JP4020155B2 - 有機二リン基架橋型重合体 - Google Patents
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具体的な例を挙げると、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、2,2′−ビナフチル−3,3′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−6 ,6 ′−ジメトキシ−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ペンチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ペンチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,6,6′−テトラメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3’,4,4’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−シクロヘキシル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ビス(トリメチルシリル)−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、1,1′−ビフェナンチル−10,10′−ジイル基等がある。
参考例1
フェノール(29.035g 、0.309mol)および1,3,5-トリオキサン(9.272g、0.103mol)を室温窒素下において酢酸100ml に溶解させた後、内温が80℃になるまで加熱した。そこに硫酸(0.322g、0.0033mol )と酢酸(1.037g、0.0173mol )の混合物を20分間で滴下し、次いでこの混合物が白い固形物になるまで約110 ℃で加熱攪拌した。反応系を冷却後、白い固形物を細かく砕きながら約5 重量%の炭酸水素ナトリウム(143.08g、1.703mol)の水溶液3lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿させた。これを濾過で分離し、70℃の温水2lで2 回洗浄し、濾取後風乾させた。更に減圧下110 ℃で16時間させることで淡黄褐色粉末状のフェノールノボラック樹脂(i)28.576g (収率87.3% )を得た。
参考例1と同様にして、p-クレゾール(11.902g 、0.110mol)および1,3,5-トリオキサン(4.962g、0.055mol)の酢酸溶液40mlと、硫酸(1.132g、0.0115mol)と酢酸(5.387g、0.0897mol )の混合物を用いて樹脂を合成し、反応系を冷却後、白い固形物を細かく砕きながら約5 重量%の炭酸水素ナトリウム(68.03g 、0.810mol)の水溶液1.3lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿させた。これを濾過で分離し、70℃の温水1lで2 回洗浄し、濾取後風乾させ、更に減圧下110 ℃で3 時間させることで淡緑白色粉末状のp-クレゾールノボラック樹脂(ii)13.206g (収率99.8% )を得た。
参考例1と同様にして、o-クレゾール(17.955g 、0.166mol)および1,3,5-トリオキサン(4.992g、0.055mol)の酢酸溶液55mlと、硫酸(1.661g、0.0169mol)と酢酸(5.132g、0.0855mol )の混合物を用いて樹脂を合成した。反応系を冷却後、得られた暗緑色の粥状懸濁溶液を約5 重量%の炭酸水素ナトリウム(90.52g 、1.078mol)の水溶液1.7lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿させた。これを濾過で分離し、80℃の温水1lで2 回洗浄し、濾取後風乾させ、更に減圧下110 ℃で4 時間させることで淡桃褐色粉末状のo-クレゾールノボラック樹脂(iii)20.249g (収率101.5%)を得た。
参考例1と同様にして、2,2'- ビフェノール(14.016g 、0.0753mol )および1,3,5-トリオキサン(2.279g、0.0253mol )の酢酸溶液50mlと、硫酸(0.789g、0.0080mol )と酢酸(7.107g、0.1183mol )の混合物を用いて樹脂を合成し、反応系を冷却後、白い固形物を細かく砕きながら約5 重量%の炭酸水素ナトリウム(81.13g 、0.966mol)の水溶液1.6lの中に少しずつ投入し、生成樹脂を沈殿させた。これを濾過で分離し、70℃の温水0.1lで2 回洗浄し、濾取後風乾させ、更に減圧下110 ℃で5 時間させることで淡紫灰色粉末状のビフェノールノボラック樹脂(iv)7.479g(収率50.1% )を得た。
三塩化リン(5.080g、37.00mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(100ml )溶液に、2,2'- ビフェノール(6.889g、37.00mmol )及びピリジン(6.033g、76.28mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(80ml)溶液を窒素雰囲気下、-78 ℃にて2 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1.5 時間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることで1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトを含む200ml のテトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると87.9% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイトの濃度を0.163mol/lと定めた。
三塩化リン(2.509g、18.27mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(100ml )溶液に、3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-2,2'-ビフェノール(7.278g、17.72mmol )及びピリジン(2.929g、37.02mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(50ml)溶液を窒素雰囲気下、0 ℃にて2 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることで3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトを含む170ml のテトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると94.4% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイトの濃度を0.098mol/lと定めた。
