方向の中央側から軸方向の他方側へ漸次拡径して延在すると共にばね性を有する環状の第2嵌合部15と、この第2嵌合部15の軸方向の他方側端部15Aから径方向外方へ延在する環状の第2端部16とを有する。また、上記内輪1は、上記第2端部16の外周から軸方向一方側へ延在すると共に上記第2嵌合部15に径方向に間隙を隔てて対向している第2肩部17を有する。また、上記内輪1は、上記第1肩部13と第2肩部17とに連なると共に内輪軌道面1Aを含み、上記第1嵌合部11および第2嵌合部15に対して径方向に間隙を隔てて対向している断面円弧状の軌道部18を有する。
この実施形態では、一例として、上記内輪1は、板金をプレス加工して作製され、浸炭焼入によりばね性が付与されている。
この実施形態の内輪1によれば、上記第1,第2嵌合部11,15がばね性を有するので、図2に示すように、軸20に対する締め代を設定する締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部11,15を弾性で径方向外方へ撓ませて軸20に挿入できるから、軸20に対する取付けと取外しが容易である。よって、軸20に対する取付け性,取外し性を損なうことなく軸20に対して締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部11,15を弾性により軸20の外周面を径方向内方へ押圧させてクリープを防止できる。
また、この実施形態の内輪1によれば、上記第1,第2嵌合部11,15がばね性を有するので、軸20の偏心を許容できる。また、この実施形態の内輪1によれば、図2に示すように、軸20に装着した状態では、上記第1,第2嵌合部11,15が第1,第2端部12,16に対して略直角に屈曲され、第1,第2肩部13,17の軸方向端から略軸直角に延在する第1,第2端部12,16で軸20からの荷重が支えられる。したがって、内輪1を軸20に装着した状態では、第1,第2嵌合部11,15の弾性変形の影響を受けにくい。
また、この内輪1を備えた玉軸受によれば、軸心精度に対する要求が比較的緩やかだが組付性が求められる用途において、クリープを防止するのに好適となる。一例として、複写機の定着ローラやヒートローラの支持等に使用すると好適である。
(第2の実施の形態)
次に、図3に、この発明の第2実施形態としての外輪32を備えた玉軸受を示す。この玉軸受は、内方部材としての内輪31と、外輪32と、内輪31の内輪軌道面31Aと外輪32の外輪軌道面32Aとの間に転走可能に配置された複数の玉33を備える。また、この玉軸受は、上記複数の玉33を保持する保持器37を備える。
上記外輪32は、軸方向の中央側から軸方向の一方側へ漸次縮径して延在すると共にばね性を有する環状の第1嵌合部41と、上記第1嵌合部41の軸方向の一方側端部から径方向内方へ延在する環状の第1端部42とを有する。また、上記外輪32は、上記第1端部42の内周から軸方向他方側へ延在すると共に上記第1嵌合部41に間隙を隔てて径方向に対向している第1肩部43を有する。
また、上記外輪32は、上記第1嵌合部41に対して間隙を隔てて軸方向の他方側に配置され、軸方向の中央側から軸方向の他方側へ漸次縮径して延在すると共にばね性を有する環状の第2嵌合部45と、この第2嵌合部45の軸方向の他方側端部から径方向内方へ延在する環状の第2端部46とを有する。
また、上記外輪32は、上記第2端部46の内周から軸方向一方側へ延在すると共に上記第2嵌合部45に対して径方向に間隙を隔てて対向している第2肩部47を有する。また、上記外輪32は、上記第1肩部43と第2肩部47とに連なると共に外輪軌道面32Aを含み、上記第1嵌合部41および第2嵌合部45に対して径方向に間隙を隔てて対向している断面円弧状の軌道部48を有する。
この実施形態では、一例として、上記外輪32は、板金をプレス加工して作製され、浸炭焼入によりばね性が付与されている。
