JP2708582B2 - 酢酸p―アミノフェニルの製造法 - Google Patents
酢酸p―アミノフェニルの製造法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は農医薬・染料等の有機合成化学の分野におい
て、その利用価値の高い酢酸p−アミノフェニルの新規
な製造法に関する。
て、その利用価値の高い酢酸p−アミノフェニルの新規
な製造法に関する。
さらに詳しくは、酢酸p−ニトロフェニルを原料とす
る接触還元による酢酸p−アミノフェニルの製造法を提
供するものである。
る接触還元による酢酸p−アミノフェニルの製造法を提
供するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 酢酸p−アミノフェニルは、液晶化合物製造時の中間
体として利用価値の高い化合物であることが知られてい
る。(米国特許,第3,769,327号) また現在、風邪薬として世界中で広く使用されている
アセトアミノフェン製造時の中間体としても利用可能な
化合物である。しかしながら従来酢酸p−アミノフェニ
ルの製造法に関してはその例は少なく、以下に示す方法
が知られているに過ぎない。
体として利用価値の高い化合物であることが知られてい
る。(米国特許,第3,769,327号) また現在、風邪薬として世界中で広く使用されている
アセトアミノフェン製造時の中間体としても利用可能な
化合物である。しかしながら従来酢酸p−アミノフェニ
ルの製造法に関してはその例は少なく、以下に示す方法
が知られているに過ぎない。
即ち、原料としてはp−アミノフェノールまたは酢酸
p−ニトロフェニルであり、p−アミノフェノールを原
料とするp−アミノフェノールにベンズアルデヒドを反
応させてN−ベンジリデン−p−アミノフェノールと
し、次いでアルカリ水溶液中、無水酢酸を作用させてN
−ベンジリデン−O−アセチル−p−アミノフェノール
を得、さらに硫酸で処理して酢酸p−アミノフェニルと
する方法〔Galatis,Ber.,59,849(1926)〕である。こ
の方法は収率面では比較的好収率であるが、工程が長
く、繁雑な方法と言わざるを得ない。
p−ニトロフェニルであり、p−アミノフェノールを原
料とするp−アミノフェノールにベンズアルデヒドを反
応させてN−ベンジリデン−p−アミノフェノールと
し、次いでアルカリ水溶液中、無水酢酸を作用させてN
−ベンジリデン−O−アセチル−p−アミノフェノール
を得、さらに硫酸で処理して酢酸p−アミノフェニルと
する方法〔Galatis,Ber.,59,849(1926)〕である。こ
の方法は収率面では比較的好収率であるが、工程が長
く、繁雑な方法と言わざるを得ない。
また、酢酸p−ニトロフェニルからの還元による製法
としては、 (1)ベンゼン/水系での鉄粉還元法。〔S.E.Hazlet,
J.Am.Chem.Soc.,66,1781(1944)〕 (2)酢酸エチルとイソブタノールの混合溶媒中、還元
材として水素化ホウ素ナトリウム/塩化第二スズを使用
する方法。〔T.Satoh et al,Chem.Pharm.Bull.,29,1443
(1981)〕 (3)希硫酸中電解還元による方法。〔Compt.Rend.,25
8,3046(1964)〕 が知られているが、(1)の方法は収率が10%以下と極
めて低く、また(2)の方法は収率面では高収率ではあ
るが、高価な還元剤を使用しなければならず、さらには
大過剰の塩化第二スズを使用することから、反応後の後
処理が繁雑であり、その為、工業的製法とは成り得な
い。(3)の電解還元法にしても工業的には設備費が嵩
み、現実的な方法とは言い難い。
としては、 (1)ベンゼン/水系での鉄粉還元法。〔S.E.Hazlet,
J.Am.Chem.Soc.,66,1781(1944)〕 (2)酢酸エチルとイソブタノールの混合溶媒中、還元
材として水素化ホウ素ナトリウム/塩化第二スズを使用
する方法。〔T.Satoh et al,Chem.Pharm.Bull.,29,1443
(1981)〕 (3)希硫酸中電解還元による方法。〔Compt.Rend.,25
8,3046(1964)〕 が知られているが、(1)の方法は収率が10%以下と極
めて低く、また(2)の方法は収率面では高収率ではあ
るが、高価な還元剤を使用しなければならず、さらには
大過剰の塩化第二スズを使用することから、反応後の後
処理が繁雑であり、その為、工業的製法とは成り得な