三塩化リン(5.049g、36.77mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(80ml)溶液に、2-ナフトール(10.398g 、72.12mmol )及びピリジン(6.043g、76.40mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(140ml )溶液を窒素雰囲気下、0 ℃にて3 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して40分間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることでジ(2-ナフチル)ホスホロクロリダイトを含む320ml のテトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると72.2% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイトの濃度を0.081mol/lと定めた。
三塩化リン(3.847g、28.01mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(60ml)溶液に、2,5-ジメチルフェノール(6.710g、54.92mmol )及びピリジン(4.562g、57.68mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(120ml )溶液を窒素雰囲気下、0 ℃にて3時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して30分間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることでビス(2,5-ジメチルフェニル)ホスホロクロリダイトを含む250ml のテトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると93.8% であり、有効に働く該ホスホロクロリダイトの濃度を0.105mol/lと定めた。
ジクロロフェニルホスフィン(2.202g、12.30mmol )のトルエン(30ml)溶液に、o-クレゾール(1.330g、12.30mmol )及びピリジン(1.089g、13.77mmol )のトルエン(40ml)溶液を窒素雰囲気下、0 ℃にて30分間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液にトルエンを加えることで(2-メチルフェニル)フェニルホスホノクロリダイトを含む100ml のトルエン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると81.6% であり、有効に働く該ホスホノクロリダイトの濃度を0.100mol/lと定めた。
三塩化リン(1.732g、12.61mmol )のトルエン(100ml )溶液に、2,4-ジ-t-ブチルフェノール(2.552g、12.37mmol )及びピリジン(1.059g、13.39mmol )のトルエン(50ml)溶液を窒素雰囲気下、-78 ℃にて2 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生した固体のピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液にトルエンを加えることで2,4-ジ-t- ブチルフェニルホスホロジクロリダイトを含む200ml のトルエン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると100%であり、該ホスホロジクロリダイトの濃度を0.063mol/lと定めた。
3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-2,2'-ビフェノール(2.096g、5.10mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(30ml)溶液に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.54mol/l 、6.80ml、10.47mmol )を窒素雰囲気下、0 ℃にて2 分間かけて攪拌しつつ滴下した後、加熱還流を1時間行い、ジリチオ化物を含む溶液を調製した。その溶液を、クロロビス(ジエチルアミノ)ホスフィン(2.191g、10.40mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(40ml)溶液に窒素雰囲気下、0 ℃にて35分間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、再び0 ℃に冷却し、塩酸のジエチルエーテル溶液(1.0mol/l、44.0ml、44.0mmol)を窒素雰囲気下、0 ℃にて1 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生した固体の塩化リチウムやピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることで3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリダイト)を含む113ml のテトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると71.6% であり、有効に働く該ビス(ホスホロジクロリダイト)のリン濃度を0.066mol/lと定めた。
3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-2,2'-ビフェノール(5.260g、11.99mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(80ml)溶液に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.54mol/l 、16.00ml 、24.64mmol )を窒素雰囲気下、0 ℃にて2 分間かけて攪拌しつつ滴下した後、加熱還流を40分間行い、ジリチオ化物を含む溶液を調製した。その溶液を、クロロビス(ジエチルアミノ)ホスフィン(5.152g、24.45mmol )の乾燥テトラヒドロフラン(100ml )溶液に窒素雰囲気下、0 ℃にて1 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、再び0 ℃に冷却し、塩酸のジエチルエーテル溶液(1.0mol/l、103.0ml 、103.0mmol )を窒素雰囲気下、0 ℃にて1.5 時間かけて攪拌しつつ滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、副生した固体の塩化リチウムやピリジン塩酸塩を窒素下で濾別し、濾液に乾燥テトラヒドロフランを加えることで3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリダイト)を含む250ml のテトラヒドロフラン溶液とした。31P-NMR を測定することで目的物のリンの割合を求めると62.0% であり、有効に働く該ビス(ホスホロジクロリダイト)のリン濃度を0.061mol/lと定めた。
実施例1
