JP2001139691A - 3価リン含有重合体触媒によるアルデヒド類の製造方法および新規なホスファイト含有重合体 - Google Patents

3価リン含有重合体触媒によるアルデヒド類の製造方法および新規なホスファイト含有重合体

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JP2001139691A
JP2001139691A JP32506799A JP32506799A JP2001139691A JP 2001139691 A JP2001139691 A JP 2001139691A JP 32506799 A JP32506799 A JP 32506799A JP 32506799 A JP32506799 A JP 32506799A JP 2001139691 A JP2001139691 A JP 2001139691A
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Masaki Takai
正樹 高井
Yoshiyuki Tanaka
善幸 田中
Hisao Urata
尚男 浦田
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成が簡便で高い安定性を有する新規な不溶
性配位子及びそれを用いたヒドロホルミル化方法を提供
する。 【解決手段】 水酸基含有重合体に3価のリンを結合さ
せて得られた重合体に遷移金属を担持してなる触媒の存
在下、オレフィン性不飽和化合物を水素及び一酸化炭素
と反応させることを特徴とするアルデヒド類の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン含有重合体触
媒を用いたアルデヒド類の製造に関するものであり、ま
た、特定の置換基で架橋された新規なリン含有重合体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】遷移金属錯体による均一系触媒は、不均
一系触媒に比べて選択率の高い反応を行わせることが出
来ることなどの長所を有しているが、反応終了後に高価
な触媒系を生成物と分離・回収しなければならないこと
などが困難な点として挙げられる。3価のリン化合物を
配位子として持つロジウム均一系触媒によるオレフィン
性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応を例に挙げる
と、ロジウム触媒系から生成物のアルデヒド類を分離す
る操作としては、主に蒸留が行われてる。しかしなが
ら、そうした蒸留による熱履歴を触媒系が受けると、配
位子の分解や触媒の失活といった問題が生じ、また、熱
によるアルデヒド類の縮合反応が進行し、高沸点縮合物
が系内に溜まり込むといった問題も生じてくる。更に、
そうした分解物や高沸点化合物の系内への溜まり込みを
一定レベルに保つためには、一部の反応液の抜き出し操
作と新たな触媒の追加を随時行わなければならないが、
抜き出した液中から高価な触媒を回収するため困難な作
業が必要となったり、そのための付帯設備が必要とな
り、経済的にも不利である。
【0003】上記のような問題点を解決するために、こ
れまでヒドロホルミル化反応プロセスに関しても不均一
系触媒を用いることで反応生成物の分離工程や触媒回収
工程の簡略化を目指した様々な検討が行われている。例
えば、P. W. N. M. van Leeuwen らによって J. Mol. C
atal.,1993, 83の第37〜50頁に報告されているような、
ホスファイト配位子部位を多数有しているポリマー鎖を
シリカゲル基盤に結合させた不溶性配位子にロジウムを
担持させた触媒で、ヒドロホルミル化反応を行う方法が
記されている。また、特開平10−251282号公報
及び特開平10−251283号公報には、ビニル基を
導入した光学活性な2座キレート型ホスフィン−ホスフ
ァイト配位子をモノマーとして用い、スチレン等と共重
合させて得られる不溶性ポリマーにロジウムを担持させ
た触媒でヒドロホルミル化反応を行う方法が記されて
る。また、特開平9−122459号公報には、一部4
級アンモニウム化させたビニルピリジン樹脂に、陰イオ
ン性基を有する配位子を持つロジウム錯体をイオン結合
させて担持した不溶性触媒によるヒドロホルミル化反応
の方法が記されている。
【0004】しかしながら、上述したこれらの不溶性配
位子は、不溶性のシリカゲル基盤上へポリマー鎖を導入
するために、予め結合のための反応性官能基を基盤上に
導入しておく必要があったり、また、反応中においてポ
リマー鎖が基盤から切れ、ロジウムと共に損失してしま
う危険性がある。また、ビニル基や陰イオン性基を持つ
配位子を別途合成し、更にその後共重合させたりイオン
結合させたりする方法は、合成の煩わしさや出来上がっ
た不溶性配位子の合成コストが非常に高くなるなどの問
題点を有している。
【0005】その他の不溶性配位子の例として、特公昭
47−50225号公報及び特公昭47−50226号
公報に記載されているように、ポリビニルアルコール等
のような水酸基を持つ重合体に3価の有機リン基を導入
し、更に遷移金属を担持することで触媒反応にも利用で
きるといった方法が示されている。しかしながら、こう
した概念は本発明と同じではあるものの、実際にそれを
用いて触媒反応を行った例は示されておらず、その有用
性は疑問である。
【0006】一方、ヒドロホルミル化反応の活性と選択
性を向上させるために、均一系触媒において様々な3価
のリン配位子の開発が進んでいるが、その中でも特に高
い活性と優れた選択性を示す2座キレート型の2座ホス
ファイト化合物において改良が進んでいる。例えば、特
開昭62−116587号公報及び特開平6−1666
94号公報には2つのホスファイト基のうちの1つが環
状構造を有する二座ホスファイト化合物が、また、特開
昭62−116535号公報、特開平6−184036
号公報及び特開平6−199728号公報には2つのホ
スファイト基が共に環状構造を有する二座ホスファイト
化合物が開示されている。また、特開平5−17877
9号公報には、2つのホスファイト基が共に環化してい
ない二座ホスファイト化合物が開示されている。また、
そうした2座ホスファイトの内、特定の架橋基を選択す
ることで配位子の安定性が非常に高まる例も特開平11
−130720において開示されている。
【0007】不溶性配位子においても高い選択性を発現
させるために、前述した特開平10−251282号公
報及び特開平10−251283号公報に記載している
ような2座キレート型のホスフィン−ホスファイト配位
子の導入や、J. K. StilleらによるJ. Org. Chem.,197
9, 44の第3152〜3157頁に記載されているような2座ホ
スフィン配位子をポリスチレンに導入した例が知られて
いるが、やはり配位子の合成が煩わしく、合成コストも
高いものとなる。
【0008】また、同じく重合体中に多数の水酸基を有
しているフェノール・アルデヒド樹脂(ノボラック樹
脂)に3価リン化合物が結合した化合物は、一般に難燃
材、ポリマーの酸化防止剤や変色防止剤として広く知ら
れており多数の報告がなされてるが、全てにおいて3価
有機リン基がぶら下がった構造であるか、単座的なリン
基で樹脂同士が架橋された様な構造のみであり、2座キ
レート型の有機二リン基で樹脂同士が架橋されたような
構造のものはこれまで全く知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒドロホル
ミル化反応において、簡便な手法で合成でき、そのため
合成コストも比較的低く済み、更に高い安定性も併せ持
つ不溶性配位子を用いた新たな触媒固定化方法を提供す
ることを課題とするものである。また、特に高い反応選
択性や配位子安定性を達成できる可能性を秘めた新規な
有機二リン基架橋型水酸基含有重合体を提供することも
課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するため鋭意検討を重ね、水酸基を含有する重合体
に簡便的手法で3価の有機リン基を導入させることで不
溶性配位子を合成し、更にそれに遷移金属を担持させた
触媒がヒドロホルミル化反応に有用に利用できることを
見出し、本発明を達成した。すなわち、本発明の要旨
は、水酸基含有重合体に3価のリンを結合させて得られ
た重合体に遷移金属を担持してなる触媒の存在下、オレ
フィン性不飽和化合物を水素及び一酸化炭素と反応させ
ることを特徴とするアルデヒド類の製造方法に存する。
さらに、本発明の他の要旨は、下記一般式(2)
【0011】
【化5】
【0012】〔上記式(2)中、A及びnは一般式
(1)で定義したのと同義であり、R3 はAの一部では
ない2価有機基である。また、式(2)中、重合体Aと
リン原子との間を介して結合している4つの末端酸素原
子は、同一ポリマー鎖に由来するものであっても、それ
ぞれ独立に別のポリマー鎖に由来するものであってもよ
い。〕で表される有機二リン基架橋型重合体に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について以下詳細に説明す
る。本発明の水酸基含有重合体とは、例えば前記一般式
(1)又は(2)において、Aで表される重合体残基に
相当する重合体であり、種々の有機溶媒に不溶もしくは
難溶性であることが望ましく、分子量としては400〜
107 好ましくは1000〜106 である。具体的な例
としては、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコー
ルなどのようにひも状の炭素主鎖の側鎖として水酸基を
有する重合体、水酸基を有するポリエチレングリコール
やポリプロピレングリコールなどのようなポリエーテ
ル、ポリスチレンのフェニル環にメチロール基や水酸基
が導入されたもの、フェノール・アルデヒド樹脂(ノボ
ラック樹脂やレゾール樹脂)、ポリ(1,1’−ビ−2
−ナフトール)やポリ(1,1’−ビ−2−フェノー
ル)などのポリフェノール性化合物、セルロースなどが
挙げられる。また、水酸基を有するモノマーと別のモノ
マーとの共重合体も用いることができる。
【0014】これらの内、好ましいものとしては、フェ
ニル環等の芳香環に直接水酸基が導入されているフェノ
ール性化合物部位をポリマー中に有しているものであ
り、例えば、フェニル環に水酸基を持つポリスチレン、
