JP2001139546A - 5−置換インドール誘導体の製造方法 - Google Patents

5−置換インドール誘導体の製造方法

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JP2001139546A
JP2001139546A JP32791299A JP32791299A JP2001139546A JP 2001139546 A JP2001139546 A JP 2001139546A JP 32791299 A JP32791299 A JP 32791299A JP 32791299 A JP32791299 A JP 32791299A JP 2001139546 A JP2001139546 A JP 2001139546A
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Masahiro Shioya
冶 昌 弘 塩
Sunao Nagai
井 直 永
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、医農薬中間の原料として有用である
5−置換インドール誘導体を効率よく合成、精製する方
法を提供する。 【構成】インドリン誘導体(式I)をインドリン誘導体
中のN原子のプロトン化を抑制し得る条件下でニトロ化
能力のある試剤と反応させて位置選択的に5−ニトロイ
ンドリン誘導体(式II)を得た後に脱水素、脱保護を行
うことを特徴とする5−置換インドール誘導体(式II
I)の製法。 【化1】 (式中、R1はC=OまたはS=Oの構造を有するアミ
ノ基の保護基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水
素原子またはアルキル基を表す。) 【化2】 (式中、 R1、R2およびR3は前記と同義である。) 【化3】 (式中、R2およびR3は前記と同義であり、R4はアミ
ノ基あるいはニトロ基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はアミノインドールおよびニ
トロインドール類の製造方法に関する。該化合物は医
薬、農薬の中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アミノインドール類に関して従来は対応
するアニリン誘導体とヒドラジン化合物を反応させてニ
トロフェニルヒドラジン誘導体の合成、Fischer
転移反応によりニトロインドール類を合成した後に還元
によりアミノインドール類を合成していた。例えば5−
アミノインドールを合成するにあたり、それぞれp−ニ
トロフェニルヒドラジンを合成し、次にFischer
転移反応を行い対応するニトロインドールを得た後に還
元反応により合成していた(M.Parmerter,
A.Gilbert Cook,William B.
Dixon,J.Ame.Chem.Soc.,Vo
l.80,p4621〜4622(1958))。しか
し、この方法では工程数が多く、また、各反応での収率
が低いという問題点があった。
【0003】一方、インドールの直接ニトロ化、還元に
よるアミノインドールの合成については報告されていな
い。これは直接のニトロ化反応の条件ではオリゴマー化
等を起こしニトロ化反応が進行しないからである。この
ため、インドールを出発原料とする方法としてはインド
ールを水添、アミノ基の保護によりN−アセチルインド
リンに転換した後にニトロ化を行い次に脱水素、還元、
脱保護によりアミノインドールを合成している(H.G
oda,H.Ihara,C.Hirayama,Te
trahedron Letters,Vol.35,
p1565〜1568(1963))。しかし、この方
法でも、ニトロ化反応での位置選択性が低く、位置異性
体との分離が問題であり、また脱水素、還元、脱保護の
反応での収率が低いという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ニト
ロインドール、ならびにアミノインドールを製造するに
あたり前記した問題点があることに鑑み、反応収率およ
びニトロ化反応における位置選択性の高い製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、従来とは異なる条件
で反応を行うことにより各段階での反応収率ならびにニ
トロ化反応における位置選択性の向上が見られることを
見出し本発明を完成した。即ち本発明は以下の発明を包
含する。 (1) 一般式(I)(化10):
【0006】
【化10】 (式中、R1はC=OまたはS=Oの構造を有するアミ
ノ基の保護基を表し、R2、またはR3はそれぞれ独立に
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で
示されるインドリン誘導体をニトロ化能力のある試剤と
反応させて得られる一般式(II)(化11):
【0007】
【化11】 (式中、 R1、R2およびR3は前記と同義である。)で
示される5−ニトロインドリン誘導体を中間体として経
由することを特徴とする一般式(III)(化12):
【0008】
【化12】 (式中、R2およびR3は前記と同義であり、R4はアミ
ノ基あるいはニトロ基を表す。)で示される5−置換イ
ンドール誘導体の製造方法。 (2) 一般式(I)(化13):
【0009】
【化13】 (式中、R1はC=OまたはS=Oの構造を有するアミ
ノ基の保護基を表し、R2またはR3はそれぞれ独立に水