参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.290g(理論水酸基含有量:2.733mmol )およびトリエチルアミン0.241g(2.382mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(25ml)懸濁溶液に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.163mol/l、13.7ml、2.233mmol )を窒素雰囲気下0 ℃にて30分間で滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(A )を0.496g(収率64.6% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は5.6wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は198 ℃であった。
実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.380g(理論水酸基含有量:3.578mmol )およびトリエチルアミン0.328g(3.236mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(25ml)懸濁溶液に、参考例6で調製した3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.098mol/l、29.6ml、2.913mmol )を窒素雰囲気下0 ℃にて30分間で滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、更に60℃で1 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(B)を0.865g(収率52.0% )得た。
実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.381g(理論水酸基含有量:3.591mmol )およびトリエチルアミン0.436g(4.313mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(25ml)懸濁溶液に、参考例7で調製したジ(2-ナフチル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.081mol/l、35.8ml、2.914mmol )を窒素雰囲気下0 ℃にて20分間で滴下した。室温に戻して30分間攪拌後、更に60℃で1 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(C)を0.879g(収率67.4% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は6.6wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は192 ℃であった。
実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.381g(理論水酸基含有量:3.593mmol )およびトリエチルアミン0.357g(3.523mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例8で調製したビス(2,5-ジメチルフェニル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.105mol/l、27.8ml、2.919mmol )を窒素雰囲気下0 ℃にて30分間で滴下し、室温に戻して30分間攪拌した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(D )を0.613g(収率52.1% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は6.1wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は124 ℃であった。
実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.383g(理論水酸基含有量:3.605mmol )およびトリエチルアミン0.557g(5.505mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例9で調製した(2-メチルフェニル)フェニルホスホノクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.100mol/l、29.2ml、2.920mmol )を窒素雰囲気下0 ℃にて1 時間で滴下した。室温に戻して30分間攪拌後、更に80℃で1.5 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホノクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(E )を0.788g(収率78.1% )得た。
実施例1と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂(i )0.382g(理論水酸基含有量:3.599mmol )およびトリエチルアミン0.379g(3.749mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、市販品を利用して別途調製したクロロジフェニルホスフィンのトルエン溶液(0.178mol/l、16.4ml、2.922mmol )を窒素雰囲気下室温にて30分間で滴下し、更に80℃で3 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのクロロジフェニルホスフィンが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡白褐色粉末状の3価リン含有重合体(F)を0.635g(収率69.0% )得た。
参考例2で合成したノボラック樹脂(ii)0.431g(理論水酸基含有量:3.587mmol )およびトリエチルアミン0.328g(3.239mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.163mol/l、17.9ml、2.918mmol )を窒素雰囲気下室温にて30分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、ヘキサン100ml を加えて一部溶解した樹脂を析出させ、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡黄白色粉末状の3価リン含有重合体(G)を0.881g(収率83.5% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は5.1wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は180 ℃であった。
実施例7と同様に、参考例2で合成したノボラック樹脂(ii)0.432g(理論水酸基含有量:3.596mmol )およびトリエチルアミン0.461g(4.555mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例7で調製したジ(2-ナフチル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.081mol/l、35.8ml、2.914mmol )を窒素雰囲気下室温にて30分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、ヘキサン200ml を加えて一部溶解した樹脂を析出させ、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡黄白色粉末状の3価リン含有重合体(H)を0.713g(収率52.7% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は5.1wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は152 ℃であった。
参考例3で合成したノボラック樹脂(iii) 0.431g(理論水酸基含有量:3.591mmol )およびトリエチルアミン0.323g(3.195mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.163mol/l、17.9ml、2.918mmol )を窒素雰囲気下室温にて20分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、ヘプタン50mlを加えて一部溶解した樹脂を析出させ、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡黄色粉末状の3価リン含有重合体(I)を0.799g(収率75.6% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は5.4wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は236 ℃であった。
実施例9と同様に、参考例3で合成したノボラック樹脂(iii) 0.432g(理論水酸基含有量:3.593mmol )およびトリエチルアミン0.455g(4.497mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例7で調製したジ(2-ナフチル)ホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.081mol/l、35.8ml、2.914mmol )を窒素雰囲気下室温にて45分間で滴下した。そのまま30分間攪拌した後、ヘキサン200ml を加えて一部溶解した樹脂を析出させ、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡褐色粉末状の3価リン含有重合体(J)を0.314g(収率23.2% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は4.4wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は220 ℃であった。
参考例4で合成したノボラック樹脂(iv)0.268g(理論水酸基含有量:2.707mmol )およびトリエチルアミン0.241g(2.377mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(20ml)懸濁溶液に、参考例5で調製した1,1'- ビフェニル-2,2'-ジイルホスホロクロリダイトのテトラヒドロフラン溶液(0.163mol/l、13.5ml、2.201mmol )を窒素雰囲気下0 ℃にて30分間で滴下した。室温に戻して1時間攪拌後、上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(K)を0.601g(収率81.3% )得た。
参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.763g(理論水酸基含有量:7.192mmol )およびトリエチルアミン0.914g(9.029mmol )を含むトルエン(40ml)懸濁溶液に、市販品を利用して別途調製したジクロロフェニルホスフィンのトルエン溶液(0.410mol/l、7.10ml、2.911mmol )を窒素雰囲気下室温にて30分間で滴下し、更に80℃で3 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのジクロロフェニルホスフィンが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで淡白褐色粉末状の3価リン含有重合体(L)を0.984g(収率91.8% )得た。
実施例12と同様に、参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.763g(理論水酸基含有量:7.186mmol )およびトリエチルアミン0.933g(9.215mmol )を含むトルエン(30ml)懸濁溶液に、参考例10で調製した2,4-ジ-t- ブチルフェニルホスホロジクロリダイトのトルエン溶液(0.063mol/l、46.3ml、2.917mmol )を窒素雰囲気下室温にて40分間で滴下し、更に80℃で3 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのホスホロジクロリダイトが消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白褐色粉末状の3価リン含有重合体(M)を1.529g(収率105.5%)得た。
参考例1で合成したノボラック樹脂(i)0.388g(理論水酸基含有量:3.654mmol )およびトリエチルアミン0.439g(4.338mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(20ml)懸濁溶液に、参考例11で調製した3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリダイト)のテトラヒドロフラン溶液(リン濃度:0.066mol/l、22.1ml、1.459mmol )を窒素雰囲気下-78 ℃にて1 時間で滴下した。室温に戻して1 時間攪拌後、上澄み液の31PNMRを測定して全てのビス(ホスホロジクロリダイト)が消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(N)を0.581g(収率79.7% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は5.6wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は190 ℃であった。
実施例14と同様に、参考例3で合成したノボラック樹脂(iii) 0.650g(理論水酸基含有量:5.407mmol )およびトリエチルアミン0.799g(7.900mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(20ml)懸濁溶液に、参考例12で調製した3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリダイト)のテトラヒドロフラン溶液(リン濃度:0.051mol/l、43.5ml、2.197mmol )を窒素雰囲気下-78 ℃にて15分間で滴下した。室温に戻して1時間攪拌し、更に50℃で1 時間加熱した。上澄み液の31PNMRを測定して全てのビス(ホスホロジクロリダイト)が消費されたことを確認した後、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(O)を0.295g(収率24.7% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は4.1wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は180 ℃であった。