い。(3)の電解還元法にしても工業的には設備費が嵩
み、現実的な方法とは言い難い。
このように、公知の製造法は、反応工程面、収率面、
副原料の面、さらには設備費の面等において工業的に満
足できる方法ではないのが現状である。
副原料の面、さらには設備費の面等において工業的に満
足できる方法ではないのが現状である。
本発明の第一の課題は酢酸p−アミノフェニルの工業
的製造法を提供することにある。また第二の課題は酢酸
p−ニトロフェニルを原料とする接触還元による酢酸p
−アミノフェニルの製造法を提供することにある。
的製造法を提供することにある。また第二の課題は酢酸
p−ニトロフェニルを原料とする接触還元による酢酸p
−アミノフェニルの製造法を提供することにある。
本発明の原料である酢酸p−ニトロフェニルはその構
造からも明らかなように活性エステルの一種であり、そ
れ故このもの自身、アミノ化合物と反応してp−ニトロ
フェノールと酢酸アミド類を生成する傾向にあることは
よく知られているところである。
造からも明らかなように活性エステルの一種であり、そ
れ故このもの自身、アミノ化合物と反応してp−ニトロ
フェノールと酢酸アミド類を生成する傾向にあることは
よく知られているところである。
例えば、本発明者らの検討に基づけば、等モル量の酢
酸p−ニトロフェニルとアニリンをベンゼンに溶解し
て、その反応性を調べたところ、60〜70℃、2時間の条
件で、20〜30%のアセトアニリドが生ずることがわかっ
た。このことは酢酸p−ニトロフェニルを酢酸p−アミ
ノフェニルに変換するに際し、中性条件下に還元反応を
行うと、生成した酢酸p−アミノフェニルが原料の酢酸
p−ニトロフェニルと反応して、結果的に目的の酢酸p
−アミノフェニルの他にN,O−ジアセチル−p−アミノ
フェノールならびにp−アミノフェノールなどの副生物
が生じることを示唆する。
酸p−ニトロフェニルとアニリンをベンゼンに溶解し
て、その反応性を調べたところ、60〜70℃、2時間の条
件で、20〜30%のアセトアニリドが生ずることがわかっ
た。このことは酢酸p−ニトロフェニルを酢酸p−アミ
ノフェニルに変換するに際し、中性条件下に還元反応を
行うと、生成した酢酸p−アミノフェニルが原料の酢酸
p−ニトロフェニルと反応して、結果的に目的の酢酸p
−アミノフェニルの他にN,O−ジアセチル−p−アミノ
フェノールならびにp−アミノフェノールなどの副生物
が生じることを示唆する。
前記先行技術の中で、鉄粉還元法での収率が極端に低
いのは、この理由によると考えられる。
いのは、この理由によると考えられる。
ところでニトロ基の還元法として接触還元法は一般的
に良く利用される方法である。とりわけ最近では産業廃
棄物の低減ならびに工程の簡便さから、パラジウムや白
金などの貴金属触媒を用いた触媒還元法が広く利用され
るようになってきたが、酢酸p−ニトロフェニルの還元
法としてこの貴金属触媒による触媒還元法はこれまで全
く知られていない。
に良く利用される方法である。とりわけ最近では産業廃
棄物の低減ならびに工程の簡便さから、パラジウムや白
金などの貴金属触媒を用いた触媒還元法が広く利用され
るようになってきたが、酢酸p−ニトロフェニルの還元
法としてこの貴金属触媒による触媒還元法はこれまで全
く知られていない。
本発明者らは酢酸p−アミノフェニルの工業的製法と
して酢酸p−ニトロフェニルの触媒還元法について鋭意
検討したところ、例えば触媒としてパラジウム炭素を使
用して接触還元を行うと、比較的高い温度御条件下で
は、N,O−ジアセチル−p−アミノフェノールならびに
p−アミノフェノールの副生を伴い、目的の酢酸p−ア
ミノフェニルの収率が低下すること、そして反応混合物
からの目的物の単離も繁雑化することがわかった。
して酢酸p−ニトロフェニルの触媒還元法について鋭意
検討したところ、例えば触媒としてパラジウム炭素を使
用して接触還元を行うと、比較的高い温度御条件下で
は、N,O−ジアセチル−p−アミノフェノールならびに
p−アミノフェノールの副生を伴い、目的の酢酸p−ア
ミノフェニルの収率が低下すること、そして反応混合物
からの目的物の単離も繁雑化することがわかった。
さらに種々反応条件を検討の結果、反応温度が50℃以
下の条件であれば酢酸p−ニトロフェニルと還元により
生成した酢酸p−アミノフェニルの反応が極力抑制でき
るだけでなく、エステル部の還元等の副反応も誘起する
ことなく、ほぼ選択的に酢酸p−アミノフェニルが生成