フェノール・アルデヒド樹脂(ノボラック樹脂)、ポリ
フェノール性化合物がそれに該当する。最も好ましいも
のとしては、フェノール・アルデヒド樹脂(ノボラック
樹脂)、ポリフェノール性化合物である。
【0015】フェノール・アルデヒド樹脂(ノボラック
樹脂)は、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾー
ル、4−tert−ブチルフェノール、1−ナフトー
ル、2−ナフトール、カテコール、レゾルシノール、
1,1’−ビ−2−ナフトール、1,1’−ビ−2−フ
ェノールなどのフェノール性化合物とホルムアルデヒ
ド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒドなどのアルデヒド類とを塩酸や硫酸などの酸触媒
下、付加縮合させることで重合体を得ているが、こうし
た方法で得られるあらゆるフェノール・アルデヒド樹脂
(ノボラック樹脂)が良好に用いられる。
【0016】それらの組合せの中でも最も容易に、かつ
安価に合成できるものとして無置換フェノールとホルム
アルデヒドからなるフェノール・ホルムアルデヒド樹脂
が挙げられるが、本発明の不溶性配位子の安定性を向上
させるためにも1−ナフトールやo−位に置換基を有す
るフェノールとホルムアルデヒドとの組合せや、2−ナ
フトールやo−位に置換基を有していないフェノールと
高級アルデヒドとの組合せによるフェノール・アルデヒ
ド樹脂の重要性も高い。
【0017】ポリフェノール性化合物は、フェノール性
化合物の芳香環同士が直接つながった構造であるが、L.
Pu らによるJ. Org. Chem.,1996, 61の第8370〜8377頁
に記載されているように、臭化ビナフトールの水酸基を
保護基で保護したものをニッケル触媒でカップリングさ
せた後、保護基を外して水酸基に戻すことでポリ(1,
1’−ビ−2−ナフトール)を得る方法や、銅触媒など
によってフェノール性化合物同士を酸化カップリングし
てつなげる方法が知られている。これらのポリフェノー
ル性化合物も本発明における有用な水酸基含有重合体で
ある。
【0018】また、前述した水酸基含有重合体の水酸基
の水素原子を3価のリン原子で置換することで導入した
3価有機リン基の置換基である一般式(1)中のR1
びR 2 は、同一のものでも異なるものでも良く、または
互いに結合しリンを含む環を形成していても良い有機基
であるが、以下の3つのいずれかの特徴を有するもので
ある。(i) 1〜40個の炭素原子からなる置換または無
置換の炭化水素基。(ii)1〜40個の炭素原子からなる
置換または無置換のアルコキシ基、または、置換または
無置換のアリーロキシ基及びヘテロアリーロキシ基。(i
ii)-O-A 基(Aは上で定義した通りであり、-O- はA中
に含まれる水酸基に由来する酸素原子である。)(i) 〜
(iii) において、置換基は、アルキル基、ハロアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボアルコキシ
基、シリル基及びシロキシ基より成る群より選定される
1個以上の1価置換基である。
【0019】(i) における具体例としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t
−ヘキシル基等の炭素数1〜40の直鎖または分岐のア
ルキル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シク
ロオクチル基、アダマンチル基のような炭素数3〜40
のシクロアルキル基が挙げられる。また、R1 及びR2
が互いに結合した2価有機基である時の具体例として
は、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,
4−ブチレン基、1,1,2,2−テトラメチル−1,
2−エチレン基、2,4−ペンチレン基等のような炭素
数2〜40のアルキレン基が挙げられる。
【0020】(ii)における具体例としては、メトキシ
基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等の飽和炭化水
素基から成るアルコシキ基、フェノキシ基、1- ナフト
キシ基、2- ナフトキシ基、メトキシフェノキシ基、ジ
メトキシフェノキシ基、カルボメトキシフェノキシ基、
シアノフェノキシ基、ニトロフェノキシ基、クロロフェ
ノキシ基、ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェ
ノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、
ジメチルフェノキシ基、トリフルオロメチルフェノキシ
基、メチルナフトキシ基、メトキシナフトキシ基、クロ
ロナフトキシ基、ニトロナフトキシ基、テトラヒドロナ
フトキシ基等の置換基を有していてもよいアリーロキシ
基、ベンジロキシ基等のアラルキルオキシ基、ピリジノ
キシ基、メチルピリジノキシ基、ニトロピリジノキシ
基、ピラジロキシ基、ピリミジロキシ基、ベンゾフリロ
キシ基、キノリロキシ基、イソキノリロキシ基、ベンズ
イミダゾリロキシ基、インドリロキシ基等のヘテロ元素
含有芳香族オキシ基等が挙げられる。
【0021】また、R1 及びR2 が互いに結合した2価
有機基である時の具体例としては、1,2,−エタンジ
オキシ基、1,3−プロパンジオキシ基、1,1,2,
2−テトラメチル−1,2−エタンジオキシ基等の飽和
炭化水素ジオキシ基、1 ,1′−ビフェニル−2,2′
−ジオキシ基、3,3′−ジメチル−5,5′−ジメト
キシ−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジオキシ基、
3,3′,5,5′−テトラメチル−1 ,1 ′−ビフェ
ニル−2,2′−ジオキシ基、3,3′−ジ−t−ブチ
ル−5,5′−ジメチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,
2′−ジオキシ基、3,3′,5,5′−テトラ−t−
ブチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジオキシ
基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,
6′−ジメチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジ
オキシ基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル
−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジオキシ基、3,
3′,5,5′−テトラ−t−ヘキシル−1 ,1 ′−ビ
フェニル−2,2′−ジオキシ基、3,3′−ジ−t−
ブチル−5,5′−ジメトキシ−1 ,1 ′−ビフェニル
−2,2′−ジオキシ基、3,3′,5,5′,6,
6′−ヘキサメチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′
−ジオキシ基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,
6,6′−テトラメチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,
2′−ジオキシ基、1 ,1 ′−ビナフチル−2,2′−
ジオキシ基、3,3′−ビナフチル−2,2′−ジオキ
シ基、3,3′,6,6′−テトラメチル−1,1′−
ビナフチル−2,2′−ジオキシ基、3,3′,6,
6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−
2,2′−ジオキシ基等のビフェノキシ基誘導体、3,
3’−ビピリジル−2,2’−ジオキシ基、5,5’−
ジメチル−6,6′−ビピリジル−2,2′−ジオキシ
基等のヘテロビアリーロキシ基、その他、1,2−ベン
ゼンジオキシ基、2−メチロキシフェノキシ基等が挙げ
られる。
【0022】また、(iii) の場合には、3価の有機リン
基1つでポリマー鎖同士を架橋する構造となる。上記の
(i) 〜(iii) の内、R1 およびR2 で表される有機基の
好ましい例としては、(ii)の特徴を有するものであり、
中でも1〜20個の炭素原子からなる置換または無置換
のアリーロキシ基及びヘテロアリーロキシ基であり、例
えば、フェノキシ基、1- ナフトキシ基、2- ナフトキ
シ基、メトキシフェノキシ基、メチルフェノキシ基、エ
チルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、メチルナフ
トキシ基、メトキシナフトキシ基、テトラヒドロナフト
キシ基等の置換基を有していてもよいアリーロキシ基、
ピリジノキシ基、メチルピリジノキシ基等のヘテロ元素
含有芳香族オキシ基等が好ましい。また、(ii)の中でも
1 及びR2 が互いに結合した2価有機基である場合に
は、2〜40個の炭素原子からなる置換または無置換の
ビアリーロキシ基及びヘテロビアリーロキシ基が好まし
く、例えば、1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジオキ
シ基、3,3′,5,5′−テトラメチル−1 ,1 ′−
ビフェニル−2,2′−ジオキシ基、3,3′−ジ−t
−ブチル−5,5′−ジメチル−1 ,1 ′−ビフェニル
−2,2′−ジオキシ基、3,3′,5,5′−テトラ
−t−ブチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジオ
キシ基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−
6,6′−ジメチル−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′
−ジオキシ基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−
ジメトキシ−1 ,1 ′−ビフェニル−2,2′−ジオキ
シ基、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジオキシ基、
3,3′−ビナフチル−2,2′−ジオキシ基、3,
3′,6,6′−テトラメチル−1,1′−ビナフチル
−2,2′−ジオキシ基、3,3’−ビピリジル−2,