この実施形態の外輪32によれば、上記第1,第2嵌合部41,45がばね性を有するので、図4に示すように、ハウジング50に対する締め代を設定する締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部41,45を弾性で径方向内方へ撓ませてハウジング50に挿入できるから、ハウジング50に対する取付けと取外しが容易である。よって、ハウジング50に対する取付け性,取外し性を損なうことなくハウジング50に対して締まり嵌めとして、上記第1,第2嵌合部41,45を弾性によりハウジング50の内周面を径方向外方へ押圧させてクリープを防止できる。
また、この実施形態の外輪32によれば、上記第1,第2嵌合部41,45がばね性を有するので、ハウジング50の偏心を許容できる。また、この実施形態の外輪32によれば、図4に示すように、ハウジング50に装着した状態では、上記第1,第2嵌合部41,45が第1,第2端部42,46に対して略直角に屈曲され、第1,第2肩部43,47の軸方向端から略軸直角に延在する第1,第2端部42,46でハウジング50からの荷重が支えられる。したがって、外輪32をハウジング50に装着した状態では、第1,第2嵌合部41,45の弾性変形の影響を受けにくい。
また、この外輪32を備えた玉軸受によれば、軸心精度に対する要求が比較的緩やかだが組付性が求められる用途において、クリープを防止するのに好適となる。一例として、複写機の定着ローラやヒートローラの支持等に使用すると好適である。
尚、上記第1実施形態の内輪1と第2実施形態の外輪32とを備えた玉軸受とすることもできる。
1,31 内輪
1A,31A 内輪軌道面
2,32 外輪
2A,32A 外輪軌道面
3,33 玉
5,6 シールド板
7,37 保持器
11,41 第1嵌合部
12,42 第1端部
13,43 第1肩部
15,45 第2嵌合部
16,46 第2端部
17,47 第2肩部
18,48 軌道部
20 軸
50 ハウジング

Claims (4)

  1. 軸方向の中央側から軸方向の一方側へ漸次拡径して延在すると共にばね性を有する第1嵌合部と、
    上記第1嵌合部の軸方向の一方側端部から径方向外方へ延在する第1端部と、
    上記第1端部の外周から軸方向他方側へ延在すると共に上記第1嵌合部に径方向に間隙を隔てて対向している第1肩部と、
    上記第1嵌合部よりも軸方向の他方側に配置され、軸方向の中央側から軸方向の他方側へ漸次拡径して延在すると共にばね性を有する第2嵌合部と、
    上記第2嵌合部の軸方向の他方側端部から径方向外方へ延在する第2端部と、
    上記第2端部の外周から軸方向一方側へ延在すると共に上記第2嵌合部に径方向に間隙を隔てて対向している第2肩部と、
    上記第1肩部と第2肩部とに連なると共に内輪軌道面を含み、上記第1嵌合部および第2嵌合部に対して径方向に間隙を隔てて対向している断面円弧状の軌道部と
    を備えることを特徴とする内輪。
  2. 請求項1に記載の内輪と、
    外輪軌道面を含む外方部材と、
    上記内輪軌道面と上記外輪軌道面との間に転走可能に配置される玉と
    を備えることを特徴とする玉軸受。
  3. 軸方向の中央側から軸方向の一方側へ漸次縮径して延在すると共にばね性を有する第1嵌合部と、
    上記第1嵌合部の軸方向の一方側端部から径方向内方へ延在する第1端部と、
    上記第1端部の内周から軸方向他方側へ延在すると共に上記第1嵌合部に間隙を隔てて径方向に対向している第1肩部と、
    上記第1嵌合部よりも軸方向の他方側に配置され、軸方向の中央側から軸方向の他方側へ漸次縮径して延在すると共にばね性を有する第2嵌合部と、
    上記第2嵌合部の軸方向の他方側端部から径方向内方へ延在する第2端部と、
    上記第2端部の内周から軸方向一方側へ延在すると共に上記第2嵌合部に対して径方向に間隙を隔てて対向している第2肩部と、
    上記第1肩部と第2肩部とに連なると共に外輪軌道面を含み、上記第1嵌合部および第2嵌合部に対して径方向に間隙を隔てて対向している断面円弧状の軌道部と
    を備えることを特徴とする外輪。
  4. 請求項3に記載の外輪と、
    内輪軌道面を含む内方部材と、
    上記内輪軌道面と上記外輪軌道面との間に転走可能に配置される玉と
    を備えることを特徴とする玉軸受。
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