することがわかった。
下の条件であれば酢酸p−ニトロフェニルと還元により
生成した酢酸p−アミノフェニルの反応が極力抑制でき
るだけでなく、エステル部の還元等の副反応も誘起する
ことなく、ほぼ選択的に酢酸p−アミノフェニルが生成
することがわかった。
本発明はこの知見に基づいて成されたものである。
即ち、本発明は酢酸p−ニトロフェニルを還元触媒の
存在下、50℃以下の温度条件下に触媒還元することを特
徴とする酢酸p−アミノフェニルの製造法である。
存在下、50℃以下の温度条件下に触媒還元することを特
徴とする酢酸p−アミノフェニルの製造法である。
本発明においては原料として酢酸p−ニトロフェニル
を使用する。このものはp−ニトロフェノールと無水酢
酸とから容易に製造できる化合物である。
を使用する。このものはp−ニトロフェノールと無水酢
酸とから容易に製造できる化合物である。
本発明において酢酸p−ニトロフェニルの触媒還元反
応は、通常有機溶媒中で実施される。使用される有機溶
媒は原料および生成物に対して不活性で、且つ還元反応
に対しても不活性なものであれば特に制限されるもので
はない。
応は、通常有機溶媒中で実施される。使用される有機溶
媒は原料および生成物に対して不活性で、且つ還元反応
に対しても不活性なものであれば特に制限されるもので
はない。
具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、sec−ブタノール、n−ブタ
ノール、イソブタノール、tert−ブタノール、メチルセ
ロソルブまたはセロソルブなどのアルコール系溶媒、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼンなどの脂
肪族または芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、ジクロ
ロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはトリクロロベン
ゼンなどの脂肪族または芳香族ハロゲン化炭化水素系溶
媒、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンまたはエチレングリコールジエチルエーテルな
どのエーテル系溶媒、酢酸またはプロピオン酸などのカ
ルボン酸系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチルなどのエ
ステル系溶媒、エチレングリコールまたはトリエチレン
グリコールなどのグリコール系溶媒、あるいはN,N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチルイミダゾリジ
ノン、N,N′−ジメチルプロピレンウレア、ピリジン、
ピコリン、ジメチルスルホキシド、スルホランまたは燐
酸トリブチルなどを挙げることができる。
ール、イソプロパノール、sec−ブタノール、n−ブタ
ノール、イソブタノール、tert−ブタノール、メチルセ
ロソルブまたはセロソルブなどのアルコール系溶媒、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼンなどの脂
肪族または芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、ジクロ
ロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはトリクロロベン
ゼンなどの脂肪族または芳香族ハロゲン化炭化水素系溶
媒、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンまたはエチレングリコールジエチルエーテルな
どのエーテル系溶媒、酢酸またはプロピオン酸などのカ
ルボン酸系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチルなどのエ
ステル系溶媒、エチレングリコールまたはトリエチレン
グリコールなどのグリコール系溶媒、あるいはN,N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチルイミダゾリジ
ノン、N,N′−ジメチルプロピレンウレア、ピリジン、
ピコリン、ジメチルスルホキシド、スルホランまたは燐
酸トリブチルなどを挙げることができる。
勿論、ここに挙げた溶媒は一例であって、本発明に使
用できる溶媒がこれらに限定されるものではないことは