2’−ジオキシ基、5,5’−ジメチル−6,6′−ビ
ピリジル−2,2′−ジオキシ基等が挙げられる。
【0023】また、一方、本発明における特異的な場
合、具体的には、一般式(1)におけるR1 が-O-R3-O-
P(-O-A)2基(R3 はAの一部でない2価有機基。)であ
り、かつR2 が-O-A基である時には、下記一般式(2)
で示されるような、ヒドロホルミル化反応の選択性を向
上させることが可能な新規な有機二リン基架橋型重合体
を提供する。すなわち、下記一般式(2)
【0024】
【化6】
【0025】〔上記式(2)中、A及びnは一般式
(1)で定義したのと同義であり、R3 はAの一部では
ない2価有機基である。また、重合体Aとリン原子との
間を介して結合している4つの酸素原子は、同一ポリマ
ー鎖に由来するものであっても、それぞれ独立に別のポ
リマー鎖に由来するものであってもよい。〕で表される
有機二リン基架橋型重合体を提供する。
【0026】上記一般式(2)中のAは、一般式(1)
中のAと同様の水酸基含有重合体であり、好ましい重合
体も上で説明したものと同様のものである。また、一般
式(2)中のR3 で表される2価有機基は、合成によっ
て水酸基含有重合に意図的に後で付与した架橋有機二リ
ン基中の2価有機基である。R3 で表される2価有機基
の好ましいものは、アルキレン基及びアルキレン−オキ
シ−アルキレン基(各アルキレン基は同一又は異なって
いても良く、2〜18個の炭素原子を含有し、置換基を
有していてもよい。)並びにアリーレン基及びアリーレ
ン−アリーレン基(各アリーレン基は同一又は異なって
いても良く、6〜24個の炭素原子を含有し、置換基を
有していてもよく、ヘテロ原子を含有していてもよ
い。)からなる群より選定される二価有機基である。具
体的な例を示すと、1, 2- エチレン基、1, 3- プロピレ
ン基、1, 4- ブチレン基、1, 5- ペンチレン基、1, 6-
ヘキシレン基、1, 8- オクチレン基、1, 12-ドデシレン
基、1, 2- フェニレン基、1, 3- フェニレン基、1, 4-
フェニレン基、2, 3- ナフチレン基、1, 8- ナフチレン
基、1, 1'-ビフェニル-2, 2'- ジイル基、1, 1'-ビナフ
チル-2, 2'- ジイル基、2, 2'-ビナフチル-1, 1'- ジイ
ル基、3, 3'-ビナフチル-2, 2'- ジイル基、6,6'- ビピ
リジン-2,2'-ジイル基等が挙げられる。
【0027】R3 で表される2価有機基の更に好ましい
ものとしては、アリーレン- アリーレン基(各アリーレ
ン基は同一又は異なっていても良く、6〜24個の炭素
原子を含有し、置換基を有していてもよく、ヘテロ原子
を含有していてもよい。)からなる二価有機基である。
また、R3 で表される2価有機基で最も好ましいものと
しては、下記一般式(3)で表される置換基を有してい
てもよいアリーレン−アリーレン基である。
【0028】
【化7】
【0029】(式(3)中R4 〜R11は、それぞれ独立
して炭素原子数20までのアルキル基、シクロアルキル
基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、ハロゲン原
子又は水素原子を示し、R4 〜R7 及びR8 〜R11のそ
れぞれの群の中で、それぞれの置換基が互いに独立に結
合して飽和又は不飽和の環の一部を形成していてもよ
い。) 具体的な例を挙げると、1,1′−ビナフチル−2,
2′−ジイル基、2,2′−ビナフチル−3,3′−ジ
イル基、3,3′−ジ−t−ブチル−1,1′−ビナフ
チル−2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テト
ラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジ
イル基、3,3′−ジ−t−ブチル−6 ,6 ′−ジメト
キシ−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、
3,3′−ジ−t−ペンチル−1,1′−ビナフチル−
2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テトラ−t
−ペンチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル
基、1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,
3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−1,1′
−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,
5′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビフェニル−
2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t
−ペンチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ
−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,
3′−ジ−t−ブチル−5,5′,6,6′−テトラメ
チル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、
3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−
ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,
6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジ
イル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメト
キシ−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−
2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t
−ブチル−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル
−2,2′−ジイル基、3,3’,4,4’,5,
5’,6,6’−オクタフルオロ−1,1′−ビフェニ
ル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−シクロヘキシ
ル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジイル基、3,3′−ビス(トリメチルシリル)
−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,
3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ビス(トリメチルシ
ロキシ)−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル
基、1,1′−ビフェナンチル−10,10′−ジイル
基等がある。
【0030】上記一般式(1)及び(2)で示される3
価有機リン基が結合した水酸基含有重合体は、例えば、
別途合成した水酸基含有重合体またはそのアルカリ金属
塩やアルカリ土類金属塩を、下記一般式(4)、
(5)、(6)、(7)
【0031】
【化8】
【0032】〔上記式(4)及び(5)中、R1 及びR
2 は一般式(1)と同義であり、式(7)中のR3 は一
般式(2)と同時である。Xは、ハロゲン原子であ
る。〕で表される3価のリン化合物と反応させることに
より合成することができる。更に詳しく説明すると、上
記3価リン化合物中のX は塩素原子、臭素原子、沃素原
子等のハロゲン原子であるが、合成上好ましくは塩素原
子である。また、水酸基含有重合体のアルカリ金属塩や
アルカリ土類金属塩は、該重合体をn-(C4H9)Li、Na、Na
H 、KH等のアルカリ金属化合物又は臭化メチルマグネシ
ウム、臭化エチルマグネシウム等のアルカリ土類金属化
合物と溶媒中、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下
で反応させることにより得られる。続いてそれらを一般
式(4)〜(7)に示される3価リン化合物と溶媒中、
好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下反応させること
で、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物
塩を発生させながら目的物を合成することができる。
【0033】また、水酸基含有重合体をそのまま合成反
応に用いる場合には、該重合体と一般式(4)〜(7)
に示される3価リン化合物とを250℃までの温度で加
熱し、水酸基の水素原子と3価リン化合物中のハロゲン
原子をハロゲン化水素として発生させながら目的物を合
成することができる。または、−78〜150℃までの
温度で、該重合体と3価リン化合物とをピリジンやアミ
ンなどの塩基の存在下、溶媒中または無溶媒下、好まし
くは窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応させることで、
ピリジンやアミンのハロゲン化水素酸塩を発生させなが
ら目的物を合成することができる。
【0034】上記反応を行った後、目的物である3価リ
ン含有重合体の精製には、目的物をそのままもしくは水
と混ざらない有機溶媒に懸濁させた状態で水洗すること
で、発生した塩やハロゲン化水素を水層中に溶解させて
除去することができる。その後目的物を濾過等の手法で
採取し、減圧下加熱しながら又は室温において乾燥させ
ることで精製が完了する。また、合成反応に使用する溶
媒に関しては、反応に直接関与しない不活性な溶媒でな
ければならないが、好ましいものとして、トルエン、ベ
ンゼン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラ
ンなどが挙げられる。
【0035】式(1)と(2)中のnに関連する3価の
リンの置換率は、有機リン基を導入する前の水酸基含有
重合体中の全水酸基に対する有機リン基で置換された水
酸基の割合で計算され、合成反応において、一般式