素原子またはアルキル基を表す。)で示されるインドリ
ン誘導体をインドリン誘導体中のN原子のプロトン化を
抑制し得る条件下でニトロ化剤と反応させることを特徴
とする一般式(II)(化14):
【0010】
【化14】 (式中、 R1、R2およびR3は前記と同義である。)で
示される5−ニトロインドリン誘導体の製造方法。 (3) 上記(2)記載インドリン誘導体のN原子のプ
ロトン化を抑えうる条件として濃度30〜90%の硝
酸、濃度50%〜98%の硫酸の組み合わせ、あるいは
濃度30%〜80%の硝酸、濃度90%以上の有機酸を
用いる(1)記載の5−ニトロインドリン誘導体の製造
方法。 (4) 上記(3)記載の有機酸が酢酸である上記
(2)記載の5−ニトロインドリン誘導体の製造方法。 (5) 一般式(I)においてR1で表されるC=Oまた
はS=Oの構造を有するアミノ基の保護基がアシル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基のうちの
一種である上記(2)記載の5−ニトロインドリン誘導
体の製造方法。 (6) 一般式(I)で示されるインドリン誘導体がN
−アセチルインドリンである上記(2)記載のN−アセ
チル−5−ニトロインドリンの製造方法。 (7) 上記(2)記載の製造方法に従って得られる一
般式(II)(化15):
【0011】
【化15】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)で
示されるニトロインドリン誘導体を遷移金属触媒存在
下、塩基性水溶液中で反応させることを特徴とする5−
アミノインドール誘導体(IV)(化16)
【0012】
【化16】 (式中、R2およびR3は前記と同義である。)の製造方
法。 (8) 上記(7)記載の遷移金属触媒がラネーニッケ
ルあるいはラネー銅である上記(7)記載の5−アミノ
インドール誘導体の製造方法。 (9) 上記(8)記載のラネー触媒においてアルミニ
ウム含量が10wt%以下である上記(7)記載の5−
アミノインドール誘導体の製造方法。 (10)一般式(II)で示されるニトロインドリン誘導
体がN−アセチル−5−ニトロインドリンである上記
(7)記載の5−アミノインドール誘導体の製造方法。 (11)上記(2)記載の製造方法に従って得られる一
般式(II)(化17):
【0013】
【化17】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)で
示されるニトロインドリン誘導体を遷移金属触媒存在下
で反応させることを特徴とする5−ニトロインドール誘
導体(V)(化18)
【0014】
【化18】 (式中、 R1、R2およびR3は前記と同義である。)の
製造方法。 (12)上記(11)記載の遷移金属触媒がパラジウム
−炭素触媒あるいは白金−炭素触媒である上記(11)
記載の5−ニトロインドール誘導体の製造方法。 (13)一般式(II)で示されるニトロインドリン誘導
体がN−アセチル−5−ニトロインドリンである上記
(11)記載の5−ニトロインドール誘導体の製造方
法。に関する。
【0015】本願発明は以下の検討に基づき完成した。
芳香族化合物の求電子置換反応の配向性については芳香
族に置換したN原子の電子密度によって配向性が異なる
という分子軌道計算結果を行った報告がある(H.E.
Johnson,D.G.Crosby,J.Org.
Chem.,Vol.28,p2794〜2797(1
963))。この報告のようにAM1法による分子軌道
計算を行ったところ以下の結果が得られた。
【0016】
【表1】 則ち、インドリンのアミノ基がプロトン化された場合は
6位へ、プロトン化されない場合は5位へのニトロ化が
起こり易いという結果が得られた。一方、アミノ基をア
セチル基、メタンスルホニル基等で保護した場合も同様
な計算結果が得られた。この計算結果からインドリンの
アミノ基をアセチル基、メタンスルホニル基等で保護
し、かつ、プロトン化されにくいと考えられる酸強度の
弱い条件でニトロ化を行えば、ニトロ化反応が高位置選
択的に進行し、高収率で5−ニトロインドリン誘導体が
得られると考えた。
【0017】実際に、N−アセチルインドリンのニトロ
化反応をプロトン化が起こりにくいと思われる酢酸溶媒
中、60%硝酸をニトロ化剤として行ったところ、反応
収率95%でN−アセチル−5−ニトロインドリンが得
られた。この時、選択率は99%以上で位置異性体はほ
とんど副生しなかった。一方、硫酸を溶媒とした場合に
は5―ニトロインドリン誘導体が優先的に得られたもの
の位置選択率は60%と低く、2種の位置異性体も確認
された。
【0018】一方、用いる硫酸、あるいは硝酸の濃度を
低下させることで酸強度が低下してアミノ基のプロトン
化が抑えられ、位置選択性が向上すると考えた。実際に
硫酸濃度を50%まで低下させた場合、5−ニトロイン
ドリン誘導体が位置選択率96%で得られた。また、9
6%硫酸中での反応においても30%硝酸を用いた場合
も5−ニトロインドリン誘導体が位置選択率92%で得
られた。このようにニトロ化においてNのプロトン化を
抑制するように酸強度を調整すれば高位置選択的にNを
保護したインドリンの5−ニトロ化が進行することがわ
かった。
【0019】次に、公知の方法である、アルカリ水溶液
中、ラネーニッケル触媒を用いる脱水素、還元、脱保護
を行い、5−アミノインドールを得た。この反応におい
てはラネーニッケルを用いるが、ラネーニッケル中のア
ルミニウム含量が10wt%よりも多い場合、5−アミ