明らかである。
用できる溶媒がこれらに限定されるものではないことは
明らかである。
これらの溶媒の中でもとりわけアルコール系溶媒なら
びに炭化水素系溶媒が本発明には適した溶媒である。
びに炭化水素系溶媒が本発明には適した溶媒である。
上記の有機溶媒は通常は単独で用いられるが、2種類
以上の溶媒を併用することも可能である。
以上の溶媒を併用することも可能である。
また、本発明の目的を損ねない範囲で水の共存も可能
である。
である。
有機溶媒の使用量には特に制限はないが、反応操作の
面ならびに容積効率の点から、通常は原料の酢酸p−ニ
トロフェニルに対して0.5〜20重量倍の範囲で使用され
る。
面ならびに容積効率の点から、通常は原料の酢酸p−ニ
トロフェニルに対して0.5〜20重量倍の範囲で使用され
る。
本発明における酢酸p−ニトロフェニルの接触還元反
応は、還元触媒の存在下に実施される。還元触媒として
は通常の接触還元半納に使用される種々の触媒を用いる
ことができるが、とりわけ周期律表の第8族即ち、鉄、
コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウムまたは白金の金属触媒が使
用される。より好適にはパラジウムまたは白金の貴金属
触媒が多用される。
応は、還元触媒の存在下に実施される。還元触媒として
は通常の接触還元半納に使用される種々の触媒を用いる
ことができるが、とりわけ周期律表の第8族即ち、鉄、
コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウムまたは白金の金属触媒が使
用される。より好適にはパラジウムまたは白金の貴金属
触媒が多用される。
還元触媒の形態としては有機溶媒に溶解する均一系触
媒、或いは触媒が有機溶媒に実質的に溶解せず、懸濁状
態を形成する不均一系触媒のいずれの形態の触媒も使用
できる。具体的には塩化パラジウム、酢酸パラジウム、
塩化白金、酢酸白金またはこれらとピリジンやトリフェ
ニルホスフィン等の錯体などで代表される均一系触媒、
或いはコロイドパラジウム、酸化白金またはパラジウム
や白金を活性炭、硫酸バリウム、アルミナ、またはシリ
カ等の種々の無機物質の担体に担持させた不均一系触媒
を挙げることができる。
媒、或いは触媒が有機溶媒に実質的に溶解せず、懸濁状
態を形成する不均一系触媒のいずれの形態の触媒も使用
できる。具体的には塩化パラジウム、酢酸パラジウム、
塩化白金、酢酸白金またはこれらとピリジンやトリフェ
ニルホスフィン等の錯体などで代表される均一系触媒、
或いはコロイドパラジウム、酸化白金またはパラジウム
や白金を活性炭、硫酸バリウム、アルミナ、またはシリ
カ等の種々の無機物質の担体に担持させた不均一系触媒
を挙げることができる。
金属を担体に担持させて使用する場合、金属の含量に
は特に制限はないが通常は、金属を1〜10重量%の範囲
で担持させた触媒が専ら使用される。
は特に制限はないが通常は、金属を1〜10重量%の範囲
で担持させた触媒が専ら使用される。
また触媒は通常単独で使用されるが2種以上の触媒を
併用することも可能である。
併用することも可能である。
金属触媒の使用量は少なすぎると、還元反応の進行が
著しく緩慢となり実際的はなく、またあまり過剰に使用
することは、経済的には好ましくない。そのために通常
は原料の酢酸p−ニトロフェニルに対して0.1〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%の範囲で使用するのがよ
い。
著しく緩慢となり実際的はなく、またあまり過剰に使用
することは、経済的には好ましくない。そのために通常
は原料の酢酸p−ニトロフェニルに対して0.1〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%の範囲で使用するのがよ
い。
本発明の酢酸p−ニトロフェニルの接触還元反応は反
応温度を50℃以下の温度にすることにより、還元反応に
より生成した酢酸p−アミノフェニルと原料との二次的
反応が抑制されて、その結果、ほぼ選択的に酢酸p−ア
ミノフェニルに変換することができるものである。反応
温度を50℃よりも高い温度とした場合には副生物として
p−アミノフェノールならびにN,O−ジアセチル−p−
アミノフェノールが生成し易くなり、その為、目的の酢
酸p−アミノフェニルの収率が顕著に低下する。反応温
度の下限については、反応速度の観点から0℃以上、よ