(4)〜(7)で示される3価リン化合物の加える量を
制御することでこの値を様々にコントロールすることが
できる。この水酸基の置換率は、0.01〜100%が
好ましいが、実用的には1〜100%の値が、更には1
0〜100が好ましい。反応の進行度は、例えば溶媒を
用いた反応では、31P−NMRなどを測定することによ
って、溶液中に残存している原料の3価リン化合物量を
把握することで見積もることができる。また、実際に導
入された有機リン基の割合は、例えば目的物を精製乾燥
させた後に元素分析等の手法を用いることで把握するこ
とができる。この一般式(1)又は(2)の重合体中の
リンの含有量は、0.01〜30重量%が好ましく、更
に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0036】上記方法で合成された3価リン含有重合体
は、種々の遷移金属を担持させることで不均一系触媒と
して用いることができ、特にオレフィン性不飽和化合物
を水素及び一酸化炭素とヒドロホルミル化反応させるこ
とで、アルデヒド類を製造させる際の触媒として使用す
ることができる。好ましく使用できる遷移金属として
は、第8〜10族遷移金属であり、担持させる際には、
水素化物、ハロゲン化物、有機酸塩、無機酸塩、酸化
物、カルボニル化合物、アミン化合物、オレフィン配位
化合物、ホスフィン配位化合物、又はホスファイト配位
化合物等の遷移金属化合物の形態で用いる。
【0037】具体的な例を示すと、三塩化ルテニウム、
テトラアンミンヒドロキソクロロルテニウムクロリド、
ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム
等のルテニウム化合物、酢酸パラジウム、塩化パラジウ
ム等のパラジウム化合物、三塩化オスミウム等のオスミ
ウム化合物、三塩化イリジウム、イリジウムカルボニル
等のイリジウム化合物、白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナ
トリウム、第二白金酸カリウム等の白金化合物、ジコバ
ルトオクタカルボニル、ステアリン酸コバルト等のコバ
ルト化合物、三塩化ロジウム、硝酸ロジウム、酢酸ロジ
ウム、Rh(acac)(CO)2 、[Rh(OAc)(cod)]2 、Rh4(C
O)12 、Rh6(CO)16 、RhH(CO)(PPh3)3、[Rh(OAc)(CO)2]
2 、[Rh(μ-S(-tert-Bu))(CO)2]2、[RhCl(cod)]2(acac
はアセチルアセトナト基を、OAc はアセチル基を、cod
は1,5−シクロオクタジエンを、Phはフェニル基を、
tert-Bu は第3級ブチル基を表す)等のロジウム化合物
等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもので
はない。これらの遷移金属化合物の内、ルテニウム、コ
バルト、ロジウム化合物が好ましく、特にロジウム化合
物が好ましい。
【0038】上記遷移金属化合物を3価リン含有重合体
に担持する方法としては、3価リン含有重合体を溶媒に
懸濁させた状態で、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲
気下、遷移金属化合物を加えて接触させる手法などが挙
げられる。反応温度は室温、場合によっては加熱した
り、それ以下の温度で反応させることが望ましい場合も
ある。また、担持反応に使用する溶媒としては、反応に
直接関与しない不活性な溶媒でなければならないが、適
当なものとして、トルエン、ベンゼン、キシレン、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
1,4−ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、n
−ブチルアルデヒド、2−エチルヘキセナール、メタノ
ール、エタノール、n−プロバノール、イソプロパノー
ルなどが挙げられる。このようにして担持させた遷移金
属の含有量は0.01〜70重量%が好ましく、更に好
ましくは0.1〜40重量%である。また、担持した遷
移金属1モルに対する重合体中のリン原子の割合は、触
媒反応の活性及び選択性に対して望ましい結果が得られ
るように適宜設定されるが、0.5〜500モル、好ま
しくは1〜100モルである。
【0039】以上のようにして調製された遷移金属を担
持させた3価リン含有重合体触媒を用いたヒドロホルミ
ル化反応は、特に限定されるものではなく、該不溶性触
媒の存在下、オレフィン性不飽和化合物を水素及び一酸
化炭素でヒドロホルミル化する任意の反応方法及び反応
条件を採用することができる。一般的なヒドロホルミル
化反応条件は、通常、反応温度15〜200℃、好まし
くは、50〜150℃、一酸化炭素分圧及び水素分圧
は、0.001〜200気圧、好ましくは1〜100気
圧、特に好ましくは1〜50気圧である。また、水素と
一酸化炭素とのモル比は、1/10〜10/1、好まし
くは1/3〜3/1である。
【0040】本発明の遷移金属を担持させた3価リン含
有重合体触媒を用いた反応方式としては、回分反応方式
または流通反応方式を用いることができる。回分反応方
式では、当該不溶性触媒、原料オレフィン、一酸化炭素
及び水素ガス、場合によっては溶媒を加えた混合物を、
回分反応器内で反応させた後、簡単な方法、例えば遠心
分離、濾過等の手法によって、触媒を反応生成物から実
際上完全に分離することができ、更にこの分離回収され
た触媒は再利用することができる。また、流通反応方式
では、固定床反応方式、流動床反応方式、懸濁床反応方
式のいずれも採用することができ、生成物系と触媒系と
の分離は非常に容易に行うことができる。
【0041】前記反応は、気−固反応のような無溶媒で
行うこともでき、もしくは反応溶媒中で行うこともでき
る。溶媒として適切なものは、基本的に反応に不活性な
溶媒であれば何でも用いることもできる。具体的な例と
しては、トルエン、キシレン、ドデシルベンゼン等の芳
香族炭化水素、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、酢酸エチル、ジ−n−オクチルフタ
レート等のエステル類、n−ブチルアルデヒド、i−ブ
チルアルデヒド、バレルアルデヒド、ノニルアルデヒド
等のヒドロホルミル化反応時に生成するアルデヒド類、
及び、アルデヒド縮合体等のヒドロホルミル化反応時に
副生する高沸点成分混合物等が挙げられる。または、原
料のオレフィン性不飽和化合物が反応条件下で液状を示
す場合には、原料オレフィンそのものを溶媒として兼用
することもできる。
【0042】反応原料として用いるオレフィン性不飽和
化合物としては、分子内にオレフィン性二重結合を少な
くとも1個有するものであれば任意のものを用いること
ができる。オレフィン性二重結合は、分子鎖の末端にあ
っても内部にあっても良い。また、分子を構成する炭素
鎖は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであっても
良い。また、分子中にはヒドロホルミル化反応に実質上
不活性なカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、
ハロゲン原子等を含有していても良い。オレフィン性不
飽和化合物の代表的なものは、α−オレフィン、内部オ
レフィン、アルケン酸アルキル、アルカン酸アルケニ
ル、アルケニルアルキルエーテル、アルケノールなどで
ある。
【0043】オレフィン性不飽和化合物のいくつかを例
示すると、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエ
ン、ペンテン、ヘキセン、ヘキサジエン、オクテン、オ
クタジエン、ノネン、デセン、ヘキサデセン、オクタデ
セン、エイコセン、ドコセン、スチレン、α−メチルス
チレン、シクロヘキセン、および、プロピレン〜ブテン
混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン混合
物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン〜ブタジエ
ン混合物等の低級オレフィン混合物、プロピレン、n−
ブテン、イソブチレン等の低級オレフィンの二量体〜四
量体のようなオレフィンオリゴマー異性体混合物等のオ
レフィン類、3−フェニル−1−プロペン、1,4−ヘ
キサジエン、1,7−オクタジエン、3−シクロヘキシ
ル−1−ブテン等の炭化水素オレフィン、アクリロニト
リル、アリルアルコール、1−ヒドロキシ−2,7−オ
クタジエン、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、オレイン酸メ
チル、オクタ−1−エン−4−オール、酢酸ビニル、酢
酸アリル、酢酸−3−ブテニル、プロピオン酸アリル、
ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリル
エチルエーテル、n−プロピル−7−オクテノエート、
3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド等の極性基置
換オレフィン類等が挙げられる。好ましくは、分子内に
オレフィン性二重結合を1つだけ有するモノオレフィン
系不飽和化合物が用いられる。
【0044】また、本発明の遷移金属を担持させた3価
リン含有重合体触媒の特別な場合、すなわち、式1にお
けるR1 及びR2 が酸素原子でリンに結合した構造であ
り、かつA がフェノール・アルデヒド樹脂であるよう
な、ホスファイト基を含有したフェノール・アルデヒド
樹脂体に、ロジウムを担持してなる不溶性触媒の場合に
は、ヒドロホルミル化反応の他、様々な触媒反応に対し
て優れた反応性を示し、広く応用することが可能であ
る。具体的に応用できる触媒反応としては、オレフィン
性不飽和化合物のヒドロシリル化反応、ヒドロシアノ化
反応、水素化反応、異性化反応、低重合反応、が挙げら
れる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 参考例1 フェノール(29.035g 、0.309mol)および1,3,5-トリオ
キサン(9.272g、0.103mol)を室温窒素下において酢酸
100ml に溶解させた後、内温が80℃になるまで加熱し
た。そこに硫酸(0.322g、0.0033mol )と酢酸(1.037
g、0.0173mol )の混合物を20分間で滴下し、次いでこ