実施例14と同様に、参考例4で合成したノボラック樹脂(iv)0.534g(理論水酸基含有量:5.387mmol )およびトリエチルアミン0.752g(7.429mmol )を含む乾燥テトラヒドロフラン(20ml)懸濁溶液に、参考例12で調製した3,3',5,5'-テトラ-t- ブチル-6,6'-ジメチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイルビス(ホスホロジクロリダイト)のテトラヒドロフラン溶液(リン濃度:0.051mol/l、43.3ml、2.187mmol )を窒素雰囲気下-78 ℃にて45分間で滴下した。室温に戻して1 時間攪拌し、更に65℃で1 時間加熱し、沈殿物を濾過で分離した。次いで水洗によってトリエチルアミンの塩酸塩を除去した後、減圧下で乾燥させることで白色粉末状の3価リン含有重合体(P)を0.602g(収率56.0% )得た。誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって求めたこの重合体中のリン含有量は3.7wt%であった。また、熱重量測定−示差熱分析法(TG-DTA)によって求めたこの重合体の分解に伴う減量温度は230 ℃であった。
実施例17
以下のようにして、実施例1〜16で合成した3価リン含有重合体(A〜P)へのロジウム担持処理を行い、ロジウム担持重合体触媒(A′〜P′)を合成した。トルエンまたはテトラヒドロフラン中に懸濁させた3価リン含有重合体に、反応させるロジウム種である[Rh(OAc)(cod)]2を所定量加え、室温下で攪拌した。この時、ロジウムの担持が進行するに連れて上澄み液の色が黄色から無色へと変化していき不溶性の重合体が淡黄色に色付いてくるが、反応の進行が遅い場合には60℃程度に加熱することで担持反応を押し進めた。その後、濾過によって分離し、トルエンで洗浄した後減圧下で乾燥させることで、ロジウムが担持された3価リン含有不溶性重合体触媒を得た。用いたロジウムの重合体への担持率については、反応液の濾液およびトルエン洗液を足し合わせた溶液中のロジウム濃度を誘導結合プラズマ−質量分析法(ICP−MS)によって測定することで算出した。表1に、反応の条件およびロジウムの担持率をまとめている。また、表2には、誘導結合プラズマ−オージェ電子分光法(ICP−AES)によって得られたロジウム担持重合体触媒(A′〜P′)中のリン含有量およびロジウム含有量を測定した結果をまとめている。
実施例18
実施例17で得られたロジウム担持重合体触媒(A′〜P′)を用い、以下のようにして1−オクテンのヒドロホルミル化反応を行った。磁性攪拌子を入れた70ミリリットルのミクロオートクレーブに、所定量のロジウム担持重合体触媒、脱気乾燥させた1-オクテン5.6 ミリリットル、溶媒としての脱気乾燥させたトルエン13.8ミリリットル、および反応後ガスクロマトグラフィーによる分析の内部標準となるm-キシレン0.6 ミリリットルを窒素気流下で仕込み、密閉した。続いてバルブより20KG/cm2の窒素で系内を加圧した後パージする操作を2回繰り返すことで系内の窒素置換を行った後、50KG/cm2のオキソガス(水素:一酸化炭素=1:1)封入した。その後直ちに、予め120 ℃に加熱しておいた電気炉にミクロオートクレーブをセットし、ヒドロホルミル化反応を進行させた。所定の反応時間後、ミクロオートクレーブを冷却し、残ガスをパージ後、ガスクロマトグラフィーによって、溶液成分の分析を行った。また、孔径0.45マイクロメートルのフィルターで濾過した液成分中のロジウム濃度を誘導結合プラズマ−質量分析法(ICP−MS)で測定することで、重合体触媒から溶出したロジウムの割合を求めた。表3に使用触媒量、反応時間、反応結果、および反応後のロジウム溶出率をまとめたものを示す。
ロジウム担持重合体触媒として0.3182g のD'を用い、実施例18の1-オクテンを同モル数の10−ウンデセニル酸(7.2 ミリリットル)に変更し、溶媒のトルエンを12.2ミリリットルに変更した以外は同様の条件でヒドロホルミル化反応を行った。120 ℃で6.0 時間反応させることで、10−ウンデセニル酸の転化率は34.86%、異性化率は6.05% 、アルデヒド収率は28.56%、n/i比は4.68、アルコール収率は0.58% であった。また、反応後の溶液中へのロジウム溶出率は1.8%であった。
ロジウム担持重合体触媒として0.3182g のD'を用い、実施例18の1-オクテンを同モル数の10−ウンデセニル酸メチルエステル(7.3 ミリリットル)に変更し、溶媒のトルエンを12.1ミリリットルに変更した以外は同様の条件でヒドロホルミル化反応を行った。120 ℃で6.0 時間反応させることで、10−ウンデセニル酸メチルエステルの転化率は16.87%、異性化率は2.26% 、アルデヒド収率は14.76%、n/i比は6.62、アルコール収率は0.38% であった。また、反応後の溶液中へのロジウム溶出率は1.5%であった。
Claims (5)
- 下記一般式(2)
〔上記式(2)中、Aは一部の水酸基の水素原子が3価のリン原子で置換されたフェノール性化合物からなる重合体残基であり、nは3価のリン原子の置換率によって定まる値であり、R3はAの一部ではないアルキレン基及びアルキレン−オキシ−アルキレン基(各アルキレン基は同一又は異なっていても良く、2〜18個の炭素原子を含有し、置換基を有していてもよい。)並びにアリーレン基及びアリーレン−アリーレン基(各アリーレン基は同一又は異なっていても良く、6〜24個の炭素原子を含有し、置換基を有していてもよく、ヘテロ原子を含有していてもよい。)からなる群より選定される2価有機基である。また、式(2)中、重合体Aとリン原子との間を介して結合している4つの酸素原子は、同一ポリマー鎖に由来するものであっても、それぞれ独立に別のポリマー鎖に由来するものであってもよい。〕で表される有機二リン基架橋型重合体。 - 一般式(2)中、Aで表されるフェノール性化合物からなる重合体残基が、置換または無置換のフェノール性化合物と一置換または無置換のメチレン基とが繰り返し結合してなるフェノール・アルデヒド樹脂(ノボラック樹脂)である請求項1に記載の有機二リン基架橋型重合体。
- 一般式(2)中、Aで表されるフェノール性化合物からなる重合体残基が、置換または無置換のフェノール性化合物同士が直接結合を繰り返すことからなるポリフェノールである請求項1に記載の有機二リン基架橋型重合体。
- 一般式(2)中、R3で表される2価有機基が、下記一般式(3)で表される、置換基を有していてもよいアリーレン−アリーレン基である請求項1〜3のいずれかに記載の有機二リン基架橋型重合体。
(式(3)中R4〜R11は、それぞれ独立して炭素原子数20までのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、R4〜R7及びR8〜R11のそれぞれの群の中で、それぞれの置換基が互いに独立に結合して飽和又は不飽和の環の一部を形成していてもよい。) - 請求項1〜4のいずれかに記載の重合体に遷移金属が担持されてなる触媒。
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