り好ましくは10℃以上がよい。
応温度を50℃以下の温度にすることにより、還元反応に
より生成した酢酸p−アミノフェニルと原料との二次的
反応が抑制されて、その結果、ほぼ選択的に酢酸p−ア
ミノフェニルに変換することができるものである。反応
温度を50℃よりも高い温度とした場合には副生物として
p−アミノフェノールならびにN,O−ジアセチル−p−
アミノフェノールが生成し易くなり、その為、目的の酢
酸p−アミノフェニルの収率が顕著に低下する。反応温
度の下限については、反応速度の観点から0℃以上、よ
り好ましくは10℃以上がよい。
本発明の具体的実施態様を以下に述べる。
まず、原料の酢酸p−ニトロフェニルを所定の有機溶
媒に溶解または懸濁させる。次いで、反応系を窒素等の
不活性ガスにて置換し、所定量の貴金属触媒を装入す
る。次に反応系を再び不活性ガスにて充分に置換してか
ら、水素を導入して所定の温度で接触還元反応を行う。
還元反応時の圧力は常圧あるいは加圧、いずれでも良
い。加圧下で接触還元反応を行う場合には50気圧以下、
好ましくは30気圧以下が副反応を抑制する上で良い。
媒に溶解または懸濁させる。次いで、反応系を窒素等の
不活性ガスにて置換し、所定量の貴金属触媒を装入す
る。次に反応系を再び不活性ガスにて充分に置換してか
ら、水素を導入して所定の温度で接触還元反応を行う。
還元反応時の圧力は常圧あるいは加圧、いずれでも良
い。加圧下で接触還元反応を行う場合には50気圧以下、
好ましくは30気圧以下が副反応を抑制する上で良い。
還元反応時間は触媒の量、反応温度あるいは撹拌の効
率等によって種々変わるが、通常は20時間以内にて終了
する。
率等によって種々変わるが、通常は20時間以内にて終了
する。
前記のようにして本発明の方法では、およそ90%以上
の収率で酢酸p−アミノフェニルが生成する。
の収率で酢酸p−アミノフェニルが生成する。
本発明の触媒還元反応で生成した酢酸p−アミノフェ
ニルは以下のようにして単離することができる。
ニルは以下のようにして単離することができる。
即ち、還元触媒として不均一触媒を使用した場合に
は、反応後反応系を窒素等の不活性ガスにて置換した
後、触媒を濾過操作にて分離し、得られた母液を濃縮し
て溶媒を留去することによって、酢酸p−アミノフェニ
ルを得ることができ、また、必要に応じて、再結晶また
は減圧蒸留等の精製手段を用いて精製すれば良い。
は、反応後反応系を窒素等の不活性ガスにて置換した
後、触媒を濾過操作にて分離し、得られた母液を濃縮し
て溶媒を留去することによって、酢酸p−アミノフェニ
ルを得ることができ、また、必要に応じて、再結晶また
は減圧蒸留等の精製手段を用いて精製すれば良い。
還元触媒として均一触媒を使用した場合には、反応後
反応系を窒素等の不活性ガスにて置換した後、溶媒を減
圧蒸留等の手段にて留去したのち、残渣を適当な溶媒に
てスラッジング、或いは再結晶または蒸留等の手段を用
いて精製すれば良い。
反応系を窒素等の不活性ガスにて置換した後、溶媒を減
圧蒸留等の手段にて留去したのち、残渣を適当な溶媒に
てスラッジング、或いは再結晶または蒸留等の手段を用
いて精製すれば良い。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、実施例中の高速液体クロマトグラフィーでの分
析は下記条件によった。
析は下記条件によった。
<高速液体クロマトグラフィーの条件> カラム: YMC Pack A−314(ODS) 6mmφ×25cm(山村科学研究所製) 移動相: 0.05mol KH2PO4aq/メタノール =6/4(体積比)pH=5.5 流 量: 0.4ml/min. 検出器: 紫外分光光度計 波長=245nm 実施例1 1の四ツ口フラスコに酢酸p−ニトロフェニル36.4
g(0.2モル)およびイソプロパノール500mlを装入し
た。系内を窒素置換したのち5%パラジウム炭素(50重
量%品)1.46gを装入した。
g(0.2モル)およびイソプロパノール500mlを装入し
た。系内を窒素置換したのち5%パラジウム炭素(50重
量%品)1.46gを装入した。
系内を再び窒素で十分に置換したのち、次に水素で置
換してから常圧下、20〜30℃にて還元反応を行った。3
時間でほぼ理論量の水素を吸収した。
換してから常圧下、20〜30℃にて還元反応を行った。3
時間でほぼ理論量の水素を吸収した。
反応後、系内を窒素で置換したのち触媒を濾別し、少
