JP2001139543A - 高純度カロチンの結晶化法 - Google Patents

高純度カロチンの結晶化法

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JP2001139543A
JP2001139543A JP35782899A JP35782899A JP2001139543A JP 2001139543 A JP2001139543 A JP 2001139543A JP 35782899 A JP35782899 A JP 35782899A JP 35782899 A JP35782899 A JP 35782899A JP 2001139543 A JP2001139543 A JP 2001139543A
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Japan
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carotene
solvent
hexane
purity
containing substance
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Yoshiro Tanaka
嘉郎 田中
Takeshi Ichitani
剛 一谷
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高純度カロチン結晶の製造方法を提供する。 【解決手段】カロチン含有物を、ヘキサンと相溶性のあ
る溶媒中に分散させ、ついで、ろ過、洗浄した後、溶媒
を除去することによって高純度カロチンの結晶を得る。
溶媒は、ヘキサン、アセトン、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、
トリクロロトリフルオロエタンからなる選択される少な
くとも一以上であり、分散は常温〜60℃で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度カロチン結
晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カロチンは植物中や動物中に見出される
天然の色素で、食品、薬品、滋養物などに使用されてい
る。天然カロチンの主要な源は、野菜、くだもの、パー
ム油などの野菜油である。一般的に天然カロチン含有物
から高純度のカロチンを得るために、抽出からなる複雑
な工程、もしくは高温下での分子蒸留による濃縮などが
行われている。例えば、パーム油からの高純度カロチン
の回収方法として、パーム油をエステル交換によりメチ
ルエステルとし、メタノール、水を混合してカロチンを
回収する方法(特開昭61−115062号公報)、そ
の後、分子蒸留によってエステルを除去する方法(特開
昭63−295551号公報)、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィによって約90%まで濃縮する方法(特開
昭62−241970号公報)等がある。また、特開平
8−100131号公報ではカロチン含有物を蒸留によ
り濃縮しているが、蒸留に必要な高温条件下(約180
℃)では時間の経過と共にカロチンの分解が進行してし
まうという問題がある。さらに、一般的な再結晶化法と
しては、カロチン含有物をベンゼンに溶解させた後、メ
タノールを添加することで結晶を析出させる方法がある
が、この方法はカロチン含有物のカロチン濃度が約90
%以上必要であり、またカロチン以外のワックスや油等
の不純物も同時に析出するため、本発明のような低濃度
からの結晶化を行うことはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,低濃度カロ
チン含有物からカロチンの分解がなく、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィなどの複雑な工程を必要とせずに、
簡易な低温操作により高純度カロチン結晶を製造する方
法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究を行った結果、カロチン含有
物を、ヘキサンと相溶性のある溶媒中に分散させ、つい
で、ろ過、洗浄した後、溶媒を除去するという方法によ
り、従来の方法に比べて非常に簡易に高純度のカロチン
結晶を得ることができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は、カロチン含有物を、
ヘキサン、アセトン、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、トリクロ
ロトリフルオロエタンから選択される少なくとも一以上
の溶媒に分散させ、ついで、ろ過、洗浄した後、溶媒を
除去する高純度カロチンの結晶化法に関する。
【0006】また、本発明は、カロチン濃度が1〜99
%であるカロチン含有物をヘキサンと相溶性のある溶媒
に分散させ、ついで、ろ過、洗浄した後、溶媒を除去す
る高純度カロチンの結晶化法に関する。
【0007】さらに、本発明は、カロチンの溶媒への分