の混合物が白い固形物になるまで約110 ℃で加熱攪拌し
た。反応系を冷却後、白い固形物を細かく砕きながら約
5 重量%の炭酸水素ナトリウム(143.08g、1.703mol)の
水溶液3lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿させ
た。これを濾過で分離し、70℃の温水2lで2 回洗浄し、
濾取後風乾させた。更に減圧下110 ℃で16時間させるこ
とで淡黄褐色粉末状のフェノールノボラック樹脂(i)
28.576g (収率87.3% )を得た。
【0046】参考例2 参考例1と同様にして、p-クレゾール(11.902g 、0.11
0mol)および1,3,5-トリオキサン(4.962g、0.055mol)
の酢酸溶液40mlと、硫酸(1.132g、0.0115mol)と酢酸
(5.387g、0.0897mol )の混合物を用いて樹脂を合成
し、反応系を冷却後、白い固形物を細かく砕きながら約
5 重量%の炭酸水素ナトリウム(68.03g 、0.810mol)の
水溶液1.3lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿させ
た。これを濾過で分離し、70℃の温水1lで2 回洗浄し、
濾取後風乾させ、更に減圧下110 ℃で3 時間させること
で淡緑白色粉末状のp-クレゾールノボラック樹脂(ii)
13.206g (収率99.8% )を得た。
【0047】参考例3 参考例1と同様にして、o-クレゾール(17.955g 、0.16
6mol)および1,3,5-トリオキサン(4.992g、0.055mol)
の酢酸溶液55mlと、硫酸(1.661g、0.0169mol)と酢酸
(5.132g、0.0855mol )の混合物を用いて樹脂を合成し
た。反応系を冷却後、得られた暗緑色の粥状懸濁溶液を
約5 重量%の炭酸水素ナトリウム(90.52g 、1.078mol)
の水溶液1.7lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿さ
せた。これを濾過で分離し、80℃の温水1lで2 回洗浄
し、濾取後風乾させ、更に減圧下110 ℃で4 時間させる
ことで淡桃褐色粉末状のo-クレゾールノボラック樹脂
(iii)20.249g (収率101.5%)を得た。
【0048】参考例4 参考例1と同様にして、2,2'- ビフェノール(14.016g
、0.0753mol )および1,3,5-トリオキサン(2.279g、
0.0253mol )の酢酸溶液50mlと、硫酸(0.789g、0.0080
mol )と酢酸(7.107g、0.1183mol )の混合物を用いて
樹脂を合成し、反応系を冷却後、白い固形物を細かく砕
きながら約5 重量%の炭酸水素ナトリウム(81.13g 、0.
966mol)の水溶液1.6lの中に少しずつ投入し、生成樹脂
を沈殿させた。これを濾過で分離し、70℃の温水0.1lで
2 回洗浄し、濾取後風乾させ、更に減圧下110 ℃で5 時
間させることで淡紫灰色粉末状のビフェノールノボラッ
ク樹脂(iv)7.479g(収率50.1% )を得た。
【0049】参考例5 三塩化リン(5.080g、37.00mmol )の乾燥テトラヒドロ
フラン(100ml )溶液に、2,2'- ビフェノール(6.889
g、37.00mmol )及びピリジン(6.033g、76.28mmol )
の乾燥テトラヒドロフラン(80ml)溶液を窒素雰囲気
下、-78 ℃にて2 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温
に戻して1.5 時間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸
塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを
加えることで1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロク
ロリダイトを含む200ml のテトラヒドロフラン溶液とし
た。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求
めると87.9% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイ
トの濃度を0.163mol/lと定めた。
【0050】参考例6 三塩化リン(2.509g、18.27mmol )の乾燥テトラヒドロ
フラン(100ml )溶液に、3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル
-2,2'-ビフェノール(7.278g、17.72mmol )及びピリジ
ン(2.929g、37.02mmol )の乾燥テトラヒドロフラン
(50ml)溶液を窒素雰囲気下、0 ℃にて2 時間かけて攪
拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生し
た固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥
テトラヒドロフランを加えることで3,3',5,5'-テトラ-t
- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリ
ダイトを含む170ml のテトラヒドロフラン溶液とした。
31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求める
と94.4% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイトの
濃度を0.098mol/lと定めた。
【0051】参考例7 三塩化リン(5.049g、36.77mmol )の乾燥テトラヒドロ
フラン(80ml)溶液に、2-ナフトール(10.398g 、72.1
2mmol )及びピリジン(6.043g、76.40mmol )の乾燥テ
トラヒドロフラン(140ml )溶液を窒素雰囲気下、0 ℃
にて3 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して40
分間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で
濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることで
ジ(2-ナフチル)ホスホロクロリダイトを含む320ml の
テトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定するこ
とで目的物のリンの割合を求めると72.2% であり、有効
に働く該ホスホロクロリダイトの濃度を0.081mol/lと定
めた。
【0052】参考例8 三塩化リン(3.847g、28.01mmol )の乾燥テトラヒドロ
フラン(60ml)溶液に、2,5-ジメチルフェノール(6.71
0g、54.92mmol )及びピリジン(4.562g、57.68mmol )
の乾燥テトラヒドロフラン(120ml )溶液を窒素雰囲気
下、0 ℃にて3時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に
戻して30分間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を
窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加え
ることでビス(2,5-ジメチルフェニル)ホスホロクロリ
ダイトを含む250ml のテトラヒドロフラン溶液とした。
31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求める
と93.8% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイトの
濃度を0.105mol/lと定めた。
【0053】参考例9 ジクロロフェニルホスフィン(2.202g、12.30mmol )の
トルエン(30ml)溶液に、o-クレゾール(1.330g、12.3
0mmol )及びピリジン(1.089g、13.77mmol )のトルエ
ン(40ml)溶液を窒素雰囲気下、0 ℃にて30分間かけて
攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生
した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液にト
ルエンを加えることで(2-メチルフェニル)フェニルホ
スホノクロリダイトを含む100ml のトルエン溶液とし
た。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求
めると81.6% であり、有効に働く該ホスホノクロリダイ
トの濃度を0.100mol/lと定めた。
【0054】参考例10 三塩化リン(1.732g、12.61mmol )のトルエン(100ml
)溶液に、2,4-ジ-t-ブチルフェノール(2.552g、12.3
7mmol )及びピリジン(1.059g、13.39mmol )のトルエ
ン(50ml)溶液を窒素雰囲気下、-78 ℃にて2 時間かけ
て攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副
生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に
トルエンを加えることで2,4-ジ-t- ブチルフェニルホス
ホロジクロリダイトを含む200ml のトルエン溶液とし
た。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求
めると100%であり、該ホスホロジクロリダイトの濃度を
0.063mol/lと定めた。
【0055】参考例11 3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-2,2'-ビフェノール(2.09
6g、5.10mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(30ml)溶液
に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.54mol/l 、6.