ノインドールの収率は大きく低下した。これは反応がア
ルカリ溶液中であるため、ラネー触媒の展開が起こりア
ルミナ等が副生してこれらが反応を阻害して収率の低下
をもたらしたと考えられる。実際に、ラネーニッケルを
展開してAl含量を10wt%以下にした場合、収率が
従来60〜70%のものが90%以上まで向上すること
がわかった。一方、公知の方法である、酸性条件下での
脱保護、ならびにパラジウム−炭素触媒を用いる脱水素
反応を経て5−ニトロインドール誘導体が効率よく得ら
れた。以上のようにアミノインドール類およびニトロイ
ンドール類を効率よく製造することを見出し、本発明を
完成した。
【0020】本発明を以下に具体的に説明する。一般式
(I)および(II)においてR1で表されるC=Oまた
はS=Oの構造を有するアミノ基の保護基としてはC=
OまたはS=Oの構造を有するものであれば特に制限は
なく、例えばアシル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基が挙げられる。前記アシル基としては、
例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチ
リル基、イソブチリル基、バレリル基、アクリロイル基
が挙げられる。前記アルキルスルホニル基としては、例
えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパ
ンスルホニル基、ブタンスルホニル基、イソブタンスル
ホニル基、ペンタンスルホニル基、イソペンタンスルホ
ニル基等の炭素数1〜5の脂肪族アルキルスルホニル基
が挙げられる。前記アリールスルホニル基としては、例
えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基、o,p−キシレンスルホニル基、1−ナフチルスル
ホニル基等が挙げられる。
【0021】一般式(I)〜(V)で示される化合物にお
いてR2、R3で表されるアルキル基としては炭素数1〜
5のもので例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基等が挙げられる。
【0022】一般式(I)で示されるインドリン誘導体
は既存の方法でインドール類から容易に合成可能であ
る。例えば(i)ラネーニッケル触媒存在下、水素雰囲
気下でインドールを水添しインドリンを得る。(ii)得
られたインドリンを塩基触媒存在下で酸ハロゲン化物R
1X(ここでXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の
ハロゲン原子)と反応させるあるいは酸無水物R1 2Oと
反応させることよりインドリン誘導体とすることで得ら
れる(化19)。
【0023】
【化19】 インドリン誘導体(I)からニトロインドリン誘導体(I
I)の製造で使用するニトロ化剤としては、濃度30〜
90%の硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マ
グネシウム、硝酸カルシウム、硝酸コバルト、硝酸銅、
硝酸銀などが挙げられる。これらのニトロ化剤は単独で
用いてもよいし、組み合わせてもよい。ニトロ化剤の使
用量は一般式(I)で示される基質に対し0.1〜10
モル倍、好ましくは0.5〜5モル倍、更に好ましくは
0.8〜3モル倍である。
【0024】ニトロ化反応において用いる溶媒は硫酸、
塩酸、リン酸などの鉱酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸な
どの有機酸などが挙げられる。これらの溶媒を単独また
は混合して用いることができ、水で希釈したものを用い
ても構わない。なお、高位置選択性が発現するには濃度
30〜90%の硝酸、濃度50%〜98%の硫酸の組み
合わせ、あるいは濃度30%〜80%の硝酸、濃度90
%以上の有機酸の組み合わせが好ましく用いられる。
【0025】該反応における反応温度は−50〜100
℃、好ましくは−30〜70℃、さらに好ましくは0〜
50℃、反応時間は0.01〜10時間、好ましくは
0.05〜5時間、さらに好ましくは0.1〜3時間で
ある。反応後は反応液を冷水あるいは氷水で希釈するこ
とにより対応するニトロ化合物が析出する。これをろ別
することで粗ニトロ化合物を単離することができる。
【0026】次に溶媒に溶解、晶析させることで高純度
のニトロ化合物を得ることができる。用いる溶媒として
は例えば塩化メチレン、クロロホルムに代表されるハロ
ゲン化炭化水素、エタノール、イソプロピルアルコール
に代表されるアルコール類、ベンゼン、トルエンに代表
される芳香族化合物、酢酸エチルに代表されるエステル
類などの不活性な有機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を
単独または混合して用いることができる。晶析した後に
得られた結晶をろ別、乾燥することで高純度のニトロ化
合物が得られる。
【0027】次に得られたニトロ化合物をラネーニッケ
ル等の遷移金属化合物存在下で脱水素、還元、脱保護す
ることで対応するアミノインドールを得ることができ
る。この時用いる遷移金属類としてはラネーニッケル、
ラネー銅、パラジウム炭素触媒、ニッケル炭素触媒、白
金炭素触媒などが挙げられる。なお、用いるラネー触媒
のアルミニウム含量は0〜50%、好ましくは0〜10
%が望ましい。
【0028】溶媒は用いなくても構わないが、溶媒存在
下で反応は円滑に進行する。用いる溶媒としては塩基性