散を常温〜60℃で行ったカロチン含有物を、ヘキサン
と相溶性のある溶媒に分散させ、ついで、ろ過、洗浄し
た後、溶媒を除去する高純度カロチンの結晶化法に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、カロチン含有物
としては、特開昭61−115062号公報等に記載さ
れたパーム油からの抽出品、特開昭63−295551
号公報等に記載された抽出物の分子蒸留品、特開昭62
−241970号公報等に記載された分子蒸留品のクロ
マト分取品、あるいは特開平1−144952号公報等
に記載されたカロチン油懸濁液などが使用できる。
【0009】本発明のカロチン含有物は、カロチン濃度
が1〜99%、好ましくは5〜90%の範囲で分散させ
たものが好ましい。濃度が1%より低いとカロチンの回
収率が悪くなるためであり、濃度が99%より高いカロ
チン含有物では、そこに含まれるワックス等の不純物を
本結晶化法によって除去することができず純度が上がら
ないからである。
【0010】本発明のカロチン含有物を分散させる溶媒
としては、油の溶解度が高くカロチンの溶解度が極めて
低いことが要求されるため、ヘキサンと相溶性のある溶
媒を使用する。このような溶媒としては、ヘキサン、ア
セトン、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、トリクロロトリフルオ
ロエタンから選択される少なくとも一以上の溶媒を使用
するのが良い。より好ましい溶媒は、ヘキサンである。
溶媒使用量としては、体積比でカロチン1に対して1〜
300程度が好ましい。
【0011】カロチン含有物の溶媒への分散は、カロチ
ンの溶媒への分散を促進するとともに、カロチンの熱に
よる分解を防止するため、常温〜60℃、好ましくは常
温〜30℃で行うのが良い。
【0012】カロチン含有物を溶媒に分散させる方法と
しては、例えば、かい形やタービン形やプロペラ形の回
転羽根を用いた攪拌等があげられる。
【0013】本発明においては、カロチン含有物を十分
に溶媒に分散させた後、ついで、析出物をろ過、洗浄す
る。ろ過は、真空ろ過が好ましく、洗浄にはカロチンの
分散に用いた溶媒と同じものを使用するのが好ましい。
洗浄後のカロチン結晶は溶媒を含んでいるため、さらに
溶媒を除去することによって高純度のカロチン結晶を得
る。
【0014】溶媒の除去方法としては、真空乾操法が適
当である。また、溶媒除去操作は、カロチンの分解を防
止するために60℃以下、好ましくは30℃以下で行う
ことが望ましい。溶媒を除去することにより、高純度の
カロチン結晶が得ることができる。
【0015】
【発明の効果】この結晶化法は、上記操作以外に特に他
の操作を施さなくても、簡易な操作で高純度カロチンが
得られる点でメリットがある。また、本発明の方法で得
られる高純度のカロチン結晶は、トランス体が100%
で不純物が少ないという特徴を有するため、健康食品等
の用途に使用できる。
【0016】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】実施例1 ライオンオレオケミカル製パーム油カロチン30%植物
油懸濁液(販売元:ライオン(株)、商標:ハイアルフ
ァ)1.0kgを5リットルビーカーに入れ、n−ヘキ
サンを3.0リットル加えて室温で30分間分散させ
た。分散にはプロペラ型攪拌機を用いた。分散液中の析
出物をヌッチェを用いた真空ろ過によりろ別し、27
0.5gの赤褐色の結晶を得た。得られた結晶中のカロ
チン濃度を吸光度計により測定したところ、カロチン濃
度は50.2%であった。カロチン濃度は450nmに
おける吸光度から次の式により計算される。なお、分子
吸光係数の値は2450を用いて計算を行った。
【0018】次に得られた結晶を、約100ccのn−
ヘキサンをヌッチェ上にろ別されたろ滓に流して洗浄し
た後、50℃で2時間真空乾操を行い、その後真空下に
一晩置いた。その結果199.7gの淡赤褐色の結晶を
得た。得られた結晶中のカロチン濃度を再び吸光度計で
測定したところ、カロチン濃度は99.0%であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カロチン含有物を、ヘキサンと相溶性の
    ある溶媒中に分散させ、ついで、ろ過、洗浄した後、溶
    媒を除去することを特徴とする高純度カロチンの結晶化
    法。
  2. 【請求項2】 溶媒がヘキサン、アセトン、エタノー
    ル、イソプロピルアルコール、ジクロロエタン、トリク
    ロロエチレン、トリクロロトリフルオロエタンからなる
    選択される少なくとも一以上である請求項1記載の高純
    度カロチンの結晶化法
  3. 【請求項3】 カロチン含有物のカロチン濃度が1〜9
    9%であることを特徴とする請求項1又は2記載の高純
    度カロチンの結晶化法。
  4. 【請求項4】 分散を常温〜60℃で行うことを特徴と
    する請求項1から3いずれか1項に記載の高純度カロチ
    ンの結晶化法。
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