量のイソプロパノールで洗浄した。濾液と洗液を合して
高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、酢酸p−
ニトロフェニルの転化率は100%であり、また酢酸p−
アミノフェニルの生成率は98.8%(対酢酸p−ニトロフ
ェニル)であった。
量のイソプロパノールで洗浄した。濾液と洗液を合して
高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、酢酸p−
ニトロフェニルの転化率は100%であり、また酢酸p−
アミノフェニルの生成率は98.8%(対酢酸p−ニトロフ
ェニル)であった。
濾洗液は減圧下に溶媒を留去して残渣として酢酸p−
アミノフェニルの白色結晶を得た。収量30.4g、純度97.
0%、収率97.6(対酢酸p−ニトロフェニル)。
アミノフェニルの白色結晶を得た。収量30.4g、純度97.
0%、収率97.6(対酢酸p−ニトロフェニル)。
ここに得た粗結晶を石油エーテルから再結晶精製する
ことにより融点72〜73℃の酢酸p−アミノフェニルの精
製品23.5gを得た。
ことにより融点72〜73℃の酢酸p−アミノフェニルの精
製品23.5gを得た。
元素分析値(%) C H N 実測値 63.38 6.13 9.24 C8H9NO2としての計算値 63.54 6.00 9.27 実施例2 500mlの四ツ口フラスコに酢酸p−ニトロフェニル18.
2g(0.1モル)およびトルエン250mlを装入した。窒素置
換後、5%パラジウム炭素0.4gを装入し、再び系内を十
分に窒素置換、続いて水素で置換したのち、常圧下、40
〜50℃で還元反応を行った。3時間でほぼ理論量の水素
を吸収して反応を終了した。
2g(0.1モル)およびトルエン250mlを装入した。窒素置
換後、5%パラジウム炭素0.4gを装入し、再び系内を十
分に窒素置換、続いて水素で置換したのち、常圧下、40
〜50℃で還元反応を行った。3時間でほぼ理論量の水素
を吸収して反応を終了した。
反応後室温まで冷却し、系内を窒素で置換してから触
媒を濾別し、少量のトルエンで洗浄した。濾洗液を合し
て高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、酢酸p
−ニトロフェニルの転化率100%、酢酸p−アミノフェ
ニルの生成率95.6%(対酢酸p−ニトロフェニル)であ
った。また副生物としてp−アミノフェノールおよびN,
O−ジアセチル−p−アミノフェノールはそれぞれ1.8
%、1.6%(対酢酸p−ニトロフェニル)であった。
媒を濾別し、少量のトルエンで洗浄した。濾洗液を合し
て高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、酢酸p
−ニトロフェニルの転化率100%、酢酸p−アミノフェ
ニルの生成率95.6%(対酢酸p−ニトロフェニル)であ
った。また副生物としてp−アミノフェノールおよびN,
O−ジアセチル−p−アミノフェノールはそれぞれ1.8
%、1.6%(対酢酸p−ニトロフェニル)であった。
実施例3 300mlオートクレーブに酢酸p−ニトロフェニル18.2g
(0.1モル)、エタノール150mlならびに5%パラジウム
/酢酸バリウム0.2gを装入した。
(0.1モル)、エタノール150mlならびに5%パラジウム
/酢酸バリウム0.2gを装入した。
窒素置換つづいて水素置換したのち、20kg/cm2圧力
下、20〜30℃条件下で還元反応を行った。4時間でほぼ
理論量の水素を吸収した。反応系内を窒素で置換したの
ち触媒を濾別し、少量のエタノールで洗浄した。濾液と
洗液を合して高速液体クロマトグラフィーにて分析の結
果、酢酸p−ニトロフェニルの転化率は100%、酢酸p
−アミノフェニルの生成率97.6%(対酢酸p−ニトロフ
ェニル)であり、p−アミノフェノールおよびN,O−ジ
アセチル−p−アミノフェノールの副生は原料の酢酸p
−ニトロフェニルに対して1%以下であった。
下、20〜30℃条件下で還元反応を行った。4時間でほぼ
理論量の水素を吸収した。反応系内を窒素で置換したの
ち触媒を濾別し、少量のエタノールで洗浄した。濾液と
洗液を合して高速液体クロマトグラフィーにて分析の結
果、酢酸p−ニトロフェニルの転化率は100%、酢酸p
−アミノフェニルの生成率97.6%(対酢酸p−ニトロフ
ェニル)であり、p−アミノフェノールおよびN,O−ジ
アセチル−p−アミノフェノールの副生は原料の酢酸p