水溶液であり、用いる塩基としては水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸三ナトリウ
ム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン
酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二
カリウム等の無機塩基の水溶液で濃度が0.1〜30%
の範囲にあるものが好ましく用いられる。
【0029】本反応は通常窒素あるいはアルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で行い、反応温度は0〜200℃、好
ましくは50〜150℃で行う。反応時間は反応条件に
より異なるが通常、0.01〜10時間、好ましくは
0.1〜3時間行う。反応後、触媒をろ別して得られた
ろ液を冷却することでアミノインドールが析出する。結
晶をろ過して乾燥させることで粗生成物を得ることがで
きる。
【0030】次に溶媒を用いて晶析させることで高純度
のアミノインドールを得ることができる。用いる溶媒と
しては特に限定しないが水、あるいはメタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が
挙げられ、これらを混合して用いても構わない。一方、
先に得られたニトロインドリン誘導体を公知の方法であ
るパラジウム−炭素触媒、白金−炭素触媒等の遷移金属
触媒を用いて脱水素を行うことで効率よくニトロインド
ール誘導体が得られる。以下に実施例を示すが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
【実施例】(実施例1) (ニトロ化)50ml三ツ口フラスコにN−アセチルイ
ンドリン1.61g(10mmol)、酢酸5mlを入
れ窒素雰囲気にした後、60%硝酸を1.1ml(11
mmol)添加した。反応液を50℃に昇温して2時間
撹拌した。反応液を50mlの氷水に注ぎ、氷冷下に冷
却した後に析出した結晶をろ別した。水20mlで洗浄
し、乾燥して粗生成物を1.96g得た(収率95
%)。 (アミノインドール化)50ml三ツ口フラスコにN−
アセチル−5−ニトロインドリン1.03g(5mmo
l)、ラネーニッケル(日揮化学製N152Di:Ni
含量94.1wt%、Al含量5.9wt%)2.06
g、10%水酸化ナトリウム水溶液15mlを入れ窒素
雰囲気にした後、反応液を45分間還流させた。反応
後、液温を80℃以上に保持したままラネーニッケルを
ろ別した。ろ液を氷冷して結晶を析出させた後に結晶を
ろ過した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析し
たところ、反応収率94%で5−アミノインドールが得
られた。次に水5mlに100℃で溶解させて溶液を氷
冷下まで冷却した。得られた結晶をろ過、乾燥させて5
−アミノインドールを525mg得た(収率80%、通
算収率76%)。
【0032】(比較例1)実施例1で酢酸を硫酸に代
え、氷冷下で反応を行ったところ、 5− ニトロ−N−
アセチルインドリンが1.22g(収率60%)、6−
ニトロ−N−アセチルインドリン、7−ニトロ−N−ア
セチルインドリンが合わせて0.61g得られた。
【0033】(実施例2〜4)実施例1において酢酸を
硫酸に代え、硫酸および硝酸濃度を変えて行った結果を
表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】(実施例5)実施例1(アミノインドール
化)において用いるNi、Al含量の異なるラネーニッ
ケル(Ni含量 64.1wt%、Al含量 35.8
wt%)を用いて反応を行ったところ、反応収率64%
で5−アミノインドールが得られた。
【0036】(実施例6〜7)実施例1(アミノインド
ール化)においてラネーニッケルの添加量を変えて反応
を行った結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例8)50ml三ツ口フラスコにN
−アセチル−5−ニトロインドリン1.03g(5mm
ol)、トルエン15mlを入れ窒素雰囲気にした後、
パラジウム−炭素触媒125mgを加え反応液を12時
間還流させた。反応後、パラジウム−炭素触媒をろ過
し、ろ液を留去してN−アセチル−5−ニトロインドー
ルを0.92g得た(反応収率90%)。得られた結晶
をイソプロピルアルコール5mlから再結晶させて5−
ニトロインドールを0.65g得た(収率64%)。
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法により、インドリン誘
導体から5−ニトロインドール類及び5−アミノインド
ール類を高収率で製造することができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)(化1): 【化1】 (式中、R1はC=OまたはS=Oの構造を有するアミ
    ノ基の保護基を表し、R2、およびR3はそれぞれ独立に
    水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で
    示されるインドリン誘導体をニトロ化能力のある試剤と
    反応させて得られる一般式(II)(化2): 【化2】 (式中、 R1、R2、R3は前記と同義である。)で示さ
    れる5−ニトロインドリン誘導体を中間体として経由す
    ることを特徴とする一般式(III)(化3): 【化3】 (式中、R2およびR3は前記と同義であり、R4はアミ
    ノ基あるいはニトロ基を表す。)で示される5−置換イ
    ンドール誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)(化4): 【化4】 (式中、R1はC=OまたはS=Oの構造を有するアミ
    ノ基の保護基を表し、R2、R3はそれぞれ独立に水素原
    子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で示され
    るインドリン誘導体をインドリン誘導体中のN原子のプ
    ロトン化を抑制し得る条件下でニトロ化剤と反応させる
    ことを特徴とする一般式(II)(化5): 【化5】 (式中、 R1、R2およびR3は前記と同義である。)で
    示される5−ニトロインドリン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 インドリン誘導体中のN原子のプロトン
    化を抑えうる条件として濃度30〜90%硝酸および濃
    度50%〜98%硫酸の組み合わせ、または濃度30%
    〜80%硝酸および濃度90%以上の有機酸の組み合せ
    を用いることを特徴とする請求項2記載の5−ニトロイ
    ンドリン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機酸が酢酸である請求項3記載の5−
    ニトロインドリン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)においてR1で表されるC=
    OまたはS=Oの構造を有するアミノ基の保護基がアシ
    ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基の
    うちの一種である請求項2記載の5−ニトロインドリン
    誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(I)で示されるインドリン誘導
    体がN−アセチルインドリンである請求項2記載のN−
    アセチル−5−ニトロインドリンの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1の記載の製造方法に従って得ら
    れる一般式(II)(化6): 【化6】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)で
    示されるニトロインドリン誘導体を遷移金属触媒存在
    下、塩基性水溶液中で反応させることを特徴とする5−
    アミノインドール誘導体(IV)(化7) 【化7】 (式中、R2およびR3は前記と同義である。)の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 遷移金属触媒がラネーニッケルまたはラ
    ネー銅のラネー触媒である請求項7記載の5−アミノイ
    ンドール誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 ラネー触媒においてアルミニウム含量が
    10wt%以下である請求項8記載の5−アミノインド
    ール誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 一般式(II)で示されるニトロインド
    リン誘導体がN−アセチル−5−ニトロインドリンであ
    る請求項7記載の5−アミノインドール誘導体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1の記載の製造方法に従って得
    られる一般式(II)(化8): 【化8】 (式中、R1、R2および R3は前記と同義である。)で
    示されるニトロインドリン誘導体を遷移金属触媒存在下
    で反応させることを特徴とする5−ニトロインドール誘
    導体(V)(化9) 【化9】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 遷移金属触媒がパラジウム−炭素触媒
    あるいは白金−炭素触媒である請求項11記載の5−ニ
    トロインドール誘導体の製造方法。
  13. 【請求項13】 一般式(II)で示されるニトロインド
    リン誘導体がN−アセチル−5−ニトロインドリンであ
    る請求項11記載の5−ニトロインドール誘導体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009145320A1 (ja) * 2008-05-30 2009-12-03 東ソー株式会社 ヒドロキシアルキルトリエチレンジアミン類の製造方法、及びそれを用いたポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物

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WO2009145320A1 (ja) * 2008-05-30 2009-12-03 東ソー株式会社 ヒドロキシアルキルトリエチレンジアミン類の製造方法、及びそれを用いたポリウレタン樹脂製造用の触媒組成物

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