80ml、10.47mmol )を窒素雰囲気下、0 ℃にて2 分間か
けて攪拌しつつ滴下した後、加熱還流を1時間行い、ジ
リチオ化物を含む溶液を調製した。その溶液を、クロロ
ビス(ジエチルアミノ)ホスフィン(2.191g、10.40mmo
l )の乾燥テトラヒドロフラン(40ml)溶液に窒素雰囲
気下、0 ℃にて35分間かけて攪拌しつつ滴下した。室温
に戻して1 時間攪拌後、再び0 ℃に冷却し、塩酸のジエ
チルエーテル溶液(1.0mol/l、44.0ml、44.0mmol)を窒
素雰囲気下、0 ℃にて1 時間かけて攪拌しつつ滴下し
た。室温に戻して1 時間攪拌後、副生した固体の塩化リ
チウムやピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥
テトラヒドロフランを加えることで3,3',5,5'-テトラ-t
- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロ
ジクロリダイト)を含む113ml のテトラヒドロフラン溶
液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割
合を求めると71.6% であり、有効に働く該ビス(ホスホ
ロジクロリダイト)のリン濃度を0.066mol/lと定めた。
【0056】参考例12 3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-2,2'-ビフ
ェノール(5.260g、11.99mmol )の乾燥テトラヒドロフ
ラン(80ml)溶液に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.54mol/l 、16.00ml 、24.64mmol )を窒素雰囲気
下、0 ℃にて2 分間かけて攪拌しつつ滴下した後、加熱
還流を40分間行い、ジリチオ化物を含む溶液を調製し
た。その溶液を、クロロビス(ジエチルアミノ)ホスフ
ィン(5.152g、24.45mmol )の乾燥テトラヒドロフラン
(100ml )溶液に窒素雰囲気下、0 ℃にて1 時間かけて
攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、再び
0 ℃に冷却し、塩酸のジエチルエーテル溶液(1.0mol/
l、103.0ml 、103.0mmol )を窒素雰囲気下、0 ℃にて
1.5 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時
間攪拌後、副生した固体の塩化リチウムやピリジン塩酸
塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを
加えることで3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチ
ル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロ
リダイト)を含む250ml のテトラヒドロフラン溶液とし
た。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求
めると62.0% であり、有効に働く該ビス(ホスホロジク
ロリダイト)のリン濃度を0.061mol/lと定めた。
【0057】(3価リン含有重合体の合成) 実施例1 参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.290g(理論
水酸基含有量:2.733mmol )およびトリエチルアミン0.
241g(2.382mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(25
ml)懸濁溶液に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル
-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラ
ン溶液(0.163mol/l、13.7ml、2.233mmol )を窒素雰囲
気下0 ℃にて30分間で滴下した。室温に戻して1 時間攪
拌後、上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロ
リダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過
で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩
酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末
状の3価リン含有重合体(A )を0.496g(収率64.6% )
得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP
−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は
5.6wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG
-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度
は198 ℃であった。
【0058】実施例2 実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂
(i)0.380g(理論水酸基含有量:3.578mmol )および
トリエチルアミン0.328g(3.236mmol )を含む乾燥テト
ラヒドロフラン(25ml)懸濁溶液に、参考例6で調製し
た3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-
ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液
(0.098mol/l、29.6ml、2.913mmol )を窒素雰囲気下0
℃にて30分間で滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、
更に60℃で1 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定し
て全てのホスホロクロリダイトが消費されたことを確認
した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によって
トリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥
させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(B)を
0.865g(収率52.0% )得た。
【0059】実施例3 実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂
(i)0.381g(理論水酸基含有量:3.591mmol )および
トリエチルアミン0.436g(4.313mmol )を含む乾燥テト
ラヒドロフラン(25ml)懸濁溶液に、参考例7で調製し
たジ(2-ナフチル)ホスホロクロリダイトのテトラヒド
ロフラン溶液(0.081mol/l、35.8ml、2.914mmol )を窒
素雰囲気下0 ℃にて20分間で滴下した。室温に戻して30
分間攪拌後、更に60℃で1 時間加熱した。上澄み液の31
PNMRを測定して全てのホスホロクロリダイトが消費され
たことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで
水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、
減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重
合体(C)を0.879g(収率67.4% )得た。誘導結合プラ
ズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって
求めたこの重合体中のリン含有量は6.6wt%であった。ま
た、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求め
たこの重合体の分解に伴う減量温度は192 ℃であった。
【0060】実施例4 実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂
(i)0.381g(理論水酸基含有量:3.593mmol )および
トリエチルアミン0.357g(3.523mmol )を含むトルエン
(30ml)懸濁溶液に、参考例8で調製したビス(2,5-ジ
メチルフェニル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロ
フラン溶液(0.105mol/l、27.8ml、2.919mmol )を窒素
雰囲気下0 ℃にて30分間で滴下し、室温に戻して30分間
攪拌した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロ
クロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を
濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミン
の塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色
粉末状の3価リン含有重合体(D )を0.613g(収率52.1
% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(I
CP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有
量は6.1wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法
(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量
温度は124 ℃であった。
【0061】実施例5 実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂
(i)0.383g(理論水酸基含有量:3.605mmol )および
トリエチルアミン0.557g(5.505mmol )を含むトルエン
(30ml)懸濁溶液に、参考例9で調製した(2-メチルフ
ェニル)フェニルホスホノクロリダイトのテトラヒドロ
フラン溶液(0.100mol/l、29.2ml、2.920mmol )を窒素
雰囲気下0 ℃にて1 時間で滴下した。室温に戻して30分
間攪拌後、更に80℃で1.5 時間加熱した。上澄み液の31
PNMRを測定して全てのホスホノクロリダイトが消費され
たことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで
水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、
減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重
合体(E )を0.788g(収率78.1% )得た。
【0062】実施例6 実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂
(i )0.382g(理論水酸基含有量:3.599mmol )および
トリエチルアミン0.379g(3.749mmol )を含むトルエン
(30ml)懸濁溶液に、市販品を利用して別途調製したク
ロロジフェニルホスフィンのトルエン溶液(0.178mol/
l、16.4ml、2.922mmol )を窒素雰囲気下室温にて30分
間で滴下し、更に80℃で3 時間加熱した。上澄み液の31
PNMRを測定して全てのクロロジフェニルホスフィンが消
費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。
次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去し
た後、減圧下で乾燥させることで淡白褐色粉末状の3価
リン含有重合体(F)を0.635g(収率69.0% )得た。
【0063】実施例7 参考例2で合成したノボラック樹脂(ii)0.431g(理論
水酸基含有量:3.587mmol )およびトリエチルアミン0.
328g(3.239mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液
に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイル
ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.16
3mol/l、17.9ml、2.918mmol )を窒素雰囲気下室温にて
30分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、ヘキサ
ン100ml を加えて一部溶解した樹脂を析出させ、沈殿物
を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミ
ンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡
黄白色粉末状の3価リン含有重合体(G)を0.881g(収
率83.5% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光
法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリ
ン含有量は5.1wt%であった。また、熱重量測定−示差熱
分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴
う減量温度は180 ℃であった。
【0064】実施例8 実施例7と同様に、参考例2で合成したノボラック樹脂
(ii)0.432g(理論水酸基含有量:3.596mmol )および
トリエチルアミン0.461g(4.555mmol )を含むトルエン
(30ml)懸濁溶液に、参考例7で調製したジ(2-ナフチ
ル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液
(0.081mol/l、35.8ml、2.914mmol )を窒素雰囲気下室
温にて30分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、
ヘキサン200ml を加えて一部溶解した樹脂を析出させ、
沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチ
ルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させるこ
とで淡黄白色粉末状の3価リン含有重合体(H)を0.71
3g(収率52.7% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電
子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体
中のリン含有量は5.1wt%であった。また、熱重量測定−
示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分
解に伴う減量温度は152 ℃であった。
【0065】実施例9 参考例3で合成したノボラック樹脂(iii) 0.431g(理
論水酸基含有量:3.591mmol )およびトリエチルアミン
0.323g(3.195mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液
に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイル
ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.16
3mol/l、17.9ml、2.918mmol )を窒素雰囲気下室温にて
20分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、ヘプタ
ン50mlを加えて一部溶解した樹脂を析出させ、沈殿物を
濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミン
の塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡黄
色粉末状の3価リン含有重合体(I)を0.799g(収率7
5.6% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法
(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン
含有量は5.4wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分
析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う
減量温度は236 ℃であった。
【0066】実施例10 実施例9と同様に、参考例3で合成したノボラック樹脂
(iii) 0.432g(理論水酸基含有量:3.593mmol )およ
びトリエチルアミン0.455g(4.497mmol )を含むトルエ
ン(30ml)懸濁溶液に、参考例7で調製したジ(2-ナフ
チル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液
(0.081mol/l、35.8ml、2.914mmol )を窒素雰囲気下室
温にて45分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、
ヘキサン200ml を加えて一部溶解した樹脂を析出させ、
沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチ
ルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させるこ
とで淡褐色粉末状の3価リン含有重合体(J)を0.314g
(収率23.2% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子
分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中
のリン含有量は4.4wt%であった。また、熱重量測定−示
差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解
に伴う減量温度は220 ℃であった。
【0067】実施例11 参考例4で合成したノボラック樹脂(iv)0.268g(理論
水酸基含有量:2.707mmol )およびトリエチルアミン0.
241g(2.377mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(20
ml)懸濁溶液に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル
-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラ
ン溶液(0.163mol/l、13.5ml、2.201mmol )を窒素雰囲
気下0 ℃にて30分間で滴下した。室温に戻して1時間攪
拌後、上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロ
リダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過
で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩
酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末
状の3価リン含有重合体(K)を0.601g(収率81.3% )
得た。
【0068】実施例12 参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.763g(理論
水酸基含有量:7.192mmol )およびトリエチルアミン0.
914g(9.029mmol )を含むトルエン(40ml)懸濁溶液
に、市販品を利用して別途調製したジクロロフェニルホ
スフィンのトルエン溶液(0.410mol/l、7.10ml、2.911m
mol )を窒素雰囲気下室温にて30分間で滴下し、更に80
℃で3 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全て
のジクロロフェニルホスフィンが消費されたことを確認
した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によって
トリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥
させることで淡白褐色粉末状の3価リン含有重合体
(L)を0.984g(収率91.8% )得た。
【0069】実施例13 実施例12と同様に、参考例1で合成したノボラック樹
脂(i)0.763g(理論水酸基含有量:7.186mmol )およ
びトリエチルアミン0.933g(9.215mmol )を含むトルエ
ン(30ml)懸濁溶液に、参考例10で調製した2,4-ジ-t
- ブチルフェニルホスホロジクロリダイトのトルエン溶
液(0.063mol/l、46.3ml、2.917mmol )を窒素雰囲気下
室温にて40分間で滴下し、更に80℃で3 時間加熱した。
上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロジクロリダ
イトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分
離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩
を除去した後、減圧下で乾燥させることで白褐色粉末状
の3価リン含有重合体(M)を1.529g(収率105.5%)得
た。
【0070】実施例14 参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.388g(理論
水酸基含有量:3.654mmol )およびトリエチルアミン0.
439g(4.338mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(20
ml)懸濁溶液に、参考例11で調製した3,3',5,5'-テト
ラ-t- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホス
ホロジクロリダイト)のテトラヒドロフラン溶液(リン
濃度:0.066mol/l、22.1ml、1.459mmol )を窒素雰囲気
下-78 ℃にて1 時間で滴下した。室温に戻して1 時間攪
拌後、上澄み液の31PNMRを測定して全てのビス(ホスホ
ロジクロリダイト)が消費されたことを確認した後、沈
殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチル
アミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させること
で白色粉末状の3価リン含有重合体(N)を0.581g(収
率79.7% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光
法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリ
ン含有量は5.6wt%であった。また、熱重量測定−示差熱
分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴
う減量温度は190 ℃であった。
【0071】実施例15 実施例14と同様に、参考例3で合成したノボラック樹
脂(iii) 0.650g(理論水酸基含有量:5.407mmol )お
よびトリエチルアミン0.799g(7.900mmol )を含む乾燥
テトラヒドロフラン(20ml)懸濁溶液に、参考例12で
調製した3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-
1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリ
ダイト)のテトラヒドロフラン溶液(リン濃度:0.051m
ol/l、43.5ml、2.197mmol )を窒素雰囲気下-78 ℃にて
15分間で滴下した。室温に戻して1時間攪拌し、更に50
℃で1 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全て
のビス(ホスホロジクロリダイト)が消費されたことを
確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によ
ってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で
乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体
(O)を0.295g(収率24.7% )得た。誘導結合プラズマ
−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求め
たこの重合体中のリン含有量は4.1wt%であった。また、
熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこ
の重合体の分解に伴う減量温度は180 ℃であった。
【0072】実施例16 実施例14と同様に、参考例4で合成したノボラック樹
脂(iv)0.534g(理論水酸基含有量:5.387mmol )およ
びトリエチルアミン0.752g(7.429mmol )を含む乾燥テ
トラヒドロフラン(20ml)懸濁溶液に、参考例12で調
製した3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-1,
1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリダ
イト)のテトラヒドロフラン溶液(リン濃度:0.051mol
/l、43.3ml、2.187mmol )を窒素雰囲気下-78 ℃にて45
分間で滴下した。室温に戻して1 時間攪拌し、更に65℃
で1 時間加熱し、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗
によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧
下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体
(P)を0.602g(収率56.0% )得た。誘導結合プラズマ
−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求め
たこの重合体中のリン含有量は3.7wt%であった。また、
熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこ
の重合体の分解に伴う減量温度は230 ℃であった。
【0073】(ロジウム担持重合体触媒の合成) 実施例17 以下のようにして、実施例1〜16で合成した3価リン
含有重合体(A〜P)へのロジウム担持処理を行い、ロ
ジウム担持重合体触媒(A′〜P′)を合成した。トル
エンまたはテトラヒドロフラン中に懸濁させた3価リン
含有重合体に、反応させるロジウム種である[Rh(OAc)(c
od)]2 を所定量加え、室温下で攪拌した。この時、ロジ
ウムの担持が進行するに連れて上澄み液の色が黄色から
無色へと変化していき不溶性の重合体が淡黄色に色付い
てくるが、反応の進行が遅い場合には60℃程度に加熱す
ることで担持反応を押し進めた。その後、濾過によって
分離し、トルエンで洗浄した後減圧下で乾燥させること
で、ロジウムが担持された3価リン含有不溶性重合体触
媒を得た。用いたロジウムの重合体への担持率について
は、反応液の濾液およびトルエン洗液を足し合わせた溶
液中のロジウム濃度を誘導結合プラズマ−質量分析法
(ICP−MS)によって測定することで算出した。表
1に、反応の条件およびロジウムの担持率をまとめてい
る。また、表2には、誘導結合プラズマ−オージェ電子
分光法(ICP−AES)によって得られたロジウム担
持重合体触媒(A′〜P′)中のリン含有量およびロジ
ウム含有量を測定した結果をまとめている。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】(ヒドロホルミル化反応) 実施例18 実施例17で得られたロジウム担持重合体触媒(A′〜
P′)を用い、以下のようにして1−オクテンのヒドロ
ホルミル化反応を行った。磁性攪拌子を入れた70ミリリ
ットルのミクロオートクレーブに、所定量のロジウム担
持重合体触媒、脱気乾燥させた1-オクテン5.6 ミリリッ
トル、溶媒としての脱気乾燥させたトルエン13.8ミリリ
ットル、および反応後ガスクロマトグラフィーによる分
析の内部標準となるm-キシレン0.6 ミリリットルを窒素
気流下で仕込み、密閉した。続いてバルブより20KG/cm2
の窒素で系内を加圧した後パージする操作を2 回繰り返
すことで系内の窒素置換を行った後、50KG/cm2のオキソ
ガス(水素:一酸化炭素=1:1)封入した。その後直
ちに、予め120 ℃に加熱しておいた電気炉にミクロオー
トクレーブをセットし、ヒドロホルミル化反応を進行さ
せた。所定の反応時間後、ミクロオートクレーブを冷却
し、残ガスをパージ後、ガスクロマトグラフィーによっ
て、溶液成分の分析を行った。また、孔径0.45マイクロ
メートルのフィルターで濾過した液成分中のロジウム濃
度を誘導結合プラズマ−質量分析法(ICP−MS)で
測定することで、重合体触媒から溶出したロジウムの割
合を求めた。表3に使用触媒量、反応時間、反応結果、
および反応後のロジウム溶出率をまとめたものを示す。
【0077】
【表3】 実施例19 ロジウム担持重合体触媒として0.3182g のD'を用い、実
施例18の1-オクテンを同モル数の10−ウンデセニル酸
(7.2 ミリリットル)に変更し、溶媒のトルエンを12.2
ミリリットルに変更した以外は同様の条件でヒドロホル
ミル化反応を行った。120 ℃で6.0 時間反応させること
で、10−ウンデセニル酸の転化率は34.86%、異性化率は
6.05% 、アルデヒド収率は28.56%、n/i比は4.68、ア
ルコール収率は0.58% であった。また、反応後の溶液中
へのロジウム溶出率は1.8%であった。
【0078】実施例20 ロジウム担持重合体触媒として0.3182g のD'を用い、実
施例18の1-オクテンを同モル数の10−ウンデセニル酸
メチルエステル(7.3 ミリリットル)に変更し、溶媒の
トルエンを12.1ミリリットルに変更した以外は同様の条
件でヒドロホルミル化反応を行った。120 ℃で6.0 時間
反応させることで、10−ウンデセニル酸メチルエステル
の転化率は16.87%、異性化率は2.26% 、アルデヒド収率
は14.76%、n/i比は6.62、アルコール収率は0.38% で
あった。また、反応後の溶液中へのロジウム溶出率は1.
5%であった。
【0079】
【発明の効果】本発明による、特定の3価リン含有重合
体に遷移金属を担持してなる触媒は、種々の触媒反応
で、特にヒドロホルミル化反応に有用である。中でも本
発明の一般式(2)で表される特定の有機二リン基架橋
型重合体は新規な重合体であり、この重合体は遷移金属
を担持させた触媒はヒドロホルミル化反応の選択性を向
上させることができるため、工業的な利用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 59/147 C07C 59/147 4J033 67/313 67/313 67/38 67/38 69/66 69/66 C08G 8/28 C08G 8/28 B 61/12 61/12 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 浦田 尚男 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA22A BA22B BA27A BA27B BC30A BC34A BC38A BC49A BC53A BC57A BC61A BC65A BC67A BC69A BC70A BC71A BC71B BE05A BE05B BE25A BE25B BE33A BE33B BE36A BE36B CB51 DA08 EA01Y FA01 FA02 FB13 4H006 AA02 AC45 BA20 BA23 BA24 BA55 BE20 BE40 BQ10 BS10 4H039 CA62 CL45 4J030 CA01 CB02 CB06 CD11 CF02 CG07 4J032 AA01 AA15 AA16 AA43 4J033 CA01 CA02 CA11 CA12 CA13 CA22 CC03 HA12 HA28

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有重合体に3価のリンを結合さ
    せて得られた重合体に遷移金属を担持してなる触媒の存
    在下、オレフィン性不飽和化合物を水素及び一酸化炭素
    と反応させることを特徴とするアルデヒド類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 水酸基含有重合体に3価のリンを結合さ
    せて得られた重合体が下記一般式(1) 【化1】 〔上記式(1)中、Aは一部の水酸基の水素原子が3価
    のリン原子で置換された重合体残基であり、nは3価の
    リン原子の置換率によって定まる値である。また、R1
    およびR2 は同一のものでも異なるものでも良く、また
    は互いに結合しリンを含む環を形成していても良い有機
    基である。また、式(1)中−O−はA中に含まれる水
    酸基に由来する酸素原子である。〕で表されるものであ
    る請求項1に記載のアルデヒド類の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中、Aで表される重合体残
    基が、フェノール性化合物からなる重合体残基である請
    求項2に記載のアルデヒド類の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2)中、Aで表されるフェノー
    ル性化合物からなる重合体残基が、置換または無置換の
    フェノール性化合物と一置換または無置換のメチレン基
    とが繰り返し結合してなるフェノール・アルデヒド樹脂
    (ノボラック樹脂)である請求項3に記載のアルデヒド
    類の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(1)中、Aで表されるフェノー
    ル性化合物からなる重合体残基が、置換または無置換の
    フェノール性化合物同士が直接結合を繰り返すことから
    なるポリフェノールである請求項3に記載のアルデヒド
    類の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(1)中、R1 およびR2 で表さ
    れる有機基が、下記(i) 〜(iii) のいずれかの特徴を有
    する請求項2〜5のいずれかに記載のアルデヒド類の製
    造方法。 (i) 1〜40個の炭素原子からなる置換又は無置換の炭
    化水素基。 (ii)1〜40個の炭素原子からなる置換または無置換の
    アルコキシ基、または、置換または無置換のアリーロキ
    シ基及びヘテロアリーロキシ基。 (iii)-O-A 基(Aは上で定義した通りであり、-O- はA
    中に含まれる水酸基に由来する酸素原子である。)。
  7. 【請求項7】 担持される遷移金属がルテニウム、コバ
    ルト又はロジウムである請求項1〜6のいずれかに記載
    のアルデヒド類の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(1)におけるR1 及びR2 が酸
    素原子でリンに結合した構造であり、かつA がフェノー
    ル・アルデヒド樹脂であるホスファイト基含有フェノー
    ル・アルデヒド樹脂体に、ロジウムを担持してなる触媒
    系を用いた触媒反応。
  9. 【請求項9】 下記一般式(2) 【化2】 〔上記式(2)中、A及びnは一般式(1)で定義した
    のと同義であり、R3 はAの一部ではない2価有機基で
    ある。また、式(2)中、重合体Aとリン原子との間を
    介して結合している4つの酸素原子は、同一ポリマー鎖
    に由来するものであっても、それぞれ独立に別のポリマ
    ー鎖に由来するものであってもよい。〕で表される有機
    二リン基架橋型重合体。
  10. 【請求項10】 一般式(2)中、Aで表される重合体
    残基が、フェノール性化合物からなる重合体残基である
    請求項9記載の有機二リン基架橋型重合体。
  11. 【請求項11】 一般式(2)中、Aで表されるフェノ
    ール性化合物からなる重合体残基が、置換または無置換
    のフェノール性化合物と一置換または無置換のメチレン
    基とが繰り返し結合してなるフェノール・アルデヒド樹
    脂(ノボラック樹脂)である請求項10に記載の有機二
    リン基架橋型重合体。
  12. 【請求項12】 一般式(2)中、Aで表されるフェノ
    ール性化合物からなる重合体残基が、置換または無置換
    のフェノール性化合物同士が直接結合を繰り返すことか
    らなるポリフェノールである請求項10に記載の有機二
    リン基架橋型重合体。
  13. 【請求項13】 一般式(2)中、R3 で表される2価
    有機基が、アルキレン基及びアルキレン−オキシ−アル
    キレン基(各アルキレン基は同一又は異なっていても良
    く、2〜18個の炭素原子を含有し、置換基を有してい
    てもよい。)並びにアリーレン基及びアリーレン−アリ
    ーレン基(各アリーレン基は同一又は異なっていても良
    く、6〜24個の炭素原子を含有し、置換基を有してい
    てもよく、ヘテロ原子を含有していてもよい。)からな
    る群より選定される二価有機基である請求項9〜12の
    いずれかに記載の有機二リン基架橋型重合体。
  14. 【請求項14】 一般式(2)中、R3 で表される2価
    有機基が、下記一般式(3)で表される、置換基を有し
    ていてもよいアリーレン−アリーレン基である請求項1
    3に記載の有機二リン基架橋型重合体。 【化3】 (式(3)中R4 〜R11 は、それぞれ独立して炭素原
    子数20までのアルキル基、シクロアルキル基、アルコ
    キシ基、シリル基、シロキシ基、ハロゲン原子又は水素
    原子を示し、R4 〜R7 及びR8 〜R11 のそれぞれの
    群の中で、それぞれの置換基が互いに独立に結合して飽
    和又は不飽和の環の一部を形成していてもよい。)
  15. 【請求項15】 下記構造を有する、変性された水酸基
    含有重合体。 【化4】 (式中、R3は一般式(2)で定義したのと同義であ
    る)
  16. 【請求項16】 請求項9〜15のいずれかに記載の重
    合体に遷移金属が担持されてなる触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10251282A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Takasago Internatl Corp 2個のビニル基を有する光学活性ホスフィン誘導体、それをモノマーとするポリマー、及びそれらの遷移金属錯体
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JP2002516891A (ja) * 1998-05-29 2002-06-11 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 担持されたビス(リン)配位子を用いるオレフィンのヒドロホルミル化

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