−ニトロフェニルに対して1%以下であった。
実施例4 実施例1において5%パラジウム炭素の代わりに5%
白金炭素1.0gを用いる以外は実施例1と同様に還元反応
を行った結果、酢酸p−アミノフェニルの生成率は97.6
%(対酢酸p−ニトロフェニル)であった。
白金炭素1.0gを用いる以外は実施例1と同様に還元反応
を行った結果、酢酸p−アミノフェニルの生成率は97.6
%(対酢酸p−ニトロフェニル)であった。
比較例1 実施例1において接触還元反応の温度を60〜70℃とす
る以外は実施例1と同様に行った。反応後の触媒を濾別
し濾洗液を高速液体クロマトグラフィーにて分析の結
果、酢酸p−アミノフェニルの生成率は82.4%(対酢酸
p−ニトロフェニル)であり、p−アミノフェノールな
らびにN,O−ジアセチル−p−アミノフェノールがそれ
ぞれ8.9%、8.7%(対酢酸p−ニトロフェニル)副生し
た。
る以外は実施例1と同様に行った。反応後の触媒を濾別
し濾洗液を高速液体クロマトグラフィーにて分析の結
果、酢酸p−アミノフェニルの生成率は82.4%(対酢酸
p−ニトロフェニル)であり、p−アミノフェノールな
らびにN,O−ジアセチル−p−アミノフェノールがそれ
ぞれ8.9%、8.7%(対酢酸p−ニトロフェニル)副生し
た。
酢酸p−ニトロフェニルの接触還元法での酢酸p−ア
ミノフェニルの製造法を提供する本発明の方法は、反応
操作が簡便であると同時に、高選択率且つ高収率に酢酸
p−アミノフェニルが製造できるのみならず、原料面で
もその製造が容易であり、それ故工業的には極めて価値
の高い方法である。
ミノフェニルの製造法を提供する本発明の方法は、反応
操作が簡便であると同時に、高選択率且つ高収率に酢酸
p−アミノフェニルが製造できるのみならず、原料面で
もその製造が容易であり、それ故工業的には極めて価値
の高い方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】酢酸p−ニトロフェニルを還元触媒の存在
下で、50℃以下の温度条件下に接触還元することを特徴
とする酢酸p−アミノフェニルの製造法。 - 【請求項2】還元触媒が周期律表第8族の金属触媒であ
る請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1313351A JP2708582B2 (ja) | 1989-12-04 | 1989-12-04 | 酢酸p―アミノフェニルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1313351A JP2708582B2 (ja) | 1989-12-04 | 1989-12-04 | 酢酸p―アミノフェニルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03176458A JPH03176458A (ja) | 1991-07-31 |
JP2708582B2 true JP2708582B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=18040208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1313351A Expired - Fee Related JP2708582B2 (ja) | 1989-12-04 | 1989-12-04 | 酢酸p―アミノフェニルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2708582B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0582929A1 (de) * | 1992-08-08 | 1994-02-16 | Hoechst Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von Aminophenylacetaten |
-
1989
- 1989-12-04 JP JP1313351A patent/JP2708582B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03176458A (ja) | 1991-07-31 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |