JP2002030068A - ルテイン脂肪酸エステルの精製方法 - Google Patents
ルテイン脂肪酸エステルの精製方法Info
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- JP2002030068A JP2002030068A JP2000218423A JP2000218423A JP2002030068A JP 2002030068 A JP2002030068 A JP 2002030068A JP 2000218423 A JP2000218423 A JP 2000218423A JP 2000218423 A JP2000218423 A JP 2000218423A JP 2002030068 A JP2002030068 A JP 2002030068A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】植物原料から得られるルテイン脂肪酸エステル
含有オレオレジンから簡便で且つ安定した品質の高純度
ルテイン脂肪酸エステル製品を精製する方法を開発する
ことを課題とする。 【解決手段】原料オレオレジンを温アセトンに溶解後冷
却し、アセトン不溶物を除去したアセトン可溶物を温プ
ロパノール及び/又は温ブタノールに溶解し、これを冷
却し、沈殿物を回収するか、冷却液に水、メタノール及
び/又はエタノールの適当量を加えて沈殿物を析出回収
することにより、高純度のルテイン脂肪酸エステル製品
が得られる。
含有オレオレジンから簡便で且つ安定した品質の高純度
ルテイン脂肪酸エステル製品を精製する方法を開発する
ことを課題とする。 【解決手段】原料オレオレジンを温アセトンに溶解後冷
却し、アセトン不溶物を除去したアセトン可溶物を温プ
ロパノール及び/又は温ブタノールに溶解し、これを冷
却し、沈殿物を回収するか、冷却液に水、メタノール及
び/又はエタノールの適当量を加えて沈殿物を析出回収
することにより、高純度のルテイン脂肪酸エステル製品
が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルテイン脂肪酸エ
ステルの精製方法に関するものである。詳しくは、植物
体から抽出されたルテイン脂肪酸エステルを含有するオ
レオレジンをアセトン処理してアセトン不溶物を除去し
た後、プロパノール及び/又はブタノールに溶解した後
冷却し、これに水、メタノール又はエタノールから選ば
れた1種又は2種以上の混合物を加えるか,あるいは加
えないでルテイン脂肪酸エステルを沈殿させることを特
徴とするルテイン脂肪酸エステルの精製方法に関するも
のである。
ステルの精製方法に関するものである。詳しくは、植物
体から抽出されたルテイン脂肪酸エステルを含有するオ
レオレジンをアセトン処理してアセトン不溶物を除去し
た後、プロパノール及び/又はブタノールに溶解した後
冷却し、これに水、メタノール又はエタノールから選ば
れた1種又は2種以上の混合物を加えるか,あるいは加
えないでルテイン脂肪酸エステルを沈殿させることを特
徴とするルテイン脂肪酸エステルの精製方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ルテイン(lutein)はケール、芽キャベ
ツ、ブローッコリー等の緑黄色野菜やマリーゴールド等
の黄色の花等植物界に広く存在するカロテノイドの一つ
である。中でもキク科の植物マリーゴールドの花弁には
高濃度に含まれ、古来家禽類の卵の黄身の着色強化用に
飼料として使用され、近年においてはその鮮明な黄色を
活かした食品着色料としても使用されてきた。
ツ、ブローッコリー等の緑黄色野菜やマリーゴールド等
の黄色の花等植物界に広く存在するカロテノイドの一つ
である。中でもキク科の植物マリーゴールドの花弁には
高濃度に含まれ、古来家禽類の卵の黄身の着色強化用に
飼料として使用され、近年においてはその鮮明な黄色を
活かした食品着色料としても使用されてきた。
【0003】一方、β−カロテンを初めとするカロテノ
イドはその抗酸化効果よりビタミンA機能や発癌抑制効
果等が報告され、栄養補助食品として注目されている。
ルテインについても網膜黄斑部の酸化変性に起因する加
齢性黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration
:AMD)のリスク低減との関連を示す報告(J. Ame
r. Med. Assoc., 272, 1413〜20, 1994 :Inv. Ophth.
Visu.,Sci., 38, 1802〜11, 1997、他)や、動脈硬化の
予防、白内障の予防あるいは発癌抑制等にも有効である
との報告(Brit. Med. J., 305, 335〜9, 1992 : Ame
r. J. Clin. Nutr., 70, 517〜24, 1992 : Amer. J. E
pidem. 149, 801〜9, 1999 、他)がされている。この
ようにルテインは従来の色素としての用途の他、健康食
品、栄養補助食品としても利用が期待されるものであ
る。
イドはその抗酸化効果よりビタミンA機能や発癌抑制効
果等が報告され、栄養補助食品として注目されている。
ルテインについても網膜黄斑部の酸化変性に起因する加
齢性黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration
:AMD)のリスク低減との関連を示す報告(J. Ame
r. Med. Assoc., 272, 1413〜20, 1994 :Inv. Ophth.
Visu.,Sci., 38, 1802〜11, 1997、他)や、動脈硬化の
予防、白内障の予防あるいは発癌抑制等にも有効である
との報告(Brit. Med. J., 305, 335〜9, 1992 : Ame
r. J. Clin. Nutr., 70, 517〜24, 1992 : Amer. J. E
pidem. 149, 801〜9, 1999 、他)がされている。この
ようにルテインは従来の色素としての用途の他、健康食
品、栄養補助食品としても利用が期待されるものであ
る。
【0004】ルテインの原料としては上記の如くキク科
の植物であるマリーゴールドの花弁より、ヘキサンや石
油エーテル等の炭化水素系、またはジクロロメタン等の
塩素化炭化水素系の溶媒で抽出されたオレオレジン(ol
eoresins)が使用される。これらの溶剤で抽出されたオ
レオレジン中のルテインは主としてパルミチン酸を主成
分とする脂肪酸エステルの状態で存在するが、その量は
エステルの状態で約30重量%と低い純度のものであ
る。食品用色素としての利用においてはより鮮明な色調
を得るために、又、栄養補助食品としての利用において
はより機能効率を高めるために、不純物を除き、有効成
分であるルテインの含有率を高めることが望ましい。
の植物であるマリーゴールドの花弁より、ヘキサンや石
油エーテル等の炭化水素系、またはジクロロメタン等の
塩素化炭化水素系の溶媒で抽出されたオレオレジン(ol
eoresins)が使用される。これらの溶剤で抽出されたオ
レオレジン中のルテインは主としてパルミチン酸を主成
分とする脂肪酸エステルの状態で存在するが、その量は
エステルの状態で約30重量%と低い純度のものであ
る。食品用色素としての利用においてはより鮮明な色調
を得るために、又、栄養補助食品としての利用において
はより機能効率を高めるために、不純物を除き、有効成
分であるルテインの含有率を高めることが望ましい。
【0005】植物体に存在するルテインはルテイン脂肪
酸エステルの状態での比率が高く、又、フリーのルテイ
ンに比べてルテイン脂肪酸エステルは油脂に対する溶解
度が大きく、色素としての利用においてはより高い濃度
の色素製剤の作成ができ、又、食品の系においても油脂
に溶解して摂取することにより吸収性が高められること
が期待できる。
酸エステルの状態での比率が高く、又、フリーのルテイ
ンに比べてルテイン脂肪酸エステルは油脂に対する溶解
度が大きく、色素としての利用においてはより高い濃度
の色素製剤の作成ができ、又、食品の系においても油脂
に溶解して摂取することにより吸収性が高められること
が期待できる。
【0006】オレオレジンからルテイン脂肪酸エステル
を濃縮する方法としては、マリーゴールド花弁から石油
エーテルで抽出したオレオレジンを熱低級アルキルアル
コール(炭素数2〜4)に溶解した後、これを冷却して
ルテイン脂肪酸エステルを沈殿として得る方法(米国特
許第4,048,203号公報)や、マリーゴールド花
弁からヘキサンで抽出されたオレオレジンを20℃程度
の温度で炭素数1〜6の低級アルキルアルコールに懸濁
させ、所定時間攪拌を続け、アルキルアルコール可溶成
分を溶解後、不溶部としてルテイン脂肪酸エステルを得
る方法(国際出願番号第99/54408号公報)等が
開示されている。
を濃縮する方法としては、マリーゴールド花弁から石油
エーテルで抽出したオレオレジンを熱低級アルキルアル
コール(炭素数2〜4)に溶解した後、これを冷却して
ルテイン脂肪酸エステルを沈殿として得る方法(米国特
許第4,048,203号公報)や、マリーゴールド花
弁からヘキサンで抽出されたオレオレジンを20℃程度
の温度で炭素数1〜6の低級アルキルアルコールに懸濁
させ、所定時間攪拌を続け、アルキルアルコール可溶成
分を溶解後、不溶部としてルテイン脂肪酸エステルを得
る方法(国際出願番号第99/54408号公報)等が
開示されている。
【0007】しかしながら、前者の方法においては、同
特許の実施例及び後者特許の比較例によれば得られる製
品のルテイン脂肪酸エステルの純度は約50重量%で未
だ不充分であり、後者の方法においては原料の品質状況
により得られる製品のルテイン脂肪酸エステルの純度に
バラツキがあり品質的に安定した製品の入手には未だ不
充分である。
特許の実施例及び後者特許の比較例によれば得られる製
品のルテイン脂肪酸エステルの純度は約50重量%で未
だ不充分であり、後者の方法においては原料の品質状況
により得られる製品のルテイン脂肪酸エステルの純度に
バラツキがあり品質的に安定した製品の入手には未だ不
充分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物原料か
ら得られたオレオレジンから簡便で且つ安定した品質の
高純度ルテイン脂肪酸エステルを精製する製法を開発す
ることを課題とするものである。
ら得られたオレオレジンから簡便で且つ安定した品質の
高純度ルテイン脂肪酸エステルを精製する製法を開発す
ることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、オレオレジン
等のルテイン脂肪酸エステル含有原料を温アセトンに溶
解後冷却し、リン脂質等のアセトンに不溶な成分を除去
した後、アセトンを留去し、得られたアセトン可溶成分
を炭素数3のプロパノール及び/又は炭素数4のブタノ
ールに加温溶解する。これを冷却して生じたルテイン脂
肪酸エステルを沈殿物として析出させることにより回収
するか、冷却液に水、メタノール又はエタノールの適当
量を加えてルテイン脂肪酸エステルを沈殿物として析出
させることにより回収することにより高純度のルテイン
脂肪酸エステルが得られることを見出し本発明を完成さ
せたものである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、オレオレジン
等のルテイン脂肪酸エステル含有原料を温アセトンに溶
解後冷却し、リン脂質等のアセトンに不溶な成分を除去
した後、アセトンを留去し、得られたアセトン可溶成分
を炭素数3のプロパノール及び/又は炭素数4のブタノ
ールに加温溶解する。これを冷却して生じたルテイン脂
肪酸エステルを沈殿物として析出させることにより回収
するか、冷却液に水、メタノール又はエタノールの適当
量を加えてルテイン脂肪酸エステルを沈殿物として析出
させることにより回収することにより高純度のルテイン
脂肪酸エステルが得られることを見出し本発明を完成さ
せたものである。
【0010】即ち、本発明の特徴の第1は、オレオレジ
ンを直接プロパノールあるいはブタノール等の低級アル
キルアルコールに溶解処理するのではなく、その前処理
としてアセトン不溶物を除去することにより、次工程で
あるプロパノール及び/又はブタノールでの精製効率を
高めることであり、特徴の第2はプロパノール及び/又
はブタノールに溶解し、それを冷却して沈殿を析出せし
めるに際し、ルテイン脂肪酸エステルの溶解度の低い水
あるいはメタノール及び/又はエタノールを加えること
によりルテイン脂肪酸エステルの析出効率を高めること
である。水、メタノール及び/又はエタノールでルテイ
ン脂肪酸エステルの析出促進を可能にする背景には、ア
セトン処理により予めアセトン不溶物を除去しておくこ
とが存在しており、その点からもアセトン処理が有用で
あるといえる。
ンを直接プロパノールあるいはブタノール等の低級アル
キルアルコールに溶解処理するのではなく、その前処理
としてアセトン不溶物を除去することにより、次工程で
あるプロパノール及び/又はブタノールでの精製効率を
高めることであり、特徴の第2はプロパノール及び/又
はブタノールに溶解し、それを冷却して沈殿を析出せし
めるに際し、ルテイン脂肪酸エステルの溶解度の低い水
あるいはメタノール及び/又はエタノールを加えること
によりルテイン脂肪酸エステルの析出効率を高めること
である。水、メタノール及び/又はエタノールでルテイ
ン脂肪酸エステルの析出促進を可能にする背景には、ア
セトン処理により予めアセトン不溶物を除去しておくこ
とが存在しており、その点からもアセトン処理が有用で
あるといえる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるアセトンは市
販されているものが使用できる。メチルエチルケトンや
ジエチルケトンの使用も可能であるが、市場での流通量
や沸点等の物性よりアセトンの使用が好ましい。オレオ
レジンに対するアセトンの量はオレオレジンの品質によ
って異なるが、通常はオレオレジン1重量部に対して
0.5〜10重量部、好ましくは2〜3重量部の使用が
好ましい。
販されているものが使用できる。メチルエチルケトンや
ジエチルケトンの使用も可能であるが、市場での流通量
や沸点等の物性よりアセトンの使用が好ましい。オレオ
レジンに対するアセトンの量はオレオレジンの品質によ
って異なるが、通常はオレオレジン1重量部に対して
0.5〜10重量部、好ましくは2〜3重量部の使用が
好ましい。
【0012】アセトン・オレオレジン混合物を40℃以
上,好ましくは45℃以上から緩やかな還流状態を維持
して溶解し、これを10〜30℃、好ましくは15〜2
5℃に緩やかに冷却する。生じた沈殿物を濾過あるいは
遠心分離等の手段で除去し、得られた液を減圧下でアセ
トンを留去しアセトン溶解部を濃縮する。
上,好ましくは45℃以上から緩やかな還流状態を維持
して溶解し、これを10〜30℃、好ましくは15〜2
5℃に緩やかに冷却する。生じた沈殿物を濾過あるいは
遠心分離等の手段で除去し、得られた液を減圧下でアセ
トンを留去しアセトン溶解部を濃縮する。
【0013】次に、得られたアセトン可溶部をプロパノ
ール及び/又はブタノールに溶解する。使用されるアル
コールは1価のアルコールであり、n−プロパノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールあ
るいはイソブタノールが単独又は混合物で使用できる
が、n−ブタノールの単独使用が好ましい。これらのア
ルコールより炭素数が少ないエタノールやメタノールで
はアセトン可溶物の溶解度が小さくルテイン脂肪酸エス
テルの純度を高くするためには多量の溶媒が必要となり
非効率である。又、炭素数が大きくなるとアセトン可溶
物の溶解度は増すが次の工程での沈殿析出性が劣り収率
が低下し経済的でない。
ール及び/又はブタノールに溶解する。使用されるアル
コールは1価のアルコールであり、n−プロパノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールあ
るいはイソブタノールが単独又は混合物で使用できる
が、n−ブタノールの単独使用が好ましい。これらのア
ルコールより炭素数が少ないエタノールやメタノールで
はアセトン可溶物の溶解度が小さくルテイン脂肪酸エス
テルの純度を高くするためには多量の溶媒が必要となり
非効率である。又、炭素数が大きくなるとアセトン可溶
物の溶解度は増すが次の工程での沈殿析出性が劣り収率
が低下し経済的でない。
【0014】アセトン可溶物に対するアルコールの配合
量はアセトン可溶物1重量部に対して1〜5重量部、好
ましくは2〜3重量部である。アセトン可溶物とプロパ
ノール及び/又はブタノールとの混合物を40〜70
℃、好ましくは45〜55℃に加温してアセトン可溶物
を溶解する。溶解した後、これを緩やかに冷却して0〜
20℃好ましくは3〜10℃に冷却する。アルコール液
をそのまま冷却することによりルテイン脂肪酸エステル
の結晶が析出するが、沈殿析出に長時間が必要であり、
アルコール液を冷却した後、これに冷却した水、メタノ
ールあるいはエタノールの適当量を添加することによ
り、効率的にルテイン脂肪酸エステルを析出させること
ができる。濾過あるいは遠心分離等の方法で固形物とし
てルテイン脂肪酸エステルを回収する。
量はアセトン可溶物1重量部に対して1〜5重量部、好
ましくは2〜3重量部である。アセトン可溶物とプロパ
ノール及び/又はブタノールとの混合物を40〜70
℃、好ましくは45〜55℃に加温してアセトン可溶物
を溶解する。溶解した後、これを緩やかに冷却して0〜
20℃好ましくは3〜10℃に冷却する。アルコール液
をそのまま冷却することによりルテイン脂肪酸エステル
の結晶が析出するが、沈殿析出に長時間が必要であり、
アルコール液を冷却した後、これに冷却した水、メタノ
ールあるいはエタノールの適当量を添加することによ
り、効率的にルテイン脂肪酸エステルを析出させること
ができる。濾過あるいは遠心分離等の方法で固形物とし
てルテイン脂肪酸エステルを回収する。
【0015】本工程における水、メタノールあるいはエ
タノールの使用量は使用されるプロパノール及び/又は
ブタノールの配合比率や量によって異なるが、使用され
るアルコール1重量部に対して水においては1重量部以
下好ましくは0.5重量部以下、メタノールにおいては
5重量部以下好ましくは1重量部以下、エタノールにお
いては10重量部以下好ましくは5重量部以下である。
それ以上の量を添加するとプロパノール及び/又はブタ
ノールに溶解した不純物が沈殿してルテイン脂肪酸エス
テルの純度を下げる。
タノールの使用量は使用されるプロパノール及び/又は
ブタノールの配合比率や量によって異なるが、使用され
るアルコール1重量部に対して水においては1重量部以
下好ましくは0.5重量部以下、メタノールにおいては
5重量部以下好ましくは1重量部以下、エタノールにお
いては10重量部以下好ましくは5重量部以下である。
それ以上の量を添加するとプロパノール及び/又はブタ
ノールに溶解した不純物が沈殿してルテイン脂肪酸エス
テルの純度を下げる。
【0016】濾過あるいは遠心分離等により回収された
沈殿物は好ましくは水またはエタノールで洗浄し、使用
し残存するアルキルアルコールを除去した後、真空乾燥
等で乾燥して製品とする。
沈殿物は好ましくは水またはエタノールで洗浄し、使用
し残存するアルキルアルコールを除去した後、真空乾燥
等で乾燥して製品とする。
【0017】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
する。
する。
【0018】〔ルテイン脂肪酸エステル含量測定方法〕
試料約0.1gを正確に秤量し、ヘキサンに溶解し10
0mlとする。これを吸光度が0.3〜0,7になるよ
うにヘキサンにて希釈し、この希釈液の445nm近辺
の極大吸収での吸光度を分光光度計にて測定し、次の計
算式により含量を計算する。 含量(%)={(吸光度÷試料の重量)×希釈倍率}÷
1394 ※1394は445nmにおける吸光係数
試料約0.1gを正確に秤量し、ヘキサンに溶解し10
0mlとする。これを吸光度が0.3〜0,7になるよ
うにヘキサンにて希釈し、この希釈液の445nm近辺
の極大吸収での吸光度を分光光度計にて測定し、次の計
算式により含量を計算する。 含量(%)={(吸光度÷試料の重量)×希釈倍率}÷
1394 ※1394は445nmにおける吸光係数
【0019】《実施例1》マリーゴールドオレオレジン
(ルテイン脂肪酸エステル含量:22重量%)106g
に対し、アセトン212mlを加え、50℃に加温して
溶解する。20℃まで徐冷し生じた沈殿物を濾過により
除去した。濾液から減圧蒸留によりアセトンを留去しア
セトン溶解物を濃縮した。この濃縮物に300gのn−
ブタノールを加え、45℃まで加温して溶解した後、4
℃まで徐冷した。これに脱イオン水1.5gを添加し析
出した沈殿をろ紙で濾過した。得られた固形物を水洗
し、再びろ紙で濾過して得られた沈殿物を真空乾燥し
た。ルテイン脂肪酸エステル含量88重量%の乾燥物
9.7gを得た。
(ルテイン脂肪酸エステル含量:22重量%)106g
に対し、アセトン212mlを加え、50℃に加温して
溶解する。20℃まで徐冷し生じた沈殿物を濾過により
除去した。濾液から減圧蒸留によりアセトンを留去しア
セトン溶解物を濃縮した。この濃縮物に300gのn−
ブタノールを加え、45℃まで加温して溶解した後、4
℃まで徐冷した。これに脱イオン水1.5gを添加し析
出した沈殿をろ紙で濾過した。得られた固形物を水洗
し、再びろ紙で濾過して得られた沈殿物を真空乾燥し
た。ルテイン脂肪酸エステル含量88重量%の乾燥物
9.7gを得た。
【0020】《実施例2》実施例1における脱イオン水
1.5gに代えてエタノール1250gを使用する以外
は全て実施例1と同様に処理し、ルテイン脂肪酸エステ
ル含量79重量%の乾燥物17.5gを得た。
1.5gに代えてエタノール1250gを使用する以外
は全て実施例1と同様に処理し、ルテイン脂肪酸エステ
ル含量79重量%の乾燥物17.5gを得た。
【0021】《実施例3》実施例1における脱イオン水
1.5gに代えてメタノール210gを使用する以外は
全て実施例1と同様に処理し、ルテイン脂肪酸エステル
含量82重量%の乾燥物15.6gを得た。
1.5gに代えてメタノール210gを使用する以外は
全て実施例1と同様に処理し、ルテイン脂肪酸エステル
含量82重量%の乾燥物15.6gを得た。
【0022】《実施例4》実施例1において、n―ブタ
ノール溶液を4℃に冷却して後、水、メタノールあるい
はエタノールを添加することなく放置して析出した沈殿
をろ紙で濾過し、得られた沈殿物を水洗し、再びろ紙で
濾過して得られた沈殿物を真空乾燥した。ルテイン脂肪
酸エステル69重量%の乾燥物22.1gを得た。
ノール溶液を4℃に冷却して後、水、メタノールあるい
はエタノールを添加することなく放置して析出した沈殿
をろ紙で濾過し、得られた沈殿物を水洗し、再びろ紙で
濾過して得られた沈殿物を真空乾燥した。ルテイン脂肪
酸エステル69重量%の乾燥物22.1gを得た。
【0023】《比較例》国際出願番号第99/5440
8号の例に従い、実施例に使用したものと同じマリーゴ
ールドオレオレジン100gにイソプロパノール200
gを加え、20℃で3時間攪拌しペースト状の懸濁物を
得た。これをろ紙で濾過し、ろ紙上の固形物をナス型フ
ラスコに移し、減圧下65℃まで加温して固形物を溶解
させた。これを型に抜き出した後、室温まで放冷して固
化させた。ルテイン脂肪酸エステル含量49重量%の固
形物29.4gを得た。
8号の例に従い、実施例に使用したものと同じマリーゴ
ールドオレオレジン100gにイソプロパノール200
gを加え、20℃で3時間攪拌しペースト状の懸濁物を
得た。これをろ紙で濾過し、ろ紙上の固形物をナス型フ
ラスコに移し、減圧下65℃まで加温して固形物を溶解
させた。これを型に抜き出した後、室温まで放冷して固
化させた。ルテイン脂肪酸エステル含量49重量%の固
形物29.4gを得た。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法により、高純度のルテイン
脂肪酸エステルが得られ、より良好な品質の色素製剤や
栄養補助食品の製造が可能になる。
脂肪酸エステルが得られ、より良好な品質の色素製剤や
栄養補助食品の製造が可能になる。
Claims (2)
- 【請求項1】 植物体から抽出されたルテイン脂肪酸エ
ステルを含有するオレオレジンを温アセトンに溶解後冷
却して沈殿物を除去し、アセトンを留去して得られる残
分を、温プロパノール及び/又は温ブタノールに溶解後
冷却し沈殿させることを特徴とするルテイン脂肪酸エス
テルの精製方法。 - 【請求項2】 植物体から抽出されたルテイン脂肪酸エ
ステルを含有するオレオレジンを温アセトンに溶解後冷
却して沈殿物を除去し、アセトンを留去して得られる残
分を、温プロパノール及び/又は温ブタノールに溶解後
冷却し、これに水、メタノール又はエタノールから選ば
れた1種又は2種以上の混合物を添加して沈殿させるこ
とを特徴とするルテイン脂肪酸エステルの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000218423A JP2002030068A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | ルテイン脂肪酸エステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000218423A JP2002030068A (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | ルテイン脂肪酸エステルの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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